JPH08234207A - 配向膜の配向処理方法およびその装置 - Google Patents

配向膜の配向処理方法およびその装置

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JPH08234207A
JPH08234207A JP7353580A JP35358095A JPH08234207A JP H08234207 A JPH08234207 A JP H08234207A JP 7353580 A JP7353580 A JP 7353580A JP 35358095 A JP35358095 A JP 35358095A JP H08234207 A JPH08234207 A JP H08234207A
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alignment film
substrate
rubbing
ion beam
alignment
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JP7353580A
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English (en)
Inventor
Kiyohiro Nakabayashi
聖裕 中林
Norio Asagi
典生 浅儀
So Kuwabara
創 桑原
Taizo Ebara
泰蔵 江原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
II H C KK
Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
II H C KK
Nissin Electric Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J7/00Chemical treatment or coating of shaped articles made of macromolecular substances
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
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    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶ディスプレイの視野角を広げることがで
き、しかもパーティクルの発生を減少させることができ
る配向膜の配向処理方法およびその装置を提供する。 【解決手段】 この配向処理方法では、まず、基板上に
形成されていて液晶分子を配向させるための配向膜6の
表面をラビング材を用いて一定方向Dにラビングする。
その後、真空中で同配向膜6に対してイオンビーム14
を、先のラビング材によるラビング方向Dとは異なった
方向Eから、かつ配向膜表面に対して斜め上方から照射
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば液晶ディ
スプレイの製造等に利用されるものであって、液晶分子
を所定方向に配向させるための配向膜に対して配向処理
を施す、配向膜の配向処理方法およびその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】液晶分子を基板の表面において所定方向
に配向させるために、基板の表面に、ポリイミド等の高
分子有機材料から成る配向膜を塗布することが行われて
いる。
【0003】この場合、基板の表面に単に配向膜を塗布
しただけでは、液晶分子が基板の表面に対して単に平行
に配列するだけで、液晶分子を所定方向に配列させるこ
とはできない。
【0004】そこで従来は、配向膜に、その表面をナイ
ロンやレーヨン等のラビング布で一定方向に機械的にラ
ビングする(擦る)ことによって配向処理を施し、これ
によって液晶分子をラビングした方向に配列させること
が行われている。
【0005】更に、液晶ディスプレイの視野角を広くす
るために、上記のようなラビング布を用いて、同じ配向
膜の表面を異なった方向へ2回ラビングして、いわゆる
マルチドメイン配向を可能にする配向処理が行われてい
る。マルチドメイン配向とは、液晶分子が二方向に配向
することであり、そのようにすれば、コントラストは下
がるものの、視野角を広くすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
にラビング処理を2回行って視野角を広くする方法で
は、それぞれのラビング処理の際にパーティクル(ゴ
ミ)が発生するため、パーティクルが大量に発生して、
これが液晶ディスプレイの特性を悪化させ、ひいては歩
留まりを低下させる要因になるという問題がある。例え
ば、パーティクルが発生してそれが配向膜に付着してい
ると、それによって表示むらが生じて表示品質が低下し
たり、電気的にショートする個所が生じたりする。
【0007】そこでこの発明は、液晶ディスプレイの視
野角を広げることができ、しかもパーティクルの発生を
減少させることができる配向膜の配向処理方法およびそ
の装置を提供することを主たる目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の配向処理方法は、基板上に形成されてい
て液晶分子を配向させるための配向膜の表面をラビング
材を用いて一定方向にラビングし、その後真空中で同配
向膜に対してイオンビームを、先のラビング材によるラ
ビング方向とは異なった方向から、かつ配向膜表面に対
