JP2014210570A - 車両衝突警告システム - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、製鉄所では、高炉から出銑した溶銑を転炉まで搬送するための軌道が敷地内に敷設されており、その軌道上を溶銑容器である混銑車(トピードカー)が走行している。混銑車は、高炉において溶銑を装入され、その後、装入された溶銑を転炉設備に移送するものとなっている。
混銑車は、自走できないため、機関車に連結されている。この機関車は、混銑車を牽引したり、混銑車を押したりして走行している。これら混銑車と機関車とが連結された車両には、運転オペレータが当該車両の先頭に乗車しており、この運転オペレータが車両を運転(操作)することで、混銑車を所定の場所に移動させている。加えて、製鉄所の敷地内に設けられた管制室には、軌道上の車両(混銑車)の配車を指示する管制オペレータが存在する。この管制オペレータは、効率的な混銑車の配備、運行指示の指令を出す。
車両同士の衝突を防ぐ技術としては、特許文献1に開示された旅客鉄道車両向けの技術が存在する。
すなわち、特許文献2には、単線列車軌道上の列車間の衝突を防止する簡易列車衝突防止システムであって、少なくともGPS(Global PositioningSystem)からの信号に基づいて自列車の位置情報を取得する機能及び自立走行機構による移動距離に基づいて前記自列車の位置情報を取得する機能を持つカーナビゲーションと、MCA(Multi−Channel Access)を用いて前記カーナビゲーション
で取得した前記自列車の位置情報を少なくとも前後に位置する列車に通知する通信手段とを前記列車各々に有する技術が開示されている。
このような不都合を回避するために、特許文献1及び特許文献2の技術を適用することも考えられる。しかしながら、特許文献1は、旅客鉄道用向けの技術を開示するものであって、実現のためには、軌道上に複数敷設する信号標識や多くの車両情報を処理する大型のコンピュータなどの装置が必要であるばかりか、これらの装置は大規模であり導入に多く費用が掛かる。すなわち、製鉄所などの工場内敷地の軌道上を移動する混銑車に適用することができないという問題があった。
本発明の車両衝突警告システムは、工場内に敷設された軌道上を走行する第1の車両と第2の車両とが衝突する可能性を運行に携わるオペレータへ警告する車両衝突警告システムであって、前記車両衝突警告システムは、複数のメッシュに分割された軌道上において、前記2点のメッシュ間の距離が予め記録された「軌道情報D」と、前記軌道上を走行する車両に関する情報が予め記録された「車両情報」とを備えていて、前記軌道上を走行する第1の車両及び前記第2の車両の位置を示す「車両位置情報」を求める「車両位置情報検出手段」と、前記「車両位置情報検出手段」が算出した「車両位置情報」と「軌道情報D」と「車両情報」とを基に、前記第1の車両と前記第2の車両とが衝突する可能性を判定する「衝突判定手段」と、前記「衝突判定手段」が算出した車両衝突の可能性を、運行
に携わるオペレータに警告として通達する「通達手段」と、を有することを特徴とする。
好ましくは、前記車両位置情報検出手段は、前記車両に備えられたGPS及び/又はRFIDを用いて当該車両の位置を検出するように構成されているとよい。
好ましくは、前記衝突判定手段は、前記軌道情報Dと車両位置情報とから得られた前記第1の車両と第2の車両との間の距離が、前記第1の車両の車両情報に含まれる「車両に関する距離」と、前記第2の車両の車両情報に含まれる「車両に関する距離」と、を足し合わせた距離以下の場合に、「正面衝突の可能性あり」と判定するとよい。
好ましくは、前記工場は製鉄所であって、前記車両は混銑車と当該混銑車に連結されている機関車であり、前記車両の車両情報は、前記機関車と当該機関車に連結されている混
銑車とを含む車両の全長であるとよい。
[第1実施形態]
本発明の車両衝突警告システム1は、工場内の線路などの軌道R上において様々な原料や製品を搬送するに際し、その搬送中の搬送用車両同士の衝突を未然に防ぐ作業を支援するものである。
図1に示すように、混銑車3は、高炉5から出た精錬処理前の溶銑を転炉設備6まで運搬する運搬車であり、予め敷設された線路によって構成される軌道R上を移動することで溶銑を搬送する。混銑車3は、まず高炉5で溶銑を受銑する。その後、混銑車3は除滓棟に移動して、溶銑上のスラグが取り除かれる。除滓後に、混銑車3は転炉設備6まで移動して、溶銑を取鍋に装入する。
製鉄所の敷地内に敷設された軌道Rは、旅客鉄道用車両が走行できる線路とほぼ同じ構成であり、左右一対のレールを備えている。この軌道Rは、分岐点P(ポイント)を介して複数連結され、高炉5、予備精錬設備、転炉設備6などを結んでいる。各設備間を結んだ複数の軌道Rは、複雑に入り組んで敷設されている。軌道R上のポイントの切り替えによって、混銑車3が各設備に向かって走行できるようになっている。
図2に示すように、本実施形態に係る車両衝突警告システム1は、管制室7内に設置されたコンピュータ8(サーバ)と、このコンピュータ8で算出された「車両衝突の可能性」を表示する表示器14(表示モニタ)が備えられている。
