JPH08239311A - 保湿性複合粒子およびその製造方法 - Google Patents
保湿性複合粒子およびその製造方法Info
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- JPH08239311A JPH08239311A JP4465995A JP4465995A JPH08239311A JP H08239311 A JPH08239311 A JP H08239311A JP 4465995 A JP4465995 A JP 4465995A JP 4465995 A JP4465995 A JP 4465995A JP H08239311 A JPH08239311 A JP H08239311A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 キトサンとACP微粒子1とが混合された混
合スラリー3を造粒してなる。 【効果】 ACP複合粒子7は、高い皮脂吸着能および
保湿性により、皮脂老廃物を肌から迅速に除去できて肌
の衛生状態を良好に維持できると共に、肌に潤いを与
え、肌の乾燥を防止することができて、肌を正常な状態
に保持できる。
合スラリー3を造粒してなる。 【効果】 ACP複合粒子7は、高い皮脂吸着能および
保湿性により、皮脂老廃物を肌から迅速に除去できて肌
の衛生状態を良好に維持できると共に、肌に潤いを与
え、肌の乾燥を防止することができて、肌を正常な状態
に保持できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、肌の過剰な皮
脂を除去すると共に、肌に潤いを与えることにより、ニ
キビ等による肌荒れや肌の炎症および肌の乾燥を抑制
し、肌を正常な状態に維持できる化粧料等の皮膚外用剤
の原料に用いられる保湿性複合粒子およびその製造方法
に関するものである。
脂を除去すると共に、肌に潤いを与えることにより、ニ
キビ等による肌荒れや肌の炎症および肌の乾燥を抑制
し、肌を正常な状態に維持できる化粧料等の皮膚外用剤
の原料に用いられる保湿性複合粒子およびその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ハイドロキシアパタイトが皮
脂老廃物の除去に有効であることから、皮脂老廃物によ
る肌荒れを防止して肌を正常な状態に保つために、ハイ
ドロキシアパタイトを粉末やコロイド状微粒子として化
粧料等の皮膚外用剤などに配合することが知られてい
る。
脂老廃物の除去に有効であることから、皮脂老廃物によ
る肌荒れを防止して肌を正常な状態に保つために、ハイ
ドロキシアパタイトを粉末やコロイド状微粒子として化
粧料等の皮膚外用剤などに配合することが知られてい
る。
【0003】例えば、特開昭63−27411号公報に
は、〔Ca10(PO4)6(OH)2 〕と表記されたハイドロキシア
パタイトが皮脂老廃物である遊離の脂肪酸およびその過
酸化物質に対する選択的な吸着性に優れていることか
ら、その皮脂吸着能を高めるために、ハイドロキシアパ
タイトを平均粒径20μm以下の粉末とし、この粉末を皮
膚外用剤に配合することにより、肌荒れの防止、改善、
ニキビ患者の肌の炎症を抑制する効果を有する粉末系皮
膚外用剤が開示されている。
は、〔Ca10(PO4)6(OH)2 〕と表記されたハイドロキシア
パタイトが皮脂老廃物である遊離の脂肪酸およびその過
酸化物質に対する選択的な吸着性に優れていることか
ら、その皮脂吸着能を高めるために、ハイドロキシアパ
タイトを平均粒径20μm以下の粉末とし、この粉末を皮
膚外用剤に配合することにより、肌荒れの防止、改善、
ニキビ患者の肌の炎症を抑制する効果を有する粉末系皮
膚外用剤が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
構成では、配合されているハイドロキシアパタイトは、
皮脂老廃物を吸着する特性を確かに有してはいるが、そ
の皮脂吸着能は極めて低いことが判った。それ故、上記
特性の効果を十分に発揮できるだけのハイドロキシアパ
タイトを化粧料に配合した場合、ハイドロキシアパタイ
ト以外の成分の効果を十分に発揮することが妨げられた
り、各成分の配合設計の自由度が低下したりするという
問題を生じている。
構成では、配合されているハイドロキシアパタイトは、
皮脂老廃物を吸着する特性を確かに有してはいるが、そ
の皮脂吸着能は極めて低いことが判った。それ故、上記
特性の効果を十分に発揮できるだけのハイドロキシアパ
タイトを化粧料に配合した場合、ハイドロキシアパタイ
ト以外の成分の効果を十分に発揮することが妨げられた
り、各成分の配合設計の自由度が低下したりするという
問題を生じている。
【0005】さらに、肌を正常に保つためには、潤いを
与えることも必要であり、化粧料の原料としては、上記
した皮脂吸着能の他に保湿性を有することが望まれてい
るが、上記ハイドロキシアパタイトでは十分な保湿性が
得られないという問題を生じている。
与えることも必要であり、化粧料の原料としては、上記
した皮脂吸着能の他に保湿性を有することが望まれてい
るが、上記ハイドロキシアパタイトでは十分な保湿性が
得られないという問題を生じている。
【0006】本発明は、上記の各問題点に鑑みなされた
ものであって、その目的は、生体的に安全で、より高い
保湿性と高い皮脂吸着能とを備えた保湿性複合粒子およ
びその製造方法を提供することにある。
ものであって、その目的は、生体的に安全で、より高い
保湿性と高い皮脂吸着能とを備えた保湿性複合粒子およ
びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、以上の
問題を解決すべく、高い皮脂吸着能を有する物質につい
て種々検討した結果、非晶質リン酸カルシウムが、生体
的に安全で、かつ、高い皮脂吸着能を有することを見い
だした。さらに、非晶質リン酸カルシウムに複合して、
生体的に安全で、かつ、高い保湿性を有する物質につい
て種々検討した結果、キトサンが、保湿性を有している
