JPH0822956A - 透明導電膜の形成方法およびその装置 - Google Patents

透明導電膜の形成方法およびその装置

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JPH0822956A
JPH0822956A JP17485794A JP17485794A JPH0822956A JP H0822956 A JPH0822956 A JP H0822956A JP 17485794 A JP17485794 A JP 17485794A JP 17485794 A JP17485794 A JP 17485794A JP H0822956 A JPH0822956 A JP H0822956A
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film
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JP17485794A
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Toshihiko Sato
俊彦 佐藤
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 すべての基板に対して、抵抗値やエッチング
レートなどの性質が安定した透明導電膜を形成する透明
導電膜の形成方法を提供する。 【構成】 前処理室3内に供給された水素ガスの雰囲気
ガス中で基板11の表面を高周波電源24によりプラズ
マ処理する。このときには、水素分子が基板11の表面
に衝突し、表面の凹凸を緩和し、表面の傷などの欠陥を
修復し、基板11の表面状態を均一化する。この後、成
膜室4内に基板11を配置してアルゴンガスと酸素ガス
とを供給し、この雰囲気ガス中でスパッタ用直流電源3
6によりターゲット材32を蒸発させて基板11の表面
に堆積させる。このときには、基板の表面状態が均一化
されているので、すべての基板11の表面に一様にIT
O膜11aが形成でき、かつ基板11の表面に残留した
水素分子がITO膜11aに入り込むので、低抵抗でエ
ッチングレートなどの性質が安定した透明導電膜が形成
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、透明導電膜の形成方
法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、液晶表示素子では、ガラスやセ
ラミックなどからなる一対の透明な基板の対向面に透明
電極を形成し、一対の基板間にシール材を介して液晶を
封入した構造になっている。この液晶表示素子の基板に
透明電極を形成する場合には、基板の一面にITOなど
の透明導電膜を形成し、この透明導電膜をエッチングす
ることにより所定形状の透明電極を形成している。この
ような基板の一面に透明導電膜を形成する方法として
は、一般に、スパッタリング法が知られており、このス
パッタリング法により透明導電膜を形成する装置として
は、基板を1枚ずつ成膜室内に定置してスパッタリング
を行なうバッチ式のもの、あるいは基板を順次成膜室内
に送り込みながら連続的にスパッタリングを行なうイン
ライン式のものなどがある。いずれの方式の装置でも、
成膜用の雰囲気ガス、例えばVIII族元素のガスと酸素ガ
スとを所定の割合で成膜室内に供給し、この雰囲気ガス
中でスパッタリングを行なうことにより、ITOなどの
透明導電材料を基板の表面に堆積させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の透明導電膜の形成方法では、基板の表面状態
(例えば、凹凸あるいは傷などの欠陥)によって透明導
電膜の性質が大きく変わるため、多数の基板に順次透明
導電膜を形成する場合、処理枚数あるいは処理した基板
ごとによって、透明導電膜の抵抗値およびエッチングレ
ートなどの性質が大きく異なるという問題がある。この
発明の目的は、すべての基板に対して、抵抗値やエッチ
ングレートなどの性質が安定した透明導電膜を形成する
ことのできる透明導電膜の形成方法およびその装置を提
供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
基板の表面に透明導電膜を形成する透明導電膜の形成方
法において、前処理用の雰囲気ガス中で基板の表面をプ
ラズマ処理した後、成膜用の雰囲気ガス中で導電材料か
らなるターゲット材を蒸発させて前記基板の表面に堆積
させることにより透明導電膜を形成するものである。こ
