JP5484234B2 - 列車運転支援システム - Google Patents

列車運転支援システム Download PDF

Info

Publication number
JP5484234B2
JP5484234B2 JP2010161978A JP2010161978A JP5484234B2 JP 5484234 B2 JP5484234 B2 JP 5484234B2 JP 2010161978 A JP2010161978 A JP 2010161978A JP 2010161978 A JP2010161978 A JP 2010161978A JP 5484234 B2 JP5484234 B2 JP 5484234B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
train
information
display device
track circuit
wireless distribution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010161978A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012020712A (ja
Inventor
直樹 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2010161978A priority Critical patent/JP5484234B2/ja
Publication of JP2012020712A publication Critical patent/JP2012020712A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5484234B2 publication Critical patent/JP5484234B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、列車の運転手が信号機に基づいて運転を行う際に、信号表示の補助となる機能を提供して運転を支援する列車運転支援システムに関するものである。
運転手が列車を運転する場合、進路上にある信号機に従って速度制御を行う。朝の時間帯など、非常に短い間隔にて列車を運行する場合、既設の信号表示では運転手が判断できる範囲が限られており、スムーズな運転を行うことは難しい。
そのため、たとえば特許文献1には、出発信号機の信号現示を予告させることで、列車を発車するまでの時間を短縮させる技術が記載されている。
特開2006−56442号公報
上記従来の技術を適用した場合、停車している列車の出発時間を短縮させて列車のスムーズな運行を実現することができる。一方、走行中の列車に関しても、前方の信号現示について変化予告などを通知することで、よりスムーズに運行を支援する仕組みの提供が望まれている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、走行中の列車の運転を支援してスムーズな運行を実現する列車運転支援システムを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数の列車を同時に運行させる鉄道システムの列車運転支援システムであって、列車の在線位置を示す軌道回路情報を連動装置から取得し、当該取得した情報を走行中の各列車に配信する無線配信装置と、前記各列車に設置され、前記無線配信装置から配信された軌道回路情報に基づいて、自列車の現在位置を含み、進行方向の前方および後方の一定範囲内における信号機の表示状態を運転手に通知する車上表示装置と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、走行中の列車の運転を支援してスムーズな運行を実現させることができる、という効果を奏する。
図1は、本発明にかかる列車運転支援システムの全体構成の一例を示す図である。 図2は、信号機の現示状況を運転手に伝えるための表示の一例を示す図である。 図3は、実施の形態2の列車運転支援システムの動作を示す図である。 図4は、実施の形態4の列車運転支援システムを説明するための図である。 図5は、実施の形態4の列車運転支援システムを説明するための図である。 図6は、実施の形態4の列車運転支援システムが運転手に通知する情報の一例を示す図である。
以下に、本発明にかかる列車運転支援システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
