JPH08234034A - 光分岐回路の製造方法 - Google Patents

光分岐回路の製造方法

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JPH08234034A
JPH08234034A JP6173695A JP6173695A JPH08234034A JP H08234034 A JPH08234034 A JP H08234034A JP 6173695 A JP6173695 A JP 6173695A JP 6173695 A JP6173695 A JP 6173695A JP H08234034 A JPH08234034 A JP H08234034A
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optical waveguide
groove
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drying
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JP6173695A
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Inventor
Manabu Kagami
学 各務
Kazuo Hasegawa
和男 長谷川
Tadashi Ichikawa
正 市川
Hiroshi Ito
伊藤  博
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Abstract

(57)【要約】 【目的】光分岐回路の汎用性に富んだ、効率のよい製造
を行うこと。 【構成】光分岐回路10は、透明なガラス基板2上に、
フルオロアルキルメタクリレートから成るアンダークラ
ッド層3と、ポリメチルメタクリル材から成り、溝部1
2に透明な高分子材料が溶解している溶液を付着させ、
その溶液を乾燥させることによって形成された反射ミラ
ー13を有するコア層1(光導波路層)と、テフロン系
コーティング材から成るオーバークラッド層4と、光導
波路の保護のための上部基板5とが順次積層形成されて
構成され、反射ミラー13の形状は溶液の粘度や溶解
性、溝部12の溶液への浸漬時間、乾燥温度、乾燥時
間、雰囲気ガス等により制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基板上に作製されたチ
ャネル型光導波路内を伝送する光の一部もしくは全部
を、チャネル型光導波路外で、かつ、基板面に垂直方向
に分岐する光分岐回路の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図7、図8は従来の面外分岐回路を有す
る光導波路の形成方法を示す素子の断面図である。面外
分岐はいずれも光導波路中に形成された傾斜ミラーによ
り構成されている。図7は、熱酸化シリコン基板2とそ
の上にフッ素化ポリイミド膜から成るコア層1とを積層
し、光導波路パターンとしてコア層1上に転写されたフ
ォトレジスト7のパターン中の任意箇所に、その厚みが
徐々に小さくなるような開口部71を設けた後、酸素プ
ラズマPによりドライエッチングを行うことで、チャネ
ル型光導波路を形成すると同時に、フォトレジスト7と
コア層1とのエッチング比から、コア層1中に傾斜部1
1を形成する方法を示している(特開平6−26578
3号)。図8は、コア層1を作製後、レーザーアブレー
ション法により、レーザー光Bの照射量をビームスキャ
ンもしくはマスクを移動することにより変化させ、傾斜
部11を形成することで傾斜ミラーを作製する方法を示
している(L.A.Hornak,"Polymers for lightwave and in
tegrated optics"p.250,Dekker,1992)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
フォトレジスト7とコア層1とのエッチング比を利用す
る方法は、あるフォトマスクに対してフォトレジスト7
の膜厚とコア層1の膜厚との比が一義的に決まってしま
うために、膜厚の変化に対応がしにくいという問題があ
る。また、厚膜のコア層1に対しては、スピンコーティ
ング等によるフォトレジスト7の成膜の困難さや、フォ
トレジスト7の露光感度特性の制御が必要となるので、
厚膜のフォトレジスト7への傾斜部形成が極めて難しく
なると共に、再現性が悪くなるという問題がある。その
結果、分岐光の指向性や分岐比(反射により分岐される
光量と分岐部を通過する光量の比)の制御性を悪くして
いる。他の技術であるレーザーアブレーション法では、
レーザーを走査しながら1個ずつ反射部を形成するた
め、複数個の反射部を形成するには時間がかかると共に
再現性も悪い。
【0004】従って、本発明の目的は、光分岐回路の汎
用性に富んだ、効率のよい製造方法を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の構成は、基板上に形成された光導波路に、
該光導波路内を通る導波光の一部もしくは全部を反射す
るミラーが一体的に形成された光分岐回路の製造方法で
