JPH08245818A - 多孔性フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

多孔性フィルムおよびその製造方法

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JPH08245818A
JPH08245818A JP4958995A JP4958995A JPH08245818A JP H08245818 A JPH08245818 A JP H08245818A JP 4958995 A JP4958995 A JP 4958995A JP 4958995 A JP4958995 A JP 4958995A JP H08245818 A JPH08245818 A JP H08245818A
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porous film
film
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stretching
hydrocarbon compound
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JP4958995A
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Masao Kameyama
山 正 雄 亀
Jiro Fujimura
村 次 郎 藤
Kaoru Fujii
井 馨 藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】延伸性が良好で、空孔率が高く、剛性が低いた
め、肌ざわりが良好である多孔性フィルムおよびその製
造方法の提供。 【構成】ポリエチレン樹脂と、飽和炭化水素化合物系ワ
ックスと、セルロース系粉末充填剤とを含む樹脂組成物
のフィルムまたはシートを延伸してなる多孔性フィル
ム、およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多孔性フィルムおよびそ
の製造方法に関し、特に、延伸性が良好で、剛性が低い
ため、肌ざわりが良好な多孔性フィルムおよびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオレフィン樹脂からなる多孔
性フィルムが、ハウスラップ材等の建材用フィルムまた
はシート、遮熱シート等の農業用シート、雨合羽、各種
の保護衣等の衣料用フィルムまたはシート、コンクリー
ト養生シート等の土木資材用フィルムまたはシート、合
成紙、ポスター、封筒等の産業資材などの広範囲の用途
に利用されている。
【0003】従来、この多孔性フィルムは、ポリオレフ
ィン樹脂に充填剤を配合した樹脂組成物を溶融成形した
フィルムまたはシートを延伸する方法によって製造され
ている。また、この方法を改良する目的で各種の方法が
提案されている。例えば、ポリオレフィン樹脂に充填剤
と液状ポリイソプレンゴムを配合してなる組成物を溶融
成形して得たフィルムまたはシートを延伸処理する方法
が提案されている(特開昭58−149925号公
報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の方
法で製造された多孔性フィルムは、延伸性が低く、空孔
率が低く、かつ剛性が高く、肌ざわりが悪いという欠点
があった。
【0005】そこで、本発明の目的は、従来の方法によ
る多孔性フィルムの上記欠点を改良し、延伸性が良好
で、空孔率が高く、剛性が低いため、肌ざわりが良好で
ある多孔性フィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、ポリエチレン樹脂と、飽和炭化水素化合
物系ワックスと、セルロース系粉末充填剤とを含む樹脂
組成物のフィルムまたはシートを延伸してなる多孔性フ
ィルムを提供するものである。
【0007】また、本発明は、前記多孔性フィルムの製
造方法として、ポリエチレン樹脂と、飽和炭化水素化合
物系ワックスと、セルロース系粉末充填剤とを含む樹脂
組成物を、フィルムまたはシートに溶融成形した後、延
伸する工程を有する多孔性フィルムの製造方法をも提供
するものである。
【0008】以下、本発明の多孔性フィルムおよびその
製造方法について詳細に説明する。
【0009】本発明の多孔性フィルムは、ポリエチレン
樹脂、飽和炭化水素化合物系ワックスおよびセルロース
