JPH08231049A - ドック式荷役設備および船舶の荷役方法 - Google Patents

ドック式荷役設備および船舶の荷役方法

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JPH08231049A
JPH08231049A JP3724895A JP3724895A JPH08231049A JP H08231049 A JPH08231049 A JP H08231049A JP 3724895 A JP3724895 A JP 3724895A JP 3724895 A JP3724895 A JP 3724895A JP H08231049 A JPH08231049 A JP H08231049A
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JP
Japan
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dock
cargo handling
ship
opening
type
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JP3724895A
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Inventor
Jun Wada
潤 和田
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Tokyo Electric Power Company Holdings Inc
Original Assignee
Tokyo Electric Power Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】船舶からの荷役作業を気象条件に左右されず、
予定通り安定的かつ能率的に行なうことができるドック
式荷役設備および船舶の荷役方法を提供することにあ
る。 【構成】このドック式荷役設備は、ドック式構築物16
の護岸を海底から立設させて海側に突き出たドック15
を設置し、このドック15の少なくとも一側に形成され
た船舶出入用開口21に水門19を開閉可能に設け、上
記水門19を閉鎖した状態で、前記ドック15内に収容
された船舶20から荷役作業を行なうように構成したも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は船舶の荷役作業を気象条
件に左右されず、安定的に行なうことができるドック式
荷役設備および船舶の荷役方法に関する。
【0002】
【従来の技術】船舶への荷上げ(ローディング)や船舶
からの荷卸し(アンローディング)などの荷役作業を行
なうために、通常港湾が建設される。しかし、天然の湾
内に良好な港を建設することは、場所によっては立地
上、スペース上、または湾内の船舶の運航上著しく大き
な制約を種々受け、建設不可能な場合が多い。このた
め、天然の湾内のみでなく、湾外の外海に面した地域に
港湾の建設に適した場所があるか否か模索されている。
【0003】波高や畝りが高く、強風が吹き易い外海に
面した地域に港湾を建設する場合、港湾内の波の静穏度
を確保するために、沖合に図11に示すように、長大な
人工の防波堤1を構築する必要がある。外航船が入港す
る港湾では、防波堤1の延長が数kmにも及ぶことがあ
る。
【0004】また、沖合に設置される防波堤1は、入港
する船舶2の満載吃水線の高さより水深の深い場所とな
るので、大型船が入港する港湾では、水深が例えば20
m以上の深さの場所に設けなくてはならない。このた
め、外海(外洋)に面した港湾の建設には、特に沖合防
波堤の建設のために、長大な工期と膨大な建設費を必要
となる。
【0005】一方、防波堤を要しない船舶の荷役設備と
して、図12に示す沖合シーバース方式や図13に示す
一点係留ブイ方式を採用した船舶の荷役設備がある。
【0006】沖合シーバース方式の荷役設備は、沖合に
プラットホーム3を設置し、このプラットホーム3近く
に原油等を搭載したタンカー等の船舶2を横付けして複
数のムアリングドルフィン4で係留させ、プラットホー
ム3に設けられたローディングアーム6により海底配管
7を利用して荷役作業を行ない、船舶2へのローディン
グや船舶からのアンローディングを行なうようになって
いる。
【0007】また、一点係留ブイ方式の荷役設備は、ア
ンカ8により一点係留ブイ9を係留させる一方、この係
留ブイ9に船舶2をムアリングホーサ10を介して係留
