JPH08239919A - 貫通孔の充填材支持具 - Google Patents

貫通孔の充填材支持具

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JPH08239919A
JPH08239919A JP4676895A JP4676895A JPH08239919A JP H08239919 A JPH08239919 A JP H08239919A JP 4676895 A JP4676895 A JP 4676895A JP 4676895 A JP4676895 A JP 4676895A JP H08239919 A JPH08239919 A JP H08239919A
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Koji Takenaga
宏二 竹永
Koji Kaneda
好司 金田
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Inaba Denki Sangyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造体に設けられた貫通孔に長尺体を設置し
た後からでも手間をかけずに簡単に設置することがで
き、且つ、少ない部品点数で長尺体の安定的な保持がで
きる貫通孔の充填材支持具を提供する。 【構成】 貫通孔への充填材の充填方向前方側で、前記
貫通孔内に充填される前記充填材を受止め自在な環状の
支持部と、前記貫通孔の開口部の周囲に係止自在な環状
の係止部とを、各別に径方向に分割して形成し、前記貫
通孔の深さ方向に対応する分割支持部と分割係止部どう
しを各別に連結する連結部をそれぞれ設け、前記分割係
止部夫々の周方向一端側どうしを径方向に揺動自在に連
結するヒンジ部を設けるとともに、前記分割係止部夫々
の周方向他端側に互いに係合自在な係合部を設けてあ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、構造体(例え
ば、床や天井や壁)を貫通する挿通体(例えば、配管や
ケーブル)の周囲を、防火のために耐火封止する充填材
を保持する支持具に関し、詳しくは構造体に設けられた
貫通孔に挿通された長尺体の挿通部分の周囲空間で、充
填材を支持自在な貫通孔の充填材支持具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の貫通孔の充填材支持具と
しては、図8に示すように、貫通孔2への充填材Jの充
填方向前方側で、前記貫通孔2内に充填される前記充填
材Jを受止め自在な一体構成の環状支持部20を設け、
前記貫通孔2の開口部の周囲に各別に係止自在な複数の
係止片部21を設け、前記支持部20に対して前記係止
片部21を各別に連結する複数の連結部22を設けたも
のがあり、前記係止片部21によって構造体1に該充填
材支持具を係止させて、支持部20の中心部分に形成さ
れた挿通孔に長尺体Pを挿通させて、長尺体Pと貫通孔
壁2aとの間に充填材Jを詰め込んで前記支持部20で
支持するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の貫通孔
の充填材支持具によれば、前記支持部が環状に一体構成
してあるから、長尺体を貫通孔に既に挿通配置させてあ
る状態で該充填材支持具を貫通孔に設置する場合には、
該充填材支持具の支持部の挿通孔にわざわざ長尺体の端
部を挿通させて、該充填材支持具を長尺体の長手方向に
沿って設置箇所までずらす必要があり、設置手間がかか
るという問題がある。
【0004】この問題点を解決するために、環状の前記
支持部を、径方向に単純に分割形成することが提案され
る。しかし、支持部を単純に分割構成すると、部品点数
が増加し、保管性や取扱性が低下するという新たな問題
を招く。
【0005】更には、従来の貫通孔の充填材支持具、及
び、上述の改善提案によるものとの両者は、複数の係止
片部がそれぞれ単独の状態で貫通孔の開口部の周囲に係
