JPH08232003A - 耐熱性・耐食性金属多孔体の製造方法 - Google Patents

耐熱性・耐食性金属多孔体の製造方法

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JPH08232003A
JPH08232003A JP7144661A JP14466195A JPH08232003A JP H08232003 A JPH08232003 A JP H08232003A JP 7144661 A JP7144661 A JP 7144661A JP 14466195 A JP14466195 A JP 14466195A JP H08232003 A JPH08232003 A JP H08232003A
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JP
Japan
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heat
gas
porous body
resistant
metal
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Application number
JP7144661A
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English (en)
Inventor
Toshiyasu Tsubouchi
利康 坪内
Akira Okamoto
曉 岡本
Hirohiko Ihara
寛彦 井原
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属多孔体にAl及び/又はCrをより均一
に合金化して、その耐熱性、耐食性を向上すること。 【構成】 金属多孔体を特定混合比のAl及び/又はC
r源粉末の加熱により発生させた拡散浸透成分ガスと還
元性希釈ガスとの混合ガス雰囲気中で熱処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種フィルタ、特に耐
食性及び耐熱性を向上させたフィルタや触媒担持体等と
して利用し得る連続気孔を有する耐熱性・耐食性多孔体
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】微細な連続気孔をもつ金属多孔体の製造
方法として特開平1−255686や特開昭63−8
1767に詳述されている電池電極材料として用いられ
る純ニッケルの多孔体のように、導電性の不織布や導電
化処理をした不織布あるいは三次元網状構造体へ電気メ
ッキ法にて金属を析出させた後に熱処理にて不織布体な
どの芯材を除去し、かつ金属組織の緻密化を行う方法
と、特公昭42−13077や特公昭54−4270
3に詳述されている各種フィルターとして用いられるス
テンレスの多孔体のように、伸線や切削などの方法で作
った金属繊維を不織布状に成形してから焼結する方法の
2つの方法が知られている。第一の方法ではメッキ法に
て析出させることのできる金属種が限られており耐食性
・耐熱性に優れた合金、例えば出願人が提案しているN
i−Cr−Al合金(特開平5−206255)やガソ
リン車の排気ガス処理用の触媒担持体の材質として検討
が進められているFe−Cr−Alを作ることができな
いため500〜600℃の耐熱性及び耐食性を得ること
ができなかった。第二の方法では金属繊維を作る加工技
術の制約からNi−Cr−Al合金やFe−Cr−Al
合金で金属繊維を作ることができないため500〜80
0℃の耐熱性及び耐食性を得ることができなかった。
【0003】さらに、前記2法の欠点を補うために、
自動車等の耐食コーティング技術として公知の粉末を用
いた拡散浸透法と呼ばれる合金組成の調整方法を上記二
法と併用する試みがなされている。この方法は、金属多
孔体をAl,Cr,NH4Xを含む粉末中に埋めて90
0〜1100℃で熱処理して、その表面にAlとCrを