させている。係留ブイ9は下半部がアンカ8に係留さ
れ、この下半部に上半部が回動自在に支持される。この
上半部には船舶からのフローディングホース11が接続
される。
【0008】そして、このフローディングホース11か
ら一点係留ブイ9,ブイ下ホース12,PLEM13お
よび海底配管14を介して原油等の流体貨物の荷役作業
が行なわれる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の船舶の荷役設備
においては、船舶2をムアリングドルフィン4や一点係
留ブイ9を利用して沖合に係留させているが、係留され
た船舶2は、波高や畝り,風速の影響を直接受けるため
に、気象条件による制約を受け易い。
【0010】沖合シーバース方式や一点係留ブイ方式を
採用した従来の船舶の荷役設備は、建設費は比較的安価
であるが、船舶2の着桟(係留)や離桟工程だけでな
く、荷役作業を通じた全期間で静穏な気象条件が求めら
れ、波高や風速等の気象条件が船舶2の着桟から離桟ま
で継続的に静穏に保たれていることが荷役の条件とな
る。このため、荷役作業を安定的に予定通りに行なう確
実性が低く、気象条件に左右されるために、荷役設備の
稼動率も低下するという問題があった。
【0011】また、沖合シーバース方式や一点係留ブイ
方式の荷役設備は、静穏度の高い天然の湾内や石油備蓄
基地への搬入のような一時設置のものが殆どであり、波
高や畝りが高く、強風が吹き易い外海に面した地域での
採用例は見当らない。
【0012】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、船舶からの荷役作業を気象条件に左右されず、
予定通り安定的かつ能率的に行なうことができるドック
式荷役設備および船舶の荷役方法を提供することを目的
とする。
【0013】本発明の他の目的は、建設工期の短縮と建
設費の大幅なコストダウンを図ることができ、外海に面
した地域にも好適に適用可能なドック式荷役設備および
船舶の荷役方法を提供するにある。
【0014】本発明のさらに目的は、荷役作業時にドッ
ク外へ流体貨物が拡散するのを未然にかつ確実に防止
し、海洋汚染の防止を図ることができるドック式荷役設
備および船舶の荷役方法を提供するにある。
【0015】さらに、本発明の別の他の目的は、気象条
件如何に拘らず船舶をドック内に円滑かつスムーズに出
入れ可能なドック式荷役設備を提供するにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係るドック式荷
役設備は、上述した課題を解決するために、請求項1に
記載したように、ドック式構築物の護岸を海底から立設
させて海側に突き出たドックを設置し、このドックの少
なくとも一側に形成された船舶出入用開口に水門を開閉
可能に設け、上記水門を閉鎖した状態で、前記ドック内
に収容された船舶から荷役作業を行なうように構成した
ものである。
【0017】上述した課題を解決するために、本発明に
係るドック式荷役設備は、請求項2に記載したように、
ドックには船舶の進退方向に対向する2箇所に船舶出入
用開口をそれぞれ形成し、上記開口に開閉可能な水門を
それぞれ設けたり、また、請求項3に記載したように、
水門はドックの船舶出入用開口の一側に開閉移動自在に
ヒンジ結合されたり、さらに、請求項4に記載したよう
に、埠頭あるいは沖合へ複数のドックを縦列状態あるい
は並列状態に設置したものである。
【0018】また、本発明に係るドック式荷役設備は、
上述した課題を解決するために、請求項5に記載したよ
うに、沖合にプラットホームを設け、このプラットホー
ムから複数のドックを放射状あるいは渦巻状に設置し、
ドックの一側に船舶出入用開口を形成し、上記開口に水
門を開閉可能に設けたものである。
【0019】また、本発明に係る船舶の荷役方法は、上
述した課題を解決するために、請求項6に記載したよう
に、海側に突き出たドックの水門を開いて1つの船舶を
入港させ、船舶をドック内に収容した後、水門を閉鎖
し、この水門閉鎖後、ドック内を排水することなく船舶
から荷役作業を行なうものである。
【0020】
【作用】本発明の請求項1に係るドック式荷役設備にお
いては、ドック式構築物により海側に突き出たドックを
設置し、船舶出入用水門を開放させてドック内に船舶を
出入れ自在としたから、船舶が出入する短時間の間、気
象条件が静穏状態に確保されていればよく、荷役作業を
気象条件に左右されず、予定通り安定的かつ能率的に行
なうことができる。
【0021】また、荷役作業は船舶をドック内に収容