止するように形成してあるから、貫通孔に係止させた状
態においては、各係止片部が単独に係止力を負担するこ
とになり、且つ、各係止片部の変形も各別に生じること
になる。従って、例えば、該充填材支持具を貫通孔に設
置すると共に熱膨張性充填材を充填して長尺体を固定し
た状態において、火災が発生して熱が加わって前記充填
材が膨張し、前記支持部に押し込み方向の外力が作用す
ると、その外力は前記複数の係止片部に直接的に作用
し、各係止片部に変形が生じ易くなり、長尺体の安定保
持が困難となると同時に、充填材による防火が不完全に
なり得るという問題点がある。
【0006】そこで、本発明の目的は、上記問題点を解
消し、貫通孔に長尺体を設置した後からでも手間をかけ
ずに簡単に設置することができ、且つ、少ない部品点数
で長尺体の安定的な保持ができる貫通孔の充填材支持具
を提供するところにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明の「貫通孔の充填材支持具」の特徴構成は以下
のとおりである。即ち、本発明の第1の特徴構成は、貫
通孔への充填材の充填方向前方側で、前記貫通孔内に充
填される前記充填材を受止め自在な環状の支持部と、前
記貫通孔の開口部の周囲に係止自在な環状の係止部と
を、各別に径方向に分割して形成し、前記貫通孔の深さ
方向に対応する分割支持部と分割係止部どうしを各別に
連結する連結部をそれぞれ設け、前記分割係止部夫々の
周方向一端側どうしを径方向に揺動自在に連結するヒン
ジ部を設けるとともに、前記分割係止部夫々の周方向他
端側に互いに係合自在な係合部を設けてあるところにあ
り、第2の特徴構成は、上記第1の特徴構成において、
一方の前記分割係止部の周方向他端に曲折するフックを
設けて一方の前記係合部とするとともに、前記他方の分
割係止部の周方向他端側の周部に前記フックと係合可能
な切欠きを設けて他方の前記係合部としてあるところに
あり、第3の特徴構成は、上記何れかの特徴構成におい
て、両分割係止部夫々の周方向他端部に切欠きを設け、
前記両分割係止部夫々の係合部に径方向に相異なる方向
に段差を設けて、嵌め合い可能に形成してあるところに
ある。
【0008】尚、前記ヒンジ部が、鳩目であったり(請
求項4に対応)、前記支持部を、着脱自在に形成してあ
ったり(請求項5に対応)、前記係止部に、前記貫通孔
に対する蓋部材を係止自在な被係止部を設けてあっても
よい(請求項6に対応)。また、前記被係止部に係止自
在で、且つ、前記被係止部に係止させた状態で前記周囲
空間を覆う環状の蓋部材を設けてあることが好ましく
(請求項7に対応)、前記蓋部材が、径方向に分割して
形成してあると共に、分割蓋部材どうしを合体させた状
態で連結固定自在な蓋連結部を設けてあることが好まし
い(請求項8に対応)。さらに、前記蓋部材を構成する
に、蓋本体の外周縁部に、径方向に沿って内方側に突出
させて係止凸部を設け、前記被係止部を構成するに、前
記係止凸部を、前記蓋部材の離脱方向側で受け止める係
止面部を設けてあることが好ましい(請求項9に対
応)。
【0009】
【作用】本発明の「貫通孔の充填材支持具」の特徴構成
によれば、その第1の特徴構成においては、構造体に設
けられた貫通孔への充填材の充填方向前方側で、前記貫
通孔内に充填される前記充填材を受止め自在な環状の支
持部と、前記貫通孔の開口部の周囲に係止自在な環状の
係止部とを、各別に径方向に分割して形成し、前記貫通
孔の深さ方向に対応する分割支持部と分割係止部どうし
を各別に連結する連結部をそれぞれ設け、前記分割係止
部夫々の周方向一端側どうしを径方向に揺動自在に連結
するヒンジ部を設けるとともに、前記分割係止部夫々の
周方向他端側に互いに係合自在な係合部を設けてあるか
ら、たとえ前記貫通孔に長尺体を挿通させてある状態で
あっても、前記分割係止部どうしを開方向に揺動させて
おき、開いた部分から前記長尺体を径方向に沿って受け
入れ、後は、前記ヒンジ部を中心にして前記分割係止部
どうしを閉方向に揺動させるだけで簡単に長尺体に外嵌
させることができる。そして、そのまま、前記係止部を