まず、各実施の形態で想定する鉄道(鉄道システム)について簡単に説明する。鉄道において列車の在線は、列車在線時における線路間の短絡にて判別する軌道回路を用いて判断することができる。軌道回路の情報を用いることで、どの位置に列車が在線しているか判断することができる。ただし、これらの情報はあくまで列車の存在有無に関するものであって、軌道回路情報だけでは、そこに存在している列車の詳細(どのような車両・種別・走行状態なのか)について確認することはできない。通常、軌道回路情報は連動装置に集約される。連動装置は、軌道回路の情報を集約するだけではなく、転轍機(ポイント)および線路脇等に設置された信号機の制御を行う。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる列車運転支援システムの全体構成の一例を示す図である。この列車運転支援システムは、地上に設置され、転轍機(図示せず)および信号機を制御する連動装置1と、連動装置1と同様に地上に設置され、連動装置1から所望の情報を取得して無線アンテナから各列車に向けて送信する無線配信装置2と、各列車の運転室に設置され、運転を支援するための表示を行う車上表示装置3を含んで構成されている。
本実施の形態の列車運転支援システムの動作について説明する。
本実施の形態の列車運転支援システムにおいて、連動装置1は、制御対象としている信号機の各設置位置に対応する各軌道回路の情報(制御対象範囲内の各軌道回路の情報)を取得し、取得した軌道回路情報に基づいて各信号機を制御する。また、列車の運転支援を行うために必要な情報を無線配信装置2から要求された場合、自列車が走行する路線全線における軌道回路情報を集約して無線配信装置2に伝達する。軌道回路の情報により各閉塞区間における列車の在線位置を把握することができる。また、在線位置だけでは分岐における進路情報や駅停車中における列車の出発判断などを把握することができない。そのため、必要に応じて信号機情報(各信号機の表示内容の情報)および転轍機情報(各転轍機の状態の情報)を集約して無線配信装置2に伝達する。なお、これ以降の説明においては、列車の運転支援を行うために必要な情報として無線配信装置2へ伝達する上記情報(軌道回路情報、信号機情報および転轍機情報)を集約情報と呼ぶ。
無線配信装置2は、連動装置1などから伝達されてきた上記の集約情報に基づいて、各列車の車上表示装置3に伝送するための全路線のデータを生成する。無線配信装置2は、列車に設置された車上表示装置3から情報提供の要求を受けた場合、生成した全路線のデータを車上表示装置3へ無線送信する。無線伝送に適用する通信方式については特に規定しない。公知のいかなる方式を適用してもよい。例えば、無線配信装置2は、生成した全路線のデータをブロードキャスト通信で車上表示装置3のすべてに送信するようにすれば、無線配信装置2でのデータ送信処理が簡素化される。
各列車に設置された車上表示装置3は、液晶表示パネル等の表示部を備え、無線配信装置2に対して定期的に情報提供を要求する。この要求に対して伝送されてきたデータを受け取ると、受け取ったデータおよび自列車の在線位置に基づいて、たとえば図2の(a)〜(c)に示したような表示を表示部に行うことにより、自列車を中心とした前後の一定範囲内の信号機の現示状況を運転手に伝える。運転操作を行うための装置(操作盤)が表示部を備えている場合、この表示部に対して図2の(a)〜(c)に示した表示を行うようにしてもよい。無線配信装置2に対して情報提供を要求する周期は、数秒(1〜2秒)程度が望ましいが、自列車の速度や状態に応じて適宜変更するようにしてもよい。たとえば、低速走行中は周期を長くする(または短くする)、駅に停車中は周期を長くする(または要求を行わない)、一定時間(たとえば1時間)あたりの列車の運行本数や時間帯に応じて周期を変更する(すなわち、列車の運行間隔が短い場合は周期を短くする)、などが考えられる。その他、前後の列車との距離に応じて周期を変更する(前後いずれの列車とも離れている(距離が大きい)場合には周期を長くする)ようにしてもよい。
図2においては、自列車と他の列車(この例では先行列車)との位置関係例と運転手への通知例として、(a)〜(c)の3パターンを示しており、自列車および他の列車(先行列車)の走行位置の変化に応じて、表示内容が(a)→(b)→(c)と変化する様子を示している。図2においては、自列車および先行列車が右方向へ走行しており、自列車(左側に表示された列車)の右上に運転手への表示内容を記載している。列車の下には軌道回路(信号機)の状態を記載している。運転手への表示では、自列車から見た信号現示を表示する。そのため、自列車が存在している軌道回路については、運転手への表示と軌道回路の状態が異なる。たとえば図2(a)においては、自列車が存在している実際の軌道回路(信号機)は赤(R)であるが、運転手に対しては緑(G)を表示している。
