JPH08232017A - 溶接性と音響異方性に優れた調質型60kgf/mm2 級鋼の製造方法 - Google Patents
溶接性と音響異方性に優れた調質型60kgf/mm2 級鋼の製造方法Info
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- JPH08232017A JPH08232017A JP34126995A JP34126995A JPH08232017A JP H08232017 A JPH08232017 A JP H08232017A JP 34126995 A JP34126995 A JP 34126995A JP 34126995 A JP34126995 A JP 34126995A JP H08232017 A JPH08232017 A JP H08232017A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】溶接施工時の低温割れ等の防止と母材の音響異
方性を同時に改善する調質型60kgf/mm2 級鋼の製造方法
を提供する 【構成】C:0.04〜0.1%、Si:0.01 〜0.4%,Mn:0.5-1.6%,
P:0.015% 以下,S:0.01%以下、Mo:0.01-0.3%,Nb:0.005-
0.05%,V:0.1%以下、Al:0.01-0.08%,N:0.0005-0.008%,Ti
<0.005%,B<0.0003% 、Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/30+
Cr/20+Mo/15+V/10+5B が0.2 以下、Ceq=C+Mn/6+Si/24+N
i/40+Cr/5+Mo/4+V/14 および、Nb、V含有量からなるX=
625Nb+250V+210Ceq が、X ≧40+t(tは鋼板の板厚m
m)、残部鉄の鋼材を、1000℃以上1200℃以下の温度に
加熱後、T=-530C+100Mn+15Mo+2250Nb+100V+770(℃)以
上の温度で熱間圧延を終了した後、少なくともAr3 変態
点以上より直接焼き入れしその後Ac1 変態点以下の温度
にて焼戻しをおこなうことを特徴とする溶接性と音響異
方性に優れた調質型60kgf/mm2 級鋼の製造方法
方性を同時に改善する調質型60kgf/mm2 級鋼の製造方法
を提供する 【構成】C:0.04〜0.1%、Si:0.01 〜0.4%,Mn:0.5-1.6%,
P:0.015% 以下,S:0.01%以下、Mo:0.01-0.3%,Nb:0.005-
0.05%,V:0.1%以下、Al:0.01-0.08%,N:0.0005-0.008%,Ti
<0.005%,B<0.0003% 、Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/30+
Cr/20+Mo/15+V/10+5B が0.2 以下、Ceq=C+Mn/6+Si/24+N
i/40+Cr/5+Mo/4+V/14 および、Nb、V含有量からなるX=
625Nb+250V+210Ceq が、X ≧40+t(tは鋼板の板厚m
m)、残部鉄の鋼材を、1000℃以上1200℃以下の温度に
加熱後、T=-530C+100Mn+15Mo+2250Nb+100V+770(℃)以
上の温度で熱間圧延を終了した後、少なくともAr3 変態
点以上より直接焼き入れしその後Ac1 変態点以下の温度
にて焼戻しをおこなうことを特徴とする溶接性と音響異
方性に優れた調質型60kgf/mm2 級鋼の製造方法
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶接性と音響異方性に
優れた調質型60kgf/mm2 級鋼の製造方法に関す
る。
優れた調質型60kgf/mm2 級鋼の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】橋梁、タンク等の溶接構造物に高張力鋼
を用いた場合、脆性破壊防止の観点から溶接時の予熱が
必要とされ施工能率の低下を招いていた。この問題を解
決するため特開平3−219012号公報、特開平62
−214124号公報によれば、TMCP(Thermo Mech
anical Controlled Process ) 技術を利用することによ
り溶接性に優れた60kgf/mm2 級高張力鋼が提案
されている。前者は、重量比にて、C:0.03〜0.
10%,Si:0.05〜0.60%,Mn:0.60
〜2.00%,P:0.030%以下,S:0.020
%以下,Mo:0.10〜0.50%を含み,C+Si
/30+Mn/20+Ni/50+Cr/20+Cu/
20+Mo/15+V/10+5Bで規定されるPcm
が0.16〜0.21%の鋼を直接焼き入れ或いは再加
熱焼き入れし、さらにAC3〜AC1変態点の二相域温度で
加熱保持した後、空冷以上の冷却速度で再焼入れし、そ
の後450℃〜600℃の温度域で焼戻しすることによ
り、引張り強さ(TS)が60kgf/mm2 以上で溶
接時に予熱を必要としない鋼を開示している。後者は、
C:0.02〜0.15%,Si:0.40〜0.80
%,Mn:0.80〜1.60%,V:0.005〜
0.10%,Nb:0.005〜0.10%,Al:
0.05%以下、P:0.020%以下、S:0.01
5%以下を含む鋼を、950〜1200℃に加熱し、オ
ーステナイト再結晶域に続く未再結晶域において圧下率
30%以上の圧延をおこなった後、5℃以上の冷却速度
で強制冷却しさらに200〜400℃の温度範囲で焼戻
し処理を施すことにより溶接性に優れた引張り強さ60
kgf/mm2 以上の鋼を開示している。
を用いた場合、脆性破壊防止の観点から溶接時の予熱が
必要とされ施工能率の低下を招いていた。この問題を解
決するため特開平3−219012号公報、特開平62
−214124号公報によれば、TMCP(Thermo Mech
anical Controlled Process ) 技術を利用することによ
り溶接性に優れた60kgf/mm2 級高張力鋼が提案
されている。前者は、重量比にて、C:0.03〜0.
