JPH08241338A - 鍛造粗材設計装置 - Google Patents

鍛造粗材設計装置

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JPH08241338A
JPH08241338A JP7042950A JP4295095A JPH08241338A JP H08241338 A JPH08241338 A JP H08241338A JP 7042950 A JP7042950 A JP 7042950A JP 4295095 A JP4295095 A JP 4295095A JP H08241338 A JPH08241338 A JP H08241338A
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JP
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forged
rough material
forging
data
product
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Application number
JP7042950A
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English (en)
Inventor
Tadao Akashi
忠雄 明石
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンピュータを利用した鍛造粗材の設計装置
を、常に最適に近い鍛造粗材が1つ得られるものとす
る。 【構成】 図15(a) に例示する鍛造品の各部の寸法
と、図15(b) にフローチャートで示す規則とに基づい
て予め定められている複数の鍛造粗材候補の中から適正
鍛造粗材を選択する。選択した適正鍛造粗材の各部の寸
法を複数種類に変えた複数の適正鍛造粗材寸法データ群
を作成し、各群に対応する適正鍛造粗材からの目的とす
る鍛造品の鍛造を、有限要素法を利用してシミュレーシ
ョンし、シミュレーション結果を複数の評価規則を含む
評価基準に基づいて評価し、複数種類の寸法の異なる鍛
造粗材の中から最適な鍛造粗材を選択する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鍛造粗材を鍛造して鍛
造品を得る場合の、鍛造粗材の設計に関するものであ
り、特にコンピュータを利用した鍛造粗材設計装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】コンピュータを利用して鍛造粗材の設計
を行うことは従来から行われていた。例えば、形状マッ
チング法,分割法等がそれである。形状マッチング法
は、鍛造すべき目的鍛造品の形状と、過去に鍛造された
過去鍛造品の形状との合致度をコンピュータを使用して
調べ、合致度の高い過去鍛造品の鍛造粗材を目的鍛造品
の鍛造粗材に決定する手法であり、分割法は、目的鍛造
品を複数の部分に分割し、各分割部の鍛造が可能な分割
鍛造粗材候補を予めコンピュータに格納されている多数
の分割鍛造粗材の中から選択し、分割鍛造粗材候補を組
み合わせて目的鍛造品の鍛造粗材とする手法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記いずれの方法によ
っても、過去のデータに基づいて目的鍛造品の鍛造粗材
を決定することができるのであるが、まだ十分満足なも
のとは言い難い。例えば、形状マッチング法は技術的根
拠が薄弱であり、常に適正な鍛造粗材が得られるとは限
らないという問題がある。2つの鍛造品の形状が互いに
類似している場合にはそれら鍛造品に適した2つの鍛造
粗材の形状も互いに類似することが多いのは事実である
が、実際には、形状が互いに類似している鍛造品にそれ
ぞれ適した鍛造粗材の形状が互いに類似しないというこ
とはしばしばあるのである。
【0004】分割法による場合にも常に適した鍛造粗材
が得られるとは限らない上、鍛造粗材の候補が多数出力
され、それらの中から最も適した鍛造粗材を選択するの
に時間を要するという問題がある。分割鍛造粗材候補の
各々が鍛造品の各分割部の鍛造に適しているからといっ
て、それらを組み合わせた鍛造粗材が常に目的とする鍛
造品の粗材として適しているとは限らない。互いに隣接
する分割鍛造粗材同士が鍛造時に影響を与え合うからで
ある。また、鍛造品の各分割部毎に複数の分割鍛造粗材
候補が出力されることが多く、その場合にはこれら分割
鍛造粗材候補の組合わせの数だけの鍛造粗材が、目的鍛
造品の鍛造に適したものとして得られることとなり、こ
れを最終的に一つの適正鍛造粗材に絞ることが容易では
ないのである。本発明は以上の事情を背景としてなされ
たものであり、したがって、その課題は、常に適正な鍛
造粗材が容易に得られる鍛造粗材設計装置を得ることで
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る鍛造粗材設計装置は、複数種類の鍛
造品を含む鍛造品群の鍛造品群データと、それら複数の
鍛造品の各々に対する鍛造粗材候補を含むとともに少な
くとも一つの鍛造品については複数種類の鍛造粗材候補
を含む鍛造粗材群の鍛造粗材群データとを記憶する群デ
ータ記憶手段と、前記鍛造品群の一つが指定された場
合に、その指定された鍛造品の鍛造粗材として好適なも
のを前記鍛造粗材群から選択する鍛造粗材選択規則を記
憶する選択規則記憶手段と、少なくとも、前記複数種
類の鍛造品の任意の一つを指定する鍛造品指定データと
その指定された鍛造品の複数箇所の寸法を表す寸法デー
タとを含む鍛造品データを入力する鍛造品データ入力手
段と、その鍛造品データ入力手段により入力された鍛
造品データにより特定される鍛造品の鍛造粗材として好
