JPH08231778A - プラスチック成形体 - Google Patents

プラスチック成形体

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JPH08231778A
JPH08231778A JP4082495A JP4082495A JPH08231778A JP H08231778 A JPH08231778 A JP H08231778A JP 4082495 A JP4082495 A JP 4082495A JP 4082495 A JP4082495 A JP 4082495A JP H08231778 A JPH08231778 A JP H08231778A
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JP
Japan
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weight
polyolefin
carbonate
molding
resin composition
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JP4082495A
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English (en)
Inventor
Shinji Odakura
伸次 小田倉
Yasunori Sano
靖規 佐野
Shoji Otani
庄治 大谷
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃焼時の燃焼カロリーが低く、冷却時間の短
縮化にともなう成形サイクルアップによる環境問題の対
策が図られ、且つ優れた機械的性質を有し、コストダウ
ンが可能なプラスチック成形体を提供すること。 【構成】 本発明のプラスチック成形体は、ポリオレフ
ィン100重量部に、無機物として炭酸塩3〜80重量
部、及び分散剤としてカルボン酸基を有する変性ポリオ
レフィン0.1〜20重量部を含有させた樹脂組成物を
成形してなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃焼時の燃焼カロリー
が低く、冷却時間の短縮化にともなう成形サイクルアッ
プによる環境問題の対策が図られ、且つ優れた機械的性
質を有し、コストダウンが可能なプラスチック成形体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
液体洗剤、柔軟剤、漂白剤、シャンプー等を入れるボト
ル若しくはそのキャップとして、ポリオレフィン製品等
のプラスチック成形体が広く利用されてきた。特にポリ
エチレンは、加工性に優れ、しかも安価であるため、液
体洗剤、柔軟剤、漂白剤、シャンプー等の容器材料とし
て最も多く利用されている。また、キャップに関して
は、機械的性質、特にヒンジ特性および収縮率等および
加工性に優れたポリプロピレンが多く利用されている。
【0003】これらのプラスチック成形体の燃焼廃棄に
際しては、樹脂の燃焼カロリーが高いため、燃焼炉の損
傷等の問題が生じ、この種の樹脂製成形体の廃棄が社会
問題になっている。一方、上記プラスチック成形体の成
形の際には、あまり、表面化しないものの多大な電力を
使用している。これも、エネルギーの効率化という点で
考えた場合、削減することで環境汚染等の対策の1つに
つながるものと考えられる。そこで、素材の燃焼カロリ
ーを低くして、さらには成形時のエネルギーの効率化を
行い、環境問題を解決するため、いろいろな方法が採ら
れている。
【0004】また、熱可塑性組成物から加工されるプラ
スチック成形体のコストを減少させるためには、増量の
無機物を熱可塑性組成物に添加することが望ましい。し
かしながら、多量の無機物を用いる場合の主たる欠点の
1つは、例えば、ポリオレフィン等の材料のブレンドに
より形成された成形体中の無機物の粒径の粗大化及びそ
の分散状態の不均一性にある。これは、ポリオレフィン