して斜め上方から照射することを特徴とする。
【0009】その場合、ラビングとイオンビーム照射の
順序を上記とは逆にしても良い。
【0010】また、基板上に形成されていて液晶分子を
配向させるための配向膜に対して真空中でイオンビーム
を、配向膜表面に対してほぼ直角方向から照射し、その
後同配向膜の表面を、ラビング材を用いてラビングして
も良い。
【0011】この場合も、ラビングとイオンビーム照射
の順序を上記とは逆にしても良い。
【0012】配向膜にイオンビームを照射することで、
配向膜に配向処理を施すことができる。これは、イオ
ンビーム照射によって配向膜の表面が改質され、配向膜
を構成する高分子が所定方向に並び、それに沿って液晶
分子が配向するようになる、あるいはイオンビーム照
射によるスパッタリングによって配向膜の表面に多数の
微小な溝状のものが形成され、それに沿って液晶分子が
配向するようになる、ためであると考えられる。
【0013】その場合、イオンビームを配向膜表面に対
して斜め上方から照射すると、配向秩序度が大きくなっ
て液晶分子の配向方向が同一方向に揃いやすくなり、イ
オンビームを配向膜表面に対してほぼ直角方向から(即
ちほぼ真上から)照射すると、配向秩序度が小さくなっ
て液晶分子の配向方向がランダムになることが実験によ
って確かめられた。
【0014】従って、上記のように配向膜表面に対して
イオンビームを斜め上方から照射し、しかもイオンビー
ム照射方向とラビング方向とを互いに異ならせることに
より、配向膜は互いに異なる二つの配向方向を持つよう
になり、マルチドメイン配向を実現することができる。
その結果、液晶ディスプレイの視野角を広げることがで
きる。
【0015】また、上記のように配向膜表面に対してイ
オンビームをほぼ直角方向から照射すると、配向膜はラ
ンダムな配向方向を持つようになり、それによって液晶
分子はランダムな配向を示すために光が散乱される度合
が強くなる。その結果、液晶ディスプレイの視野角を広
げることができる。このようなイオンビーム照射による
ランダム配向処理だけでは液晶分子のプレティルト角が
小さいけれども、ラビング処理を併用することによって
プレティルト角を大きくすることができる。
【0016】上記いずれの配向処理方法も、ラビング処
理は1回で済み、イオンビーム照射においては非接触で
配向膜に配向処理を施すことができるのでパーティクル
の発生は非常に少なく、従ってラビング処理を2回行う
従来法よりもパーティクルの発生を減少させることがで
きる。
【0017】また、この発明に係る配向処理装置は、上
記のような配向処理方法の実施に適している。
【0018】
【発明の実施の形態】まず、配向膜に対してラビング処
理とイオンビーム照射とを行うことによって、マルチド
メイン配向を実現する配向処理方法の実施例を説明す
る。
【0019】配向膜に対するラビング処理は、例えば図
1に示すような装置を用いて行う。この装置は、一定方
向、例えば矢印A方向に移動する移動テーブル20を有
しており、その上に、配向処理を施そうとする配向膜付
基板2が載せられる。
【0020】配向膜付基板2は、この例ではガラス基板
4の表面にポリイミド等の有機高分子材料から成る配向
膜6を塗布したものである。なお、液晶ディスプレイを
構成する場合は、ガラス基板4と配向膜6との間に、I
TO(スズをドープした酸化インジウム)等から成る透
明電極が形成される。
【0021】移動テーブル20の上方にはラビング材2
2が設けられており、移動テーブル20を例えば矢印A
方向に移動させることによって、このラビング材22で
配向膜付基板2の配向膜6の表面をラビングする(擦
る)ことができる。
【0022】ラビング材22は、図示例では、ローラ2
4の外周部に巻かれていて例えばナイロン、レーヨン等
から成るラビング布であるが、同様の材料から成るブラ
シ状のもの等でも良い。この例のラビング材22は、矢
印Bのように、移動テーブル20の移動とは逆方向に回
転させる。
【0023】配向膜6の表面を上記のようにしてラビン
グすると、図4に拡大して示すように、配向膜6の表面
に、ラビング方向に沿って、即ち図1に示した配向膜付
基板2の移動方向Aに沿って、多数の微小な溝6aが形
成される。
【0024】これ自身は、従来から行われているラビン
グ処理と同じであり、このような配向膜付基板2を用い
て液晶ディスプレイを構成すると、液晶分子はこの溝6
aの長手方向に沿って配向する。
【0025】配向膜6に対するイオンビーム照射は、例
えば図2に示すような装置を用いて行う。この装置は、
図示しない真空容器内に設けられていて、配向処理を施
そうとする配向膜付基板2を保持するホルダ8を有して
いる。このホルダ8は、この例では、配向膜6表面に対
するイオンビーム14の照射角度φを変えることができ
るように、回転軸10を中心にして矢印Cのように回転
可能である。ホルダ8の上方には、ホルダ8上の配向膜
付基板2の配向膜6に向けてイオンビーム14を照射す
るイオン源12および同配向膜6に電子18を供給する
フィラメント16が設けられている。
【0026】イオンビーム14には、そのイオンが配向
膜6と反応して配向膜6の性質を変えないようにするた
めに、例えばヘリウム、ネオン、アルゴン等の不活性ガ
スイオンビームを用いるのが好ましい。
【0027】イオンビーム14の加速エネルギーは、特
に限定はなく、例えば100eV〜500eV程度で良
い。
【0028】配向膜6に対するイオンビーム照射の際に
は、それと同時に、フィラメント16から引き出した電
子18を配向膜6に供給して、イオンビーム14による
正電荷を中和させるのが好ましい。これは、イオンビー