あって、(a)透明基板上に、アンダークラッド層、光
導波路層を順次成膜する工程と、(b)光導波路のパタ
ーンの一部に開口部を備えたエッチングマスクをフォト
リソグラフィー法により光導波路層上に転写する工程
と、(c)転写されたエッチングマスクを介してその下
層の光導波路層をドライエッチング法によりエッチング
する工程と、(d)ドライエッチングにより形成された
光導波路層中の溝部に透明な高分子材料が溶解している
溶液を付着させ、該溝部に表面張力により留まった該溶
液以外を概略除去した後、該溝部に表面張力により留ま
った該溶液を徐々に乾燥する工程とから成ることを特徴
とする。
【0006】また、第二の発明の構成は、溶液の粘度ま
たは乾燥温度、乾燥時間、雰囲気ガス等溝部の乾燥時に
おける乾燥条件の少なくとも一つを制御して、溝部中に
滞留した溶液を乾燥することにより、乾燥後の溝部の形
状を制御することを特徴とする。
【0007】第三の発明の構成は、溝部への溶液の付着
法として、溝部を溶液中に浸漬した後、引き上げること
を特徴とする。
【0008】第四の発明の構成は、溝部の溶液中に浸漬
される時間を制御して、乾燥後の溝部の形状を制御する
ことを特徴とする。
【0009】第五の発明の構成は、溶液に用いる溶媒が
光導波路層を溶解するものを用いることを特徴とする。
【0010】
【作用及び効果】上記構成により、本発明の第一の作用
は、透明基板上に、アンダークラッド層、光導波路層を
順次成膜する工程と、光導波路のパターンの一部に開口
部を備えたエッチングマスクをフォトリソグラフィー法
により光導波路層上に転写する工程と、転写されたエッ
チングマスクを介してその下層の光導波路層をドライエ
ッチング法によりエッチングする工程と、ドライエッチ
ングにより形成された光導波路層中の溝部に透明な高分
子材料が溶解している溶液を付着させ、該溝部に表面張
力により留まった該溶液以外を概略除去した後、該溝部
に表面張力により留まった該溶液を徐々に乾燥する工程
とを用いて、光導波路内を通る導波光の一部もしくは全
部を反射するミラーを一体的に形成することであり、そ
の効果は、ミラー形成時にコア層の厚さに応じてフォト
マスクの透過率やレジストの厚さを変化させる必要がな
く、光分岐回路の生産効率が向上する。(請求項1〜請
求項5)
【0011】第二の作用は、溶液の粘度または光導波路
層に形成された溝部の乾燥時の乾燥条件(乾燥温度、乾
燥時間、雰囲気ガス)の少なくとも一つを制御して、溝
部中に滞留した溶液を乾燥することにより、乾燥後の溝
部の形状を制御することであり、その効果は、分岐光の
指向性を決定する溝部の傾斜角度や分岐光の分岐比を決
定する主たる要因である溝部の深さを制御することがで
き、光分岐回路の製造の自由度を高めることができる。
(請求項2、請求項4、請求項5)
【0012】第三の作用は、リッジ型光導波路が形成さ
れている基板を透明な高分子材料が溶解している溶液中
に浸漬した後、引き上げることにより溝部へその溶液を
付着させることであり、その効果は、ディスペンサーな
どで個別に滴下する方法に比べて溝部への溶液の付着を
一度に多くの基板で容易に行うことができ、光分岐回路
の生産性をより向上させることができる。(請求項3〜
請求項5)
【0013】第四の作用は、溝部の溶液中に浸漬される
時間を制御することであり、その効果は、浸漬時間の長
さと共に浅く放物断面状に丸くなった傾斜面を得ること
ができる。(請求項4、請求項5)
【0014】第五の作用は、光導波路層を溶解する溶媒
を透明な高分子材料が溶解している溶液に用いることで
あり、その効果は、溶液付着時に光導波路層を溶解し、
その光導波路層が高粘度化するために滑らかな曲面を有
する傾斜面を得ることができる。(請求項5)
【0015】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説
明する。図1は、本発明の埋め込み型光導波路における
光分岐回路の製造方法の実施例を示している。この実施
例は、図1(6)に示すように、コア層1(ここではポ
リメチルメタクリレートA1 :光導波路層に相当)をア
ンダークラッド層3(ここではフルオロアルキルメタク
リレートA3 )及びオーバークラッド層4(コア層1よ
りも低屈折率のシリコン樹脂またはテフロン樹脂A4
との間に埋め込んだ埋め込み型の光分岐回路10の例で
あり、コア層1となるポリメチルメタクリレートA1
エッチングマスク6(例えばアルミニウム)をフォトリ
ソグラフィー法等により形成し、酸素プラズマPの反応
性イオンエッチングにより所定箇所に溝部12を有した
リッジ型光導波路を形成し、この溝部12中に透明な高
分子材料(ここではポリメチルメタクリレート)が溶解
している溶液を、その溶液の表面張力で留まる程度の量
を注入した後に乾燥させることにより、溝部12に反射
ミラー13を形成し、必要に応じてこの反射ミラー13
に金属反射膜を蒸着した後にオーバークラッド4で埋め
込み、光分岐回路10を形成するものである。
【0016】ここで、高分子材料が溶解している溶液の
表面張力及び溝部の開口部形状と反射ミラーの底面形状
との関係について以下に説明する。例えば、矩形開口部
を有する四角柱形の溝17(図5参照)であれば、溶液