10%,Si:0.05〜0.60%,Mn:0.60
〜2.00%,P:0.030%以下,S:0.020
%以下,Mo:0.10〜0.50%を含み,C+Si
/30+Mn/20+Ni/50+Cr/20+Cu/
20+Mo/15+V/10+5Bで規定されるPcm
が0.16〜0.21%の鋼を直接焼き入れ或いは再加
熱焼き入れし、さらにAC3〜AC1変態点の二相域温度で
加熱保持した後、空冷以上の冷却速度で再焼入れし、そ
の後450℃〜600℃の温度域で焼戻しすることによ
り、引張り強さ(TS)が60kgf/mm2 以上で溶
接時に予熱を必要としない鋼を開示している。後者は、
C:0.02〜0.15%,Si:0.40〜0.80
%,Mn:0.80〜1.60%,V:0.005〜
0.10%,Nb:0.005〜0.10%,Al:
0.05%以下、P:0.020%以下、S:0.01
5%以下を含む鋼を、950〜1200℃に加熱し、オ
ーステナイト再結晶域に続く未再結晶域において圧下率
30%以上の圧延をおこなった後、5℃以上の冷却速度
で強制冷却しさらに200〜400℃の温度範囲で焼戻
し処理を施すことにより溶接性に優れた引張り強さ60
kgf/mm2 以上の鋼を開示している。
【0003】溶接構造物の継手部分においては、斜角探
傷法にて超音波探傷検査がおこなわれるのが一般的であ
るが、TMCP鋼板では、圧延集合組織の形成により圧
延方向に平行な方向(L方向)と垂直な方向(C方向)
の音速に差が生じる場合がある。このため実際には欠陥
のない部分に欠陥が検出されたり、溶接欠陥の正確な検
出が困難であるといった問題を生じ、不必要な範囲にわ
たる補修をおこない、施工費用が膨大となるケースがあ
る。この問題を解決するために、特開昭63−2354
31号公報、特開平2−305918号公報では音響異
方性の小さな鋼板の製造方法が開示されている。前者で
は、C:0.05%以上0.18%未満、Si:0.0
5%以上0.5%未満,Mn:0.70%以上1.8%
未満,Al:0.005%以上0.1%未満,Nb:
0.003%未満,N:0.006%未満を含有し,C
+Mn/6が0.36%以下の鋼を100℃以上120
0℃以下に加熱し、オーステナイト再結晶域で全圧下率
の50%以上の圧延を加え、圧延仕上げ温度を850℃
以上とし、Ar3−50℃以上より5℃/s以上15℃/
s未満の冷却速度にて400℃以上680℃以下の温度
域まで冷却することにより音響異方性の小さな鋼板の製
造方法が提案されている。後者では、C:0.01〜
0.20%、Si:0.05〜0,60%,Mn:0.
5〜2.5%,sol Al:0.005〜0.10%を含
む鋼、あるいは上記成分にさらに、Cu:0.01〜
0.20%,Ni:0.10〜5.0%,Cr:0.0
5〜1.0%,Mo:0.08〜1.0%,Nb:0.
005〜0.1%,V:0.01〜0.1%,Ti:
0.007〜0.10%,B:0.0005〜0.01
0%のうち少なくとも1種または2種以上を含む鋼の熱
間圧延に際し、(Ar3点+200℃)〜Ar3点での累積
圧下率を40%以上、最終パス圧下率5%以上とし、か
つ圧延仕上げ温度を(Ar3点+100℃)〜Ar3点の範
囲とすることにより、音響異方性の小さなTMCP鋼板
の製造方法が記載されている。
傷法にて超音波探傷検査がおこなわれるのが一般的であ
るが、TMCP鋼板では、圧延集合組織の形成により圧
延方向に平行な方向(L方向)と垂直な方向(C方向)
の音速に差が生じる場合がある。このため実際には欠陥
のない部分に欠陥が検出されたり、溶接欠陥の正確な検
出が困難であるといった問題を生じ、不必要な範囲にわ
たる補修をおこない、施工費用が膨大となるケースがあ
る。この問題を解決するために、特開昭63−2354
31号公報、特開平2−305918号公報では音響異
方性の小さな鋼板の製造方法が開示されている。前者で
は、C:0.05%以上0.18%未満、Si:0.0
5%以上0.5%未満,Mn:0.70%以上1.8%
未満,Al:0.005%以上0.1%未満,Nb:
0.003%未満,N:0.006%未満を含有し,C
+Mn/6が0.36%以下の鋼を100℃以上120
0℃以下に加熱し、オーステナイト再結晶域で全圧下率
の50%以上の圧延を加え、圧延仕上げ温度を850℃
以上とし、Ar3−50℃以上より5℃/s以上15℃/
s未満の冷却速度にて400℃以上680℃以下の温度
域まで冷却することにより音響異方性の小さな鋼板の製
造方法が提案されている。後者では、C:0.01〜
0.20%、Si:0.05〜0,60%,Mn:0.
