JPH082402A - 車両のパーキングブレーキ解除装置 - Google Patents

車両のパーキングブレーキ解除装置

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JPH082402A
JPH082402A JP6144320A JP14432094A JPH082402A JP H082402 A JPH082402 A JP H082402A JP 6144320 A JP6144320 A JP 6144320A JP 14432094 A JP14432094 A JP 14432094A JP H082402 A JPH082402 A JP H082402A
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JP
Japan
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parking brake
brake
piston
chamber
parking
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Withdrawn
Application number
JP6144320A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Shimizu
裕之 清水
Tokio Kobayashi
時男 小林
Jun Kosakabe
順 小坂部
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TCM Corp
Original Assignee
Toyo Umpanki Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH082402A publication Critical patent/JPH082402A/ja
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  • Valves And Accessory Devices For Braking Systems (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 既存の圧力源の油圧を利用してパーキングブ
レーキを一時的に解除する。 【構成】 車両の走行中は、ポンプ21からの油圧が、
駐車ブレーキバルブ23から油室17に供給される。ピ
ストン10はばね11に抗して非制動方向に移動してお
り、パーキングブレーキは作動していない。エンジン2
0が停止した場合、ポンプ21からの油圧の供給がなく
なり、ばね11によってピストン10が制動方向に移動
して、パーキングブレーキが作動してしまう。操作レバ
ー65を操作して、切換えバルブ62を介してオービッ
トロールと解除室60を連通する。ステアリングホイー
ル31を回して、オービットロール32から圧油を解除
室60に送る。ピストン10がばね11に抗して非制動
方向に移動して、パーキングブレーキが解除される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホイールローダ等の荷
役車両に用いられる油圧等の流体圧を利用したパーキン
グブレーキにおいて、エンジン停止時にパーキングブレ
ーキが作動してしまったときにパーキングブレーキによ
る制動を解除する解除装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ホイールローダ等の荷役車両の
ブレーキ装置としては、通常の車両運転にあたって作業
者がフットブレーキを踏んだ際に作動するサービスブレ
ーキと、駐車時に作動するパーキングブレーキとが設け
られている。
【0003】サービスブレーキは、各ホイールに直接取
り付けられているのに対し、パーキングブレーキは、ト
ランスミッション内蔵の多板ディスクブレーキで、ネガ
ティブ式ブレーキとなっている。すなわち、図8に示す
ように、トランスミッション1のハウジング2に形成さ
れたブレーキ室3において、トランスミッション1の回
転軸4に嵌合されたインプットシャフト5の端部にディ
スクハブ6が外嵌され、ディスクハブ6の外周に複数枚
のブレーキディスク7が取り付けられている。そして、
各ブレーキディスク7に当接離間するよう対向してブレ
ーキプレート8が配され、ブレーキプレート8はハウジ
ング2に軸方向に摺動自在に支持されている。また、ブ
