JPH06321099A - 行き止まり線過走防止装置 - Google Patents

行き止まり線過走防止装置

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JPH06321099A
JPH06321099A JP11300993A JP11300993A JPH06321099A JP H06321099 A JPH06321099 A JP H06321099A JP 11300993 A JP11300993 A JP 11300993A JP 11300993 A JP11300993 A JP 11300993A JP H06321099 A JPH06321099 A JP H06321099A
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ats
deceleration
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誠治 今井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 操縦ミスに起因した行き止まり線終端部への
衝突事故等を防止するため、行き止まり線終端部へ停止
する際の過走を防止する。 【構成】 軌道1の走行部分には、行き止まり線の開通
条件(他の列車等が存在しておらず、行き止まり線への
進入を許可する条件)が整ったときに、所定周波数の信
号を送出する2個のATS地上子7a、7bが列車進行
方向へ所定間隔Lで設置されている。一方、列車TR上
には、ATS車上子11と、ATS車上子11を介して
ATS地上子7a,7bからの信号を受信する受信部1
3と、受信間隔時間測定部15と、照査時間記憶部17
と、受信間隔時間tと照査時間Tとを比較して所定の条
件となった際に、自動的に図示しない非常ブレーキを作
動させると共に警報を発信させる制御部19とが設けら
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、行き止まり線終端部へ
停止する際に、過走して終端部に衝突してしまう等の事
故を未然に防止するための行き止まり線過走防止装置に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】行き止
まり線終端部への停止は、列車の運転士の注意力・判断
に基づく運転操縦によるところが大きく、この運転士の
注意力・判断は常にヒューマンエラーの要素を含んでい
る。そのため、速度を超過して行き止まり線を走行する
と、ブレーキをかけても終端部までに停止せず、終端部
へ衝突したり、脱線したりする重大な事故につながる。
【0003】そこで、操縦ミスに起因した行き止まり線
終端部への衝突・脱線事故等を防止するため、行き止ま
り線終端部へ停止する際の事故につながる過走を防止す
る行き止まり線過走防止装置を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた本発明の行き止まり線過走防止装置は、列
車が行き止まり線終端部へ停止する際に過走するのを防
止するための行き止まり線過走防止装置であって、行き
止まり線の軌道部分に、所定周波数の信号を送出する地
上子を列車進行方向に所定間隔で設置した組み合せを、
少なくとも一組設けると共に、車上には、上記所定間隔
で設置された地上子からの信号をそれぞれ受信し、上記
列車による両地上子間の走行時間に対応する受信間隔時
間を測定する受信間隔時間測定手段と、上記地上子の設
けられた地点における、上記行き止まり線終端部までに
停止可能な照査速度に対応する照査時間を予め記憶して
おく照査時間記憶手段と、上記受信間隔時間測定手段に
より測定された受信間隔時間を上記照査時間記憶手段に
記憶されている対応した照査時間と比較し、受信間隔時
間が照査時間以下の場合には、ブレーキ機構に対してブ
レーキ指令を出力するブレーキ指令出力手段とを備えた
ことを特徴とする。
【0005】
【作用】上記構成を有する本発明の行き止まり線過走防
