JPH082345A - ドアサッシュモールの端末処理構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドアサッシュモールの上端末部とグラスラン
上縁部とのパーティング部分の外観を向上すると共に、
シール性の向上を図る。 【構成】 ドアサッシュ２の縦方向サッシュ部２Ａに沿
うグラスラン５の外側面を覆ってドアサッシュモール７
を密接配置し、このドアサッシュモール７の上端末部に
対応するグラスラン上縁部に袋孔９を設け、この袋孔９
にドアサッシュモール９の上端末部を挿入固定してあ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動車のドアサッシュモ
ールの端末処理構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】図４〜６は従来の構造を示すもので、１
はドア本体、２はドア本体１に一体成形したドアサッシ
ュで、アウタサッシュ３とインナサッシュ４とで閉断面
に形成してある。

【０００３】５はドアウインドウパネル６の摺動ガイド
とシール部材としての機能を併有するグラスランで、ド
アサッシュ２の内周の周縁フランジ２ａに嵌着して、該
ドアサッシュ２の内周に沿って装着してある。

【０００４】このグラスラン５はその上縁部にあっては
インナリップ５ａとアウタリップ５ｂとを上下方向にオ
フセットして形成すると共に、該アウタリップ５ｂを中
空に形成してドアウインドウパネル６の周端縁を包み込
むように弾接させてシールするようにしてある。

【０００５】また、グラスラン５の前記ドアサッシュ２
の縦方向サッシュ部、具体的には本例ではフロントドア
を示しているのでその後側サッシュ部２Ａに沿う部分は
チャンネル断面として、そのチャンネル断面の内側にド
アウインドウパネル６を受容し、インナリップ５ａとア
ウタリップ５ｂとをドアウインドウパネル６の内、外側
面に密接させて、該ドアウインドウパネル６の摺動ガイ
ドと、車室内外のシールとを行わせるようにしてある。

【０００６】グラスラン５の上縁部の後側部分は、アウ
タリップ５ｂを後方に延長し、この延長部分をアウタサ
ッシュ３に形成した溝部３ａ内に図外の両面テープ等に
より接着固定して、シールラインが図外のリヤドアのシ
ールラインと連続して見えるようにして見栄えの向上を
図っている。

【０００７】７はドアサッシュ２の後側サッシュ部２Ａ
の前縁部に装着した硬質樹脂材からなるドアサッシュモ
ールで、断面Ｌ字状に形成して後側サッシュ部２Ａの前
壁部に図外のクリップあるいはスクリュー・グロメット
等によって固着してある。

【０００８】このドアサッシュモール７は後側サッシュ
部２Ａとの間に段差が生じないように外側面に後側サッ
シュ部２Ａの外側面と面一に整合して配設し、かつ、グ
ラスラン５のチャンネル断面部の外側面を覆って密接配
置してあって、後側サッシュ部２Ａに沿うグラスラン５
を隠蔽して装飾効果を高めると共に、該グラスラン５の
チャンネル断面部の外側壁を支持して、ドアウインドウ
パネル６の振れ止め機能を果たしている。

【０００９】また、このドアサッシュモール７の上端末
部には軟質樹脂材からなるエンドキャップ８を嵌着し
て、ドアサッシュモール７の上端末が直接グラスラン上
縁部のアウタリップ５ｂの下縁に接触することによる該
アウタリップ５の下縁の損傷を回避し、かつ、エンドキ
ャップ８と該アウタリップ５の下縁とを密接させて不連
続感を生じさせないようにしている。

【００１０】この類似構造は、例えば実開昭５５−１６
０９１９号公報、実開平３−５１６１６号公報等に示さ
れている。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】前述のようにドアサッ
シュモール７の上端末部に別物のエンドキャップ８を嵌
着して端末処理するようにした場合、部品点数および部
品管理工数が嵩んでコスト的に不利となってしまうこと
は否めない。

【００１２】また、前述のようにエンドキャップ８をグ
ラスラン上縁部のアウタリップ５ｂの下縁に密接させて
連続感を得ようとしても、ドアウインドウパネル６の全
閉時には、該グラスラン上縁部のアウタリップ５ｂが突
き上げられて上方へ撓み変形するため、該アウタリップ
５ｂとエンドキャップ８との間に隙間が生じてシール性
が損なわれる傾向にあり、このため、エンドキャップ８
とアウタリップ５ｂの下縁との面合わせが非常に難しく
なってしまう。