レーキ室3は、インプットシャフト5の延長方向に形成
された貫通孔9によって外部に連通している。
【0004】そして、パーキングブレーキを作動させる
機構として、ブレーキプレート8をブレーキディスク7
に圧着させるピストン10と、ピストン10を制動方向
に移動させるばね11と、ばね11の付勢力に抗してピ
ストン10を非制動方向に移動させる油圧供給手段とを
備えている。ピストン10は、断面略H状に形成され、
ハウジング2のブレーキ室3と貫通孔9に内装され、軸
方向に移動自在とされている。ピストン10の一側はブ
レーキ室3にあり、ブレーキプレート8と対向した押部
12とされ、ピストン10の他側のフランジ部13はト
ランスミッション1のハウジング2に固定されたブレー
キハウジング14によって形成されたチャンバ15内に
あり、フランジ部13によりチャンバ15が左右に区切
られている。これによりチャンバ15はさらに右側のば
ね室16と左側の油室17とに分かれ、ばね室16に複
数のばね11が介装されており、ピストン10を左方向
に押している。また、油室17にはハウジング2を貫通
した油流通孔18が形成されている。
【0005】油圧供給手段は、エンジン20によって駆
動されるポンプ21と、ポンプ21からの油圧を油室1
7に導く油圧路22と、油圧路22への油圧の供給を断
続する駐車ブレーキバルブ23とからなる。油圧路22
は駐車ブレーキバルブ23のポートと油流通孔18とを
接続するパイプであり、駐車ブレーキバルブ23は2位
置切換え型バルブであって、ブレーキレバー24により
油圧路22にポンプ21からの油圧を導く位置と、油圧
路22とタンク25とを連通する位置とに切換えられ
る。なお、図中、26はロープレッシャスイッチであ
り、油圧路22の圧力低下を検出している。
【0006】そして、エンジン20が動いているときに
は、ポンプ21からの油圧が駐車ブレーキバルブ23に
より油圧路22を経て油室17に供給され、ピストン1
0がばね11に抗して右方向に押されている。そのた
め、ブレーキプレート8はブレーキディスク7から離間
して、パーキングブレーキが作動していない非制動状態
にある。
【0007】駐車時には、ブレーキレバー24を操作し
て駐車ブレーキバルブ23を切り換え、油室17への油
圧を遮断する。そうすると、ばね11によりピストン1
0が左方向に移動して、ブレーキプレート8がブレーキ
ディスク7に圧接され、パーキングブレーキの制動がか
かる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術におい
て、エンジン20により駆動されるポンプ21の油圧に
よってパーキングブレーキは動作するので、何らかの不
具合でエンジン20が停止すると、パーキングブレーキ
を非制動状態に保持していた油圧が下がり、ばね11の
付勢力によってパーキングブレーキが作動してしまう。
【0009】そのため、車両を移動させようとする場
合、パーキングブレーキがかかっているので、牽引によ
る車両移動が非常に困難とある。また、パーキングブレ
ーキの作動を解除するためにブレーキのリンケージを外
そうとしても、ばねの力が強く、危険である。
【0010】本発明は、上記に鑑み、エンジン停止によ
りパーキングブレーキが作動したときに、一時的にパー
キングブレーキの作動を解除できる車両のパーキングブ
レーキ解除装置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、図1または図3の如く、パーキングブレーキを作
動させる作動体10と、作動体10をパーキングブレー
キ制動方向に付勢する付勢体11と、作動体10に流体
圧を供給して付勢体11の付勢力に抗してパーキングブ
レーキを非制動状態にしておく流体圧供給手段とを備
え、作動体10をパーキングブレーキ非制動方向に付勢
する解除手段が設けられ、解除手段は、ステアリングホ
イール31の回転によって得られる流体圧を利用する
か、あるいは牽引具70にかかる牽引力によって作動す
るシリンダ71を設け、シリンダ71の流体圧を利用す
るものである。また、他の手段として、図7の如く、付
勢体105の付勢力を解除する付勢力解除手段110を
設ける。
【0012】
【作用】上記課題解決手段において、車両の走行中は、
流体圧が流体圧供給手段により作動体10に供給され、
パーキングブレーキは作動していない。ここで、何かの
不具合でエンジン20の停止等、車両が故障した場合、
作動体10への流体圧の供給が断たれ、付勢体11によ
りパーキングブレーキが作動してしまう。