5〜2.5%,sol Al:0.005〜0.10%を含
む鋼、あるいは上記成分にさらに、Cu:0.01〜
0.20%,Ni:0.10〜5.0%,Cr:0.0
5〜1.0%,Mo:0.08〜1.0%,Nb:0.
005〜0.1%,V:0.01〜0.1%,Ti:
0.007〜0.10%,B:0.0005〜0.01
0%のうち少なくとも1種または2種以上を含む鋼の熱
間圧延に際し、(Ar3点+200℃)〜Ar3点での累積
圧下率を40%以上、最終パス圧下率5%以上とし、か
つ圧延仕上げ温度を(Ar3点+100℃)〜Ar3点の範
囲とすることにより、音響異方性の小さなTMCP鋼板
の製造方法が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上述べてきたよう
に、溶接施工時の低温割れ等の防止が可能な60キロ級
高張力鋼及び母材の音響異方性を改善する鋼材の製造方
法に関する提案は個別になされているが、建築分野等で
要望が強いにもかかわらず両者の特性を兼ね備えた鋼
材、特に60キロ級高張力鋼の製造方法はいまだ提案さ
れていない。本発明の目的は、溶接性と音響異方性との
両者の特性に優れた調質型60kgf/mm2 級鋼の製
造方法を提供することである。
に、溶接施工時の低温割れ等の防止が可能な60キロ級
高張力鋼及び母材の音響異方性を改善する鋼材の製造方
法に関する提案は個別になされているが、建築分野等で
要望が強いにもかかわらず両者の特性を兼ね備えた鋼
材、特に60キロ級高張力鋼の製造方法はいまだ提案さ
れていない。本発明の目的は、溶接性と音響異方性との
両者の特性に優れた調質型60kgf/mm2 級鋼の製
造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、重量%で、
C:0.04〜0.1%、Si:0.01〜0.4%、
Mn:0.5〜1.6%、P:0.015%以下、S:
0.01%以下、Mo:0.01〜0.3%、Nb:
0.005〜0.05%、V:0.1%以下、Al:
0.01〜0.08%、N:0.0005〜0.008
%、Ti<0.005%、B<0.0003%を含み、
さらに必要により、Cu:0.5%以下、Ni:1.5
%以下、Cr:0.5%以下の1種又は2種以上を含
み、Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20
+Ni/30+Cr/20+Mo/15+V/10+5
Bで定義されるPcm値が0.2以下で、かつ、Ceq
=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+
Mo/4+V/14で定義されるCeq値および、N
b、V含有量からなるX=625Nb+250V+21
0Ceqが、X≧40+t(但し、tは鋼板の板厚(m
m)を示す)なる関係を満たし、残部が鉄および不可避
不純物よりなる鋼材を、1000℃以上1250℃以下
の温度に加熱後、T=−530C+100Mn+15M
o+2250Nb+100V+770(℃)で与えられ
る温度以上で熱間圧延を終了した後、少なくともAr3
変態点以上より直接焼き入れし、その後Ac1 変態点以
下の温度にて焼戻しをおこなうことを特徴とする溶接性
と音響異方性に優れた調質型60kgf/mm2 級鋼の
製造方法である。
C:0.04〜0.1%、Si:0.01〜0.4%、
Mn:0.5〜1.6%、P:0.015%以下、S:
0.01%以下、Mo:0.01〜0.3%、Nb:
0.005〜0.05%、V:0.1%以下、Al:
0.01〜0.08%、N:0.0005〜0.008
%、Ti<0.005%、B<0.0003%を含み、
さらに必要により、Cu:0.5%以下、Ni:1.5
%以下、Cr:0.5%以下の1種又は2種以上を含
み、Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20
+Ni/30+Cr/20+Mo/15+V/10+5
Bで定義されるPcm値が0.2以下で、かつ、Ceq
=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+
Mo/4+V/14で定義されるCeq値および、N
b、V含有量からなるX=625Nb+250V+21
0Ceqが、X≧40+t(但し、tは鋼板の板厚(m
m)を示す)なる関係を満たし、残部が鉄および不可避
不純物よりなる鋼材を、1000℃以上1250℃以下
の温度に加熱後、T=−530C+100Mn+15M
o+2250Nb+100V+770(℃)で与えられ
る温度以上で熱間圧延を終了した後、少なくともAr3
変態点以上より直接焼き入れし、その後Ac1 変態点以
下の温度にて焼戻しをおこなうことを特徴とする溶接性
と音響異方性に優れた調質型60kgf/mm2 級鋼の
製造方法である。
【0006】
【作用】以下に本発明での構成要件の限定理由等につい
て説明する。 <C>Cは強度を高めるのに有効な元素であるが、0.
1%を越えると溶接性を損ない、0.04%未満では強
度不足となる。
て説明する。 <C>Cは強度を高めるのに有効な元素であるが、0.