図2に示すように、表示モニタ14には、製鉄所内の軌道路線図(例えば、図4に示すような図)が表示されている。その軌道路線図には、軌道R上の全てのポイント(分岐点)と、そのポイントPの間の軌道Rとが表示されている。また、軌道R上を複数に分割したメッシュMも軌道路線図に表示されている。
全)させるとよい。表示モニタ14による表示と併せて、ブザーなどの警告器による音での通達や、警告灯による光での通達を行うとよい。音、光による通達だけでもよい。
次に、車両位置情報検出手段9で算出された「車両位置情報」と、予めコンピュータ8内に記憶された「軌道情報D」及び「車両情報」とを基に、衝突判定手段10において、軌道R上を移動する第1の車両4aと第2の車両4bとが衝突する可能性を判定する。なお、「軌道情報D」は、複数のメッシュMに分割された軌道R上において、2点のメッシュM間の距離がオフラインで計算され記録されたものであり、「車両情報」は、軌道R上を走行する車両に関する情報が予め記録されたものである(詳細は後述)。
表示モニタ14や運行支援モニタ15を運転オペレータMA、MBが目視することで、仮に、運転オペレータMA、MBが経験の浅いものであったとしても、軌道R上における車両4の位置の把握、衝突の可能性を的確に判断でき、運転オペレータMA、MBに事故回避の通達を的確に指示できるようになる。
まず、車両が走行する軌道に関する情報である「軌道情報D」について、詳細に説明する。
図3には、製鉄所敷地内の一部の軌道Rを模式的に表現した軌道路線図が示されている。この軌道路線図は、管制室7内の表示モニタ14や車両4内に配備された運行支援モニタ15に表示されるものである。
本実施形態の場合、ポイントはP1、P2・・・と表示され、ゾーンはZ(1)、Z(2)・・・と表示されている。また、車両4はV1、V2と表示されている。また、ポイントPの名称やゾーンZの名称も表示され、加えて、運行中の車両4の位置も四角印で示されるようになっている。なお、紙面の右側を軌道Rの上り線とし、左側を軌道Rの下り線とする。
図4には、複数のメッシュMに分割された軌道R上において、2点のメッシュM間の軌道Rの距離が予め記録された(オフラインで求められた)「軌道情報D」が示されている。例えば、軌道R上のメッシュM(9)とメッシュM(6)との距離が、24メッシュ(240m)である場合、図4中のメッシュM(9)とメッシュM(6)とが交差する欄に「24」と記す。このように、「軌道情報D」には、2点のメッシュM間の距離が複数記されるようになっている。このような「軌道情報D」は、進行方向で車両4が通過可能な場合と通過不可能の場合があるため、オフラインで進行方向が上りである場合と進行方向が下りである場合とに分けて作成されている。
次に、車両4に関しての「車両情報」について、詳細に説明する。
「車両情報」は、車両4の全長、車両4の制動距離、車両4の重量(溶銑の有無)など車両4に関する情報のうち、少なくとも一つ以上を有するものである。
離を50mとする。なお、天候・温度などの気象条件によって、機関車2のブレーキ制動距離は変動するものとする。例えば、雨天時の場合、機関車2のブレーキ制動距離を80mとする。
また、図5(a)の機関車2のブレーキ制動距離が、晴天時の場合50m、雨天時の場合、80mであるとすると、図5(a)の車両4は、「車両情報」として、5メッシュ乃至は8メッシュといった情報を保有することとなる。
つまり、図5(a)のような車両4の正面衝突の危険性を考える場合、車両4の位置だけでなく、機関車2のブレーキ制動距離の5メッシュ、8メッシュを合わせて考慮する必要がある。また、図5(a)のような車両4の背面衝突(追突)の危険性を考える場合、車両4の位置だけでなく、車両4の長さである6メッシュ乃至は7メッシュを考える必要がある。より安全を期すれば、機関車2のブレーキ制動距離の5メッシュ、8メッシュも同時に考慮する必要がある。
また、図5(b)の車両4のブレーキ制動距離が50m(晴天時)であるとすると、図5(b)の車両4は、「車両情報」として、ブレーキ制動距離の5メッシュに混銑車3の長さである3メッシュ乃至は4メッシュを足し合わせた8メッシュ乃至は9メッシュといった情報を保有することとなる。
ここで、図5(b)のような車両4の正面衝突の危険性を考える場合、車両4の位置だけでなく、機関車2のブレーキ制動距離の5メッシュ、8メッシュと、混銑車3の長さである3メッシュ乃至は4メッシュを合わせて考慮する必要がある。また、図5(b)のような車両4の背面衝突(追突)の危険性を考える場合、車両4の位置だけ考慮する必要がある。なお、図5(b)のような車両4の場合、運行オペレータMBが先頭の混銑車3に乗車することがある。そのとき、運行オペレータMBは、遠隔操作で機関車2を運転するようになっている。
次に、軌道R上を走行する車両4の位置を示す「車両位置情報」について、詳細に説明する。
図3には、軌道路線図において、軌道R上を第1の車両4a及び第2の車両4bがゾーンを走行中であることが「車両位置情報」として示されている。
度の情報は、無線通信手段を用いて管制室7に設けられたコンピュータ8に転送され、記憶手段12に記憶される。
