JPH08232060A - プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置

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JPH08232060A
JPH08232060A JP7338478A JP33847895A JPH08232060A JP H08232060 A JPH08232060 A JP H08232060A JP 7338478 A JP7338478 A JP 7338478A JP 33847895 A JP33847895 A JP 33847895A JP H08232060 A JPH08232060 A JP H08232060A
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hearth
plasma
plasma processing
coil
magnetic field
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Toshiyuki Sakami
俊之 酒見
Masaru Tanaka
勝 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板の表面に形成する被膜の厚さの分布を均
一にできるプラズマ処理方法を提供すること。 【解決手段】 主ハース30の近傍に、主ハースの中心
軸に対して同心的に永久磁石35とハースコイル36を
配置する。このハースコイルに供給する電流を変化させ
ることにより、物質の溶解能力を調整したり、また、蒸
発物質の蒸発粒子の飛行分布を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ処理方法
及びプラズマ処理装置に関し、特に基板の表面に金属膜
や合金膜を形成したり、また、ハース上の物質を溶解す
るのに適したプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】この種のプラズマ処理装置は、プラズマ
ビームを発生するための圧力勾配型又はHCDプラズマ
源のようなビーム発生源と、真空容器内に配置されプラ
ズマビームの入射面を持つハースとを含む。ハースは陽
極として作用する。ビーム発生源で発生されたプラズマ
ビームはハースの入射面に導かれる。
【0003】前記したプラズマ処理装置でハースと対向
して配置された基板に蒸着物質を付着させる場合、この
ハース上には蒸着物質が置かれる。蒸着物質はプラズマ
ビームにより蒸発・イオン化し、その結果、蒸発粒子が
発生する。この蒸発粒子はハースと対向して配置された
基板に向けて飛行し、基板の表面に付着し、その結果、
基板の表面には蒸着物質の被膜が形成される。
【0004】ところで、基板の表面に形成される被膜は
被膜厚の分布が均一であることが望ましい。被膜厚の分
布を均一にするための技術として、次のような方法が知
られている。第1の方法では、ハースと基板との間の距
離を長くとる。第2の方法では、被膜形成中の基板を回
転させたり、移動等の運動を行わせる。この第2の方法
では、ハースと基板との間に膜厚補正板(マスク板)を
設けて、基板への蒸着物質の付着量を調整している。前
記膜厚補正板には開口部が形成されており、この開口部
はハース真上の位置に対してその周辺部分が大きく開口
している。したがって、ハース真上よりその周辺の方へ
蒸着物質が多く飛ぶことになる。
【0005】そして、基板の水平移動と膜厚補正板とに
より、基板に蒸着物質を均一に成膜させている。しかし
ながら、第1、第2のいずれの方法でも、被膜厚の分布
を均一にするのは可能であるが、成膜速度が遅くなり、
しかも、蒸着物質を有効に利用することができない。こ
れは、蒸着物質が基板の周囲に飛んで行ったり、膜厚補
正板に付着してしまうからである。加えて、第2の方法
では装置が複雑になってしまう。
【0006】一方、前記したプラズマ処理装置では、物
質、例えば、Ti、SUS306、Mo等をハース上に
置いて、プラズマビームにより溶解することも行われて
いる。
【0007】ところで、難溶融性物質を溶解させるため
には、ハースに投入される投入エネルギーが大きいほど
良い。また、様々な物質を溶解させるためには、投入エ
ネルギーの大きさを幅広く調整できることが望ましい。
投入エネルギーを大きくするには、ハース電圧と放電電