適な適正鍛造粗材を、前記鍛造粗材群の中から前記鍛造
粗材選択規則に従って選択する適正鍛造粗材選択手段と
を含むものとされる。
【0006】
【作用】本発明に係る鍛造粗材設計装置においては、群
データ記憶手段に記憶されている複数の鍛造品のうちの
一つを指定する鍛造品指定データとそれに付随する寸法
データとが、鍛造品データ入力手段から入力されれば、
それに応じて、適正鍛造粗材選択手段が選択規則記憶手
段に記憶されている選択規則に従って、入力された鍛造
品の鍛造粗材として好適な適正鍛造粗材を、群データ記
憶手段に記憶されている鍛造粗材群データにより表され
る鍛造粗材群の中から選択する。
【0007】群データ記憶手段に記憶されている鍛造品
群データと鍛造粗材群データとは、それぞれ複数種類の
鍛造品を含む鍛造品群のデータと各鍛造品に対して1種
類または複数種類の鍛造粗材候補を含む鍛造粗材群のデ
ータとであるが、例えば、各鍛造品および鍛造粗材をそ
れぞれ表す鍛造品データおよび鍛造粗材データがそれぞ
れ個別にまとめられて記憶されており、それら鍛造品デ
ータおよび鍛造粗材データの集合が鍛造品群データおよ
び鍛造粗材群データであってもよく、複数ずつの鍛造品
データおよび鍛造粗材データが一体的にまとめられてテ
ーブルの形態をなしていてもよく、要するに複数ずつの
鍛造品と鍛造粗材とを表し得るデータであればよい。
【0008】鍛造品群データと鍛造粗材群データとのそ
れぞれ一つずつの鍛造品および鍛造粗材に対応する部分
(以下、これを便宜上、鍛造品データおよび鍛造粗材デ
ータと称する)は、鍛造品および鍛造粗材の各部の寸法
を具体的な数値としてではなく、任意の値を取り得る変
数として含むものとされる。すなわち、変数の値の変化
に応じて鍛造品や鍛造粗材の具体的な形状,寸法は変化
するのであり、鍛造品データおよび鍛造粗材データは各
々変数の変化により変化し得る鍛造品および鍛造粗材の
一群ずつを表していることになる。
【0009】
【発明の効果】本発明によれば、鍛造すべき鍛造品の鍛
造品指定データと寸法データとを鍛造品データ入力手段
から入力すれば、その鍛造品の鍛造粗材として好適な適
正鍛造粗材が自動的に選択される。したがって、鍛造粗
材の設計を容易に行うことができる。
【0010】
【発明の望ましい実施態様】以下、本発明の望ましい実
施態様を列挙するとともに、必要に応じて関連説明を行
う。 (1)さらに、前記鍛造品データ入力手段により入力さ
れた鍛造品データによって特定される鍛造品の、前記適
正鍛造粗材からの製造をシミュレーションするシミュレ
ーション手段と、そのシミュレーション手段により得ら
れたシミュレーション結果を、予め定められた評価基準
に基づいて評価する評価手段とを含むことを特徴とする
請求項1に記載の鍛造粗材設計装置。この態様の鍛造粗
材設計装置においては、適正鍛造粗材選択手段が適正鍛
造粗材を選択した後、その適正鍛造粗材からの鍛造品の
鍛造をシミュレーション手段がシミュレーションし、評
価手段がそのシミュレーション結果を評価基準に基づい
て評価する。そのため、選択された鍛造粗材が目的とす
る鍛造品の粗材として本当に適したものであるか否かを
実際に鍛造を試行することなく確かめることができ、鍛
造粗材の設計の信頼性を高めることができる。 (2)さらに、前記適正鍛造粗材の複数箇所の寸法をそ
れぞれ含む複数の鍛造粗材寸法データ群を作成する鍛造
粗材寸法データ群作成手段と、その鍛造粗材寸法データ
群作成手段により作成された複数の鍛造粗材寸法データ
群の各々について前記シミュレーション手段にシミュレ
ーションを行わせ、そのシミュレーションの結果を前記
評価手段に評価させて、その評価結果に基づいて適正鍛
造粗材寸法データ群を選択する適正鍛造粗材寸法データ
群選択手段と、その適正鍛造粗材寸法データ群選択手段
により選択された適正鍛造粗材寸法データ群をCADシ
ステムに供給する適正鍛造粗材寸法データ群供給手段と
を含む態様1に記載の鍛造粗材設計装置。この態様の鍛
造粗材設計装置においては、適正鍛造品選択手段が適正
鍛造品を選択した後、鍛造粗材寸法データ群作成手段が
選択された適正鍛造粗材についての複数の鍛造粗材寸法
データ群を作成し、適正鍛造粗材寸法データ群選択手段
が、複数の鍛造粗材寸法データ群の各々についてのシミ
ュレーションをシミュレーション手段に実行させ、それ
ら複数のシミュレーションの結果を評価手段に評価させ
て、その評価結果に基づいて適正鍛造粗材寸法データ群
を選択する。この選択された適正鍛造粗材寸法データ群
は、適正鍛造粗材寸法データ群供給手段によりCADシ
ステムに供給される。鍛造粗材の具体的な寸法まで自動
的に決定され、その決定された適正鍛造粗材寸法データ
群がCADシステムに供給されるのである。したがっ
て、CADシステムにおいてはその適正鍛造粗材寸法デ
ータ群に基づいて目的とする鍛造品用の鍛造粗材の図面
を自動的に作成することができる。CADシステムにお
いて設計された鍛造品のデータを鍛造粗材設計装置に供
給して鍛造粗材の設計に利用することは従来から行われ
ていたが、鍛造粗材設計装置において設計された鍛造粗
材のデータをCADシステムに供給して、鍛造粗材の設
計図面の作成に利用することは従来行われておらず、鍛
造粗材の設計図面の作成が面倒であったが、本態様によ
れば鍛造粗材の図面の作成まで自動的に行うことが可能
となり、上記不便が解消されるのである。 (3)さらに、前記適正鍛造粗材選択手段により選択さ
れた適正鍛造粗材の複数箇所の寸法をそれぞれ含む複数
の鍛造粗材寸法データ群を作成する鍛造粗材寸法データ
群作成手段と、その鍛造粗材寸法データ群作成手段によ
り作成された複数の鍛造粗材寸法データ群の各々につい
て前記シミュレーション手段にシミュレーションを行わ
せ、そのシミュレーションの結果を前記評価手段に評価
させて、その評価結果に基づいて適正鍛造粗材寸法デー
タ群を選択する適正鍛造粗材寸法データ群選択手段とを