以上得られた、「車両位置情報」が表示モニタ14の軌道路線図上に表示されると、それを見た管制室7の管制オペレータMAは、軌道R上を走行する車両4に対して、的確な運行指示(配車指示)を運行オペレータMBに行うことができる。
衝突判定手段10は、予め記録された「軌道情報D」と、車両位置情報検出手段9で検出された「車両位置情報」と、から得られた第1の車両4aと第2の車両4bとの間の距離が、第1の車両4aの「車両情報」に含まれる「車両に関する距離」と、第2の車両4bの「車両情報」に含まれる「車両に関する距離」と、を足し合わせた距離以下の場合に、「車両衝突の可能性あり」と判定するものである。
[事例1−1]
図3には、軌道路線図において、2台の車両4a、車両4bがゾーンを走行中であることが示されており、図6には、軌道R上を走行する車両4同士が正面衝突する可能性を模式的に示されている。
図6(a)に示すように、予め記憶手段12に記録された「軌道情報D」と、車両位置情報検出手段9で検出された(リアルタイムで求められた)「車両位置情報」と、から得られた第1の車両4a(メッシュM(9))と第2の車両4b(メッシュM(6))との間の距離が24メッシュであり、第1の車両4aの「車両情報」(晴天時・正面衝突の場合、ブレーキ制動距離=5メッシュ)と第2の車両4bの「車両情報」(晴天時・正面衝突の場合、ブレーキ制動距離=5メッシュ)とを足し合わせた距離(10メッシュ)であ
る。この場合、2点のメッシュ間の距離が、2台の車両4a、車両4bの「車両情報」を足し合わせた距離以上であることがわかる(24メッシュ>10メッシュ)。つまり、2台の車両4a、車両4bは、遠く離れた位置にあることを示し、言い換えれば、車両4同士の正面衝突の可能性が低いことがわかる(衝突なし)。
次に、第1の車両4a及び、第2の車両4bがこのまま前方に進行すると、第1の車両4a及び第2の車両4bはゾーンZ(3)に進入することを考える。例えば、第1の車両4aがゾーンZ(3)上のメッシュM(11)に到達し(上り線方向)、第2の車両4bがゾーンZ(19)上のメッシュM(2)に到達する(下り線方向)場合を考える。
図3、図6(b)に示すように、予め記憶手段12に記録された「軌道情報」と車両位置情報検出手段9で検出された(リアルタイムで求められた)「車両位置情報」と、から得られた第1の車両4a(メッシュM(11))と第2の車両4b(メッシュM(2))との間の距離が9メッシュであり、第1の車両4aの「車両情報」(晴天時・正面衝突の場合、ブレーキ制動距離=5メッシュ)と第2の車両4bの「車両情報」(晴天時・正面衝突の場合、ブレーキ制動距離=5メッシュ)とを足し合わせた距離(10メッシュ)である。この場合、2点のメッシュM間の距離が、2台の車両4a、車両4bの「車両情報」を足し合わせた距離以下であることがわかる(9メッシュ<10メッシュ)。つまり、2台の車両4a、車両4bがゾーンZ(3)に進入すると、車両4同士の正面衝突の可能性があることがわかる。
[事例1−2]
次に、車両4が図5(b)のように連結されている場合における車両4同士の背面衝突、すなわち追突について、説明する。
道情報D」と、同様に予め記憶手段12に記録された第1の車両4a及び第2の車両4bの「車両情報」と、リアルタイムで検出した軌道R上を走行する第1の車両4a及び第2の車両4bの「車両位置情報」とを基に、軌道R上を走行する第1の車両4aと第2の車両4bとが背面衝突(追突)する可能性を判定する。
まず、予め記録された「軌道情報D」により、メッシュM(9)とメッシュM(11)との間の距離が9メッシュ(90m)であることがわかる。また、その「軌道情報D」から、第1の車両4aが通過するポイントP5には、ゾーンZ(2)、ゾーンZ(3)、ゾーンZ(4)の3つのゾーンが接続され、第2の車両4bが通過するポイントP9には、ゾーンZ(3)、ゾーンZ(18)の2つのゾーンが接続されていることがわかる。
図3に示すように、予め記憶手段12に記録された「軌道情報D」と、車両位置情報検出手段9で検出された(リアルタイムで求められた)「車両位置情報」と、から得られた第1の車両4a(メッシュM(9))と第2の車両4b(メッシュM(12))との間の距離が7メッシュであり、第1の車両4aの「車両情報」(晴天時・背面衝突の場合、ブレーキ制動距離+1台の混銑車3の長さ=5メッシュ+3メッシュ=8メッシュ)と第2の車両4bの「車両情報」(晴天時・背面衝突の場合、同方向に向けて走行しているため、0メッシュ)とを足し合わせた距離(8メッシュ)である。この場合、2点のメッシュ間の距離が、2台の車両4a、車両4bの「車両情報」を足し合わせた距離以下であることがわかる(7メッシュ<8メッシュ)。つまり、第1の車両4aがゾーンZ(3)上において、第2の車両4bに背面衝突(追突)する可能性があることがわかる。
なお、雨天時の追突の場合、機関車2のブレーキ制動距離は、80mであって、8メッシュとするとよい。これにより、雨天時の車両4の追突の可能性を確実に検知することが可能となる。
[事例2]
次に、ゾーンを走行している第1の車両4aに対して、別のゾーンの第2の車両4bが合流して衝突する可能性、すなわち、第1の車両4aの側方に対して第2の車両4bが斜め方向から衝突する(以下、「斜め衝突」と呼ぶ。)可能性ついて、説明する。