ことに着目し、非晶質リン酸カルシウムとキトサンとを
混合して複合粒子を作成したところ、保湿性を有すると
共に、生体的に安全で、しかも、より高い皮脂吸着能を
有する保湿性複合粒子が得られることを見いだして本発
明を完成させるに至った。
問題を解決すべく、高い皮脂吸着能を有する物質につい
て種々検討した結果、非晶質リン酸カルシウムが、生体
的に安全で、かつ、高い皮脂吸着能を有することを見い
だした。さらに、非晶質リン酸カルシウムに複合して、
生体的に安全で、かつ、高い保湿性を有する物質につい
て種々検討した結果、キトサンが、保湿性を有している
ことに着目し、非晶質リン酸カルシウムとキトサンとを
混合して複合粒子を作成したところ、保湿性を有すると
共に、生体的に安全で、しかも、より高い皮脂吸着能を
有する保湿性複合粒子が得られることを見いだして本発
明を完成させるに至った。
【0008】上記キトサンは、D−グルコサミンがβ−
1,4結合した直鎖の多糖で、自然界には Mucor属やPh
ycomyces属のカビの細胞壁に含まれている。一般に、キ
チンを濃アルカリ溶液中で脱アセチル化することによっ
て得られ、水、一般の有機溶媒、アルカリ溶液には不溶
である。しかし、キチンとは異なり、キトサンは希塩
酸、稀少酸等の無機酸および酢酸、乳酸、ギ酸、アスコ
ルビン酸等の有機酸等の弱酸に溶解する一方、そのキト
サンの溶解液を弱アルカリに調整することで析出する。
さらに、キトサンは反応性の高いアミノ基を有すること
から、無水酸によるアシル化、アルデヒドとのシッフ塩
基等、各種の誘導体を容易に得ることができる。
1,4結合した直鎖の多糖で、自然界には Mucor属やPh
ycomyces属のカビの細胞壁に含まれている。一般に、キ
チンを濃アルカリ溶液中で脱アセチル化することによっ
て得られ、水、一般の有機溶媒、アルカリ溶液には不溶
である。しかし、キチンとは異なり、キトサンは希塩
酸、稀少酸等の無機酸および酢酸、乳酸、ギ酸、アスコ
ルビン酸等の有機酸等の弱酸に溶解する一方、そのキト
サンの溶解液を弱アルカリに調整することで析出する。
さらに、キトサンは反応性の高いアミノ基を有すること
から、無水酸によるアシル化、アルデヒドとのシッフ塩
基等、各種の誘導体を容易に得ることができる。
【0009】また、キトサンは、ポリカチオンの性質を
有し、現在凝集剤として各種工業分野で広く利用されて
いるが、特に、最近では医療、生化学、化粧品、食品、
化学工業および農業等多彩な分野に応用できる生体親和
力を有する新素材として期待が高まっている。
有し、現在凝集剤として各種工業分野で広く利用されて
いるが、特に、最近では医療、生化学、化粧品、食品、
化学工業および農業等多彩な分野に応用できる生体親和
力を有する新素材として期待が高まっている。
【0010】さらに、キトサンには化学吸着水が多く存
在し、この化学吸着水の回りに物理吸着水が分子間力等
により吸着されている。つまり、キトサンの化学吸着水
が、大気中の水分を物理吸着して、この物理吸着水によ
って保湿性を付与するものと思われる。したがって、キ
トサンを含む非晶質リン酸カルシウムを化粧料の原料と
して使用したとき、キトサンにより大気中の水分がキト
サン内の化学吸着水により物理吸着し、この物理吸着水
が肌に潤いを付与するようになる。
在し、この化学吸着水の回りに物理吸着水が分子間力等
により吸着されている。つまり、キトサンの化学吸着水
が、大気中の水分を物理吸着して、この物理吸着水によ
って保湿性を付与するものと思われる。したがって、キ
トサンを含む非晶質リン酸カルシウムを化粧料の原料と
して使用したとき、キトサンにより大気中の水分がキト
サン内の化学吸着水により物理吸着し、この物理吸着水
が肌に潤いを付与するようになる。
【0011】尚、キトサンの原料となるキチンは、甲殻
類、昆虫類、菌類等に含まれるセルロース様高分子化合
物であるキチン質を形成する成分であり、また、非晶質
リン酸カルシウム自体も生体内における骨等の構成材料
であるので、得られた保湿性複合粒子は充分な生体親和
力をも有するものである。
類、昆虫類、菌類等に含まれるセルロース様高分子化合
物であるキチン質を形成する成分であり、また、非晶質
リン酸カルシウム自体も生体内における骨等の構成材料
であるので、得られた保湿性複合粒子は充分な生体親和
力をも有するものである。
【0012】上記保湿性複合粒子は、キトサンと非晶質
リン酸カルシウム(Amorphous Calcium Phosphate :以
下、ACPと称する)との複合粒子となっている。
リン酸カルシウム(Amorphous Calcium Phosphate :以
下、ACPと称する)との複合粒子となっている。
【0013】即ち、上記保湿性複合粒子(以下、ACP
複合粒子と称する)は、水酸化カルシウム懸濁液と、キ
トサンを溶解したリン酸混合液とからなる混合スラリー
を造粒して得られる。
複合粒子と称する)は、水酸化カルシウム懸濁液と、キ
トサンを溶解したリン酸混合液とからなる混合スラリー
を造粒して得られる。
【0014】上記混合スラリーは、攪拌下の水酸化カル
シウム懸濁液に、キトサンを溶解したリン酸混合液の滴
下によってpH8〜11に調整することにより、上記混
合スラリー中にキトサンとACP微粒子とを生成させ、
粒径約 0.1μm以下のACP微粒子を安定に分散して含
むものである。
シウム懸濁液に、キトサンを溶解したリン酸混合液の滴
下によってpH8〜11に調整することにより、上記混
合スラリー中にキトサンとACP微粒子とを生成させ、
粒径約 0.1μm以下のACP微粒子を安定に分散して含
むものである。
【0015】尚、ACP微粒子は、粉末X線回折法によ
るACP複合微粒子のX線回折図のパターンからCa3(PO
4)2 ・nH2Oであり、また、そのパターンがブロードであ
ることから、非晶質なリン酸カルシウムであることが確
認される。
るACP複合微粒子のX線回折図のパターンからCa3(PO
4)2 ・nH2Oであり、また、そのパターンがブロードであ