【0013】そこで、パーキングブレーキを一時的に解
除するために、ステアリングホイール31の回転によっ
て発生する流体圧を作動体10に供給する。あるいは、
牽引するときの引張力を利用して、シリンダ71に流体
圧を発生させてこれを作動体10に供給する。すると、
作動体10が付勢体11の付勢力に抗してパーキングブ
レーキを非制動状態にし、パーキングブレーキが解除さ
れた状態になり、車両を移動させることができる。
【0014】また、付勢体105の付勢力を積極的に解
除することによって、作動体103は制動方向には付勢
されなくなり、パーキングブレーキが解除される。そし
て、車両が正常になったとき、付勢力の解除を解くこと
により元の状態に即座に復帰される。
【0015】
【実施例】
(第一実施例)図1は本発明の第一実施例を示すパーキ
ングブレーキの構成図である。なお、従来と同じ構成部
材には同一符号を付している。
【0016】本実施例のパーキングブレーキの機構は、
図1の如く、ブレーキプレート8をブレーキディスク7
に圧接させる作動体としてのピストン10と、ピストン
10をパーキングブレーキ制動方向に付勢する付勢体と
してのばね11と、ピストン10に油圧を供給してばね
11の付勢力に抗してパーキングブレーキを非制動状態
にしておく油圧供給手段とを備えている。そして、エン
ジン停止時にパーキングブレーキを解除する機構とし
て、ピストン10をパーキングブレーキ非制動方向に付
勢する解除手段30が設けられており、ステアリングホ
イール31の回転によりオービットロール32から発生
する油圧を利用している。なお、パーキングブレーキお
よびその油圧系統は従来の図8に示したものと同じであ
るので、詳細な説明は省略する。
【0017】前記オービットロール32は、図2の如
く、ステアリングホイール31のコラム33の下部に取
り付けられ、ロータリバルブ34と送油部35とからな
り、ステアリングホイール31の操舵方向に応じてポン
プ36からの圧油を左右のステアリングシリンダ37に
選択送油するものである。
【0018】ロータリバルブ34は、スリーブ38とス
プール39とから構成され、スリーブ38にスプール3
9が回転自在に内装されており、スプール39は、コラ
ム33に連結され、ステアリングホイール31の回転に
より回転される。また、スリーブ38に、クロスピン4
0が圧入され、クロスピン40は送油部35に接続され
たドライブシャフト41に連結されている。
【0019】スプール39は、ポンプ36に通じる入口
ポート42と、タンク43に通じる戻りポート44を有
し、スリーブ38は、ステアリングシリンダ37に通じ
る第一ポート45と、送油部35に通じる第二ポート4
6とを有している。また、入口ポート42と戻りポート
44との中間にチェックバルブ47が介装されている。
【0020】そして、ステアリングホイール31の回転
によりスプール39が回り、スリーブ38との間に相対
的角偏位差が生じて油路の切換えが行われる。また、ス
テアリングホイール31の中立位置では、入口ポート4
2と戻りポート44とが連通しており、ポンプ36から
の圧油はロータリバルブ34の中を通ってタンク43に
戻る。
【0021】送油部35は、ステータ48とロータ49
とから構成され、内歯のステータ48に外歯のロータ4
9が噛合して、内接転がり運動をする。ロータ49は、
ドライブシャフト41に連結されており、クロスピン4
0を介してスリーブ38と機械的に連結されている。そ
して、ステータ48には、第二ポート46に通じる第三
ポート50と、ステアリングシリンダ37に通じる第四
ポート51とが形成されている。なお、図中、52はセ
ンタリングスプリング、53はリンク装置、54は車
輪、55はオービットロール32とステアリングシリン
ダ37とを結ぶ油圧路である。
【0022】ここで、ポンプ36が停止して圧油が供給
されなくなった場合には、ステアリングホイール31を
例えば右に回すと、スプール39が回ってクロスピン4
0にぶつかり、クロスピン40はドライブシャフト41
を回し、ドライブシャフト41はロータ49を回転す
る。このとき、入口ポート42と第二ポート46が連通
し、戻りポート44と第一ポート45が連通し、入口ポ
ート42と戻りポート44の間のチェックバルブ47が
開き、油路内の圧油が第四ポート51から供給される。
このように、オービットロール32は圧油を送るハンド
ポンプとして働く。
【0023】前記解除手段30として、ハウジング2の
貫通孔9の外周に解除室60が形成され、解除室60に
ピストン10の胴周上に突設されたつば部61が摺動可