すなわち、図7には、図3に示されている複数のメッシュMに分割された軌道路線図において、一のメッシュMと他のメッシュMとの間に存在するポイントP(分岐点)から当該一のメッシュ及び他のメッシュまでの距離である分岐点距離が予め記録された(オフラインで求められた)「軌道情報D」が示されている。つまり、「斜め衝突」に関する「軌道情報D」は、一のメッシュMと当該一のメッシュMに近接するポイントP(分岐点)の間の距離である分岐点距離が予め記録されている。
次に、軌道R上を走行する車両4の位置を示す「車両位置情報」について、詳細に説明する。
図3に示すような軌道路線図には、軌道R上を第1の車両4a及び第2の車両4bがゾーンを走行中であることがリアルタイムで検出された(オンラインで求められた)「車両位置情報」が示されている。
例えば、図8において、第1の車両4a(V1)はゾーンZ(11)上をポイントP8へ向けて走行しており、第2の車両4b(V2)はゾーンZ(10)上をポイントP8へ向けて走行している。これら第1の車両4a、第1の車両4bの走行状況を表示するにあたっては、第1の車両4a、第1の車両4bには、GPS及び/又はRFIDタグを利用した測位検出装置13が搭載され、第1の車両4a、第1の車両4bの位置や速度を検出している。検出された第1の車両4a、第1の車両4bの位置や速度の情報は、無線通信手段を用いて管制室7に設けられたコンピュータ8に転送され、記憶手段12に記憶される。
以上のようにして得られた「車両位置情報」などを基に、管制室7内のコンピュータ8における衝突判定手段10では、軌道R上を走行する車両4同士が「斜め衝突」する可能性を算出し、運行オペレータMBへ警告する処理が行われる。係る車両衝突の可能性の判定処理について、事例を挙げて説明する。
まず、「斜め衝突」の危険性がない場合について説明する。
情報」(メッシュM(4))と、予め記録された「軌道情報D」とから、ゾーンZ(11)の一方端にあるポイントP8との間の距離が7メッシュ(70m)であることがわかる。また、車両位置情報検出手段9により検出された第2の車両4b(V2)の「車両位置情報」(メッシュM(5))と、予め記録された「軌道情報D」とから、ゾーンZ(10)の一方端にあるポイントP8との間の距離が2メッシュ(20m)であることがわかる。
図8(a)に示すように、予め記憶手段12に記録された「軌道情報D」と、車両位置情報検出手段9で検出された(リアルタイムで求められた)「車両位置情報」と、から得られた第1の車両4a(メッシュM(4))に関する分岐点距離(メッシュM(4)とP8との距離)が、7メッシュであり、予め記憶手段12に記録された第1の車両4aの「車両情報」(混銑車3は空の状態の状態であり、ブレーキ制動距離は50mである。)は5メッシュである。この場合、第1の車両4a(メッシュM(4))に関するポイントP(分岐点)の距離が、第1の車両4aの「車両情報」(5メッシュ)以上であることがわかり(7メッシュ>5メッシュ)、現状況下では、第1の車両4aがポイントP8を超えて、ゾーンZ(9)へ侵入しないことがわかる。
ここで、メッシュM(5)における第2の車両4bの「車両情報」は、ブレーキ制動距離(5メッシュ)と、第2の車両4bの全長(4メッシュ)とを足し合わせてし、9メッシュとする。この場合、第1の車両4b(メッシュM(5))に関する分岐点の距離が、第1の車両4bの「車両情報」(9メッシュ)以下であることがわかり(2メッシュ<9メッシュ)、現状況下では、第2の車両4bがポイントP8を超えて、ゾーンZ(9)へ侵入することがわかるが、前述のように、第1の車両4aがポイントP8を超えて、ゾーンZ(9)へ侵入しないため、第1の車両4aが第1の車両4bに対して、「斜め衝突」する可能性が低いことがわかる(衝突なし)。
図8(b)に示すように、メッシュM(4)に存在する第1の車両4aがこのまま前方(下り線方向)に進行すると、ゾーンZ(9)に向けて(下り線方向)走行する第2の車両4bの側方に衝突する可能性を考える。ここで、第2の車両4bはメッシュM(5)に存在するとする。
図8(b)に示すように、予め記憶手段12に記録された「軌道情報D」と、車両位置情報検出手段9で検出された(リアルタイムで求められた)「車両位置情報」と、から得られた第1の車両4a(メッシュM(4))に関する分岐点距離(メッシュM(4)とP8との距離)が、7メッシュであり、予め記憶手段12に記録された第1の車両4aの「車両情報」(例えば、混銑車3が満の状態であり、ブレーキ制動距離は90mである。)
は9メッシュである。この場合、第1の車両4a(メッシュM(4))に関する分岐点の距離が、第1の車両4aの「車両情報」(9メッシュ)以下であることがわかり(7メッシュ<9メッシュ)、第1の車両4aが分岐点(P8)を超えて、ゾーンZ(9)へ侵入することがわかる。