1%を越えると溶接性を損ない、0.04%未満では強
度不足となる。
【0007】<Si>Siは脱酸および強度向上に有効
な元素であるが、0.4%を越えると溶接性を損ない、
0.01%未満では強度不足となる。
な元素であるが、0.4%を越えると溶接性を損ない、
0.01%未満では強度不足となる。
【0008】Mnは母材強度および母材靱性のために添
加する。1.6%を越えると溶接性および靱性が劣化
し、0.5%未満では強度不足となる。 <P,S>P,Sはいずれも不純物元素であり、健全な
母材および溶接継手を得るためにPは0.015%以
下、好ましくは0.01%以下に、Sは0.01%以下
に規制されることが望ましい。
加する。1.6%を越えると溶接性および靱性が劣化
し、0.5%未満では強度不足となる。 <P,S>P,Sはいずれも不純物元素であり、健全な
母材および溶接継手を得るためにPは0.015%以
下、好ましくは0.01%以下に、Sは0.01%以下
に規制されることが望ましい。
【0009】<Mo>Moは0.01%以上の添加によ
り母材強度向上に寄与する。しかし、0.3%を越える
と溶接性及び靱性を損ねる。
り母材強度向上に寄与する。しかし、0.3%を越える
と溶接性及び靱性を損ねる。
【0010】<Nb>Nbは母材強度と溶接継手強度向
上のために添加される。0.005%未満ではその効果
が失われ、0.05%を越えると溶接継手靱性が損なわ
れる。
上のために添加される。0.005%未満ではその効果
が失われ、0.05%を越えると溶接継手靱性が損なわ
れる。
【0011】<V>Vは析出効果による母材強度向上に
有効な元素であるが、含有量が0.1%を越えると溶接
性を阻害する。
有効な元素であるが、含有量が0.1%を越えると溶接
性を阻害する。
【0012】<Cu,Ni,Cr>Cu,Ni,Crは
必ずしも必須な元素ではない。しかし、Cu,Crは母
材強度および溶接継手強度向上のために、Niは母材強
度、靱性及び継手強度を共に向上させるために添加して
も差支えない。特にMnの一部をこれらの元素に置き換
えることで靱性の向上や偏析の低減などをすることがで
きる。
必ずしも必須な元素ではない。しかし、Cu,Crは母
材強度および溶接継手強度向上のために、Niは母材強
度、靱性及び継手強度を共に向上させるために添加して
も差支えない。特にMnの一部をこれらの元素に置き換
えることで靱性の向上や偏析の低減などをすることがで
きる。
【0013】<Ti,B>Tiはミクロ組織の細粒化を
通じて母材および溶接継手の靭性を改善する効果を有す
る。また、B添加鋼では、焼入れ性に有効に働くBを確
保するためしばしば積極的に添加される。しかし、本発
明では、溶接熱影響部の硬化が懸念されるBを添加せず
に母材強度を確保し、特に熱影響部粗粒域の硬度低減に
より溶接継手靭性を達成するため、Tiを添加する必然
性はない。むしろTi添加による母材性能の不安定さを
懸念し、不純物元素として0.005%未満に規制す
る。特に、後述するN含有量の3.4倍を下回ることが
望ましい。
通じて母材および溶接継手の靭性を改善する効果を有す
る。また、B添加鋼では、焼入れ性に有効に働くBを確
保するためしばしば積極的に添加される。しかし、本発
明では、溶接熱影響部の硬化が懸念されるBを添加せず
に母材強度を確保し、特に熱影響部粗粒域の硬度低減に
より溶接継手靭性を達成するため、Tiを添加する必然
性はない。むしろTi添加による母材性能の不安定さを
懸念し、不純物元素として0.005%未満に規制す
る。特に、後述するN含有量の3.4倍を下回ることが
望ましい。
【0014】<Al>Alは鋼の脱酸およびNと反応し
て析出物を生成することによりミクロ組織を微細化し、
母材靭性および継手靱性の向上に寄与する。0.01%
未満の添加ではミクロ組織の微細化が不十分となり、
0.08%を越える添加では母材靭性を損なう。
て析出物を生成することによりミクロ組織を微細化し、
母材靭性および継手靱性の向上に寄与する。0.01%
未満の添加ではミクロ組織の微細化が不十分となり、
0.08%を越える添加では母材靭性を損なう。
【0015】<N>NはAlと反応して析出物を形成す
ることによりミクロ組織を微細化し、母材靭性、溶接継
手靱性の向上、および焼戻し時にNb,Vなどと反応し
析出硬化に寄与する。0.0005%未満の添加では析
出物の量が不足し、0.008%を越える添加は母材靱
性および溶接継手靭性を損なう。
ることによりミクロ組織を微細化し、母材靭性、溶接継
手靱性の向上、および焼戻し時にNb,Vなどと反応し
析出硬化に寄与する。0.0005%未満の添加では析
出物の量が不足し、0.008%を越える添加は母材靱
性および溶接継手靭性を損なう。
【0016】<Pcm(溶接割れ感受性指数)>Pcm
は溶接施工時の予熱温度の低減を図るため、溶接性の指
標である Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+N
i/30+Cr/20+Mo/15+V/10+5B は、0.2%以下に抑える。
は溶接施工時の予熱温度の低減を図るため、溶接性の指
標である Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+N
i/30+Cr/20+Mo/15+V/10+5B は、0.2%以下に抑える。
【0017】<X=625Nb+250V+210Ce
q:X≧板厚(mm)+40>60kgf/mm2 級の
引張り強さ(TS)を確保するために、焼入れ性の指標
であるCeqおよび焼戻し処理時の析出硬化に寄与する
Nb,V含有量からなるX=625Nb+250V+2