等の親油性を示す樹脂に炭酸カルシウム等のような親水
性粉体の添加により、相溶しない炭酸カルシウムが凝集
するからである。このことが原因で、外力等の状況下に
おいて、界面に応力が集中しやすくなり、剥離が衝撃強
度及び圧縮強度等の機械的性質の低下および耐環境応力
クラッキング(以下、「ESCR」と称す)の低下を引
き起こすことになる。
【0005】例えば、特公昭47−6892号公報に示
されるように、ポリオレフィンに炭酸カルシウムやタル
ク等の無機物を添加した樹脂を用いた中空容器を形成す
ることが挙げられる。しかし、このような無機物を添加
したポリオレフィンは、添加量の増加にともない燃焼カ
ロリーは低下するが、ESCRや衝撃強度は、ポリオレ
フィン単体容器と比較して劣るものとなってしまう。
【0006】また、例えば、特公昭60−26028号
公報に示されるように、外層、中間層、内層の多層容器
で、外層、中間層に無機物(特に炭酸カルシウム)を添
加したポリオレフィンからなる多層容器を形成すること
が挙げられている。しかしながら、このような多層容器
においても、単にポリオレフィンに炭酸カルシウムを添
加しているだけであり、不均一な分散状態に変化がな
く、添加した炭酸カルシウムの効果は低い。しかも多層
構成のために、炭酸カルシウムの増加にともなう層の肉
厚制御の困難さおよび層間の接着性に問題が生じる。
【0007】従って、本発明の目的は、燃焼時の燃焼カ
ロリーが低く、冷却時間の短縮化にともなう成形サイク
ルアップによる環境問題の対策が図られ、且つ優れた機
械的性質を有し、コストダウンが可能なプラスチック成
形体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリオレ
フィンに、無機物として炭酸塩、及び分散剤として特定
の変性ポリオレフィンを含有させた樹脂組成物を成形し
てなるプラスチック成形体が、上記目的を達成し得るこ
とを知見した。
【0009】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、ポリオレフィン100重量部に、無機物として炭酸
塩3〜80重量部、及び分散剤としてカルボン酸基を有
する変性ポリオレフィン0.1〜20重量部を含有させ
た樹脂組成物を成形してなることを特徴とするプラスチ
ック成形体を提供するものである。
【0010】以下、本発明のプラスチック成形体につい
て詳細に説明する。
【0011】本発明に使用されるポリオレフィンとして
は、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等
のポリエチレン、ポリブテン−1、ポリメチルペンテン
−1、ホモポリプロピレン、エチレン−プロピレンのラ
ンダム共重合体、エチレン−プロピレンのブロック共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
これらのポリオレフィンは、一種又は二種以上で使用さ
れる。
【0012】上記ポリオレフィンの中でも、ポリエチレ
ン、ホモポリプロピレン、エチレン−プロピレンのラン
ダム共重合体、エチレン−プロピレンのブロック共重合
体、ポリブテン−1、ポリメチルペンテン−1が好まし
く、特に、ポリエチレン、ホモポリプロピレン、エチレ
ン−プロピレンのランダム共重合体又はエチレン−プロ
ピレンのブロック共重合体が好ましい。
【0013】上記ポリオレフィンの分子量(重量平均分
子量)は、好ましくは1万〜100万、更に好ましくは
5万〜50万である。
【0014】本発明に使用される炭酸塩としては、例え
ば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マ
グネシウム、ドロマイト等が挙げられ、好ましくは、炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシ
ウムであり、特に好ましくは、炭酸カルシウムである。
これらの炭酸塩は、一種又は二種以上で使用される。
尚、該炭酸カルシウムは、重質又は軽質炭酸カルシウム
の何れであってもよい。
【0015】上記炭酸塩の形態は、粒状、板状又は繊維