流を大きくすれば良い。また、投入エネルギーの大きさ
を調整するには、プラズマ源とハースとの間の電圧を調
整すれば良い。
【0008】しかしながら、通常、ハース電圧と放電電
流を同時に上昇させることは難しいので、投入エネルギ
ーをある程度までしか大きくできないと共に、投入エネ
ルギーの大きさを調整する幅も狭くなる。
【0009】以上の点を理解し易くするために、図9を
参照して、従来のプラズマ処理装置のハースについて説
明する。図9において、このプラズマ処理装置はイオン
プレーティング装置として用いられ、真空容器(図示せ
ず)内に配置されたハース1を含む。ハース1は永久磁
石2を内蔵しており、後述する圧力勾配型プラズマ源か
らのプラズマビームが入射する。ハース1の近傍にはそ
の中心軸に対して同心的に環状磁石3を配置している。
環状磁石3は、ハース1へのプラズマビームの入射方向
を調整するためのものである。このようなイオンプレー
ティング装置は、本発明者により出願された特開平7−
138743号に開示されている。
【0010】このイオンプレーティング装置において
は、大電流放電を用いて基板4(基板とは板状のものに
限らずフィルム状のものを含む)へ被膜5を形成する場
合、放電電流が増すにつれて、被膜5の厚さの分布はハ
ース1の上方に対応する部分が薄くなる。これは、ハー
ス1から発生される蒸発粒子の飛行分布は、ハース1の
上方部分が抉られた凹型となることによる。
【0011】一方、環状磁石3を持たない通常のイオン
プレーティング装置においては、図10に示すように、
被膜5の厚さの分布はハース1の上方に対応する部分が
厚くなる。これは、蒸発粒子の飛行分布が、ハース1の
上方部分が膨れた凸型となることによる。このような現
象は、磁場のプロポーション、蒸発粒子の空間的な過剰
密度による衝突、過度のイオン化に伴う飛行分布のズ
レ、あるいはハース1の直上での電流密度の不均一分布
等、種々の原因が考えられる。
【0012】ここで、基板4に蒸発粒子を均一に付着さ
せるための条件について説明する。ハース1と基板4と
の間の距離は、ハース1の真上が一番短く、ハース1の
真上から広角度になるに従い長くなる。また、ハース1
の真上は実質上点に近いため面積は小さい。そして、ハ
ース1の真上から傾斜して飛び出した蒸発粒子は、飛行
距離が長くなり、基板の面積も広くなって被膜の形成条
件が低下する。従って、基板4に蒸発粒子を均一に付着
させるには、ハース1の真上から広角度になるに従い、
多くの蒸発粒子を基板4に対して飛ばす必要がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記した点を考慮すれ
ば、凹型の飛行分布を有するイオンプレーティング装置
により被膜の形成を行った場合、ハース1と基板4間の
距離を長くとらずとも基板4の大きな面積に対して、ほ
ぼ均一な膜厚分布で成膜することが可能であるというメ
リットがある。その反面、ビーム電流の電流値により飛
行分布が変化してしまうこと、成膜速度が低下するこ
と、等の問題が存在する。特に、蒸発粒子の飛行分布が
変化すると被膜の形成条件が変化し、これによる膜質の
変化が重要な問題となる。
【0014】また、凸型の飛行分布を有するイオンプレ
ーティング装置においては、膜厚の分布を均一にするた
めに、次のような方法を採用している。第1の方法で
は、ハース1と基板4との間の距離を調整する。第2の
方法では、被膜形成中に基板4を回転させたり、移動等
の運動を行わせる。この第2の方法では、ハースと基板
との間に膜厚補正板(マスク板)を設けて、基板への蒸
着物質の付着量を調整している。前記膜厚補正板には開
口部が形成されており、この開口部はハース真上の位置
に対してその周辺部分が大きく開口している。したがっ
て、ハース真上よりその周辺の方へ蒸着物質が多く飛ぶ
ことになる。
【0015】そして、基板の水平移動と膜厚補正板とに
より、基板に蒸着物質を均一に成膜させている。しかし
ながら、第1、第2のいずれの方法でも、被膜厚の分布
を均一にするのは可能であるが、成膜速度が遅くなり、
しかも、蒸着物質を有効に利用することができない。こ
れは、蒸着物質が基板の周囲に飛んで行ったり、膜厚補
正板に付着してしまうからである。加えて、第2の方法
では装置が複雑になってしまう。
【0016】そこで、本発明の課題は、基板の表面に形
成する被膜の厚さの分布を均一にできるプラズマ処理方
法を提供することにある。