図2(a)では、自列車が走行している軌道回路の2つ前の軌道回路を先行列車が走行しており、車上表示装置3は、自列車の1つ前の軌道回路の信号機が黄(Y)であることを示す内容を含んだ情報を運転手に通知する。その後、先行列車が次の軌道回路に進入する前に自列車が次の軌道回路に進入すると、図2(b)の状態となる。
図2(b)では、自列車が走行している軌道回路の次(1つ前)の軌道回路を先行列車が走行しており、車上表示装置3は、自列車の1つ前の軌道回路の信号機が赤(R)であることを示す内容を含んだ情報を運転手に通知する。なお、後続列車との間の起動回路が2つ以上である(後方の2つの軌道回路のいずれにも後続列車が存在していない)ため、後方の2つ目の軌道回路の状態が緑(G)となっている。その後、先行列車が次の軌道回路に進入すると、図2(c)の状態となる。
図2(c)では、図2(a)と同様に、自列車が走行している軌道回路の2つ前の軌道回路を先行列車が走行しており、車上表示装置3は、自列車の1つ前の軌道回路の信号機が黄(Y)であることを示す内容を含んだ情報を運転手に通知する。
なお、運転手への通知内容を図2に示したものに限定するものではない。前方(進行方向)については少なくとも運転手が直接見ることができない最初の区間(信号機)までの状態を表示すればよい。後方については1つ以上の区間を表示するのが望ましいが、表示部の寸法などの制約がある場合には表示しなくてもよい。後方の区間を表示した場合、運転手は後続列車との位置関係を把握することができ、路線全体としてのスムーズな運行が実現可能となる。たとえば、後方の最初の区間(走行中の区間の直後の区間)が減速現示(Y)の場合、運転手は必要以上に減速すると後続列車に影響を与える(列車同士が接近しすぎて後続列車が減速や停止を強いられてしまう)と判断して必要以上に減速を行わないようにするなどの処置をとることが可能となる。
自列車の位置は、たとえば車両に搭載されている速度発電機から得られる情報やGPS(Global Positioning System)を利用して特定する。速度発電機は車軸の回転速度(回転回数)を計測するため、列車の初期位置(運行開始位置)と車輪の寸法(直径など)が分かっていれば速度発電機における測定結果に基づいて自列車の移動距離が算出できる。すなわち、車上表示装置3は、自列車の初期位置および移動距離と、運行計画や路線情報(路線上の信号機の設置位置情報を含んだ情報)とを照らし合わせることにより、自列車の現在位置と周囲の信号機との関係を特定できる。
図2に示した表示を行う場合、車上表示装置3が各信号機の現示状況を把握できればよいので、無線配信装置2は、信号機の制御で利用される軌道回路情報(各閉塞区間に列車が在線しているかどうかを示す情報)または信号機情報を含んだデータを車上表示装置3に対して伝送すればよい。軌道回路情報は閉塞区間に列車が存在するか否かを示すものであり、通常は信号機情報と比較してデータ量が少なくなるので、無線伝送するデータ量を抑えたい場合には軌道回路情報を伝送するように構成すればよい。また、無線伝送するデータ量を抑えた場合には伝送エラーが発生する確率も低く抑えられて再送などが発生する頻度も低くなるので、結果として伝送にかかる所要時間も短くなる(必要なデータの低遅延伝送が実現できる)。一方、信号機情報を伝送する場合には軌道回路情報を伝送する場合と比較して伝送するデータ量が多くなるが、車上表示装置3における処理負荷を低く抑えることができる。すなわち、無線配信装置2が軌道回路情報を伝送するように構成した場合、車上表示装置3は、受け取った軌道回路情報に基づいて各信号機の状態を特定する処理が必要となるが、信号機情報を伝送するように構成した場合にはこの処理が不要となり処理負荷が軽減される。
また、無線伝送するデータ量を抑えるため、無線配信装置2は以下に示すような動作を実行するようにしてもよい。すなわち、無線配信装置2は、各列車の車上表示装置3に最後に伝送したデータを記憶しておき、車上表示装置3から新たに情報提供要求を受けた場合には、記憶しておいたデータと、新たに受けた要求に対する応答として送信すべきデータとを比較し、これらのデータが同一の場合(前回データ伝送を行ってから現時点までの間に、全ての信号機の表示状態に変化が生じていない場合)には、前回からの変化がないことを示すデータを送信するようにしてもよい。さらに、記憶しておいたデータと今回送信すべきデータが同一ではない場合においても、前回と今回の差異(状態が変化した信号または軌道回路の情報)のみを示すデータを送信するようにしてもよい。たとえば、無線配信装置2から車上表示装置3へ送信するデータを各信号機(または軌道回路)の識別情報とその状態を示す情報を対応付けたものとした場合、状態に変化が生じた信号機(または軌道回路)の識別情報とその状態を示す情報のみを送信するように構成すれば、伝送するデータ量を削減できる。なお、状態に変化が生じた軌道回路の識別情報を送信する場合、その状態を示す情報の送信は不要となる。軌道回路のとりうる状態は、対応する閉塞区間に列車が在線しているか否かの2つの状態であり、変化が生じたことさえ分かれば現在の状態(変化後の状態)が分かるためである。