状の何れの形態であってもよい。また、上記炭酸塩の平
均粒径は、プラスチックの添加剤として用いられる通常
の大きさであればよく、好ましくは0.5〜50μm、
更に好ましくは1〜10μmである。
【0016】尚、本発明において、上記炭酸塩は、より
均一分散させる目的で、表面処理されているのが好まし
い。上記炭酸塩の表面処理としては、脂肪酸、シリコー
ン、金属セッケン、アミノ酸、レシチン及び樹脂からな
る群より選ばれる一種又は二種以上による表面処理が挙
げられ、特に脂肪酸による表面処理が好ましい。
【0017】上記炭酸塩の含有量は、ポリオレフィン樹
脂100重量部に対して、3〜80重量部、好ましくは
5〜70重量部である。上記含有量が3重量部未満であ
ると、プラスチック成形体の燃焼カロリーの低下や機械
的特性の向上が見られず、80重量部を超えると、プラ
スチック成形体の成形が不可能となる。
【0018】本発明に使用されるカルボン酸基を有する
変性ポリオレフィンは、分散剤として用いられるもの
で、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマル
酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、無水イタ
コン酸、無水シトラコン酸及び無水マレイン酸、特にア
クリル酸、メタクリル酸及び無水マレイン酸からなる群
より選ばれる少なくとも1種の有機酸系単量体を共重合
構成成分とするのが好ましい。
【0019】上記のカルボン酸基を有する変性ポリオレ
フィンとしては、例えば、上述の有機酸系単量体を共重
合構成成分とする、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン等が挙げられる。
【0020】上記のカルボン酸基を有する変性ポリオレ
フィンの分子量(重量平均分子量)は、好ましくは1万
〜50万である。
【0021】上記のカルボン酸基を有する変性ポリオレ
フィンにおける有機酸系単量体の含有量は、該カルボン
酸基を有する変性ポリオレフィン100重量部に対し
て、好ましくは1〜15重量部、更に好ましくは10〜
15重量部である。
【0022】上記のカルボン酸基を有する変性ポリオレ
フィンの含有量は、ポリオレフィン100重量部に対し
て、0.1〜20重量部、好ましくは0.1〜15重量
部である。上記添加量が0.1重量部未満であると、ポ
リオレフィンと炭酸塩との分散効果が発現せず、20重
量部を超えると、成形体の成形中に炭酸塩とカルボン酸
部分との反応により発生する炭酸ガスの影響で成形体の
成形不良が起こる。
【0023】本発明のプラスチック成形体は、上記ポリ
オレフィンに、上記炭酸塩及び上記のカルボン酸基を有
する変性ポリオレフィンを含有させたポリオレフィン樹
脂組成物を後述の方法により成形して得られるものであ
る。上記ポリオレフィン樹脂組成物には、本発明の目的
が達成される限り、上記ポリオレフィン、上記炭酸塩及
び上記のカルボン酸基を有する変性ポリオレフィン(分
散剤)以外に、適宜添加剤を含有することができる。該
添加剤としては、ポリオレフィン用の公知の添加剤、例
えば、帯電防止剤、着色剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、
難燃剤、酸化防止剤及び顔料等が挙げられる。
【0024】上記ポリオレフィン樹脂組成物は、上記ポ
リオレフィンに、上記炭酸塩及び上記のカルボン酸基を
有する変性ポリオレフィンを各々ペレット状で加えて通
常の混合機、例えば、ヘンシェルミキサー、V型ブレン
ダー等を用いて混合することにより容易に調製される
が、更に均一な組成物を得るためには、加熱混合機、例
えば、一軸または二軸スクリュー混練り押出機を用いる
ことにより容易に均一に調製される。
【0025】本発明のプラスチック成形体は、使用目的
に応じて、各種の成形法により、上記ポリオレフィン樹
脂組成物を任意の形状・大きさに成形することにより得
ることができる。具体的には、押出中空成形法から、主
にボトル等の各種容器類、射出成形法から、キャップ、
日用品雑貨、家電製品のハウジング類、圧縮成形法か