は上面を除く5つの面の表面張力を受けるため、溶液の
硬化後は反射ミラー面14になる溝が四角錐形状となり
(図3(1)参照)、開口部が小さくなるにしたがっ
て、溝部内の溶液16が表面張力を強く受けるため、硬
化後の溶液16の形状は三角錐形状もしくは円錐形状に
なってくる(図3(2)参照)。この結果、反射ミラー
13が形成される。
【0017】また、断面が三角形状の溝部15(図4
(1)参照)であっても、同様に各面からの表面張力に
より三角錐形状もしくは円錐形状の反射ミラー13が形
成される(図4(2)参照)。光導波路の長手方向に対
して垂直なスリット状の開口部18(図6参照)に対し
ては、同様に開口部18が小さくなるにしたがって、溝
の形状が台形断面から放物線状断面もしくは三角形状断
面の柱状となる。即ち、上記に示される構成において、
反応性イオンエッチング等を行うことで、光導波路中に
溝部を有するチャネル型光導波路を作製し、この溝部に
溶液を表面張力により付着させて硬化させることによ
り、溝部が傾斜面を有する形状に変形し、反射ミラーが
形成される。以下、製造工程順に詳述する。
【0018】まず、透明なガラス基板2上に、アンダー
クラッド層3としてのフルオロアルキルメタクリレート
及びコア層1としてのポリメチルメタクリル材をそれぞ
れディップコーティング法により塗布し、所定の厚さ
(例えば、それぞれ20μm、100μm)になるまで
複数回成膜した後、乾燥させる(図1(1)参照)。
【0019】次に、コア層1上にエッチングマスク6と
してのアルミニウムを電子ビーム蒸着により堆積(例え
ば、厚さ1μm)させ、この後、ポジ型フォトレジスト
を回転塗布により1μm程度成膜する。このポジ型フォ
トレジストを通常のフォトリソグラフィ法によって、露
光、現像、ベークした後、光導波路パターン以外の部分
及び溝部12のマスク材をウェットエッチングにより除
去し、溝部12に対応する箇所に開口部61を有するエ
ッチングマスク6を形成する(図1(2)参照)。
【0020】続いて、反応性イオンエッチングによりエ
ッチングマスク6の開口部61をエッチングする。この
とき、光導波路以外の部分はアンダークラッド層3に達
するまでエッチングを行うと共に、反射ミラー13は微
小開口マスク(特願平6−133689号公報記載)を
用いて光導波路の所望の位置でエッチングが停止した溝
部12となっている。即ち、開口部61では垂直方向の
物理的エッチングが制限されるために、反応性イオンに
よる化学的エッチングと電界により加速された荷電粒子
による物理的エッチングとを併用した反応性イオンエン
チングを、開口部61と他の部分とに対して同時に行う
ことにより、開口部61以外ではアンダークラッド層3
までエッチングされるが、開口部61では垂直方向のエ
ッチング速度が遅くなるためにアンダークラッド層3ま
でエッチングされず、楔型の溝部12が形成される。本
実施例では、コア層1の断面形状は100μm角であ
り、溝部12は深さ約70μmで光導波路横方向にスリ
ット状に形成され、30μm×100μmの開口部を有
する三角柱形状をなしている(図1(3)参照)。
【0021】この後、溶媒(ここでは、モノクロロベン
ゼン)中にポリメチルメタクリレートを重量比で6%溶
解したものを溶液として用い、この溶液中に作製したリ
ッジ型光導波路を浸漬し、ゆっくり(例えば、速度20
mm/分)引き上げることにより、溝部12中に表面張
力により溶液が付着し、この状態のまま溶媒を乾燥させ
ることによって、反射ミラー13が光導波路中に形成さ
れる(図1(4)参照)。このとき、溶液付着時の条件
は、例えば、浸漬時間を30秒、溶液からの引き上げ速
度を20mm/分で行った。また、乾燥条件は、モノク
ロロベンゼン中でバブリングしたN2 ガスを流量150
cm3 /分で内径8cmの円筒内に送風して、この円筒
内(温度25°C)で10分間行った。
【0022】反射ミラー13の形成後、リッジ型光導波
路及び溝部12をオーバークラッド4としてのテフロン
系コーティング材A4 (例えば、旭硝子(株)製サイト
ップTM)で埋め込むことにより、埋め込み型光導波路を
作製する。オーバークラッド4のコーティング方法はデ
ィップコーティング法を用いた。尚、本実施例ではオー
バークラッド4上に光導波路の保護のために上部基板5
を接着させ、光分岐回路10を形成した。ここで、オー
バークラッド4として、テフロン系コーティング材の他
に、シリコン樹脂などのコア層1より屈折率の低い材料
も可能である(図1(5)参照)。
【0023】以上のように製造された光分岐回路10に
おいて、フルオロアルキルメタクリレート、ポリメチル
メタクリレート、テフロン系コーティング材から構成さ
れる埋め込み型光導波路中を伝送する導波光Lは、コア
層1中に形成された反射ミラー13において反射し、空
気中に取り出すことができる(図1(6)参照)。ま
た、溝部12への溶液の付着方法を、溶液中に基板ごと
浸漬させる方法とすることにより、従来のようにディス
ペンサーなどで個別に滴下する方法に比べて容易に行う
ことができる。
【0024】本実施例の一例として、反射ミラー13で
の反射率を高めるために、反射ミラー13の傾斜面に対
し2000Å厚のアルミニウムを蒸着して、分岐比0.
