JPH08230334A - 感熱記録方法 - Google Patents

感熱記録方法

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Publication number
JPH08230334A
JPH08230334A JP4101795A JP4101795A JPH08230334A JP H08230334 A JPH08230334 A JP H08230334A JP 4101795 A JP4101795 A JP 4101795A JP 4101795 A JP4101795 A JP 4101795A JP H08230334 A JPH08230334 A JP H08230334A
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JP
Japan
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heating element
thermal head
heat
recording paper
heating
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Pending
Application number
JP4101795A
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English (en)
Inventor
Tetsuharu Hyodo
徹治 兵頭
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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  • Electronic Switches (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の発熱素子10からなる発熱素子群を共通
の個別電極12で発熱駆動することによりスイッチング素
子数およびドライバーIC13数を減らしたサーマルヘッ
ドと、可逆性感熱記録紙とを用いて、解像度の高い印画
が得られる感熱記録方法を提供する。 【構成】 抵抗値の異なる複数個の発熱素子10を共通の
個別電極12で接続した発熱素子群を複数個列状に配列し
たサーマルヘッドと、特定温度範囲で印画され、その特
定温度範囲を越える温度で印画が消去される可逆性感熱
記録紙とを用い、サーマルヘッドの各発熱素子群への電
力の通電時間を制御して各発熱素子群の1個の発熱素子
10を特定温度範囲に発熱させ、その特定温度範囲に発熱
した発熱素子10の熱を可逆性感熱記録紙に伝えて印画を
行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱記録方法に関し、詳
しくは発熱素子が複数の発熱素子群として形成されたサ
ーマルヘッドと可逆性感熱紙とを用いた感熱記録方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】感熱記録(サーマル)方式の印画装置
は、装置の構成がシンプルで小型化・軽量化・低価格化
に有利であり、記録音が静かで消費電力も小さいといっ
た長所を有していることから、各種のプリンタやファッ
クスなどを始めとして様々な用途に幅広く使用されてい
る。
【0003】そのような印画装置に搭載されるサーマル
ヘッドは通常、アルミナなどの絶縁性基板上にガラスか
らなる蓄熱層を形成し、その上にTaNなどからなる抵
抗体層とAlなどからなる電極層が順次形成された後、
フォトリソグラフィーによって共通電極や発熱素子・個
別電極が分割形成されている。
【0004】また基板上には各発熱素子を発熱駆動し印
画制御するためのドライバーICが搭載され、各個別電
極とドライバーICのスイッチング素子とが各々半田バ
ンプやAuワイヤーなどによって接続されている。さら
に、基板に接続された外部配線基板によって発熱素子を
駆動制御するための信号が基板上の端子配線に供給さ
れ、これら端子電極と各ドライバーICも半田バンプや
Auワイヤーによって接続されている。
【0005】このような構成のサーマルヘッドの電気的
回路の例を図7に等価回路図で示す。同図において1は
各発熱素子を示し、2は共通電極、3は各個別電極、4
