JPH0532526A - アパタイト複合粒子 - Google Patents

アパタイト複合粒子

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JPH0532526A
JPH0532526A JP3187329A JP18732991A JPH0532526A JP H0532526 A JPH0532526 A JP H0532526A JP 3187329 A JP3187329 A JP 3187329A JP 18732991 A JP18732991 A JP 18732991A JP H0532526 A JPH0532526 A JP H0532526A
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apatite
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Tatsuya Saeki
達哉 佐伯
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Sekisui Kasei Co Ltd
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Sekisui Plastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 所定濃度のアパタイト微粒子1からなるアパ
タイトスラリーに、ジルコニア(ZrO2)粉末2を混合し
て混合物スラリー3を得た後、その混合物スラリー3を
造粒してなるアパタイト複合粒子7。 【効果】 得られたアパタイト複合粒子7は、略球状と
なるので従来のアパタイト粒子と比べて肌に対する「す
べり」や「のり」が良いものであり、また、より高い油
脂吸着能を備えているため、化粧品に用いると化粧崩れ
やニキビ等を防止できるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば化粧品原料に用
いられ、高い油脂吸着能を備えるアパタイト複合粒子に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、アパタイトの一種である水酸
アパタイト〔Ca10(PO4)6(OH)2〕は、特開昭63-2
7411号公報に記載されているように、人間の皮脂成分の
うち肌に悪影響を及ぼす皮脂老廃物である遊離脂肪酸を
有効に吸着して除去し、その油脂吸着能を高めるため
に、平均粒径を20μm以下の粉末状に成形されて化粧品
等の皮膚外用剤に配合されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
水酸アパタイト粉末においても油脂吸着能が充分である
とはいえなかった。
【0004】そこで、本発明の目的は、その形状をより
真球状に近づけて肌に対する「すべり」と「のり」が良
い、かつ、より高い油脂吸着能を有するアパタイト複合
粒子を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のアパタイト複合
粒子は、以上の課題を解決するために、所定濃度(90重
量%以下)のアパタイト微粒子からなるアパタイトスラ
リーに、50重量%以下となるようにジルコニア(ZrO2
粉末を混合して混合物を得た後、その混合物を造粒して
なることを特徴としている。
【0006】上記アパタイト微粒子におけるアパタイト
は、一般化学式M10(ZO4)6 2 で表される物質群で
あって、Mとして、Ca、Pb、Ba、Sr、Cd、Z
n、Ni、Mg、Na、K、Fe、Al の元素の中から
少なくとも1種、ZO4 として、PO4 、AsO4 、V
4 、SiO4 またはCO3 、Xとして、F、OH、C
l 、Br、Oの元素もしくは原子団の中から少なくとも
1種から構成されている。
【0007】また、大きな比表面積を有するアパタイト
複合粒子とするために、アパタイト微粒子の1次粒子の
粒径は 0.1μm以下であることが、また、ジルコニアの
粒径は20μm以下であることが望ましく、その上、アパ
タイトスラリーとジルコニア(ZrO2)粉末とは室温中で
混合することが望ましい。
【0008】一方、アパタイトスラリーにおけるアパタ
イト微粒子が90重量%以上となると、アパタイトスラリ
ーの粘度が高くなるので、造粒に不適となる。また、ア
パタイトスラリーにおけるアパタイト微粒子の含量を1
〜90重量%の範囲で変えることにより、所望の平均粒径
を有するアパタイト複合粒子を得ることができる。
【0009】また、造粒法としては、得られる粒子が略
球状で、かつ、比表面積を大きくできるものであれば、
特に限定されるものではないが、噴霧造粒法の他にフリ
ーズドライ後に粉砕してなる造粒法、また、高速撹拌型
造粒法を用いてもよい。
【0010】
【実施例】本発明の一実施例について図1ないし図4に
基づいて説明すれば、以下の通りである。まず、アパタ
イトの一種である水酸アパタイトの微粒子からなるスラ
リーの調製法について説明すると、水酸化カルシウム懸
濁液に攪拌下、pH11付近に至るまで2〜4倍に希釈
したリン酸水溶液を滴下し、この後約5倍以上に希釈し
たリン酸水溶液を滴下してpH10〜9に調節すること
により、粒径0.1μm以下の水酸アパタイト微粒子か
らなるスラリーが得られた。
【0011】〔実施例1〕上記スラリーをイオン交換水
により希釈して、アパタイトの一種である水酸アパタイ
ト(Hydroxy Apatite 、以下HApと略す)の濃度が2
0重量%になるように調製しHApスラリーを得た。そ
のHApスラリーに、イオン交換水に分散させた所定粒
径の酸化ジルコニウム(以下、ジルコニアという)粉末
〔ZrO2、第1稀元素化学工業(株)製、SPZ〕を1重
量%となるように混入し、攪拌モーターで1時間攪拌し
て、混合物スラリーを得た。
【0012】図1に示すように、HAp粒子1およびジ
ルコニア粉末2を含む上記混合物スラリー3を、定量ポ
ンプ4によりスプレードライヤー(大川原化工機械社製
L−8)5に供給し、そのアトマイザー6を高速回転させ
ることにより、噴霧造粒法による造粒乾燥を行った。造
粒乾燥により得られたジルコニア含有HAp微粉体であ
る略球状のアパタイト複合粒子7はサイクロン8により
採取された。また、サイクロン8により採取しきれない