また、各信号機の状態(表示)には規則性があることを考慮し、車上表示装置3は、図2に示した内容の表示を行うのではなく、単に、自列車を中心とした前後において、青(G:進行現示)の区間が連続する数を数値として表示するようにしてもよい。数値を表示する場合、図2に示したような表示を行う場合と比較して表示にかかる制御を簡単化できる(表示制御処理の負荷を軽減できる)。文字や音声を利用して運転手に通知するようにしてもよい。
また、車上表示装置3は、無線配信装置2に対する情報提供の要求を定期的に行い、受け取った情報を解析した結果、運転手に通知する必要があると判断した場合に図2に示した内容の通知を行うようにしてもよい。すなわち、自列車の前後一定区間にわたって信号表示が青の状態(前後の列車との距離が十分に離れている状態)では運転手への通知を行わず、先行列車または後続列車との距離が所定値以下の状態(自列車が在線している閉塞区間からn区間以内に他の列車が在線している状態)において運転手への通知を行うようにしてもよい。このように、運転手に通知する必要があると判断した場合にのみ通知を行うようにすることで、運転手は必要以上に車上表示装置3の通知内容を確認する必要がなくなり、運転手の確認作業にかかる負担を軽減できる。
このように、本実施の形態の列車運転支援システムでは、各列車の車上表示装置3が無線配信装置2に対して定期的に運転支援のために必要な情報の提供を要求し、無線配信装置2は、連動装置1から取得した情報のうち、各信号機の表示に関する情報(信号機情報、軌道回路情報など)を含んだデータを生成して要求元の車上表示装置3へ送信する。そして、このデータを受け取った車上表示装置3は、自列車の前後の一定範囲内に存在する信号機の現示状況を運転手に通知する。これにより、以下に示すような効果が得られる。
通常、運転手は、線路脇に設置された信号機の現示に従って運転を行う。しかしながら、直接目視できる信号機は、次の軌道回路に対するものだけであり、その先の情報を得ることができない。従って、目視できる信号機に減速現示(Y)が表示されているような場合は、さらに先の軌道回路(閉塞区間)は停止現示(R)であると判断して、列車を減速させる。このときに図2に示したような内容を通知することにより、運転手は、より早く現示の変更(目視できない軌道回路における現示の変更)を確認し、スムーズな列車走行を行うことが可能となる。すなわち、減速現示(Y)にて現在の軌道回路に入った後に、先行列車が進み当該軌道回路が進行現示(G)に代わった場合、車上表示装置3は変更があった旨を伝えるので、運転手は軌道回路の途中(次の信号機を目視できない地点)で速度を上げるなど、従来は不可能であった操作を実施できるようになる。その結果、列車のスムーズな運行が可能となる。
これら軌道回路における信号現示を車上に伝える手段として、自動列車制御装置(ATC:Automatic Train Control)を用いる場合がある。しかし、本装置を設置するには地上に専用の装置の敷設が必要となり、非常にコストがかかる。一方、本実施の形態で示した列車運転支援システムは、例えば無線配信に公衆無線回線網などを用いることで、容易に構築することが可能であり、コストも抑えることが可能となる。
なお、上記説明では、無線配信装置2は車上表示装置3から要求を受けた場合に連動装置1から集約情報を取得する場合について示したが、車上表示装置3からの要求の有無に関係なく一定周期で無線配信装置2が自律的に集約情報を取得するようにしてもよい。また、無線配信装置2から集約情報を要求するのではなく、連動装置1が、信号や転轍機を制御した場合に集約情報を無線配信装置2へ出力する(集約情報に変化が生じたときに連動装置1から無線配信装置2へ集約情報を出力する)ようにしてもよい。
実施の形態2.
実施の形態1の列車運転支援システムでは、無線配信装置2が車上表示装置3に送信するために生成するデータを、列車が走行する全路線のデータとしていた。すなわち、連動装置1が制御対象としている全ての信号機(または各信号機に対応する軌道回路)の状態を示すデータを無線配信装置2が生成して車上表示装置3へ送信する場合を想定して説明を行った。そのため、路線長が長い鉄道において、これら情報は膨大なものとなり、また1回の伝送量が増大することから、リアルタイム制御の面で支障をきたす。そのため、本実施の形態では、伝送する情報を列車が必要となる部分に制限させることで伝送量を減らす列車運転支援システムについて説明する。なお、実施の形態1の列車運転支援システムと共通する部分については説明を省略する。本実施の形態の列車運転支援システムの構成は実施の形態1と同様である(図1参照)。