はドライバーIC、5は各端子配線を示している。なお
同図中の点線は、発熱素子1または個別電極3の図示を
省略していることを示している。そして共通電極2には
各発熱素子1の発熱駆動用電力(VH)が供給されてお
り、端子配線5からは印画データ(DATA)やストローブ
(STB )・ラッチ(LAT )・クロック(CLK )といった
信号が各ドライバーIC4に供給されている。また各個
別電極3はドライバーIC4中のスイッチング素子にそ
れぞれ接続されていて、それらスイッチング素子からの
出力に対応して発熱素子1に電力が通電されて選択駆動
される。
【0006】このような回路構成により、各ドライバー
IC4に入力する印画データDATAに従って複数の発熱素
子1への電力印加を個別に制御して発熱駆動し、印画/
非印画の制御を行なう。
【0007】また各ドライバーIC4の動作原理を図8
および図9を用いて説明する。図8はドライバーIC4
の内部回路の例を示す等価回路図である。同図では64ビ
ットのドライバーIC4における内部回路を示してお
り、6はそれぞれ64ビットに対応するシフトレジスタ S
R1〜SRn 、7は同じくラッチLAT1〜LATn、8は同じくA
NDゲートG1〜Gn、9は同じくスイッチングトランジス
タ TR1〜TRn を示している。なお同図中の点線はシフト
レジスタ6またはラッチ7・ANDゲート8・スイッチ
ングトランジスタ9の図示を省略していることを示して
いる。このような回路構成で各発熱素子1を選択駆動す
るスイッチング素子が形成されているドライバーIC4
に対して、印画データはDATA端子を介してシフトレジス
タ6に入力され、CLK 端子からのクロック信号に従って
順次転送されて、各ビットに対応する印画データが入力
される。さらに各シフトレジスタ6に入力された印画デ
ータは各々対応するラッチ7にも入力され、そのように
して印画データが全ビットに転送された後にLAT 端子か
らラッチ信号を入力することによって、各印画データの
信号が各ラッチ7に記憶される。そしてSTB 端子からの
ストローブ信号が“L”となって、ラッチ7のデータが
“H”のときにそれぞれのANDゲート8の出力が
“H”となって対応するスイッチングトランジスタ9が
導通状態となり、それらに対応する各出力端子に個別に
接続された発熱素子に電力が通電され、発熱素子が発熱
して感熱記録紙などに印画が行なわれる。
【0008】図9は図7の各端子配線5により各ドライ
バーIC4に供給される各種信号のパルスタイミングを
示すタイミングチャートである。この例の場合はストロ
ーブ信号を4つのブロックに分割(STB1〜STB4)した場
合を示しており、同図に示したように、データ(DATA)
信号とクロック(CLK )信号を供給した後ラッチ(LAT
)信号を入力し、その後各ブロックに対応するストロ
ーブ信号STB1〜STB4を順次入力することによって分割印
画が行なわれる。
【0009】以上のような構成のサーマルヘッドでは、
各々の発熱素子1に対してそれぞれ個別に個別電極3や
スイッチング素子としてのシフトレジスタ6・ラッチ7
・ANDゲート8・スイッチングトランジスタ9が必要
であり、それらを発熱素子1と同数備えなければならな
かった。
【0010】これに対して例えば特開昭61−185461号や
特開昭61−254357号には、絶縁性基板上に列状に形成し
た発熱抵抗体(発熱素子)の2個以上を1組として同一
の給電用導体(個別電極)に並列に接続するとともに、
同一組内の発熱抵抗体を各々異なる抵抗値としたサーマ
ルヘッドが開示されている。このサーマルヘッドによれ
ば、発熱体を抵抗値の異なる複数のドットで構成するこ
とにより、発熱体に加えるパルス幅制御により中間調記
録を可能とするというものである。
【0011】一方、サーマル方式の印画装置に用いられ
る感熱記録紙としては、加熱により発色する通常の感熱
記録紙の他に、加熱する温度や熱に依存して色調や透明
度・濁度などの印画濃度が変化する可逆性感熱記録材料
を用いた可逆性感熱記録紙があり、特開平5−278348号
や特開平6−340177号には、そのような可逆性感熱記録
材料を用いて繰り返し画像の記録および消去を行なう感
熱記録方式による記録方法が提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7〜