【0017】本発明の他の課題は、任意の放電電流にお
ける蒸発粒子の飛行分布を調整できるプラズマ処理方法
を提供することにある。
【0018】本発明のより他の課題は、ハース近傍の磁
場を調整することにより、様々な物質、特に難溶融性物
質の溶解可能なプラズマ処理方法を提供することにあ
る。
【0019】本発明は更に、上記プラズマ処理方法に適
したプラズマ処理装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、プラズマビー
ムを発生するためのビーム発生源と、真空容器内に配置
され前記プラズマビームの入射面を持つハースとを含
み、前記ビーム発生源で発生されたプラズマビームを前
記ハースの入射面に導き、処理を行うプラズマ処理方法
において、前記ハースの近傍に前記ハースの中心軸に対
して同心的に配置された環状永久磁石により定常磁界を
形成し、前記ハースの中心軸に対して同心的に配置され
た電磁コイルにより調整磁界を前記定常磁界に重畳し、
前記ハースの近傍の磁場を変化させることを特徴とす
る。
【0021】本発明によればまた、前記ビーム発生源で
発生されたプラズマビームを前記ハースの入射面に導
き、このハース上に置かれた蒸着物質を蒸発・イオン化
して蒸発粒子を発生し、前記電磁コイルに供給する電流
を変化させることにより、前記蒸発粒子の飛行分布を調
整して、この蒸発粒子を前記ハースと対向して配置され
た基板の表面に付着させてプラズマ処理を行うことを特
徴とするプラズマ処理方法が得られる。
【0022】なお、前記電磁コイルに供給する電流を変
化させることにより、前記ハース上の物質の溶解能力を
調整することができる。
【0023】本発明によれば更に、プラズマビームを発
生するためのビーム発生源と、真空容器内に配置され前
記プラズマビームの入射面を持つハースとを含み、前記
ビーム発生源で発生されたプラズマビームを前記ハース
の入射面に導いて、処理を行うプラズマ処理装置におい
て、該装置は更に、前記ハースの近傍に前記ハースの中
心軸に対して同心的に配置された環状永久磁石と、この
環状永久磁石の近傍に前記ハースの中心軸に対して同心
的に配置された電磁コイルと、この電磁コイルに接続さ
れた電源とを備えたことを特徴とするプラズマ処理装置
が得られる。
【0024】なお、前記電磁コイルは、前記電源からの
電流により発生するコイル中心側の磁力線の向きが前記
環状永久磁石の中心側の磁力線の向きと同じになるよう
に励磁されるようにすることが好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】図1を参照して、基板に蒸発粒子
を付着させるための本発明の好ましい実施の形態による
プラズマ処理装置について説明する。図1において、真
空容器11の側壁に設けられた筒状部12には圧力勾配
型のプラズマビーム発生器13が装着されている。プラ
ズマビーム発生器13は、陰極14により一端が閉塞さ
れたガラス管15を備えている。このガラス管15内で
は、LaB6 による円盤16、タンタルTaによるパイ
プ17を内蔵したモリブデンMoによる円筒18が陰極
14に固定されている。パイプ17は、アルゴンAr、
ヘリウムHe等の不活性ガスからなるキャリアガス18
をプラズマビーム発生器13内に導入するためのもので
ある。
【0026】ガラス管15の陰極14と反対側の端部と
筒状部12との間には、第1、第2の中間電極19、2
0が同心的に配置されている。第1の中間電極(第1の
グリッド)19内にはプラズマビームを収束するための
環状永久磁石21が内蔵されている。第2の中間電極2
0(第2のグリッド)内にもプラズマビームを収束する
ための電磁石コイル22が内蔵されている。この電磁石
コイル22は電源23から給電される。
【0027】プラズマビーム発生器13が装着された筒
状部12の周囲には、プラズマビームを真空容器11内
に導くステアリングコイル24が設けられている。この
ステアリングコイル24はステアリングコイル用の電源
25により励磁される。陰極14と第1、第2の中間電
極19、20との間にはそれぞれ、垂下抵抗器26、2
7を介して、可変電圧型の主電源28が接続されてい
る。
【0028】図2をも参照して、真空容器11の内側の
底部に、主ハース30とその周囲に配置された環状の補
助ハース31が設置されている。主ハース30は、筒状
のハース本体33により構成され、プラズマビーム発生
器13からのプラズマビームが入射する凹部33aを有