ら、トレー、フタ類、押出又はインフレーション成形法
から、フィルム、シート類が成形体として得られる。
【0026】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、本発明の構
成及び効果を更に詳細且つ具体的に説明する。
【0027】実施例1 ポリオレフィン樹脂として高密度ポリエチレン(HDP
E)『密度0.958g/cm3 、重量平均分子量170
000(ハイゼックスH6008B)、三井石油化学
(株)』100重量部、炭酸塩として重質炭酸カルシウ
ム『平均粒径1.08μ(ライトン22−S)、備北粉
化工業(株)』30重量部、分散剤としてカルボン酸基
を有する変性ポリオレフィンのエチレン−アクリル酸共
重合体『ニュクレルAN4221C,三井・デュポンポ
リケミカル(株)』1重量部を原材料として2軸混練り
機(池貝鉄工所(株)、L/D=26)のダイスよりス
トランド状に押し出し、ペレット状に切断して樹脂組成
物を得た。その混練り条件としては、ホッパー直下のシ
リンダー温度150℃からダイスまで順次温度を上げ、
ダイス温度200℃およびスクリュー回転数を約100
rpmと設定した。この混練りから得られたペレット状
の樹脂組成物を、加熱プレス機でシートに成形した。そ
のプレス条件は、温度200℃、100kgf/cm2 で成形
後、温度20℃、100kgf/cm2 で冷却した。この成形
より得られたシートの引張り測定より、降伏応力、破断
伸度を求めた。それらの結果を下記〔表1〕に示す。 〔測定方法〕 ・引張り測定;ASTM D882−72に準拠。
【0028】ここでは、樹脂組成物の強度の目安として
降伏応力を用いた。また、樹脂組成物中の無機物の分散
状態は、破断伸度を目安に用いた。これは、本発明に係
る樹脂組成物(前記特定の範囲内で分散剤を添加した樹
脂組成物)の場合、マトリックス中の無機物の粒径は、
SEM(走査型電子顕微鏡)観察により、数μ程度の微
細な分散状態である。一方、本発明に係る上記樹脂組成
物以外の樹脂組成物(前記特定の範囲外で分散剤を添加
した樹脂組成物)における無機物の粒径は、無機物どう
しの凝集が生じ粗大した分散状態である。このことか
ら、前者は、無機物の粒径が微細な分散状態であること
から、破断伸度値は小さくなり、後者は、無機物の粒径
が粗大な分散状態であることから、破断伸度値は大きく
なる傾向を示した。以上より、破断伸度から、無機物の
添加効果の程度が推断できる。
【0029】実施例2 ポリオレフィン樹脂として高密度ポリエチレン『密度
0.958g/cm3 、重量平均分子量170000(ハ
イゼックスH6008B)、三井石油化学(株)』10
0重量部、炭酸塩として重質炭酸カルシウム『平均粒径
1.08μ(ライトン22−S)、備北粉化工業
(株)』30重量部、分散剤としてカルボン酸基を有す
る変性ポリオレフィンのエチレン−アクリル酸共重合体
『ニュクレルAN4221C,三井・デュポンポリケミ
カル(株)』13重量部を原材料とした樹脂組成物を実
施例1と同様に成形しシートを得た。このシートにつ
き、前記実施例1と同じ測定を行い、それらの結果を下
記〔表1〕に示す。
【0030】実施例3 ポリオレフィン樹脂として高密度ポリエチレン『密度
0.958g/cm3 、重量平均分子量170000(ハ
イゼックスH6008B)、三井石油化学(株)』10
0重量部、炭酸塩として重質炭酸カルシウム『平均粒径
1.08μ(ライトン22−S)、備北粉化工業
(株)』30重量部、分散剤としてカルボン酸基を有す
る変性ポリオレフィンのエチレン−メタクリル酸共重合
体『ニュクレルN1207C,三井・デュポンポリケミ
カル(株)』1重量部を原材料とした樹脂組成物を実施
例1と同様に成形しシートを得た。このシートにつき、
前記実施例1と同じ測定を行い、それらの結果を下記
〔表1〕に示す。
【0031】実施例4 ポリオレフィン樹脂として高密度ポリエチレン『密度
0.958g/cm3 、重量平均分子量170000(ハ
イゼックスH6008B)、三井石油化学(株)』10
0重量部、炭酸塩として重質炭酸カルシウム『平均粒径
