JPH08237817A - 自動列車停止装置 - Google Patents

自動列車停止装置

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JPH08237817A
JPH08237817A JP3537195A JP3537195A JPH08237817A JP H08237817 A JPH08237817 A JP H08237817A JP 3537195 A JP3537195 A JP 3537195A JP 3537195 A JP3537195 A JP 3537195A JP H08237817 A JPH08237817 A JP H08237817A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表定速度を高め、高密度運転区間に対応でき
る自動列車停止装置を得る。 【構成】 従来の多周波変周式点制御方式の階段式連続
制御方式ATS装置において設置されているATS地上
子に加えて、所定の地点に1つの信号波を発生するAT
S地上子を追設し、従来のATS地上子からの制限速度
信号波と追設したATS地上子からの信号波とをATS
受信器4aで受信し、ATS制御装置5aにおいて、そ
れらの信号波を組み合わせて新たな制限速度パタンを発
生させる。 【効果】 最小限の投資で表定速度を向上できるととも
に、高密度運転区間のダイヤ遅延の発生件数を減少させ
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、列車の保安装置とし
て設備される自動列車停止装置のうち、特に多周波変周
式点制御方式の階段式連続制御方式ATS装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図7は、例えば特公昭57−50701
号公報に示された自動列車停止装置における多周波変周
式点制御方式の階段式連続制御方式ATS装置の構成を
示す図であり、図において、1はATS地上子2と結合
して地点信号をピックアップするATS車上子、3は車
上側のATS装置で、ATS車上子1と電気的に接続さ
れたATS受信器4および車両へのブレーキ指令を出力
するATS制御装置5で構成される。また、6は列車速
度をピックアップする速度発電機(以降TGという)で
ある。通常、ATS車上子1は列車の先頭車両最前部床
下に取り付けられ、TG6は車軸端または駆動ギヤのギ
ヤケースに取り付けられる。
【0003】次に、動作について説明する。ATS車上
子1が地上に配置されたATS地上子2の上を通過した
時に、地上の制限速度信号情報が車上のATS受信器4
に伝えられ、ATS受信器4でその信号が記憶される。
ATS制御装置5は、その記憶された信号に対応した制
限速度とTG6から得られる実際の列車速度とを比較
し、列車速度が制限速度を超過している場合は直ちにブ
レーキ指令をブレーキ装置に対して出力することによ
り、列車の追突、脱線等を未然に防ぐものである。な
お、各ATS地上子2の制限速度信号は先行列車の位置
条件により決められた信号が割り当てられている。例え
ば図8に示すように、先行列車7が左から右方向に移動
して信号機8Aを通過した位置に存在する場合、信号機
8Aは赤(R)であり、その信号機8Aの外方にあるA
TS地上子2A,2B,2Cの制限速度信号は各々赤信
号機8Aの外方に停止可能な制限速度となる。図の例で
は、2Aが0km/h、2Bが30km/h,2Cが45km/h制
限と定めている。なお、信号機8Bは黄(Y)であり、
ATS地上子2AAの制限速度(図の例では65km/h)
も上記と同様にして決められる。
【0004】また、図9の機能ブロック図に示すよう
に、ATS地上子2からピックアップされた制限速度信
号(ATS信号)はATS受信器4により信号判別さ
れ、その信号を記憶し、ATS制御装置5に出力され
る。ATS制御装置5では、制限速度パターン発生回路
にて上記信号に対応した制限速度パターン周波数vp
変換されて速度比較回路に出力される。一方、TG6で
発生した速度に比例した周波数の交流波形を発振形波形
整形回路で矩形波vsに整形され、速度比較回路に出力
される。速度比較回路では上記制限速度パターン周波数
pと上記列車速度周波数vsとを比較する。このとき、
列車速度周波数vsが制限速度パターン周波数vpを超過
すると直ちに出力リレーを介してブレーキ指令を出力す
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の自
動列車停止装置では、発生できる制限速度パターンの種
別としては5〜6種類程度が限度で、制限速度の階段数
が少なくなり、1段ごとの速度制限区間が長くなる。し
たがって、停止目標位置に対して必要以上に手前の位置
から減速を開始しなければならないので表定速度を高く
できなかった。また後続列車は、先行列車が所定の距離
以上離れるまで、赤信号の相当手前の位置で待機する必
要があるため、ダイヤ遅延発生の大きな要因となってい
た。
【0006】この発明は、上述のような課題を解決する
ためになされたもので、その目的は、保安度を向上しつ
つ表定速度を高めることができる自動列車停止装置を得
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る自動列車
停止装置は、路線上の所定の地点で1つの信号波を発生
