JPH08239642A - 新規な回路基板用接着剤、およびそれを用いた回路基板 - Google Patents

新規な回路基板用接着剤、およびそれを用いた回路基板

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JPH08239642A
JPH08239642A JP6523295A JP6523295A JPH08239642A JP H08239642 A JPH08239642 A JP H08239642A JP 6523295 A JP6523295 A JP 6523295A JP 6523295 A JP6523295 A JP 6523295A JP H08239642 A JPH08239642 A JP H08239642A
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JP6523295A
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Teruo Katayose
照雄 片寄
Yoshiyuki Ishii
義行 石井
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接着剤がポリフェニレンエーテルの優れた誘
電特性を有し、硬化後に優れた耐薬品性と耐熱性を示す
新規な硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物からな
る回路基板、を提供する。 【構成】(a)ポリフェニレンエーテル樹脂と不飽和カ
ルボン酸または酸無水物との反応生成物、(b)トリア
リルイソシアヌレートおよび/またはトリアリルシアヌ
レート(c)エポキシ樹脂、および(d)特定の過酸化
物からなる樹脂組成物からなる回路基板用接着剤、およ
び該樹脂組成物の硬化体で接着されている回路基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種電気機器に使用さ
れる回路基板に用いる接着剤、およびそれを用いた回路
基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、通信用、民生用、産業用等の電子
機器の分野における実装方法の小型化、高密度化への指
向は著しいものがあり、それに伴って材料の面でもより
優れた耐熱性、寸法安定性、電気特性、成形性が要求さ
れつつある。例えば、実装用回路基板用接着剤として
は、従来からのフェノール樹脂やエポキシ樹脂などの熱
硬化性樹脂を基材とした銅張り積層板が用いられてき
た。これらは各種の性能をバランス良く有するものの、
電気特性、特に高周波領域での誘電特性が悪いという欠
点を持っている。また、寸法安定性が悪く、高周波回路
の設計時に問題を生じている。
【0003】この問題を解決する新しい材料としてポリ
フェニレンエーテルが近年注目をあび銅張り積層板への
応用が試みられている。しかし、高周波回路の設計に
は、特定の誘電率の制御、高寸法安定性が求められ、ま
た、近年機器の薄型化により多層回路も薄型化が要求さ
れてきており、耐熱・耐湿絶縁、具体的にはハンダリフ
ローやワイヤボンディング時の電極剥離等、に関する信
頼性の問題が生じており、これらをすべて満足する材料
はなかった。
【0004】また、硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂
組成物を過酸化物を用いて硬化する場合、その性状は使
用する過酸化物自身の性状に大きく左右される場合があ
り、例えば、液状で沸点の低い過酸化物を用いた場合、
その配合物は樹脂組成物の取扱い時、あるいは溶剤に溶
解塗布した後の乾燥工程で揮発してしまう可能性があ
り、過酸化物の揮発の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
な問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、過酸化
物の揮発の課題、及び高密度回路基板の耐熱・耐湿絶縁
性の課題が解決され、かつポリフェニレンエーテルの優
れた誘電特性を損なうことなく、誘電率を制御し、かつ
硬化耐においてすぐれた寸法安定性及び耐薬品性と耐熱
性を示す硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物から
なる接着剤、更には該接着剤を用いた回路基板を提供す
るものである。
【0006】
【課題が解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の構成は、特許請求の範囲に記載されたとおり