し、水門を閉鎖した状態で行なうことができるので、荷
役作業中に万一漏油等の流体貨物流出事故が生じても、
ドック外への拡散を未然にかつ確実に防止でき、海洋汚
染の防止を図ることができる。
【0022】さらに、ドックは、ドック式構築物により
海に突き出るように構成されるが、基本的には船舶を一
隻包囲するだけの護岸および水門の設置でよく、大型外
航船を取扱う場合でも、護岸は延長1km以下で足り、人
工の沖合防波堤を構築する場合に較べ著しく短くて済
み、設置位置も人工防波堤設置より水深の浅い位置でよ
く、ドック建設が容易であり、建設工期の短縮と建設費
の大幅削減を図ることができる。
【0023】請求項2に記載のドック式荷役設備におい
ては、船舶の進退方向に対向するドックの2箇所に開口
を形成し、上記両開口に水門を開閉可能に設けたので、
ドック内に船舶を一方通行で出し入れさせることがで
き、船舶のドック内の出入れを効率よく、スムーズに行
なうことができる。
【0024】請求項3に記載のドック式荷役設備におい
ては、ドックに形成される船舶出入用開口の一側に水門
を開閉移動自在にヒンジ結合させたから、水門の他側
を、例えばタグボートで引いて移動させることにより、
水の浮力を利用し、小さな力で水門の開閉を行なうこと
ができる。
【0025】請求項4に記載のドック式荷役設備におい
ては、複数のドックを埠頭あるいは沖合に縦列状態ある
いは並列状態で設置したので、複数の船舶を各ドック内
に収容させて荷役作業を並行して行なうことができるの
で、荷役作業の効率化を図ることができる。
【0026】請求項5に記載のドック式荷役設備におい
ては、沖合にプラットホームを設け、このプラットホー
ムから複数のドックを放射状あるいは渦巻状に設け、ド
ックの一側から船舶の出入れを行なうようにしたので、
風向き等の気象条件を考慮し、天候の影響を最も受けに
くい方向から所望するドックに船舶を進入させることが
できる。
【0027】請求項6に記載の船舶の荷役方法において
は、ドック内に船舶を進入させ、収容した後に水門を閉
鎖し、ドック内を排水することなく船舶から荷役作業を
行なうことができるので、荷役作業(ローディング作業
やアンローディング作業)を、気象条件に左右されず、
迅速かつ能率的に行なうことができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の一実施例について添付図面を
参照して説明する。
【0029】図1および図2は本発明に係るドック式荷
役設備の第1実施例を示すものである。この実施例で示
されたドック式荷役設備は、人工の沖合防波堤に代えて
ドック15を沖合に設置した例である。このドック式荷
役設備は太平洋のように波高や畝りが高く、強風が吹き
易い外海にも好適に設置することができる。
【0030】ドック15は火力発電プラントやコンバイ
ンドサイクル発電プラント等が建設される地域の海岸か
ら沖合に築造されるドック式構築物16により構成さ
れ、このドック式構築物16に付設してプラットホーム
17が構築される。ドック式構築物16は基本的には船
舶一隻を包囲する護岸18および水門19を設置するだ
けでよい。ドック15は大型外航船を収容できるよう
に、例えば、縦方向の長さが数百m、横幅が数十m程度
で延長1km以下の長さを有する。
【0031】ドック式構築物16は船舶20の満載状態
の吃水線の高さ+αの水深を有するように、干潮位の海
面から例えば水深20m以上の海底に基礎を打設し、打
設された基礎床から船舶20を包囲可能となるように三
方に護岸18を立設する。そして、護岸18の一側方に
船舶20の出入用開口21を形成し、この開口21に船
舶出入用水門19を開閉自在に設けたものである。水門
19はドック15の開口21に昇降自在に設けても、ま
た、ドック開口21の一側にヒンジ結合させ、他側をタ
グボート等で引いて開閉移動自在としてもよい。水門1
9は鋼板製の剛体構造としても、内部を中空にした可撓
性あるいは剛体の浮体構造でもよい。浮体構造の水門1
9では開放時や開閉移動動作時には、内部を中空に保
ち、浮力を利用して開閉移動をスムーズにする一方、ド
ック15の閉鎖時には中空部を水で満たすようになって
いる。
【0032】また、護岸18はコンクリート製ブロック
を積み立てて構成しても、基礎床からコンクリート打設
により立設してもよい。護岸18は、外海からの波浪
(波高や畝り)を防ぎ得る高さ、例えば満潮時の海面よ
り5m程度の高さに築造される。このため、ドック15
内は外海等の波浪の影響を受けず、内部が常時静穏な状
態に保たれる。
【0033】一方、ドック15に付設されるプラットホ