含む態様1に記載の鍛造粗材設計装置。この態様は態様
2から寸法データ供給手段を除去したものである。鍛造
粗材寸法データ群作成手段と適正鍛造粗材寸法データ群
選択手段とによって適正鍛造粗材寸法データ群、すなわ
ち目的とする鍛造品に適した鍛造粗材の各部の具体的な
寸法が自動的に決定されることはそれ自体で実用的な価
値のあることであり、この寸法データがCADシステム
に供給されることは望ましいことではあるが、不可欠で
はないのである。 (4)前記適正鍛造粗材寸法データ群選択手段が、まず
前記鍛造粗材寸法データ群作成手段により作成されたす
べての鍛造粗材寸法データ群について前記シミュレーシ
ョン手段にシミュレーションを行わせ、その後に、評価
が最も高い鍛造粗材寸法データ群を前記適正鍛造粗材寸
法データ群として選択するものである態様3に記載の鍛
造粗材設計装置。この態様が主たる実施例の態様であ
り、特に望ましい態様であるが、次の態様でも実施は可
能である。 (5)前記適正鍛造粗材寸法データ群選択手段が、前記
鍛造粗材寸法データ群作成手段により作成された鍛造粗
材寸法データ群について、順次前記シミュレーション手
段によるシミュレーションと前記評価手段による評価と
を行わせ、評価手段による評価結果が予め定められた評
価基準を超えたときその鍛造粗材寸法データ群を前記適
正鍛造粗材寸法データ群として選択するものである態様
3に記載の鍛造粗材設計装置。この態様によれば、シミ
ュレーションおよび評価を常にすべての鍛造粗材寸法デ
ータ群について行う必要がなくなり、設計時間の短縮を
図ることができる。シミュレーションおよび評価は予め
定められた順序で行われるようにしても、前回行われた
シミュレーションおよび評価の結果から次に行われるシ
ミュレーション等が決定されるようにしてもよいが、シ
ミュレーションの順序が適切に決定されれば、少ない回
数のシミュレーションおよび評価の実行により、評価結
果が評価基準を超える鍛造粗材寸法データ群を得ること
ができ、本態様の利点を一層有効に享受することができ
る。 (6)前記鍛造品群が、外周面,第一端面および第二
端面を有する円板の第一端面の中央部に凹部が形成され
た第一鍛造品と、その第一鍛造品の前記第二端面の中
央部にボス部が形成された第二鍛造品と、その第二鍛
造品の前記第一端面の前記凹部より外周側の部分にその
凹部と同心に第一円環溝が形成された第三鍛造品と、
その第三鍛造品の前記第二端面に前記ボス部より外周側
の部分にそのボス部と同心に第二円環溝が形成された第
四鍛造品とのうち少なくとも2つを含む請求項1,態様
1〜5のいずれか1つに記載の鍛造粗材設計装置。 (7)前記鍛造粗材群が、外周面,第一端面および第
二端面を有する円板である第一鍛造粗材と、その第一
鍛造粗材の前記第一端面に円錐台形状の凹部が同心に形
成された第二鍛造粗材と、前記第一鍛造粗材の前記第
一端面に円錐台形状の凸部が同心に形成された第三鍛造
粗材と、前記第一鍛造粗材の前記第二端面の中央部に
ボス部が同心に形成された第四鍛造粗材と、前記第二
鍛造粗材の前記第二端面の中央部にボス部が同心に形成
された第五鍛造粗材と、前記第三粗材の前記第二端面
の中央部にボス部が同心に形成された第六鍛造粗材との
うち少なくとも2つを含む請求項1,態様1〜6のいず
れか1つに記載の鍛造粗材設計装置。第二鍛造粗材およ
び第三鍛造粗材の第一端面の最外周部に軸線に直角な円
環状の面が残されてもよい。 (8)前記鍛造品群が前記第一〜第四鍛造品を含むとと
もに、前記鍛造粗材群が前記第一〜第五鍛造粗材を含む
態様7に記載の鍛造粗材設計装置。 (9)前記鍛造品データ入力手段により入力された鍛造
品データにより特定される鍛造品が前記第三鍛造品であ
り、前記選択規則が、前記第一円環溝が設定状態以上
外周側に形成されているという第一条件が満たされた場
合に前記適正鍛造粗材として前記第二鍛造粗材を選択す
るという第一規則と、前記第一条件が満たされず、か
つ、前記ボス部以外の部分のうち前記凹部を囲む部分の
容積の前記ボス部の前記凹部の底面より先端側の部分の
容積に対する比率が設定容積比以上であるという第二条
件が満たされた場合に前記適正鍛造粗材として前記第三
鍛造粗材を選択するという第二規則と、前記第一条件
および第二条件が満たされず、鍛造品の厚さの外径に対
する比率が設定厚さ比以上であるという第三条件が満た
され、かつ、前記凹部の深さの鍛造品の厚さに対する比
率が設定深さ比以上であるという第四条件が満たされた
場合に前記適正鍛造粗材として前記第六鍛造粗材を選択
するという第三規則と、前記第一条件,第二条件およ
び第四条件が満たされず、前記第三条件が満たされた場
合に前記適正鍛造粗材として前記第四鍛造粗材を選択す
る第四規則と、前記第一条件,第二条件および第三条
件がいずれも満たされず、かつ、前記ボス部の外径の鍛
造品全体の外径に対する比率が設定外径比以上であると
いう第五条件が満たされた場合に前記適正鍛造粗材とし
て前記第三鍛造粗材を選択するという第五規則と、前
記第一条件,第二条件,第三条件および第五条件がいず
れも満たされない場合に前記適正鍛造粗材として前記第
六鍛造粗材を選択するという第六規則との少なくとも2
つを含む態様7または8に記載の鍛造粗材設計装置。 (10)前記評価基準が、前記シミュレーションによ
り得られる鍛造品が鍛造型のキャビティに充満する度合
いを表す充満度が設定充満度以上であるという第一基準
と、その第一基準を満たすのに必要な最小鍛造荷重が
設定荷重以下であるという第二基準と、前記シミュレ
ーションにより得られる鍛造品と鍛造型のキャビティ面
との間の最大面圧が設定面圧を超えることなく前記第一
基準が満たされるという第三基準と、前記シミュレー
ションにより得られる鍛造品が鍛造型のキャビティの予
め定められた複数のすみに充満する順序が予め定められ
た順序であるという第四基準とのうち、少なくとも第一