している。ハース本体33の貫通孔にはITO(インジ
ウムースズ酸化物)タブレットのような蒸発物質32を
収納している。補助ハース31は、環状の容器34によ
り構成されている。容器34内には環状のフェライト磁
石35と同心的に積層されたハースコイル36が収納さ
れている。主ハース30及び補助ハース31はいずれも
熱伝導率の良い導電性材料、例えば、銅が使用される。
主ハース30に対して補助ハース31は、絶縁物を介し
て取り付けられている。また、主ハース30と補助ハー
ス31は、抵抗48を介して接続されている。主ハース
30は、主電源28の正側に接続されている。従って、
主ハース30は、プラズマビーム発生器13に対してそ
のプラズマビームが吸引される陽極を構成している。
【0029】補助ハース31内のハースコイル36は電
磁石を構成し、導線37により、図1に示されたハース
コイル電源38から給電される。この場合、励磁された
ハースコイル36における中心側の磁界の向きは、フェ
ライト磁石35により発生する中心側の磁界と同じ向き
になるように構成される。ハースコイル電源38は可変
電源であり、電圧を変化させることにより、ハースコイ
ル36に供給する電流を変化できる。主ハース30及び
補助ハース31にはそれぞれ、図2に示されるように、
冷却水配管39、40により冷却水が流れるように供給
されている。なお、補助ハース31おいては冷却水を供
給する配管のみを示し、冷却水を排出する配管は図示を
省略している。
【0030】図1に戻って、真空容器11の内部にはま
た、主ハース30の上部に蒸発粒子が蒸着される基板4
1を保持するための基板ホルダ42が設けられている。
基板ホルダ42にはヒータ43が設けられている。ヒー
タ43はヒータ電源44から給電されている。基板ホル
ダ42は、真空容器11に対しては電気的に絶縁支持さ
れている。真空容器11と基板ホルダ42との間にはバ
イアス電源45が接続されている。このことにより、基
板ホルダ42はゼロ電位に接続された真空容器11に対
して負電位にバイアスされている。補助ハース31はハ
ース切り替えスイッチ46を介して主電源28の正側に
接続されている。主電源28には、これと並列に垂下抵
抗器29と補助放電電源47とがスイッチS1を介して
接続されている。
【0031】このプラズマ処理装置においては、プラズ
マビーム発生器13の陰極と真空容器11内の主ハース
30との間で放電が生じ、これによりプラズマビーム
(図示せず)が生成される。このプラズマビームはステ
アリングコイル24と補助ハース31内のフェライト磁
石35により決定される磁界に案内されて主ハース30
に到達する。主ハース30に収納された蒸発物質32は
プラズマビームにより加熱されて蒸発する。この蒸発粒
子はプラズマビームによりイオン化され、負電圧が印加
された基板41の表面に付着し、被膜が形成される。
【0032】図3は本発明のプラズマ処理装置における
蒸発粒子の飛行分布を示すグラフである。ここでは、放
電電流(プラズマビーム電流)を100(A)に固定し
た状態で補助ハース31内のハースコイル36に流す電
流IhAを0(A)、5(A)、15(A)、20(A)
と変化させ、ハースコイル36の生成する磁界を変化さ
せた場合について示している。このグラフの縦軸は、図
4に示すように、基板41の表面に形成された被膜47
の厚さを示す。
【0033】図3の破線は主ハース30から基板41の
表面に至る蒸発粒子の放出方向を示す。主ハース30か
ら基板41の表面に至る垂線を0°とし、この方向との
間の角度として、θ1 =15°、θ2 =30°、θ3
45°、θ4 =60°、θ5=75°の角度が示されて
いる。
【0034】図3では蒸発粒子の飛行分布は次のように
して示されている。すなわち、飛行分布は、上記の各角
度毎に水冷式の水晶振動子式膜厚計で測定した成膜速度
値をプロットして得られる曲線で示されている。ここ
で、グラフ上の絶対強度は面積における比で表してい
る。参考のために、通常の真空蒸着での飛行分布とされ
ているcos4 則及びcos5 則での飛行分布の線を図
示している。
【0035】図3から、電流IhAを変化させることによ
り蒸発粒子の飛行分布が変化することが解る。すなわ
ち、電流IhAが0(A)(フェライト磁石35のみと等
価)の時はハース直上を最低値とする凹型分布となる。
電流IhAを増すに従い、ハース直上を凸とする通常のプ
ラズマ処理における飛行分布に近づいて行く。そして、