1.08μ(ライトン22−S)、備北粉化工業
(株)』30重量部、分散剤としてカルボン酸基を有す
る変性ポリオレフィンとしてエチレン−エチルアクリレ
ート共重合体に無水マレイン酸をグラフト化した組成物
『ボンダインTX8030,住友化学(株)』13重量
部を原材料とした樹脂組成物を実施例1と同様に成形し
シートを得た。このシートにつき、前記実施例1と同じ
測定を行い、それらの結果を下記〔表1〕に示す。
【0032】比較例1 実施例1における分散剤としてエチレン−アクリル酸共
重合体の無添加の場合の樹脂組成物、ポリオレフィン樹
脂として高密度ポリエチレン『密度0.958g/c
m3 、重量平均分子量170000(ハイゼックスH6
008B)、三井石油化学(株)』100重量部、炭酸
塩として重質炭酸カルシウム『平均粒径1.08μ(ラ
イトン22−S)、備北粉化工業(株)』30重量部を
原材料とした樹脂組成物を実施例1と同様に成形しシー
トを得た。このシートにつき、前記実施例1と同じ測定
を行い、それらの結果を下記〔表1〕に示す。
【0033】比較例2 実施例2における分散剤のカルボン酸基を有する変性ポ
リオレフィンのエチレン−アクリル酸共重合体『ニュク
レルAN4221C,三井・デュポンポリケミカル
(株)』の代わりに、エチレン−酢酸ビニル共重合体
『エバフレックスEV560,三井・デュポンポリケミ
カル(株)』25重量部を用いた樹脂組成物を実施例1
と同様に成形してシートを得た。このシートにつき、前
記実施例1と同じ測定を行い、それらの結果を下記〔表
1〕に示す。
【0034】
【表1】
【0035】上記〔表1〕の結果より、炭酸カルシウム
の粒径が微細な分散状態でカルボン酸基を有する変性ポ
リオレフィンを含有する樹脂組成物から成形したシート
は、破断伸度値の小さい傾向を示した。一方、分散剤が
ない場合又はカルボン酸基がない変性ポリオレフィンと
共に用いる場合の炭酸カルシウムは粒径が粗大が不均一
な分散状態のため、樹脂組成物から成形したシートは、
破断伸度の大きい傾向を示した。
【0036】実施例5 ポリオレフィン樹脂として高密度ポリエチレン『密度
0.958g/cm3 、重量平均分子量170000(ハ
イゼックスH6008B)、三井石油化学(株)』10
0重量部、炭酸塩として重質炭酸カルシウム『平均粒径
1.08μ(ライトン22−S)、備北粉化工業
(株)』30重量部、分散剤としてカルボン酸基を有す
る変性ポリオレフィンのエチレン−アクリル酸共重合体
『ニュクレルAN4221C,三井・デュポンポリケミ
カル(株)』1重量部を原材料とした樹脂組成物。前述
の混練り条件で上記樹脂組成物を混練りして得られたペ
レット状の樹脂組成物を用い、内容量350mlの単層成
形体を押出中空成形機((株)タハラ、BU−7054
−P、L/D=24)も用いて、シリンダー内から押し
出された溶融パリソンを金型ではさみ、ブローしてボト
ル形状に成型し冷却してボトルを得た。上記の成形条件
は、ホッパー直下の温度150℃からヘッドまで順次温
度を上げ、樹脂温度が200℃になるように設定した。
また、金型温度は20℃に設定した。得られたボトルに
ついて下記の種々の試験を行った。それらの結果を下記
〔表1〕に示す。
【0037】〔試験項目及び測定方法〕 ・成形性;押出中空成形のブロー工程において、溶融パ
リソンが破裂することでボトルの成形が不可能→不可、
押出中空成形のブロー工程において、溶融パリソンが破
裂することでボトルの成形が可能→可。 ・ボトル強度;ボトルに水を入れ目量充填し、20℃、
24hrのコンデショニング後20mm/min の降下速度
下で圧縮したときの降伏負荷値。 ・ESCR測定;ボトルを65℃、100hr及び30
0hrの環境条件(各々F100 及びF300 として表示)
で調整後、JOC法に準拠、不合格ボトル/測定ボトル
の割合。 ・落下強度;ボトルに水を入れ目量充填し、20℃、2
4hrの環境条件で調整後、1mから正立落下させたと
きの、不合格ボトル/測定ボトル。
【0038】実施例6 ポリオレフィン樹脂として高密度ポリエチレン『密度
0.958g/cm3 、重量平均分子量170000(ハ