以上の事例より、本実施形態の車両衝突警告システム1は、複数のメッシュMに分割された各軌道Rの情報及び各ポイントP(分岐点)に対する情報をモニタに示しておき、そのモニタに車両4の位置情報を表示させることで、「車両衝突の可能性」の判断を容易にすることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明に係る車両衝突警告システム1における第2実施形態について、図に基づき説明する。
図10は、第2実施形態の車両衝突警告システム1に備えられる連結情報Lをまとめた図であり、図11は、第2実施形態の車両衝突警告システム1に備えられる斜め衝突判定用軌道情報Eの作成方法を示した図である。
いう。
図10に示すように、軌道Rを複数分割したメッシュMの連結情報L及び各メッシュMの長さをまとめたものを作成する。
メッシュMの連結情報Lは、軌道R上の一のメッシュMと、その一のメッシュMに隣り合う他のメッシュMとが、どのように連結されているかなどの情報をまとめたもの(斜め衝突用マトリックスEを作成するための入力情報)であり、各メッシュMのおける上り線側の連結に関する情報L(+)と、各メッシュMのおける下り線側の連結に関する情報L(−)とに分けて作成される。
図9を見てみると、例えば、メッシュM2の上り線側の延長線上には、メッシュM3が一直線に連結されている。また、メッシュM2の上り線側の右側には、メッシュM40が上り線方向に向かって分岐(略45°方向)するように連結されている。それ故、メッシュM2の上り線側の連結情報L(+)を図10の中央のように記載する。
また、図9を見てみると、メッシュM6の上り線側の延長線上においては、メッシュM7が一直線に連結されていて、そのメッシュM6とメッシュM7が一直線に連結されているところにメッシュM43が合流するように連結されている。それ故、メッシュM6の上り線側の連結情報L(+)を図10の中央のように記載する。
このような手順で、各メッシュMのおける上り線側の全ての連結情報L(+)を作成する。続いて、同様な手順で、メッシュMの下り線側の連結情報L(−)を作成する。
一直線に連結されている。また、メッシュM7の下り線側の左側には、メッシュM43が分岐(略45°方向)するように連結されている。それ故、メッシュM7の下り線側の連結情報L(−)を図10の右側のように記載する。
図10に示すように、下り線側の連結情報L(−)には、メッシュM7の延長線方向(0方向)の欄にメッシュM6が記載され、メッシュM7の左方向の欄にメッシュM43が記載され、メッシュM7の属性の欄に「分岐」の情報が記載されている。
図10に示すように、下り線側の連結に関する情報L(−)には、メッシュM9の延長線方向(0方向)の欄にメッシュM8が記載され、メッシュM9の属性の欄に「合流」の情報が記載されている。
ここで、斜め衝突判定用マトリックスEを求める際に用いる「正面衝突判定用軌道情報D」(正面衝突判定用マトリックスD)について、説明する。
図11に示すように、正面衝突判定用マトリックスDは、第1実施形態で述べた軌道情報Dと略同じであり、図9に示されている複数のメッシュMに分割された軌道路線図において、着目したメッシュMがあるメッシュMに対していくつ離れているかを数値として示したものである。また、正面衝突判定用マトリックスDは、各メッシュMの分割に関する上り線側のマトリックスD(+)と、各メッシュMの分割に関する下り線側のマトリックスD(−)とに分けて作成される。
そして、作成した上下線の連結情報Lを基に、予め記録された正面衝突判定用マトリックスDから連結状態が「分岐」又は「合流」とされた情報のみを抽出して得られた斜め衝突判定用マトリックスEを作成する。
図9に示すように、第2実施形態の軌道Rの下り線方向では、車両4の斜め衝突の可能性(2台の車両4が分岐点Pを取り合う可能性)があるのは、○印で示された8個のメッシュMとなる。
例えば、下り線方向に移動する車両4の衝突を判定するに際しては、メッシュM3の連結情報Lを取得する場合、下り線側とは逆(進行方向とは逆)の上り線側の連結情報L(+)のメッシュM2を参照する(図10参照)。そうすることで、合流の属性情報が含まれたメッシュM3の連結情報Lを正しく抽出することができる。このようにして、斜め衝突の可能性がある8個のメッシュMの連結情報Lを正しく抽出する。
そして、連結情報Lと正面衝突判定用マトリックスDと斜め衝突判定用マトリックスEとを備えた第2実施形態のシステム1は、衝突判定手段10にて、斜め衝突判定用マトリックスEと車両位置情報とから得られた第1の車両4aと第2の車両4bとの間の距離が、第1の車両4aの車両情報に含まれる「車両4aに関する距離」と、第2の車両4bの車両情報に含まれる「車両4bに関する距離」と、を足し合わせた距離以下の場合に、「斜め衝突の可能性あり」と判定する。
この問題を解消するために、斜め衝突よりも正面衝突する可能性が高いデータを削除するための削除マトリックスZを作成し、作成した削除マトリックスZを斜め衝突判定用マトリックスEに作用させたマトリックスE’を用いて、衝突判定を行うようにするとよい。
[第3実施形態]
次に、本発明に係る車両衝突警告システム1における第3実施形態について、図に基づき説明する。
が加えられている点が、第2実施形態と大きく異なっている。