電流IhAが20(A)ではハース直上付近でほぼ平坦な
飛行分布を示している。また、蒸発粒子の飛行角度の範
囲は電流IhAが増すに従い小さくなることが理解でき
る。このことは、電流IhAが増すに従い、被膜の形成面
積が減少し、結果的に被膜形成の速度が増すことを示し
ている。
【0036】このような実験結果から、フェライト磁石
35と同心的に積層されたハースコイル36に供給する
電流を変化させることにより、基板41の表面上の膜厚
分布と被膜形成の速度を調整することができることが分
かる。
【0037】なお、上記の実施の形態では、図5に示す
ように、N極を上に向けたフェライト磁石35の上にハ
ースコイル36を重ねて配置しているが、図6に示すよ
うにS極を上に向けたフェライト磁石35の上にハース
コイル36を重ねて配置しても良い。この場合、ハース
コイル36に流す電流は、図5の場合と逆にする。
【0038】また、図7に示すように、S極を上に向け
たフェライト磁石35の下側にハースコイル36を重ね
て配置しても良い。更に、図8に示すようにN極を上に
向けたフェライト磁石35の下側にハースコイル36を
重ねて配置してもよい。これらの場合、前述したよう
に、励磁されたハースコイル36の中心側の磁界の向き
は、フェライト磁石35により発生する中心側の磁界と
同じ向きになるように電流が流されている。
【0039】次に、物質を溶解する実施例について説明
する。なお、この実施例によるプラズマ処理装置では、
図1に示す基板41、基板ホルダ42、ヒータ43、ヒ
ータ電源44、バイアス電源45は不要である。
【0040】このプラズマ処理装置においては、プラズ
マビーム発生器13の陰極と真空容器11内の主ハース
30との間で放電が生じ、これによりプラズマビーム
(図示せず)が生成される。このプラズマビームはステ
アリングコイル24と補助ハース31内のフェライト磁
石35により決定される磁界に案内されて主ハース30
に到達する。主ハース30に収納された物質はプラズマ
ビームにより加熱されて溶解する。
【0041】この時の溶解能力は、主ハース30に入力
される投入エネルギーにより決定される。そして、投入
エネルギーは、ハース電圧と放電電流の積により決ま
る。したがって、投入エネルギーを大きくするために
は、ハース電圧を高くすると共に、放電電流を大きくす
る必要がある。
【0042】従来の装置、例えば前記した特開平7−1
38743号の装置では、ハース電圧を高くすることが
できるが、放電電流を大きくすることができない。ま
た、環状磁石3を持たないプラズマ処理装置では、逆
に、放電電流を大きくすることができるが、ハース電圧
を高くすることができない。
【0043】従来の装置では、放電電流とハース電圧を
独立して調整することは困難であったが、本発明による
プラズマ処理装置では、ハースコイル36に供給する電
流を変化させることにより、主ハース30近傍の磁場を
調整し、放電電流とハース電圧の特性を変化させること
ができる。
【0044】本発明では、ハースコイル36に電流を流
さない状態では、放電電流が多く流れないが、ハースコ
イル36に供給する電流を徐々に大きくすればハース電
圧をほぼ一定に保ったままで放電電流が多く流れるよう
になる。したがって、ハースコイル36に供給する電流
を調整することにより、ハース電圧が高く放電電流が大
きくなる点で最大の投入エネルギーを得ることができる
ので、従来装置に比べ、難溶解性の物質を溶解させるこ
とができる。また、ハース電圧及び放電電流を調整する
ことができるので、投入エネルギーを幅広く変化させる
ことができ、様々な物質を溶解することができる。
【0045】次に、主ハース30の上方近傍に反応ガ
ス、例えばO2 、F2 、N2 を吹き込んで、基板41を
エッチング、アッシング、成膜処理を行う実施例につい
て説明する。この実施例では、前記反応ガスを主ハース
30と補助ハース31との間より吹き込むか、主ハース
30の上方近傍に反応ガス導入管を設け、この反応ガス
導入管から反応ガスを吹き込む。そして、低ガス圧力中
においても高密度のプラズマが得られるため、供給され
たガスは効率的にイオン化され、アスペクト比の良いエ
ッチングを行うことができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば基板の表面に形成する被膜の厚さの分布を均一にで
き、しかも、任意の放電電流における蒸発粒子の飛行分