10Ceqの値は、板厚(mm)+40以上とする。な
お、ここでいう引張り強さ60kgf/mm2 級とはJ
IS SM570QおよびJIS SPV490Qで代
表される高張力鋼を指し、板厚は15mm〜60mmの
範囲である。
q:X≧板厚(mm)+40>60kgf/mm2 級の
引張り強さ(TS)を確保するために、焼入れ性の指標
であるCeqおよび焼戻し処理時の析出硬化に寄与する
Nb,V含有量からなるX=625Nb+250V+2
10Ceqの値は、板厚(mm)+40以上とする。な
お、ここでいう引張り強さ60kgf/mm2 級とはJ
IS SM570QおよびJIS SPV490Qで代
表される高張力鋼を指し、板厚は15mm〜60mmの
範囲である。
【0018】<熱間圧延時のスラブ加熱温度>熱間圧延
時のスラブ加熱温度は、Nbの固溶を図るため、100
0℃以上にする必要がある。しかし、加熱温度が125
0℃を越えるとミクロ組織の粗大化により母材の靭性の
劣化を招くので、上限を1250℃、好ましくは120
0℃とする。
時のスラブ加熱温度は、Nbの固溶を図るため、100
0℃以上にする必要がある。しかし、加熱温度が125
0℃を越えるとミクロ組織の粗大化により母材の靭性の
劣化を招くので、上限を1250℃、好ましくは120
0℃とする。
【0019】<直接焼入れ時の圧延仕上げ温度:T℃以
上>ただし、T=−530C+100Mn+15Mo+
2250Nb+100V+770 本発明において圧延仕上げ温度は音響異方性に大きな影
響を及ぼす。上記式より求まるT℃よりも低くなると音
響異方性は増大する。従って圧延仕上の下限温度をT℃
とする。
上>ただし、T=−530C+100Mn+15Mo+
2250Nb+100V+770 本発明において圧延仕上げ温度は音響異方性に大きな影
響を及ぼす。上記式より求まるT℃よりも低くなると音
響異方性は増大する。従って圧延仕上の下限温度をT℃
とする。
【0020】<直接焼入れ>熱間圧延終了後、鋼板は少
なくともAr3変態点を上回る温度から強制冷却により
焼入れ処理を施すことが必要である。圧延仕上げ温度
(T℃)と焼入れ開始温度(少なくともAr3変態点以
上)との間に温度差を設け、低降伏比化を図ることも可
能である。なお、音響異方性も再結晶が進むことによっ
て改善される方向にある。
なくともAr3変態点を上回る温度から強制冷却により
焼入れ処理を施すことが必要である。圧延仕上げ温度
(T℃)と焼入れ開始温度(少なくともAr3変態点以
上)との間に温度差を設け、低降伏比化を図ることも可
能である。なお、音響異方性も再結晶が進むことによっ
て改善される方向にある。
【0021】
【実施例】表1及び表2を参照して本発明の種々の実施
例について説明する。表1の鋼種1〜23は本発明鋼種
であり、鋼種24〜28は成分組成の点で本発明の範囲
外となる比較鋼を示している。なお表中最右欄のT
(℃)は、T=−530C+100Mn+15Mo+2
250Nb+100V+770で表される式より求めた
値を示している。次の欄はt:板厚(mm)を示し、次
の欄は、Ceq=C+Mn/6+Si/24+Ni/4
0+Cr/5+Mo/4+V/14で表される式より求
めた値を示している。次の欄は、Pcm=C+Si/3
0+Mn/20+Cu/20+Ni/30+Cr/20
+Mo/15+V/10+5Bで表される溶接割れ感受
性指数式より求めた値を示している。
例について説明する。表1の鋼種1〜23は本発明鋼種
であり、鋼種24〜28は成分組成の点で本発明の範囲
外となる比較鋼を示している。なお表中最右欄のT
(℃)は、T=−530C+100Mn+15Mo+2
250Nb+100V+770で表される式より求めた
値を示している。次の欄はt:板厚(mm)を示し、次
の欄は、Ceq=C+Mn/6+Si/24+Ni/4
0+Cr/5+Mo/4+V/14で表される式より求
めた値を示している。次の欄は、Pcm=C+Si/3
0+Mn/20+Cu/20+Ni/30+Cr/20
+Mo/15+V/10+5Bで表される溶接割れ感受
性指数式より求めた値を示している。
【0022】実施例のうち、鋼種1〜18は、重量%
で、C:0.04〜0.1%、Si:0.01〜0.4
%、Mn:0.5〜1.6%、P:0.015%以下、
S:0.01%以下、Mo:0.01〜0.3%、N
b:0.005〜0.05%、V:0.1%以下、A
l:0.01〜0.08%、N:0.0005〜0.0
08%、Ti<0.005%、B<0.0003%を含
み、Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20
+Ni/30+Cr/20+Mo/15+V/10+5
Bで定義されるPcm値が0.2以下で、かつ、Ceq
=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+
Mo/4+V/14で定義されるCeq値および、N
b、V含有量からなるX=625Nb+250V+21
0Ceqが、X≧40+t(但し、tは鋼板の板厚(m
m)を示す)なる関係を満たしている。
で、C:0.04〜0.1%、Si:0.01〜0.4
%、Mn:0.5〜1.6%、P:0.015%以下、
S:0.01%以下、Mo:0.01〜0.3%、N
b:0.005〜0.05%、V:0.1%以下、A
l:0.01〜0.08%、N:0.0005〜0.0
08%、Ti<0.005%、B<0.0003%を含
み、Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20
+Ni/30+Cr/20+Mo/15+V/10+5
Bで定義されるPcm値が0.2以下で、かつ、Ceq