貫通孔の開口部周囲に係止させることで、貫通孔に設置
することができる。従って、従来のように、長尺体の端
部から挿通させる必要がなくなり、設置作業をスピィー
ディーに実施できるようになる。また、支持部及び係止
部はそれぞれ径方向に沿って分割構成してあるものの、
各分割係止部と分割支持部とは連結部によってつながっ
ていると共に、各分割係止部どうしは前記ヒンジ部を介
してつなげてあるから係止部・連結部・支持部は一体的
であり、部品の一部を紛失することもなく、且つ、部品
点数の増加防止を図れることによって、保管性や取扱性
を向上させることが可能となる。さらに、前記両分割係
止部を互いに係合部において係合できるので、前記係止
部は一体化でき、環状に形成したと同様に貫通部材の係
止姿勢の安定化を図ることができ、例えば、取付固定後
の長尺体に押し込み方向の外力が作用しても、その力
を、環状の係止部で、一丸となって応力負担することが
でき、係止部の変形を抑制して安定的な長尺体保持を叶
えることができると同時に、蓋部材を取りつけやすくな
り、且つ、その蓋部材を外れ難くすることができる。
【0010】また、第2の特徴構成においては、上記第
1の特徴構成において、一方の前記分割係止部の周方向
他端に曲折するフックを設けて一方の前記係合部とする
とともに、前記他方の分割係止部の周方向他端側の周部
に前記フックと係合可能な切欠きを設けて他方の前記係
合部としてあるので、簡単に前記両分割係止部を係合さ
せることができる。さらに、第3の特徴構成において
は、上記何れかの特徴構成において、両分割係止部夫々
の周方向他端部に切欠きを設け、前記両分割係止部夫々
の係合部に径方向に相異なる方向に段差を設けて、嵌め
合い可能に形成してあるので、前記両分割係止部の係合
が確実になり、外れ難く、例えば、耐火貫通部に使用さ
れるような熱膨張性の充填材を充填した場合においても
充分にその充填材の膨張に伴う外力に耐え、前記支持部
による充填材の保持をより確実にする。
【0011】尚、前記ヒンジ部が、鳩目であれば、鳩目
の穴に釘やビス等の固定具を挿通させて構造体に係止部
を固定することができ、別の固定用穴を設けなくても安
定的に取付固定できる(請求項4に対応)。また、前記
支持部を、着脱自在に形成してあれば、長尺体を挿通さ
せる支持部の挿通孔部分の寸法設定を異ならせて形成し
た複数種の支持部を設けておき、挿通させる長尺体の外
径寸法に対応する支持部を選択して使い分けることがで
き、前記係止部及び連結部はそのまま使用しながら、外
径寸法の異なる長尺体に対応することが可能となる(請
求項5に対応)。そして、前記係止部に、前記貫通孔に
対する蓋部材を係止自在な被係止部を設けてあれば、前
記被係止部に蓋部材を係止させて、長尺体の挿通部分の
周囲空間を蓋部材で覆うことが可能となる(請求項6に
対応)。また、前記被係止部に係止自在で、且つ、前記
被係止部に係止させた状態で前記周囲空間を覆う環状の
蓋部材を設けてあれば、前記周囲空間に充填された充填
材が露出するのを防止することができ、充填材が光や熱
の影響を直接的に受けて劣化するのを防止することが可
能となる。そして、例えば、耐火貫通部に使用されるよ
うな熱膨張性の充填材を充填した場合においても、充填
空間の良好な密閉性を確保して、充填材の熱膨張力を有
効に作用させ、貫通孔閉塞効果を維持することが可能と
なる(請求項7に対応)。前記蓋部材が、径方向に分割
して形成してあると共に、分割蓋部材どうしを合体させ
た状態で連結固定自在な蓋連結部を設けてあれば、貫通
孔に長尺体を挿通させてある状態においても、長尺体の
両側方から分割蓋部材を合わせるだけで手間をかけずに
スピーディーに蓋部材を設置することができ、しかも、
蓋連結部によって両分割蓋部材どうしを連結固定するこ
とが可能となり、確実な蓋部材の固定が可能となる(請
求項8に対応)。また、前記蓋部材を構成するに、蓋本
体の外周縁部に、径方向に沿って内方側に突出させて係
止凸部を設け、前記被係止部を構成するに、前記係止凸
部を、前記蓋部材の離脱方向側で受け止める係止面部を
設けてあれば、前記係止部に蓋部材を係止させた状態に