系粉末充填剤を必須成分とする樹脂組成物からなるもの
である。この樹脂組成物の必須成分であるポリエチレン
樹脂は、エチレンの単独重合体、あるいはエチレンを主
成分とし、エチレンと他のオレフィンとの共重合体等が
挙げられる。このポリエチレン樹脂におけるエチレンの
含有量は、通常、80モル%以上である。このポリエチ
レン樹脂の具体例として、高密度ポリエチレン、低密度
ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレンと他
のオレフィンとの共重合体等が挙げられる。
【0010】本発明において、このポリエチレン樹脂
は、多孔性フィルムの製造工程における成形性と、高強
度、引裂強度等の成形物性が良好となる点で、好ましく
はMFRが0.01〜5g/10分、特に好ましくは
0.1〜2g/10分であるものである。
【0011】本発明において、樹脂組成物の必須成分で
ある飽和炭化水素化合物系ワックスは、主として飽和炭
化水素化合物からなる常温で固体のロウ状の低分子量重
合体物質である。この飽和炭化水素化合物系ワックスと
して、例えば、パラフィンワックス、エチレン系低分子
量重合体、あるいは高分子量重合体の熱分解物等が挙げ
られる。本発明において、この飽和炭化水素化合物系ワ
ックスは、1種単独でも2種以上を組み合わせても用い
ることができる。このエチレン系低分子量重合体または
熱分解物の原料となる高分子量重合体として、エチレ
ン、プロピレン、ブテンおよび4−メチル−1−ペンテ
ンから選ばれる少なくとも1種を含む重合体からなるも
のが挙げられる。この重合体は、エチレン、プロピレ
ン、ブテン、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数2〜
6のオレフィンの1種からなる単独重合体または2種以
上からなる共重合体、あるいはこれらのオレフィンの1
種または2種以上と他のα−オレフィンとの共重合体で
ある。
【0012】本発明において、この飽和炭化水素化合物
系ワックスは、フィルムもしくはシートの溶融成形時の
成形性、フィルムまたはシートの延伸時における延伸
性、得られた多孔性フィルムの延伸物性等の点で、融点
が50〜150℃、特に60〜120℃であるものが好
ましい。
【0013】この飽和炭化水素化合物系ワックスは、ポ
リエチレン樹脂を可塑化し、成形性を向上するととも
に、得られる成形物に柔軟性を付与するために、重量平
均分子量が300〜10000程度のものであり、好ま
しくは500〜3000程度のものである。また、分子
量分布は、狭い方が成形物性の向上のためには有効であ
る。
【0014】また、この飽和炭化水素化合物系ワックス
の溶融粘度は、通常、エチレン系低分子量重合体等のポ
リエチレン系のワックスでは、140℃で5〜1000
0cP程度であり、好ましくは10〜2000cP程度
である。また、酸価は1以下のものである。さらに、密
度は、0.8〜1.0g/cm3 程度、好ましくは0.
90〜0.98g/cm3 程度である。
【0015】本発明において、樹脂組成物のもう1つの
成分であるセルロース系粉末充填剤は、木材セルロース
を酸加水分解処理および機械的に処理して微粉化したも
のであり、延伸処理によって所要の多孔性および機械的
性質を有する多孔性フィルムを低コストで得るための必
須成分である。このセルロース系粉末充填剤の具体例と
して、セルロース粉末、木材パルプ、木粉等が挙げられ
る。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても用
いられる。これらの中でも、微粉化できる点で、セルロ
ース粉末が好ましい。
【0016】このセルロース系粉末充填剤の粒径は、通
常、10〜1000μm程度であり、少ない配合量で空
孔率を高め、また微粉で孔径分布が均一な多孔性フィル
ムが得られる点で、好ましくは50〜500μm程度で
ある。
【0017】また、樹脂組成物には、必要に応じて、耐
熱安定剤、耐候安定剤、滑剤、帯電防止剤等の常用の配
合剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合してもよ
い。
【0018】樹脂組成物中におけるポリエチレン樹脂、
飽和炭化水素化合物系ワックスおよびセルロース系粉末
充填剤の配合割合は、好ましくはポリエチレン樹脂10
0重量部に対して、飽和炭化水素化合物系ワックス5〜
100重量部、セルロース系粉末5〜100重量部の割
合であり、さらに好ましくはポリエチレン樹脂100重
量部に対して、飽和炭化水素化合物系ワックス10〜5