止装置によれば、行き止まり線の軌道部分に、列車進行
方向に所定間隔で設置された地上子が所定周波数の信号
を送出しており、受信間隔時間測定手段が地上子からの
信号をそれぞれ受信し、列車による両地上子間の走行時
間に対応する受信間隔時間を測定する。
【0006】一方照査時間記憶手段は、地上子の設けら
れた地点における、行き止まり線終端部までに停止可能
な照査速度に対応する照査時間を予め記憶しており、ブ
レーキ指令出力手段が、受信間隔時間測定手段により測
定された受信間隔時間を照査時間記憶手段に記憶されて
いる対応した照査時間と比較し、受信間隔時間が照査時
間以下の場合には、ブレーキ機構に対してブレーキ指令
を出力する。
【0007】従って、受信間隔時間が照査時間以下の場
合、すなわち現在の列車速度のまま走行すると行き止ま
り線終端部への衝突あるいは脱線等の事故につながる状
態にのみブレーキ指令を出力し、強制的に列車を停止さ
せることによって事故を未然に防止し、一方、受信間隔
時間が照査時間より長い場合、すなわち列車速度が行き
止まり線終端部までに十分停止できる速度であればブレ
ーキ指令は出力せず、不要に運転能率を低下させたり、
不要な急ブレーキをかけて乗心地を悪化させたりするこ
とを防止する。
【0008】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1は、本発明の一実施例である行き止ま
り線過走防止装置の概略構成図である。行き止まり線の
軌道1の走行部分には、所定周波数(本実施例では10
8.5KHz)の信号を送出する2個のATS地上子7
a、7bが、行き止まり線終端部EPから所定距離の位
置において、列車進行方向へ所定間隔Lで設置されてい
る。この2個一組のATS地上子7a,7bは、必要に
応じて2組以上設けてもよい。図1には2組設けた状態
を示している。この過走防止用に設けられたATS地上
子7a,7bは、行き止まり線の開通条件(他の列車等
が存在しておらず、行き止まり線への進入を許可する条
件)が整ったときに、信号を発するように設定されてい
る。
【0009】一方、列車TR上には、ATS車上子11
と、ATS車上子11を介してATS地上子7a,7b
からの信号を受信する受信部13と、受信間隔時間測定
部15と、照査時間記憶部17と、受信間隔時間tと照
査時間Tとを比較して所定の条件となった際に、自動的
に図示しない非常ブレーキを作動させると共に警報を発
信させる制御部19とが設けられている。なお、通常の
減速・停止等は常用ブレーキ(図示せず)を用いて行
う。
【0010】受信間隔時間測定部15は、その受信した
信号に基づき、列車TRが一組の両地上子7a,7bの
間を走行するのに要した時間に対応する受信間隔時間t
を測定する。この受信間隔時間tがあまり短かすぎると
後述する照査時間Tとの比較が正確にできなくなるの
で、受信間隔時間tが比較に適するように、走行する列
車TRに関する種々の状況(例えば最高速度やその地点
における通常の走行速度等)に応じてATS地上子7
a、7bの所定間隔Lが適宜設定されている。
【0011】この所定間隔Lは、ATS地上子7a、7
bが設けられている位置によって適宜変化させてもよ
い。所定間隔Lについては後述する。また、照査時間記
憶部17には、地上子7a,7bの設けられた地点にお
ける所定の照査速度Vに対応する照査時間Tが予め記憶
されている。この照査時間Tは照査速度Vに対応してい
るので照査速度Vについて説明する。
【0012】図1に示すように、行き止まり線終端部E
Pに応じて列車TRの停止位置SPが設定されている。
この停止位置SPは終端部EPから所定の余裕をもって
停止する位置である。そしてこの停止位置SPに対し
て、運転操縦上許容し得る最大減速時の速度曲線(以下
第1減速曲線という)C1が存在する。この第1減速曲
線C1は常用ブレーキを用いて停止する場合である。ま
た、通常この停止位置SPは、停止しなければならない
限界位置CP(終端部EPに非常に近接した位置)から
は所定距離手前側に設定されている。そして、非常ブレ
ーキを用いた場合の、この限界位置CPに停止可能な速