布を調整することができる。更に、ハースの近傍の磁場
を調整することにより、様々な物質、特に難溶融性物質
の溶解も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるプラズマ処理装置の構
成を概略的に示す断面図である。
【図2】図1に示されたプラズマ処理装置のハースを拡
大して示す断面図である。
【図3】本発明の動作原理を説明するためのグラフであ
る。
【図4】本発明により形成される被膜の厚さの分布を説
明するための基板の断面図である。
【図5】図1に示されたハースの永久磁石とハースコイ
ルとの関係を説明するための図である。
【図6】図5に示された永久磁石とハースコイルとの関
係の他の例を説明するための図である。
【図7】図5に示された永久磁石とハースコイルとの関
係の更に他の例を説明するための図である。
【図8】図5に示された永久磁石とハースコイルとの関
係のより他の例を説明するための図である。
【図9】従来のイオンプレーティング装置におけるハー
ス近傍の蒸発粒子の飛行分布を説明するための図であ
る。
【図10】他の従来のイオンプレーティング装置におけ
るハース近傍の蒸発粒子の飛行分布を説明するための図
である。
【符号の説明】
11 真空容器 13 プラズマビーム発生器 14 陰極 15 ガラス管 18 キャリアガス 19 第1の中間電極 20 第2の中間電極 21 環状永久磁石 22 電磁石コイル 23、25 電源 24 ステアリングコイル 26、27 垂下抵抗器 28 主電源 30 主ハース 31 補助ハース 32 蒸発物質 33 ハース本体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマビームを発生するためのビーム
    発生源と、真空容器内に配置され前記プラズマビームの
    入射面を持つハースとを含み、前記ビーム発生源で発生
    されたプラズマビームを前記ハースの入射面に導き、処
    理を行うプラズマ処理方法において、前記ハースの近傍
    に前記ハースの中心軸に対して同心的に配置された環状
    永久磁石により定常磁界を形成し、前記ハースの中心軸
    に対して同心的に配置された電磁コイルにより調整磁界
    を前記定常磁界に重畳し、前記ハースの近傍の磁場を変
    化させることを特徴とするプラズマ処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のプラズマ処理方法におい
    て、前記ビーム発生源で発生されたプラズマビームを前
    記ハースの入射面に導き、このハース上に置かれた蒸着
    物質を蒸発・イオン化して蒸発粒子を発生し、前記電磁
    コイルに供給する電流を変化させることにより、前記蒸
    発粒子の飛行分布を調整して、この蒸発粒子を前記ハー
    スと対向して配置された基板の表面に付着させてプラズ
    マ処理を行うことを特徴とするプラズマ処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のプラズマ処理方法におい
    て、前記電磁コイルに供給する電流を変化させることに
    より、前記ハース上の物質の溶解能力を調整することを
    特徴とするプラズマ処理方法。
  4. 【請求項4】 プラズマビームを発生するためのビーム
    発生源と、真空容器内に配置され前記プラズマビームの
    入射面を持つハースとを含み、前記ビーム発生源で発生
    されたプラズマビームを前記ハースの入射面に導いて、
    処理を行うプラズマ処理装置において、該装置は更に、
    前記ハースの近傍に前記ハースの中心軸に対して同心的
    に配置された環状永久磁石と、この環状永久磁石の近傍
    に前記ハースの中心軸に対して同心的に配置された電磁
    コイルと、この電磁コイルに接続された電源とを備えた
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のプラズマ処理装置におい
    て、前記電磁コイルは、前記電源からの電流により発生
    するコイル中心側の磁力線の向きが前記環状永久磁石の
    中心側の磁力線の向きと同じになるように励磁されるこ
    とを特徴とするプラズマ処理装置。
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