の回路基板用接着剤であり、該接着剤を用いて絶縁基板
上に導体が接着された回路基板である。すなわち、本発
明は、回路基板の接着剤として新規な硬化性ポリフェニ
レンエーテル樹脂組成物を使用することにより、耐熱お
よび吸湿の問題が解決され、高集積化、高信頼性の回路
基板を得ることができたものである。
【0007】本発明は、(a)ポリフェニレンエーテル
と不飽和カルボン酸または酸無水物との反応生成物、
(b)トリアリルイソシアヌレートおよび/またはトリ
アリルシアヌレート、(c)エポキシ樹脂、および
(d)ジクミルパーオキサイドおよび/またはα,α’
−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベ
ンゼンからなる硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂組成
物であって、(a)成分と(b)成分の和100重量部
を基準として(a)成分が98〜40重量部、(b)成
分が2〜60重量部であり、かつ(a)〜(c)成分の
和100重量部を基準として(a)+(b)成分が99
〜1重量部、(c)成分が1〜99重量部であり、かつ
(a)成分と(b)成分の和100重量部を基準として
(d)成分が0.1〜10重量部からなる硬化性ポリフ
ェニレンエーテル樹脂組成物からなることを特徴とする
回路基板用接着剤であり、該接着剤の硬化体で接着され
ていることを特徴とする回路基板、である。
【0008】以下にこの発明を詳しく説明する。本発明
において使用されるポリフェニレンエーテルは次の一般
式(1)で表される。
【化1】 [式中、mは1〜6の整数であり、Jは次式(A)で表
される単位から実質的に構成されるポリフェニレンエー
テル鎖であり、
【0009】
【化2】 (ここに、R1 〜R4 は各々独立に低級アルキル基、ア
リール基、ハロアルキル基、ハロゲン原子、水素原子を
表す。) Qはmが1とき水素原子を表し、mが2以上のときは一
分子中に2〜6個のフェノール性水酸基を持ち、フェノ
ール性水酸基のオルト位及びパラ位に重合不活性な置換
基を有する多官能性フェノール化合物の残基を表す。]
【0010】一般式AにおけるR1 〜R4 の低級アルキ
ル基の例としては、メチル基、エチル基、nープロピル
基、イソプロピル基、nーブチル基、イソブチル基等が
挙げられる。アリール基の例としては、フェニル基等が
挙げられる。ハロアルキル基の例としては、ブロモメチ
ル基、クロロメチル基等が挙げられる。ハロゲン原子の
例としては臭素、塩素等が挙げられる。一般式(1)の
Qの代表的な例としては、つぎの4種の構造式単位で表
される化合物群が挙げられる。
【0011】
【化3】
【0012】(式中、A1 、A2 は同一または異なる炭
素数1〜4の直鎖状アルキル基を表し、Xは脂肪族炭化
水素残基およびそれらの置換誘導体、アラルキル基およ
びそれらの置換誘導体、酸素、硫黄、スルホニル基、カ
ルボニル基を表し、Yは脂肪族炭化水素残基およびそれ
らの置換誘導体、芳香族炭化水素残基およびそれらの置
換誘導体、アラルキル基およびそれらの置換誘導体を表
し、Zは酸素、硫黄、スルホニル基、カルボニル基を表
し、A2 と直接結合した2つのフェニル基、A2とY、
2 とZの結合位置はすべてフェノール性水酸基のオル
ト位およびパラ位を示し、rは0〜4、sは2〜6の整
数を表す。) 具体例として、下記構造式単位で表される化合物等が挙
げられる。
【0013】
【化4】
【0014】
【化5】 一般式(1)中のJで表されるポリフェニレンエーテル
鎖中には、一般式(A)で表される単位の他、次の一般
式(B)で表される構造式単位が含まれていてもよい。
【0015】
【化6】 [式中、R5 〜R9 は各々独立に水素原子、ハロゲン原
子、低級アルキル基、アリール基、ハロアルキル基を表
し、R10とR11とが同時に水素であることはない。]
【0016】一般式(B)の単位の例としては、
【化7】 等が挙げられる。
【0017】本発明に用いられる一般式(1)のポリフ
ェニレンエーテル樹脂の好ましい例としては、2,6ー
ジメチルフェノールの単独重合で得られるポリ(2,6
ージメチルー1,4ーフェニレンエーテル)、ポリ
(2,6ージメチルー1,4ーフェニレンエーテル)の
スチレングラフト重合体、2,6ージメチルフェノール
と2,3,6ートリメチルフェノールの共重合体、2,
6ージメチルフェノールと2ーメチルー6ーフェニルフ
ェノールの共重合体、2,6ージメチルフェノールと多
官能フェノール化合物:下記の一般式(2)で表される
化合物
【0018】
【化8】 (式中、mは1〜6の整数であり、Qはmが1の時に水