能に内装され、オービットロール32とステアリングシ
リンダ37とを結ぶ油圧路55に介装された油圧供給方
向を切換える切換えバルブ62と、切換えバルブ62と
解除室60に形成された油孔63とを結ぶ接続路64
と、切換えバルブ62を操作する解除レバー65とを備
えている。
【0024】切換えバルブ62は、二位置切換型であ
り、aポートにオービットロール32からの油圧路55
が接続され、bポートに接続路64が接続され、cポー
トにステアリングシリンダ37への油圧路55が接続さ
れている。そして、解除レバー65を引く操作によりa
ポートとbポートとが連通され、通常の非操作時にはa
ポートとcポートとが連通されている。なお、切換えバ
ルブ62をステアリングシリンダ37への各油圧路に介
装しておけば、ステアリングホイール31をどちらに回
しても圧油を供給できる。
【0025】また、油孔63は解除室60のディスクブ
レーキ寄りに開口しており、接続路64の途中にはチェ
ックバルブ66が介装され、解除室60には常に油が充
たされている。そして、解除室60の油圧が上昇するこ
とにより、つば部61は右方向に押される。なお、パー
キングブレーキの操作レバー24や解除レバー65は運
転室に設けられている。
【0026】上記構成において、車両の走行中は、パー
キングブレーキが作動していないので、ポンプ21から
の油圧が、駐車ブレーキバルブ23からチャンバ15の
油室17に供給される。このとき、ピストン10はばね
11の付勢力に抗して右方向に移動して、ブレーキプレ
ート8はブレーキディスク7から離間している。
【0027】次に、エンジン20をかけたまま駐車する
場合、ブレーキレバー24を操作すると、駐車ブレーキ
バルブ23が切換わり、ポンプ21から油室17へ供給
されていた油圧が遮断され、タンク25に排出される。
チャンバ15内では、油室17の圧力が下がり、ばね1
1の付勢力によりピストン10が左方向に移動して、ブ
レーキプレート8がブレーキディスク7に圧接され、パ
ーキングブレーキによる制動がかかる。
【0028】何かの不具合でエンジン20が停止した場
合、ポンプ21からの油圧の供給がなくなるので、ばね
11によってピストン10が移動され、パーキングブレ
ーキが作動してしまい、車両を移動させることができな
くなってしまう。
【0029】そこで、車両を牽引をできるようにするた
めに、解除レバー65を操作すると、切換えバルブ62
が切換わり、接続路64を介してオービットロール32
と解除室60とが連通される。ステアリングホイール3
1を数回回すと、接続路64に圧油が供給され、解除室
60の油圧が上がり、つば部61が右方向に押される。
すると、ピストン10がばね11の付勢力に抗して右方
向に移動して、ブレーキプレート8がブレーキディスク
7から離間する。これによって、パーキングブレーキが
一時的に解除された状態になり、車両を移動させること
ができる。
【0030】このように、ステアリングホイール31を
回すことによってオービットロール32をハンドポンプ
として働かせて、この圧油を圧力源に利用して、一時的
にパーキングブレーキを解除できるので、故障時に車両
を交通の邪魔にならないところまで牽引移動させること
が可能となり、二次災害を防止することができる。しか
も、車両に備わっている既存の部品を活用できるので、
追加する部品も少なく低コストで簡単な構造とすること
ができ、車両に容易に後付けすることも可能となる。
【0031】(第二実施例)本実施例では、解除手段と
して、図3の如く、車両を牽引するときに牽引具70を
引っ張る力により油圧を発生させて、この油圧を利用し
たものである。すなわち、ロッドが牽引具70になった
油圧シリンダ71を設け、油圧シリンダ71のテール側
をタンク72に接続し、ロッド側を油圧供給路73を介
して駐車ブレーキバルブ74とチャンバ75のブレーキ
室76とを結ぶ油圧路77の中間点に接続している。そ
して、油圧供給路73は、油圧シリンダ71よりも高い
位置に配置され、なおかつ油圧供給路73の中間部分A
は油圧路77の中間点よりも高くされ、油圧シリンダ7
1内の油が全てドレンしてしまわないようになってい
る。また、油圧路77の中間点にアキュームレータ78
が接続されており、牽引時に油圧供給路73に過大な圧
力が発生した場合、アキュームレータ78に圧力が逃げ
るようになっており、油圧路やバルブ、ブレーキ機構を
保護している。なお、図中、79はポンプ、80はチェ
ックバルブ、81はブレーキディスク、82はブレーキ
プレート、83はピストン、84はばねである。ここ