おいて、前記係止凸部の離脱方向への移動を係止面部に
よって受け止めて蓋部材の離脱を阻止することができ、
蓋部材を前記貫通孔の軸芯方向に沿って離脱しない状態
に確実に取り付けることができ、例えば、充填材として
熱膨張性のものを使用して耐火貫通孔を構成する場合
に、貫通孔の軸芯方向に沿って作用する充填材の熱膨張
力を受けて蓋部材が離脱するのを防止しやすくなる(請
求項9に対応)。
【0012】
【発明の効果】従って、本発明の「貫通孔の充填材支持
具」によれば、貫通孔に長尺体を設置した後からでも手
間をかけずに簡単に設置することができるようになっ
て、設置作業時期の融通性が向上すると共に、外力に対
する変形が少なくなって、構造体に対する取付安定性が
向上する。また、外径寸法や形状の異なる長尺体への適
応性も向上する。そして、蓋部材を設置してあることに
よって、特に充填材の熱膨張を長尺体に対して効果的に
作用させることができるようになり、耐火貫通孔への適
応性が向上する。
【0013】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2は、スラブ1(構造体の一例)に設けられた
配管挿通用の貫通孔2に、空調配管P(長尺体の一例)
を挿通させて、貫通孔2の周壁部2aと、空調配管Pと
の隙間に充填材Jを充填して、防火貫通部を構成してあ
る状況を示すもので、前記充填材Jは、本発明の「貫通
孔の充填材支持具」の一例である充填材支持具Sによっ
て、前記貫通孔2内に支持されている。前記空調配管P
は、銅管からなる配管本体3aを発泡樹脂製断熱部材3
bで被覆して形成してある冷媒管3と、ケーブル4とか
ら構成してある。また、前記充填材Jは、例えば、前記
スラブ1で仕切られた上下空間の一方で火災が発生した
場合に、前記貫通孔2を通して上下空間の他方側へ類焼
するのを防止できる防火貫通部を構成するために、熱膨
張性を有するパテJ1で構成してある。前記パテJ1に
よれば、火災による熱によってパテJ1そのものが膨張
し、仮に、空調配管Pが燃焼したり収縮しても、その周
囲に広がって隙間を埋めつくし、煙や炎が貫通孔2を通
過しにくいようにすることが可能である。前記充填材支
持具Sは、貫通孔2に挿通された空調配管Pの挿通部分
の周囲空間Vで、パテJ1を支持自在に形成してあり、
詳しい構成は、図1に示すように、貫通孔2へのパテJ
1の充填方向前方側で、パテJ1を受止め自在な支持部
5と、前記貫通孔2の開口部の周囲に係止自在な係止部
6と、前記支持部5と係止部6どうしを連結する連結部
7とを備えた金属製のフレームFを設け、前記フレーム
Fに取付自在で、取り付けた状態で前記周囲空間Vを覆
う金属製の蓋部材11を設けて構成してある。前記支持
部5は、環状の板金部材によって形成してあり、径方向
に二分割に構成してある。そして、板金部材からなる分
割支持部5aどうしを合わせて環状にした状態で、前記
周囲空間Vを塞ぐことができるように寸法設定してあ
る。また、両分割支持部5aどうしの合せ部分は、図に
見られるように、嵌め合い構造を設けてあり、径方向に
沿って互いを嵌め合うことによって、一体的に連結する
ことが可能となる。前記係止部6は、環状の板金部材に
よって形成してあり、径方向に二分割に構成してある。
そして、板金部材からなる両分割係止部6a,6bは、
一端部どうしを重ねた状態で鳩目からなるヒンジ部8を
介して揺動自在に連結してある。また、図3・4に示す
ように、一方の分割係止部6aの他端部には、他方の分
割係止部6bの他端部に設けた切欠き9bに係合するフ
ック9aが設けられてあり、これらフック9aと切欠き
9bとで係合部9を形成している。さらに、このフック
9aを前記他方の分割係止部6bの切欠き9bに係合さ
せ、両分割係止部6a,6bの係合部9が重なった状態
で厚み方向に貫通する固定用穴9cを両分割係止部6
a,6bに各別に設けてあり、両分割係止部6a,6b
を環状姿勢に整えて貫通孔2の開口周囲に係止させた状
態で、前記鳩目の穴8aと固定用穴9cとに釘やビスを
挿通させてスラブ1に固定できるようにしてある。尚、