0重量部、セルロース系粉末充填剤10〜50重量部の
割合である。飽和炭化水素化合物系ワックスの配合割合
が上記範囲より少なすぎると、延伸処理における延伸性
に劣り、多過ぎるとポリエチレン樹脂本来の機械的強度
特性を有する多孔性フィルムが得られず、また、十分な
強度を有する多孔性フィルムを得ることができない。ま
た、セルロース系粉末充填剤の配合割合が上記範囲に比
べて少なすぎると、延伸処理によって多孔性フィルムを
得ることが困難となり、多すぎると、樹脂組成物をフィ
ルムまたはシートに溶融成形する際の混練性、分散性、
フィルムまたはシートの成形性が劣り、さらに、フィル
ムまたはシートの延伸処理による多孔性フィルムの成形
における延伸性が劣る。
【0019】また、樹脂組成物の調製は、前記ポリエチ
レン樹脂、飽和炭化水素化合物系ワックスおよびセルロ
ース系粉末充填剤、ならびに必要に応じて配合される各
種の配合剤を、ヘンシェルミキサー、タンブラー型混合
機、V型混合機等の常用の混合機を用いて混合する方法
にしたがって行うことができる。
【0020】本発明において、樹脂組成物は、フィルム
またはシートに溶融成形される。この溶融成形は、樹脂
組成物を溶融混練してフィルムまたはシートに成形でき
る方法であればよく、いずれの方法にしたがって行って
もよい。例えば、樹脂組成物を、一軸もしくは二軸のス
クリュー押出機、二軸混練等の常用の装置を用いて溶融
混練した後、インフレーション成形、Tダイによる押出
成形等によってフィルムまたはシートに成形することが
できる。
【0021】樹脂組成物の溶融混練時の温度は、通常、
150〜250℃の範囲に調整される。
【0022】また、インフレーション成形では、円形ダ
イから円筒状に一軸延伸または二軸延伸されたフィルム
を引出し、さらにロール延伸により一軸延伸を行うこと
ができる。また、Tダイによる成形では、未配向のシー
トまたはフィルムを成形後、ロール延伸により一軸延
伸、あるいはテンター方式による二軸延伸を行うことが
できる。
【0023】本発明において、樹脂組成物の溶融成形に
よって得られるフィルムまたはシートの厚さは、特に制
限されず、用途に応じて適宜選択される。例えば、高い
透気性および透湿性が要求される場合には、厚さ200
μm以下の薄膜フィルムが有用であり、高い強度、引裂
強度および耐水圧性が要求される場合には、厚さ500
μm以上のシートが有用である。
【0024】次に、フィルム状またはシート状に成形さ
れた樹脂組成物は、延伸処理され、多孔性フィルムを得
ることができる。この延伸処理は、一軸延伸でも、二軸
延伸でもよく、用途に応じて、適宜選択される。例え
ば、一軸延伸の場合には、簡易に延伸処理を行うことが
できる利点があり、強度の異方性を問題としない用途に
は、一軸延伸が有利である。また、二軸延伸の場合に
は、さらに薄膜化が可能であり、剛性の低下による肌ざ
わり性の向上、強度の異方性の解消の目的に有効であ
る。
【0025】一軸延伸の場合は、通常、ロール延伸が用
いられ、一段または二段以上の多段で行ってもよい。こ
の時、延伸温度は室温〜樹脂の融点の範囲に調整され、
延伸倍率1.2〜6倍、好ましくは2〜4倍に延伸する
ことによって、空孔率50%以上で、剛性が低く、肌ざ
わりのよい多孔性フィルムを得ることができる。
【0026】二軸延伸の場合は、同時もしくは逐次延伸
が行われる。この時、延伸温度は室温から樹脂の融点ま
でで、延伸倍率は1.2〜6倍、好ましくは2〜4倍で
空孔率50%以上で、剛性が低く、肌ざわりのよい多孔
性フィルムを得ることができる。
【0027】また、一軸または二軸延伸処理後、熱処理
を行うと、寸法安定性に優れる多孔性フィルムを得るこ
とができるため、有効である。熱処理は、80℃からフ
ィルムの融点までの範囲の温度で行うことができ、通
常、高温で短時間に行われる。
【0028】本発明の多孔性フィルムの中でも、空孔率
が50%以上のものが、特に剛性が低いため、肌ざわり
が良好である点で、好ましく、さらに空孔率が60〜9
0%であるものが好ましい。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例によっ
て、本発明を具体的に説明する。
【0030】(実施例1)高密度ポリエチレン(三井石
油化学工業社製、ハイゼックス8200B、MFR:
0.03g/10分)100重量部と、パラフィンワッ
クス(日本精ロウ社製#155、融点:70℃)20重
量部と、セルロース粉末(日本製紙社製、パルプパウダ
ーW−400)30重量部とを、タンブラーで撹拌混合