17を得た。また、指向性はガラス基板1の面に対して
垂直上方(図1(6)では紙面下方への放射状態を表
示)に放射ピークを有する放射光パターンとなった。
【0025】ここで、リッジ型光導波路を溶液に浸漬す
る時間と埋め込み型光導波路の作製後の面外分岐された
光の放射ピーク角度(ガラス基板1面に対する垂直方向
を基準とした、ガラス基板1外へ最も強く放射される方
向までの角度)との関係を図2に示す。溶液付着時の条
件は、引き上げ速度を20mm/分に一定にして行い、
乾燥条件は前述と同一とした。図2からわかるように、
浸漬時間が長いほど反射ミラー13が浅くなると共に、
反射ミラー13の傾斜面が放物断面状に丸くなった結
果、放射ピーク角度が大きくなっている。
【0026】また、反射ミラー13が浅くなるというこ
とは、分岐される光の光量が減るということであり、こ
のように、同じ溝部12を形成しておいても、溝部12
の溶液への浸漬時間を制御することにより、反射ミラー
13の深さや斜面の角度を制御し、分岐される光の指向
性や光量(分岐比)を制御することが可能となる。さら
に、浸漬時間だけではなく、引き上げ後の乾燥時間を変
化させることによっても同様の制御ができる。即ち、乾
燥をゆっくり行うと、増粘された溶液がゆっくりと溝付
近で移動することが可能となるので、結局、前述の浸漬
時間の長い場合と同様の効果をもたらす。ここで、乾燥
時間は乾燥用ガスの流量とガスに含まれる溶媒(溶液と
同じもの)の濃度により制御する。
【0027】また、溶液に使用する溶媒をコア層1に対
して溶解性のあるものを用いることにより、反応性イオ
ンエッチングの際にダメージを受けたコア層1の側壁に
対して平滑化を行う効果があると共に、コア層1を溶解
することにより、溝部12内に滞留した溶液が高粘度化
するために、比較的大きな溝部12に対しても滑らかな
傾斜面を有する反射ミラー13を形成することができ
る。さらに、反応性イオンエッチングによって溝部12
の形成時に、溝部12の幅や深さを制御することによっ
て、反射ミラー13の深さ及び斜面の角度を制御し、分
岐光の指向性や分岐比を制御することもできる。
【0028】本実施例では、反射ミラー13の深さ及び
斜面の角度を制御する因子として、溝部12の溶液への
浸漬時間を用いた例を示したが、これに限定されるもの
ではなく、反射ミラー13の斜面の角度は溶液の表面張
力に依存しているために、溶液の粘度、溶液からの引き
上げ速度、乾燥温度、乾燥時間、乾燥時の雰囲気ガスな
ど溶液の表面張力を変化させる因子を用いて、反射ミラ
ー13の深さ及び斜面の角度を制御してもよい。
【0029】尚、上記に示すように本発明を実施例に基
づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定
されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲におい
て、種々変更可能であることはもちろんである。例え
ば、溝部12の形状としては、本実施例では三角柱形状
としたが、四角柱やその他不定形状であっても構わない
ことは言うまでもない。さらに、エッチング方法として
は、反応性イオンエッチングを取り上げたが、エキシマ
レーザなどによるエッチング法を用いてもよい。
【0030】本実施例では、反射ミラー13の傾斜面に
アルミニウムの反射膜を形成した例を示したが、これは
反射効率を高めるためのものであって、必ずしも必要で
はなく、用いなくともよい。また、本実施例では、オー
バークラッド層4としてシリコン樹脂等を用いたが、オ
ーバークラッド層4を空気としたリッジ型光導波路でも
光回路部品として使用可能である。尚、本実施例では、
フルオロアルキルメタクリレートから成るアンダークラ
ッド層3を形成した例を示したが、使用するガラス基板
2の屈折率がコア層1の屈折率より小さい場合は、アン
ダークラッド層3を省略してもよい。
【0031】上記に示されるように、本発明によれば、
コア層(光導波路層)中に形成された溝部に高分子材料
が溶解した溶液を表面張力により選択的に付着させた後
に乾燥することによって、大面積で数多くの光分岐回路