図12に示すように、第3実施形態の特徴である「終端衝突判定用軌道情報F」(終端衝突判定用マトリックスF)を作成するにあたっては、第2実施形態で作成した「連結情報L」からメッシュMの「終端」の属性情報が含まれたメッシュMを全て抽出する。
そして、このように正面衝突判定用マトリックスDと連結情報Lと斜め衝突判定用マトリックスEとに加えて、終端衝突判定用マトリックスFを備えた第3実施形態のシステム1は、衝突判定手段10にて、終端衝突判定用マトリックスFと車両位置情報とから得られた第1の車両4aと終端との間の距離が、第1の車両4aの車両情報に含まれる「車両4aに関する距離」以下の場合に、「終端衝突の可能性あり」と判定する。
[第4実施形態]
次に、本発明に係る車両衝突警告システム1における第4実施形態について、図に基づき説明する。
まず、本実施形態で検出する「クロス衝突」について説明する。
「クロス衝突」とは、軌道R上を移動する2台の車両4が、「クロス点C1」を共有する「クロス軌道」上に進入してそのクロス点C1で衝突することである。
この「クロス衝突」には、以下に挙げる2つのパターンが存在する。
図13(a)は、異なった方向を向いて同一軌道R上を走行している2台の車両4が、分岐点Pで軌道Rを変更してその先にあるクロス点C1で衝突する「クロス衝突」の第1
パターンを示している。
この「クロス衝突」の第2パターンとは、例えば、第1の車両4aが上り線方向のメッシュM11を走行し、第2の車両4bが上り線方向のメッシュM24を走行しているときに、何らかの理由で2台の車両4が分岐点Pで軌道Rを変更した場合(実線の矢印)、第1の車両4aがメッシュM46に進入すると共に、第2の車両4bがメッシュM59に進入して2台の車両4が共にクロス点C1に向かって走行し、そのクロス点C1で2台の車両4が「クロス衝突」する状況にあることである。なお、「クロス衝突」の第2パターンは、図13(b)に示す破線の矢印の状況も含む。
具体的には、第4実施形態の車両衝突警告システム1は、軌道Rが交差している点であるクロス点C1及びそのクロス点C1に繋がるメッシュMの情報が記録された「クロス情報C」と、そのクロス情報Cを基に、正面衝突判定用マトリックスDからクロス点C1に繋がるメッシュMに対応する情報のみを抽出して得られた「クロス衝突判定用軌道情報G」と、を備えている。
図13に示すように、クロス軌道を4つの象限(1)〜(4)に分割する。
第1象限(1)では、クロス点C1にメッシュM46が連結されている。また、第2象限(2)では、クロス点C1にメッシュM47が連結されている。第3象限(3)では、クロス点C1にメッシュM59が連結されている。第4象限(4)では、クロス点C1にメッシュM60が連結されている。この情報を基に、クロス情報Cを図14の上側のように作成する。図14の上側に示されるクロス情報Cはマトリックス形式とされ、行が象限を示し、列が全クロス点Cxを示している。
そして、図14に示すように、作成したクロス情報Cを基に、正面衝突判定用マトリックスDから連結状態が「クロス点C1」とされた情報のみを抽出して得られたクロス衝突判定用マトリックスGを作成する。
判定用マトリックスGにおけるメッシュM47のデータとして、クロス衝突判定用マトリックスGを作成する。
そして、クロス情報Cとクロス衝突判定用マトリックスGとを備えた第4実施形態のシステム1は、衝突判定手段10にて、クロス衝突判定用マトリックスGと車両位置情報とから得られた第1の車両4aと第2の車両4bとの間の距離が、第1の車両4aの車両情報に含まれる「車両4aに関する距離」と、第2の車両4bの車両情報に含まれる「車両4bに関する距離」と、を足し合わせた距離以下の場合に、「クロス衝突の可能性あり」と判定する。
[第5実施形態]
次に、本発明に係る車両衝突警告システム1における第5実施形態について、図に基づき説明する。
第5実施形態のおける「障害物」には、「狭軌道」、「閉軌道」、「OOS軌道(Out Of Service)」などがある。
「狭軌道」とは、軌道Rは敷設されているが、何らかの理由で、一部乃至は全ての車両4の通過が不可能又は制限されている軌道Rのことをいう。
例えば、製鉄工場内において、大型の建屋が当該軌道Rに隣接しすると共に、張り出すように建っているとする。このように軌道Rに建屋が張り出していると、幅の広い車両4(大型のトピードカーなど)が進入した際に、その幅広の車両4が大型の建屋に接触して走行不能となる虞がある。
次に、本実施形態のおける「閉軌道」について、説明する。
例えば、製鉄工場内の軌道Rの途中に、トピードカー4(車両)内の溶銑に対して処理を行う建屋(溶銑処理建屋)が設置されていて、通常、その処理建屋内に溶銑が装入されたトピードカー4が進入可能とされている。ところが、建屋の出入口に設けられたシャッターが、何らかの理由で軌道Rを横切るように閉じている場合、その処理建屋が設置されている軌道R上を走行するトピードカー4が、処理建屋のシャッターに衝突して走行不能となる虞がある。
次に、本実施形態のおける「OOS軌道」について、説明する。
「OOS軌道」とは、全ての車両4の通過が可能となっている軌道Rではあるが、何らかの理由で、本発明の車両衝突警告システム1が提供されていない軌道Rのことをいう。