図9に示したような構成の従来のサーマルヘッドでは、
上述のように各々の発熱素子1に対応する同数の個別電
極3やスイッチング素子であるシフトレジスタ6・ラッ
チ7・ANDゲート8・スイッチングトランジスタ9な
どからなるロジック回路を備えなければならないため、
例えばB4サイズ用のサーマルヘッドであれば64ビット
のドライバーIC4を32個も必要としていた。そのため
サーマルヘッドの小型化が困難であるとともに、ドライ
バーIC4の使用個数が多いためにサーマルヘッドの製
造コストが高くなり、サーマルヘッドの価格が高くなっ
て、ひいては印画装置の価格を高くしてしまうという問
題点があった。
【0013】また特開昭61−185461号や特開昭61−2543
57号のサーマルヘッドはパルス幅制御による中間調記録
を目的としたものであるが、2個以上の発熱素子を1組
として同一の個別電極に並列に接続することにより、同
じ発熱素子数のサーマルヘッドに比べて個別電極やドラ
イバーICの数を減らすことができるものとなる。しか
しこの場合、通常の感熱記録紙を用いて記録すると最も
抵抗値の低い部分を駆動する場合を除いて、同一の組の
複数の発熱素子を分離駆動できないという問題点があっ
た。また可逆性感熱記録紙を用いても各々の発熱素子の
抵抗値が近いと、上記と同様に同一の組の複数の発熱素
子を分離駆動できなくなり、上記公報に開示されている
パルス幅制御を行なっても、階調制御を行なうことはで
きるものの分離駆動が不能となるという問題点があっ
た。
【0014】さらに特開平5−278348号や特開平6−34
0177号に提案された記録方法によっても、サーマルヘッ
ドの小型化やサーマルヘッドあるいは印画装置の低コス
ト化は行なえなかった。
【0015】本発明は上記事情に鑑みて本発明者が鋭意
研究を進めた結果完成したもので、その目的は、複数の
発熱素子からなる発熱素子群を共通の個別電極で発熱駆
動することによりスイッチング素子数を減らしてドライ
バーICの数を減らしたサーマルヘッドと、可逆性感熱
記録紙とを組み合わせた感熱記録方式の印画装置を用い
て、解像度が高い良好な画像品質の印画が得られる感熱
記録方法を提供することにある。
【0016】また本発明の目的は、そのような感熱記録
方法を用いることによって、同じ数の発熱素子を有する
サーマルヘッドに比べてスイッチング素子を有するドラ
イバーICの数を減らすことができ、それにより小型化
ならびに低コスト化が可能になったサーマルヘッドを提
供し、より安価な印画装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の感熱記録方法
は、抵抗値の異なる複数個の発熱素子を共通の個別電極
で接続した発熱素子群を複数個列状に配列したサーマル
ヘッドと、特定温度範囲で印画され、該特定温度範囲を
越える温度で印画が消去される可逆性感熱記録紙とを用
い、サーマルヘッドの各発熱素子群への電力の通電時間
を制御して各発熱素子群の1個の発熱素子を特定温度範
囲に発熱させるとともに、該特定温度範囲に発熱した発
熱素子の熱を可逆性感熱記録紙に伝えて印画を行なうこ
とを特徴とするものである。
【0018】
【作用】本発明の感熱記録方法によれば、複数個(N
個:Nは2以上の自然数)の発熱素子にそれぞれの個別
電極を共通化して接続してなる発熱素子群毎に1つのス
イッチング素子を接続したサーマルヘッドを用いるた
め、そのサーマルヘッドに搭載するスイッチング素子な
らびにドライバーICの数を1個の発熱素子に1つのス
イッチング素子を接続する場合に比べてN分の1にする
ことができ、サーマルヘッドの小型化ならびに低コスト
化が可能となる。
【0019】また個別電極を共通接続したN個の発熱素
子からなる発熱素子群中で発熱素子の抵抗値をそれぞれ
異ならせ、かつ電力の通電時間によって1つの発熱素子
が特定温度範囲の温度に発熱し、他のN−1個の発熱素
子が特定温度範囲を越えるかもしくはその範囲未満に発
熱するようにしているので、発熱素子群への電力の通電
時間を制御することにより、各発熱素子群中の個別の発
熱素子の温度状態を制御することができる。
【0020】そしてこのサーマルヘッドによって印画さ
れる感熱記録紙に、特定温度範囲で印画され、その範囲
を越える温度で印画が消去される可逆性感熱記録紙を用
いることにより、上記のようにして特定温度範囲に発熱
した1個の発熱素子に対応して印画を行なうことがで