析出・拡散させて合金組成を調整して耐熱性・耐食性の
要求を満たせる合金組成を得るというものである。この
技術を一般にクロム−アルミナイジングと呼ぶ。又、粉
末金属にCr,NH4Xを用いる場合をクロマイジング
と呼ぶ。しかし、従来の技術ではフィルタ表面に原料粉
末が一部付着又は焼結したまま残存し易かった。これは
フィルタの目詰まりの原因となり性能が低下する問題が
あった。そこで、浸透粉末をガス供給源とし粉末とフィ
ルタを離すことによりその残存を防ぐ方法も検討されて
いる。フィルタ用途の場合、その形状は複雑となるがN
iやFeに、耐熱性を向上するためAl合金化量を増加
すると靭性面が劣化し、加工が困難となる。そのため、
Ni,Fe金属多孔体の状態で所定の形状に加工した
後、合金組成を最終的な値に調整する必要がある。その
ため形状によっては原料粉末から10〜20cm離れた
金属多孔体部に均一にCr−Al拡散浸透する技術が必
要である。ところがAlに比べCr蒸気圧は低いため金
属多孔体に過剰Alが析出する傾向にあった。特に10
〜20cmにもなるサイズを有する金属多孔体のAl分
布は、粉末発生源から離れるに従い合金化組成が増加
し、Al合金化組成が浸透粉末近傍組成の10倍以上に
なる場合があった。一方、Cr組成分布は反対に粉末発
生源から離れるに従い合金化組成が低下し、Cr合金化
組成が浸透粉末近傍組成の10分の1以下になる場合が
あった。そして、このAl組成の高い部分において靭性
が低下し、最終形状加工性及び耐振動性が損なわれるこ
とが問題であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、金属多孔
体に耐熱性、耐食性を付与するための従来のクロム−ア
ルミナイジング拡散浸透法では特に金属多孔体のAlと
Cr組成に不均一分布が発生し靭性が低下することが問
題であった。特に形状サイズが10〜20cmと大きく
なると、一般に用いられるAlとCrを配合させた原料
粉末を用いたガス拡散浸透法により金属多孔体にAlと
Crを同時に合金化するには、局部的に過剰なAl量が
多孔体に合金化され、特にガス供給源である粉末部から
離れた場合のAl組成が不均一で靭性が不十分であると
いう課題があった。本発明の目的は上記従来技術の問題
点に鑑みてなされたものであり、金属多孔体にAl及び
/又はCrを均一に合金化することができる耐熱性・耐
食性金属多孔体の製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した
結果、拡散浸透法における熱処理工程を改善することに
より上記課題を解決し得ることを知見し、本発明に至っ
た。
【0006】すなわち、本発明は金属もしくは表層が金
属からなる金属多孔体の合金組成を調整することによる
耐熱性・耐食性金属多孔体の製造方法において、該合金
組成の調整方法が(A)CrもしくはCr化合物とNH
4Xを含む粉末を950〜1100℃で加熱して生成さ
せたガスと還元性希釈ガスとの混合ガス中にて800〜
1100℃で熱処理するか、または(B)Alもしくは
Al化合物とCrもしくはCr化合物、およびNH4
を含み、かつAl,Cr換算でCr/Al混合比(重
量)が10〜80である粉末を950〜1100℃で加
熱して生成させたガスと還元性希釈ガスとの混合ガス中
にて800〜1100℃で熱処理する、のいずれかであ
る耐熱性・耐食性金属多孔体の製造方法に関する。
【0007】本発明に使用される上記の熱処理を受ける
金属多孔体は、例えばFe,Ni,Co等あるいはこれ
らを基材とする合金等から構成される。
【0008】本発明に使用されるガス供給源の粉末材料
としては、拡散浸透法によるクロム−アルミナイジング
用粉末として公知の材料が使用できる。すなわち、Al
とCrもしくはハロゲン化Al(AlF3,AlCl3
AlBr3,AlI3)等のAl化合物とハロゲン化Cr
(CrF2,CrCl2,CrBr2,CrI2)等のCr
化合物と及びハロゲン系活性剤(NH4X,XはI,
F,Cl,Br)が用いられる。その他、これら粉末材