図3は、本実施の形態の列車運転支援システムの動作を示す図である。図3においては、実施の形態1と同じ動作を実行する連動装置などの記載を省略している。
本実施の形態の列車運転支援システムにおいて、車上表示装置3は、無線配信装置2に対して情報提供を要求する際、まず、車両に搭載されている速度発電機などから自列車の現在位置情報を取得する。速度発電機を利用して自列車の現在位置情報を取得する方法は実施の形態1で示したとおりである。また、速度発電機から自列車の位置が判別できない場合は、別途GPSなどを用いて自列車の現在位置情報を取得するようにしても良い。そして、得られた自列車の位置情報を無線配信装置2へ送信するとともに情報提供(列車の運転支援に必要な情報の提供)を要求する。なお、自列車の現在位置情報は他の方法を使用して取得してもよい。
無線配信装置2は、車上表示装置3からの情報提供要求とともに送信されてきた位置情報を受信すると、この位置情報が示す列車の現在位置を中心とした一定範囲内の軌道回路情報(または信号機情報)を集約情報から抽出し、抽出した情報を含んだデータを生成して車上表示装置に配信する。たとえば、保持しているA路線(列車が走行中の路線)全線の情報と列車の現在位置情報とを照合することにより、要求元の車上表示装置3が設置されている列車の位置を把握し、さらに、この列車への送信が必要な情報(軌道回路または信号機の情報)を抽出する。そして、抽出した情報を含んだデータを生成し、車上表示装置3に向けて送信する。無線配信装置2は、要求元の車上表示装置3が設置されている列車の前方(進行方向)の「運転手が直接見ることができない最初の軌道回路(信号機)」の情報を少なくとも含んだデータを生成する。
なお、無線配信装置2が情報を抽出する範囲と車上表示装置3が運転手に通知する範囲(図2に示した表示を参照)は一致していなくてもよい。すなわち、車上表示装置3は、無線配信装置2が抽出した情報を含んだデータを受け取った場合、受け取ったデータに含まれている全ての情報を使用して表示を行うのではなく、このデータに含まれる情報から必要な情報を抽出して運転手への表示に利用するようにしてもよい。また、車上表示装置3が、無線配信装置2に対して情報提供を要求する際に、現在位置情報を送信するとともに情報の抽出範囲を指定し、無線配信装置2は、指定された範囲の情報(軌道回路情報または信号機情報)を抽出し、この抽出した情報を含んだデータを要求元の車上表示装置3に送信するようにしてもよい。
以上のような構成を適用することにより、実施の形態1の列車運転支援システムと比較して、車上表示装置3へ配信する情報を必要最小限に抑えることができ、リアルタイム制御への影響を軽減できる。
実施の形態3.
軌道回路は、線路を特定の区間に区切って形成される。その距離は、区間が長い場合、数キロにわたる場合もある。そのような区間に列車が存在する場合、実際には列車がどの位置に存在しているか地上側(連動装置1や無線配信装置2)では判断することができない。
しかしながら、実施の形態2で説明したように、各列車の車上表示装置3では、速度発電機やGPSなどを利用することにより自列車の位置を認識することが可能である。そこで、本実施の形態では、各列車の車上表示装置3において自列車の前後の信号機の状態を運転手に通知するとともに、周囲の他の列車との位置関係も通知する列車運転支援システムについて開示する。本実施の形態の列車運転支援システムの構成は実施の形態1と同様である(図1参照)。
本実施の形態の列車運転支援システムにおいて、車上表示装置3は、無線配信装置2に対して情報提供を要求する際、上述した実施の形態2と同様に、自列車の位置情報を送信する。
無線配信装置2は、各列車の車上表示装置3から列車の位置情報を受信すると、この位置情報を連動装置1から受け取った集約情報と照らし合わせるなどして列車の詳細位置を把握する。このようにして、無線配信装置2は、各列車(連動装置1が制御している信号機が設置された区間(軌道回路)を走行中の全ての列車)の詳細位置を把握する。そして、車上表示装置3に配信するデータに対して、このデータの配信先の車上表示装置3の周囲(データ配信先の車上表示装置3が設置されている列車を中心とした一定範囲内)を走行中の各列車の位置情報を挿入する。
車上表示装置3は、自列車の周囲を走行中の他の列車の情報が含まれたデータを受信すると、周囲の信号機の状態および他の列車の位置情報(または他の列車との距離)を運転手に通知する。たとえば、図2に示した表示に対して、周囲を走行中の各列車の現在位置を示す表示を行う。これにより、より詳細な周辺列車の位置情報を運転手に伝えることが可能となる。