素を表し、mが2以上の時には一分子中に2〜6個のフ
ェノール性水酸基を持ち、フェノール性水酸基のオルト
位及びパラ位に重合不活性な置換基を有する多官能フェ
ノールの残基を表す。)の存在下で重合して得られた多
官能性ポリフェニレンエーテル樹脂、例えば特開昭63
ー301222号公報、特開平1ー297428号公報
に開示されているような一般式(A)および(B)の単
位を含む共重合体等が挙げられる。
【0019】以上述べたポリフェニレンエーテル樹脂の
分子量については、30℃、0.5g/dlのクロロホ
ルム溶液で測定した粘度数ηsp/cが0.1〜1.0
の範囲にあるものが良好に使用できる。
【0020】本発明に用いられる(a)成分は、上記の
ポリフェニレンエーテル樹脂と不飽和カルボン酸または
酸無水物とを反応させることによって製造される実質的
に酸または酸無水物に起因する重合性の二重結合を含ま
ない反応生成物である。該反応生成物は、おそらく種々
の化学構造を持つ色々な生成物からなる混合物であっ
て、それらの化学構造は全てが明らかにされているわけ
ではなく、例えば、J.H.Glans,M.K.Ak
kapeddi,Macromolecules,vo
l 1991,24,383〜386に記載されている
下記の化学構造が例として挙げられる。
【0021】
【化9】
【0022】適当な酸および酸無水物の例としては、ア
クリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水
シトラコン酸等が挙げられる。特に無水マレイン酸、フ
マル酸が最も良好に使用できる。反応はポリフェニレン
エーテル樹脂と不飽和カルボン酸または酸無水物を10
0℃〜390℃の温度範囲で加熱することによって行わ
れる。この際、ラジカル開始剤を共存させてもよい。反
応方法としては、溶液法と溶融混合法の両方が使用でき
るが、押出し機等を用いる溶融混合法の方が簡便に行う
ことができ、本発明の目的に適している。
【0023】不飽和カルボン酸または酸無水物の割合
は、ポリフェニレンエーテル樹脂100重量部に対し、
0.01〜5.0重量部、好ましくは0.1〜3.0重
量部である。本発明の(b)成分として用いられるトリ
アリルイソシアヌレートおよび/またはトリアリルシア
ヌレートとは、それぞれ次の構造式で表される3官能性
モノマーである。
【0024】
【化10】
【0025】本発明を実施する上においては、トリアリ
ルイソシアヌレートおよびトリアリルシアヌレートはそ
れぞれ単独で用いられるだけでなく、両者を任意の割合
で混合して用いることが可能である。本発明において、
トリアリルイソシアヌレートおよびトリアリルシアヌレ
ートは、可塑剤ならびに架橋剤としての効果を発揮す
る。すなわち、プレス時の樹脂流れの向上と架橋密度の
向上をもたらす。
【0026】本発明の(c)成分として用いられるエポ
キシ樹脂としては、一分子中に2個以上のエポキシ基を
含有するものであればよく、一種のみもしくは二種以上
組み合わせて用いられる。代表的な例としては、フェノ
ール類またはアルコール類とエピクロルヒドリンとの反
応によって得られるグリシジルエーテル型エポキシ樹
脂、カルボン酸類とエピクロルヒドリンとの反応によっ
て得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、アミン
類またはシアヌル酸とエピクロルヒドリンとの反応によ
って得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、二重結
合の酸化によって得られる内部エポキシ樹脂等が挙げら
れる〔これらの詳細については、例えば、新保正樹編
「エポキシ樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社198
7発行)を参照〕。
【0027】また、硬化剤としては、通常のエポキシ樹
脂の硬化剤、例えばポリアミン系硬化剤、酸無水物系硬
化剤、ポリフェノール系硬化剤、ポリメルカプタン系硬
化剤、アニオン重合型触媒型硬化剤、カチオン重合型触
媒型硬化剤、潜在型硬化剤等が使用できる〔詳細は、例
えば、新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」(日刊
工業新聞社1987発行)、室井宗一、石村秀一著「入
門エポキシ樹脂」(高分子刊行会1988発行)等を参
照〕。
【0028】本発明の(d)成分として用いられる過酸
化物は、ジクミルパーオキサイド及び/またはα,α’
−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベ
ンゼンである。以上説明した(a)〜(d)の4成分の