ム14による正電荷が配向膜6の表面に溜まると、それ
がイオンビーム14の飛来を邪魔して、配向膜6の処理
が困難になったり不均一になったりするので、更には配
向処理後に液晶セルを構成したときに電荷によって液晶
分子の配向が乱されたりするので、それを電子供給によ
って防止することができるからである。
【0029】配向処理に際しては、まず、図1に示した
ような装置を用いて、配向膜6の表面をラビング材22
を用いて一定方向にラビングし、その後、図2に示した
ような装置を用いて、ラビング処理を施した配向膜6に
イオンビーム14を照射する。
【0030】その際、イオンビーム14の照射は、平面
的に見て、例えば図3に示すように、先のラビング材2
2によるラビング方向D(これは図1の移動方向Aと等
しい)に対して所定の方位角度θを持たせて、先のラビ
ング方向Dとは異なった方向から行う。Eはイオンビー
ム14の照射方向である。なおかつイオンビーム14の
照射は、上下方向に見て、例えば図4に示すように、配
向膜6の表面に対して所定の照射角度φを持たせて、配
向膜表面に対して斜め上方から行う。
【0031】上記のようにして配向膜6にイオンビーム
14を照射することによっても、配向膜6に配向処理を
施すことができる。これは、イオンビーム照射によっ
て配向膜6の表面が改質され、配向膜6を構成する高分
子がイオンビーム照射方向Eと一定の関係を有する方向
に、例えばイオンビーム照射方向Eに沿って並び、それ
に沿って液晶分子が配向するようになる、あるいはイ
オンビーム照射によるスパッタリングによって配向膜6
の表面に多数の微小な溝状のものがイオンビーム照射方
向Eに沿って形成され、それに沿って液晶分子が配向す
るようになる、ためであると考えられる。
【0032】従って、上記のようにイオンビーム照射方
向Eとラビング方向Dとを、図3中に方位角度θで示す
ように、互いに異ならせることにより、配向膜6は互い
に異なる二つの配向方向を持つようになり、マルチドメ
イン配向を実現することができる。
【0033】その場合、配向膜表面に対するイオンビー
ム14の照射角度φは小さい方が好ましい。
【0034】その理由の一つは、図4を参照すれば分か
るように、配向膜6の表面にはラビング処理によって溝
6aが、即ち凹凸が形成されており、イオンビーム14
を斜め上方から照射すると、イオンビーム14が照射さ
れる部分と照射されない部分が生じ、イオンビーム14
が照射された部分だけにイオンビーム照射による配向処
理が施される。溝6aの部分には先のラビング処理によ
って配向処理が施されており、その効果を弱めないため
には、溝6aの底部にはできるだけイオンビーム14が
入射しない方が好ましい。そのために、イオンビーム1
4の照射角度φは小さい方が好ましい。
【0035】他の理由は、イオンビーム14の照射角度
φが小さいほど、イオンビーム照射によって大きな配向
秩序度が得られるからである。イオンビーム14の照射
角度φと液晶の配向秩序度との関係を測定した結果の一
例を図5に示す。ここで、配向秩序度とは、どの程度の
割合の液晶分子が同一方向に配向しているかを示すもの
であり、1の場合が100%である。また、図中のTN
またはSTNは、配向膜6として、TN(ツイストネマ
ティック)モード用の配向膜あるいはSTN(スーパー
ツイストネマティック)モード用の配向膜を用いたこと
を示している。その後の数字は照射イオンビーム14の
エネルギーである。また、比較のために、ラビング法に
よる結果も示した。
【0036】この図から、イオンビーム14の照射角度
φが小さいほど、配向秩序度が大きくなることが分か
る。特に、照射角度φを30度未満にすると、配向膜6
の種類およびイオンビーム14のエネルギーの大小によ
らず、ラビング法に匹敵するほどの大きな配向秩序度を
得ることができることが分かる。これは、イオンビーム
14の照射角度φが小さいほど、配向膜6を構成する
高分子の並び方に強い方向性を付けることができる、あ
るいはイオンビーム照射によるスパッタリングによっ
て配向膜6の表面に形成される多数の微小な溝状のもの
がイオンビーム照射方向に細長くなる、からであると考
えられる。
【0037】このように、照射角度φが小さい方が、イ
オンビーム照射によって大きな配向秩序度が得られると
共に、ラビングによる配向処理の効果を減殺しないの
で、より明確なマルチドメイン配向を実現することがで
きる。
【0038】この実施例の配向処理方法によれば、上記
のようにしてマルチドメイン配向を実現することがで
き、その結果、液晶ディスプレイの視野角を広げること
ができる。
【0039】しかも上記配向処理方法によれば、ラビン
グ処理は1回で済み、イオンビーム照射においては非接
触で配向膜に配向処理を施すことができるのでパーティ
クルの発生は非常に少なく、従ってラビング処理を2回
行う従来法よりもパーティクルの発生を減少させること
ができる。その結果例えば、液晶ディスプレイの特性を
悪化させる要因が少なくなるので、液晶ディスプレイの
歩留まりを向上させることができるようになる。
【0040】なお、ラビング処理とイオンビーム照射の
順序を、上記実施例とは逆にしても良い。即ち、まず、
配向膜6に対してイオンビーム14を、配向膜6の表面
に対して照射角度φを持たせて、かつ配向膜表面に対し
て斜め上方から照射する。その後、イオンビーム照射し
た配向膜6の表面を、ラビング材22を用いて、イオン
ビーム照射方向Eに対して所定の方位角度θを持たせ
て、イオンビーム照射方向Eとは異なった方向Dにラビ
ングする(図3参照)。
【0041】この配向処理方法の場合は、先のイオンビ
ーム照射によって、上記のような作用によって配向膜6