ただし、無線配信装置2と車上表示装置3との間における伝送遅延時間、および車上表示装置3が最後に情報提供を要求してからの時間経過によって、実際の列車位置は変動する。そのため、車上表示装置3が情報提供を要求する際に送信するデータには列車の現在位置だけではなく、列車の速度情報なども含めるようにしてもよい。この場合、無線配信装置2は、列車の位置情報と速度情報に基づいて各列車の現在位置を適宜算出し、経過時間を考慮した補正を実施した後の位置情報を車上表示装置3に通知できる。
このように、本実施の形態の列車運転支援システムでは、各列車の車上表示装置3が自列車の位置情報を無線配信装置2へ送信し、無線配信装置2は、各列車の位置情報を集約して各列車の詳細位置を把握し、さらに、車上表示装置3に対して、その周囲を走行中の列車の位置情報を配信することとした。これにより、車上表示装置3は自列車の周囲の信号の状態のみならず他の列車との位置関係を運転手に通知してスムーズな列車運行に寄与することができる。
実施の形態4.
実施の形態1の列車運転支援システムにおいて、各列車の車上表示装置3は無線配信装置2から配信された情報に従い周囲の信号機の状態を運転手に通知するように構成されていた(図1,図2参照)。これに対して、本実施の形態では、実施の形態1とは異なる内容を運転手に通知して運転支援を行う列車運転支援システムについて説明する。具体的には、列車をスムーズに運行させるために最適な速度を算出し、それを運転手に通知する列車運転支援システムについて説明する。なお、本実施の形態の列車運転支援システムの構成は実施の形態1と同様である(図1参照)。無線配信装置2が車上表示装置3へ配信する情報は実施の形態1と同様とする。
本実施の形態では、図4に示したような場合、すなわち、軌道回路A,Dの区間を列車が走行中の場合に、軌道回路Aの区間を走行中の列車における車上表示装置3について説明する。
図4の場合、軌道回路Aを走行中の列車がこれから進入する軌道回路は進行現示(G)であるが、その先では減速させる可能性がある。ここで、この列車に車上表示装置3が設置されておらず、運転手が実際の信号に従って列車を走行させた場合、図5に示すように軌道回路単位で速度を減速させる必要が生じる。
急減速などは、車内に乗車している旅客への安全にも影響を与えるほか、経済面でもコストがかかる運転となる。そこで、本実施の形態の車上表示装置3は、無線配信装置2から受信した情報(信号機情報または軌道回路情報)に基づいて、制限速度の提案を行う。具体的には、現在の信号現示が進行(G)であったとしても、その先にて減速の可能性がある場合は、事前に速度を抑えるような通知を運転手に知らせる。通知内容に従って運転手が列車を運行させることによりスムーズな運転が実現される。
図6は、具体的に制限速度を表示した例である。点線は次の軌道回路直前、すなわち信号機の手前で現示を目視してから減速を行った場合の運転曲線(本実施の形態の列車運転支援システムを備えていない場合など、従来の運転曲線)である。一点鎖線は、軌道回路Dの現在の状態(停止現示(R))に基づき、軌道回路Dへ進入する直前で列車を停止させることを想定して現在の速度から次の軌道回路における制限速度に対して直線的に減速した場合の運転曲線となる。本実施の形態の車上表示装置3は、運転手に対して、上記の2つの運転曲線の平均(実線で示した運転曲線)を推奨線として通知する。車上表示装置3による運転手への通知内容以外の部分は実施の形態1で説明した列車運転支援装置と同様である。
なお、実施の形態1で説明した車上表示装置3が図6に示した表示を行う場合について説明したが、実施の形態2,3で説明した車上表示装置3が図6に示した表示を行うようにすることも可能である。また、実施の形態3で説明した車上表示装置3は先行列車の位置情報も取得するので、先行列車の現在位置を考慮して図6に示したような運転曲線を求めるようにしてもよい。たとえば、先行列車が軌道回路の終端付近を走行している(間もなく次の軌道回路へ移る)ことを検出した場合、車上表示装置3は、速度の抑制量(図6の点線の曲線と実線の曲線の差)が少なくなるように、実線で示した運転曲線を点線で示した曲線に近づける。
このように、本実施の形態の列車運転支援システムにおいて、車上表示装置3は、周囲の列車の運行状況(目視不可能な周囲の信号機の状況)を考慮した最適な運行曲線(推奨線)を算出し、運転手に通知することとした。これにより、実施の形態1〜3と同様に、スムーズな列車走行を実現できる。
以上のように、本発明にかかる列車運転支援システムは、列車のスムーズな運行の実現に有用であり、特に、走行中の列車同士の間隔が短く、加減速が発生しやすい状況において列車を運行させる場合の運転支援に適している。
1 連動装置
2 無線配信装置
3 車上表示装置