ーム17には、ローディングアーム24が設けられ、こ
のローディングアーム24により荷役作業が行なわれ
る。荷役作業は重油や原油,オリマルジョン等の流体貨
物を対象とする場合、ローディングアームの操作により
流体貨物のローディングやアンローディングの荷役作業
が行なわれ、船舶20からの流体貨物は海底配管25を
通して内陸に陸揚げされる。
【0034】次に、荷役作業について説明する。
【0035】海岸から沖合に設置されたドック式荷役設
備を用いて荷役作業を行なう場合、水門19を開いて、
石油タンカー等の船舶20をタグボート等で案内してド
ック15内に進入させ、ドック15内に収容し、係留さ
せる。ドック15に収容される船舶20はドック15へ
の進入(着桟)中および出港(離桟)中の所要時間、例
えば2時間程度、静穏な気象条件に保たれていればよ
い。
【0036】このドック式荷役設備では、沖合シーバー
ス方式や一点係留ブイ方式の荷役設備と異なり、ドック
15への進入から出港まで、荷役作業を含めた全工程期
間中、気象条件が静穏に保たれる必要がなく、気象条件
に左右されない。荷役作業は、大型外航船では2日〜5
日程度要するが、その間気象条件に左右されないで予定
通り荷役作業を続けることができる。
【0037】このドック式荷役設備では、船舶20をド
ック15内に進入させ係留させた後、水門19が閉鎖さ
れる。水門19の閉鎖によりドック15内は外海等から
遮断され、波浪の影響を一切受けず、常時平穏な状態に
保たれる。このため、船舶20はドック15内に安定的
に収容され、気象条件が悪化し、波浪が高くなっても、
船舶20がドック式構築物16に衝突する等の悪影響を
及ぼさない。船舶20がドック15内に安定的に収容さ
れ、係留されている間に荷役作業がローディングアーム
24および海底配管25を介して行なわれる。
【0038】この荷役作業中、ドック15内の船舶20
は波浪等の気象条件の悪影響を受けず、安定的に収容さ
れるので、作業船が不要となり、作業員や作業の安全性
を向上させることができる。また、強風に対しては、ド
ック15内の水を全て排水し、乾ドックにする必要がな
く、ドック15内の水を一部排水させることで、船舶2
0を下降させ、船舶20が開ける風圧を下げることがで
き、荷役作業を強風下でも安定して予定通り行なうこと
ができる。
【0039】船舶20の荷役作業(ローディング作業あ
るいはアンローディング作業)が終了したら、ドック1
5から出港(離桟)の準備がなされる。出港時には、船
舶20の係留を解き、静穏な気象条件が選択される。
【0040】図3は、本発明に係るドック式荷役設備の
第2実施例を示したものである。
【0041】この実施例では、人工の沖合防波堤に代え
てドック式荷役設備を沖合に設置したもので、沖合に設
置されるドック15Aには、船舶20の進退方向に対向
する2箇所に船舶出入用開口21を形成し、両開口21
に水門19を開閉可能に設けたものである。第1実施例
で示したものと共通の部材には同一符号を付して説明を
省略する。
【0042】このドック式荷役設備では、ドック式構築
物16Aで構成されるドック15Aに船舶進退方向に対
向して2箇所に開口21を形成したので、船舶20をド
ック15A内に一方通行で進入(着桟)させ、出港(離
桟)させることができる。ドック15A内への船舶20
の出入れを効率よく、スムーズに行なうことができる。
実際の荷役作業は、第1実施例に示したものと異ならな
いので、説明を省略する。
【0043】図4は本発明に係るドック式荷役設備の第
3実施例を示すものである。
【0044】この実施例に示されたドック式荷役設備
は、ドック式構築物16で構成されるドック15を2基
並列状態に設置し、並列された2基のドック15に付設
されるプラットホーム17を共通化しものである。ドッ
ク15には少なくとも一側に船舶出入用開口21が形成
され、上記開口21に水門19が開閉可能に設けられ
る。第1実施例で示されたものと共通の部分には同一符
号を付して説明を省略する。
【0045】このドック式荷役設備では、2基のドック
15が独立して設けられ、ドック15内に船舶20をそ
れぞれ自由に出し入れさせることができるので、船舶2
0からの荷役作業を能率的に効率よく行なうことができ
る。
【0046】図5は、本発明に係るドック式荷役設備の
第4実施例を示すものである。
【0047】この実施例に示されたドック式荷役設備
は、ドック式構築物16で構成されるドック15を2基
L字状に隣接して設置し、2基のドック15に付設され
るプラットホーム17を共通化したものである。この場