度曲線(以下第2減速曲線という)C2が存在する。
【0013】なお、これら第1及び第2減速曲線C1,
C2は共に、列車TRの常用ブレーキあるいは非常ブレ
ーキの性能、空走時間、ATS地上子7a,7bの設置
箇所の軌道勾配条件等によって決まる。例えば、同じブ
レーキ性能であっても軌道1が上り勾配であれば減速度
合が急になるし、逆に下り勾配であれば減速度合が緩く
なる。すなわち、上り勾配であれば停止するまでの距離
が相対的に短くなり、下り勾配であれば逆に長くなって
しまう。このように、種々の条件によって、列車TR毎
に、あるいは同じ列車TRであっても周囲の条件によっ
て上記第1及び第2減速曲線C1,C2は変化するもの
である。
【0014】列車速度が停止位置SPまでに十分停止で
きる速度であれば、むやみに非常ブレーキを作動させて
しまうことは不要に運転能率を低下させることになり、
また不要な急ブレーキによって乗心地を悪化させたりす
ることになるので、本実施例の過走防止装置では、列車
TRの速度がある所定の速度よりも高速であるときのみ
非常ブレーキを作動させる方式を採用している。そし
て、この所定の速度が照査速度Vである。この照査速度
Vは、上記第1減速曲線C1と第2減速曲線C2とに基
づいて、ATS地上子7a,7bの位置に応じて設定さ
れる。
【0015】従って、照査時間Tは上記照査速度VとA
TS地上子7a、7bの間隔Lにより、T=L/Vとし
て定まり、この照査時間Tが照査時間記憶部17に記憶
されている。なお、本実施例では、この照査時間TはA
TS地上子7a,7bの設けられた位置に関係なく一定
値となるように設定されている。すなわち、照査速度V
はATS地上子7a,7bの位置によって異なるため、
照査速度Vが高い位置のATS地上子7a,7bの間隔
Lは大きくし、照査速度Vが低い位置のATS地上子7
a,7bの間隔Lは小さくして、照査速度Vが一定とな
るようにしてある。図1の場合は2箇所にATS地上子
7a、7bが設けられており、行き止まり線終端部EP
に近いほど通常は低速になると考えられるので、終端部
EPに近い側のATS地上子7a、7bの間隔Lは遠い
側の間隔Lよりも短くして、それぞれのATS地上子7
a、7bが設けられている位置に対応する照査時間Tが
等しくれている。その一定値である照査時間Tが、照査
時間記憶部17に記憶されているのである。
【0016】なお、図1において、第1減速曲線C1と
第2減速曲線C2との間の領域S2は、速度超過であっ
ても非常ブレーキにより限界位置CPまでに停止可能な
領域である。また、領域S1は所定の停止位置SPに停
止予定(停止可能)の領域、領域S3は速度超過して限
界位置CPを越えてしまい、終端部EPに衝突する等の
事故に至る恐れのある領域である。
【0017】次に、上記構成を有する本実施例の過走防
止装置の作動について図2のフローチャートを参照して
説明する。図2に示す本過走防止処理は、行き止まり線
への進入が許可され、終端部EPへの停止命令を車上の
制御部19が受信すると開始される。この停止命令は図
示しない地上装置から送信される。例えば、行き止まり
線に他の列車TRが存在するために行き止まり線へ入る
前で停止している場合には、その停止信号が解除されて
から、行き止まり線への進入が許可されると共に終端部
EPへの停止命令が出される。この停止命令を受信した
際に処理が開始する。また、他の列車TRも存在せず、
一旦停止しないで行き止まり線へ入っていく場合には、
終端部EPから所定位置に列車TRがさしかかった際、
上記終端部EPへの停止命令が出される。
【0018】なお、この終端部EPへの停止命令と同時
に、地上装置からはATS地上子7a,7bに対して送
信を実行させる命令が出される。このようにして、行き
止まり線に列車TRが進入する場合には、必ず以下の処
理が実行されるのである。まず、ATS車上子11を介
してATS地上子7a,7bからの信号を受信して(ス
テップ100。以下ステップをSで示す。)、その受信
信号に基づいて受信間隔時間tを算出する(S11
0)。続いて、照査時間記憶部17より対応する照査時