き、それによって解像度の高い良好な画像品質の印画を
得ることができる。
【0021】従って本発明の感熱記録方法によれば、N
個の発熱素子からなる発熱素子群を共通の個別電極で発
熱駆動することによりスイッチング素子ならびにドライ
バーICの数をN分の1に減らしたサーマルヘッドと、
可逆性感熱記録紙とを用いて、発熱素子群への電力の通
電時間を制御することによって解像度が高い良好な画像
品質の印画を得ることができる。
【0022】また、同じ数の発熱素子を有するサーマル
ヘッドに比べてスイッチング素子ならびにドライバーI
Cの数をN分の1に減らすことができるので、サーマル
ヘッドの小型化や低コスト化が可能になり、より安価な
印画装置を提供することができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の感熱記録方法について実施例
に基づいて詳述する。なお本発明は以下の実施例に限定
されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で
の種々の変更は何ら差し支えない。
【0024】図1は本発明の感熱記録方法に用いるサー
マルヘッドの電気的回路の例を示す等価回路図である。
同図において10は各発熱素子を示し、11は共通電極、12
は各個別電極、13は図7および図8に示した従来のもの
と同じドライバーIC、14は各端子配線を示している。
本発明の感熱記録方法に用いるサーマルヘッドにおいて
は、隣接する複数個(N個)の発熱素子を1つの発熱素
子群として個別電極を共通化して接続していることが特
徴であり、図1には隣接する4個の発熱素子10毎に個別
電極12を共通化して各ドライバーIC13内のスイッチン
グ素子に接続している例を示している。なお同図中の点
線も、発熱素子10または個別電極12の図示を省略してい
ることを示している。そして共通電極11には各発熱素子
10の発熱駆動用電力(VH)が供給されており、端子配線
14からは印画データ(DATA)やストローブ(STB )・ラ
ッチ(LAT )・クロック(CLK )といった信号が各ドラ
イバーIC13に供給されている。
【0025】また本発明の感熱記録方法に用いるサーマ
ルヘッドにおいては、隣接するN個の発熱素子10からな
る発熱素子群中でそれらN個の発熱素子10の抵抗値がそ
れぞれ異なっており、本例ではその抵抗値が順次大きく
なるように発熱素子10が配列されている。これは順次小
さくなるように配列してもよい。さらにその抵抗値を順
にA、B、C、D、E・・と表わしたとき、各発熱素子
群毎に同じ抵抗値A、B、C、D、E・・の発熱素子10
が同じ順序に配列されていて、サーマルヘッド全体とし
て見た場合にはA、B、C、D、E・・の抵抗値を持つ
発熱素子10のグループが形成されていることが特徴であ
る。
【0026】そのような発熱素子10の配列の例を、図1
と同じく隣接する4個の発熱素子10を1つの発熱素子
群とした場合について、図2および図3に平面図で示
す。
【0027】図2において10は発熱素子を示し、11は共
通電極を、12は個別電極を示している。なお個別電極12
を共通化している部分の図示は省略してある。同図の例
では発熱素子10の長さを異ならせることにより各発熱素
子10の抵抗値を異ならせており、各発熱素子群中で抵抗
値の低いものからA、B、C、Dの4種類を順次配列し
ている。そしてサーマルヘッド全体では抵抗値がA群、
B群、C群、D群の4つの抵抗値グループが形成されて
いる。
【0028】図2のようにして抵抗値の異なる発熱素子
10の発熱素子群を形成する具体例としては、例えば発熱
抵抗体にTaSiO2 を用いて、 A群 B群 C群 D群 発熱素子幅 : 100 μm 100 μm 100 μm 100 μm 発熱素子長 : 90 μm 120 μm 150 μm 180 μm 抵抗値 : 1,800 Ω 2,400 Ω 3,000 Ω 3,600 Ω のように設定する場合などが挙げられる。
【0029】また図3においても10は発熱素子を示し、
11は共通電極を、12は個別電極を示しており、個別電極
12を共通化している部分の図示は省略してある。同図の
例では発熱素子10の幅を異ならせることにより各発熱素
子10の抵抗値を異ならせており、各発熱素子群中で抵抗
値の低いものからA’、B’、C’、D’の4種類を順