うち(a)成分と(b)成分の配合割合は、両者の和1
00重量部を基準として(a)成分が98〜40重量
部、(b)成分が2〜60重量部であり、より好ましく
は(a)成分が95〜50重量部、(b)成分が5〜5
0重量部の範囲である。
【0029】(b)成分が2重量部以下では耐薬品性の
改善が不十分であり好ましくなく、逆に60重量部を越
えると誘電特性、難燃性、吸湿特性が低下し、また硬化
後において非常に脆い材料になるので好ましくない。ま
た(c)成分の配合割合は、(a)〜(c)成分の和1
00重量部を基準として(a)+(b)成分が99〜1
重量部、(c)成分が1〜99重量部の範囲であり、よ
り好ましくは(a)+(b)成分が90〜10重量部、
(c)成分10〜90重量部の範囲である。(c)成分
が1重量部未満では金属箔との接着性が向上しない、あ
るいは難燃性を付与する場合その効果が不十分であるの
で好ましくなく、逆に(c)成分が99重量部を越える
と誘電特性が低下するので好ましくない。本発明では
(c)成分として臭素化エポキシ樹脂を用いると、難燃
性の樹脂組成物を得ることができる。難燃性を付与する
ための好ましいハロゲン含量は(a)から(c)成分の
和を基準として5重量%以上、より好ましくは10重量
%以上である。
【0030】また(d)成分の配合割合は、(a)成分
と(b)成分の和100重量部を基準として(d)成分
が0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部、
更に好ましくは1〜6重量部の範囲である。(d)成分
が10重量部を越えると電気的特性が劣り好ましくな
い。逆に(d)成分が0.1重量部未満の場合には過酸
化物による硬化を十分効果的に行うことができず好まし
くない。
【0031】本発明の硬化性樹脂組成物には、機械的強
度を高め、寸法安定性を増大させるために基材を加える
ことができる。本発明に用いられる基材としては、ロー
ビングクロス、クロス、チョップドマット、サーフェシ
ングマットなどの各種ガラス布、アスベスト布、金属繊
維布およびその他合成もしくは天然の無機繊維布;ポリ
ビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊
維、全芳香族ポリアミド繊維、ポリテトラフルオロエチ
レン繊維などの合成繊維から得られる織布または不織
布;綿布、麻布、フェルトなどの天然繊維布;カーボン
繊維布;クラフト紙、コットン紙、紙ーガラス混繊紙な
どの天然セルロース系紙などがそれぞれ単独で、あるい
は2種以上併せて用いられる。
【0032】上記の硬化性複合材料における基材の占め
る割合は、硬化性複合材料100重量部を基準として5
〜90重量%、より好ましくは10〜80重量%さらに
好ましくは20〜70重量%である。基材が5重量%よ
り少なくなると複合材料の硬化後の寸法安定性や強度が
不十分であり、また基材が90重量%より多くなると複
合材料の誘電特性や難燃性が劣り好ましくない。
【0033】本発明の(a)〜(d)成分を混合する方
法としては、4者を溶媒中に均一に溶解または分散させ
る溶液混合法、あるいは押出機等により加熱して行う溶
融ブレンド法等が利用できる。溶液混合法に用いられる
溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、トリク
ロロエチレンなどのハロゲン系溶媒;ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族系溶媒;アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶
媒;テトラヒドロフランが単独であるいは二種以上を組
合わせて用いられる。
【0034】本発明の接着剤は、予めその用途に応じて
成形、硬化させてもよい。成形方法は特に限定されな
い。通常は、接着剤を上述した溶媒に溶解させ好みの形
に成形するキャスト法、または接着剤を加熱溶融し好み
の形に成形する加熱溶融法が用いられる。
【0035】上述したキャスト法と加熱溶融法は単独で
行ってもよい。またそれぞれを組み合わせて行ってもよ
い。例えば、キャスト法で作成された接着剤のフィルム
を数〜数十枚積層し、加熱溶融法、例えばプレス成形機
で加熱溶融し、接着剤のシートを得ることができる。
【0036】複合材料には、必要に応じて樹脂と基材の
界面における接着性を改善する目的でカップリング剤を
用いることができる。カップリング剤としては、シラン
カップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニ
ウム系カップリング剤、ジルコアルミネートカップリン