の表面の全面に一定方向の配向処理が成され、その後、
ラビング処理によって配向膜6の表面に上記のような多
数の溝6aが形成されることになる。イオンビーム照射
による配向膜表面の改質あるいは微小な溝形成よりも、
ラビングによる溝形成の方が強力であるので、溝6aの
部分では液晶分子は溝6aに沿って配向し、それ以外の
部分では、液晶分子はイオンビーム照射方向Eに沿って
配向するようになる。
【0042】従ってこの配向処理方法によっても、マル
チドメイン配向を実現することができ、その結果、液晶
ディスプレイの視野角を広げることができる。また、上
記実施例と同様、ラビング処理を2回行う従来法よりも
パーティクルの発生を減少させることができる。
【0043】もっとも、後のラビング処理によって先の
イオンビーム照射による配向処理の効果が弱められる恐
れが全くないとは言えないので、先の実施例のように、
先にラビング処理を施しておく方がより好ましいと言え
る。
【0044】次に、配向膜に対してイオンビーム照射と
ラビング処理とを行うことによって、ランダム配向を実
現する配向処理方法の実施例を説明する。
【0045】配向膜6に対するイオンビーム照射は、例
えば図2に示したような装置を用いて行う。但し、イオ
ンビーム14の照射角度φをほぼ90度にして、イオン
ビーム14を配向膜表面に対してほぼ直角方向から(即
ちほぼ真上から)照射する。このようにすると、図5の
ところで説明したように、イオンビーム照射によって得
られる配向秩序度は小さくなる。即ち、配向膜6はラン
ダムな配向方向を持つようになり、それによって液晶分
子はランダムな配向を示すために光が散乱される度合が
強くなる。これによっても、液晶ディスプレイの視野角
を広げることができる。
【0046】但し、上記のようなイオンビーム照射によ
る配向処理だけでは、液晶分子のプレティルト角は小さ
い。これは、上記のようなイオンビーム照射では、配向
膜6の表面にラビング法によるような明確な溝を形成す
ることはできないからであると考えられる。
【0047】そこでこれを補うために、イオンビーム照
射した配向膜6の表面を、ラビング材を用いてラビング
する。これは、例えば図1に示したような装置を用いて
行う。但しこの場合は、先のイオンビーム照射は配向膜
6に対してほぼ真上から照射して方向性はないから、ラ
ビング方向は任意である。
【0048】このラビング処理によって、配向膜6の表
面に、例えば図4に示したような多数の微小な溝6aが
形成される。このような溝6aがあると、液晶分子はそ
の溝6a内で起き上がり易くなるので、プレティルト角
が大きくなる。プレティルト角が大きいと、電圧を印加
したときに液晶分子の起き上がる方向を確実に規定する
ことができるので、液晶ディスプレイの特性が良好にな
る。
【0049】上記のようにイオンビーム照射によるラン
ダム配向処理の後にラビング処理を行っても、溝6a以
外の部分で液晶分子をランダムに配向させることはでき
る。配向膜を単にラビング処理した場合は、溝以外の部
分でも弱いけれども溝内とほぼ同方向に配向処理が成さ
れる。これに対して上記実施例の場合、先に、後のラビ
ング処理によってランダム配向処理効果が消されない程
度に強くランダム配向処理にしておけば、溝6a以外の
部分では液晶分子をランダムに配向させることができ
る。
【0050】この実施例の配向処理方法によれば、上記
のようにしてランダム配向を実現することができ、その
結果、液晶ディスプレイの視野角を広げることができ
る。また、上記各実施例の配向処理方法と同様、ラビン
グ処理を2回行う従来法よりもパーティクルの発生を減
少させることができる。
【0051】なお、イオンビーム照射とラビング処理の
順序を上記実施例とは逆にしても良い。即ち、まず、配
向膜6の表面をラビング材22を用いてラビングし、そ
の後、イオンビーム14を当該配向膜6の表面にほぼ直
角方向から照射しても良い。
【0052】この配向処理方法の場合は、先のラビング
処理によって配向膜6の表面に上記のような多数の微小
な溝6aが形成され、その後、イオンビーム照射によっ
て上記のようなランダム配向処理が成される。この場合
でも、溝6a内においては液晶分子のプレティルト角は
大きくなる。また溝6a以外の部分では、先のラビング
処理による配向処理は弱いので、それを打ち消す程度に
強くイオンビーム照射によるランダム配向処理を行え
ば、溝6a以外の部分では液晶分子をランダムに配向さ
せることができる。
【0053】従ってこの配向処理方法によっても、ラン
ダム配向を実現することができ、その結果、液晶ディス
プレイの視野角を広げることができる。また、上記各実
施例と同様、ラビング処理を2回行う従来法よりもパー
ティクルの発生を減少させることができる。
【0054】次に、上記のような配向処理方法の実施に
適している配向処理装置の実施例を説明する。図6は、
この発明に係る配向処理装置の一例を示す横断面図であ
る。図7は、図6の線a−aに沿う縦断面図である。
【0055】この配向処理装置は、前述したような配向
膜付基板2に真空中でラビング処理を施すラビング装置
30と、同配向膜付基板2に真空中でイオンビームを照
射するイオンビーム照射装置50と、このラビング装置
30とイオンビーム照射装置50との間に設けられてい
て真空雰囲気中において配向膜付基板2をラビング装置
30とイオンビーム照射装置50との間で可逆的に搬送
する基板搬送装置40とを備えている。更にこの実施例
では、基板搬送装置40に接続されていて基板搬送装置
40との間で基板2を受け渡しする基板供給装置60を
備えている。
【0056】ラビング装置30は、この実施例では、真