【００１３】しかも、エンドキャップ８を装着する関係
で、後側サッシュ部２Ａに沿うグラスラン５のチャンネ
ル断面部の外側壁の、前記グラスラン上縁部のアウタリ
ップ５ｂと連接する部分に切欠部５ｃを形成して、該エ
ンドキャップ８をこの切欠部５ｃに嵌め込むようにして
いるため、エンドキャップ８の下縁とチャンネル断面部
のアウタリップ５ｂとの間にも隙間が発生してシール不
良を生じ易くなってしまう。

【００１４】更には、ドアサッシュモール７の上端末部
にエンドキャップ８を嵌着するため、このエンドキャッ
プ８の肉厚分相当でドアサッシュモール７の外側面、お
よびグラスラン５の上縁部外側面との間に段差が不可避
的に生じ、外観上も十分に満足できる構造とはなり得な
い。

【００１５】そこで、本発明は外観およびシール性を損
なうことがなく、しかも、コスト的にも有利に得ること
ができるドアサッシュモールの端末処理構造を提供する
ものである。

【００１６】

【課題を解決するための手段】請求項１にあっては、ド
アサッシュの縦方向サッシュ部に上下方向にドアサッシ
ュモールを配設した構造において、前記ドアサッシュの
内周に装着したグラスランの上縁部の前記ドアサッシュ
モールの上端末部に対応する部位に袋孔を形成し、この
袋孔にドアサッシュモールの上端末部を挿入固定してあ
る。

【００１７】請求項２にあっては、ドアサッシュモール
をドアサッシュの縦方向サッシュ部の側縁に沿って、該
縦方向サッシュ部の外側面と面一に整合して装着し、該
縦方向サッシュ部に沿うグラスランの外側面を覆って密
接配置してある。

【００１８】請求項３にあっては、袋孔を上下方向に形
成してその開口をグラスランの上縁部の外側面に外側下
向きに形成する一方、ドアサッシュモールの上端末部は
車室方向に有段成形して、グラスラン上縁部の外側面と
ドアサッシュモールの外側面とを面一に整合して配設し
てある。

【００１９】

【作用】請求項１によれば、ドアサッシュモールの上端
末部を、グラスラン上縁部に形成した袋孔に挿入固定し
てあるため、該ドアサッシュモールの上端末部とグラス
ラン上縁部との間に隙間が生じてシール性を損なうこと
は全くない。

【００２０】また、別物のエンドキャップを用いること
なくドアサッシュモールの上端末部の組付け処理を行え
るため、組付け作業性の向上と共にコストダウンに大き
く寄与することができる。

【００２１】請求項２によれば、縦方向サッシュ部に沿
うグラスランをドアサッシュモールで隠蔽して装飾効果
を高められると共に、該グラスランの外側部を支持して
ドアウインドウパネルの振れ止めを行えることは勿論、
該グラスランの外側部には切欠部を設けることなくドア
サッシュモールの上端末部の組付け処理を行えるため、
シール性を一段と向上することができる。

【００２２】請求項３によれば、グラスラン上縁部の外
側面とドアサッシュモールの外側面とが面一に整合して
段差を生じないため、外観を一段と向上することができ
る。

【００２３】また、ドアサッシュモールの上端末部とグ
ラスラン上縁部の袋孔との上下方向の挿入調整を行うこ
とによって、ドアサッシュモールの上下方向の組付け誤
差や成形誤差を吸収でき、組付け作業性を一段と向上す
ることができる。

【００２４】しかも、ドアサッシュモールの上下方向、
即ち、長さ方向の収縮、膨脹変化をこれら袋孔とドアサ
ッシュモール上端末部との挿入ラップ量の変化で吸収で
きて、ドアサッシュモールの上端末部とグラスラン上縁
部との間にパーティング間隙が生じることはなく、外観
をより一層向上することができる。

【００２５】

【実施例】以下、本発明の一実施例を自動車のフロント
ドアを例にとって、前記従来の構成と同一部分に同一符
号を付して詳述する。

【００２６】図１，２において、ドアサッシュ２の内周
に装着したグラスラン５は、その上縁部にあってはイン
ナリップ５ａとアウタリップ５ｂとを上下方向にオフセ
ットして形成すると共に、該アウタリップ５ｂを中空に
形成してドアウインドウパネル５の周端縁を包み込むよ
うに弾接させてシールするようにしてある。