グ剤等一般のものが使用できる。
【0037】本発明の過酸化物には、本来の性能を損な
わない範囲で上述した(d)成分の過酸化物の他に他の
過酸化物を配合しても良い。代表的な例を挙げると、ベ
ンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイ
ド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパ
ーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオ
キサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブ
チルパーオキシベンゾエート、2,2−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパー
オキシ)オクタン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベ
ンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ(トリメチルシリ
ル)パーオキサイド、トリメチルシリルトリフェニルシ
リルパーオキサイド等の過酸化物があるがこれらに限定
されない。また過酸化物ではないが、2,3−ジメチル
−2,3−ジフェニルブタンもラジカル開始剤として使
用できる。
【0038】本発明の接着剤は、その用途に応じて所望
の性能を付与させる目的で本来の性質を損なわない範囲
の量の充填剤や添加剤を配合して用いることができる。
充填剤は繊維状であっても粉末状であってもよい。添加
剤としては、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、可塑
剤、顔料、染料、着色剤等が挙げられる。また難燃性の
一層の向上を図る目的で塩素系、臭素系、リン系の難燃
剤や、Sb2 3 、Sb2 5 、NbSbO3 ・1/4
2 O等の難燃助剤を併用することもできる。基材を含
む複合材料では、臭素化ジフェニルエーテル類と酸化ア
ンチモンの組み合わせ、あるいは臭素化ジフェニルエタ
ン類と酸化アンチモンの組み合わせが好ましく用いられ
る。さらには、他の熱可塑性樹脂、あるいは熱硬化性樹
脂を一種または二種以上配合することも可能である。
【0039】本発明における実装用回路は、絶縁基板の
片面でもよく、また両面でもよい。更に、多層化されて
いてもよい。図面を参照して具体的に説明すると、本発
明の回路基板は絶縁基板1の上に接着層3を介して導体
2が形成されているものである。
【0040】絶縁基板1としては硬化性ポリフェニレン
エーテル基板、または紙・フェノール、ガラス・エポキ
シ、ガラス・ポリイミド、ガラス・フッ素、シアネート
エステル、BT基板等の有機絶縁材料あるいはセラミッ
ク基板等の絶縁材料が挙げられる。
【0041】導体2としては、金、銀、ニッケル、銅、
スズ、半田等なんでもよいが、特に導電率および経済的
な理由で銅が好ましい。必要に応じて形成されるオーバ
ーコート材としても、本発明の接着剤を構成する硬化性
ポリフェニレンエーテル樹脂組成物硬化体が好ましく用
いられる。
【0042】また、接着剤として、少なくとも本発明の
硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物が使用されて
いればよく、他の接着剤と組み合わせて使用してもよ
い。本発明の実装用回路基板の製法としては、上記絶縁
基板と硬化性ポリフェニレレンエーテル樹脂組成物と導
体とを加熱硬化して積層する方法、あるいは未硬化の上
記絶縁基板と硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物
と導体とを加熱成形する方法等が挙げられる。
【0043】
【実施例】以下、本発明を一層明確にするために実施例
を挙げて説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に
より何ら限定されるものではない。 ・ハンダフィフロー試験 回路基板を40℃、90%相対湿度下で、500時間放
置した後、260℃のハンダ浴に2分間浮かべて目視に
より、ふくれ、反り等がないかを評価した。
【0044】(参考例1)30℃、0.5g/dlのク
ロロホルム溶液で測定した粘度数ηsp/cが0.54
のポリ(2,6ージメチルー1,4ーフェニレンエーテ
ル)100重量部と、無水マレイン酸1.5重量部、お
よび2,5ージメチルー2,5ージ(tーブチルパーオ
キシ)ヘキサン〔日本油脂(株)製 パーヘキサ25
B〕1.0重量部を室温でドライブレンドした後、シリ