合、2基のドック15をL字状に設置することにより、
各ドック15に船舶20を90度異なる方向から出し入
れ(進退)させることができる。第1実施例で示したも
のと共通部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0048】2基のドック15をL字状に設置すること
で、風向き等の気象条件を考慮し、気象条件により悪影
響を受けない側のドック15を選択して船舶20を出し
入れさせることができ、船舶20の出入れを効率的かつ
容易に行なうことができる。
【0049】図6は本発明に係るドック式荷役設備の第
5実施例を示すものである。
【0050】この実施例に示されたドック式荷役設備
は、ドック式構築物16で構成された3基のドック15
をプラットホーム17の廻りに渦巻状に設置し、各ドッ
ク15に付設されるプラットホーム15の共通化を図っ
たものである。各ドック15を渦巻状に設置すること
で、船舶20を互いに90度異なる方向から出し入れさ
せることができ、船舶20のドック15への出入れをよ
り一層円滑かつスムーズに行なうことができる。プラッ
トホーム17にはローディングアーム24を回転台27
上に取付け、ローディングアーム24の向きを自由に調
節できるようになっている。
【0051】このドック式荷役設備は、3基のドック1
5を渦巻状に設置する代りに4基のドックを渦巻状に設
置してもよい。あるいは、プラットホームを5角形以上
の多角形に形成して5基以上のドックを設置してもよ
い。各ドックは第1実施例に示したものと実質的に同一
であるので、説明を省略する。
【0052】図7は本発明に係るドック式荷役設備の第
6実施例を示したものである。
【0053】この実施例に示されたドック式荷役設備
は、沖合にプラットホーム17を建設し、このプラット
ホーム17から放射状に複数基のドック15を設置した
ものである。図7には3基のドック15をプラットホー
ム17の周りに放射状に等角度をなして設置した例を示
す。各ドック15の先端側に船舶出入用開口21を形成
し、各開口21に水門19を開閉可能に設けたものであ
る。プラットホーム17に設置されるローディングアー
ム24は個々のドック15にそれぞれに対応させて個別
に設けても、各ドック15に共通なものとしてもよい。
ローディングアーム24をプラットホーム17に設けら
れた回転台27に設置すると共通化が図れる。各ドック
15個々の構成は、第1実施例に示したものと異ならな
いので、同一符号を付して説明を省略する。
【0054】このドック式荷役設備においても、各ドッ
ク15への船舶20の出入れ方向がそれぞれ異なるの
で、風向き等の気象条件を考慮し、気象条件による悪影
響が最も少ないドック15を選択して船舶を出し入れさ
せることができ、船舶20の出入れを効率よく、気象条
件が悪い場合にも、行なうことができる。
【0055】図7に示されたドック式荷役設備において
は、3基のドック15を放射状に設置した例を示した
が、ドック15は4基以上を放射状に設置し、ハブ構造
のドック式荷役設備としてもよい。
【0056】図8は本発明に係るドック式荷役設備の第
7実施例を示すものである。
【0057】この実施例に示されたドック式荷役設備
は、ドックを埠頭側に設置した例を示す。この場合、埠
頭の岸壁28に船舶20を接岸できるように、埠頭の岸
壁28からドック15Bが海側に突き出るように設置し
たものである。
【0058】ドック15Bは、海底に基礎を打設したド
ック式構築物16Bにより構成され、ドック15Bの一
側壁が埠頭の岸壁28で兼用され、この埠頭側に荷役作
業用ローディングアーム24が設置される。ローディン
グアーム24は走行自在な移動台車29上に設けても、
埠頭に固定させてもよい。
【0059】また、埠頭の岸壁28から対をなす護岸1
8が海側に突出するように立設され、岸壁28からほぼ
直角方向に延設される。対をなす護岸18は、例えば大
型外航船が横付けで接岸できる間隔を有し、対をなす護
岸18の先端側にドック15Bの船舶出入用開口21が
形成され、この開口21に水門19が開閉可能に設けら
れる。
【0060】このドック式荷役設備においても、船舶2
0は水門19を開いてその出入用開口21からドック1
5B内に出入りされるが、船舶20は岸壁28に横付け
されるために、船舶20の進入(着桟)は、船舶20の
エンジンを切り、ダグボート(図示せず)等で修正を加
えながら、船舶20に掛けられた複数本の係留ワイヤを
ドック15Bの奥側から引っ張ってドック15B内に進
入させ、着桟させる。船舶20をドック15Bから出港