Claims (6)

  1. 複数の列車を同時に運行させる鉄道システムの列車運転支援システムであって、
    列車の在線位置を示す軌道回路情報を連動装置から取得し、当該取得した情報を走行中の各列車に配信する無線配信装置と、
    前記各列車に設置され、前記無線配信装置から配信された前記軌道回路情報に基づいて、自列車の現在位置を含み、進行方向の前方および後方の一定範囲内における信号機の表示状態を運転手に通知する車上表示装置と、
    を備え
    前記車上表示装置は、情報の送信要求を前記無線配信装置に対して周期的に送信し、かつ、前記送信要求の送信周期を自列車の走行状態に応じて変更し、
    前記無線配信装置は、前記車上表示装置から情報の送信要求を受けた場合、前記連動装置から軌道回路情報を取得して送信要求元の車上表示装置へ送信する
    ることを特徴とする列車運転支援システム。
  2. 前記無線配信装置は、情報の送信要求を受けた場合、前記連動装置の制御対象範囲内にある全ての軌道回路についての軌道回路情報を取得して送信要求元の車上表示装置へ送信する
    ことを特徴とする請求項に記載の列車運転支援システム。
  3. 前記車上表示装置は、前記無線配信装置に対して情報の送信要求を行う際に自列車の現在位置情報を送信し、
    前記無線配信装置は、前記車上表示装置から情報の送信要求を受けた場合、受信した現在位置情報に基づいて、送信要求元の車上表示装置へ送信する情報を選定する
    ことを特徴とする請求項に記載の列車運転支援システム。
  4. 前記無線配信装置は、前記送信要求元の車上表示装置に対して、当該車上表示装置が設置されている列車の現在位置を含んだ所定範囲内を走行中の列車の位置情報を前記軌道回路情報とともに送信し、
    前記車上表示装置は、自列車の現在位置を含む一定範囲内における信号機の表示状態、および当該一定範囲内を走行中の他列車との位置関係を運転手に通知する
    ことを特徴とする請求項に記載の列車運転支援システム。
  5. 複数の列車を同時に運行させる鉄道システムの列車運転支援システムであって、
    列車の在線位置を示す軌道回路情報を連動装置から取得し、当該取得した情報を走行中の各列車に配信する無線配信装置と、
    列車に設置され、前記無線配信装置から配信された軌道回路情報に基づいて、前方の一定区間内における自列車の推奨運転速度を算出し、算出結果を運転手に通知する車上表示装置と、
    を備え
    前記車上表示装置は、情報の送信要求を前記無線配信装置に対して周期的に送信し、かつ、前記送信要求の送信周期を自列車の走行状態に応じて変更し、
    前記無線配信装置は、前記車上表示装置から情報の送信要求を受けた場合、前記連動装置から軌道回路情報を取得して送信要求元の車上表示装置へ送信する
    ことを特徴とする列車運転支援システム。
  6. 前記無線配信装置は、前記軌道回路情報に代えて、路線に設置された信号機の状態を示す信号機情報を取得して各列車に配信し、前記車上表示装置は、前記軌道回路情報に代えて前記信号機情報を使用することを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の列車運転支援システム。
JP2010161978A 2010-07-16 2010-07-16 列車運転支援システム Active JP5484234B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010161978A JP5484234B2 (ja) 2010-07-16 2010-07-16 列車運転支援システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010161978A JP5484234B2 (ja) 2010-07-16 2010-07-16 列車運転支援システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012020712A JP2012020712A (ja) 2012-02-02
JP5484234B2 true JP5484234B2 (ja) 2014-05-07