イゼックスH6008B)、三井石油化学(株)』10
0重量部、炭酸塩として重質炭酸カルシウム『平均粒径
1.08μ(ライトン22−S)、備北粉化工業
(株)』30重量部、分散剤としてカルボン酸基を有す
る変性ポリオレフィンとしてエチレン−エチルアクリレ
ート共重合体に無水マレイン酸をグラフト化した組成物
『ボンダインTX8030,住友化学(株)』13重量
部からなる樹脂組成物を実施例5と同様に成形しボトル
を得た。このボトルにつき、前記実施例5と同試験を行
い、それらの結果を下記〔表2〕に示す。
【0039】実施例7 ポリオレフィン樹脂として高密度ポリエチレン『密度
0.958g/cm3 、重量平均分子量170000(ハ
イゼックスH6008B)、三井石油化学(株)』10
0重量部、炭酸塩として重質炭酸カルシウム『平均粒径
1.08μ(ライトン22−S)、備北粉化工業
(株)』30重量部、分散剤としてカルボン酸基を有す
る変性ポリオレフィンとしてエチレン−メタクリル共重
合体『ニュクレルN1207C,三井・デュポンポリケ
ミカル(株)』1重量部からなる樹脂組成物を実施例5
と同様に成形しボトルを得た。このボトルにつき、前記
実施例5と同試験を行い、それらの結果を下記〔表2〕
に示す。
【0040】比較例3〜6 実施例5における前記分散剤がエチレン−アクリル酸共
重合体『ニュクレルAN4221C,三井・デュポンポ
リケミカル(株)』が無添加の組成物の場合または25
重量部の組成物の場合またはエチレン−エチルアクリレ
ート共重合体に無水マレイン酸をグラフト化した組成物
『ボンダインTX8030,住友化学(株)』25重量
部の場合または実施例5における前記炭酸塩の代わり
に、タルク『平均粒径8〜9μ(JA80R、浅田製粉
(株)』30重量部を配合した組成物を実施例5と同様
に成形し、ボトルを得た。得られたボトルにつき、実施
例5と同様な試験を行い、それらの結果を下記〔表2〕
に示す。
【0041】
【表2】
【0042】上記〔表2〕に示されるように、分散剤が
無添加の場合、ボトルの成形は可能であるが、ボトル強
度およびESCRの低下が生じ、ボトルとしての要求機
能を満たすことができない。一方、カルボン酸基を有す
る変性ポリオレフィンの添加量が15重量部を超えた、
25重量部のボトルは、カルボン酸部分と炭酸カルシウ
ムとの反応により発生する炭酸ガスの影響で、成形行程
中のブロー工程でパリソンが破裂し、成形が不可能とな
る。カルボン酸基を有する変性ポリオレフィンとしてエ
チレン−アクリル酸共重合体1重量部を添加した場合、
ボトル強度及びESCRの向上が得られる。無機物とし
て炭酸カルシウムの代わりにタルクを添加した場合、狭
い成形条件範囲内でボトルを得ることは可能であるが、
ボトルが硬くて脆い性質を示すために落下強度が低下
し、ボトルとしての要求機能を満たすことができない。
【0043】
【発明の効果】本発明のプラスチック成形体は、燃焼時
の燃焼カロリーが低く、冷却時間の短縮化にともなう成
形サイクルアップによる環境問題の対策が図られ、且つ
優れた機械的性質を有し、コストダウンが可能なもので
ある。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年4月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】〔試験項目及び測定方法〕 ・成形性;押出中空成形のブロー工程において、溶融パ
リソンが破裂することでボトルの成形が不可能→不可、
押出中空成形のブロー工程において、溶融パリソンが破
せずにボトルの成形が可能→可。 ・ボトル強度;ボトルに水を入れ目量充填し、20℃、
24hrのコンデショニング後20mm/min の降下速度
下で圧縮したときの降伏負荷値。 ・ESCR測定;ボトルを65℃、100hr及び30
0hrの環境条件(各々F100 及びF300 として表示)
で調整後、JOC法に準拠、不合格ボトル/測定ボトル
の割合。 ・落下強度;ボトルに水を入れ目量充填し、20℃、2
4hrの環境条件で調整後、1mから正立落下させたと