R上を走行する車両4は、そのまま一の方向乃至は別の方向を向いた軌道R上を走行するようになっている。つまり、複数の軌道Rが複雑に交差したエリアでは、一の方向乃至は別の方向を向いた軌道R上を走行する車両4は、別の方向乃至は一の方向を向いた軌道Rに変更して走行することができないようになっている。
そこで、このような軌道R、乃至は軌道R上のエリアに対しては、本発明の車両衝突警告システム1を停止するようにし、「OOS軌道」としている。
このような「狭軌道」、「閉軌道」、「OOS軌道」などの「障害物」と車両4とが衝突することを回避するために作成される「メッシュ情報」が備えられた第5実施形態の車両衝突警告システム1について、説明する。
第5実施形態の車両衝突警告システム1は、軌道R上において複数に分割されたメッシュM(軌道R)の属性情報が記録された「メッシュ情報」と、そのメッシュ情報から属性が「狭軌道」、「閉軌道」、「OOS軌道」とされた情報をそれぞれ抽出して、その抽出したメッシュMの属性情報と軌道情報Dとを基に作成された「障害物衝突判定用軌道情報H」と、を備えている。
図15に示す如く、メッシュM102〜メッシュM116の属性の欄には「OOS軌道」を示す印が記載されていて、メッシュM102〜メッシュM116の7つのメッシュMが連結される範囲内は「OOS軌道」とされていることがわかる。
また、図15に示す如く、メッシュM118、及びメッシュM129の属性の欄には「閉軌道」を示す印が記載されていて、メッシュM118とメッシュM129の2つのメッシュMは「閉軌道」とされていることがわかる。
第5実施形態の「障害物衝突判定用軌道情報」を作成するにあたっては、 図15に示す「メッシュ情報」の中から、メッシュMの属性情報(障害物の属性)が含まれたメッシュMを全て抽出する。抽出したメッシュMを属性情報ごとに分けて、障害物衝突判定用軌道情報を作成する。例えば、OOS軌道の属性を有するメッシュM全てをまとめて記録し、狭軌道の属性を有するメッシュM全てをまとめて記録し、閉軌道の属性を有するメッシュM全てをまとめて記録する。
車両情報」と、「車両位置情報」と、の3つの情報により、「障害物衝突の可能性」を確実に判定することができる。
このように、車両4が衝突する可能性を判定するにあたっては、第1実施形態〜第4実施形態に示すシステム1を用いて車両4の衝突判定(正面衝突、斜め衝突、終端衝突、クロス衝突)を順に行ったあとで、第5実施形態のシステム1を用いて車両4の「障害物衝突」の判定を行うとよい。
例えば、第1実施形態〜第5実施形態では、各メッシュMに対応するマトリックスD,E,F,Gの作成方法についてそれぞれ説明したが、各メッシュMの情報に、そのメッシュMの長さ(メートル単位)を加えた連結情報Lを作成し、その連結情報Lを基に、マトリックスD,E,F,Gを作成してもよい。
例えば、図9に示すように、上り線方向に向かってメッシュM1を走行する第1の車両(A)4aと、下り線方向に向かってメッシュM24を走行する第2の車両(B)4bとが正面衝突する可能性を示す場合、(a)の[距離:11メッシュ(102m)]、(b)の[距離:11メッシュ(108m)]、(c)の[距離:13メッシュ(122m)]、の3パターンが抽出されることとなる。その3つのパターンのうち、最短距離の(a)の[距離:11メッシュ(102m)]を先に示せばよい。なお、残りの2パターンは、2台の車両4の距離が衝突する可能性に近づいたときに示すようにすればよい。
また、第5実施形態における「障害物」は、「狭軌道」、「閉軌道」、「OOS軌道」として説明したが、走行レールの保全作業などで軌道Rが走行不可とされるような工事情報を加えてもよい。
例えば、本発明の車両衝突警告システム1は、整備された道路上を走行する運搬車(トラック等)に対しても適用することが可能である。
2 機関車
3 混銑車(トピードカー)
4 車両
4a 第1の車両
4b 第2の車両
5 高炉
6 転炉設備
7 管制室
8 コンピュータ(サーバ)
9 車両位置情報検出手段
10 衝突判定手段
11 通達手段
12 記憶手段
13 測位検出装置
14 表示器(表示モニタ)
15 運行支援モニタ
MA 管制オペレータ
MB 運行オペレータ
M メッシュ
P 分岐点、交差点(ポイント)
C1 クロス点
R 軌道
Claims (11)
- 工場内に敷設された軌道上を走行する第1の車両と第2の車両とが衝突する可能性を運行に携わるオペレータへ警告する車両衝突警告システムであって、
前記車両衝突警告システムは、
複数のメッシュに分割された軌道上において、前記2点のメッシュ間の距離が予め記録された「軌道情報D」と、
前記軌道上を走行する車両に関する情報が予め記録された「車両情報」とを備えていて、
前記軌道上を走行する第1の車両及び前記第2の車両の位置を示す「車両位置情報」を求める「車両位置情報検出手段」と、
前記「車両位置情報検出手段」が算出した「車両位置情報」と「軌道情報D」と「車両情報」とを基に、前記第1の車両と前記第2の車両とが衝突する可能性を判定する「衝突判定手段」と、
前記「衝突判定手段」が算出した車両衝突の可能性を、運行に携わるオペレータに警告として通達する「通達手段」と、