で、油圧シリンダ71のロッド側の油容量は、チャンバ
75のブレーキ室76の油容量とアキュームレータ78
の容量との和よりも十分多くされ、またアキュームレー
タ78の保持圧はパーキングブレーキを解除するために
必要な圧力よりも十分高い。
【0032】そして、通常のエンジンが動いてパーキン
グブレーキが作動していないときは、図4の如く、ポン
プ79からの油圧がオフ状態の駐車ブレーキバルブ74
からチャンバ75のブレーキ室76に供給される。この
とき、ピストン83はばね84の付勢力に抗して右方向
に移動して、ブレーキプレート82はブレーキディスク
81から離間している。
【0033】エンジンをかけたまま駐車する場合、図5
の如く、ブレーキレバーを操作して駐車ブレーキバルブ
74をオン状態に切換える。すると、ブレーキ室76内
の圧油が駐車ブレーキバルブ74を通ってタンク72に
排出され、ピストン83がばね84に押されて、ブレー
キプレート82がブレーキディスク81に圧接され、パ
ーキングブレーキによる制動がかかる。このとき、油圧
供給路73内の圧油もドレンされるが、油圧路77の中
間点よりも油圧供給路73の中間部分Aが高くなってい
るので、これより油圧シリンダ側にある圧油はドレンさ
れることはない。
【0034】ここで、エンジンが停止したり、ポンプ7
9が故障したりすると、パーキングブレーキを解除しよ
うとしても圧油を供給することができなくなり、パーキ
ングブレーキがかかったままになり車両を移動させるこ
とができなくなってしまう。そこで、図3の如く、駐車
ブレーキバルブ74をオフ状態にして、牽引具70にロ
ープ85を掛けて引っ張ってもらうことにより、油圧シ
リンダ71のロッド側の油圧が高くなり、この圧油がブ
レーキ室76に供給され、ピストン83をばね84の付
勢力に抗して移動させ、パーキングブレーキによる制動
が解除される。このとき、チェックバルブ80によって
圧油は駐車ブレーキバルブ74を通ってポンプ方向に流
れることはない。また、牽引時に、過大な圧力が発生し
た場合、図6の如く、ブレーキ室76にも圧油が供給さ
れるが、アキュームレータ78に圧力が逃げるので、各
部に無理な負荷がかかることはない。
【0035】このように、牽引中はパーキングブレーキ
は解除されているので、走行には支障がない。そして、
牽引をやめると、牽引具70にかかる引張力がなくなる
ので、油圧シリンダ71からの圧油の供給がなくなっ
て、再びパーキングブレーキによって制動がかかること
になり、サービスブレーキが効かない状態であっても牽
引中に停止する場合にはパーキングブレーキによって制
動可能となり、安全性を高めることができる。したがっ
て、車両に装着されている牽引具を利用することによ
り、油圧シリンダを追加するだけでよく、低コストで簡
単な構造のパーキングブレーキの解除装置を提供するこ
とができる。
【0036】(第三実施例)本実施例では、図7の如
く、パーキングブレーキとサービスブレーキとが共用さ
れており、ハウジング90が左右の二つの室91,92
とに仕切り壁93によって分けられている。右室91に
は、トランスミッションの出力軸に嵌合されたブレーキ
ディスク94と、ハウジング90に移動自在に支持され
たブレーキプレート95と、ブレーキピストン96とが
内装され、ブレーキピストン96と仕切り壁93との間
に第一加圧室97が形成される。第一加圧室97に、ハ
ウジング90を貫通して油孔98が形成され、これに主
ブレーキ路99を介してマスタシリンダ100が接続さ
れており、ブレーキペダルの操作により第一加圧室97
に圧油が供給される。
【0037】左室92は、仕切り壁93に形成された貫
通孔101によって右室91と連通している。この反対
側はキャップ102でふさがれている。そして、貫通孔
101に摺動自在に嵌合された凸形のパーキングピスト
ン103と、ハウジング90に沿って摺動可能とされた
平板状の解除ピストン104とが左室92に内装され、
両ピストン103,104の間にばね105が介装され
ている。パーキングピストン103の一端はブレーキピ
ストン96に形成された中央孔96aに摺動自在に嵌合
され、ブレーキピストン96が傾かないよう不均衡な力
をかけないようにしている。また、両ピストン103,
104の間でハウジング90の内側が凸形状になってお
り、両ピストン103,104のストッパ90aとなっ
ている。そして、パーキングピストン103と仕切り壁
93との間に第二加圧室106が形成され、解除ピスト
ン104と凸部102との間に第三加圧室107が形成
