JPH08244793A - スタンディングパウチ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 内容物を充填する前の空の状態でも安定して
自立可能であるとともに、内容物の充填・封入工程及び
その後の搬送工程における取扱性が良好で、美観を損な
うことがなく、且つ内容物を取出し易いスタンディング
パウチの提供。 【構成】 二つの側面部２、２と、下部に空間を有する
底面部３とからなり、且つ上方に行くに従って横断面の
断面積が小さくなる立体形状を形成するように上記側面
部２、２の上端部が接着されたパウチ本体１０を主体と
して構成され、該パウチ本体１０内に、側面部補強用の
筒状弾性体４が配設されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、スタンディングパウ
チ、特に、詰め替え用のリフィール容器として使用され
るスタンディングパウチに関する。

【０００２】

【従来の技術】周知のように、液体洗剤、粉末洗剤等の
定形を有しないものは、その取扱性等を考慮して、ポン
プ容器やカートン容器等の容器に充填されて市販されて
いる。ところで、近年、ゴミ処理問題、省資源問題等に
配慮して、内容物を使い切った後に上記容器をゴミとし
て廃棄処理せずに、いわゆるリフィール容器に充填され
た内容物を上記容器に詰め替えて再利用されている。

【０００３】斯るリフィール容器に関する従来技術とし
て、特開平４−８７９５０号公報に記載されたスタンデ
ィングパウチが知られている。上記スタンディングパウ
チは、図４に示すように、２つの側面部１１、１１と、
下部に空間を有する底面部１２とからなり、側面部１
１、１１は幅方向両端部及び上端部が互いに所定幅で熱
溶着されるとともに、底面部１２の周縁部と側面部１１
の下端部とが円弧状に熱溶着されている。そして、上記
側面部１１の下端縁部で自立可能で上方に行くに従って
横断面の断面積が小さくなる立体形状を形成するように
構成されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記スタン
ディングパウチは、軟質の樹脂製シートで形成されてお
り、製造時において底面部１２が半折りにされて偏平形
状に製造されるため、内容物Ｃを充填する工程において
側面部１１の上方部を開口した際に、底面部１２の折り
癖が当該スタンディングパウチを偏平形状に畳もうとす
る方向に働くので、空の状態で自立させることが困難で
あった。従って、充填・封入工程においては、当該スタ
ンディングパウチの両側面部１１、１１の上方部をクリ
ップ等で把持して吊り下げて搬送し、吊り下げたままの
状態で、内容物の充填及び上端部の封入を行わなければ
ならず、特に、内容物の充填量が多い場合には、機械的
剛性や、搬送の安定性の面から、装置の大型化を伴った
り、吊り下げないとしても、複雑な搬送具に挿入してか
ら充填等を行なわなければならず、不安要素が多分にあ
り、製造コストが上がるのを免れなかった。

【０００５】また、この種のスタンディングパウチは、
上記のように軟質の樹脂製シートで形成されているた
め、特に側面部１１の剛性が低く、内容物Ｃの充填前の
状態において、側面部１１の上方部が広く開きにくい性
質を有しており、内容物が充填し辛く、その充填速度も
低くせざるを得ない等、内容物Ｃの充填に支障を来して
いた。また、内容物Ｃを充填した後においても、側面部
１１の下方部が極端に大きく膨出した下膨れの形態とな
り易い性質を有しており、搬送工程の箱詰の際にデッド
スペースが多くなったり、陳列の際にしわが多く発生し
て美観を損ねる等の課題があった。更に、側面部１１を
掴んで内容物Ｃを取出す際にも、容易につぶれて変形し
てしまい、内容物Ｃを取出しにくかった。

【０００６】本発明の目的は、内容物を充填する前の空
の状態でも安定して自立可能であるとともに、内容物の
充填・封入工程及びその後の搬送工程における取扱性が
良好で、美観を損なうことがなく、且つ内容物を取出し
易いスタンディングパウチを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１に記載
の発明は、二つの側面部と、下部に空間を有する底面部
とからなり、且つ上方に行くに従って横断面の断面積が
小さくなる立体形状を形成するように上記側面部の上端
部が接着されたパウチ本体を主体として構成され、該パ
ウチ本体内に、内容物とともに側面部補強用の筒状弾性
体が配設されていることを特徴とするスタンディングパ
ウチを提供することにより、上記目的を達成したもので
ある。

【０００８】また、本発明の請求項２に記載の発明は、
請求項１記載のスタンディングパウチにおいて、上記筒
状弾性体が、帯状体を筒状に巻き込んで形成したもので
あることを特徴とするスタンディングパウチを提供する
ものである。