の場合、請求項2に記載の如く、導電材料がITOで、
前処理用の雰囲気ガスが水素ガスを含むことが好まし
い。また、請求項3記載の発明は、基板が配置される前
処理室、この前処理室内のガスを排気する前処理用排気
装置、前処理室内に前処理用の雰囲気ガスを供給する前
処理用ガス供給装置、および前処理室内に供給された雰
囲気ガス中でプラズマ状態を作って基板の表面をプラズ
マ処理するプラズマ発生装置を有する前処理手段と、前
処理室でプラズマ処理された基板が配置されるとともに
導電材料からなるターゲット材が配置された成膜室、こ
の成膜室内のガスを排気する成膜用排気装置、成膜室内
に成膜用の雰囲気ガスを供給する成膜用ガス供給装置、
および成膜室内に供給された雰囲気ガス中でターゲット
材を蒸発させて基板の表面に透明導電膜を堆積させるタ
ーゲット放出装置を有する成膜手段とからなるものであ
る。
【0005】
【作用】この発明によれば、前処理用の雰囲気ガス中で
基板の表面をプラズマ処理すると、雰囲気ガスの分子が
基板の表面に衝突し、これにより基板の表面の凹凸が緩
和されるとともに、基板の表面の傷などの欠陥が修復さ
れ、この結果基板の表面状態が均一化される。この後、
成膜用の雰囲気ガス中でターゲット材を蒸発させて前記
基板の表面に堆積させると、基板の表面状態が均一化さ
れているので、透明導電膜を基板の表面から堆積させる
ことができ、すべての基板の表面に抵抗値やエッチング
レートなどの性質の安定した透明導電膜を一様に形成す
ることができる。この場合、請求項2に記載の如く、透
明導電膜がITOで、前処理用の雰囲気ガスが水素ガス
を含んでいれば、基板の表面に残留した前処理用の水素
ガスの分子がITOの透明導電膜に混入することによ
り、低抵抗でエッチングレートの大きい安定性に富んだ
透明導電膜を得ることができる。
【0006】
【実施例】以下、図1〜図3を参照して、この発明の透
明導電膜の形成方法およびその装置の一実施例について
説明する。図1は透明導電膜の形成装置の概略構成図で
ある。この形成装置は、インライン式であり、気密構造
の耐圧容器1を備えている。耐圧容器1内は、左側から
順に、基板挿入室2、前処理室3、成膜室4、および基
板取出室5がそれぞれ気密構造のドアバルブ6〜10に
よって仕切られている。
【0007】ドアバルブ6、7で仕切られた基板挿入室
2内の底部には、ガラスやセラミックなどからなる透明
な基板11を載置して前処理室3側に向けて搬送する搬
送装置12が設けられている。基板挿入室2の下には、
基板挿入室2内のガスを排出するための基板挿入用排気
装置13が配置されている。この排気装置13は、クラ
イオポンプ、ターボ分子ポンプ、油拡散ポンプなどから
なる主排気ポンプ13aと、ロータリーポンプに代表さ
れる補助ポンプ13bを備えている。主排気ポンプ13
aには、基板挿入室2に接続された排気管13cがバル
ブ13dを介して接続されている。補助ポンプ13bに
は、基板挿入室2に接続された排気管13eがバルブ1
3fを介して接続されているとともに、主排気ポンプ1
3aに接続された排気管13gがバルブ13hを介して
接続されている。また、基板挿入室2の上部には、窒素
(N2)ガスを供給するガス供給装置14が設けられて
いる。このガス供給装置14は、基板挿入室2の上部に
接続された供給管14aにバルブ14bが設けられてい
るとともに、このバルブ14bと基板挿入室2との間に
位置する部分の供給管14aにガス供給流量を所定流量
に制御する流量制御装置14cが設けられた構造になっ
ている。
【0008】ドアバルブ7、8で仕切られた前処理室3
内の底部には、基板挿入室2内の搬送装置12によって
搬送された基板11を載置して成膜室4側に向けて搬送
する搬送装置20が設けられている。前処理室3内にお
ける搬送装置20の上方には、基板11を加熱する加熱
ヒータ21が配置されている。前処理室3の下には、前
処理室3内のガスを排出するための前処理用排気装置2
2が配置されている。この排気装置22は、基板挿入用
排気装置13と同じ構造(図1では符号13を22に代
えて同じ枝番で示す)になっている。前処理室3の上部
には、水素(H 2)ガスを供給する前処理用ガス供給装
置23が設けられている。この前処理用ガス供給装置2
3は、基板挿入室2のガス供給装置14と同じ構造(図
1では符号14を23に代えて同じ枝番で示す)になっ
ている。さらに、前処理室3の上部には、水素ガスの雰
囲気中でプラズマ状態を作って基板11の表面をプラズ
マ処理する高周波電源(プラズマ発生装置)24が設け
られている。この高周波電源24の陰極および陽極は、
前処理室3内に導入され、一方が基板11側に接続さ