ンダー温度300℃、スクリュー回転数230rpmの
条件下で2軸押出機により押出した。この反応生成物を
Aとする。
【0045】(参考例2)参考例1と同様の方法で測定
した粘度数ηsp/cが0.40のポリ(2,6ージメ
チルー1,4ーフェニレンエーテル)100重量部と、
無水マレイン酸1.5重量部を室温でドライブレンドし
た後、シリンダー温度300℃、スクリュー回転数23
0rpmの条件下で2軸押出機により押出した。この反
応生成物をBとする。以下に述べる実施例においては、
各成分として次のようなものを用いた。
【0046】エポキシ樹脂: ・ビスフェノールAグリシジルエーテルエポキシ樹脂
(旭化成 AER331 エポキシ当量 189) ・低臭素化ビスフェノールAグリシジルエーテルエポキ
シ樹脂(旭化成AER711 エポキシ当量475 臭
素含量20重量%) ・高臭素化ビスフェノールAグリシジルエーテルエポキ
シ樹脂(旭化成AER735 エポキシ当量350 臭
素含量48重量%) ・クレゾールノボラックエポキシ樹脂(旭化成 ECN
273 エポキシ当量 217)
【0047】開始剤: ・ジクミルパーオキサイド(日本油脂 パークミルD) ・α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプ
ロピル)ベンゼン(日本油脂 パーブチルP) 硬化剤: 2E4MZ :2−エチル−4−メチルイミダゾール 2MZ :2−メチルイミダゾール DDM :4,4’−ジアミノジフェニルメタン
【0048】(実施例1〜4)表1に示すような組成で
配合した硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物か
らなる接着剤を使用し回路基板を作成した。得られた回
路基板の40℃、90%で500時間放置後のハンダリ
フロー不良率(%)を測定した。得られた結果を表1に
まとめた。なお、絶縁基板はガラスエポキシ基板をすべ
て使用し、銅導体は導体幅150μm、導体間隔150
μmとした。
【0049】(比較例1、2)本発明の接着剤の代わり
に表1に示した接着剤を用いた以外は実施例1、2と同
じ条件で実装回路基板を作成し、その基板のハンダリフ
ロー率を表1に示した。本発明の接着剤を用いないもの
は、ハンダリフロー時の不良率が増大した。40℃、湿
度90%、500時間放置後の目視によるハンダリフロ
ー率は、各々3.0、1.0%であった。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の硬化性ポ
リフェニレンエーテル樹脂組成物を絶縁基板と導体の接
着剤として使用する事により、実装時の耐熱及び吸湿に
よる問題が発生する事なく、高集積化高信頼性の回路基
板を得ることができる。また本発明に用いられている樹
脂組成物は室温で固体である過酸化物を用いているため
蒸発等の可能性が少なく、所望の配合量をそのまま維持
することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回路基板の構成を示す断面の模式図で
ある。
【符号の説明】
1 絶縁基板 2 導体 3 接着剤層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリフェニレンエーテルと不飽和
    カルボン酸または酸無水物との反応生成物、(b)トリ
    アリルイソシアヌレートおよび/またはトリアリルシア
    ヌレート、(c)エポキシ樹脂、および(d)ジクミル
    パーオキサイドおよび/またはα,α’−ビス(t−ブ
    チルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼンからなる
    硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物からなる接着
    剤であって、(a)成分と(b)成分の和100重量部
    を基準として(a)成分が98〜40重量部、(b)成
    分が2〜60重量部であり、かつ(a)〜(c)成分の
    和100重量部を基準として(a)+(b)成分が99
    〜1重量部、(c)成分が1〜99重量部であり、かつ
    (a)成分と(b)成分の和100重量部を基準として
    (d)成分が0.1〜10重量部である回路基板用接着
    剤。
  2. 【請求項2】 絶縁基板上に形成された導体が請求項1
    記載の接着剤で接着されていることを特徴とする回路基
    板。
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