間Tを読み出し(S120)、受信間隔時間tが照査時
間T以下であるか否かを判断する(S130)。
【0019】そして、t≦Tの場合(S130:YE
S)、図示しない非常ブレーキを作動させ(S14
0)、さらに警報を発信させて(S140)、本処理を
一旦終了しする。一方、t>Tの場合(S130:N
O)、S140及びS150の処理を行うことなく本処
理を一旦終了し、元に戻る。本実施例ではATS地上子
7a,7bが2組あるので、終端部EPに到達するまで
に必ず上記一連の処理が2回繰り返される。
【0020】過走防止に関する制御処理は上記のように
実行されるのであるが、より明確にするために、列車T
Rの走行状況に沿った作動の具体例を図1を参照して説
明する。図1に示すように、終端部EPへの停止命令を
受信したとき停止位置SPまでに地上子7a,7bが2
組ある。
【0021】図1中に点線で示すように列車TRが走行
しており、終端部EPへの停止命令を受信しても運転士
が気付かずに減速しないで進行(冒進)していった場合
(点線の直線部分)でも、手前(終端部EPから見ると
遠い側)の地上子7a,7bにおける第1照査ポイント
においては、列車速度は領域S1内なので、図2のS1
10の処理において算出された受信間隔時間tは、S1
20で読みだされた照査時間Tよりも長くなる。従っ
て、t>Tとなり(S130:NO)、S140の処理
を行わないので、列車TRはそのままの速度で進行す
る。
【0022】しかし、次の地上子7a,7bにおける第
2照査ポイントにおいては、列車速度は領域S2内なの
で、図2のS120の処理において算出された受信間隔
時間tは、S130で読みだされた照査時間T以下とな
る。従って、t≦Tで(S130:YES)、S140
の処理が行われて非常ブレーキが作動し、図1中に点線
の曲線部分で示すように減速されていき、限界位置CP
の手前で停止する。
【0023】このように、照査ポイントを複数にしてお
くと、冒進に対してより多くの判断機会を持つことがで
きるので、安全性の向上の点では好ましい。なお、第1
照査ポイントでt≦Tの場合は(S130:YES)、
当然、S140の処理が行われて非常ブレーキが作動
し、限界位置CPの手前で停止する。
【0024】また、運転士が通常ブレーキを作動させて
正しく減速させる等して、実際の列車TRの減速曲線が
領域S1内である場合には、第1及び第2照査ポイント
における2回の判断において両方ともt>Tの場合は
(S130:NO)、非常ブレーキは作用せず、スムー
ズに停止することとなる。このように、停止位置SPま
でに十分停止できる速度であれば非常ブレーキを作動さ
せないので、不要に運転能率を低下させず、また不要な
急ブレーキによって乗心地を悪化させることもない。
【0025】上述したように、本実施例の過走防止装置
によれば、終端部EPへの停止命令を受信したとき、受
信間隔時間tが照査時間T以下の場合(S130:YE
S)、すなわち現在の列車速度のまま走行すると限界位
置CPを越えてしまい、終端部EPへの列車衝突等の大
事故につながる状態にのみブレーキ指令を出力し(S1
40)、一方、受信間隔時間tが照査時間Tより長い場
合(S130:NO)、すなわち列車速度が停止位置S
Pまでに十分停止できる速度であればブレーキ指令は出
力せず、不要に運転能率を低下させたり、急ブレーキで
乗心地を悪化させたりすることを防止する。
【0026】そして、同一の行き止まり線を走行する列
車TR毎のブレーキ性能や空走時間が異なっていても、
その状況に応じた第1及び第2減速曲線C1,C2が決
まり、これに基づいて照査速度Vが設定され、その照査
速度Vを用いて照査時間Tが決まるため、それらの差異
に簡単に対応可能である。なお、本実施例では、上述し
たように、ATS地上子7a,7bの設けられた位置に
おける照査速度Vの高低をATS地上子7a,7bの間
隔Lを調整することにより、照査速度Vが一定となるよ
うにしてある。従って、照査時間記憶部17は、ATS
地上子7a、7bの位置毎に照査速度Vを記憶しておく
必要がなく、ATS地上子7a、7bが複数箇所に設置