=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+
Mo/4+V/14で定義されるCeq値および、N
b、V含有量からなるX=625Nb+250V+21
0Ceqが、X≧40+t(但し、tは鋼板の板厚(m
m)を示す)なる関係を満たしている。
【0023】鋼種1は,C含有量が0.066%とやや
低く、Nbの添加量も0.015%と低いものの、Mn
とMoの含有量がそれぞれ1.49%,0.19%と高
めなので、X=625Nb+250V+210Ceqの
値は88となる。
低く、Nbの添加量も0.015%と低いものの、Mn
とMoの含有量がそれぞれ1.49%,0.19%と高
めなので、X=625Nb+250V+210Ceqの
値は88となる。
【0024】鋼種2,3は,C含有量をかなり低めにし
ているが、Cu,Crを添加しているためにX=625
Nb+250V+210Ceqの値は93,103とな
る。鋼種4は,C含有量が0.066%とやや低く、N
bの添加量も0.007%と低いものの、MnとMoの
含有量がそれぞれ1.53%,0.20%と高めであ
り、鋼種5,6になるにつれてNb含有量が0.013
%,0.019%と増加するので、X=625Nb+2
50V+210Ceqの値は84,88,92となる。
ているが、Cu,Crを添加しているためにX=625
Nb+250V+210Ceqの値は93,103とな
る。鋼種4は,C含有量が0.066%とやや低く、N
bの添加量も0.007%と低いものの、MnとMoの
含有量がそれぞれ1.53%,0.20%と高めであ
り、鋼種5,6になるにつれてNb含有量が0.013
%,0.019%と増加するので、X=625Nb+2
50V+210Ceqの値は84,88,92となる。
【0025】鋼種7は、C含有量が少ないためにX=6
25Nb+250V+210Ceqの値は81となる。
鋼種8,9は、C含有量が0.089%,0.086%
と高めであるが、Nb添加量が0.01%,0.013
%とやや少ないためにX=625Nb+250V+21
0Ceqの値は88となる。
25Nb+250V+210Ceqの値は81となる。
鋼種8,9は、C含有量が0.089%,0.086%
と高めであるが、Nb添加量が0.01%,0.013
%とやや少ないためにX=625Nb+250V+21
0Ceqの値は88となる。
【0026】鋼種10,11は、C、Nbの含有量がそ
れぞれ0.091%,0.086%および0.020
%,0.034%と高めなので、X=625Nb+25
0V+210Ceqの値はそれぞれ93,101とな
る。
れぞれ0.091%,0.086%および0.020
%,0.034%と高めなので、X=625Nb+25
0V+210Ceqの値はそれぞれ93,101とな
る。
【0027】鋼種12から鋼種16は、Mn含有量が高
く、X=625Nb+250V+210Ceqの値は9
8,100,105,103,99となる。鋼種17
は、C含有量が0.070%と低めであるが、Nb含有
量が0.034%と高いためにX=625Nb+250
V+210Ceqの値は98となる。
く、X=625Nb+250V+210Ceqの値は9
8,100,105,103,99となる。鋼種17
は、C含有量が0.070%と低めであるが、Nb含有
量が0.034%と高いためにX=625Nb+250
V+210Ceqの値は98となる。
【0028】鋼種18は、C含有量が0.099%と上
限値ぎりぎりであるがMn含有量が1.29%であるの
でX=625Nb+250V+210Ceqの値は10
2となる。
限値ぎりぎりであるがMn含有量が1.29%であるの
でX=625Nb+250V+210Ceqの値は10
2となる。
【0029】鋼種19〜23は、Cu,Ni,Crを含
有する場合であり、鋼種19についてはCr含有量が大
きいためにX=625Nb+250V+210Ceqの
値が104と高めである。
有する場合であり、鋼種19についてはCr含有量が大
きいためにX=625Nb+250V+210Ceqの
値が104と高めである。
【0030】鋼種29,30は、C含有量が0.069
%,0.098%,Nb含有量がともに0.025%と
なるためにX=625Nb+250V+210Ceqの
値は92,97となる。
%,0.098%,Nb含有量がともに0.025%と
なるためにX=625Nb+250V+210Ceqの
値は92,97となる。
【0031】鋼種31は、Nb含有量が0.042%と
高く、X=625Nb+250V+210Ceqの値は
105となる。鋼種32のX=625Nb+250V+
210Ceqの値は97であり、これについては板厚を
25〜50mmの範囲で変化させ、特に板厚38mmに
ついては圧延条件をも変化させた。その結果は表2(つ
づき)に示すとおりである。
高く、X=625Nb+250V+210Ceqの値は
105となる。鋼種32のX=625Nb+250V+
210Ceqの値は97であり、これについては板厚を
25〜50mmの範囲で変化させ、特に板厚38mmに
ついては圧延条件をも変化させた。その結果は表2(つ
づき)に示すとおりである。
【0032】鋼種33〜36は、各々C,Mn,Mo,
Ni含有量が変化したものであり、これによりX=62
5Nb+250V+210Ceqの値は95,93,9
1,92と変化する。
Ni含有量が変化したものであり、これによりX=62
5Nb+250V+210Ceqの値は95,93,9
1,92と変化する。
【0033】比較例のうち鋼種24,26はNbを含ま
ず、鋼種25はC含有量が0.033%と少なすぎる。