超微粉体はバグフィルター(図示せず)により採取され
た。
【0013】なお、上記定量ポンプ4による原料として
の混合物スラリー3の供給量は1〜3kg/hで行われ、ス
プレードライヤー5におけるエアフィルター9を介して
電気ヒーター10によって加温された空気の熱ガス室1
1の入口温度は 200〜 250℃に、サイクロン8に繋がる
排出孔12における出口温度は 100℃以下にならないよ
うに制御され、また、アトマイザー6の回転数は 10000
〜37000rpmの範囲内に設定された。
【0014】また、上記スプレードライヤー5をよりス
ケールアップした2種のスプレードライヤー(大川原化
工機械社製 FOC-20,OD-25G、FOC-25,OC-25) を用いて、
スラリー供給量を100kg/hrとし、他の条件は上記と同様
に調製したところ、上記スプレードライヤー5によるア
パタイト複合粒子7と同様のアパタイト複合粒子7が得
られた。
【0015】〔実施例2〕ジルコニアの混入率を上記実
施例1における1重量%の代わりに5重量%として、他
は上記実施例1と同様の条件で操作を行い略球状のアパ
タイト複合粒子を得た。
【0016】〔実施例3〕ジルコニアの混入率を上記実
施例1における1重量%の代わりに10重量%として、
他は上記実施例1と同様の条件で操作を行い略球状のア
パタイト複合粒子を得た。
【0017】〔実施例4〕ジルコニアの混入率を上記実
施例1における1重量%の代わりに30重量%として、
他は上記実施例1と同様の条件で操作を行い略球状のア
パタイト複合粒子を得た。
【0018】〔実施例5〕ジルコニアの混入率を上記実
施例1における1重量%の代わりに50重量%として、
他は上記実施例1と同様の条件で操作を行い略球状のア
パタイト複合粒子を得た。
【0019】上記各実施例において得られたアパタイト
複合粒子について、粉末X線回折を用いてその生成相を
それぞれ調べたところ、図2に示すように、図2(g)
にしめすジルコニアのX線回折で現れる各ピーク、例え
ばピークAが、図2(a)のHAp単体のX線回折図に
重なるように、図2(b)〜(f)に示す各アパタイト
複合粒子のX線回折図に現れ、得られた各アパタイト複
合粒子がHApとジルコニアの複合体であることが同定
された。なお、図2(b)に示すアパタイト複合粒子は
HApとジルコニアとの固溶体であり、図2(c)〜
(f)に示す各アパタイト複合粒子は混合物であった。
【0020】さらに、上記の各アパタイト複合粒子にお
けるX線回折図をより明瞭にするために、微結晶体であ
るHApを結晶化させる温度である 800℃に上記の各ア
パタイト複合粒子を加温した後、それぞれX線回折を行
ったところ、図3に示すように、上記と同様に各アパタ
イト複合粒子のX線回折図に、よりはっきりと図3
(f)に示すジルコニアの各ピーク、例えばピークBが
それぞれ観察され、上記で得られた各アパタイト複合粒
子がHApとジルコニアの複合体であることが同定され
た。
【0021】次に、上記各実施例で得られた各アパタイ
ト複合粒子の油脂吸着能をそれぞれ測定した。それは、
油脂のモデル物質としてオレイン酸およびオレイルオレ
ートを用い、特開昭63-27411号公報において用いられて
いる測定方法を用いてそれぞれ行った。それらの結果を
図4に示した。図から明らかなように、50重量%以下
(90mol%以下)のジルコニアを含有するアパタイト複合
粒子が、従来より用いられているアパタイト微粒子(オ
レイン酸およびオレイルオレートの合計吸収量約73mg)
より油脂吸着能が高いことが示された。
【0022】このようにジルコニアを含有するアパタイ
ト複合粒子は、その形状がほぼ球状となるので、従来の
アパタイト粒子と比べて肌に対する「すべり」や「の
り」が良く、また、より高い油脂吸着能を備えているた
め、化粧崩れやニキビ等を防止して皮膚外用剤(医薬
品、医薬用外、化粧品など)に好適に使用される。
【0023】また、HApが生体材料であるので、得ら
れたアパタイト複合粒子も充分な生体親和力を有し、歯
科材料や骨充填材などにも適用することが可能である。
【0024】
【発明の効果】本発明のアパタイト複合粒子は、以上の
ように、所定濃度のアパタイト微粒子からなるアパタイ
トスラリーに、ジルコニア(ZrO2)粉末を混合して混合
物を得た後、その混合物を造粒してなる構成である。
【0025】これにより、上記構成は、略球状となるの
で、従来のアパタイト粒子と比べて肌に対する「すべ
り」や「のり」が良いものであり、また、より高い油脂
吸着能を備えているため、化粧品に用いると、化粧崩れ
やニキビ等を低減できるものである。
【0026】この結果、上記構成は化粧品等に好適に使
用される優れた特性を有するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアパタイト複合粒子を製造する際に用
いたスプレードライヤーの概略構成図である。
【図2】上記各アパタイト複合粒子を同定するためのX
線回折図である。
【図3】上記各アパタイト複合粒子を同定するための他
のX線回折図である。
【図4】上記各アパタイト複合粒子における油脂吸着能
を示すグラフである。
【符号の説明】
1 アパタイト微粒子 2 ジルコニア粉末 3 混合物スラリー(混合物)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】所定濃度のアパタイト微粒子からなるアパ
    タイトスラリーに、ジルコニア(ZrO2)粉末を混合して
    混合物を得た後、その混合物を造粒してなることを特徴
    とするアパタイト複合粒子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004011050A1 (en) * 2002-07-30 2004-02-05 Nanyang Technological University Spherical nano-composite powder and a method of preparing the same
US11161229B2 (en) 2018-04-19 2021-11-02 Yodogawa Hu-Tech Co., Ltd. Clamping jig for tube connection

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