(離桟)させる場合にも、係留ワイヤを解いて船舶20
をタグボートで修正を加えながら引っ張ってドック15
B外に引き出すことにより行なわれる。
【0061】船舶20がドック15B内に進入して、着
桟し、係留された状態で水門19が閉鎖され、ドック1
5B内に収容された船舶20は外海と遮断され、波浪や
風速等の気象条件による制約を受けなくなる。船舶20
は気象条件に左右されず、静穏な状態で安定的にドック
15B内に収容され、この状態で船舶20の荷役作業が
行なわれる。
【0062】船舶20の荷役作業は、ローディングアー
ム24を介して行われるが、この場合、沖合設置のドッ
ク式荷役設備と異なり、荷役作業の対象は流体貨物だけ
でなく、種々の貨物を取扱うことができる。
【0063】図9は本発明に係るドック式荷役設備の第
8実施例を示すものである。
【0064】この実施例に示されたドック式荷役設備
は、2基のドック15Bを埠頭の岸壁28を利用して縦
列状態に設けたものである。各ドック15Bを利用した
荷役作業は図8に示すものと異ならないので説明を省略
する。
【0065】図10は本発明に係るドック式荷役設備の
第9実施例を示すものである。
【0066】この実施例に示されたドック式荷役設備
は、2基のドック15Cを並列状態に設置し、各ドック
15Cの先端側に船舶出入用開口21を形成し、この開
口21に水門19を開閉自在に設けたものである。
【0067】ドック15Cへの船舶20の出入れ作業や
船舶20の荷役作業は2基のドック15Cの中央の幅広
の護岸18Aに設けられた共通のローディングアーム2
4を介して行なわれる。ローディングアーム24は移送
台車29に設置し、移動自在に支持してもよい。
【0068】なお、図9および図10に示すドック式荷
役設備は埠頭の岸壁28から海側に突出するように2基
のドック15B,15Cを縦列状態あるいは並列状態で
設置した例を示したが、ドックは3基以上を並列状態あ
るいは縦列状態またはこれらをミックスさせた状態で設
置してもよい。
【0069】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明の請求項1
に係るドック式荷役設備においては、ドック式構築物に
より海側に突き出たドックを設置し、船舶出入用水門を
開放させてドック内に船舶を出入れ自在としたから、船
舶が出入する短時間の間、気象条件が静穏状態に確保さ
れていれば船舶の出入れができ、荷役作業を気象条件に
左右されず、予定通り安定的かつ能率的に行なうことが
できる。
【0070】また、荷役作業は船舶をドック内に収容
し、水門を閉鎖した状態で行なうことができるので、荷
役作業中に万一漏油等の流体貨物の流出事故が生じて
も、ドック外への拡散を未然にかつ確実に防止でき、海
洋汚染の防止を図ることができる。
【0071】さらに、ドックは、ドック式構築物により
海に突き出るように構成されるが、基本的には船舶を一
隻包囲するだけの護岸および水門の設置でよく、大型外
航船を取扱う場合でも、護岸は延長1km以下で足り、人
工の沖合防波堤を構築する場合に較べ著しく短くて済
み、設置位置も人工防波堤設置より水深の浅い位置でよ
く、ドック建設が容易であり、建設工期の短縮と建設費
の大幅削減を図ることができる。
【0072】請求項2に記載のドック式荷役設備におい
ては、船舶の進退方向に対向するドックの2箇所に開口
を形成し、上記両開口に水門を開閉可能に設けたので、
ドック内に船舶を一方通行で出し入れさせることがで
き、船舶のドック内の出入れを効率よく、スムーズに行
なうことができる。
【0073】請求項3に記載のドック式荷役設備におい
ては、ドックに形成される船舶出入用開口の一側に水門
を開閉移動自在にヒンジ結合させたから、水門の他側
を、例えばタグボートで引いて移動させることにより、
水の浮力を利用し、小さな力で水門の開閉を行なうこと
ができる。
【0074】請求項4に記載のドック式荷役設備におい
ては、複数のドックを埠頭あるいは沖合に縦列状態ある
いは並列状態で設置したので、複数の船舶を各ドック内
に収容させて荷役作業を並行して行なうことができるの
で、荷役作業の効率化を図ることができる。
【0075】請求項5に記載のドック式荷役設備におい
ては、沖合にプラットホームを設け、このプラットホー
ムから複数のドックを放射状に設け、ドックの先端側か
ら船舶の出入れを行なうようにしたので、風向き等の気
象条件を考慮し、天候の影響を最も受けにくい方向から
所望するドックに船舶を進入させることができる。
【0076】請求項6に記載の船舶の荷役方法において