鋼種27はC含有量が0.131%、鋼種28はCr含
有量が0.70%と高すぎるためPcm値が0.2を上
回る。
ず、鋼種25はC含有量が0.033%と少なすぎる。
鋼種27はC含有量が0.131%、鋼種28はCr含
有量が0.70%と高すぎるためPcm値が0.2を上
回る。
【0034】次に表2を参照して実施例の効果について
説明する。表2は表1の鋼種を製造したものの性質を示
すものであり、いずれの鋼種においても60kgf/m
m2級として優れた強度と靱性を示している。
説明する。表2は表1の鋼種を製造したものの性質を示
すものであり、いずれの鋼種においても60kgf/m
m2級として優れた強度と靱性を示している。
【0035】次にJIS Z 3060で定義される音
響異方性について説明する。鋼種1〜23までの符号末
尾にあるa,bは上記の鋼種で圧延仕上げ温度を変化さ
せたものの結果を示している。
響異方性について説明する。鋼種1〜23までの符号末
尾にあるa,bは上記の鋼種で圧延仕上げ温度を変化さ
せたものの結果を示している。
【0036】鋼種1aでは圧延仕上げ温度がT=−53
0C+100Mn+15Mo+2250Nb+100V
+770℃以上である990℃としているため、圧延方
向と平行な方向の音速(L)と圧延方向と垂直な方向の
音速(C)との比であるL/Cの値が1.000とな
る。鋼種1bでは圧延仕上温度がT℃未満であるために
L/Cの値は1.023と大きくなっている。通常、音
響異方性は1.02以下であれば良好とされているの
で、鋼種1aは音響異方性に優れ、鋼種1bは音響異方
性に劣る。以下、鋼種2〜18についても同様に符号末
尾aでは圧延仕上げ温度がT℃以上であるために音響異
方性優れるのに対し、符号末尾bでは圧延仕上げ温度が
T℃未満であるために音響異方性に劣る。鋼種11cに
ついては鋼種11bよりも更に圧延仕上り温度を低くし
た場合を示している。これによりL/Cの値は更に大き
くなり、音響異方性はさらに劣化する。
0C+100Mn+15Mo+2250Nb+100V
+770℃以上である990℃としているため、圧延方
向と平行な方向の音速(L)と圧延方向と垂直な方向の
音速(C)との比であるL/Cの値が1.000とな
る。鋼種1bでは圧延仕上温度がT℃未満であるために
L/Cの値は1.023と大きくなっている。通常、音
響異方性は1.02以下であれば良好とされているの
で、鋼種1aは音響異方性に優れ、鋼種1bは音響異方
性に劣る。以下、鋼種2〜18についても同様に符号末
尾aでは圧延仕上げ温度がT℃以上であるために音響異
方性優れるのに対し、符号末尾bでは圧延仕上げ温度が
T℃未満であるために音響異方性に劣る。鋼種11cに
ついては鋼種11bよりも更に圧延仕上り温度を低くし
た場合を示している。これによりL/Cの値は更に大き
くなり、音響異方性はさらに劣化する。
【0037】一方溶接性に関しては、鋼種1〜23の全
てにおいて、Pcm値が0.2以下であるため、JIS
3158に規定される斜めy型溶接割れ試験(予熱温度
25℃、試験雰囲気30℃×80%)において割れは観
察されず、またJIS3101に規定される溶接熱影響
部の最高硬さの値も290Hv以下と良好である。
てにおいて、Pcm値が0.2以下であるため、JIS
3158に規定される斜めy型溶接割れ試験(予熱温度
25℃、試験雰囲気30℃×80%)において割れは観
察されず、またJIS3101に規定される溶接熱影響
部の最高硬さの値も290Hv以下と良好である。
【0038】比較例のうち、鋼種24〜26はCもしく
はNb含有量が本発明の範囲外であるため、強度不足で
ある。鋼種27ではC含有量が本発明の範囲外であるた
め、Pcm値が0.2よりも大きく、JIS3158に
規定される斜めy型溶接割れ試験(予熱温度25℃)に
おいて割れが観察され、またJIS3101に規定され
る溶接熱影響部の最高硬さの値も314Hvと大きい。
鋼種28ではCr含有量が本発明の範囲外であるため、
Pcm値が0.2よりも大きく、JIS3158に規定
される斜めy型溶接割れ試験(予熱温度25℃、試験雰
囲気30℃×80%)において割れが観察された。
はNb含有量が本発明の範囲外であるため、強度不足で
ある。鋼種27ではC含有量が本発明の範囲外であるた
め、Pcm値が0.2よりも大きく、JIS3158に
規定される斜めy型溶接割れ試験(予熱温度25℃)に
おいて割れが観察され、またJIS3101に規定され
る溶接熱影響部の最高硬さの値も314Hvと大きい。
鋼種28ではCr含有量が本発明の範囲外であるため、
Pcm値が0.2よりも大きく、JIS3158に規定
される斜めy型溶接割れ試験(予熱温度25℃、試験雰
囲気30℃×80%)において割れが観察された。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【発明の効果】以上、本発明方法によれば,溶接施工時
の低温割れ等の防止が可能で溶接性を向上し、さらに音
響異方性の特性に優れた調質型60kgf/mm2 級鋼
を得ることができる。
の低温割れ等の防止が可能で溶接性を向上し、さらに音
響異方性の特性に優れた調質型60kgf/mm2 級鋼
を得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.04〜0.1%、S
i:0.01〜0.4%、Mn:0.5〜1.6%、
P:0.015%以下、S:0.01%以下、Mo:
0.01〜0.3%、Nb:0.005〜0.05%、
V:0.1%以下、Al:0.01〜0.08%、N:
0.0005〜0.008%、Ti<0.005%、B
<0.0003%を含み、Pcm=C+Si/30+M