空排気装置34によって真空に(例えば10-5〜10-7
Torr程度に)排気される真空容器32と、この真空
容器32内に設けられていて配向膜付基板2を一定方
向、例えば矢印A方向に移動させる基板移動装置36
と、この基板移動装置36上の配向膜付基板2の配向膜
6(図1参照。以下同じ)の表面をラビングする前述し
たようなラビング材22とを有している。基板移動装置
36は、配向膜付基板2を載置して一定方向、この例で
は矢印A方向に移動する前述したような移動テーブル2
0を有している。
【0057】イオンビーム照射装置50は、この実施例
では、真空排気装置54によって真空に(例えば10-5
〜10-7Torr程度に)排気される真空容器52と、
この真空容器52内に設けられていて基板2を保持する
前述したようなホルダ8と、このホルダ8のほぼ真上に
ホルダ8に向けて設けられていて、ホルダ8上の配向膜
付基板2の配向膜6にイオンビーム14を照射する前述
したようなイオン源12と、同配向膜6に電子18を供
給する前述したようなフィラメント16とを有してい
る。
【0058】ホルダ8は、この実施例では、真空シール
部57を介して真空容器52を貫通する連結部58の一
端部に取り付けられており、この連結部58の他端部に
はホルダ駆動装置56が接続されている。ホルダ駆動装
置56によってホルダ8を、その回転軸10を中心にし
て矢印Cのように、かつその中心軸11を中心にして矢
印Fのように、それぞれ可逆的に回転可能である。ホル
ダ駆動装置56は、電動式が好ましいが、手動式等でも
良い。
【0059】ホルダ8を、回転軸10を中心にして矢印
Cのように回転させることによって、当該ホルダ8の傾
き角度を変えることができ、それによって配向膜6表面
に対するイオンビーム14の前述した照射角度φを変え
ることができる。また、ホルダ8を、その中心軸11を
中心にして矢印Fのように面内で回転させることによっ
て、当該ホルダ8の面内での回転方向の角度を変えるこ
とができ、それによって前述した方位角度θ(図3参
照)を変えることができる。これを詳述すると、図6を
参照して、ラビング装置30で矢印D(=A)方向にラ
ビングされた配向膜付基板2は、この実施例では基板搬
送装置40の後述する搬送ロボット46によって、イオ
ンビーム照射装置50内のホルダ8に、180度逆向き
に(即ち図6中において矢印Dが左向きになるように)
装着される。そのままの向きで、ホルダ8を図7に示す
ように左に傾けておいてイオンビーム14を照射する
と、配向膜付基板2の配向膜6の表面にイオンビーム1
4は右斜め上から左斜め下に向けて照射されることにな
る。従ってそのままでは、方位角度θは0度になるが、
ホルダ8を矢印F方向に回転させると、その回転角度に
応じて方位角度θの大きさが変わる。ちなみに、図6の
状態と図3の状態とは、図示方向が異なるだけで両者は
ほぼ同じ状態を表している。
【0060】基板搬送装置40は、この実施例では、真
空排気装置44によって真空に(例えば10-5〜10-7
Torr程度に)排気される真空容器42と、この真空
容器42内に設けられていて多関節のアーム48を有す
る搬送ロボット46とを有している。搬送ロボット46
は、この例では、上下方向に1自由度と、水平面内で3
自由度とを有する、合計4自由度のロボットである。
【0061】この搬送ロボット46によって、基板供給
装置60内の後述するカセット66から未処理の基板2
を1枚取り出してそれをラビング装置30内の基板移動
装置36の移動テーブル20上に装着し、ラビング処理
後の配向膜付基板2を基板移動装置36から取り外して
それをイオンビーム照射装置50内のホルダ8上に装着
し、イオンビーム照射後の配向膜付基板2をホルダ8か
ら取り外してそれを基板供給装置60内のカセット66
に戻すことができる。またこれとは逆に、カセット66
から取り出した未処理の配向膜付基板2をイオンビーム
照射装置50内のホルダ8に装着し、イオンビーム照射
後の配向膜付基板2をホルダ8から取り外してそれをラ
ビング装置30内の基板移動装置36に装着し、ラビン
グ処理後の配向膜付基板2をカセット66に戻すことも
可能である。いずれの場合も、配向膜付基板2の搬送は
全て真空雰囲気中で行われる。
【0062】基板供給装置60は、この実施例では、真
空排気装置64によって真空に(例えば10-3〜10-5
Torr程度に)排気される真空容器62を有してお
り、この真空容器62内に、複数枚の配向膜付基板2を
収納したカセット66が装着される。68はカセット6
6の出し入れ用の扉である。
【0063】上記真空容器32、42、52および62
は、真空弁70〜72を介して図6に示すように互いに
T字状に接続されている。各真空弁70〜72は、そこ
を、配向膜付基板2を載置したアーム48が通過可能な
ものである。
【0064】この実施例の配向処理装置によれば、一つ
の装置で、先に説明した四つの配向処理方法、即ち、
配向膜6の表面をラビング材22を用いて一定方向にラ
ビングし、その後同配向膜6にイオンビーム14を、先
のラビング材22によるラビング方向とは異なった方向
から、かつ配向膜表面に対して斜め上方から照射する配
向処理方法、配向膜6にイオンビーム14を、配向膜
表面に対して斜め上方から照射し、その後同配向膜6の
表面をラビング材22を用いて、先のイオンビーム照射
方向とは異なった方向にラビングする配向処理方法、
配向膜6にイオンビーム14を、配向膜表面に対してほ
ぼ直角方向から照射し、その後同配向膜6の表面をラビ
ング材22を用いてラビングする配向処理方法および
配向膜6の表面をラビング材22を用いてラビングし、
その後同配向膜6にイオンビーム14を、配向膜表面に