きの、不合格ボトル/測定ボトル。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】上記〔表2〕に示されるように、分散剤が
無添加の場合、ボトルの成形は可能であるが、ボトル強
度およびESCRの低下が生じ、ボトルとしての要求機
能を満たすことができない。一方、カルボン酸基を有す
る変性ポリオレフィンの添加量が20重量部を超えた、
25重量部のボトルは、カルボン酸部分と炭酸カルシウ
ムとの反応により発生する炭酸ガスの影響で、成形行程
中のブロー工程でパリソンが破裂し、成形が不可能とな
る。カルボン酸基を有する変性ポリオレフィンとしてエ
チレン−アクリル酸共重合体1重量部を添加した場合、
ボトル強度及びESCRの向上が得られる。無機物とし
て炭酸カルシウムの代わりにタルクを添加した場合、狭
い成形条件範囲内でボトルを得ることは可能であるが、
ボトルが硬くて脆い性質を示すために落下強度が低下
し、ボトルとしての要求機能を満たすことができない。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年2月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】ここでは、樹脂組成物の強度の目安として
降伏応力を用いた。また、樹脂組成物中の無機物の分散
状態は、破断伸度を目安に用いた。これは、本発明に係
る樹脂組成物(前記特定の範囲内で分散剤を添加した樹
脂組成物)の場合、マトリックス中の無機物の粒径は、
SEM(走査型電子顕微鏡)観察により、数μ程度の微
細な分散状態である。一方、本発明に係る上記樹脂組成
物以外の樹脂組成物(前記特定の範囲外で分散剤を添加
した樹脂組成物)における無機物の粒径は、無機物どう
しの凝集が生じ粗大した分散状態である。このことか
ら、前者は、無機物の粒径が微細な分散状態であること
から、破断伸度値は小さくなり、後者は、無機物の粒径
が粗大な分散状態であることから、破断伸度値は大きく
なる傾向を示した。以上より、破断伸度から、分散剤
添加効果の程度が推断できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン100重量部に、無機物
    として炭酸塩3〜80重量部、及び分散剤としてカルボ
    ン酸基を有する変性ポリオレフィン0.1〜20重量部
    を含有させた樹脂組成物を成形してなることを特徴とす
    るプラスチック成形体。
  2. 【請求項2】 上記のカルボン酸基を有する変性ポリオ
    レフィンが、アクリル酸、メタクリル酸及び無水マレイ
    ン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機酸系
    単量体を構成成分とする請求項1記載のプラスチック成
    形体。
  3. 【請求項3】 上記炭酸塩が、炭酸カルシウム、炭酸マ
    グネシウム及び塩基性炭酸マグネシウムからなる群より
    選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2記載のプ
    ラスチック成形体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005350578A (ja) * 2004-06-11 2005-12-22 Furukawa Electric Co Ltd:The 難燃性樹脂組成物および絶縁電線
JP2014512444A (ja) * 2011-04-21 2014-05-22 パクティヴ・エルエルシー ポリオレフィンと無機充填剤のポリマー複合材料を有する使い捨て蓋

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JP2014512444A (ja) * 2011-04-21 2014-05-22 パクティヴ・エルエルシー ポリオレフィンと無機充填剤のポリマー複合材料を有する使い捨て蓋

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