料を加熱する際に粉末同士の焼結を防ぐ目的でアルミナ
等を配合することもできる。
【0009】また、前記粉末材料を950〜1100℃
で加熱して生成させたガスを希釈するガスとしては水素
の還元性ガスまたはこれとアルゴン、ネオン等の不活性
ガスとの混合ガスが好ましい。特に水素の還元性ガスは
AlとCr合金化の妨げとなる初期金属の熱酸化を還元
雰囲気を形成することで防ぐことができる。このため混
合ガスとして用いる場合、好ましくは水素などの還元性
ガスを60vol%以上、より好ましくは80vol%
以上とする。これらの還元性希釈ガスは、好ましくは熱
処理域に導入されて、その場にて前記の粉末材料を加熱
して生成させたガスと混合され、Al及びCrガス濃度
又はAl及びCr化合物ガス濃度を希釈調整する。この
希釈ガスによる濃度の希釈調整は、被処理金属多孔体が
接する処理雰囲気ガス中のAl及びCr反応物濃度をで
きるだけ均一化するためである。また、従来の浸透粉末
をガス供給源とする拡散浸透法ではCr蒸気圧がAl蒸
気圧に比べて低いため、特にCrガス濃度はガス供給源
の粉末部から離れる程急激に低下し、そのためAl合金
化がその部位に対して過剰に行われ靭性が低下し、形状
加工及び耐振動面の要求を満足していなかった。本発明
においては原料粉末から発生するAl蒸気圧を減らし、
Cr蒸気圧をAl蒸気圧に対して相対的に増やすことで
金属多孔体の過剰Al析出を抑え、また上記のように希
釈ガスとの混合により、Al及びCr不均一性を大幅に
緩和するものである。粉末原料として用いるAl,Cr
またはそれらの化合物において(Al,Cr換算で)C
r/Alの混合比(重量)は10〜80、好ましくは1
5〜70にするのが望ましい。この際、拡散浸透熱処理
は好ましくは800〜1100℃で3〜8時間実施され
る。
【0010】本発明は上記のようにCr/Al粉末成分
混合比を上げ、さらに拡散浸透成分ガスを還元性希釈ガ
スと混合することにより、Alの成分を抑え、Cr成分
の熱処理域における雰囲気ガス中の濃度を調整して平均
化するものであるが、この拡散浸透成分ガス、すなわち
CrまたはCr化合物の濃度をより適切に調整して金属
多孔体表面のCr合金化組成を一層均一化するため、前
記AlとCr混合比の範囲内とした場合還元性ガス量
は、CrまたはCr化合物粉末のうちCr重量1kgに
対して0.01〜0.06mol/minとするのが好
ましく、またガス供給源のCrまたはCr化合物のうち
Cr粉末組成は、粉末全体の15〜35重量%が好まし
く、さらに20〜35重量%がより好ましい。還元性ガ
ス量が0.01mol/minより少ないと処理域雰囲
気ガス中の過敏な反応種Al又はAl化合物ガス成分が
増加し、Al合金化率が大きくなる。これは得られた金
属多孔体の組成の均一化も不十分で靭性も好ましくな
い。一方、0.06mol/minを越えるとAl又は
Al化合物のガス濃度は抑えられるもののCr濃度も同
時に低下し、低Cr組成の多孔体となるため耐熱、耐食
性の向上が不十分となり好ましくない。またCr又はC
r化合物のうちCr粉末組成が全体の15重量%未満の
場合、処理域の雰囲気ガス中のCr又はCr化合物濃度
が減りすぎ、低Cr組成の金属多孔体となり、また35
重量%を越えると、ガス供給源の粉末の近傍の雰囲気ガ
ス中のCr又はCr化合物ガス濃度が高く合金化組成が
不均一となり、いずれも好ましくない。
【0011】本発明はその好ましい態様として、合金組
成の調製方法において熱処理工程を昇温と降温を反復す
ることにより行うこともできる。こうした態様によれば
上記のCr量の不足を補うことができる。これはCr析
出反応がCr過飽和蒸気の状態で降温する時発生する点
に着目し、降温サイクルを複数回もたせることでCr析
出を促進させるようにしたのである。
【0012】この降温サイクルとしては、図3の(a)
に示すように一旦室温まで下げる必要はなく降温温度に
下げた段階で再度処理温度を上げるといった(b)の手
法にて実現可能である。降温はおよそ800〜900℃
の範囲で行うのが好ましい。フィルタ特性としてCr組