次配列している。そしてサーマルヘッド全体では抵抗値
がA’群、B’群、C’群、D’群の4つの抵抗値グル
ープが形成されている。
【0030】図3のようにして抵抗値の異なる発熱素子
10の発熱素子群を形成する具体例としては、例えば発熱
抵抗体にTaSiO2 を用いて、 A’群 B’群 C’群 D’群 発熱素子幅 : 50 μm 67 μm 83 μm 100 μm 発熱素子長 : 180 μm 180 μm 180 μm 180 μm 抵抗値 : 1,800 Ω 2,400 Ω 3,000 Ω 3,600 Ω のように設定する場合などが挙げられる。
【0031】この他にも、発熱素子10の長さと幅をとも
に変えて抵抗値を異ならせてもよいし、長さを変えたも
のと幅を変えたものとを混在させてもよいし、さらに厚
みを変えることによってもよく、それらを組み合わせて
もよい。
【0032】これらのように発熱素子10の隣接するN個
で発熱素子群を形成し、各発熱素子群中の発熱素子10の
抵抗値を順次大きくまたは小さくなるN個のグループを
形成するように異ならせるには、その条件設定に当たっ
て可逆性感熱記録紙の濃度特性および消去特性などを考
慮して、各抵抗値毎の発熱素子10を駆動させた場合に他
の抵抗値の発熱素子10による発色濃度が前記発熱素子10
による発色濃度に比べて10分の1程度となるように設定
するとよい。
【0033】本発明の感熱記録方法に用いる上記のよう
な構成のサーマルヘッドの構成材料や作製プロセスに
は、従来のサーマルヘッドと同様のものが適用できる。
【0034】次に、本発明の感熱記録方法に用いる可逆
性感熱記録紙には、特定温度範囲で印画されてその印画
濃度が最大となり、その範囲を越える温度に加熱される
と印画が消去されて、それらの印画状態が常温で保持さ
れるような感熱記録材料からなるものを用いる。
【0035】そのような可逆性感熱記録材料の例として
は、第1の特定温度で透明状態となりそれより高い第2
の特定温度で白濁状態となるものや、第1の特定温度で
白濁状態となりそれより高い第2の特定温度で透明状態
となるもの、第1の特定温度で黒・赤・青などに発色し
それより高い第2の特定温度で消色するものなどがあ
り、例えば第1の特定温度で透明状態となりそれより高
い第2の特定温度で白濁状態となるものであれば、温度
T0 以下の常温では白濁不透明状態にある。これを加熱
して第1の特定温度T1 (T1 >T0 )になると透明状
態となり、この状態から再び温度T0 以下の常温に戻し
ても透明状態を維持する。さらに加熱して第1の特定温
度T1 より高い第2の特定温度T2 になると透明状態で
あったものが白濁不透明状態になり、この状態から再び
温度T0 以下の常温に戻すと再び白濁不透明状態に戻
る。
【0036】また第1の特定温度で白濁状態となりそれ
より高い第2の特定温度で透明状態となるものであれ
ば、温度T0 以下の常温では透明状態にある。これを加
熱して第1の特定温度T1 (T1 >T0 )になると白濁
不透明状態となり、この状態から再び温度T0 以下の常
温に戻しても白濁不透明状態を維持する。さらに加熱し
て第1の特定温度T1 より高い第2の特定温度T2 にな
ると白濁不透明状態であったものが透明状態になり、こ
の状態から再び温度T0 以下の常温に戻すと再び透明状
態に戻る。
【0037】従ってこれらのような材料からなる感熱記
録層の裏面に着色シートなどの基材を配置して感熱記録
紙とすれば、白地に着色シートの色の印画または着色シ
ートの色の地に白色の印画を行なえる可逆性感熱記録紙
となる。
【0038】また第1の特定温度で黒・赤・青などに発
色しそれより高い第2の特定温度で消色するものであれ
ば、温度T0 以下の常温では透明または白濁不透明状態
にある。これを加熱して第1の特定温度T1 (T1 >T
0 )になると黒・赤・青などの発色状態となり、この状
態から再び温度T0 以下の常温に戻しても発色状態を維
持する。さらに加熱して第1の特定温度T1 より高い第
2の特定温度T2 になると発色状態であったものが透明
または白濁不透明状態になり、この状態から再び温度T
0 以下の常温に戻すと再び透明または白濁不透明状態に
戻る。
【0039】従ってこのような材料からなる感熱記録層
を白色その他適当な色のシートなどの基材上に配して感
熱記録紙とすれば、白地または適当な地色に各発色の印
画を行なえる可逆性感熱記録紙となる。