基準と、第二ないし第四基準の少なくとも1つとを含む
態様1〜9のいずれか1つに記載の鍛造粗材設計装置。 (11)前記シミュレーション手段が、前記シミュレー
ションを有限要素法により行う有限要素法シミュレーシ
ョン手段を含む態様1〜10のいずれか1つに記載の鍛
造粗材設計装置。
【0011】
【実施例】以下、本発明を自動車の鍛造部品の設計に用
いられる鍛造粗材設計装置に適用した場合の一実施例を
図面に基づいて詳細に説明する。図1に示すように、鍛
造粗材設計装置は、CPU10,ROM12,RAM1
4,入出力インタフェース16およびこれらを接続する
バス18を含む主制御装置20を備えている。主制御装
置20には入力装置たるキーボード24およびマウス2
6が接続されており、オペレータがこれらキーボード2
4あるいはマウス26を操作することにより、主制御装
置20にデータが入力されるようになっている。また、
主制御装置20には制御回路28を介して出力装置たる
CRT30が接続されるとともに、データベース34お
よびCADシステム36が接続されている。
【0012】主制御装置20のROM12には、図19
にフローチャートで表すメインプログラムを始めとし
て、図20に示す各種のプログラムが記憶されている。
これらプログラムの実行時には、プログラムの実行に必
要な数値等がデータベース34から読み出され、RAM
14の図21に示す各メモリに記憶される。なお、上記
プログラムの一部のものは、実行時に予めROM12か
らRAM14に移送された上で実行される。また、RA
M14の各メモリに新たなデータが記憶される際、それ
までそのメモリに記憶されていたデータが消去されるよ
うになっている。
【0013】データベース34には鍛造品群データが記
憶されている。鍛造品群データには、代表的に図2ない
し図5に示す4種類の鍛造品、すなわち、外周面5
0,第一端面52および第二端面54を有する円板の第
一端面52の中央部に凹部56が形成されたハブ、ハ
ブの第二端面54の中央部にボス部62が形成されたス
プライン、スプラインの第一端面52の凹部56より
外周側の部分に凹部56と同心に第一円環溝66が形成
されたリバースギヤおよびリバースギヤの第二端面5
4のボス部62より外周側の部分にボス部62と同心に
第二円環溝70が形成されたギヤが含まれている。
【0014】また、データベース34には鍛造粗材群デ
ータが記憶されている。鍛造粗材群データには、代表的
に図6ないし図11に示す6つの鍛造粗材候補、すなわ
ち、外周面90,第一端面92および第二端面94を
有する円板である第一鍛造粗材、第一鍛造粗材の第一
端面92に円錐台形状の凹部98が同心に形成された第
二鍛造粗材、第一鍛造粗材の第一端面92に円錐台状
の凸部102が同心に形成された第三鍛造粗材、第一
鍛造粗材の第二端面94の中央部にボス部106が同心
に形成された第四鍛造粗材、第二鍛造粗材の第二端面
94の中央部にボス部106が形成された第五鍛造粗
材、第三鍛造粗材の第二端面94の中央部にボス部1
06が形成された第六鍛造粗材が含まれている。
【0015】ROM12には、上記鍛造品群の一つが指
定された場合に、その指定された鍛造品の粗材として好
適なものを上記鍛造粗材群から選択する適正鍛造粗材選
択プログラムが記憶されている。この適正鍛造粗材選択
プログラムの一例を図15(b)ないし図18に示すフ
ローチャートで示す。これらプログラムは適正鍛造粗材
選択のための規則をプログラム化したものである。
【0016】上記鍛造品の指定は、オペレータが表示装
置としてのCRT30に表示されているガイダンスに従
ってキーボード24およびマウス26を操作することに
より行われる。入力操作によって指定された鍛造品を表
すデータがデータベース34からRAM14のメモリに
取り込まれるとともに、その鍛造品の図がCRT30に
表示される。次に、オペレータがCRT30上のガイダ
ンスに従ってキーボード24およびマウス26を操作
し、指定した鍛造品の各部の寸法値を入力すれば、寸法
値を表すデータがRAM14のメモリに記憶される。こ
れら鍛造品指定データと鍛造品寸法データとを含む鍛造
品データと、データベース34から読み出される基準値
等のデータとに基づいて、適正鍛造粗材選択プログラム
が実行されるのである。
【0017】鍛造品としてハブが指定された場合には、
図16のフローチャートに示すように無条件で第二鍛造
粗材が適正鍛造粗材として選択される。鍛造品としてス
プラインが指定された場合には、図17のフローチャー
トに従って、第二鍛造粗材,第三鍛造粗材あるいは第六
鍛造粗材のいずれかが適正鍛造粗材として選択される。
また、リバースギヤが指定された場合には、図15
(b)のフローチャートに従って、第二鍛造粗材,第三
鍛造粗材,第四鍛造粗材あるいは第六鍛造粗材のいずれ
かが適正鍛造粗材として選択される。また、ギヤが指定
された場合には、図18のフローチャートに従って、第
一鍛造粗材,第二鍛造粗材,第三鍛造粗材,第四鍛造粗
材,第五鍛造粗材あるいは第六鍛造粗材のいずれかが適
正鍛造粗材として選択される。
【0018】以下、上記鍛造粗材設計装置の作動を、図
19のフローチャートで表されるメインプログラムに基
づいて説明するが、今回は、鍛造品群データ中のリバー
スギヤが鍛造品として指定され、リバースギヤの鍛造に
好適な鍛造粗材が設計されると仮定して説明する。ま
ず、電源が投入されれば、CRT30にメニューが表示
される。オペレータがマウス26によりメインプログラ
ムを選択した後、キーボード24の実行キーを操作すれ
ば、メインプログラムが実行される。
【0019】ステップS10(以下、単にS10で表
す。他のステップについても同じ)において、データベ
ース34から鍛造品群が読み出され、CRT30に図2
ないし図5に例示するような鍛造品群の図が表示され
る。オペレータがマウス24を操作してリバースギヤを
