JPH08229409A - 触媒組成物およびそれを用いた脱臭方法 - Google Patents

触媒組成物およびそれを用いた脱臭方法

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JPH08229409A
JPH08229409A JP7345751A JP34575195A JPH08229409A JP H08229409 A JPH08229409 A JP H08229409A JP 7345751 A JP7345751 A JP 7345751A JP 34575195 A JP34575195 A JP 34575195A JP H08229409 A JPH08229409 A JP H08229409A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒組成物により、酸性成分及び塩基性成分
のみならず中性成分を、光照射の有無に拘らず効率よく
長期間に亘り除去する。 【解決手段】 四価金属(チタンなどの周期表4族元
素)のリン酸塩、二価金属(銅、亜鉛などの遷移金属)
の水酸化物、および光触媒を含む触媒組成物を用い臭気
成分を除去する。光触媒には、硫化物半導体,酸化物半
導体などの光半導体、例えば、酸化チタンなどが含まれ
る。前記組成物は、さらに二酸化ケイ素及び/又は銀成
分を含んでいてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、臭気成分などの有
害成分を分解除去する上で有用な触媒組成物およびそれ
を用いた脱臭方法に関する。
【0002】
【従来の技術】不快な悪臭は、種々の発生源、例えば、
日常の生活環境、工場、し尿処理場、ごみ処理場、家畜
飼育場などの種々の施設から発生し、「悪臭公害」とし
て問題となっている。悪臭の原因物質には、アンモニ
ア、アミン類(トリメチルアミン、トリエチルアミンな
ど)などの窒素含有化合物、硫化水素、メルカプタン類
(メチルメルカプタンなど)などの硫黄含有化合物、ア
ルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドな
ど)、低級脂肪酸類(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、吉草
酸など)などの数多くの化合物が含まれる。
【0003】悪臭成分の脱臭処理には、活性炭が広く使
用されている。しかし、活性炭単独では、アンモニアな
どの窒素含有化合物や硫化水素などの硫黄含有化合物に
対する吸着容量が小さい。そのため、活性炭にハロゲン
化物や金属イオン、酸、アルカリなどを担持させた吸着
剤も提案されている。しかし、未だ十分な脱臭能力を発
揮するに至っていない。
【0004】さらに、ゼオライト、シリカゲル、活性ア
ルミナなども脱臭剤として利用されているものの、吸着
能が小さい。また、無機吸着剤として、酸化亜鉛、酸化
マグネシウム、酸化鉄、水酸化鉄なども使用されてい
る。これらの吸着剤は硫化水素に対する吸着除去には適
しているものの、アンモニアガスに対する吸着能はさほ
ど効果がない。これに対して、酸化ジルコニウム、リン
酸ジルコニウム、酸化チタンなどはアンモニアガスに対
する吸着には比較的優れているものの、硫化水素に対す
る吸着能が小さい。
【0005】このように、従来の脱臭剤や吸着剤は酸性
成分および塩基性成分のうちいずれか一方の成分に対し
ては有効であるものの、他方の成分に対してはさほど効
果が認められない(例えば、特開昭64−47445号
公報,特開昭55−51421号公報,特開昭53−1
37089号公報,特開昭58−156539号公報,
特開昭59−146578号公報,特開昭63−220
74号公報,特開平1−148340号公報,特開平1
−151938号公報,特開平1−203040号公報
など参照)。
【0006】特開昭63−54935号公報には、Ti
2を用いた吸着剤が開示され、特開昭63−2586
44号公報には、リン酸またはその塩と、Fe,Co,
Ni,Zrまたはこれらの化合物との混合物を、活性炭
などの担体に担持させた脱臭剤が開示されている。しか
し、これらの吸着剤も脱臭能が小さい。WO91/08
049には、チタンの水不溶性リン酸塩と亜鉛などの水
酸化物との混合組成物が提案されている。この組成物
は、臭気成分に対して比較的高い脱臭能を示す。しか
し、アルデヒド類などの中性臭気成分に対する吸着能が
小さい。
【0007】一方、酸化チタンなどの光触媒は、紫外線
などの光線照射により臭気成分を酸化分解し、脱臭する
ことが知られている。例えば、特開平1−218635
号公報には、臭気成分を吸着して分解し、脱臭効率を向
上させると共に長期間に亘って脱臭効果を維持させるた