した。得られた混合物を、二軸押出機(日本製鋼社製、
TEX−44、スクリュー径:44mm)に供給してシ
リンダー温度:120/140/190℃で溶融混練し
た後、ダイス温度:190℃のTダイから押出し、引取
速度:6m/minで引き取って、厚さ200μmのフ
ィルムを得た。得られたフィルムを、延伸温度:120
℃、延伸速度:0.5m/min、および延伸倍率:縦
/横=4/4倍で同時二軸延伸して、多孔性フィルムを
得た。得られた多孔性フィルムについて、延伸性、空孔
率、透気度、最大孔径、平均孔径、透湿度、耐水圧性、
強伸度および引裂強度を、下記の方法にしたがって評価
または測定した。結果を表1に示す。
【0031】延伸性:延伸状態を目視により調査し、下
記の基準で評価した。 ○ 延伸ムラなし、切断なし × 延伸ムラまたは切断あり
【0032】空孔率:次式より空孔率を求めた。 空孔率=(d0 −d)/d0 ×100 d0 :樹脂組成物の密度 d :延伸フィルムの密度
【0033】 最大孔径、平均孔径:水銀圧入法により求めた。 透気度:JIS P8117に準拠して評価した。 透湿度:JIS P0208に準拠して評価した。 耐水圧性:JIS L1092に準拠して評価した。 強伸度:JIS P8113,8132に準拠して評価
した。 引裂強度:JIS P8116に準拠して評価した。
【0034】表1から、得られた多孔性フィルムが、良
好な延伸性、空孔率、孔径の均質性、透気度、透湿度、
耐水圧性、強伸度および引裂強度のバランスに優れたも
のであることがわかる。
【0035】(実施例2)実施例1で得られたシート
を、一軸延伸して延伸倍率:縦/横=4/1倍の多孔性
フィルムを製造し、実施例1と同様にして、延伸性、空
孔率、最大孔径、平均孔径、透気度、透湿度、耐水圧
性、強伸度および引裂強度を評価または測定した。結果
を表1に示す。得られた多孔性フィルムは、横方向の強
伸度、引裂強度が低い以外は良好な性能を有するもので
あることがわかる。
【0036】(実施例3)パラフィンワックスの配合割
合を40重量部にした以外は、実施例1と同様にして多
孔性フィルムを製造し、実施例1と同様にして、延伸
性、空孔率、最大孔径、平均孔径、透気度、透湿度、耐
水圧性、強伸度および引裂強度を評価または測定した。
結果を表1に示す。
【0037】(実施例4)パラフィンワックスに代えて
エチレン重合型低分子量ワックス(三井石油化学工業
(株)製、三井ハイワックス200p、重量平均分子
量:2000、融点:122℃)を用いた以外は、実施
例1と同様にして多孔性フィルムを製造し、実施例1と
同様にして、延伸性、空孔率、最大孔径、平均孔径、透
気度、透湿度、耐水圧性、強伸度および引裂強度を評価
または測定した。結果を表1に示す。
【0038】(実施例5)セルロース粉末の配合量を4
0重量部に代えた以外は、実施例1と同様にして多孔性
フィルムを製造し、実施例1と同様にして、延伸性、空
孔率、最大孔径、平均孔径、透気度、透湿度、耐水圧
性、強伸度および引裂強度を評価または測定した。結果
を表1に示す。
【0039】(実施例6)高密度ポリエチレンに代えて
直鎖状低密度ポリエチレン(三井石油化学工業(株)
製、ウルトゼックス3021F、MFR:2.1g/1
0分)を用いた以外は、実施例1と同様にして、延伸
性、空孔率、最大孔径、平均孔径、透気度、透湿度、耐
水圧性、強伸度および引裂強度を評価または測定した。
結果を表1に示す。
【0040】(比較例1)高密度ポリエチレンに代えて
ポリプロピレン(三井石油化学工業(株)製、ハイポー
ルB200、MFR:0.15g/10分)を用い、押
出機におけるシリンダー温度を140/190/220
℃に、Tダイのダイス温度を220℃とし、延伸におけ
る温度を160℃とした以外は、実施例1と同様にして
多孔性フィルムの製造を試みたが、セルロース粉末の劣
化が激しく、良好な延伸フィルムが得られなかった。
【0041】(比較例2)パラフィンワックスを用いな
い以外は、実施例1と同様にして多孔性フィルムの製造
を試みたが、二軸延伸することができず、多孔性フィル
ムが得られなかった。
【0042】(比較例3)セルロース粉末に代えて炭酸
カルシウムを用いた以外は、実施例1と同様にして多孔
性フィルムの製造を試みた。その結果、二軸延伸はでき
たが、表1に示すとおり、得られた多孔性フィルムは空
孔率が低く、各種特性が満足できるものではなかった。
また、孔径分布も、セルロース粉末配合系に比べて大き
