JPH082316B2 - アデノシンデアミナーゼ測定用試薬 - Google Patents

アデノシンデアミナーゼ測定用試薬

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JPH082316B2
JPH082316B2 JP16433289A JP16433289A JPH082316B2 JP H082316 B2 JPH082316 B2 JP H082316B2 JP 16433289 A JP16433289 A JP 16433289A JP 16433289 A JP16433289 A JP 16433289A JP H082316 B2 JPH082316 B2 JP H082316B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は体液、例えば血清中のアデノシンデアミナー
ゼの活性を測定する試薬に関する。
(従来技術) アデノシンデアミナーゼは核酸代謝に関与し、アデノ
シンを脱アミノ化してイノシンとアンモニアを生成する
酵素である。この酵素は各種悪性腫瘍、肝疾患、炎症性
疾患、細胞性免疫疾患などに関与することから、体液中
のアデノシンデアミナーゼ活性を測定することは臨床的
意義があるといわれている。
従来から、アデノシンデアミナーゼ活性測定法として
は基質としてアデノシンを使用し、生成したアンモニア
をインドフェノール反応により定量する方法(インドフ
ェノール法)が公知である(検査と技術14巻135−140
頁、1986年)。この測定法は内因性アンモニアの影響を
受けるばかりでなく、アデノシンデアミナーゼによる酵
素反応とインドフェノール反応を分けて行う必要がある
ため、操作が煩雑で長時間を要する。また試料中にイン
ドフェノール反応を起こす成分、例えばフェノール誘導
体が存在するため、検体盲検が必要であるなどの欠点を
有する。
一方、アデノシンデアミナーゼによる酵素反応で生成
したアンモニアをグルタミン酸脱水素酵素を用いて測定
する方法が公知である(検査と技術14巻、135−140頁、
1986年)。この測定法はアンモニアにα−ケトグルタル
酸と還元型ニコチンアミドジヌクレオチドリン酸(以下
NADPHと略する)の存在下でグルタミン酸脱水素酵素を
反応させ、NADPHの減少量を波長340nmで測定する方法で
ある。しかし、この方法はインドフェノール法と同様
に、体液中の内因性アンモニアの影響を大きく受けるた
めに、精度、正確性において問題があった。
またアンモニアを中間体としないアデノシンデアミナ
ーゼの測定法としては、アデノシンデアミナーゼによる
酵素反応にプリンヌクレオチドフォスフォリラーゼ(以
下PNPと略する)とキサンチンオキシダーゼ(以下XODと
略する)を作用させ、生成するスーパーオキサイドアニ
オン▲O ▼に直接テトラゾリウム塩を作用させ、ホ
ルマザン色素を生成させる方法が公知である(臨床検査
29巻、705−708頁、1985年)。さらにアデノシンデアミ
ナーゼによる酵素反応にPNP,XODを共役させたとき生成
する過酸化水素をNADPHの存在下でテトラゾリウム塩を
用いてホルマザン色素を生成する方法も公知である(特
開昭62−40300号公報)。しかしながら、ホルマザン色
素を生成する方法は難溶性ホルマザン色素を使用するた
め、器具や測定ラインへの色素沈着の問題がある。特
に、前者(スーパーオキサイドアニオンを測定)は▲O
▼の発生率が低く、感度不足の欠点がある。また後
者(過酸化水素を測定)はNADPHの関与する内因性乳酸
脱水素酵素の影響を受け、正誤差を生じる問題を有す
る。
(発明の解決しようとする課題) 本発明の目的は、アデノシンデアミナーゼ活性を測定
する方法において従来から問題にされていた内因性アン
モニアの影響、検体盲検測定の必要性、測定感度の不
足、測定ライン等への色素沈着、乳酸脱水素酵素等の共
存物質による正誤差等の問題を解決した、新規でかつ精
度の高いアデノシンデアミナーゼ測定用試薬を提供する
ことにある。
(課題を解決するための手段) 本発明はアデノシン、プリンヌクレオチドホスホラリ
ーゼ(以下PNPと略する)、リン酸またはリン酸塩、キ
サンチンオキシダーゼ(以下XODと略する)、ペルオキ
シダーゼ、4−アミノアンチピリンまたは3−メチル−
2−ベンゾチアゾリン−ヒドラゾンおよびN−エチル−
N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−ト
ルイジンを含むことを特徴とするアデノシンデアミナー
ゼ測定用試薬である。本発明に用いるPNPは微生物由来
のものなどがある。本発明の試薬中、PNPの量は反応液
中0.1−30u/mlとなる量が好ましい。
本発明に用いるXODはミルク由来のもの、微生物由来