め、活性炭、アルミナ、シリカなどの吸着剤と、酸化チ
タン、酸化亜鉛、酸化錫などの光触媒とを含む脱臭剤が
開示されている。
【0008】また、酸化チタンを含む混合酸化物により
脱臭することも提案されている。例えば、特開平1−2
32966号公報には、チタン酸鉄,酸化鉄,酸化ビス
マス,酸化モリブデン及び酸化ニッケルからなる群から
選択された酸化物と酸化チタンとの混合金属酸化物と、
被酸化性化合物と酸素を含む気体との共存下で、紫外線
を照射する光触媒による脱臭方法が開示されている。特
開平1−288321号公報には、酸化イットリウム又
は酸化錫のいずれかと酸化チタンとの混合金属酸化物
と、被酸化性化合物及び酸素を含む気体の存在下、混合
金属酸化物に紫外線を照射する脱臭方法が開示されてい
る。特開平1−288322号公報には、酸化チタンと
酸化マンガンとの混合金属酸化物と被酸化性化合物及び
酸素を含む気体の存在下で前記混合金属酸化物に紫外線
を照射する光触媒による脱臭方法が開示されている。特
開平6−182205号公報には、酸化チタンなどの金
属酸化物に、金,遷移金属及び希土類元素の少なくとも
一種の微粒子を担持させ、アンモニア処理した後、焼成
した光触媒が開示されている。
【0009】これらの光触媒を用いると、吸着が困難な
アルデヒド類の分解も可能であるという利点がある。し
かし、これらは吸着剤としての効果が未だ十分ではな
く、光触媒を用いて脱臭する場合、酸化により副生する
化合物、例えば、アセトアルデヒドの酸化により生成す
る酢酸などは、吸着剤から再び空気中に放出されるの
で、悪臭の原因物質ともなる。さらに、光照射しない雰
囲気下での脱臭効果は小さい。そのため、酸性成分、塩
基性成分と共に中性成分を含む臭気成分を完全に無臭化
することが困難である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、酸性成分及び塩基性成分のみならず中性成分に対し
ても高い除去能を有する触媒組成物を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、臭気成分を効率的かつ長期間
に亘り除去できる触媒組成物を提供することにある。本
発明のさらに他の目的は、硫化水素などの硫黄含有化合
物及びアンモニアなどの窒素含有化合物などの臭気成分
を、光照射の有無に拘わらず効率よく除去できる触媒組
成物を提供することにある。本発明の別の目的は、酸
性、塩基性及び中性の如何を問わず、種々の成分を長期
間に亘り効率よく除去できる脱臭方法を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討の結果、四価金属のリン酸塩と
二価金属の水酸化物とで構成された組成物を、光触媒と
組み合わせると、光照射の有無に拘わらず、高い効率で
長期間に亘り臭気成分を除去できることを見いだし、本
発明を完成した。すなわち、本発明の触媒組成物は、四
価金属のリン酸塩、二価金属の水酸化物、および光触媒
を含んでいる。前記四価金属のリン酸塩は、通常、水不
溶性リン酸塩である場合が多く、四価金属は、チタンな
どが属する周期表4A族元素などの周期表4族元素であ
ってもよい。二価金属は、銅、亜鉛などの遷移金属であ
る場合が多い。前記四価金属のリン酸塩と、二価金属の
水酸化物は、非晶質である場合が多い。前記光触媒は、
光半導体、例えば、硫化物半導体や酸化物半導体などで
構成できる。このような光触媒には酸化チタンなどが含
まれる。
【0012】前記触媒組成物は、さらに二酸化ケイ素を
含んでいてもよい。触媒組成物は、前記二酸化ケイ素と
ともに又は二酸化ケイ素を含有することなく、さらに銀
成分を含んでいてもよい。本発明の脱臭方法では、前記
触媒組成物を用いることにより、臭気成分を除去する。
なお、本明細書において、周期表の族番号は、IUPA
C(International Union of Pure and Applied Chemis
try)無機化学命名法委員会命名規則1970年版によ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。リン酸塩を形成する四価金属は、四価の金属である
限り、周期表における族は特に制限されない。四価金属
には、周期表4族元素、例えば、4A族元素(チタン、
ジルコニウム、ハフニウム、トリウムなど)、4B族元
素(ゲルマニウム、スズ、鉛など)が含まれる。これら
の金属のうち、周期表4A族元素に属する金属、例え
ば、チタン、ジルコニウム、ハフニウムや、4B族元
素、例えばスズがが好ましい。特に、チタン及びジルコ
ニウムが好ましく、スズも好ましい。
【0014】リン酸塩を構成するリン酸には、種々のリ
ン酸、例えば、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン
酸、三リン酸、四リン酸などが含まれる。リン酸はオル
トリン酸、メタリン酸またはピロリン酸である場合が多
い。また、リン酸塩にはオルトリン酸水素塩などのリン
酸水素塩も含まれる。なお、本明細書において、特に言
及しない場合、「リン酸」はオルトリン酸を意味する。
【0015】これらの四価金属のリン酸塩は、通常、水
不溶性または難溶性である。さらに、前記リン酸塩は、
結晶質塩であってもよいが、好ましくは非晶質塩であ
る。これらの四価金属リン酸塩は、単独または2種以上
組合わせて使用できる。
【0016】水酸化物を形成する二価金属は、周期表の
族の如何を問わず、二価の金属であればよい。二価金属
には、例えば、銅などの周期表1B族元素、マグネシウ
ム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどの周期
表2A族元素、亜鉛、カドミウムなどの周期表2B族元
素、クロム、モリブデンなどの周期表6A族元素、マン
ガンなどの周期表7A族元素、鉄、ルテニウム、コバル
ト、ロジウム、ニッケル、パラジウムなどの周期表8族
元素などが挙げられる。これらの二価金属の水酸化物
は、単独で使用してもよく2種又はそれ以上混合して使
用してもよい。好ましい二価金属には遷移金属、例え
ば、銅などの周期表1B族元素、亜鉛などの周期表2B
族元素、マンガンなどの周期表7A族元素、鉄、コバル
ト、ニッケルなどの周期表8族元素が含まれる。特に好
ましい二価金属には、銅、亜鉛などが含まれ、鉄、コバ
ルト、ニッケルも好ましい。これら二価金属の水酸化物
は、通常、弱酸性ないし弱アルカリ性領域(pH4〜1
0)で水不溶性または難溶性である。また、前記水酸化
物は、結晶質であってもよいが、好ましくは、非晶質で
ある。
【0017】四価金属のリン酸塩と二価金属の水酸化物
との割合は、触媒活性、臭気成分に対する吸着能や脱臭
能を損なわない範囲で選択でき、例えば、金属原子比換
算で、金属原子比(二価金属/四価金属)=0.1〜1
0、好ましくは0.2〜7、さらに好ましくは0.2〜
5程度である。なお、複数のリン酸塩及び/又は水酸化
物を組み合わせて用いる場合、それぞれの金属の総和量
に基づく金属原子比が上記範囲内であればよい。また、
四価金属のリン酸塩と二価金属の水酸化物とで構成され
た組成物は、混合ゲルなどのように、共沈などにより複
合化していてもよく、共沈で生成する非晶質な共沈組成
物が好ましい。
【0018】本発明の特色は、前記四価金属のリン酸塩
および二価金属の水酸化物で構成された組成物(以下、
単に吸着剤という場合がある)と光触媒とを組み合わせ
ている点にある。このような組合わせで構成された触媒
組成物は、高い触媒活性を示し、長期間に亘り効率よく
臭気成分などの種々の化合物を除去できる。
【0019】前記光触媒は、紫外線などの光線の照射に
より活性酸素を生成させ、多くの有害物、悪臭物を分解
し、光酸化触媒として機能するようである。そのため、
光触媒は酸化性光触媒の範疇に属する場合が多く、本発
明の触媒組成物は、酸化触媒組成物と称することもでき
る。さらに、本発明の触媒組成物は、有害物、悪臭物を
分解するだけでなく、殺藻、殺菌作用も有している。
【0020】光触媒としては、有機または無機を問わ
ず、種々の光半導体が使用できるが、無機光半導体であ
る場合が多い。光触媒としては、例えば、硫化物半導体
(CdS,ZnS,In2 3 ,PbS,Cu2 S,M
oS3 ,WS2 ,Sb3 3 ,Bi3 3 ,ZnCdS
2 など)、金属カルコゲナイト(CdSe,In2 Se
3 ,WSe3 ,HgSe,PbSe,CdTeなど)、
酸化物半導体(TiO2,ZnO,WO3 ,CdO,I
2 3 ,Ag2 O,MnO2 ,Cu2 O,Fe
2 3 ,V2 5 ,SnO2 など)などが挙げられ、硫
化物と酸化物以外の半導体として、GaAs,Si,S
e,Cd2 3 ,Zn2 3 なども含まれる。これらの
光触媒は単独で又は2種以上混合して用いてもよい。こ
れらの光触媒のうち、CdS,ZnSなどの硫化物半導
体、TiO2 ,ZnO,SnO2 ,WO3 などの酸化物
半導体が好ましく、特に酸化物半導体、例えばTiO2
などが好ましい。前記光触媒を構成する光半導体の結晶
構造は特に制限されない。例えば、TiO2 は、アナタ
ーゼ型、ブルカイト型、ルチル型、アモルファス型など
のいずれであってもよい。好ましいTiO2 には、アナ
ターゼ型酸化チタンが含まれる。
【0021】光触媒はゾルやゲル状で使用できると共に
粉粒状で使用してもよい。光触媒を粉粒状で使用する場
合、光触媒の平均粒子径は、光活性及び脱臭効率を損な
わない範囲で選択でき、例えば、0.01〜25μm、
好ましくは0.05〜10μm、さらに好ましくは0.