指定すれば鍛造品指定データがRAM14の鍛造品指定
データメモリ204に記憶されるとともに、図15
(a)に示すリバースギヤの図がデータベース34から
読み出され、CRT30に表示される。
【0020】次に、S11において鍛造すべきリバース
ギヤの寸法データの入力が行われる。図15(a)のリ
バースギヤの図には、外径D,第一円環溝66の大径u
d,凹部56の内径pd,凹部56の深さph,第一端
面52から第二端面54までの高さh,第一端面52か
らボス部62の端面までの高さH,ボス部62の外径b
dおよび凹部56の底面からボス部62の端面までの厚
さtをそれぞれ示す記号(変数)と寸法線とが記載され
ている。これは、煩雑さを避けるために、後述の適正鍛
造粗材選択プログラムの実行に使用される寸法のみを記
載したものであり、実際には、後述の鍛造品の容積算出
プログラムの実行に必要なすべての部分の寸法線と記号
とが表示され、オペレータがマウス26により各記号を
指定しつつキーボード24から数値(寸法値)を入力
し、キーボード24の実行キーを操作すれば、リバース
ギヤの各部の寸法値のデータがRAM14の鍛造品寸法
データメモリ206に記憶される。
【0021】なお、以上においては理解を容易にするた
めに、鍛造すべき鍛造品の指定および寸法の入力がオペ
レータにより行われる場合について説明したが、本鍛造
粗材設計装置は、CADシステム36からの要求に応じ
ても鍛造粗材の設計を行い得るように構成されており、
この態様で使用される場合には、CADシステム36か
ら鍛造品指定データと、鍛造すべき鍛造品の各部の寸法
を表すデータとが主制御装置20に供給される。
【0022】いずれにしても、鍛造品指定データと鍛造
品寸法データとを含む鍛造品データの入力が終了すれ
ば、S12において、ROM12に記憶されている適正
鍛造粗材選択プログラムのうち、リバースギヤに対応す
る図15(b)の適正鍛造粗材選択プログラムが選択さ
れるとともに、データベース34に記憶されている、適
正鍛造粗材選択プログラムの実行に必要なリバースギヤ
の基準比率が読み出されてRAM14の数値データメモ
リ212に記憶される。図16においては理解を容易に
するために、基準比率が具体的な数値で記載されている
が、実際の適正鍛造粗材選択プログラムにおいてはこれ
ら基準比率も記号とされており、これら記号にデータベ
ース34から読み出された具体的な数値が代入されて実
行されるのである。
【0023】まず、S50において、第一円環溝66が
設定状態以上外周側に形成されているという第一条件を
満たしているか否かの判定が行われる。判定結果がYE
Sであれば、第一条件が満たされた場合に適正鍛造粗材
として第二鍛造粗材を選択するという第一規則に従って
第二鍛造粗材が選択される。一方、判定結果がNOであ
れば、S51において、ボス62以外の部分のうち、凹
部56を囲む部分の容積の、ボス部62の凹部56の底
面より先端側の部分の容積に対する比率が設定容積比以
上であるという第二条件を満たしているか否かの判定が
行われる。判定結果がYESであれば、第一条件が満た
されず、第二条件が満たされた場合に適正鍛造粗材とし
て第三鍛造粗材を選択するという第二規則に従って第三
鍛造粗材が選択される。
【0024】また、S51の判定結果もNOである場合
には、S52において、鍛造品の高さHの外径Dに対す
る比率が設定高さ比以上であるという第三条件を満たし
ているか否かの判定が行われる。判定結果がYESであ
れば、S53において、凹部56の深さphの鍛造品の
高さHに対する比率が設定深さ比以上であるという第四
条件を満たしているか否かの判定が行われる。S53の
判定結果もYESであれば、第一,第二条件が満たされ
ず、第三,第四条件が満たされた場合に適正鍛造粗材と
して第六鍛造粗材を選択するという第三規則に従って第
六鍛造粗材が選択される。一方、S53の判定結果がN
Oである場合には、第一,第二および第四条件が満たさ
れず、第三条件が満たされた場合に適正鍛造粗材として
第四鍛造粗材を選択するという第四規則に従って第四鍛
造粗材が選択される。
【0025】さらに、前記S52の判定結果がNOであ
る場合には、S54において、ボス部62の外径bdの
鍛造品全体の外径Dに対する比率が設定外径比以上であ
るという第五条件を満たしているか否かの判定が行われ
る。S54の判定結果がYESであれば、第一,第二お
よび第三条件がいずれも満たされず、第五条件が満たさ
れた場合に適正鍛造粗材として第三鍛造粗材を選択する
という第五規則に従って第三鍛造粗材が選択される。そ
れに対して、S54の判定結果もNOである場合には、
第一,第二,第三および第五条件がいずれも満たされな
い場合に適正鍛造粗材として第六鍛造粗材を選択すると
いう第六規則に従って第六鍛造粗材が選択される。ここ
においては、第六鍛造粗材が適正鍛造粗材として選択さ
れたと仮定する。RAM14の適正鍛造粗材データメモ
リ216に第六鍛造粗材が適正鍛造粗材データとして記
憶される。
【0026】次に、メインプログラムのS13におい
て、第六鍛造粗材からのリバースギヤの鍛造をシミュレ
ーションするための複数の寸法データ群の作成が行われ
る。まず、前記S11においてRAM14の鍛造品寸法
データメモリ206に記憶されたリバースギヤの各部の
寸法値のデータが、ROM12に格納されている鍛造品
寸法比率算出プログラムに従って処理される。例えば、
リバースギヤ全体の外径Dを100%とした場合の他の
部分の寸法の百分率が演算され、RAM14の鍛造品寸
法比率データメモリ220に記憶されるのである。
【0027】次に、ROM12に格納されている鍛造粗
材寸法比率決定プログラムが実行される。鍛造品として
のリバースギヤの各部の寸法比率と第六鍛造粗材の各部
の最適と推定される寸法比率との関係(例えば比)が過
去のデータに基づいて予め決定されてデータベース34