Family

ID=45775331

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010161978A Active JP5484234B2 (ja) 2010-07-16 2010-07-16 列車運転支援システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5484234B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101339351B1 (ko) 2012-03-23 2013-12-09 한국철도기술연구원 열차위치 보조 검지 장치를 활용한 열차 제어 시스템 및 열차의 방호 방법
KR101339348B1 (ko) * 2012-03-23 2013-12-09 한국철도기술연구원 궤도회로를 이용한 이동폐색과 고정폐색의 혼합 운행 시스템 및 방법
JP2013258847A (ja) * 2012-06-13 2013-12-26 Mitsubishi Electric Corp 列車運行管理システム、車上装置および列車運行管理方法
JP5847736B2 (ja) * 2013-01-10 2016-01-27 株式会社京三製作所 列車制御システム及び列車制御方法
JP2016053758A (ja) * 2014-09-02 2016-04-14 村田機械株式会社 走行車システム
GB2536002B (en) * 2015-03-02 2017-08-02 Hitachi Ltd Railway Vehicle Operation

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01226471A (ja) * 1988-03-04 1989-09-11 Mitsubishi Electric Corp 列車運行管理装置
JPH0624341A (ja) * 1992-07-10 1994-02-01 Mitsubishi Electric Corp 分散型運行管理システム
JP4027521B2 (ja) * 1998-12-28 2007-12-26 日本信号株式会社 列車運転制御装置
JP3902915B2 (ja) * 2001-02-21 2007-04-11 株式会社京三製作所 車内信号用地上装置、車内信号用車上装置および車内信号システム
JP4277651B2 (ja) * 2003-11-06 2009-06-10 三菱電機株式会社 列車運行情報システムおよび運行情報表示端末

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012020712A (ja) 2012-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6125574B2 (ja) 列車管理システム
US20200004240A1 (en) Method and System for Remotely Controlling a Vehicle
AU2014100572A4 (en) Systems and methods for controlling warnings at vehicle crossings
US9126609B2 (en) Systems and methods for controlling warnings at vehicle crossings
JP5484234B2 (ja) 列車運転支援システム
JP4479720B2 (ja) 路上通信システム及び交通信号制御機
JP2009029234A (ja) 列車運転指示装置
WO2015152012A1 (ja) 列車制御方法及び列車制御システム
JP5988785B2 (ja) 運転支援装置
JP6867483B2 (ja) 車両制御装置
JP2010228648A (ja) 踏切制御装置
CN113954924A (zh) 降级车自主运行方法、装置、电子设备和可读存储介质
JP4807308B2 (ja) 交通システム、車両および交通信号制御機
JP5307184B2 (ja) 車内信号式自動列車制御システム、及び、車内信号式自動列車制御方法
JP5799460B2 (ja) 車上装置及び列車進行制御システム
JP2017087978A (ja) 列車運転支援システム
US20210229715A1 (en) Vehicle warning system
JP4125019B2 (ja) 軌道車両の運行支援方法および同運行支援システム
JP5071893B2 (ja) 車両制御システム、車載装置及び車両
JP6297511B2 (ja) 運行管理システム及び運行管理方法
JP4479857B2 (ja) 路上通信システム及び路上通信装置
JP2013258847A (ja) 列車運行管理システム、車上装置および列車運行管理方法
JP2006240490A (ja) 列車管理システム、方法
CN110036427B (zh) 车载报警装置
JP2011168217A (ja) 運行支援システム及び運行支援方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120903

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130702

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130703

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130828

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140121

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140218

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5484234

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250