のものなどがあり、たとえば牛ミルク由来のXODが挙げ
られる。本発明の試薬中、XODの量は反応液中0.01−1.0
u/mlとなる量が好ましい。
本発明に使用するペルオキシダーゼは植物由来のも
の、微生物由来のものなどがあり、たとえば西洋ワサビ
由来のものを挙げることができる。本発明の試薬中、ペ
ルオキシダーゼの量は反応液中0.01−50u/mlとなる量が
好ましい。
本発明の試薬中、4−アミノアンチピリンまたは3−
メチル−2−ベンゾチアゾリン−ヒドラゾン(以下、水
素供与体とも呼ぶ)の量は反応液中0.1〜10mMとなる量
であれば良い。
本発明に使用するアニリン誘導体とは、N−エチル−
N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−ト
ルイジンである。
本発明の試薬中、アニリン誘導体の量は反応液中0.1
−50mMとなる量が好ましい。
本発明の試薬は通常、pH6−8の緩衝液とともに使用
する。
本発明の試薬の液性の調整に用いる緩衝液はアデノシ
ンデアミナーゼの活性測定域で緩衝能を示すものであれ
ば特に制限されない。たとえばリン酸緩衝液、グッド緩
衝液、トリス緩衝液等が挙げられる。
本発明の試薬には必要により、スーパーオキサイドジ
スムターゼ(以下SODと略する)、アスコルビン酸オキ
シダーゼ(以下ASOと略する)またはカタラーゼ、フェ
リシアン化カリウムを添加しても良い。
本発明の試薬には酵素反応または呈色反応を円滑に行
わせるために、他の化合物を添加しても良い。このよう
な化合物として、たとえば安定化剤、界面活性剤、賦活
剤等が挙げられる。
本発明の試薬は以下の測定反応を利用する。
本発明は上記式から明らかなように、アデノシンから
アデノシンデアミナーゼにより生成したイノシンに、PN
P,リン酸またはリン酸塩を作用させ、生成するヒポキサ
ンチンにXODを作用させて過酸化水素とキサンチンを生
成させる。生じたキサンチンにさらにXODを作用させて
過酸化水素と尿酸に分解させ、ヒポキサンチンにより生
じた過酸化水素との総量をペルオキシダーゼ、4−アミ
ノアンチピリンまたは3−メチル−2−ベンゾチアゾリ
ン−ヒドラゾンおよびアニリン誘導体を用いてキノン色
素を測定する。キノン色素の測定は通常、540〜650nmの
波長の吸光度測定を行う。
本発明の試薬は、試料に全測定試薬を1度に加えて反
応させる1ステップ法、試料に試薬を2回に分けて加え
て反応を行う2ステップ法に使用する。特にPNP,XOD,ペ
ルオキシダーゼおよび必要によりSODを含む試薬を第1
試薬とし、アデノシン、4−アミノアンチピリンまたは
3−メチル−2−ベンゾチアゾリン−ヒドラゾン、アニ
リン誘導体を含む試薬を第2試薬とする2ステップ法が
好ましい。
2ステップ法では、第1ステップにおいて試料中に存
在する若干量のキサンチン、ヒポキサンチンおよびアス
コルビン酸等をPNP,XODまたカタラーゼ、ASOでもって前
処理をおこない、試料中のキサンチン、ヒポキサンチ
ン、アスコルビン酸の影響を回避することが出来る。第
2ステップでは基質のアデノシンを含む試薬が用いられ
て、アデノシンデアミナーゼの酵素反応と呈色反応が同
時に行われる。レート法ではこの呈色反応の単位時間当
りの呈色の増加を測定する。また、測定感度の向上のた
めSODを添加することが好ましい。
本発明に必要により使用するSODは動物由来のもの、
微生物由来のものがあり、たとえば牛血清由来のものを
挙げることができる。本発明の試薬中、SODの量は反応
液中2−1000μ/mlとなる量であれば良い。本発明に必
要により使用するASOは植物由来のものなどがあり、例
えばキュウリ由来のものを挙げることができる。
(発明の効果) 本発明ではPNPおよびXODにより生じた過酸化水素をペ
ルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリンまたは3−メ
チル−2−ベンゾチアゾリン−ヒドラゾン、アニリン誘
導体により測定する方法であるから、乳酸脱水素酵素等
の共存物質の影響を受けることが少ない測定法である。
本発明の試薬はアニリン誘導体を使用するが、フェノー
ル誘導体を使用すると感度がアニリン誘導体に比べて低
くなる。
(実施例) 以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
実施例 1. 下記組成AおよびBを有する試液を調製し、血清2検
体に該試薬を添加して下記測定法を実施した。
組成A 第1試液:0.25Mリン酸緩衝液(pH7.0)に、PNPを6μ
/ml、XODを0.15μ/ml、ペルオキシダーゼを20μ/mlおよ
びN−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロ
ピル)−m−トルイジンを2mMの濃度になるように溶解
した。
第2試液:0.25Mリン酸緩衝液(pH7.0)に、アデノシ
ンを20mM、4−アミノアンチピリンを1mMの濃度になる
ように溶解した。
組成B 第1試液:組成Aの第1試液に、SODを200μ/mlの濃
度になるように添加した。
第2試液:組成Aの第2試液と同じ組成である。
測定法 試料50μlに、上記第1試液1.5mlおよび第2試液1.5
mlを添加し、第2試液分注後、3−5分後の吸光度変化
を、試薬ブランクを対照として、37℃、波長550nmで測
定した。測定結果を第1表に示す。
比較例 1. 下記組成Cを有する試液を調製し、血清2検体に該試
薬を添加して下記測定法を実施した。
組成C 試液:0.05Mトリス緩衝液(pH8.0)に、アデノシンを2
0mM,α−ゲトグルタル酸を5mM、NADPHを0.16mM、および
グルタミン酸脱水素酵素10u/mlの濃度になるように溶解
した。
測定法 試料20μl、試液3mlを加え、試液分注後、3−5分
後の吸光度変化を、試薬ブランクを対照として、37℃、
波長340nmで測定した。測定結果を第1表に示す。
比較例 2. 下記組成Dを有する試液を調製し、血清2検体に該試
薬を添加して下記測定法を実施した。
組成D 第1試液:0.05Mリン酸緩衝液(pH7.15)に、XODを80
μ/l、ウリカーゼを100u/l、ペルオキシダーゼを3000μ
/l、フェノールを0.01%、ニトロテトラゾリウムブルー
を0.04%の濃度となるように溶解した。
第2試液:0.05Mリン酸緩衝液(pH7.15)に、アデノシ
ンを0.5mM、PNPを50μ/l、NADPHを1.25Mおよびトリトン
X−100を0.1%の濃度になるように溶解した。
測定法 試料20μl、第1試液:1.0ml、第2試液1.0mlを加
え、37℃、10分間、加温後、反応停止液1.0mlを加え、
試薬ブランクを対照として波長580nmで吸光度変化を測
定した。その結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように、本発明の試薬AおよびB
は従来の試薬CおよびDに比べて感度が高い。
実施例 2. 下記組成EおよびFを有する試薬を調製し、血清2検
体に実施例1と同じ方法を実施した。
組成E 第1試液:0.25Mリン酸緩衝液(pH7.0)に、PNPを6μ
/ml、XODを0.15μ/ml、ペルオキシダーゼを20μ/mlおよ
びN−エチル−N−(スルホプロピル−m−アニシジン
を2mMの濃度になるように溶解した。
第2試液:0.25Mリン酸緩衝液(pH7.0)に、アデノシ
ンを20mM、3−メチル−2−ベンゾチアゾリン−ヒドラ
ゾンを1mMの濃度になるように溶解した。
組成F 第1試液:組成Eの第1試液にフェロシアン化カリウ
ムを0.001mg/mlの濃度になるように溶解した。
第2試液:組成Eの第2試液と同じである。
測定結果を第2表に示す。
比較例 3. 下記組成Gを有する試液を調製し、血清2検体に実施
例1と同じ方法を実施した。
組成G 第1試液:0.25Mリン酸緩衝液(pH7.0)に、PNPを6μ
/ml、XODを0.15μ/ml、ペルオキシダーゼを20μ/mlおよ
びフェノール2mMの濃度になるように溶解した。
第2試液:組成Aの第2試液と同じである。
測定結果を第2表に示す。
第2表から明らかなように、本発明の試薬EおよびF
ではフェノール系化合物を使用する試薬Gに比べて感度
が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−40300(JP,A) 日本農芸化学会編「ABCシリーズ」 酵素 −バイオテクノロジーへの指針 ▲I▼」朝倉書店(1985−3−20)P. 99〜100

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アデノシン、プリンヌクレオチドホスホリ
    ラーゼ、リン酸またはリン酸塩、キサンチンオキシダー
    ゼ、ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリンまたは
    3−メチル−2−ベンゾチアゾリン−ヒドラゾンおよび
    N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピ
    ル)−m−トルイジンを含むことを特徴とするアデノシ
    ンデアミナーゼ測定用試薬。
JP16433289A 1989-06-27 1989-06-27 アデノシンデアミナーゼ測定用試薬 Expired - Fee Related JPH082316B2 (ja)

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