成は、耐熱性及び耐食性が損なわれなければよく、好ま
しくは15〜35重量%である。
【0013】工業的生産性の面からヒートサイクルの回
数を増やすことは効率及び処理費もかかるためできる限
り少ない方が望ましく必要最低限のCr組成が確保でき
るヒートサイクル回数、好ましくは、2〜3回程度であ
る。上記したように、本発明による製造方法はヒートサ
イクルを持たせることで、降温時のCr析出現象を積極
的に利用し、Crが金属多孔体の厚み方向の内部にいた
るまで均一化でき、また、一度の処理にてAl,Cr組
成を調整できる。この技術を用いれば所定の形状に成形
した金属多孔体を厚み方向に均一にAl,Cr組成を調
整できるので内部にいたるまで耐熱性、耐食性を持たせ
ることが可能となり、700℃以上の耐熱性及び耐食性
が得られる。
【0014】また、上述の本発明の方法は、Al成分を
含まずCr成分のみを使用するクロマイジングにも適用
することができ、こうした態様も本発明に包含される。
この場合も拡散浸透熱処理は、好ましくは950〜11
00℃で3〜8時間実施される。
【0015】クロマイジングにおいて水素等の還元性ガ
ス量は、CrまたはCr化合物粉末のうちCr重量1k
gに対して0.01〜0.06mol/minとするの
が好ましく、またガス供給源のCrまたはCr化合物の
うちCr粉末組成は、粉末全体の15〜35重量%が好
ましく、さらに20〜35重量%がより好ましい。還元
性ガス量が0.01mol/minより少ないと処理域
雰囲気ガス中のCrまたはCr化合物ガス濃度の平坦性
が不十分となり、得られた金属多孔体の組成の均一化も
不十分で好ましくない。一方、0.06mol/min
を越えるとCrまたはCr化合物のガス濃度が減りすぎ
て低Cr組成の多孔体となるため耐熱、耐食性の向上が
不十分となり好ましくない。またCrまたはCr化合物
粉末組成が15重量%未満の場合、処理域の雰囲気ガス
中のCr又はCr化合物濃度が減りすぎ、低Cr組成の
金属多孔体となり、また35重量%を越えると、ガス供
給源の粉末の近傍の雰囲気ガス中のCrまたはCr化合
物ガス濃度が高過ぎることとなり、いずれも好ましくな
い。このクロマイジング処理の組織調整においても昇降
温の反復によりCr量の不足を補うことができる。
【0016】このようにして本発明によれば、金属多孔
体が複雑な形状を有し、かつ10〜20cmあるいはそ
れ以上にも及ぶサイズを有するような例えばフィルタ構
造であっても広範囲に均一なAlとCr合金化組成を付
与することができるので、金属多孔体に500℃以上の
耐熱性、耐食性を持たせることができる。
【0017】本発明の方法はフィルタの他同様に耐熱、
耐食性を要求される触媒等の活性成分を担持する担体材
料にも好適である。
【0018】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に
説明する。
【0019】実施例1〜9 ウレタンをメッキ法で金属化した60μmの骨格太さか
つ0.7mmの細孔径、充填率5%、厚み1.8mmの
金属多孔体(商品名:セルメット:住友電気工業(株)
製Ni基三次元網状構造多孔体)及びFe製金属多孔体
を得た。こうして得た金属多孔体を5層に重ねて円芯に
巻き付け均一にプレスし円筒に成形し、内径3cm×外
径4.2cm×20cm寸法の試料を使用した。これら
の試料を図1に示すように幅17cm×長さ23cm×
高さ25cmのケースに拡散浸透成分ガス供給原料粉末
を2cm程敷いた上に配置した状態で、1050℃のガ
ス雰囲気で5時間クロム−アルミナイジングを行った。
【0020】その後、試料を取り出し1cm角に切り取
った試片を引き剥がし、イオン化吸光分析にて金属多孔
体の組成を分析した。また、このようにクロム−アルミ
ナイジングした試料にて耐熱試験を実施した。この耐熱
試験とは、大気中800℃で50時間酸化した場合の増
加率にて判定し10%以下を良好であるとした。
【0021】さらに本試料にて耐加工試験を実施した。
この耐加工試験とは、直角曲げにて判定し3回以上で割