ることから、非晶質なリン酸カルシウムであることが確
認される。
【0016】また、得られたACP複合粒子は、黄色を
呈していることから、キトサンを含んでいると同定され
る。これは、ACP複合粒子が、ACP粒子のみの場合
であれば白色を呈しているからである。また、キトサン
は、リン酸に溶解した後、その溶解液をpH8〜11の
弱アルカリに調整すれば析出させることができるので、
ACP微粒子と複合状態にあると思われる。
呈していることから、キトサンを含んでいると同定され
る。これは、ACP複合粒子が、ACP粒子のみの場合
であれば白色を呈しているからである。また、キトサン
は、リン酸に溶解した後、その溶解液をpH8〜11の
弱アルカリに調整すれば析出させることができるので、
ACP微粒子と複合状態にあると思われる。
【0017】また、得られたACP複合粒子は大きな比
表面積を備えることが望ましい。そのため、特に限定さ
れるものではないが、懸濁液中のACP微粒子は、その
粒径が0.1 μm以下であることが好ましく、その上、懸
濁液とリン酸との混合は、室温中で行われるのが好まし
い。
表面積を備えることが望ましい。そのため、特に限定さ
れるものではないが、懸濁液中のACP微粒子は、その
粒径が0.1 μm以下であることが好ましく、その上、懸
濁液とリン酸との混合は、室温中で行われるのが好まし
い。
【0018】また、造粒では、キトサンを溶解したリン
酸混合液によりpHが8〜11となるように調整された
混合スラリーにおけるACP微粒子の含量を1重量%〜
90重量%の範囲内で変えることにより、混合スラリーを
造粒後、所望の平均粒径を有するACP複合粒子を得る
ことができる。尚、混合スラリーにおけるACP微粒子
の含量が90重量%を越えると、混合スラリーの粘度が高
くなるので造粒に不適となる。
酸混合液によりpHが8〜11となるように調整された
混合スラリーにおけるACP微粒子の含量を1重量%〜
90重量%の範囲内で変えることにより、混合スラリーを
造粒後、所望の平均粒径を有するACP複合粒子を得る
ことができる。尚、混合スラリーにおけるACP微粒子
の含量が90重量%を越えると、混合スラリーの粘度が高
くなるので造粒に不適となる。
【0019】本発明のACP複合粒子は、水酸化カルシ
ウム懸濁液に、キトサンを溶解させたリン酸混合液を滴
下して、pH8〜11程度になるように調整すること
で、粉砕が困難であるキトサンを溶解して再び析出させ
ているので、キトサンをACP粒子と複合して造粒する
ことができる。この結果、ACP複合粒子造粒工程にお
いて、粒径を均一に調製することができる。
ウム懸濁液に、キトサンを溶解させたリン酸混合液を滴
下して、pH8〜11程度になるように調整すること
で、粉砕が困難であるキトサンを溶解して再び析出させ
ているので、キトサンをACP粒子と複合して造粒する
ことができる。この結果、ACP複合粒子造粒工程にお
いて、粒径を均一に調製することができる。
【0020】このように粒径を均一に調製する造粒法と
しては、得られるACP複合粒子が、多孔質、かつ、 2
00μm以下の略球状で、その比表面積を大きく(10m2/g
以上、さらに好ましくは50m2/g以上)できるものであれ
ば、特に限定されるものではないが、例えば、噴霧乾燥
造粒法であるスプレードライ法を用いることができ、他
にフリーズドライ後に粉砕してなる造粒法、また、高速
攪拌型造粒法を用いてもよい。さらに、ACP微粒子の
形状としては、略球状、板状、針状等いずれの形状にも
限定されるものではない。
しては、得られるACP複合粒子が、多孔質、かつ、 2
00μm以下の略球状で、その比表面積を大きく(10m2/g
以上、さらに好ましくは50m2/g以上)できるものであれ
ば、特に限定されるものではないが、例えば、噴霧乾燥
造粒法であるスプレードライ法を用いることができ、他
にフリーズドライ後に粉砕してなる造粒法、また、高速
攪拌型造粒法を用いてもよい。さらに、ACP微粒子の
形状としては、略球状、板状、針状等いずれの形状にも
限定されるものではない。
【0021】以上のことから、本発明の保湿性複合粒子
は、ACP粒子を有することで、皮脂老廃物である遊離
の脂肪酸およびその過酸化物質に対する吸着性がより優
れたものとなるため、化粧崩れやニキビ等を防止でき
る。また、得られた保湿性複合粒子はキトサンを含有し
ているため、保湿性を備え、肌に潤いを与え、肌を正常
に保つことができる。尚、ACP粒子にキトサンを複合
しても、ACP粒子による皮脂吸着能の低下は見られな
かった。
は、ACP粒子を有することで、皮脂老廃物である遊離
の脂肪酸およびその過酸化物質に対する吸着性がより優
れたものとなるため、化粧崩れやニキビ等を防止でき
る。また、得られた保湿性複合粒子はキトサンを含有し
ているため、保湿性を備え、肌に潤いを与え、肌を正常
に保つことができる。尚、ACP粒子にキトサンを複合
しても、ACP粒子による皮脂吸着能の低下は見られな
かった。
【0022】したがって、上記保湿性複合粒子は、皮膚
外用剤( 医薬品、医薬部外品、化粧料等) 等に好適に使
用される。また、造粒の際、上記ACP粒子とキトサン
とを含む混合スラリーを、噴霧乾燥造粒法であるスプレ
ードライ法等を用いて造粒した場合、得られた保湿性複
合粒子の形状を球状にできるので、該保湿性複合粒子を
用いることで、肌に対する「すべり」や「のり」がよい
化粧料を得ることができる。
外用剤( 医薬品、医薬部外品、化粧料等) 等に好適に使
用される。また、造粒の際、上記ACP粒子とキトサン
とを含む混合スラリーを、噴霧乾燥造粒法であるスプレ
ードライ法等を用いて造粒した場合、得られた保湿性複
合粒子の形状を球状にできるので、該保湿性複合粒子を
用いることで、肌に対する「すべり」や「のり」がよい
化粧料を得ることができる。
【0023】また、上記保湿性複合粒子を含有する化粧
料には、上記保湿性複合粒子の他に、必要に応じて、通
常、化粧料に配合される汎用成分、例えば、顔料、油脂
類、界面活性剤、香料、防腐剤、紫外線吸収剤、保湿