【００２７】このグラスラン５の前記ドアサッシュ２の
縦方向サッシュ部である後側サッシュ部２Ａに沿う部分
は、ドアウインドウパネル６の後縁部を受容するチャン
ネル断面として、そのインナリップ５ａとアウタリップ
５ｂをドアウインドウパネル６の内，外側面に密接させ
て、該ドアウインドウパネル６の摺動ガイドと、車室内
外のシールとを行わせるようにしてある。

【００２８】また、グラスラン５の上縁部の後側部分
は、アウタリップ５ｂを途中から中実構造として後方に
延長し、該延長部分をアウタサッシュ３に形成した溝部
３ａ内に接着固定してある。

【００２９】後側サッシュ部２Ａの前縁部には硬質樹脂
材からなる断面Ｌ字状のドアサッシュモール７を図外の
クリップ等によって取付けてある。

【００３０】このドアサッシュモール７はその外側面を
後側サッシュ部２Ａの外側面と面一に整合して配設して
あると共に、該後側サッシュ部２Ａに沿うグラスラン５
のチャンネル断面部の外側面を覆って密接配置してあ
る。

【００３１】ここで、前記グラスラン５の上縁部のドア
サッシュモール上端末部に対応する部位には袋孔９を形
成してあり、この袋孔９にドアサッシュモール７の上端
末部を挿入固定してある。

【００３２】本実施例では、この袋孔９をグラスラン５
の上縁部に上下方向に形成してあって、その開口はグラ
スラン５の上縁部の外側面に外側にオフセットして下向
きに形成してある。

【００３３】一方、ドアサッシュモール７の上端末部は
車室方向に有段成形して差込み部７ａとしてあり、この
差込み部７ａを開口より袋孔９に挿入して、グラスラン
５の上縁部の外側面と、ドアサッシュモール７の外側面
とが面一に整合するようにしてある。

【００３４】前記袋孔９はドアサッシュモール７の上端
末部の差込み部７ａの長さよりも十分に深く形成して、
ドアサッシュモール７の上下方向の組付け誤差や成形誤
差、あるいはドアサッシュモール７の上下方向の収縮、
膨脹変化を吸収できるようにしてある。

【００３５】また、前記差込み部７ａを挿入する袋孔９
を形成したグラスラン５の上縁部後側の中実構造とした
アウタリップ５ｂの内周面は、上方に向けて傾斜したガ
イド面５ｃとして形成してある一方、袋孔９の背面はド
アウインドウパネル６の後端上縁を定置させるストッパ
面５ｄとして有段成形してあり、ドアウインドウパネル
６の全閉操作時に、車室側へ倒れ込み傾向となるドアウ
インドウパネル６の上縁をガイド面５ｃにより車外側へ
スライド移動させ、ストッパ面５ｄに当接させて設計位
置に位置決めすることによって、アウタリップ５ｂのシ
ール反力の低下を来すことのないようにしてシール性の
向上を図っている。

【００３６】以上の実施例構造によれば、ドアサッシュ
２の後側サッシュ部２Ａに沿うグラスラン５のチャンネ
ル断面部の外側をドアサッシュモール７で隠蔽して装飾
効果を高められると共に、該チャンネル断面部の外側壁
を支持してドアウインドウパネル６の振れ止めを行える
ことは勿論、ドアサッシュモール７の上端末部の差込み
部７ａを、グラスラン５の上縁部の袋孔９に挿入固定し
てあるので、該ドアサッシュモール７の上端末部とグラ
スラン５の上縁部との間に隙間が生じることは一切な
く、従って、確実なシールを行うことができる。

【００３７】また、ドアサッシュモール７の組付け時に
は、該ドアサッシュモール７の上端末部の差込み部７ａ
と前記袋孔９との上下方向の挿入調整を行うことによっ
て、該ドアサッシュモール７の上下方向の組付け誤差や
成形誤差を吸収できるから、組付け作業性を向上するこ
とができる。

【００３８】しかも、ドアサッシュモール７はその長さ
方向、即ち、上下方向に収縮し、膨脹変化し易い傾向に
あるが、この上下方向の収縮、膨脹変化は袋孔９と差込
み部７ａとの挿入ラップ量の変化で吸収できて、ドアサ
ッシュモール７の上端末部とグラスラン５の上縁部との
間にパーティング間隙が生じることはなく、外観を向上
することができる。