【0040】以上のような可逆性感熱記録材料として
は、例えば特開平5−278348号や特開昭55−154198号・
特開平3−169590号・特開平2−188293号・特開平2−
188294号・特開平6−340177号・特開平3−355078号な
どに開示されたものを用いることができる。
【0041】そして本発明の感熱記録方法では、上記の
ような可逆性感熱記録紙に対して、図1に示したような
回路構成のサーマルヘッドを用いて、サーマルヘッドの
各ドライバーIC13に入力する印画データDATAならびに
ストローブ信号STB に従ってN個の発熱素子10からなる
各発熱素子群への電力の通電時間を制御することによ
り、抵抗値の低い発熱素子から順次1個の発熱素子が特
定温度範囲の温度になるように発熱させて、それに対応
する印画を行なう。そのような本発明の感熱記録方法に
ついて以下に説明する。
【0042】図4は本発明の感熱記録方法における抵抗
値の異なる発熱素子に対する電力の通電時間と印画濃度
との関係を説明する線図であり、同図では図1〜図3に
示したように抵抗値をA〜Dの4つのグループに設定し
たサーマルヘッドを用い、特定温度印画濃度が最大とな
り、それを越える温度で印画が消去される可逆性感熱記
録紙を用いた場合の例を示している。
【0043】図4において横軸は共通接続された隣接す
る複数個(本例では4個)の抵抗値の異なる発熱素子へ
の電力の通電時間tを表わし、縦軸は可逆性感熱記録紙
の印画濃度ODを表わしている。また図中の曲線はそれ
ぞれ抵抗値の異なる発熱素子に対する可逆性感熱記録紙
の印画濃度の変化を表わし、通電時間の短い方から抵抗
値の小さい順(本例では順次A、B、C、D)に相当し
ていて、横軸のtA、tB、tC、tDはそれぞれ抵抗
値がA、B、C、Dの発熱素子に対して最大印画濃度が
得られる通電時間を示している。本例では最大印画濃度
ODが 1.1となる場合について示してある。
【0044】図4に示すように、共通接続された抵抗値
の異なる発熱素子に通電を始めると、まず一番抵抗値の
小さい抵抗値Aの発熱素子が最も速く温度上昇を始めて
可逆性感熱記録紙を加熱するので、抵抗値Aの発熱素子
に対応した可逆性感熱記録紙が最初に第1の特定温度に
達して印画濃度が高くなり、通電時間tAで最大印画濃
度になる。従ってこの状態で通電を終了すると、抵抗値
Aの発熱素子に対応した可逆性感熱記録紙のみが印画さ
れる。
【0045】さらに通電を続けると、抵抗値Aの発熱素
子に対応した可逆性感熱記録紙は印画される特定温度範
囲を越えて第2の特定温度に達し、印画が消去されて印
画濃度が低下するのに対して、次の抵抗値Bの発熱素子
が温度上昇してそれに対応した可逆性感熱記録紙が第1
の特定温度に達して印画濃度が高くなり、通電時間tB
で最大印画濃度になる。従ってこの状態で通電を終了す
ると、抵抗値Aの発熱素子に対応した印画は消去され、
抵抗値Bの発熱素子に対応した可逆性感熱記録紙のみが
印画される。
【0046】さらに通電を続けると、同様に抵抗値Bの
発熱素子に対応した可逆性感熱記録紙が印画される特定
温度範囲を越えて印画が消去されるとともに、次の抵抗
値Cの発熱素子が温度上昇してそれに対応した可逆性感
熱記録紙が第1の特定温度に達して印画濃度が高くな
り、通電時間tCで最大印画濃度になる。従ってこの状
態で通電を終了すると抵抗値Cの発熱素子に対応した可
逆性感熱記録紙のみが印画され、なおも通電を続ける
と、同様に抵抗値Cの発熱素子に対応した印画が消去さ
れるとともに抵抗値Dの発熱素子に対応した印画が通電
時間tDで最大印画濃度になって、その状態で通電を終
了すると抵抗値Dの発熱素子に対応した可逆性感熱記録
紙のみが印画される。
【0047】例えば、可逆性感熱記録紙に 120℃で最大
印画濃度が得られるようなものを用い、その温度に到達
するためのサーマルヘッドの発熱素子からの必要印画エ
ネルギーが1ドット当り0.38mJであり、発熱素子の抵
抗値がA=1,800 Ω、B=2,400 Ω、C=3,000 Ω、D
=3,600 Ωである場合、各抵抗値の発熱素子に対応する
最大印画濃度OD=1.1 が得られる電力の通電時間は、
それぞれtA=1.2 m秒、tB=1.6 m秒、tC=2.0
m秒、tD=2.4 m秒程度となる。
【0048】このようにして、共通接続された抵抗値の
異なる複数の発熱素子への電力の通電時間を制御するこ