剤、増粘剤、水等を配合することができる。
料には、上記保湿性複合粒子の他に、必要に応じて、通
常、化粧料に配合される汎用成分、例えば、顔料、油脂
類、界面活性剤、香料、防腐剤、紫外線吸収剤、保湿
剤、増粘剤、水等を配合することができる。
【0024】さらに、ACP自体が生体内における骨等
の構成材料であると共に、キトサンもキチンから生成さ
れているので、得られた保湿性複合粒子も充分な生体親
和力を有し、上記、皮膚外用剤等の他にも、歯科材料や
骨の充填剤等にも使用することが可能である。
の構成材料であると共に、キトサンもキチンから生成さ
れているので、得られた保湿性複合粒子も充分な生体親
和力を有し、上記、皮膚外用剤等の他にも、歯科材料や
骨の充填剤等にも使用することが可能である。
【0025】尚、歯科材料や骨の充填剤等として、例え
ば特公平6−77598号公報には、α−リン酸カルシ
ウム及び/又はリン酸四カルシウムを含む粉剤と、カル
ボキシメチルキチン、グリコールキチン、プルラン、ペ
クチン及びキトサンから成る群から選択された多糖類少
なくとも1種を酸性水溶液に、粘度が70cp以上にな
るような量で溶解した硬化液とからなるリン酸カルシウ
ム系硬化体の製造用複合組成物が開示されている。これ
は、医科用あるいは歯科用セメントの材料又は骨充填材
等に有用なリン酸カルシウム系硬化体の製造用の複合組
成物およびブロック状硬化体や人工骨、人工歯根等に有
用な硬化体に関するものであり、リン酸カルシウムの骨
や歯根等への生体親和性を利用して、人工骨や人工歯根
等に有用に適用されるものである。
ば特公平6−77598号公報には、α−リン酸カルシ
ウム及び/又はリン酸四カルシウムを含む粉剤と、カル
ボキシメチルキチン、グリコールキチン、プルラン、ペ
クチン及びキトサンから成る群から選択された多糖類少
なくとも1種を酸性水溶液に、粘度が70cp以上にな
るような量で溶解した硬化液とからなるリン酸カルシウ
ム系硬化体の製造用複合組成物が開示されている。これ
は、医科用あるいは歯科用セメントの材料又は骨充填材
等に有用なリン酸カルシウム系硬化体の製造用の複合組
成物およびブロック状硬化体や人工骨、人工歯根等に有
用な硬化体に関するものであり、リン酸カルシウムの骨
や歯根等への生体親和性を利用して、人工骨や人工歯根
等に有用に適用されるものである。
【0026】したがって、上記公報により、リン酸カル
シウムが生体親和性を有して人体に対して安全であるこ
とは知られているが、本発明の保湿性複合体は、さら
に、リン酸カルシウムを非晶質としたACP粒子に由来
するより高い皮脂吸着能を有すると共に、キトサンに由
来する高い保湿性をも有するものであり、化粧料等の皮
膚外用剤等に必要とされる特性を有するものである。
シウムが生体親和性を有して人体に対して安全であるこ
とは知られているが、本発明の保湿性複合体は、さら
に、リン酸カルシウムを非晶質としたACP粒子に由来
するより高い皮脂吸着能を有すると共に、キトサンに由
来する高い保湿性をも有するものであり、化粧料等の皮
膚外用剤等に必要とされる特性を有するものである。
【0027】
〔実施例1〕本発明の一実施例について図1ないし図2
に基づいて説明すれば、以下の通りである。
に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0028】本実施例の保湿性複合粒子は、pH調整さ
れたキトサンを有する非晶質リン酸カルシウムからなる
ACP微粒子複合体(以下、混合スラリーと称する)か
ら造粒によって得られるものである。
れたキトサンを有する非晶質リン酸カルシウムからなる
ACP微粒子複合体(以下、混合スラリーと称する)か
ら造粒によって得られるものである。
【0029】次に、上記混合スラリーの調整方法につい
て説明すると、まず、攪拌下の水酸化カルシウムの懸濁
液に、イオン交換水で10倍に希釈したリン酸にキトサ
ン5重量%添加したリン酸混合液を滴下して上記懸濁液
を約pH10に調整することにより、粒径約 0.1μm以
下のキトサンとACP微粒子とを含む混合スラリーが得
られた。
て説明すると、まず、攪拌下の水酸化カルシウムの懸濁
液に、イオン交換水で10倍に希釈したリン酸にキトサ
ン5重量%添加したリン酸混合液を滴下して上記懸濁液
を約pH10に調整することにより、粒径約 0.1μm以
下のキトサンとACP微粒子とを含む混合スラリーが得
られた。
【0030】尚、上記リン酸水溶液の滴下量を変えるこ
とにより、上記混合スラリーのpHを変えることがで
き、得られるACP微粒子のカルシウムとリンのモル比
を変化させることができる。
とにより、上記混合スラリーのpHを変えることがで
き、得られるACP微粒子のカルシウムとリンのモル比
を変化させることができる。
【0031】次いで、図1に示すように、上記混合スラ
リー3を、噴霧乾燥造粒法により造粒して保湿性複合粒
子(以下、ACP複合粒子と称する)7を得た。すなわ
ち、キトサンを有するACP微粒子1を含む混合スラリ
ー3を、定量ポンプ4によりスプレードライヤー(大川
原化工機社製 L−8)5に供給する。スプレードライヤー
5のアトマイザー6を高速回転させて、混合スラリー3
をスプレードライヤー5内の高温で乾燥した熱空気流中
に、上記アトマイザー6により噴霧することによって造
粒・乾燥して黄色を呈したACP複合粒子7を得た。
リー3を、噴霧乾燥造粒法により造粒して保湿性複合粒
子(以下、ACP複合粒子と称する)7を得た。すなわ
ち、キトサンを有するACP微粒子1を含む混合スラリ
ー3を、定量ポンプ4によりスプレードライヤー(大川
原化工機社製 L−8)5に供給する。スプレードライヤー
5のアトマイザー6を高速回転させて、混合スラリー3
をスプレードライヤー5内の高温で乾燥した熱空気流中
に、上記アトマイザー6により噴霧することによって造
粒・乾燥して黄色を呈したACP複合粒子7を得た。
【0032】造粒・乾燥により得られたACP複合粒子
7は、略球状であり、サイクロン8によって、所定の平
均粒径、例えば8μm〜15μmのものが分級、採取され