され、それぞれ油孔108,109が形成されている。
【0038】そして、パーキングピストン103に圧油
を供給してばね105の付勢力に抗してパーキングブレ
ーキを非制動状態にしておく油圧供給手段が設けられ、
またパーキングブレーキを解除する機構として、ばね1
05の位置をパーキングピストン103から遠ざけてば
ね105の付勢力を解除する付勢力解除手段110が設
けられている。
【0039】油圧供給手段は、エンジンによって駆動さ
れるポンプ111と、ポンプ111からの圧油を第二加
圧室106に導く油圧路112と、油圧路112に介装
された駐車ブレーキバルブ113とからなり、従来のも
のと同じ構成である。付勢力解除手段110は、油圧路
112の駐車ブレーキバルブ113と第二加圧室106
との間にある中間点と第三加圧室107の油孔109と
を結ぶ補助油圧路114と、補助油圧路114に介装さ
れたパーキング解除バルブ115とを有している。パー
キング解除バルブ115は、2位置切換え型バルブであ
って、通常はばね116の付勢力によりポンプ111か
らの圧油を第三加圧室107に導く位置にあり、解除レ
バー117の操作により第三加圧室107とタンク11
8とを連通する位置とに切換えられる。なお、図中、1
19はリリーフバルブ、120はチェックバルブ、12
1はリリーフバルブ、122はブレーキレバーである。
【0040】上記構成において、走行中は、ポンプ11
1からの圧油が駐車ブレーキバルブ113を通って第二
加圧室106に供給される。また、パーキング解除バル
ブ115は通常位置にあるので、ポンプ111からの圧
油が油圧路112から分岐してパーキング解除バルブ1
15を通って第三加圧室107にも供給されている。そ
のため、パーキングピストン103は左方向に押され、
解除ピストン104は右方向に押され、ばね105は押
し縮められており、パーキングピストン103をブレー
キピストン96の方向には付勢していないので、パーキ
ングブレーキはかかっていない。ブレーキレバー122
により駐車パーキングバルブ113を切換えると、第二
加圧室106の圧油はタンク118にドレンされるが、
第三加圧室107の圧油は排出されないので、解除ピス
トン104はストッパ90aに押し付けられ、ばねはパ
ーキングピストン103を右方向に押し出し、パーキン
グピストン103がブレーキピストン96に押し付けら
れ、ブレーキプレート95がブレーキディスク94に圧
接してパーキングブレーキがかかる。
【0041】ここで、エンジンやポンプ111が故障す
ると、圧油が供給されなくなりパーキングブレーキがか
かってしまう。そこで、解除レバー117を押すと、パ
ーキング解除バルブ115が切り換わって、第三加圧室
107とタンク118とが連通され、圧油がタンク11
8に排出される。解除ピストン104はばね105に押
されて左方向に移動し、それにつれてばね105も伸
び、パーキングピストン103を押す力が弱まるため、
パーキングピストン103は左方向に移動してパーキン
グブレーキは解除される。なお、この間は解除レバー1
17を押し続けていなければならず、解除レバー117
から手を離すと、パーキング解除バルブ115は切り換
わり、第三加圧室107の圧油をタンク118に排出す
ることができなくなる。しかし、一旦第三加圧室107
から圧油が全て排出されると、パーキングブレーキの解
除状態は維持できる。また、再びポンプ111が駆動さ
れると、圧油が第三加圧室107と第二加圧室107に
供給され、油圧によってパーキングブレーキを解除状態
にすることができる。
【0042】このように、車両故障時にパーキングブレ
ーキがかかったままになっても、ワンタッチでパーキン
グブレーキを解除できるとともに、車両が正常になった
とき自動的に元の状態に復帰させることができ、少ない
部品を追加するだけでパーキングブレーキの解除装置を
提供することができる。
【0043】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、本発明の範囲内で上記実施例に多くの修
正および変更を加え得ることは勿論である。
【0044】本実施例のパーキングブレーキは、トラン
スミッションのインプットシャフトに配されているが、
サービスブレーキと同じ箇所に配されたもの、あるいは
プロペラシャフトとデファレンシャルとの間に配された
ものにも適用できる。また、圧力は油圧に限らず、空気
圧であってもよい。
【0045】第三実施例において、ばねの付勢力を解除
する方法として、バッテリの電源を利用して作動するソ