する手段、およびこの信号波と制限速度信号波とを受信
して組み合わせ、上記制限速度信号波に対応づけられた
制限速度値とは異なる制限速度値を示す信号波を発生す
る手段を備えたものである。
【0008】また、路線上の特定の速度制限を必要とす
る区間の始点と終点とにそれぞれ1つの信号波を発生す
る手段、上記始点からの信号波と制限速度信号波とを受
信して組み合わせ、上記特定の速度制限を開始する信号
波を発生する手段、および上記終点からの信号波と制限
速度信号波とを受信して組み合わせ、上記特定の速度制
限を終了させる信号波を発生する手段を備えたものであ
る。
【0009】
【作用】上記のように構成された自動列車停止装置にお
いては、路線上の所定の地点で発生される信号波と制限
速度信号波とを受信して組み合わせることで、上記制限
速度信号波に対応づけられた制限速度値に加えて、その
制限速度値とは異なる制限速度値が表示される。
【0010】また、路線上の速度制限を必要とする区間
の始点で発生される1つの信号波と制限速度信号波とを
列車が受けた時点から、その区間の終点で発生される1
つの信号波と制限速度信号波とを受けるまで、所定の制
限速度信号が発生される。
【0011】
【実施例】
実施例1.この発明は、多周波変周式点制御方式の階段
式連続制御方式ATS装置を備えてるという点において
は従来装置と同様であり、全体構成としては図7に示し
たものと同様である。図1はこの発明の一実施例である
自動列車停止装置を示す機能ブロック図で、4aは図9
で示した従来のATS受信器4に追設信号用の信号判別
回路SA2のみを追加したATS受信器である。また、
5aも同様に従来のATS制御装置5にATS信号と追
設信号とを組み合わせる信号組み合わせ回路のみを追加
したATS制御装置である。図2は、この発明の一実施
例で設備される地上子と制限速度信号との関係を示した
例で、図8で示した信号機8AとATS地上子2Aとの
間、2Aと2Bとの間、および2Bと2Cとの間に、そ
れぞれATS地上子2D1,2D2,2D3を設置したも
のである。ただし、これらATS地上子2D1,2D2,
2D3は追設信号波を発生するものである。
【0012】このように構成された自動列車停止装置に
おける動作について説明する。先行列車7が左から右方
向に移動して信号機8Aを通過した位置に存在する場
合、信号機8Aは赤(R)であり、その信号機8Aの外
方にあるATS地上子2A,2B,2Cの制限速度信号
は、本実施例では2Aが15km/h、2Bが35km/h,2
Cが55km/h制限とする。さらに、ATS地上子2D
1,2D2,2D3は追設信号波を発生している。後続列
車のATS車上子1が地上に配置されたATS地上子2
Cの上を通過した時に、55km/hの制限速度信号が車上
のATS受信器4aに伝えられ、その信号に対応した制
限速度とTG6から得られる実際の列車速度とを比較
し、列車速度が制限速度を超過している場合は直ちにブ
レーキ指令をブレーキ装置に対して出力する。次に、そ
の状態で列車がATS地上子2D3の上を通過すると、
追設信号がATS受信器4aに伝えられ、ATS制御装
置5aの信号組み合わせ回路では、この追設信号を入力
すると、既に入力している55km/hの制限速度信号を4
5km/hに読み替えて制限速度パターン発生回路で45km
/hの制限速度パターンを発生させる。
【0013】同様にして、列車がATS地上子2Bの上
を通過すると、35km/hの制限速度信号が発生し、さら
にATS地上子2D2の上を通過して追設信号を受信す
ることにより、30km/hの制限速度信号が発生する。以
降、ATS地上子2A、2D1を通過した場合も同様に
制御される。以上述べたように、追設信号波を発生する
ATS地上子を設置することにより、制限速度値をきめ
細かく設定し、従来から設置されているATS地上子の
発生する制限速度値を実質的に引き上げる事ができるの
で、平均列車速度が向上する。図3に、列車走行におけ
る距離と速度との関係であるランカーブの比較を示す。
従来では、ATS地上子2Cの制限速度は45km/hであ
るので、列車走行がランカーブIを描くように制御され
るため、地点アから減速を開始しなければならない。し
かし、ATS地上子2Cの制限速度を55km/hに上げる
ことにより、列車走行はランカーブIIを描くように制
御されるため、減速開始点が地点イに移動し、平均列車
速度の向上が図れる。
【0014】また、先行列車がさらに進行して信号機8
Aが赤信号から黄信号に現示変化すると、制限速度がア
ップするので、列車速度を加速することになる。図4
は、列車がATS地上子2Cを通過後に前方信号機現示
が変化した場合の列車のランカーブを示したものであ
る。従来では、ATS地上子2Bの地点まで制限速度が
45km/hであるので、ランカーブIで示すようにATS
地上子2Bを通過してからでないと加速できない。しか
し、ATS地上子2D3を設置することにより、ランカ
ーブIIで示すように、制限速度55km/hでATS地上
子2D3を通過した直後に加速することができる。以上
により、表定速度を上げることにより平均列車速度の向
上が可能となる。
【0015】さらに、図5に示すように、地上子2Aの
内方にATS地上子2D1を追設することにより、信号
機8Aの現示が赤の場合の停止位置が地点アから地点イ
に移動するため、先行列車7との間隔を短くすることが
できる。また、信号機8Aの現示が赤から黄に変化した