た。また、サイクロン8により採取しきれない超微粉体
はバグフィルター(図示せず)により、別に採取され
た。
7は、略球状であり、サイクロン8によって、所定の平
均粒径、例えば8μm〜15μmのものが分級、採取され
た。また、サイクロン8により採取しきれない超微粉体
はバグフィルター(図示せず)により、別に採取され
た。
【0033】尚、上記噴霧造粒における操作条件は次の
通りである。定量ポンプ4による混合スラリー3のスプ
レードライヤー5に対する供給量は、1kg/h〜3kg/hに
設定され、エアフィルター9を介して電気ヒーター10
によって加温された乾燥用の熱空気の温度は、スプレー
ドライヤー5における熱ガス室11の入口温度が 150℃
〜 250℃に、サイクロン8に繋がるスプレードライヤー
5の排出孔12における出口温度が80℃を常に越えるよ
うに制御され、また、アトマイザー6の回転数は 10000
rpm 〜37000rpmの範囲内に設定された。
通りである。定量ポンプ4による混合スラリー3のスプ
レードライヤー5に対する供給量は、1kg/h〜3kg/hに
設定され、エアフィルター9を介して電気ヒーター10
によって加温された乾燥用の熱空気の温度は、スプレー
ドライヤー5における熱ガス室11の入口温度が 150℃
〜 250℃に、サイクロン8に繋がるスプレードライヤー
5の排出孔12における出口温度が80℃を常に越えるよ
うに制御され、また、アトマイザー6の回転数は 10000
rpm 〜37000rpmの範囲内に設定された。
【0034】但し、スプレードライヤー5に対する混合
スラリー3の供給量は特に限定されるものではなく、使
用するスプレードライヤー5の容量および機能に応じて
適宜調節すればよい。尚、上記スプレードライヤー5を
よりスケールアップした2種のスプレードライヤー(大
川原化工機械社製 FOC-20,OD-25G、FOC-25,OC-25) を用
いて、混合スラリー3の供給量を100kg/hrとし、他の条
件は上記と同様にACP複合粒子7を調製したところ、
上記スプレードライヤー5によるACP複合粒子7と同
様のものが得られた。
スラリー3の供給量は特に限定されるものではなく、使
用するスプレードライヤー5の容量および機能に応じて
適宜調節すればよい。尚、上記スプレードライヤー5を
よりスケールアップした2種のスプレードライヤー(大
川原化工機械社製 FOC-20,OD-25G、FOC-25,OC-25) を用
いて、混合スラリー3の供給量を100kg/hrとし、他の条
件は上記と同様にACP複合粒子7を調製したところ、
上記スプレードライヤー5によるACP複合粒子7と同
様のものが得られた。
【0035】〔実施例2〕実施例1における、リン酸に
添加するキトサンの混合率を5重量%から、10重量%
に変更した以外は実施例1と同様の方法にて略球状のA
CP複合粒子7を得た。
添加するキトサンの混合率を5重量%から、10重量%
に変更した以外は実施例1と同様の方法にて略球状のA
CP複合粒子7を得た。
【0036】このようにして得られた各ACP複合粒子
7について、粉末X線回折法により、各ACP複合粒子
7の生成相を調べた結果を図2に示す。
7について、粉末X線回折法により、各ACP複合粒子
7の生成相を調べた結果を図2に示す。
【0037】上記の各実施例で得られたACP複合粒子
7は、いずれも図示しないACP粒子のX線回折パター
ンとよく似たX線回折パターンを示した。尚、上記AC
P粒子は、そのX線回折パターンから、非晶質リン酸カ
ルシウム〔Ca3(PO4)2 ・nH2O〕であり、また、上記X線
回折パターンがブロードであり、かつ、図示しないが、
ハイドロキシアパタイトの結晶およびリン酸三カルシウ
ムの結晶のX線回折パターンと異なることが分かってお
り、非晶質なリン酸カルシウムであることが確認され
た。即ち、得られたACP複合粒子7は、非晶質リン酸
カルシウムであると確認された。また、得られたACP
複合粒子7は、黄色を呈していることから、非晶質リン
酸カルシウムにキトサンが含まれた複合状態を形成して
いることが確認された。
7は、いずれも図示しないACP粒子のX線回折パター
ンとよく似たX線回折パターンを示した。尚、上記AC
P粒子は、そのX線回折パターンから、非晶質リン酸カ
ルシウム〔Ca3(PO4)2 ・nH2O〕であり、また、上記X線
回折パターンがブロードであり、かつ、図示しないが、
ハイドロキシアパタイトの結晶およびリン酸三カルシウ
ムの結晶のX線回折パターンと異なることが分かってお
り、非晶質なリン酸カルシウムであることが確認され
た。即ち、得られたACP複合粒子7は、非晶質リン酸
カルシウムであると確認された。また、得られたACP
複合粒子7は、黄色を呈していることから、非晶質リン
酸カルシウムにキトサンが含まれた複合状態を形成して
いることが確認された。
【0038】次に、皮脂成分のモデル物質としてオレイ
ン酸およびオレイルオレートを選び、上記各ACP複合
粒子7を加熱によりそれぞれ結晶化したものを試料とし
て用いて、それらの皮脂成分の吸着量を測定した。
ン酸およびオレイルオレートを選び、上記各ACP複合
粒子7を加熱によりそれぞれ結晶化したものを試料とし
て用いて、それらの皮脂成分の吸着量を測定した。
【0039】皮脂成分の吸着量の測定方法は、試料粉末
0.5gと、オレイン酸またはオレイルオレート5mlとを
混合した混合物を、37℃で、24時間、インキュベーショ
ン後、エチルエーテル15mlで3回吸引ろ過して風乾し、
得られた混合物を、DTA−TG、つまり示差熱分析に
よるサーモグラフによって皮脂成分吸着量を定量する方
法を用いた。
0.5gと、オレイン酸またはオレイルオレート5mlとを
混合した混合物を、37℃で、24時間、インキュベーショ
ン後、エチルエーテル15mlで3回吸引ろ過して風乾し、
得られた混合物を、DTA−TG、つまり示差熱分析に
よるサーモグラフによって皮脂成分吸着量を定量する方
法を用いた。
【0040】一方、比較として、市販品の球状ハイドロ