レノイド、モータ等を用いて機械的にばねを押し縮めて
もよい。そして、スイッチのオンオフによりワンタッチ
でパーキングブレーキを解除したり、元の状態に復帰さ
せることができる。
【0046】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、作動体が付勢体により制動方向に付勢されたパ
ーキングブレーキに対して、作動体をパーキングブレー
キ非制動方向に付勢する解除手段として、ステアリング
ホイールの回転によって得られる流体圧を利用したり、
牽引具にかかる牽引力によって作動するシリンダを設
け、このシリンダの流体圧を利用しているので、車両に
備わっている既存の部品を活用でき、追加する部品も少
なく低コストで簡単な構造によって一時的にパーキング
ブレーキを解除することができ、故障時に車両を交通の
邪魔にならないところまで牽引移動させることが可能と
なる。しかも、少ない部品を追加するだけなので容易に
後付けすることが可能となる。
【0047】また、付勢体の付勢力を解除して作動体を
非制動方向に移動させることによって、車両故障時にパ
ーキングブレーキがかかったままになっても、ワンタッ
チでパーキングブレーキを解除できるとともに、車両が
正常になったときも即座に元の状態に復帰させることが
でき、少ない部品を追加するだけでパーキングブレーキ
の解除装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示すパーキングブレーキ
解除装置を備えたパーキングブレーキの構成図
【図2】オービットロールの構成図
【図3】第二実施例を示すパーキングブレーキ解除装置
を備えたパーキングブレーキの構成図
【図4】非制動状態のパーキングブレーキの構成図
【図5】制動状態のパーキングブレーキの構成図
【図6】牽引時のパーキングブレーキの構成図
【図7】第三実施例を示すパーキングブレーキ解除装置
を備えたパーキングブレーキの構成図
【図8】従来のパーキングブレーキの構成図
【符号の説明】
7 ブレーキディスク 8 ブレーキプレート 10 ピストン 11 ばね 17 油室 21 ポンプ 23 駐車ブレーキバルブ 31 ステアリングホイール 32 オービットロール 60 解除室 62 切換えバルブ 65 解除レバー 70 牽引具 71 油圧シリンダ 103 パーキングピストン 104 解除ピストン 105 ばね 115 パーキング解除バルブ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パーキングブレーキを作動させる作動体
    と、該作動体をパーキングブレーキ制動方向に付勢する
    付勢体と、前記作動体に流体圧を供給して前記付勢体の
    付勢力に抗して前記パーキングブレーキを非制動状態に
    しておく流体圧供給手段とを備え、前記作動体をパーキ
    ングブレーキ非制動方向に付勢する解除手段が設けら
    れ、該解除手段は、ステアリングホイールの回転によっ
    て得られる流体圧を利用したことを特徴とする車両のパ
    ーキングブレーキ解除装置。
  2. 【請求項2】 パーキングブレーキを作動させる作動体
    と、該作動体をパーキングブレーキ制動方向に付勢する
    付勢体と、前記作動体に流体圧を供給して前記付勢体の
    付勢力に抗して前記パーキングブレーキを非制動状態に
    しておく流体圧供給手段とを備え、前記作動体をパーキ
    ングブレーキ非制動方向に付勢する解除手段が設けら
    れ、該解除手段は、牽引具にかかる牽引力によって作動
    するシリンダを設け、該シリンダの流体圧を利用したこ
    とを特徴とする車両のパーキングブレーキ解除装置。
  3. 【請求項3】 パーキングブレーキを作動させる作動体
    と、該作動体をパーキングブレーキ制動方向に付勢する
    付勢体と、前記作動体に流体圧を供給して前記付勢体の
    付勢力に抗して前記パーキングブレーキを非制動状態に
    しておく流体圧供給手段とを備え、前記付勢体の付勢力
    を解除する付勢力解除手段が設けられたことを特徴とす
    る車両のパーキングブレーキ解除装置。
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WO2013180107A1 (ja) * 2012-05-28 2013-12-05 株式会社アドヴィックス 車両用ブレーキ装置
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