場合に、後続列車が再力行して駅ホームに停車するまで
の時間は、地点イから力行する方が地点アから力行する
より短いことはいうまでもなく、早く駅に到着すること
ができる。以上により、高密度運転区間のダイヤ遅延の
発生件数を減少することが可能となる。
【0016】実施例2.なお、上記実施例1においては
地上信号現示が赤信号に変化する場合について説明した
が、地上信号現示が青信号の区間にATS地上子を追設
する場合について説明する。図6に示すように、例えば
制限速度120km/hの区間の一部がカーブ等で速度を低
下させる必要がある場合に、その部分の始点と終点とに
ATS地上子Dを追設する。列車がATS地上子Dを1
個通過すると例えば90km/hに速度制限され、続いて2
回目のATS地上子Dを通過すると、もとの120km/h
制限に戻される。従来このような区間では速度制限標識
に基づいて速度を落とすか、もしくは地上側で2点間の
通過時間計測により検知された列車速度をもとに速度制
限を行っていたので、安全上に問題があったが、本実施
例2によれば、保安度の向上が図れる。
【0017】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に示すような効果を奏する。
【0018】既存の多周波変周式点制御方式の階段式連
続制御方式ATS装置の設備を変えることなく、路線上
の所定の地点で1つの信号波を発生する手段を追設し、
この信号波と既存装置で発生される制限速度信号波とを
組み合わせて、従来から発生できる制限速度値とは異な
る制限速度値を示す信号波を発生できるようにしたの
で、最小限の投資で表定速度を向上できるとともに、高
密度運転区間のダイヤ遅延の発生件数を減少させること
が可能となる。
【0019】また、速度制限を必要とする区間の始点と
終点とにそれぞれ1つの信号波を発生する手段を追設
し、これらの信号波と既存装置で発生される制限速度信
号波と組み合わせて特定の制限速度信号波を発生できる
ようにしたので、保安度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例による自動列車停止装置
を示す機能ブロック図である。
【図2】 この発明の実施例1においてATS地上子が
追設された場合の列車のランカーブを示す図である。
【図3】 図2のATS地上子2D3の設置による列車
の減速ランカーブの従来との違いを示す図である。
【図4】 図2のATS地上子2D3の設置による列車
の加速ランカーブの従来との違いを示す図である。
【図5】 図2のATS地上子2D1の設置による列車
の駅進入ランカーブの従来との違いを示す図である。
【図6】 この発明の実施例2において速度制限区間の
両端にATS地上子が追設された場合の速度制限例を示
す図である。
【図7】 ATS車上装置の構成を示す図である。
【図8】 従来の自動列車停止装置によって制御された
場合の列車のランカーブを示す図である。
【図9】 従来の自動列車停止装置を示す機能ブロック
図である。
【符号の説明】
1 ATS車上子、2 ATS地上子、3 車上側AT
S装置、4 ATS受信器、5 ATS制御装置、6
速度発電機(TG)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号機の現示に対応して発生される制限
    速度信号波を路線上の予め定められた地点から受信し、
    その制限速度信号波に対応づけられた制限速度値を越え
    ないように列車速度を制御する多周波変周式点制御方式
    の階段式連続制御方式ATS装置を備えた自動列車停止
    装置において、 路線上の所定の地点で1つの信号波を発生する手段、お
    よびこの信号波と上記制限速度信号波とを受信してそれ
    らを組み合わせ、上記制限速度信号波に対応づけられた
    制限速度値とは異なる制限速度値を示す信号波を発生す
    る手段を備えたことを特徴とする自動列車停止装置。
  2. 【請求項2】 信号機の現示に対応して発生される制限
    速度信号波を路線上の予め定められた地点から受信し、
    その制限速度信号波に対応づけられた制限速度値を越え
    ないように列車速度を制御する多周波変周式点制御方式
    の階段式連続制御方式ATS装置を備えた自動列車停止
    装置において、 路線上の特定の速度制限を必要とする区間の始点と終点
    とにそれぞれ1つの信号波を発生する手段、上記始点か
    らの信号波と上記制限速度信号波とを受信してそれらを
    組み合わせ、上記特定の速度制限を開始する信号波を発
    生する手段、および上記終点からの信号波と上記制限速
    度信号波とを受信して組み合わせ、上記特定の速度制限
    を終了させる信号波を発生する手段を備え、上記区間の
    み上記特定の制限速度信号を発生するようにしたことを
    特徴とする自動列車停止装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001292509A (ja) * 2000-04-06 2001-10-19 East Japan Railway Co 列車制御装置
JP2008086061A (ja) * 2006-09-26 2008-04-10 Toshiba Corp 列車速度検出装置

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