い傾向にある。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明の多孔性フィルムは、従来の方法
による多孔性フィルムの上記欠点を改良し、延伸性が良
好で、空孔率が高く、剛性が低いため、肌ざわりが良好
なものである。特に、下記のような特徴を有するもので
ある。特に、空孔率が50%以上のものは、好適であ
る。 1)多孔性:微多孔で、孔径分布が狭く、均質であるた
め、透気性、透湿性に優れている。また、耐水圧特性も
良好である。 2)フィルム特性:一軸および二軸延伸物とも延伸倍率を
高くできるため、薄膜化できるとともに、高い空孔率で
あるため、剛性が低く、肌ざわり性が良好である。 3)後加工性:ヒートシール性に優れるため、各種不織
布、フィルム等との貼り合わせを行うことができる。 4)処分性:焼却時、有毒ガスを発生せず、安全に処分で
きる。
【0046】そのため、本発明の多孔性フィルムは、上
記特性を生かして、建材用(ハウスラップ材)、農業用
(マルチシート、遮熱シート等)、衣料用(雨合羽、各
種保護衣等)、土木資材用(コンクリート養生シート、
アスファルトオーバーレイ等)、産業資材用(合成紙、
ポスター、封筒等)、濾過材用(工業廃水、ミスト除去
等)、電池セパレーター用等の用途に好適に用いること
ができる。
【0047】また、本発明の製造方法は、上記の各種特
性を有する多孔性フィルムを、既存の設備を用いて低コ
ストで製造できる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエチレン樹脂と、飽和炭化水素化合物
    系ワックスと、セルロース系粉末充填剤とを含む樹脂組
    成物のフィルムまたはシートを延伸してなる多孔性フィ
    ルム。
  2. 【請求項2】空孔率が50%以上である請求項1に記載
    の多孔性フィルム。
  3. 【請求項3】前記樹脂組成物が、ポリエチレン樹脂10
    0重量部、ワックス状の飽和炭化水素化合物5〜100
    重量部およびセルロース系粉末充填剤5〜100重量部
    を含むものである請求項1または2に記載の多孔性フィ
    ルム。
  4. 【請求項4】前記飽和炭化水素化合物系ワックスが、エ
    チレン、プロピレン、ブテンおよび4−メチルペンテン
    −1から選ばれる少なくとも1種を含む重合体である請
    求項1〜3のいずれかに記載の多孔性フィルム。
  5. 【請求項5】透気度が1000sec/100cc以下
    のものである請求項1〜4のいずれかに記載の多孔性フ
    ィルム。
  6. 【請求項6】耐水圧が1000mmH2 O以上のもので
    ある請求項1〜5のいずれかに記載の多孔性フィルム。
  7. 【請求項7】前記飽和炭化水素化合物系ワックスが、融
    点50〜150℃であるものである請求項1〜6のいず
    れかに記載の多孔性フィルム。
  8. 【請求項8】ポリエチレン樹脂と、飽和炭化水素化合物
    系ワックスと、セルロース系粉末充填剤とを含む樹脂組
    成物を、フィルムまたはシートに溶融成形した後、延伸
    する工程を有する多孔性フィルムの製造方法。
  9. 【請求項9】前記樹脂組成物が、ポリエチレン樹脂10
    0重量部、飽和炭化水素化合物系ワックス5〜100重
    量部およびセルロース系粉末充填剤5〜100重量部を
    含むものである請求項8に記載の多孔性フィルムの製造
    方法。
  10. 【請求項10】前記飽和炭化水素化合物系ワックスが、
    エチレン、プロピレン、ブテンおよび4−メチルペンテ
    ン−1から選ばれる少なくとも1種を含む重合体である
    請求項8または9に記載の多孔性フィルムの製造方法。
  11. 【請求項11】前記延伸処理が、一軸延伸処理である請
    求項8〜10のいずれかに記載の多孔性フィルムの製造
    方法。
  12. 【請求項12】前記延伸処理が、二軸延伸処理である請
    求項8〜10のいずれかに記載の多孔性フィルムの製造
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001044353A1 (fr) * 1999-12-14 2001-06-21 Tokuyama Corporation Film de polyolefine poreux, procede de fabrication et utilisation
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