に格納されており、この関係を表すデータがデータベー
ス34からRAM14に読み込まれ、この関係と、先に
演算されてRAM14の鍛造品寸法比率データメモリ2
20に記憶されたリバースギヤの各部の寸法比率とか
ら、最適と推定される第六鍛造粗材の各部の寸法比率が
決定される。最適と推定される第六鍛造粗材の各部の寸
法比率が決定されたならば、その各部の寸法比率の群を
中心として、各部の寸法をそれぞれ予め定められた値だ
け増減させた寸法比率が演算され、それらの組合わせと
して複数の寸法比率群のデータが作成され、最適と推定
される第六鍛造粗材の各部の寸法比率と共に、RAM1
4の鍛造粗材寸法比率データメモリ228に記憶され
て、鍛造粗材寸法比率決定プログラムの実行が終了す
る。
【0028】続いて、ROM12に記憶されている容積
算出プログラムが実行され、前記S11の実行により鍛
造品寸法データメモリ206に記憶された鍛造品として
のリバースギヤの各部の寸法からリバースギヤの容積が
算出される。そして、この算出された容積値に基づい
て、先に鍛造粗材寸法比率データメモリ228に記憶さ
れている複数の寸法比率群が実際の鍛造粗材寸法に換算
され、それらのデータが鍛造粗材寸法データ群メモリ2
34に記憶されて、図19におけるS13の鍛造粗材寸
法データ群作成ステップの実行が終了する。
【0029】このようにして複数種類の寸法の第六鍛造
粗材が鍛造粗材候補として決定されたならば、S14に
おいてこれらの各々からのリバースギヤの鍛造が順次シ
ミュレーションされる。すなわち、ROM12に記憶さ
れているシミュレーションプログラムが実行され、有限
要素法により、各寸法の第六鍛造粗材からリバースギヤ
が鍛造される場合の粗材の変形過程が推定され、そのシ
ミュレーション結果がシミュレーション結果メモリ23
6に記憶されるのである。
【0030】すべての鍛造粗材候補について、すなわち
複数種類の寸法の第六鍛造粗材のすべてについてのシミ
ュレーションが終了すれば、ROM12に記憶されてい
る評価プログラムに従ってS15の評価ステップが実行
される。評価プログラムは予め定められた評価基準がプ
ログラム化されたものであり、この評価基準は、シミ
ュレーションにより得られる鍛造品が鍛造型のキャビテ
ィに充満する度合いを表す充満度が設定充満度以上であ
るという第一基準,その第一基準を満たすのに必要な
最小鍛造荷重が設定荷重以下であるという第二基準,
シミュレーションにより得られる鍛造品と鍛造型のキャ
ビティ面との間の最大面圧が設定面圧を超えることなく
第一基準が満たされるという第三基準およびシミュレ
ーションにより得られる鍛造品が鍛造型のキャビティの
予め定められた複数のすみに充満する順序が設定順序で
あるという第四基準から成っている。これら基準に基づ
く評価に必要な上記設定充満度,設定荷重,設定面圧,
設定順序等のデータは予めデータベース34に格納され
ており、これらがRAM14の評価基準データメモリ2
38に読み込まれた上で評価プログラムが実行される。
複数の鍛造粗材候補毎の評価結果はすべてRAM14の
評価結果メモリ240に記憶される。
【0031】評価プログラムの実行終了後に、S16に
おいて、ROM12に記憶されている適正鍛造粗材寸法
データ群選択プログラムが実行され、RAM14の評価
結果メモリ240に記憶された鍛造粗材寸法データ群の
中から、4つの評価基準のうち少なくとも第一基準と、
第二ないし第四基準の少なくとも1つとをクリアした鍛
造粗材が適正鍛造粗材として選択される。適正鍛造粗材
が1つでもあれば、S16の判定結果がYESとなり、
その適正鍛造粗材のデータ、すなわち適正鍛造粗材寸法
データ群が、S17においてRAM14の適正鍛造粗材
寸法データ群メモリ244に記憶される。
【0032】次にS18において、S17でRAM14
の適正鍛造粗材寸法データ群メモリ244に記憶された
適正鍛造粗材寸法データ群のうち、評価結果が一番高い
ものが選択され、S19においてCRT30に画面表示
される。適正鍛造粗材寸法データ群が1群のみである場
合には必然的にその適正鍛造粗材寸法データ群が最適鍛
造粗材寸法データ群とされるが、複数ある場合には、第
一〜第四基準を満たす数の最も多いものが、また満たす
数が同じである適正鍛造粗材寸法データ群が複数群ある
場合には第一〜第四基準に予め付されている割当て点数
の合計の多いものが、それぞれ最適鍛造粗材寸法データ
群として選択される。
【0033】その後、S20において、ROM12に記
憶されているデータ変換プログラムが実行される。この
データ変換プログラムの実行によって最適鍛造粗材寸法
データ群がCADシステム用データに変換され、CAD
システム36へ供給される。CADシステム36へのデ
ータの供給が終了すれば、一連のメインプログラムの実
行が終了する。
【0034】一方、S16において、RAM14の評価
結果メモリ240に記憶された鍛造粗材寸法データ群の
中に、4つの評価基準のうち少なくとも第一基準と、第
二ないし第四基準の少なくとも1つとを満たすものが1
つもなければ、S16の判定結果がNOとなる。この場
合には、S21においてRAM14のカウンタ250の
カウント値が1増加させられるとともに、S22におい
てカウント値nが基準カウント値N(リバースギヤに対
しては鍛造粗材候補が第一から第六まで6種類あるため
6)と等しいか否かが判定される。判定結果がNOであ
れば、S23において、ROM12に記憶されている適
正鍛造粗材変更プログラムが実行され、適正鍛造粗材
が、第一〜第六鍛造粗材の中で未だシミュレーションお
よび評価が行われていないものの1つに変更される。こ
の変更は、最初に適正鍛造粗材として選択された鍛造粗
材に近いものから順に行われるように予め定められてい
る順序で行われるようにしてもよく、あるいは前記評価
の第一〜第四基準のうち満たされない基準の種類と満た