キシアパタイトを試料として用いて、それらの皮脂成分
の吸着量をそれぞれ測定した。それらの結果を表1に合
わせて示した。
キシアパタイトを試料として用いて、それらの皮脂成分
の吸着量をそれぞれ測定した。それらの結果を表1に合
わせて示した。
【0041】
【表1】
【0042】表1から明らかなように、上記各ACP複
合粒子7の皮脂成分吸着量は何れも50mg/g以上であり、
比較としての、市販品の球状ハイドロキシアパタイトと
比べて大きな皮脂成分の吸着量を示した。
合粒子7の皮脂成分吸着量は何れも50mg/g以上であり、
比較としての、市販品の球状ハイドロキシアパタイトと
比べて大きな皮脂成分の吸着量を示した。
【0043】このような大きな皮脂吸着能は、得られた
各ACP複合粒子7が、ACP微粒子1とキトサンとが
均一かつ安定に分散された混合スラリー3から造粒され
ることによって調製されているので、比表面積の大きな
多孔質となること、および、ACP複合粒子7に配合さ
れているACP粒子1aが非晶質であるからイオン性物
質をより吸着し易くなっていることに起因すると想定さ
れた。
各ACP複合粒子7が、ACP微粒子1とキトサンとが
均一かつ安定に分散された混合スラリー3から造粒され
ることによって調製されているので、比表面積の大きな
多孔質となること、および、ACP複合粒子7に配合さ
れているACP粒子1aが非晶質であるからイオン性物
質をより吸着し易くなっていることに起因すると想定さ
れた。
【0044】次いで、このようなACP複合粒子7を化
粧用の汎用成分と共に配合した配合例を説明する。尚、
化粧料に対するACP複合粒子7の配合量は、化粧料の
種類、化粧料の使用目的、ACP複合粒子7の粒径およ
び比表面積に応じて任意に選択される。
粧用の汎用成分と共に配合した配合例を説明する。尚、
化粧料に対するACP複合粒子7の配合量は、化粧料の
種類、化粧料の使用目的、ACP複合粒子7の粒径およ
び比表面積に応じて任意に選択される。
【0045】〔配合例1〕 (製法)成分Aをヘンシェルミキサーに投入混合した
後、パルベライザーに移し、粉砕する。これをヘンシェ
ルミキサーに戻し、攪拌しながら成分Bを加える。さら
に、アトマイザーに移し、解砕して製品としての化粧料
を得た。尚、上記ベンガラとは、赤色顔料である酸化鉄
(III)である。
後、パルベライザーに移し、粉砕する。これをヘンシェ
ルミキサーに戻し、攪拌しながら成分Bを加える。さら
に、アトマイザーに移し、解砕して製品としての化粧料
を得た。尚、上記ベンガラとは、赤色顔料である酸化鉄
(III)である。
【0046】〔配合例2〕 (製法)成分Aをヘンシェルミキサーに投入混合した
後、パルベライザーに移し、粉砕する。これをヘンシェ
ルミキサーに戻し、攪拌しながら成分Bを加える。さら
に、アトマイザーに移し、解砕して製品としての化粧料
を得た。尚、前記雲母チタンとは、酸化チタンコーティ
ッド雲母である。
後、パルベライザーに移し、粉砕する。これをヘンシェ
ルミキサーに戻し、攪拌しながら成分Bを加える。さら
に、アトマイザーに移し、解砕して製品としての化粧料
を得た。尚、前記雲母チタンとは、酸化チタンコーティ
ッド雲母である。
【0047】上記実施例1および実施例2の結果から明
らかなように、本実施例にかかるACP複合粒子7は、
ACP微粒子1およびキトサンを配合したことで、従来
のアパタイト粒子および無機系酸化物等に比べて、より
高い皮脂吸着能を有すると共に、保湿性を備えている。
らかなように、本実施例にかかるACP複合粒子7は、
ACP微粒子1およびキトサンを配合したことで、従来
のアパタイト粒子および無機系酸化物等に比べて、より
高い皮脂吸着能を有すると共に、保湿性を備えている。
【0048】従って、上記構成における、高い皮脂吸着
能を有する該ACP複合粒子7を含有する化粧料は、汗
等に含まれる皮脂から生成する肌に悪影響を及ぼす遊離
脂肪酸やその過酸化物質等の皮脂老廃物を肌から迅速に
除去できて化粧崩れやニキビ等を防止でき、ニキビ等に
よる肌の炎症も回避できて、肌の保湿状態を良好に維持
でき、肌を正常な状態に保持できる。
能を有する該ACP複合粒子7を含有する化粧料は、汗
等に含まれる皮脂から生成する肌に悪影響を及ぼす遊離
脂肪酸やその過酸化物質等の皮脂老廃物を肌から迅速に
除去できて化粧崩れやニキビ等を防止でき、ニキビ等に
よる肌の炎症も回避できて、肌の保湿状態を良好に維持
でき、肌を正常な状態に保持できる。
【0049】その上、上記構成では、高い皮脂吸着能を
有するACP複合粒子7の添加量を低減しても、必要な
皮脂吸着能を維持できるから、化粧料の他の成分をより
多く配合できる。このことから、化粧料としての成分設
計の自由度が大きくなるので、他の成分の有する種々の
機能をより十分に発揮できて、化粧料としてさらに好適
なものとなる。
有するACP複合粒子7の添加量を低減しても、必要な
皮脂吸着能を維持できるから、化粧料の他の成分をより
多く配合できる。このことから、化粧料としての成分設
計の自由度が大きくなるので、他の成分の有する種々の
機能をより十分に発揮できて、化粧料としてさらに好適
なものとなる。
【0050】さらに、上記構成における、該ACP複合
粒子7を含有する化粧料には保湿性があり、変色のな
い、ファンデーション等皮膚に塗布する化粧品としてさ
らに好適なものとなる。
粒子7を含有する化粧料には保湿性があり、変色のな
い、ファンデーション等皮膚に塗布する化粧品としてさ
らに好適なものとなる。
【0051】また、上記構成では、造粒の際、上記AC
P粒子とキトサンとを含む混合スラリーを、噴霧乾燥造
粒法であるスプレードライ法等を用いて造粒しているこ
とから、得られたACP複合粒子7の形状を球状にでき
るので、肌に対する「のり」や「すべり」も良好であ
る。これらのことから、上記構成は、肌の衛生状態を維
持できると共に、肌に用いて使用感が良く、かつ、皮脂
による化粧のりの低下が防止され、その上、他の成分の
機能を阻害しないので各成分の多様な機能を容易に発現