n/20+Cu/20+Ni/30+Cr/20+Mo
/15+V/10+5Bで定義されるPcm値が0.2
以下で、かつ、Ceq=C+Mn/6+Si/24+N
i/40+Cr/5+Mo/4+V/14で定義される
Ceq値および、Nb、V含有量からなるX=625N
b+250V+210Ceqが、X≧40+t(但し、
tは鋼板の板厚(mm)を示す)なる関係を満たし、残
部が鉄および不可避不純物よりなる鋼材を、1000℃
以上1250℃以下の温度に加熱後、T=−530C+
100Mn+15Mo+2250Nb+100V+77
0(℃)で与えられる温度以上で熱間圧延を終了した
後、少なくともAr3 変態点以上より直接焼き入れし、
その後Ac1 変態点以下の温度にて焼戻しをおこなうこ
とを特徴とする溶接性と音響異方性に優れた調質型60
kgf/mm2 級鋼の製造方法。 - 【請求項2】 重量%で、C:0.04〜0.1%、S
i:0.01〜0.4%、Mn:0.5〜1.6%、
P:0.015%以下、S:0.01%以下、Mo:
0.01〜0.3%、Nb:0.005〜0.05%、
V:0.1%以下、Al:0.01〜0.08%、N:
0.0005〜0.008%、Ti<0.005%、B
<0.0003%を含み、さらにCu:0.5%以下、
Ni:1.5%以下、Cr:0.5%以下の1種又は2
種以上を含み、Pcm=C+Si/30+Mn/20+
Cu/20+Ni/30+Cr/20+Mo/15+V
/10+5Bで定義されるPcm値が0.2以下で、か
つ、Ceq=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+
Cr/5+Mo/4+V/14で定義されるCeq値お
よび、Nb、V含有量からなるX=625Nb+250
V+210Ceqが、X≧40+t(但し、tは鋼板の
板厚(mm)を示す)なる関係を満たし、残部が鉄およ
び不可避不純物よりなる鋼材を、1000℃以上125
0℃以下の温度に加熱後、T=−530C+100Mn
+15Mo+2250Nb+100V+770(℃)で
与えられる温度以上で熱間圧延を終了した後、少なくと
もAr3 変態点以上より直接焼き入れし、その後Ac1
変態点以下の温度にて焼戻しをおこなうことを特徴とす
る溶接性と音響異方性に優れた調質型60kgf/mm
2 級鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34126995A JPH08232017A (ja) | 1994-12-28 | 1995-12-27 | 溶接性と音響異方性に優れた調質型60kgf/mm2 級鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32700494 | 1994-12-28 | ||
JP6-327004 | 1994-12-28 | ||
JP34126995A JPH08232017A (ja) | 1994-12-28 | 1995-12-27 | 溶接性と音響異方性に優れた調質型60kgf/mm2 級鋼の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08232017A true JPH08232017A (ja) | 1996-09-10 |
Family
ID=26572362
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34126995A Pending JPH08232017A (ja) | 1994-12-28 | 1995-12-27 | 溶接性と音響異方性に優れた調質型60kgf/mm2 級鋼の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08232017A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2218801A1 (en) * | 2007-10-26 | 2010-08-18 | Baoshan Iron & Steel Co., Ltd. | Steel plate with yield strength of 800mpa grade and low weld cracking sensitivity, and manufacture method thereof |
-
1995
- 1995-12-27 JP JP34126995A patent/JPH08232017A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2218801A1 (en) * | 2007-10-26 | 2010-08-18 | Baoshan Iron & Steel Co., Ltd. | Steel plate with yield strength of 800mpa grade and low weld cracking sensitivity, and manufacture method thereof |
EP2218801A4 (en) * | 2007-10-26 | 2012-02-01 | Baoshan Iron & Steel | 800 MPA LASTICITY LIMIT STEEL SHEET AND LOW SENSITIVITY TO SEWAGE CRACKING, AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME |
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