対してほぼ直角方向から照射する配向処理方法、の実施
が可能である。
【0065】上記の配向処理方法を実施するには、ま
ずラビング装置30において配向膜付基板2の配向膜6
にラビング処理を施し、その後の配向膜付基板2を基板
搬送装置40によってイオンビーム照射装置50へ搬送
し、そこでこの配向膜付基板2の配向膜6にイオンビー
ム14を、ラビング装置30におけるラビング方向Dと
は異なった方向から(即ち方位角度θを0度以外にし
て)、かつ配向膜6表面に対して斜め上方から(即ち照
射角度φを90度未満にして)照射すれば良い。勿論、
この際の方位角度θおよび照射角度φは可変である。
【0066】上記の配向処理方法を実施するには、ま
ずイオンビーム照射装置50において配向膜付基板2の
配向膜6にイオンビーム14を、配向膜6表面に対して
斜め上方から(即ち照射角度φを90度未満にして)、
かつ後のラビング装置30におけるラビング方向Dとは
異なった方向から(即ち、後にラビング処理する際の方
位角度θが0度以外になるようにして)照射し、その後
の配向膜付基板2を基板搬送装置40によってラビング
装置30へ搬送し、そこでこの配向膜付基板2の配向膜
6の表面を、先のイオンビーム照射方向とは異なった方
向に(即ち方位角度θを0度以外にして)ラビングすれ
ば良い。この際の方位角度θおよび照射角度φは可変で
ある。
【0067】上記の配向処理方法を実施するには、ま
ずイオンビーム照射装置50において配向膜付基板2の
配向膜6にイオンビーム14をほぼ直角方向から(即ち
照射角度φをほぼ90度にして)照射し、その後の配向
膜付基板2を基板搬送装置40によってラビング装置3
0へ搬送し、そこでこの配向膜付基板2の配向膜6にラ
ビング処理を施せば良い。この場合のラビング方向は、
前述したように任意である。
【0068】上記の配向処理方法を実施するには、ま
ずラビング装置30において配向膜付基板2の配向膜6
にラビング処理を施し、その後の配向膜付基板2を基板
搬送装置40によってイオンビーム照射装置50へ搬送
し、そこでこの配向膜付基板2の配向膜6にイオンビー
ム14をほぼ直角方向から(即ち照射角度φをほぼ90
度にして)照射すれば良い。この場合のラビング方向
も、上記の場合と同様に任意である。
【0069】この実施例の配向処理装置によれば、ラビ
ング処理を真空中において行うことができ、ラビングに
よってパーティクルが発生してもそれを真空排気装置3
4等によって速やかに排出することができるので、ラビ
ングを大気中で行う場合よりも、配向膜付基板2へのパ
ーティクルの付着を低減することができる。その結果例
えば、液晶ディスプレイの特性を悪化させる要因がより
少なくなるので、液晶ディスプレイの歩留まりをより向
上させることができる。
【0070】また、ラビング処理とイオンビーム照射処
理の連続処理が可能であり、しかも両処理および基板搬
送の全てを真空雰囲気中において行うことができるの
で、スループット(配向膜付基板2の単位時間当たりの
処理能力)が高く、量産性に富んでいる。
【0071】また、一つの装置で上記〜に示した四
つの配向処理方法を実施することができるので、処理の
柔軟性も高い。
【0072】更に、照射角度φおよび方位角度θが可変
であるので、この意味からも処理の柔軟性が高い。即
ち、照射角度φを可変にしたことによって、先に説明し
たように、配向秩序度の制御が可能である。また、方位
角度θを可変にしたことによって、先に説明したマルチ
ドメイン配向における配向方向関係の制御が可能であ
る。
【0073】また、基板供給装置60内にカセット66
を装着するようにしていて、複数枚の配向膜付基板2を
真空を破らずに連続処理することができるので、この意
味からもスループットが向上する。ただし、このように
せずに、基板供給装置60を単なる真空予備室(エアロ
ック室)にして、配向膜付基板2を1枚ずつ搬出入する
ようにしても良い。
【0074】なお、基板搬送手段として、搬送ロボット
46の代わりに、配向膜付基板2を載置して搬送する可
逆転式の搬送ベルトを設けても良い。
【0075】また、上記の配向処理方法のみを実施す
ることができ、しかも照射角度φおよび方位角度θが一
定で良い場合は、イオンビーム照射装置50におけるホ
ルダ8を固定、例えば配向膜付基板2の着脱が容易なよ
うに水平方向に固定しておき、かつこのホルダ8上の配
向膜付基板2に対して一定の前述したような照射角度φ
および方位角度θが取れるように、イオン源12をホル
ダ8に対して斜めに向けて固定しておいても良い。しか
もこの場合は、基板搬送装置は、配向膜付基板2を少な
くともラビング装置30からイオンビーム照射装置50
へ搬送することができるものであれば良い。
【0076】上記の配向処理方法のみを実施すること
ができ、しかも照射角度φおよび方位角度θが一定で良
い場合は、イオンビーム照射装置50におけるホルダ8
およびイオン源12を上記のように固定しておいても良
い。しかもこの場合は、基板搬送装置は、配向膜付基板
2を少なくともイオンビーム照射装置50からラビング
装置30へ搬送することができるものであれば良い。
【0077】上記の配向処理方法のみを実施する場合
は、イオンビーム照射装置50におけるホルダ8を固
定、例えば配向膜付基板2の着脱が容易なように水平方
向に固定しておき、かつこのホルダ8上の配向膜付基板
2に対して前記照射角度φがほぼ90度になるように、
イオン源12をホルダ8のほぼ真上に下向きに固定して
おいても良い。しかもこの場合は、基板搬送装置は、配
向膜付基板2を少なくともイオンビーム照射装置50か
らラビング装置30へ搬送することができるものであれ
ば良い。