されていても、一定値を記憶しておくだけでよい。ま
た、図3中のS120の処理においても、ATS地上子
7a、7bが設けられている位置に関係なく単に照査時
間Tを読み出してくるだけでよい。
【0027】また、列車速度の測定において従来周知で
ある速度発電機、及びその速度発電機から速度を測定す
るための複雑かつ多くの構成部品は必要とせず、簡易な
構成でよい。次に、上述した行き止まり線過走防止装置
の設計に関し、特に減速曲線及びそれに基づく照査速度
の設定や地上子の設置箇所等に関して、より具体的な説
明を以下に行う。 [A]…車両の性能別分類 行き止まり線過走防止装置の設計に用いる各設計諸元
は、車両の加速度、減速度が中心となるが、対象車両が
多岐にわたり、これらの数値の格差が大きいことから、
対象車両をグループ毎に分類して各設計諸元を定める。
【0028】(1)分類の前提条件 車両の減速性能は、車両の固有性能の他ブレーキ初速
度、勾配等によって変化するが、本行き止まり線過走防
止装置の設置箇所は不特定であるので、以下の前提条件
により性能別分類を行う。
【0029】・車両性能 …速度50km/hから停止
するまでの非常ブレーキ実減速度 ・勾配 …レベル(0/1000) ・ブレーキ初速度…50km/h(対象となる速度域が50
km/h以下のため) ・減速終了速度 …0km/h ・空走時間 …電車は1.3秒、気動車は2.3秒 ・分類種別 …形式・乗車率(0,100,200 %)別 (2)分類方法 車両形式毎の最低値である平均減速度(以下、分類用非
常ブレーキ減速度「β00」という。)と、異形式車両の
編成条件等を考慮して、「車両のグループ別分類」を行
う。車両形式毎の分類用非常ブレーキ減速度β00は、形
式・乗車率(0,100,200 %)別の非常ブレーキ実減速度
(速度50km/hから停止するまでの非常ブレーキ実減速
度)β0 を基に、空走を含んだレベル(0/1000)におけ
る分類用非常ブレーキ減速度β00を求め、車両形式毎の
最低値を採用する。
【0030】編成条件は、異常時対応を除き、運用上考
えられる異形式車両の編成組み合せに基づいて、その編
成における、ブレーキ性能の劣る側の「車両のグループ
別分類」に分類する。例えばその分類結果の一例を挙げ
ると、所定の計算式により、 [分類 i] 2.8km/h/s≦β00 [分類 ii] 2.3km/h/s≦β00<2.8km/h/s [分類iii] β00<2.3km/h/s の3つに分類され、その分類に係る車両の一例は以下の
表1のようになる。
【0031】
【表1】
【0032】[B]…設計諸元 (1)車上子及び地上子 ATS車上子及び地上子に関する所定の関係心得や指針
等の定めによる他、車両のグループ別に「タイマ設定
値」を定める。例えば、500msecを基準とし、50ms
ec単位で可変とする等、一定の法則に従って変化させ
る。また、車上子の設置箇所は、先頭車両より7m以内
の位置への設置を原則とする。
【0033】(2)設計用非常ブレーキ平均減速度 形式・乗車率(0,100,200 %)別の非常ブレーキ実減速
度β0 、空走時間、ATS地上子設置箇所の勾配条件、
及びその他の設備条件等に基づき、「車両のグループ別
分類」毎に各速度からの非常ブレーキ平均減速度(設計
用非常ブレーキ平均減速度「β」)を求める。また、
「タイマ設定値」の比率関係から、1グループの設計用
非常ブレーキ平均減速度βを設定すると必然的に他グル
ープの値も決定されるため、全てのグループが平均減速
度を満足するよう、グループ相互に設計用非常ブレーキ
平均減速度βを調整する必要がある。 (3)運転士の最大常用ブレーキ減速度 車両のブループ別分類内で最も高いランカーブ上の数値
を基準とし、これに列車停止位置目標の設置位置など地
理的条件を加味したものを「運転士の最大常用ブレーキ
減速度」(正常運転として許容し得る最大のブレーキ減
速度)として採用する。その際、「タイマ設定値」の比
率の関係から、1グループの値を設定すると他グループ
の値も必然的に決定することとなるため、全てのグルー
プにおいて「運転士の最大常用ブレーキ減速度」を満足