一方の前記分割係止部6aに設けられた前記フック9a
の先端は、この係止部6をスラブ1に固定する際に、ス
ラブ1によってその係合を解除する方向に押し戻される
ことがないように、他方の前記分割係止部6bのスラブ
1への係止面からスラブ1側に突出しないように形成し
てある。また、係止部6の外周縁部には、前記蓋部材1
1を係止自在な被係止部10(後述)を設けてある。前
記連結部7は、対応する前記分割支持部5aと分割係止
部6a,6bとにわたるように複数設けてあり、それぞ
れ帯金部材によって形成してある。また、分割支持部5
a及び分割係止部6a,6bとの接合は、帯金部材の両
端部を各別にスポット溶接やカシメ等の接合方法を用い
て行ってある。前記蓋部材11は、図に示すように、底
無しの「おわん」をふせたような形に形成してあり、前
記フレームFに係合させた状態で、スラブ1と、貫通孔
2に挿通させた空調配管Pの束との隙間を塞ぐことがで
きるように寸法設定して形成してある。また、径方向に
二分割に形成してあり、夫々の分割蓋部材11aには、
分割蓋部材11aどうしを合体させた状態で連結固定自
在な蓋連結部12を設けてある。前記蓋連結部12は、
一方の分割蓋部材11aから他方の分割蓋部材11a裏
面側に延出する裏当て板部12aと、前記裏当て板部1
2aに形成した雌ネジ部12bと、前記両分割蓋部材1
1aを合体させた状態での前記裏当て板部12aに重な
る他方の分割蓋部材部分に形成されたネジ穴部12cと
によって構成してあり、前記ネジ穴部12cを通して雌
ネジ部12bにボルトを螺合させることによって、両分
割蓋部材11aどうしを連結固定することができる。一
方、蓋本体の外周縁部には、径方向に沿って内方側に突
出させて係止凸部13を設けてあり、この係止凸部13
を、前記フレームFの被係止部10に係止させることに
よって蓋部材11をフレームFに取り付けることができ
る。前記フレームFの被係止部10と蓋部材11の係止
凸部13との係止について、さらに詳しく説明する。前
記被係止部10は、前述のように、係止部6の外周縁部
に形成してあって(図2参照)、前記係止凸部13を、
前記蓋部材11の離脱方向側で受け止める係止面部10
aによって構成してある。この係止面部10aは、係止
部6の裏面部分にあたり、前記係止凸部13が係止部6
の裏面側に位置するようにして両分割蓋部材11aを合
体させることにより、貫通孔の軸芯方向に沿った離脱方
向への力が蓋部材11に作用しても、係止凸部13が係
止面部10aに押し当たることで移動を阻止され、離脱
防止を図ることができる。因に、前記係止部6は、その
裏面部に接合してある連結部7の厚さ寸法だけ、スラブ
面より浮いた状態に位置するので、この隙間14に前記
係止凸部13が径方向に沿って進入することが可能とな
る。この際、仮に前記固定用穴9cに釘あるいはビスが
挿通されていなくても前記係合部9によって前記係止部
6が環状に維持されているので、この係止部6に前記蓋
部材11が確実に取りつけられる。また、前記隙間14
への係止凸部13の進入をスムースに行えるように、前
記係止部6の外周縁部を上側に傾斜させて形成し、この
傾斜部の下面部分が係止誘導部10bとなるように構成
してある。この係止誘導部10bを設けることによっ
て、前記隙間14の開口寸法が広くなって、前記係止凸
部13を係入させ易くなると共に、係入操作を深めるに
伴って係止凸部13は前記係止誘導部10bに誘導され
て前記隙間14に進入することができ、蓋部材11をフ
レームFに確実に取り付けることができる。本実施例の
充填材支持具Sを用いた防火貫通部の形成方法は、貫通
孔2にフレームFを係止状態に設置し(場合によって
は、ヒンジ部8の穴8a及び固定用穴9cに釘を挿通さ
せて、スラブ1にフレームFを固定することも可能)、
空調配管Pを挿通させ(空調配管Pを先に挿通させてお
くことも可能)、支持部5上の周囲空間Vへ上からパテ
J1を充填する。そして、両分割蓋部材11aを取り付
ける前に、それぞれの内側空間に各別に所定量のパテJ
1を充填付着させ、その状態で空量配管P及び係止部6
を挟むように両分割蓋部材11aどうしを合体させるこ