れ、他方が前処理室3内の上部に配置されている。
【0009】ドアバルブ8、9で仕切られた成膜室4内
の底部には、前処理室3内の搬送装置20によって搬送
された基板11を載置して基板取出室5側に向けて搬送
する搬送装置30が設けられている。成膜室4内におけ
る搬送装置30の上方には、基板11を加熱する加熱ヒ
ータ31が配置されている。成膜室4内の上部にはIT
Oからなるターゲット材32が配置されている。成膜室
4の下には、成膜室4内のガスを排出するための成膜用
排気装置33が配置されている。この排気装置33も、
基板挿入用排気装置13と同じ構造(図1では符号13
を33に代えて同じ枝番で示す)になっている。成膜室
4の上部には、VIII族元素のガス、例えばアルゴン(A
r)ガスを供給する第1成膜用ガス供給装置34と、水
素(O2)ガスを供給する第2成膜用ガス供給装置35
とが設けられている。この第1、第2成膜用ガス供給装
置34、35は、それぞれ基板挿入室2のガス供給装置
14と同じ構造(図1では符号14を34、35に代え
て同じ枝番で示す)になっている。なお、第1成膜用ガ
ス供給装置34で用いられるガスは他にネオン(N
e)、キセノン(Xe)などがあるが、この実施例では
一般的に用いられるアルゴンを使って説明する。また、
成膜室4の上部には、ターゲット材32を蒸発させて基
板11の表面に透明電極11aを堆積させるスパッタ用
直流電源(ターゲット放出装置)36が設けられてい
る。スパッタ用直流電源36の陰極はターゲット材32
に接続され、陽極は基板11側に接続されている。
【0010】ドアバルブ9、10で仕切られた基板取出
室5内の底部には、成膜室4内の搬送装置30によって
搬送された基板11を載置して取出口のドアバルブ10
側に向けて搬送する搬送装置40が設けられている。こ
の基板取出室5の下には、基板取出室5内のガスを排出
するための基板取出用排気装置41が配置されている。
この排気装置41も、基板挿入用排気装置13と同じ構
造(図1では符号13を41に代えて同じ枝番で示す)
になっている。また、基板取出室5の上部には、窒素
(N2)ガスを供給するガス供給装置42が設けられて
いる。このガス供給装置42は、基板挿入室2のガス供
給装置14と全く同じ構造(図1では符号14を42に
代えて同じ枝番で示す)になっている。
【0011】次に、このような形成装置による透明導電
膜の形成方法について説明する。予め、成膜室4内にI
TOからなるターゲット材32をセットし、この後すべ
てのドアバルブ6〜10を閉じ、各室2〜5内のガスを
各排気装置13、22、33、41によって排気し、各
室2〜5内を高真空状態にする。この状態で、基板挿入
室2内に窒素ガスをガス供給装置14により供給し、基
板挿入室2内の圧力を大気圧にする。そして、ガス供給
装置14のバルブ14bを閉じた後、基板挿入室2の挿
入口側のドアバルブ6を開き、基板挿入室2内に基板1
1を挿入して搬送装置12上に載置する。次に、挿入口
側のドアバルブ6を閉じ、基板挿入室2内のガスを排気
装置13により排気して基板挿入室2内を再び高真空状
態(〜1×10-5Pa以上)にする。
【0012】次に、基板挿入室2と前処理室3の間のド
アバルブ7を開き、基板挿入室2内の基板11を搬送装
置12により前処理室3内の搬送装置20上に送り込
み、ドアバルブ7を閉じる。なお、ドアバルブ7が閉じ
られるときには、上述と同様に基板挿入室2内に次の基
板11が挿入される。この状態で、前処理用ガス供給装
置23により水素ガスを前処理室3内に供給し、前処理
室3内を水素ガスで満たす。このときには、ガス供給装
置23から供給される水素ガスはガス供給装置23の流
量制御装置23cにより所定流量に制御されて継続的に
供給されるとともに、排気装置22により継続的に排気
され、これにより水素ガスからなる前処理用の雰囲気ガ
スのガス圧は、雰囲気ガスが前処理室3内を常時流れな
がら、50〜400Paの減圧状態になるように制御さ
れる。この間、基板11は加熱ヒータ21により加熱さ
れる。
【0013】そして、雰囲気ガスのガス圧が安定する
と、搬送装置20が基板11を成膜室4側に向けて一定
の速度で搬送を開始するとともに、高周波電源24が高
周波電力を供給して雰囲気ガス中でプラズマ放電を開始
する。すると、基板11が搬送装置20により一定の速
度で搬送されながら、雰囲気ガスの水素分子が順次連続
して基板11の表面を叩き、基板11の表面の凹凸を緩
和するとともに、基板11の表面の傷などの欠陥を修復
していく。これにより、プラズマ処理が行なわれる。こ
のプラズマ処理が所定時間(予め設定された時間、例え