するよう各グループ相互に「運転士の最大常用ブレーキ
減速度」を調整する必要がある。また、「運転士の最大
常用ブレーキ減速度」はATS地上子設置箇所毎に設定
することを原則とする。 [C]…行き止まり線過走防止装置の設計方法 (1)前提条件 (ア)いわゆるATS−ST形の速度照査機能を用い
て、速度超過により事故に至る恐れのある列車か否かを
判定し、速度超過により事故に至る恐れのある列車につ
いては非常ブレーキを作用させて原則的に車止めなどの
停止限界までに停止させる。また、所定停止位置に停車
すべく、所定の進入速度以下で運転している列車には非
常ブレーキは作用させない。
【0034】(イ)本設計の防護範囲は、場内信号機に
対する速度超過判定、及び場内信号機の支持速度以下で
行き止まり線に進入中の列車の速度超過判定とする。 (ロ)対象車両の性能が多岐にわたることから、「車両
のグループ別分類」毎に車両を分類して設計を進める。
但し、減速度が異なるのみでATS地上子設置箇所は同
一である。
【0035】(ハ)標準的な車両の「タイマ設定値」を
500msecとして、「車両のグループ別分類」毎に減速
性能に劣る車両グループは50msec単位で増加させ、減
速性能に優る車両グループは50msec単位で減少させ
る。 (ニ)「設計用非常ブレーキ平均減速度」等、本設計に
用いるデータは上記設計諸元による。なお、上記設計諸
元に基づき、各速度照査点は速度50km/hからの連続し
た減速曲線上とするが、地理的条件などによりATS地
上子の設置が困難な場合は、以下によることができる。
【0036】・駅間到達時間・運転操縦に影響しない範
囲で、新たに速度制限を付す。 ・ATS地上子の設置位置を変更し、個々の照査速度を
オーバーラップさせる。 この際、照査速度は連続とし、速度照査に抜けがないこ
とを原則とする。
【0037】・上記によれない場合は、使用実態に合わ
せて最も効果的な箇所に設置する。 (2)設計方法 「所定速度以下の列車には作用せず、かつ速度超過列車
を停止限界までに停止させる」ことから、「設計用非常
ブレーキ平均減速度」及び「運転士の最大常用ブレーキ
減速度」の間に、照査速度の漏れがないよう速度照査の
壁を設ける。また、照査対象列車の速度は一定速度とす
る。
【0038】なお、設計に用いる各諸元は、「タイマ設
定値」の比率関係により、どの「車両のグループ別分
類」のデータを用いても同一のATS地上子設置箇所が
得られる。しかしながら、ここでは、車両性能及び運転
士による操縦の許容範囲において最も設計上の制約を受
ける、ブレーキ性能に劣る「車両のグループ別分類」の
データを基本として設計を進めることとする。
【0039】図3の作図例を参照しながら以下に設計手
順を示す。 (ア)横軸を「距離」、縦軸を「速度」として、対象と
なる行き止まり線の図を描く。 (イ)車止め等の停止限界から6.75m内方(ATS
車上子の位置が列車の先頭位置より7m以下内方である
ことと、地上子応動距離のため)の位置を起点に、場内
信号機100側へ「設計用非常ブレーキ平均減速度」の
曲線(本曲線が図1における曲線C2に該当する。)を
描く。
【0040】(ウ)上記設計諸元及び設計対象駅におけ
る運転操縦実態などを勘案の上、停止限界に最も近い列
車停止位置目標、その他の列車停止位置目標より、「運
転士の最大常用ブレーキ減速度」の曲線(本曲線が図1
における曲線C2に該当する。)を描く。なお、列車停
止位置目標の位置により、複合曲線を使用する。例えば
図3に示すように、2.0km/h/s(実線)及び2.3km
/h/s(破線)の複合曲線等である。
【0041】(エ)停止限界に最も近い列車停止位置目
標の内方に絶対停止地上子101(123KHz)を描
き、横軸の垂線と上記「設計用非常ブレーキ平均減速
度」曲線との交点P1を求め、その交点P1から「運転
士の最大常用ブレーキ減速度」曲線へ向けて水平線を引
く。この水平線と「運転士の最大常用ブレーキ減速度」
曲線の交点が第1速度照査点SCP1となる。
【0042】(オ)次に、第1速度照査点SCP1より
横軸の垂線と「設計用非常ブレーキ平均減速度」曲線と