【0078】上記の配向処理方法のみを実施する場合
は、イオンビーム照射装置50におけるホルダ8および
イオン源12を上記のように固定しておいても良い。し
かもこの場合は、基板搬送装置は、配向膜付基板2を少
なくともラビング装置30からイオンビーム照射装置5
0へ搬送することができるものであれば良い。
【0079】また、上記および/またはの配向処理
方法を実施することができ、しかも照射角度φのみを可
変にして方位角度θが固定で良い場合は、イオンビーム
照射装置50におけるホルダ8をその面内において矢印
F方向に回転可能にするのを止めて、この方向は固定、
例えば配向膜付基板2の着脱が容易なようにホルダ8を
配向膜付基板2の搬出入方向に平行に(換言すれば移動
テーブル20に平行に)固定しておき、かつこのホルダ
8上の配向膜付基板2に対して一定の方位角度θが取れ
るように、イオン源12を配向膜付基板2の搬出入方向
に対して斜めに向くように固定しておいても良い。ただ
し照射角度φを可変にするために、ホルダ8は矢印C方
向には回転可能にしておくものとする。
【0080】
【発明の効果】この発明は、上記のとおり構成されてい
るので、次のような効果を奏する。
【0081】請求項1または2記載の配向処理方法によ
れば、配向膜表面に対してイオンビームを斜め上方から
照射し、しかもイオンビーム照射方向とラビング方向と
を互いに異ならせるので、配向膜は互いに異なる二つの
配向方向を持つようになり、マルチドメイン配向を実現
することができる。その結果、液晶ディスプレイの視野
角を広げることができる。
【0082】しかもこの配向処理方法によれば、イオン
ビーム照射においては非接触で配向膜に配向処理を施す
ことができるのでパーティクルの発生は非常に少なく、
従ってラビング処理を2回行う従来法よりもパーティク
ルの発生を減少させることができる。その結果例えば、
液晶ディスプレイの特性を悪化させる要因が少なくなる
ので、液晶ディスプレイの歩留まりを向上させることが
できるようになる。
【0083】請求項3または4記載の配向処理方法によ
れば、配向膜にラビング処理を施すことによってプレテ
ィルト角を大きくすることができ、しかも配向膜表面に
対してイオンビームをほぼ直角方向から照射することに
よってランダム配向を実現することができるので、液晶
ディスプレイの視野角を広げることができる。
【0084】しかもこの配向処理方法によれば、イオン
ビーム照射においては非接触で配向膜に配向処理を施す
ことができるのでパーティクルの発生は非常に少なく、
従ってラビング処理を2回行う従来法よりもパーティク
ルの発生を減少させることができる。その結果例えば、
液晶ディスプレイの特性を悪化させる要因が少なくなる
ので、液晶ディスプレイの歩留まりを向上させることが
できるようになる。
【0085】請求項5記載の配向処理装置によれば、請
求項1または2記載の配向処理方法を実施することがで
きる。しかもこの配向処理装置によれば、ラビング処理
を真空中において行うことができ、ラビングによってパ
ーティクルが発生してもそれを速やかに排出することが
できるので、ラビングを大気中で行う場合よりも、配向
膜付基板へのパーティクルの付着を低減することができ
る。その結果例えば、液晶ディスプレイの特性を悪化さ
せる要因がより少なくなるので、液晶ディスプレイの歩
留まりをより向上させることができる。また、ラビング
処理とイオンビーム照射処理の連続処理が可能であり、
しかも両処理および基板搬送の全てを真空雰囲気中にお
いて行うことができるので、スループットが高く、量産
性に富んでいる。
【0086】請求項6記載の配向処理装置によれば、請
求項3または4記載の配向処理方法を実施することがで
きる。しかも、請求項5記載の配向処理装置と同様の効
果を奏する。
【0087】請求項7記載の配向処理装置によれば、請
求項1または2記載の配向処理方法を実施することがで
きる。しかも、請求項5記載の配向処理装置と同様の効
果を奏する。更に、ホルダの傾き角度が可変であって照
射角度φが可変であるので、処理の柔軟性が高く、配向
秩序度の制御が可能である。
【0088】請求項8記載の配向処理装置によれば、請
求項1〜4記載の配向処理方法を実施することができ
る。しかも、請求項5記載の配向処理装置と同様の効果
を奏する。更に、一つの装置で請求項1〜4に記載の四
つの配向処理方法を実施することができるので、処理の
柔軟性が高い。また、ホルダの傾き角度および面内での
回転角度が可変であって照射角度φおよび方位角度θが
可変であるので、この意味からも処理の柔軟性が高く、
配向秩序度の制御およびマルチドメイン配向における配
向方向関係の制御が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】配向膜にラビング処理を施す装置の一例を示す
概略図である。
【図2】配向膜にイオンビームを照射する装置の一例を
示す概略図である。
【図3】ラビング方向とイオンビーム照射方向との関係
の一例を示す平面図である。
【図4】ラビング処理後の配向膜にイオンビームを照射
する状態の一例を模式的に示す拡大図である。
【図5】イオンビームの照射角度と配向膜の配向秩序度
との関係の測定結果の一例を示す図である。
【図6】この発明に係る配向処理装置の一例を示す横断
面図である。
【図7】図6の線a−aに沿う縦断面図である。
【符号の説明】