されない程度との少なくとも一方に基づいて決定される
順序で行われるようにしてもよく、上記適正鍛造粗材変
更プログラムはこの変更順序の決定規則を含むものであ
る。適正鍛造粗材が第二候補に変更された後は、その第
二候補の適正鍛造粗材についてS13以降が前述の場合
と同様にして行われる。
【0035】第二候補の適正鍛造粗材によっても評価基
準を満たす適正鍛造粗材寸法データ群が得られない場合
には、再びS16の判定結果がNOとなり、S21にお
いてさらにカウント値nのインクリメントが行われた
後、S23において再び鍛造粗材変更プログラムが実行
され、第三候補の鍛造粗材が適正鍛造粗材として選択さ
れ、再びメインプログラムのS13以降が実行される。
この繰返しの実行中に、S22においてカウンタ250
のカウント値nが基準値N(ここでは6)になれば、す
なわち、すべての鍛造粗材候補についてシミュレーショ
ンおよび評価を行っても適正鍛造粗材寸法データ群が得
られなかった場合には、S22の判定結果がYESとな
り、S24においてCRT30にエラー表示がされてオ
ペレータに適正鍛造粗材寸法データ群が得られなかった
ことが知らされ、メインプログラムの実行が終了する。
【0036】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、ハブが第一鍛造品、スプラインが第二鍛造
品、リバースギヤが第三鍛造品、ギヤが第四鍛造品に相
当し、データベース34が鍛造品群データと鍛造粗材群
データとを記憶する群データ記憶手段を構成している。
また、キーボード24およびマウス26、あるいはCA
Dシステム36が鍛造品データ入力手段を構成し、RO
M12の適正鍛造粗材選択プログラムを記憶する部分が
鍛造粗材選択規則記憶手段を構成し、主制御装置20の
メインプログラムのS12を実行する部分が適正鍛造粗
材選択手段を構成している。さらに、主制御装置20の
メインプログラムのS13を実行する部分とが鍛造粗材
寸法データ群作成手段を構成し、同じくS14を実行す
る部分がシミュレーション手段を構成し、S15を実行
する部分が評価手段を構成し、S16〜S18を実行す
る部分が適正鍛造粗材寸法データ群選択手段を構成し、
S20を実行する部分が適正鍛造粗材寸法データ群供給
手段を構成している。
【0037】なお、本実施例において、メインプログラ
ムを繰り返し行ううちに、データベース34に記憶され
た設定値,基準値等の中に不適当なものがあることが判
明した場合には、データベース34の不適当な設定値,
基準値等の設計基準データを妥当な値に変更する学習機
能を主制御装置20に与えることができる。例えば、メ
インプログラムの実行時にS15の評価ステップにおい
て得られた評価結果,S18の最適鍛造粗材寸法データ
群選択ステップにおける選択結果,S23の適正鍛造粗
材変更ステップにおける適正鍛造粗材変更経過等をデー
タベース34に格納しておく鍛造粗材設計経過データ収
集プログラムや、収集されたデータをキーボード24,
マウス26等のデータ入力手段からの指令データに応じ
て、表示装置としてのCRT30や記録装置としてのプ
リンタ等の出力装置に出力させる鍛造粗材設計経過デー
タ出力プログラムをROM12に記憶させておくのであ
る。この場合には、出力された鍛造粗材設計経過データ
に基づいてオペレータが不適当な設計基準を発見し、妥
当な設計基準に変更することになる。
【0038】このオペレータによる不適当な設計基準の
発見および妥当な設計基準への変更が繰り返されるうち
に、これら発見および変更の規則が明確になれば、この
規則をプログラム化し、主制御装置20にこの設計基準
変更プログラムを実行させることが可能になる。この場
合には、主制御装置20の設計基準変更プログラムを実
行する部分が設計基準変更手段を構成することとなる。
【0039】また、本実施例においては、S13におい
て作成された鍛造粗材寸法データ群のすべて、すなわち
複数種類に寸法が異なる鍛造粗材候補のすべてについて
シミュレーションが行われた後に、シミュレーション結
果の評価が行われて最適鍛造粗材寸法データ群、すなわ
ち最適鍛造粗材が選択されるようになっているため、事
実上最適に近い鍛造粗材設計が行われ、また、鍛造粗材
設計の改善に有用なデータが多く得られる利点がある。
しかし、1つの鍛造粗材候補についてシミュレーション
が行われる毎に、シミュレーション結果の評価が行わ
れ、シミュレーション結果が評価基準を超えたときには
直ちにその鍛造粗材候補が適正鍛造粗材と決定され、シ
ミュレーションおよび評価の実行が終了させられるよう
にすることも可能である。
【0040】この場合には、S13の実行時に最適と推
定された寸法比率の鍛造粗材についてのシミュレーショ
ンが最初に行われるようにすれば、多くの場合1回のシ
ミュレーションの実行により適正鍛造粗材が得られるこ
ととなり、鍛造粗材設計の能率向上を図ることができ
る。なお、最適と推定された寸法比率の鍛造粗材につい
てのシミュレーションの結果が評価基準を超えない場合
には、最適と推定された寸法比率の鍛造粗材に近いもの
から予め定められている順序で順次シミュレーションが
行われるようにしてもよく、あるいは前述の第一〜第四
基準等、複数の評価基準のうち満たされない基準の種類
と満たされない程度との少なくとも一方に基づいて決定
される順序で行われるようにしてもよい。
【0041】また、本実施例においては、シミュレーシ
ョン結果の評価に使用される設定充満度,設定荷重,設
定面圧,設定順序等がそれぞれ1つずつ設定されていた
が、少なくともこれらの1つを複数段階に設定してお
き、オペレータにより、あるいは自動的に設定が変更さ
れ得るようにすることも可能である。例えば、設計時間
の短縮が要求される場合には緩い評価基準を使用し、鍛
造粗材の適正度が高く要求される場合には厳しい評価基
準を使用するのであり、あるいは、設計開始当初は厳し