れない場合、良好であるとした。評価基準は両者を満足
することとした。その結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】比較例1〜3 実施例1〜9において拡散浸透成分ガス原料粉末のCr
を3重量%とした以外は実施例1〜9と同様に処理を行
った。その結果を表2に示す。
【0024】比較例4〜6 実施例1〜9において拡散浸透成分ガス原料粉末のCr
を50重量%とした以外は実施例1〜9と同様に処理を
行った。その結果を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】実施例10〜12 有機繊維、カーボン繊維で構成した不織布をメッキ法で
金属化した、繊維径30μm、充填率18%、0.7m
mtのFe金属不織布を得た。
【0027】こうして得たFe金属不織布を3層に重ね
て円芯に巻き付け均一にプレスし円筒に成形し、内径3
cm×外径3.3cm×20cmの寸法を有する試料と
し実施例1と同様にクロム−アルミナイジングを行っ
た。拡散浸透成分ガス供給原料粉末を2cm程敷いた上
に配置した状態で、1050℃のガス雰囲気で3時間処
理した。処理終了後、実施例1と同様にして金属不織布
の分析と耐熱試験及び耐加工試験を行った。その結果を
表3に示す。
【0028】実施例13〜15 実施例10〜12において希釈ガスを水素ガスとし24
0cc/min、及びアルゴンガス60cc/minと
した以外は実施例10〜12と同様にして処理を行っ
た。その結果を表3に示す。
【0029】実施例16〜21 材質をNi製金属不織布の場合でヒートサイクル(図
2)を用いた時以外は実施例10〜12と同様にして処
理を行った。その結果を表3に示す。なお、上記各実施
例におけるヒートサイクルは図2(a)〜(c)に模式
的に示されるが、具体的には(a)は室温よりクロム又
はクロムアルミナイジングの所定温度まで加熱し、処理
後室温まで冷却する。(b)は加熱後、所定の温度で3
時間処理後、800℃まで降下させ、再び処理温度まで
加熱し、次いで室温まで冷却する。(c)は所定の温度
で3時間処理後800℃まで降下させ、再び所定温度ま
で上げるサイクルを2回繰り返し室温まで冷却する。
【0030】
【表3】
【0031】実施例22〜27 ウレタンをメッキ法で金属化した60μmの骨格太さか
つ0.7mmの細孔径、充填率5%、厚み1.8mmの
金属多孔体(商品名:セルメット:住友電気工業(株)
製Ni基三次元網状構造多孔体)及びFe製を得た。こ
うして得た金属多孔体を5層に重ねて円芯に巻き付け均
一にプレスし円筒に成形し、内径3cm×外径4.2c
m×20cmの寸法の試料を使用した。これらの試料を
図1に示すように幅17cm×長さ23cm×高さ25
cmのケースに拡散浸透成分ガス供給原料粉末を2cm
程敷いた上に配置した状態で、1050℃のガス雰囲気
で5時間クロマイジングを行った。
【0032】その後、試料を取り出し1cm角に切り取
った試片を引き剥がし、イオン化吸光分析にて金属多孔
体の組成を分析した。また、このようにクロマイジング
した試料にて耐熱試験を実施した。この耐熱試験とは、
大気中700℃で50時間酸化した場合の増加率にて判
定し10%以下を良好であるとした。その結果を表4に
示す。
【0033】
【表4】
【0034】実施例28〜30 有機繊維、カーボン繊維で構成した不織布をメッキ法で
金属化した、繊維径30μm、充填率18%、0.7m
mtのNi金属不織布を得た。
【0035】こうして得たNi金属不織布を3層に重ね
て円芯に巻き付け均一にプレスし円筒に成形し、内径3
cm×外径3.3cm×20cmの寸法を有する試料と
し実施例22〜27と同様にクロマイジングを行った。
1050℃のガス雰囲気で3時間処理した。処理終了
後、実施例22〜27と同様にして金属不織布の分析と
耐熱試験を行った。その結果を表5に示す。
【0036】実施例31〜33 実施例28〜30において希釈ガスを水素ガスとし24
0cc/min、及びアルゴンガス60cc/minと