を有することを特徴とする車両衝突警告システム。 - 前記車両情報は、前記車両の全長、車両の制動距離の少なくとも一つ以上を有することを特徴とする請求項1に記載の車両衝突警告システム。
- 前記車両位置情報検出手段は、前記車両に備えられたGPS及び/又はRFIDを用いて当該車両の位置を検出するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両衝突警告システム。
- 前記衝突判定手段は、
前記軌道情報Dと車両位置情報とから得られた前記第1の車両と第2の車両との間の距離が、前記第1の車両の車両情報に含まれる「車両に関する距離」と、前記第2の車両の車両情報に含まれる「車両に関する距離」と、を足し合わせた距離以下の場合に、「正面衝突の可能性あり」と判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両衝突警告システム。 - 前記軌道情報Dには、一のメッシュと他のメッシュとの間に存在する分岐点から当該一のメッシュ及び他のメッシュまでの距離である分岐点距離が予め記録されており、
前記衝突判定手段は、
前記軌道情報Dと車両位置情報とから得られた前記第1の車両に関する分岐点距離が、当該第1の車両の車両情報に含まれる「車両に関する距離」以下であって、且つ前記軌道情報と車両位置情報とから得られた前記第2の車両に関する分岐点距離が、当該第2の車両の車両情報に含まれる「車両に関する距離」以下である場合に、「斜め衝突の可能性あり」と判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両衝突警告システム。 - 前記一のメッシュと当該一のメッシュの隣に連結されている他のメッシュとの連結状態が記録された「連結情報L」と、
前記連結情報Lを基に、軌道情報Dから前記連結状態が「分岐」又は「合流」とされた情報のみを抽出して得られた「斜め衝突判定用軌道情報E」と、を備えていて、
前記衝突判定手段は、前記斜め衝突判定用軌道情報Eと車両位置情報とから得られた前記第1の車両と第2の車両との間の距離が、前記第1の車両の車両情報に含まれる「車両に関する距離」と、前記第2の車両の車両情報に含まれる「車両に関する距離」と、を足し合わせた距離以下の場合に、「斜め衝突の可能性あり」と判定する
ことを特徴とする請求項4に記載の車両衝突警告システム。 - 前記一のメッシュと当該一のメッシュの隣に連結されている他のメッシュとの連結状態が記録された「連結情報L」と、
前記連結情報Lを基に、軌道情報Dから前記連結状態が「終端」とされた情報のみを抽出して得られた「終端衝突判定用軌道情報F」と、を備えていて、
前記衝突判定手段は、前記終端衝突判定用軌道情報Fと車両位置情報とから得られた前記車両と終端との間の距離が、前記車両の車両情報に含まれる「車両に関する距離」以下の場合に、「終端衝突の可能性あり」と判定する
ことを特徴とする請求項6に記載の車両衝突警告システム。 - 前記軌道が交差している点であるクロス点と、前記クロス点に繋がるメッシュの情報が記録された「クロス情報C」と、
前記クロス情報Cを基に、軌道情報Dから前記クロス点に繋がるメッシュに対応する情報のみを抽出して得られた「クロス衝突判定用軌道情報G」と、を備えていて、
前記衝突判定手段は、前記クロス衝突判定用軌道情報Gと車両位置情報とから得られた前記第1の車両と第2の車両との間の距離が、前記第1の車両の車両情報に含まれる「車両に関する距離」と、前記第2の車両の車両情報に含まれる「車両に関する距離」と、を足し合わせた距離以下の場合に、「クロス衝突の可能性あり」と判定する
ことを特徴とする請求項7に記載の車両衝突警告システム。 - 前記軌道上において複数に分割されたメッシュの属性情報が記録された「メッシュ情報」と、
前記メッシュ情報から属性が「障害物」とされた情報のみを抽出して、当該抽出したメッシュMの属性情報と軌道情報Dとを基に作成された「障害物衝突判定用軌道情報H」と、を備えていて、
前記衝突判定手段は、前記障害物衝突判定用軌道情報Hと車両位置情報とから得られた前記車両と前記障害物との間の距離が、前記車両の車両情報に含まれる「車両に関する距離」以下の場合に、「障害物衝突の可能性あり」と判定する
ことを特徴とする請求項8に記載の車両衝突警告システム。 - 前記車両衝突警告システムは、コンピュータを備えており、
前記コンピュータ内には、前記車両位置情報検出手段と、前記衝突判定手段と、前記通達手段と、前記軌道情報及び車両情報が予め記録された記憶手段と、が設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の車両衝突警告システム。 - 前記工場は製鉄所であって、前記車両は混銑車と当該混銑車に連結されている機関車であり、
前記車両の車両情報は、前記機関車と当該機関車に連結されている混銑車とを含む車両の全長であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の車両衝突警告システム。
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