ば5〜10分程度)が経過すると、プラズマ放電が停止
されるとともに、水素ガスの供給も停止され、この後、
前処理室3内の雰囲気ガスを排気装置22により排気し
て再び前処理室3内を真空状態にする。
【0014】次に、前処理室3と成膜室4との間のドア
バルブ8を開き、前処理室3内の基板11を搬送装置2
0により成膜室4内の搬送装置30上に送り込み、ドア
バルブ8を閉じる。なお、ドアバルブ8が閉じられると
きには、上述と同様、前処理室3および基板挿入室2内
にそれぞれ次の基板11が順次挿入される。この状態
で、第1成膜用ガス供給装置34によりアルゴンガスを
成膜室4内に供給するとともに、第2成膜用ガス供給装
置35により酸素ガスを成膜室4内に供給し、成膜室4
内をアルゴンガスと酸素ガスとからなる成膜用の雰囲気
ガスで満たす。このときには、各ガス供給装置34、3
5から供給されるアルゴンガスおよび水素ガスは各ガス
供給装置34、35の流量制御装置34c、35cによ
って所定流量に制御されて継続的に供給されるととも
に、排気装置33により継続的に排気され、これにより
雰囲気ガスのガス圧は、雰囲気ガスが成膜室4内を常時
流れながら、0.13〜2.66Pa程度の減圧状態に
なるように制御される。この間、基板11は加熱ヒータ
31により加熱される。
【0015】雰囲気ガスのガス圧が安定すると、搬送装
置30が基板11を基板取出室5側に向けて一定の速度
で搬送を開始するとともに、スパッタ用直流電源36が
直流電力をターゲット材32に供給して雰囲気ガス中で
スパッタ放電を開始する。すると、基板11が搬送装置
30により一定の速度で搬送されながら、雰囲気ガス中
でターゲット材32からITOが放出されて基板11の
表面に順次連続して堆積される。これにより、スパッタ
処理が行なわれる。そして、基板11の表面に一定膜厚
のITO膜(透明導電膜)11aが形成されると、スパ
ッタ放電が停止されるとともに、雰囲気ガスの供給も停
止され、この後、成膜室4内の雰囲気ガスを排気装置3
3により排気して再び成膜室4内を真空状態にする。
【0016】次に、成膜室4と基板取出室5との間のド
アバルブ9を開き、成膜室4内の基板11を搬送装置3
0により基板取出室5の搬送装置40上に送り込み、ド
アバルブ9を閉じる。なお、ドアバルブ9が閉じられる
ときには、上述と同様、成膜室4、前処理室3および基
板挿入室2内にそれぞれ次の基板11が順次挿入され
る。この状態で、基板取出室5内に窒素ガスをガス供給
装置42により供給し、基板取出室5内の圧力を大気圧
にする。そして、ガス供給装置42のバルブ42bを閉
じた後、基板取出室5の取出口側のドアバルブ10を開
き、基板取出室5内の基板11を回収する。この後は、
取出口側のドアバルブ10を閉じ、基板取出室5内のガ
スを排気装置41により排気して基板取出室5内を再び
高真空状態(〜1×10-5Pa以上)にする。なお、ド
アバルブ10が閉じられるときには、上述と同様、基板
取出室5、成膜室4、前処理室3および基板挿入室2内
にそれぞれ次の基板11が順次挿入され、上述した動作
が繰り返される。
【0017】このように、この透明導電膜の形成方法で
は、前処理室3で基板11の表面をプラズマ処理するこ
とにより基板11の表面状態を均一化し、成膜室4内で
のスパッタリングにより基板11の表面にITO膜11
aを堆積させるので、多数の基板11に順次連続してI
TO膜11aを形成しても、各基板11の表面状態が均
一化されているから、ITOの結晶質の膜を基板11の
表面から堆積させることができ、すべての基板11の表
面に抵抗値やエッチングレートなどの性質が均一で安定
したITO膜11aを形成することができる。特に、前
処理室3における水素ガスの雰囲気ガス中でのプラズマ
処理により、基板11の表面に残存した水素分子がIT
O膜11a中に入り込むことにより、低抵抗でエッチン
グレートの大きい安定性に富んだITO膜11aを形成
することができる。
【0018】ちなみに、この実施例で形成したITO膜
11aと従来のITO膜とを比較すると、次の通りであ
る。図2はITO膜の膜厚を500Åとしたときの基板
の加熱温度とITO膜のシート抵抗との関係を示し、□
は従来の前処理がないものを示し、+はこの実施例の前
処理をしたものを示している。この図2から明らかなよ
うに、0〜250℃の範囲では、この実施例のITO膜
の方が従来のものよりシート抵抗が低いことがわかる。
また、図3はITO膜の膜厚を500Åとしたときの基
板の加熱温度とITO膜のエッチングレートとの関係を
示し、□は従来のものを示し、+はこの実施例のものを
示している。この図3から明らかなように、0〜250