が必要な光導波路回路構成において、反射ミラーを一括
して短時間に作製することができ、光分岐回路の製造効
率を大幅に向上させることができる。また、光導波路層
の厚さ、分岐光の指向性、光量の変化に対しても、溶液
の条件(粘度、溶解性)、溝部への溶液付着時の条件
(浸漬時間)、乾燥条件(温度、時間、雰囲気ガス)だ
けで反射ミラーの形状(深さ、斜面の角度)の制御が可
能となるので、汎用性に富む光分岐回路の製造方法が実
現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる第一実施例における光分岐回路
の形成方法を工程順に示した縦断面図。
【図2】本発明に係わる第一実施例における溶液への浸
漬時間と放射ピーク角度との関係を示したグラフ。
【図3】矩形断面の溝中に溶液が付着して反射ミラーを
形成する様子を示した光導波路断面図。
【図4】三形断面の溝中に溶液が付着して反射ミラーを
形成する様子を示した光導波路断面図。
【図5】チャネル型光導波路に設けられた反射ミラー形
成用の矩形開口溝の一例を示した斜視図。
【図6】チャネル型光導波路に設けられた反射ミラー形
成用のスリット状の開口溝の一例を示した斜視図。
【図7】フォトレジストの傾斜を利用して傾斜部を作製
する従来の形成方法を示した断面図。
【図8】レーザーアブレーション法を利用して傾斜部を
作製する従来の形成方法を示した断面図。
【符号の説明】
1 コア層(光導波路層) 2 ガラス基板(透明基板) 3 アンダークラッド層 4 オーバークラッド層 5 上部基板 6 エッチングマスク 7 フォトレジスト 10 光分岐回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市川 正 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 伊藤 博 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成された光導波路に、該光導波
    路内を通る導波光の一部もしくは全部を反射するミラー
    が一体的に形成された光分岐回路の製造方法であって、
    (a)透明基板上に、アンダークラッド層、光導波路層
    を順次成膜する工程と、(b)前記光導波路のパターン
    の一部に開口部を備えたエッチングマスクをフォトリソ
    グラフィー法により前記光導波路層上に転写する工程
    と、(c)前記転写されたエッチングマスクを介してそ
    の下層の前記光導波路層をドライエッチング法によりエ
    ッチングする工程と、(d)ドライエッチングにより形
    成された前記光導波路層中の溝部に透明な高分子材料が
    溶解している溶液を付着させ、該溝部に表面張力により
    留まった該溶液以外を概略除去した後、該溝部に表面張
    力により留まった該溶液を徐々に乾燥する工程とから成
    ることを特徴とする光分岐回路の製造方法。
  2. 【請求項2】前記溶液の粘度または乾燥温度、乾燥時
    間、雰囲気ガス等前記溝部の乾燥時における乾燥条件の
    少なくとも一つを制御して、前記溝部中に滞留した前記
    溶液を乾燥することにより、乾燥後の前記溝部の形状を
    制御することを特徴とする請求項1に記載の光分岐回路
    の製造方法。
  3. 【請求項3】前記溝部への前記溶液の付着法として、前
    記溝部を前記溶液中に浸漬した後、引き上げることを特
    徴とする請求項1に記載の光分岐回路の製造方法。
  4. 【請求項4】前記溝部の前記溶液中に浸漬される時間を
    制御して、乾燥後の前記溝部の形状を制御することを特
    徴とする請求項3に記載の光分岐回路の製造方法。
  5. 【請求項5】前記溶液に用いる溶媒が前記光導波路層を
    溶解するものを用いることを特徴とする請求項1から請
    求項4のいずれかに記載の光分岐回路の製造方法。
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