【００３９】更に、差込み部７ａの袋孔９への挿入固定
によって、グラスラン５の上縁部の外側面とドアサッシ
ュモール７の外側面とを面一に整合できて段差を生じな
いため、より一層外観を向上することができる。

【００４０】前記実施例ではドアサッシュモール７をグ
ラスラン５のチャンネル断面部の外側面を覆って装着し
てあるが、後側サッシュ部２Ａの外側面をも覆うように
装着するようにしてもよい。

【００４１】また、リヤドアの場合前述のドアサッシュ
モール７は前側サッシュ部やパーティングサッシュ等の
縦方向サッシュ部に上下方向に装着される。

【００４２】

【発明の効果】以上、本発明によれば次に列挙する効果
を奏せられる。

【００４３】(1) ドアサッシュモールの上端末部をグラ
スラン上縁部に形成した袋孔に挿入固定してあるため、
該ドアサッシュモールの上端末部とグラスラン上端末部
との間に隙間が生じてシール性を損なうことは全くな
い。

【００４４】(2) 別物のエンドキャップを用いることな
くドアサッシュモールの上端末部の組付け処理を行える
ため、組付け作業性の向上と共にコストダウンに大きく
寄与することができる。

【００４５】(3) ドアサッシュモールを縦方向サッシュ
部に沿うグラスランの外側面を覆って密接配置してある
ため、装飾効果を高められると共にドアウインドウパネ
ルの振れ止めを行えることは勿論、グラスランの外側部
に切欠部を設けることなくドアサッシュモールの上端末
部の組付け処理を行えるため、シール性を一段と向上す
ることができる。

【００４６】(4) 袋孔をグラスラン上縁部に上下方向に
形成してその開口をグラスラン上縁部の外側面に外側に
オフセットして下向きに形成し、この袋孔にドアサッシ
ュモールの車室方向に有段成形した上端末部を挿入固定
して、グラスラン上縁部の外側面とドアサッシュモール
の外側面とを面一に整合してあるから、ドアサッシュモ
ールとグラスラン上縁部とのパーティング部分に段差が
なく、外観を一段と向上することができる。

【００４７】(5) ドアサッシュモールの上下方向の組付
け誤差や成形誤差を、袋孔とドアサッシュモール上端末
部との上下方向の挿入量調整で吸収できるから組付け作
業性を向上することができる。

【００４８】(6) ドアサッシュモールの上下方向の収
縮、膨脹変化を、袋孔とドアサッシュモール上端末部と
の挿入ラップ量の変化で吸収できて、ドアサッシュモー
ルの上端末部とグラスラン上縁部との間にパーティング
間隙が生じることがなく、外観をより一層向上すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す図３のＡ範囲部の拡大
斜視図。

【図２】図１のＢ−Ｂ線に沿う断面図。

【図３】本発明の対象とする自動車用ドアの斜視図。

【図４】従来の構造を示す図１と同様の斜視図。

【図５】図４のＣ−Ｃ線に沿う断面図。

【図６】図４のＤ−Ｄ線に沿う断面図。

【符号の説明】

２ ドアサッシュ ２Ａ 縦方向サッシュ部 ５ グラスラン ７ ドアサッシュモール ９ 袋孔

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドアサッシュの縦方向サッシュ部に上下
   方向にドアサッシュモールを配設した構造において、前
   記ドアサッシュの内周に装着したグラスランの上縁部の
   前記ドアサッシュモールの上端末部に対応する部位に袋
   孔を形成し、この袋孔にドアサッシュモールの上端末部
   を挿入固定したことを特徴とするドアサッシュモールの
   端末処理構造。
2. 【請求項２】 ドアサッシュモールをドアサッシュの縦
   方向サッシュ部の側縁に沿って、該縦方向サッシュ部の
   外側面と面一に整合して装着し、該縦方向サッシュ部に
   沿うグラスランの外側面を覆って密接配置したことを特
   徴とする請求項１記載のドアサッシュモールの端末処理
   構造。
3. 【請求項３】 袋孔を上下方向に形成してその開口をグ
   ラスランの上縁部の外側面に外側下向きに形成する一
   方、ドアサッシュモールの上端末部は車室方向に有段成
   形して、グラスラン上縁部の外側面とドアサッシュモー
   ルの外側面とを面一に整合して配設したことを特徴とす
   る請求項１，２記載のドアサッシュモールの端末処理構
   造。