した以外は実施例28〜30と同様にして処理を行っ
た。その結果を表5に示す。 比較例7〜9 実施例28〜30において希釈ガスをアルゴンガスのみ
200cc/minとした以外は実施例28〜30と同
様にして処理を行った。その結果を表5に示す。
【0037】
【表5】
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば原
料粉末から発生するAl蒸気圧を減らし、Cr蒸気圧を
Al蒸気圧に対して相対的に増やすことで金属多孔体の
過剰Al析出を抑え、Al及びCr不均一性を大幅に緩
和し、それにより被処理金属多孔体が複雑な形状であっ
ても、又、比較的長大なサイズであっても、その多孔体
の全域にわたってAlとCr合金化組成をより均一化す
ることができる。従って過度にAlやCr化されて靭性
を低下させる部位を発生させることなく、金属多孔体の
耐熱性、耐食性を向上させることができる。
【0039】また、本発明によればクロマイジングにお
いても熱処理域雰囲気中の拡散浸透成分ガスの濃度の不
均一性を大巾に緩和することができ、それにより被処理
金属多孔体が複雑な形状であっても、又、比較的長大な
サイズであっても、その多孔体の全域にわたってCr合
金化組成をより均一化することができる。したがって、
過度にCr化されて靭性を低下させる部位を発生させる
ことなく、金属多孔体の耐熱性、耐食性を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に使用した拡散浸透熱処理装置の概略
図。
【図2】本発明の熱処理において昇温・降温を反復する
場合のヒートサイクルの説明図。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属もしくは表層が金属からなる金属多
    孔体の合金組成を調整することによる耐熱性・耐食性金
    属多孔体の製造方法において、該合金組成の調整方法が
    (A)CrもしくはCr化合物とNH4X(ただしXは
    I,F,Cl,Br、以降この表記を使用する。)を含
    む粉末を950〜1100℃で加熱して生成させたガス
    と還元性希釈ガスとの混合ガス中にて800〜1100
    ℃で熱処理するか、または(B)AlもしくはAl化合
    物とCrもしくはCr化合物、およびNH4Xを含み、
    かつAl,Cr換算でCr/Al混合比(重量)が10
    〜80である粉末を950〜1100℃で加熱して生成
    させたガスと還元性希釈ガスとの混合ガス中にて800
    〜1100℃で熱処理するのいずれかであることを特徴
    とする耐熱性・耐食性金属多孔体の製造方法。
  2. 【請求項2】 合金組成の調整方法において少なくとも
    2回昇温と降温の熱過程を含む請求項1記載の耐熱性・
    耐食性金属多孔体の製造方法。
  3. 【請求項3】 合金組成の調整方法における還元性希釈
    ガスが水素であることを特徴とする請求項1記載の耐熱
    性・耐食性金属多孔体の製造方法。
  4. 【請求項4】 合金組成の調整方法における還元性希釈
    ガスが水素ガスと不活性ガスとの混合ガスであることを
    特徴とする請求項1記載の耐熱性・耐食性金属多孔体の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 熱処理時間が3〜8時間であることを特
    徴とする請求項1記載の耐熱性・耐食性金属多孔体の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 CrもしくはCr化合物のうちCr組成
    が15〜35重量%であることを特徴とする請求項1記
    載の耐熱性・耐食性金属多孔体の製造方法。
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Cited By (4)

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