とによって、被係止部10に蓋部材11が係止して、前
記周囲空間Vを確実に密閉することができる。前記充填
材支持具Sによれば、貫通孔2への取り付けが簡単且つ
確実に実施することができ、貫通孔2の密閉効果も高
く、しかも、設置した空調配管Pに作用する押込力に対
して安定的に対抗することが可能となる。
【0014】〔別実施例〕以下に別実施例を説明する。 〈1〉 前記フレームFは、先の実施例で説明した支持
部5と係止部6と連結部7とを一体的に形成してあるも
のに限定されるものではなく、例えば、前記支持部5を
着脱自在に形成してあってもよく、更には、図6〜7に
示すように、上述の支持部5に対して着脱自在な第二の
支持部15を設けるものであってもよい。この第二の支
持部15は、板金製で環状に形成してあり、径方向に二
分割構成してあり、前記係止部6と同様に、分割した両
第二の支持部15の周方向一端側を鳩目からなるヒンジ
部16によって枢支連結してあり、両第二の支持部15
の周方向他端側には、相互に連結可能なように穴を設け
てある。そして、外周部の所定位置には、前記連結部7
が係入する切欠部17を設けてある。この様に、支持部
5を着脱自在に形成したり、前記第二の支持部15を設
けることによって、挿通させる空調配管Pの外径寸法や
形状に合わせた挿通孔を形成した支持部を使い分けるこ
とが可能となり、挿通させる長尺体の寸法適応性を向上
させることが可能となる。なお、係止部、支持部は、径
方向に二分割に形成してあるものに限らず、例えば、三
分割以上の複数分割構成であってもよい。 〈2〉 前記係合部9は、フック9aを切欠き9bに単
に係止させるだけでなく、図5・6に示すように、前記
両分割係止部6a,6b夫々の周方向他端部に切欠きを
設け、前記両分割係止部6a,6b夫々の係合部9に径
方向に相異なる方向に段差を設けて、嵌め合い可能に形
成してあればさらによく、嵌め合うことによって、フッ
ク9aを切欠き9bに係合させた後にこれが外れるのを
防止でき、フレームFの取り付けが一層容易になる。こ
の段差を設けるのに、図示のように前記のフック9a、
切欠き9bの設けられていない側のみを曲折させるだけ
でなく、前記のフック9a、切欠き9bの設けられてあ
る側も曲折させて段差を設けてもよい。こうすれば、係
止部6全体を構造体1に接当させることができる。な
お、上記実施例では、前記一方の分割係止部6aに設け
たフック9aの先端を、前記他方の分割係止部6bの構
造体1への係止面より構造体側に突出しないようにした
が、必ずしも突出させないようにする必要はない。 〈3〉 前記充填材Jは、先の実施例で説明したパテJ
1に限定されるものではなく、例えば、パテJ1をシー
ト状に形成したシートパテを併用してもよく、シートパ
テによれば、パテJ1を充填空間の奥に詰める手間を省
くことが可能となる。 〈4〉 また、前記構造体は、先の実施例で説明したス
ラブに限るものではなく、例えば、壁体・天井・梁・柱
等であってもよく、これらを総称して構造体という。 〈5〉 前記長尺体は、先の実施例で説明した空調配管
Pに限定されるものではなく、例えば、ケーブルや鋼管
や樹脂管等であってもよく、それらを総称して長尺体と
いう。 〈6〉 本発明の貫通孔の充填材支持具は、先の実施例
で説明したように、貫通孔2の一方側の開口部に設置す
る他、他方側の開口部に設置したり、両方側の開口部に
設置することも可能である。
【0015】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の充填材支持具を示す分解斜視説明図
【図2】実施例の充填材支持具の設置状況を示す断面図
【図3】実施例の係合部を示す要部斜視図
【図4】実施例の係合部を示す要部断面図
【図5】別実施例の係合部を示す要部斜視図
【図6】別実施例の充填材支持具を示す分解斜視図
【図7】別実施例の充填材支持具を示す断面図
【図8】従来例の充填材支持具を示す斜視図
【符号の説明】