とによって、発熱素子群中の1個の発熱素子が特定温度
範囲になるように発熱駆動して、それに対応する可逆性
感熱記録紙に印画の制御を個別に行なうことが可能とな
る。
【0049】上記のようにA、B、C、Dの4つの異な
る抵抗値の発熱素子を順次発熱駆動して個別に印画を行
なう場合の各ドライバーIC13に供給される各種信号の
パルスタイミングを示すタイミングチャートを図5に示
す。本例では発熱素子の抵抗値をA〜Dの4つのグルー
プに設定した場合を示しており、同図に示したように、
A群からD群の印画に対応するそれぞれの印画データD
A、DB、DC、DDとクロック(CLK )信号を個別に
供給した後それぞれラッチ(LAT )信号を入力し、その
後印画データに対応する通電時間tA、tB、tC、t
Dの印画パルスであるストローブ信号(STB )を入力す
ることによって個別の印画が行なわれる。
【0050】そしてそのようにしてA、B、C、Dの4
つの異なる抵抗値の発熱素子を順次発熱駆動して個別に
印画を行なった場合の印画パターンの例を図6に示す。
【0051】図6において斜線部は印画されたドットを
示し、横方向はサーマルヘッド上の発熱素子の列に対応
していて、本例では図中の左側から順次4つの抵抗値
A、B、C、D、A、B、C、D・・・に対応してお
り、縦方向は図中の右側に矢印で示した可逆性感熱記録
紙の送り方向に対応していて、本例では1ライン目と2
ライン目とを示している。同図より分かるように本発明
の感熱記録方法によれば、隣接する複数個(本例では4
個)の抵抗値の異なる発熱素子を共通接続したサーマル
ヘッドと可逆性感熱記録紙を用い、そのような発熱素子
からなる発熱素子群をそれぞれ同じ通電時間で発熱駆動
することにより、各発熱素子群内の個別の発熱素子の発
熱状態が制御でき、それに対応する個別の印画制御を行
なうことができる。
【0052】なお以上の実施例では発熱素子10の抵抗値
が順次大きくまたは小さくなるように配列した例により
説明し、印画の順序としても抵抗値の小さいものから順
に分割印画する方法を説明したが、発熱素子10の抵抗値
の配列については各発熱素子群毎に同じ順序で配列され
ていればどのような配列でもよく、また通電時間の長さ
の設定や印画する順序についてもどのような順序をとっ
てもよいことは言うまでもない。
【0053】また上記の実施例では4個の抵抗値の異な
る発熱素子10を共通接続して発熱素子群としているの
で、これらの各発熱素子群を発熱駆動するためのスイッ
チング素子の数はすべての発熱素子10を個別に発熱駆動
する場合の4分の1になり、それによりドライバーIC
13の数を4分の1に減らすことができた。そしてその結
果、サーマルヘッドの小型化を行なうことができ、サー
マルヘッドの低コスト化も行なうことができて、このサ
ーマルヘッドを用いる印画装置の小型化や低コスト化も
可能になった。このことから、N個の抵抗値の異なる発
熱素子10を共通接続することにより、スイッチング素子
やドライバーIC13の数をN分の1に減らすことができ
て、サーマルヘッドおよび印画装置の小型化や低コスト
化が可能になることが確認できた。
【0054】以下、具体例を詳述する。本発明の感熱記
録方法に用いるサーマルヘッドとして、図1および図2
に示したような発熱素子群を構成したものを作製した。
本例においては抵抗値の異なる4つの発熱素子を共通の
個別電極で接続して発熱素子群を形成し、各発熱素子の
サイズと抵抗値はそれぞれ以下のように設定した。
【0055】 A群 B群 C群 D群 発熱素子幅 : 100 μm 100 μm 100 μm 100 μm 発熱素子長 : 90 μm 120 μm 150 μm 180 μm 抵抗値 : 1,800 Ω 2,400 Ω 3,000 Ω 3,600 Ω。
【0056】発熱抵抗体にはTaSiO2 を用い、発熱
素子のドット密度は8ドット/mmとした。また4つの
発熱素子により発熱素子群を形成したことから、ドライ
バーICの数は通常の8ドット/mmのサーマルヘッド
に比べて4分の1に減らすことができた。
【0057】また、本発明の感熱記録方法に用いる可逆
性感熱記録紙として、最大濃度に発色する印加熱エネル
ギーの80%の印加熱エネルギーで印画濃度0Dが 0.3と
なり、 120%の印加熱エネルギーで消色するものを用意
した。
【0058】上記のサーマルヘッドと可逆性感熱記録紙