できるという優れた特性を有している。
P粒子とキトサンとを含む混合スラリーを、噴霧乾燥造
粒法であるスプレードライ法等を用いて造粒しているこ
とから、得られたACP複合粒子7の形状を球状にでき
るので、肌に対する「のり」や「すべり」も良好であ
る。これらのことから、上記構成は、肌の衛生状態を維
持できると共に、肌に用いて使用感が良く、かつ、皮脂
による化粧のりの低下が防止され、その上、他の成分の
機能を阻害しないので各成分の多様な機能を容易に発現
できるという優れた特性を有している。
【0052】また、上記ACP複合粒子7を含有する化
粧料には、上記ACP複合粒子7の他に、必要に応じ
て、通常、化粧料に配合される汎用成分、例えば、顔
料、油脂類、界面活性剤、香料、防腐剤、紫外線吸収
剤、保湿剤、増粘剤、水等を配合することができる。
粧料には、上記ACP複合粒子7の他に、必要に応じ
て、通常、化粧料に配合される汎用成分、例えば、顔
料、油脂類、界面活性剤、香料、防腐剤、紫外線吸収
剤、保湿剤、増粘剤、水等を配合することができる。
【0053】さらに、ACP自体が生体内における骨等
の構成材料であると共に、キトサンもキチンから生成さ
れているので、得られた保湿性複合粒子も充分な生体親
和力を有し、上記、皮膚外用剤等の他にも、歯科材料や
骨の充填剤等にも使用することが可能である。
の構成材料であると共に、キトサンもキチンから生成さ
れているので、得られた保湿性複合粒子も充分な生体親
和力を有し、上記、皮膚外用剤等の他にも、歯科材料や
骨の充填剤等にも使用することが可能である。
【0054】また、キトサンとACP粒子とを複合させ
るのではなく、単に混合するだけでもACP粒子による
皮脂吸着能とキトサンによる保湿性との両特性を付与す
ることができるが、化粧料等の皮膚外用剤に使用する場
合、肌に対する「のり」や「すべり」を良好にし、使用
感を向上させるには、粒径を小さく均一にする必要があ
る。
るのではなく、単に混合するだけでもACP粒子による
皮脂吸着能とキトサンによる保湿性との両特性を付与す
ることができるが、化粧料等の皮膚外用剤に使用する場
合、肌に対する「のり」や「すべり」を良好にし、使用
感を向上させるには、粒径を小さく均一にする必要があ
る。
【0055】ところが、キトサンは有機物であるので、
その弾力性により粉砕し難く、また、単に粉砕するだけ
では、細かく粒径を均一にすることができないという問
題がある。このため、キトサンとACP粒子とを混合す
るだけでは、均一な粒径とならず、肌に対する使用感を
低下させている。
その弾力性により粉砕し難く、また、単に粉砕するだけ
では、細かく粒径を均一にすることができないという問
題がある。このため、キトサンとACP粒子とを混合す
るだけでは、均一な粒径とならず、肌に対する使用感を
低下させている。
【0056】しかしながら、本発明では、水酸化カルシ
ウム懸濁液に、キトサンを溶解させたリン酸混合液を滴
下して、pH8〜11程度の弱アルカリとすることでキ
トサンを析出させて、ACP微粒子と共に造粒している
ので、ACP粒子とキトサンとが複合された複合粒子と
なり、その粒径も均一にすることができ、肌に対する
「のり」や「すべり」も良好となり、肌に用いた場合の
使用感も良くすることができる。
ウム懸濁液に、キトサンを溶解させたリン酸混合液を滴
下して、pH8〜11程度の弱アルカリとすることでキ
トサンを析出させて、ACP微粒子と共に造粒している
ので、ACP粒子とキトサンとが複合された複合粒子と
なり、その粒径も均一にすることができ、肌に対する
「のり」や「すべり」も良好となり、肌に用いた場合の
使用感も良くすることができる。
【0057】よって、上記構成のACP複合粒子7は、
皮膚外用剤( 医薬品、医薬部外品、化粧料等) 等に好適
に使用される。
皮膚外用剤( 医薬品、医薬部外品、化粧料等) 等に好適
に使用される。
【0058】尚、上記各実施例では、キトサンの溶解量
を、5重量%および10重量%としたが、これに限定さ
れるものではなく、リン酸に溶解し得る量であれば良
い。但し、キトサンの溶解量を20%以上にする場合、
通常の攪拌だけでは溶解し難く、この場合には、高速攪
拌装置を使用して高速攪拌する必要がある。
を、5重量%および10重量%としたが、これに限定さ
れるものではなく、リン酸に溶解し得る量であれば良
い。但し、キトサンの溶解量を20%以上にする場合、
通常の攪拌だけでは溶解し難く、この場合には、高速攪
拌装置を使用して高速攪拌する必要がある。
【0059】
【発明の効果】請求項1記載の発明の保湿性複合粒子
は、以上のように、非晶質リン酸カルシウムとキトサン
とを有する構成である。
は、以上のように、非晶質リン酸カルシウムとキトサン
とを有する構成である。
【0060】それゆえ、該保湿性複合粒子は、従来のア
パタイト粒子および無機系酸化物等に比べて高い皮脂吸
着能を有すると共に、保湿性を有している。
パタイト粒子および無機系酸化物等に比べて高い皮脂吸
着能を有すると共に、保湿性を有している。
【0061】従って、上記構成における、高い皮脂吸着
能および保湿性を有する該保湿性複合粒子を含有する化
粧料は、汗等に含まれる皮脂から生成する肌に悪影響を
及ぼす遊離脂肪酸やその過酸化物質等の皮脂老廃物を肌
から迅速に除去できて化粧崩れやニキビ等を防止でき、
ニキビ等による肌の炎症も回避できて、肌の衛生状態を
良好に維持できると共に、肌に潤いを与え、肌の乾燥を
防止することができ、肌を正常な状態に保持できるとい
う効果を奏する。
能および保湿性を有する該保湿性複合粒子を含有する化
粧料は、汗等に含まれる皮脂から生成する肌に悪影響を
及ぼす遊離脂肪酸やその過酸化物質等の皮脂老廃物を肌
から迅速に除去できて化粧崩れやニキビ等を防止でき、
ニキビ等による肌の炎症も回避できて、肌の衛生状態を
良好に維持できると共に、肌に潤いを与え、肌の乾燥を
防止することができ、肌を正常な状態に保持できるとい
う効果を奏する。
【0062】また、請求項2記載の発明の保湿性複合粒
子の製造方法では、水酸化カルシウム懸濁液と、キトサ