【０００９】

【作用】本発明に係るスタンディングパウチにおいて
は、パウチ本体内に側面部補強用の筒状弾性体が配設さ
れているので、その製造工程の際において、内容物が充
填される前の空の状態でも、上記筒状弾性体の弾性力に
よって、上記側面部が全体的に広く膨出するとともに、
外筒状体によって当該側面部の剛性が高められるので、
安定して自立する。そして、この自立状態において、側
面部の上方部が広く開口する。また、内容物の充填後に
おいても、上記筒状体によって、側面部の下膨れ及びし
わの発生が確実に抑えられる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を参照しな
がら詳細に説明する。

【００１１】図１は、本発明に係るスタンディングの一
実施例を示したものである。図において、符号１はスタ
ンディングパウチ、Ｃは該スタンディングパウチ内に充
填された内容物を示している。

【００１２】図１に示したように、上記スタンディング
パウチ１は、２つの側面部２、２と、下部に空間を有す
る底面部３とからなるパウチ本体１０を主体として構成
されており、側面部２、２は幅方向両端部及び上端部が
互いに所定幅で熱溶着されるとともに、底面部３の周縁
部と側面部２の下端部とが円弧状に熱溶着されている。
そして、上記側面部２の下端縁部で自立可能で上方に行
くに従って横断面の断面積が小さくなる立体形状を形成
するように構成されている。

【００１３】上記パウチ本体１０内の下方部には、内容
物Ｃとともに平面視して略円形状の側面部補強用の筒状
弾性体４が配設されている。この筒状弾性体４は、その
材質等に応じて、例えば、図２（ａ）〜（ｄ）に示すよ
うな帯状体を筒状に巻回した形態とすることができる。

【００１４】図２（ａ）に示す筒状弾性体４０は、帯状
体４０ａの両端部の一方４０ｂに差込用のスリット４０
ｃを形成し、他方４０ｄに挿入片部４０ｅを形成し、挿
入片部４０ｅをスリット４０ｃに挿入して筒状に形成し
たものである。なお、挿入片部の形態は、この挿入片部
４０ｅの形態に制限されるものではない。この筒状弾性
体４０は、その材質を問わずに採用することができる。

【００１５】図２（ｂ）に示す筒状弾性体４１は、帯状
体４１ａの両端部４１ｂ、４１ｃを所定幅でオーバーラ
ップさせて糊などの接着剤Ｂで固定し、筒状に形成した
ものである。この筒状体４１も、その材質を問わずに採
用することができるが、紙の場合に特に効果的である。

【００１６】図２（ｃ）に示す筒状弾性体４２は、帯状
体４２ａの両端部４２ｂ、４２ｃを所定幅オーバーラッ
プさせて熱溶着し、筒状に形成したものである。この筒
状弾性体４２は、内容物への粘着剤等の混入を抑えるこ
とができる。筒状弾性体４２は、その材質が樹脂、又は
ラミネート紙等である場合に採用することができる。

【００１７】図２（ｄ）に示す筒状弾性体４３は、帯状
体４３ａの両端部４３ｂ、４３ｃをその端縁部を突き合
わせて接着テープＴで接合し、筒状に形成したものであ
る。この筒状弾性体４３も、その材質を問わずに採用す
ることができる。なお、両端部を突き合わせずに所定幅
でオーバーラップさせて接着テープで接着することもで
きる。

【００１８】本発明のスタンディングパウチにおいて、
筒状弾性体の材質は、充填する内容物に応じて適宜選択
して使用することができる。筒状弾性体の材質として
は、例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン等の樹脂若しくはこれらの樹脂から選
ばれる２種以上のものの積層体、紙単体、又は、該紙と
上記樹脂から選ばれる一種以上のものとの積層体等が挙
げられ、厚さが、０．３〜０．６ｍｍのものが好ましく
使用される。また、上記筒状弾性体の弾性力（筒状弾性
体としての弾性力）は、特に制限されるものではない
が、０．２〜０．４ｋｇｆ程度のものが好ましく使用さ
れる。更に、上記筒状弾性体の高さは、特に制限される
ものではないが、パウチ本体の全長の２０〜４０％程度
のものが使用される。

【００１９】本発明のスタンディングパウチにおいて、
パウチ本体を構成する上記側面部及び底面部は、従来か
らこの種のスタンディングパウチに使用されている公知
の材質のものが使用され、例えば、ポリエステル、ナイ
ロン、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂シート、
又はこれら樹脂シートから選ばれる２種以上の樹脂シー
トの積層体等からなる材質のものが好ましく使用され
る。また、パウチ本体の製造方法についても、従来から
この種のスタンディングパウチに使用されている公知の
接着方法を適用することができる。