とを用いて、各発熱素子群への電力の通電時間を制御し
て各発熱素子当りの印加熱エネルギーを0.38mJ/ドッ
トとして、全ドット発熱の場合の印画と文字データを複
数種パターン印画して、印画濃度特性と画素独立再現性
とを評価した。
【0059】全ドット印画においては、マクベス型濃度
計で測定した印画濃度ODが 1.0となって黒色度は十分
であり、かつドット間の白抜けなどの画質の低下は発生
しなかった。
【0060】また文字データの印画においても、従来の
通常の構成の8ドット/mmのサーマルヘッドを用いて
通常の感熱記録紙に印画した場合と比べて、何ら遜色な
い画質であった。
【0061】これにより本発明の感熱記録方法によれ
ば、個別の発熱素子に対応して個別の印画制御を行なう
ことができて、解像度が高い良好な画像品質の印画が得
られることが確認できた。
【0062】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、複
数個の発熱素子からなる発熱素子群を共通の個別電極で
発熱駆動することによりスイッチング素子数を減らして
ドライバーICの数を減らしたサーマルヘッドと、可逆
性感熱記録紙とを用いて、発熱素子群への電力の通電時
間を制御して発熱素子群中の1個の発熱素子を特定温度
範囲の温度に発熱させることにより、個別の発熱素子に
対応して個別の印画制御を行なうことができて、解像度
が高い良好な画像品質の印画が得られる感熱記録方法を
提供することができた。
【0063】また本発明の感熱記録方法を用いることに
よって、同じ数の発熱素子を有するサーマルヘッドに比
べてスイッチング素子を有するドライバーICの数を減
らすことができてそれにより小型化ならびに低コスト化
が可能になったサーマルヘッドを使用することができ、
より安価な印画装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感熱記録方法に用いるサーマルヘッド
の電気的回路の例を示す等価回路図である。
【図2】本発明の感熱記録方法に用いるサーマルヘッド
の発熱素子の配列の例を示す平面図である。
【図3】本発明の感熱記録方法に用いるサーマルヘッド
の発熱素子の配列の他の例を示す平面図である。
【図4】本発明の感熱記録方法における、抵抗値の異な
る発熱素子に対する通電時間と印画濃度との関係を説明
する線図である。
【図5】本発明の感熱記録方法における、サーマルヘッ
ドの各ドライバーICに供給される各種信号のパルスタ
イミングを示すタイミングチャートである。
【図6】本発明の感熱記録方法により抵抗値の異なる発
熱素子を順次発熱駆動して個別に印画を行なった場合の
印画パターンの例を示す図である。
【図7】従来のサーマルヘッドの電気的回路の例を示す
等価回路図である。
【図8】従来のサーマルヘッドのドライバーICの内部
回路の例を示す等価回路図である。
【図9】従来のサーマルヘッドの各端子配線により各ド
ライバーICに供給される各種信号のパルスタイミング
を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1、10・・・発熱素子 2、11・・・共通電極 3、12・・・個別電極 4、13・・・ドライバーIC 5、14・・・端子配線 A、B、C、D、A’、B’、C’、D’・・・発熱素
子の抵抗値 tA、tB、tC、tD・・・・・・・・・・・電力の
通電時間

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抵抗値の異なる複数個の発熱素子を共通
    の個別電極で接続した発熱素子群を複数個列状に配列し
    たサーマルヘッドと、特定温度範囲で印画され、該特定
    温度範囲を越える温度で印画が消去される可逆性感熱記
    録紙とを用い、サーマルヘッドの各発熱素子群への電力
    の通電時間を制御して各発熱素子群の1個の発熱素子を
    特定温度範囲に発熱させるとともに、該特定温度範囲に
    発熱した発熱素子の熱を可逆性感熱記録紙に伝えて印画
    を行なうことを特徴とする感熱記録方法。
JP4101795A 1995-02-28 1995-02-28 感熱記録方法 Pending JPH08230334A (ja)

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