の交点P2を求め、その交点P2から「運転士の最大常
用ブレーキ減速度」曲線へ向けて水平線を引く。この水
平線と「運転士の最大常用ブレーキ減速度」曲線の交点
が第2速度照査点SCP2となる。
【0043】(カ)以下、場内信号機100の指示速度
以上になるまで、上記(オ)を繰り返す。そして、基本
的には第1〜第4速度照査点SCP1〜SCP4に対応
する位置が、2個1組のATS地上子111〜114
(108.5KHz)の配置箇所となる。
【0044】(キ)場内信号機100の指示速度超過に
対するATS地上子の設置位置は、その線区を運転する
最高速度から停止限界までに停止可能な位置とする。な
お、その際分岐器が存在する箇所については、併せて分
岐器制限速度に対する速度照査も考慮する。
【0045】(ク)上記(ア)〜(キ)により作成した
図面は理論上の設計であることから、さらにATS地上
子の設置箇所など工事上の条件、別に設けた速度制限条
件などを加味して、上述したATS地上子101,11
1〜114の設置箇所を整える。なお、別に制限速度を
設けた場合には、制限速度箇所にその制限速度のATS
地上子を設置し、そのATS地上子による防護範囲に該
当するATS地上子を省略する。
【0046】以上本発明はこの様な実施例に何等限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲にお
いて種々なる態様で実施し得る。例えば、上記実施例で
は終端部EPが壁上になっており、衝突する可能性があ
るような例として示したが、壁等ではなくても、レール
が無くなるような場合にはそのまま脱線してしまうの
で、例えば操車場等でも同様の効果を奏する。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の過走防止
装置によれば、停止信号を受信したとき、受信間隔時間
が照査時間以下の場合、すなわち現在の列車速度のまま
走行すると行き止まり線終端部への衝突あるいは脱線等
の事故につながる状態にのみブレーキ指令を出力してお
り、不要に運転能率を低下させることなく、操縦ミスに
起因した行き止まり線終端部への衝突・脱線事故等を防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の過走防止装置の一実施例を示す概略構
成図である。
【図2】本実施例の作動を示すフローチャートである。
【図3】本過走防止装置の設計方法の一例にかかる作図
例を示す図である。
【符号の説明】
C1…第1減速曲線、 C2…第2減速曲線、
CP…限界位置、EP…終端部、 SP…停止位
置、 TR…列車、 1…軌道、7a,7b…A
TS地上子、 11…ATS車上子、 13…受信
部、15…受信間隔時間測定部、 17…照査時間記
憶部、 19…制御部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 列車が行き止まり線終端部へ停止する際
    に過走するのを防止するための行き止まり線過走防止装
    置であって、 行き止まり線の軌道部分に、所定周波数の信号を送出す
    る地上子を列車進行方向へ所定間隔で設置した組み合せ
    を、少なくとも一組設けると共に、 車上には、 上記所定間隔で設置された地上子からの信号をそれぞれ
    受信し、上記列車による両地上子間の走行時間に対応す
    る受信間隔時間を測定する受信間隔時間測定手段と、 上記地上子の設けられた地点における、上記行き止まり
    線終端部までに停止可能な照査速度に対応する照査時間
    を予め記憶しておく照査時間記憶手段と、 上記受信間隔時間測定手段により測定された受信間隔時
    間を上記照査時間記憶手段に記憶されている対応した照
    査時間と比較し、受信間隔時間が照査時間以下の場合に
    は、ブレーキ機構に対してブレーキ指令を出力するブレ
    ーキ指令出力手段と、 を備えたことを特徴とする自動列車停止装置。
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