1 構造体 2 貫通孔 5 支持部 5a 分割支持部 6 係止部 6a 分割係止部 6b 分割係止部 7 連結部 8 ヒンジ部 9 係合部 9a フック 9b 切欠き 10 被係止部 10a 係止面部 11 蓋部材 11a 分割蓋部材 12 蓋連結部 13 係止凸部 J 充填材 P 長尺体 V 周囲空間

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造体(1)に設けられた貫通孔(2)
    に挿通された長尺体(P)の挿通部分の周囲空間(V)
    で、充填材(J)を支持自在な貫通孔の充填材支持具で
    あって、 前記貫通孔(2)への前記充填材(J)の充填方向前方
    側で、前記貫通孔(2)内に充填される前記充填材
    (J)を受止め自在な環状の支持部(5)と、前記貫通
    孔(2)の開口部の周囲に係止自在な環状の係止部
    (6)とを、各別に径方向に分割して形成し、前記貫通
    孔(2)の深さ方向に対応する分割支持部(5a)と分
    割係止部(6a),(6b)どうしを各別に連結する連結
    部(7)をそれぞれ設け、前記分割係止部(6a),(6
    b)夫々の周方向一端側どうしを径方向に揺動自在に連
    結するヒンジ部(8)を設けるとともに、前記分割係止
    部(6a),(6b)夫々の周方向他端側に互いに係合自
    在な係合部(9)を設けてある貫通孔の充填材支持具。
  2. 【請求項2】 一方の前記分割係止部(6a)の周方向
    他端に曲折するフック(9a)を設けて一方の前記係合
    部(9)とするとともに、前記他方の分割係止部(6
    b)の周方向他端側の周部に前記フック(9a)と係合
    可能な切欠き(9b)を設けて他方の前記係合部(9)
    としてある請求項1記載の貫通孔の充填材支持具。
  3. 【請求項3】 前記両分割係止部(6a),(6b)夫々
    の周方向他端部に切欠きを設け、前記両分割係止部(6
    a),(6b)夫々の係合部(9)に径方向に相異なる方
    向に段差を設けて、嵌め合い可能に形成してある請求項
    1又は2に記載の貫通孔の充填材支持具。
  4. 【請求項4】 前記ヒンジ部(8)が、鳩目である請求
    項1〜3の何れかに記載の貫通孔の充填材支持具。
  5. 【請求項5】 前記支持部(5)を、着脱自在に形成し
    てある請求項1又は4に記載の貫通孔の充填材支持具。
  6. 【請求項6】 前記係止部(6)に、前記貫通孔(2)
    に対する蓋部材(11)を係止自在な被係止部(10)
    を設けてある請求項1〜5の何れかに記載の貫通孔の充
    填材支持具。
  7. 【請求項7】 前記被係止部(10)に係止自在で、且
    つ、前記被係止部(10)に係止させた状態で前記周囲
    空間(V)を覆う環状の蓋部材(11)を設けてある請
    求項1〜6の何れかに記載の貫通孔の充填材支持具。
  8. 【請求項8】 前記蓋部材(11)が、径方向に分割し
    て形成してあると共に、分割蓋部材(11a)どうしを
    合体させた状態で連結固定自在な蓋連結部(12)を設
    けてある請求項7に記載の貫通孔の充填材支持具。
  9. 【請求項9】 前記蓋部材(11)を構成するに、蓋本
    体の外周縁部に、径方向に沿って内方側に突出させて係
    止凸部(13)を設け、前記被係止部(10)を構成す
    るに、前記係止凸部(13)を、前記蓋部材(11)の
    離脱方向側で受け止める係止面部(10a)を設けてあ
    る請求項7又は8に記載の貫通孔の充填材支持具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11222957A (ja) * 1998-02-06 1999-08-17 Inaba Denki Sangyo Co Ltd 防火区画貫通部施工方法
JP2019065991A (ja) * 2017-10-03 2019-04-25 因幡電機産業株式会社 貫通スリーブ

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