は、ドック内に船舶を進入させ、収容した後に水門を閉
鎖し、ドック内を排水することなく船舶から荷役作業を
行なうことができるので、荷役作業(ローディング作業
やアンローディング作業)を、気象条件に左右されず、
迅速かつ能率的に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドック式荷役設備の第1実施例を
示すもので沖合設置の例を示す原理的な平面図。
【図2】本発明に係るドック式荷役設備の第1実施例を
概略的に示す斜視図。
【図3】本発明に係るドック式荷役設備の第2実施例を
示す原理的な平面図。
【図4】本発明に係るドック式荷役設備の第3実施例を
示す原理的な平面図。
【図5】本発明に係るドック式荷役設備の第4実施例を
示す原理的な平面図。
【図6】本発明に係るドック式荷役設備の第5実施例を
示す原理的な平面図。
【図7】本発明に係るドック式荷役設備の第6実施例を
示す原理的な平面図。
【図8】本発明に係るドック式荷役設備の第7実施例を
示す原理的な平面図。
【図9】本発明に係るドック式荷役設備の第8実施例を
示す原理的な平面図。
【図10】本発明に係るドック式荷役設備の第9実施例
を示す原理的な平面図。
【図11】船舶の荷役作業を行なう港湾設備を示す平面
図。
【図12】従来の沖合シーバース方式の荷役設備を示す
斜視図。
【図13】従来の一点係留ブイ方式の荷役設備を示す斜
視図。
【符号の説明】
15,15A,15B,15C ドック 16,16B ドック式構築物 17 プラットホーム 18,18A 護岸 19 水門 20 船舶 21 船舶出入用開口 24 ローディングアーム 25 海底配管 27 回転台 28 岸壁

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドック式構築物の護岸を海底から立設さ
    せて海側に突き出たドックを設置し、このドックの少な
    くとも一側に形成された船舶出入用開口に水門を開閉可
    能に設け、上記水門を閉鎖した状態で、前記ドック内に
    収容された船舶から荷役作業を行なうように構成したこ
    とを特徴とするドック式荷役設備。
  2. 【請求項2】 ドックには船舶の進退方向に対向する2
    箇所に船舶出入用開口をそれぞれ形成し、上記開口に開
    閉可能な水門をそれぞれ設けた請求項1記載のドック式
    荷役設備。
  3. 【請求項3】 水門はドックの船舶出入用開口の一側に
    開閉移動自在にヒンジ結合された請求項1記載のドック
    式荷役設備。
  4. 【請求項4】 埠頭あるいは沖合へ複数のドックを縦列
    状態あるいは並列状態に設置した請求項1記載のドック
    式荷役設備。
  5. 【請求項5】 沖合にプラットホームを設け、このプラ
    ットホームから複数のドックを放射状あるいは渦巻状に
    設置し、ドックの一側に船舶出入用開口を形成し、上記
    開口に水門を開閉可能に設けたことを特徴とするドック
    式荷役設備。
  6. 【請求項6】 海側に突き出たドックの水門を開いて1
    隻の船舶を入港させ、船舶をドック内に収容した後、水
    門を閉鎖し、この水門閉鎖後、ドック内を排水すること
    なく船舶の荷役作業を行なうことを特徴とする船舶の荷
    役方法。
JP3724895A 1995-02-24 1995-02-24 ドック式荷役設備および船舶の荷役方法 Pending JPH08231049A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015063313A (ja) * 2013-09-24 2015-04-09 株式会社 商船三井 貨物船と陸側設備との間の荷役方法、その荷役システム、及び、マリンホース展張船
WO2020182597A1 (de) * 2019-03-12 2020-09-17 Thyssenkrupp Industrial Solutions Ag Verladeanlage zur beladung von schiffen mit schüttgut

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JP2015063313A (ja) * 2013-09-24 2015-04-09 株式会社 商船三井 貨物船と陸側設備との間の荷役方法、その荷役システム、及び、マリンホース展張船
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