ンを溶解させたリン酸混合液とを混合し、弱アルカリに
調整した後、上記混合液を造粒している。
子の製造方法では、水酸化カルシウム懸濁液と、キトサ
ンを溶解させたリン酸混合液とを混合し、弱アルカリに
調整した後、上記混合液を造粒している。
【0063】それゆえ、リン酸に溶解したキトサンは、
弱アルカリで析出して非晶質リン酸カルシウムと複合さ
れる。
弱アルカリで析出して非晶質リン酸カルシウムと複合さ
れる。
【0064】従って、キトサンを含む非晶質リン酸カル
シウムを造粒する際に、形状を微小な均一な球状とする
ことできるので、肌に対する「のり」や「すべり」も良
好であり、肌に用いて使用感を向上させることができる
という効果を奏する。
シウムを造粒する際に、形状を微小な均一な球状とする
ことできるので、肌に対する「のり」や「すべり」も良
好であり、肌に用いて使用感を向上させることができる
という効果を奏する。
【図1】本発明の保湿性複合粒子を製造する際に用いた
スプレードライヤーの概略構成図である。
スプレードライヤーの概略構成図である。
【図2】上記保湿性複合粒子のX線回折図である。
1 ACP微粒子 3 混合スラリー 7 ACP複合粒子(保湿性複合粒子)
Claims (2)
- 【請求項1】非晶質リン酸カルシウムとキトサンとを有
することを特徴とする保湿性複合粒子。 - 【請求項2】水酸化カルシウム懸濁液と、キトサンを溶
解させたリン酸混合液とを混合し、弱アルカリに調整し
た後、上記混合液を造粒することを特徴とする保湿性複
合粒子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07044659A JP3107987B2 (ja) | 1995-03-03 | 1995-03-03 | 保湿性複合粒子およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07044659A JP3107987B2 (ja) | 1995-03-03 | 1995-03-03 | 保湿性複合粒子およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08239311A true JPH08239311A (ja) | 1996-09-17 |
JP3107987B2 JP3107987B2 (ja) | 2000-11-13 |
Family
ID=12697581
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07044659A Expired - Fee Related JP3107987B2 (ja) | 1995-03-03 | 1995-03-03 | 保湿性複合粒子およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3107987B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001026408A (ja) * | 1999-07-15 | 2001-01-30 | Natl Inst For Res In Inorg Mater | キトサン−りん酸カルシウム複合体及びその製造方法 |
US7943597B2 (en) | 2008-04-08 | 2011-05-17 | Cypress Pharmaceutical, Inc. | Phosphate-binding chitosan and uses thereof |
JP2013501788A (ja) * | 2009-08-13 | 2013-01-17 | ダウ コーニング コーポレーション | ケラチン基質のケアのための顆粒状乾燥洗剤 |
WO2024096016A1 (ja) * | 2022-10-31 | 2024-05-10 | 綜研化学株式会社 | 多糖類含有粒子の製造方法、前駆体多糖類含有粒子及び多糖類含有粒子 |
-
1995
- 1995-03-03 JP JP07044659A patent/JP3107987B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001026408A (ja) * | 1999-07-15 | 2001-01-30 | Natl Inst For Res In Inorg Mater | キトサン−りん酸カルシウム複合体及びその製造方法 |
US7943597B2 (en) | 2008-04-08 | 2011-05-17 | Cypress Pharmaceutical, Inc. | Phosphate-binding chitosan and uses thereof |
JP2013501788A (ja) * | 2009-08-13 | 2013-01-17 | ダウ コーニング コーポレーション | ケラチン基質のケアのための顆粒状乾燥洗剤 |
US9724289B2 (en) | 2009-08-13 | 2017-08-08 | Dow Corning Corporation | Granulated dry cleanser for the care of keratinous substrates |
WO2024096016A1 (ja) * | 2022-10-31 | 2024-05-10 | 綜研化学株式会社 | 多糖類含有粒子の製造方法、前駆体多糖類含有粒子及び多糖類含有粒子 |
WO2024095351A1 (ja) * | 2022-10-31 | 2024-05-10 | 綜研化学株式会社 | 多糖類含有粒子の製造方法、前駆体多糖類含有粒子及び多糖類含有粒子 |
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---|---|
JP3107987B2 (ja) | 2000-11-13 |
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