℃の範囲では、この実施例のITO膜の方が従来のもの
よりエッチングレートが大きいことがわかる。
【0019】なお、上記実施例では、透明導電材料とし
て、ITOを用いた場合について述べたが、これに限ら
ず、例えばSnO2系やZnO系などの酸化物系のものを用い
た場合にも適用することができる。また、上記実施例で
は、直流スパッタで成膜した場合について述べたが、こ
れに限らず、例えば高周波スパッタ、マグネトロンスパ
ッタなどでも良く、またスパッタ法に限らず、真空蒸着
法などにも適用できる。さらに、上記実施例では、イン
ライン式の装置について述べたが、これに限らず、例え
ばバッチ式の装置にも適用することができる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、前処理用の雰囲気ガス中で基板の表面をプラズマ処
理することにより、雰囲気ガスの分子が基板の表面に衝
突し、基板の表面の凹凸を緩和するとともに、基板の表
面の傷などの欠陥を修復し、この結果基板の表面状態が
均一化され、この後、成膜用の雰囲気ガス中でターゲッ
ト材を蒸発させて前記基板の表面に堆積させると、基板
の表面状態が均一化されているので、透明導電膜を基板
の表面から堆積させることができ、すべての基板の表面
に抵抗値やエッチングレートなどの性質の安定した透明
導電膜を一様に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の透明導電膜の形成装置の一実施例を
示した概略構成図。
【図2】この発明のITO膜と従来のITO膜との比較
において、基板の加熱温度とITO膜のシート抵抗との
関係を示した図。
【図3】この発明のITO膜と従来のITO膜との比較
において、基板の加熱温度とITO膜のエッチングレー
トとの関係を示した図。
【符号の説明】
3 前処理室 4 成膜室 11 基板 11a ITO膜 22 前処理用排気装置 23 前処理用ガス供給装置 24 高周波電源 32 ターゲット材 33 成膜用排気装置 34 第1成膜用ガス供給装置 35 第2成膜用ガス供給装置 36 スパッタ用直流電源

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に透明導電膜を形成する透明
    導電膜の形成方法において、 前処理用の雰囲気ガス中で前記基板の表面をプラズマ処
    理した後、成膜用の雰囲気ガス中で導電材料からなるタ
    ーゲット材を蒸発させて前記基板の表面に堆積させるこ
    とにより透明導電膜を形成することを特徴とする透明導
    電膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記導電材料はITOであり、前記前処
    理用の雰囲気ガスは水素ガスを含むことを特徴とする請
    求項1記載の透明導電膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 基板が配置される前処理室、この前処理
    室内のガスを排気する前処理用排気装置、前記前処理室
    内に前処理用の雰囲気ガスを供給する前処理用ガス供給
    装置、および前記前処理室内に供給された前記雰囲気ガ
    ス中でプラズマ状態を作って前記基板の表面をプラズマ
    処理するプラズマ発生装置を有する前処理手段と、 前記前処理室でプラズマ処理された前記基板が配置され
    るとともに導電材料からなるターゲット材が配置された
    成膜室、この成膜室内のガスを排気する成膜用排気装
    置、前記成膜室内に成膜用の雰囲気ガスを供給する成膜
    用ガス供給装置、および前記成膜室内に供給された前記
    雰囲気ガス中で前記ターゲット材を蒸発させて前記基板
    の表面に透明導電膜を堆積させるターゲット放出装置を
    有する成膜手段と、 からなることを特徴とする透明導電膜の形成装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101037606B1 (ko) * 2008-07-24 2011-05-27 주식회사 디알테크넷 필름 전처리장치의 분할공간 압력제어장치

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101037606B1 (ko) * 2008-07-24 2011-05-27 주식회사 디알테크넷 필름 전처리장치의 분할공간 압력제어장치

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