【００２０】本発明のスタンディングパウチに充填され
る内容物は、特に制限されるものではないが、粉末洗
剤、漂白剤等の粉粒体、液体洗剤、台所用洗剤、漂白
剤、柔軟仕上げ剤等の液状体等が挙げられる。

【００２１】上記スタンディングパウチ１においては、
その製造工程において、内容物を充填する前に予めパウ
チ本体１０に上記筒状弾性体４を適宜の方法で挿入して
おく。筒状弾性体４は、このように当該パウチ本体１０
内に配設された状態では、楕円形状に弾性変形する。そ
して、その弾性力によって側面部２が外方に膨出される
とともに、所定の剛性が付与される。従って、図３
（ａ）に示すように、内容物の充填前において、側面部
２が全体的に広く膨出し、安定して自立する。そして、
この自立状態において、側面部２の上方部が広く開口す
る。また、図３（ｂ）に示すように、内容物の充填後に
おいては、上記筒状弾性体自身の剛性によって、側面部
の下膨れが抑えられ、更に、図３（ｃ）に示すように、
上端部を接着して封入した際にも、側面部２のしわの発
生が確実に抑えられる。また、側面部２の保形性も高め
られる。

【００２２】このように、本実施例に係るスタンディン
グパウチ１によれば、内容物を充填する前の空の状態で
も安定して自立するので、充填・封入工程における取扱
性が向上し、従来のように、吊り下げた状態で充填・封
入を行わなくてもよい。従って、その製造ラインに、い
わゆるカートン容器の製造ラインと同様な簡略な製造ラ
インを採用することができる。また、この自立状態にお
いて、側面部２の上方部が広く開口するので、内容物の
充填を容易に行うことができるとともに、その充填速度
も向上させることができる。更に、側面部２の下方部が
極端に膨出する下膨れの形態とならないため、搬送工程
における取扱性も良好で箱詰めの際のデッドスペースも
少なくてすむとともに、しわの発生が抑えられ、美観を
損なうことがない。また、筒状弾性体４によって側面部
２の保形性が高くなるため、掴んだ際に変形が少なくな
り、内容物を取出し易い。しかも帯状体を筒状に巻回し
て形成した筒状弾性体を内容物とともにパウチ本体１０
内に配設した簡単な構成であるので、製造も容易であ
る。

【００２３】本発明に係るスタンディングパウチは、上
記実施例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸
脱しない範囲において、その寸法、形状等を適宜変更す
ることができる。

【００２４】

【発明の効果】本発明に係るスタンディングパウチは、
内容物を充填する前の空の状態でも安定して自立可能で
あるとともに、内容物の充填・封入工程及びその後の搬
送工程における取扱性が良好で、美観を損なうことがな
く、且つ内容物を取出し易い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るスタンディングパウチの一実施例
を示す斜視図である。

【図２】本発明に係るスタンディングパウチにおける側
面部補強用の筒状弾性体の実施態様を示す図であり、
（ａ）は同筒状弾性体の第１実施態様を示す斜視図、
（ｂ）は同筒状弾性体の第２実施態様を示す斜視図、
（ｃ）は同筒状弾性体の第３実施態様を示す斜視図、
（ｄ）は同筒状弾性体の第４実施態様を示す斜視図であ
る。

【図３】同実施例のスタンディングパウチの製造工程に
おける状態を示す図であり、（ａ）は内容物の充填前の
状態を示す斜視図、（ｂ）は内容物充填後の状態を示す
斜視図、（ｃ）は側面部の上端部を封入した状態を示す
斜視図である。

【図４】従来のスタンディングパウチを示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ スタンディングパウチ １０ パウチ本体 ２ 側面部 ３ 底面部 ４、４０、４１、４２、４３ 筒状弾性体 ４０ａ、４１ａ、４２ａ、４３ａ 帯状体 Ｃ 内容物

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 二つの側面部２、２と、下部に空間を有
   する底面部３とからなり、且つ上方に行くに従って横断
   面の断面積が小さくなる立体形状を形成するように上記
   側面部２、２の上端部が接着されたパウチ本体１０を主
   体として構成され、該パウチ本体１０内に、内容物Ｃと
   ともに側面部補強用の筒状弾性体４が配設されているこ
   とを特徴とするスタンディングパウチ。
2. 【請求項２】 上記筒状弾性体４が、帯状体を筒状に巻
   き込んで形成したものであることを特徴とする請求項１
   記載のスタンディングパウチ。