2 配向膜付基板 4 ガラス基板 6 配向膜 8 ホルダ 12 イオン源 14 イオンビーム 20 移動テーブル 22 ラビング材 30 ラビング装置 32 真空容器 36 基板移動装置 40 基板搬送装置 42 真空容器 46 搬送ロボット 50 イオンビーム照射装置 52 真空容器 56 ホルダ駆動装置 60 基板供給装置 62 真空容器 66 カセット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑原 創 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日 新電機株式会社内 (72)発明者 江原 泰蔵 東京都日野市日野1164番地 株式会社イ ー・エッチ・シー内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成されていて液晶分子を配向
    させるための配向膜の表面をラビング材を用いて一定方
    向にラビングし、その後真空中で同配向膜に対してイオ
    ンビームを、先のラビング材によるラビング方向とは異
    なった方向から、かつ配向膜表面に対して斜め上方から
    照射することを特徴とする配向膜の配向処理方法。
  2. 【請求項2】 基板上に形成されていて液晶分子を配向
    させるための配向膜に対して真空中でイオンビームを、
    配向膜表面に対して斜め上方から照射し、その後同配向
    膜の表面をラビング材を用いて、先のイオンビーム照射
    方向とは異なった方向にラビングすることを特徴とする
    配向膜の配向処理方法。
  3. 【請求項3】 基板上に形成されていて液晶分子を配向
    させるための配向膜に対して真空中でイオンビームを、
    配向膜表面に対してほぼ直角方向から照射し、その後同
    配向膜の表面を、ラビング材を用いてラビングすること
    を特徴とする配向膜の配向処理方法。
  4. 【請求項4】 基板上に形成されていて液晶分子を配向
    させるための配向膜の表面をラビング材を用いてラビン
    グし、その後真空中で同配向膜に対してイオンビーム
    を、配向膜表面に対してほぼ直角方向から照射すること
    を特徴とする配向膜の配向処理方法。
  5. 【請求項5】 (イ)真空に排気される真空容器と、こ
    の真空容器内に設けられていて配向膜付基板を移動させ
    る基板移動装置と、この基板移動装置上の配向膜付基板
    の配向膜の表面をラビングするラビング材とを有するラ
    ビング装置と、 (ロ)真空に排気される真空容器と、この真空容器内に
    設けられていて配向膜付基板を保持するホルダと、この
    ホルダ上の配向膜付基板の配向膜にイオンビームを、前
    記ラビング装置におけるラビング方向とは異なる方向か
    ら、かつ配向膜表面に対して斜め上方から照射するイオ
    ン源とを有するイオンビーム照射装置と、 (ハ)真空雰囲気中において前記配向膜付基板を前記ラ
    ビング装置から前記イオンビーム照射装置へまたはその
    逆に搬送する基板搬送装置とを備えることを特徴とする
    配向処理装置。
  6. 【請求項6】 (イ)真空に排気される真空容器と、こ
    の真空容器内に設けられていて配向膜付基板を移動させ
    る基板移動装置と、この基板移動装置上の配向膜付基板
    の配向膜の表面をラビングするラビング材とを有するラ
    ビング装置と、 (ロ)真空に排気される真空容器と、この真空容器内に
    設けられていて配向膜付基板を保持するホルダと、この
    ホルダ上の配向膜付基板の配向膜にイオンビームを、配
    向膜表面に対してほぼ直角方向から照射するイオン源と
    を有するイオンビーム照射装置と、 (ハ)真空雰囲気中において前記配向膜付基板を前記ラ
    ビング装置から前記イオンビーム照射装置へまたはその
    逆に搬送する基板搬送装置とを備えることを特徴とする
    配向処理装置。
  7. 【請求項7】 (イ)真空に排気される真空容器と、こ
    の真空容器内に設けられていて配向膜付基板を移動させ
    る基板移動装置と、この基板移動装置上の配向膜付基板
    の配向膜の表面をラビングするラビング材とを有するラ
    ビング装置と、 (ロ)真空に排気される真空容器と、この真空容器内に
    設けられていて配向膜付基板を保持するものであってそ
    の傾き角度が可変のホルダと、このホルダ上の配向膜付
    基板の配向膜にイオンビームを、前記ラビング装置にお
    けるラビング方向とは異なった方向から照射するイオン
    源とを有するイオンビーム照射装置と、 (ハ)真空雰囲気中において前記配向膜付基板を前記ラ
    ビング装置から前記イオンビーム照射装置へまたはその
    逆に搬送する基板搬送装置とを備えることを特徴とする
    配向処理装置。
  8. 【請求項8】 (イ)真空に排気される真空容器と、こ
    の真空容器内に設けられていて配向膜付基板を移動させ
    る基板移動装置と、この基板移動装置上の配向膜付基板
    の配向膜の表面をラビングするラビング材とを有するラ
    ビング装置と、 (ロ)真空に排気される真空容器と、この真空容器内に
    設けられていて配向膜付基板を保持するものであってそ
    の傾き角度および面内での回転方向の角度が可変のホル
    ダと、このホルダ上の配向膜付基板の配向膜にイオンビ
    ームを照射するイオン源とを有するイオンビーム照射装
    置と、 (ハ)真空雰囲気中において前記配向膜付基板を前記ラ
    ビング装置から前記イオンビーム照射装置へまたはその
    逆に搬送する基板搬送装置とを備えることを特徴とする
    配向処理装置。
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