い評価基準を使用し、その厳しい評価基準では適正鍛造
粗材が得られない場合には評価基準を緩いものに変更す
るのである。特に、後者の態様を上記1つの鍛造粗材候
補についてシミュレーションが行われる毎に評価が行わ
れる態様と組み合わせて採用すれば、シミュレーション
の実行回数をできる限り少なくしつつ適正度の高い鍛造
粗材の設計を行うことが可能となる。
【0042】さらに、本実施例においては、鍛造粗材候
補からの鍛造の試行がシミュレーションにより行われる
ようになっているため、短時間で安価に試行が行われ、
かつ、鍛造品が鍛造型のキャビティの予め定められた複
数のすみに充満する順序等の鍛造経過データが容易に得
られる利点があるが、実際に鍛造が試行されるようにす
ることも可能である。その他、当業者の知識に基づいて
種々の変形,改良を施した態様で、本発明を実施するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である鍛造粗材設計装置を示
すブロック図である。
【図2】上記装置のデータベースに記憶されている鍛造
品の一例を示す図である。
【図3】上記鍛造品の別の例を示す図である。
【図4】上記鍛造品のさらに別の例を示す図である。
【図5】上記鍛造品のさらに別の例を示す図である。
【図6】前記鍛造粗材設計装置のデータベースに記憶さ
れている鍛造粗材の一例を示す図である。
【図7】上記鍛造粗材の別の例を示す図である。
【図8】上記鍛造粗材のさらに別の例を示す図である。
【図9】上記鍛造粗材のさらに別の例を示す図である。
【図10】上記鍛造粗材のさらに別の例を示す図であ
る。
【図11】上記鍛造粗材のさらに別の例を示す図であ
る。
【図12】前記鍛造粗材設計装置のデータベースに記憶
されている、鍛造品の寸法データ作成時にCRTに表示
される図の一例を示す図である。
【図13】上記CRTで表示される図の別の例を示す図
である。
【図14】上記CRTで表示される図のさらに別の例を
示す図である。
【図15】鍛造品の一例についての適正鍛造粗材の選択
を説明するための図であり、 (a)は前記CRTで表示さ
れる図のさらに別の例を示し、 (b)は (a)に示す鍛造品
用の適正鍛造粗材の選択のために前記鍛造粗材設計装置
のROMに記憶されている適正鍛造粗材選択プログラム
の一例を表すフローチャートである。
【図16】図15(b)とは別の適正鍛造粗材選択プロ
グラムを表すフローチャートである。
【図17】図15(b)および図16とは別の適正鍛造
粗材選択プログラムを表すフローチャートである。
【図18】図15(b)ないし図17とは別の適正鍛造
粗材選択プログラムを表すフローチャートである。
【図19】上記装置のROMに記憶されているメインプ
ログラムを示すフローチャートである。
【図20】上記装置のROMの構成を概念的に示すブロ
ック図である。
【図21】上記装置のRAMの構成を概念的に示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
10 CPU 12 ROM 14 RAM 20 主制御装置 24 キーボード 26 マウス 30 CRT 34 データベース 36 CADシステム

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鍛造加工を施して鍛造品とするための鍛
    造粗材を設計する装置であって、 複数種類の鍛造品を含む鍛造品群の鍛造品群データと、
    それら複数の鍛造品の各々に対する鍛造粗材候補を含む
    とともに少なくとも一つの鍛造品については複数種類の
    鍛造粗材候補を含む鍛造粗材群の鍛造粗材群データとを
    記憶する群データ記憶手段と、 前記鍛造品群の一つが指定された場合に、その指定され
    た鍛造品の鍛造粗材として好適なものを前記鍛造粗材群
    から選択する鍛造粗材選択規則を記憶する選択規則記憶
    手段と、 少なくとも、前記複数種類の鍛造品の任意の一つを指定
    する鍛造品指定データとその指定された鍛造品の複数箇
    所の寸法を表す寸法データとを含む鍛造品データを入力
    する鍛造品データ入力手段と、 その鍛造品データ入力手段により入力された鍛造品デー
    タにより特定される鍛造品の鍛造粗材として好適な適正
    鍛造粗材を、前記鍛造粗材群の中から前記鍛造粗材選択
    規則に従って選択する適正鍛造粗材選択手段とを含むこ
    とを特徴とする鍛造粗材設計装置。
JP7042950A 1995-03-02 1995-03-02 鍛造粗材設計装置 Pending JPH08241338A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100385346B1 (ko) * 2001-06-29 2003-05-27 주식회사화신 프레스 금형의 최적화 배치 설계방법 및 그 프로그램이저장된 기록매체
WO2005103966A1 (ja) * 2004-04-21 2005-11-03 Nsk Ltd. 自動設計システム、自動設計方法、および自動設計プログラム
WO2012053103A1 (ja) * 2010-10-22 2012-04-26 株式会社日立製作所 設計ルール更新支援装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100385346B1 (ko) * 2001-06-29 2003-05-27 주식회사화신 프레스 금형의 최적화 배치 설계방법 및 그 프로그램이저장된 기록매체
WO2005103966A1 (ja) * 2004-04-21 2005-11-03 Nsk Ltd. 自動設計システム、自動設計方法、および自動設計プログラム
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