05〜5μm程度である。光触媒の使用量は、触媒活性
を損なわない広い範囲から選択でき、例えば、四価金属
のリン酸塩と二価金属の水酸化物との総量100重量部
に対して1〜1000重量部、好ましくは10〜750
重量部、さらに好ましくは20〜500重量部程度であ
る。四価金属のリン酸塩、二価金属の水酸化物および光
触媒で構成された触媒組成物は、前記と同様に、混合ゲ
ルなどのように共沈などにより複合化していてもよい。
【0022】触媒組成物は、さらに二酸化ケイ素を含ん
でいてもよい。二酸化ケイ素は、触媒組成物の比表面積
を増加させ、吸着容量を高める上で有用である。二酸化
ケイ素としては、例えば、二酸化ケイ素自体が高分子量
化した無機高分子、二酸化ケイ素と四価金属リン酸塩と
の複合化合物などが挙げられる。また、二酸化ケイ素は
含水二酸化ケイ素であってもよい。このような二酸化ケ
イ素は結晶質であってもよいが、非晶質であるのが好ま
しい。二酸化ケイ素の含有量は、触媒組成物の触媒活性
や吸着能が低下しない範囲で選択でき、例えば、四価金
属のリン酸塩と二価金属の水酸化物との総量に対して、
金属原子比換算で、ケイ素/(二価金属+四価金属)=
0.2〜10、好ましくは0.5〜8、さらに好ましく
は1〜7程度である。
【0023】本発明の触媒組成物は、前記二酸化ケイ素
とともに、又は二酸化ケイ素を含むことなくさらに抗菌
性金属(例えば、銀、銅、亜鉛など)、特に銀成分を含
んでいてもよい。抗菌性金属のうち銀成分を含む組成物
は高い抗菌性を有していると共に、幅広い抗菌スペクト
ルをも有している。
【0024】銀成分は、金属銀であってもよく、無機化
合物(例えば、AgCl,AgF,AgF2などのハロ
ゲン化銀、Ag2O,AgOなどの酸化物、Ag2Sなど
の硫化物、Ag2SO4,Ag2CrO4,Ag3PO4,A
2CO3,Ag2SiO3などの酸素酸塩など)であって
もよい。銀成分は、前記四価金属リン酸塩と銀との複合
化合物、二価金属水酸化物と銀との複合化合物や、二酸
化ケイ素と銀との複合化合物などの複合化合物であって
もよい。銀成分は、触媒組成物の用途によっては水可溶
性であってもよいが、水不溶性又は難溶性であるのが好
ましい。これらの銀成分は、一種又は二種以上組み合わ
せて使用できる、なお、銀成分は、慣用の方法、例え
ば、イオン交換法、共沈法などにより容易に触媒組成物
に導入できる。
【0025】銀成分の含有量は、組成物全体に対して金
属銀換算で0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜8
重量%、さらに好ましくは0.5〜7重量%程度であ
る。
【0026】本発明の触媒組成物において、四価金属の
リン酸塩と二価金属の水酸化物とは、必要により二酸化
ケイ素とともに、非晶質、特に共沈より生成する共沈物
を形成するのが好ましい。本発明の触媒組成物は、通
常、10〜1000m2 /g、好ましくは30〜100
0m2 /g、さらに好ましくは50〜1000m2 /g
程度のBET比表面積を有している。そのため、本発明
の触媒組成物は、高い吸着性を有する吸着性組成物とし
て機能すると共に、臭気成分を含めて種々の化合物(有
機化合物、無機化合物)を分解除去するための脱臭性組
成物又は消臭性組成物としても機能する。
【0027】本発明の組成物は、慣用の種々の方法によ
り得ることができる。例えば、四価金属リン酸塩、二価
金属水酸化物および光触媒を、必要に応じてさらに二酸
化ケイ素及び/又は銀成分とともに、混合することによ
り、触媒組成物を簡便に得ることができる。前記混合に
際しては、粉砕などにより得られたそれぞれの粉粒状成
分を混合してもよい。
【0028】また、本発明の触媒組成物は、四価金属イ
オン、二価金属イオンおよび光触媒に対応する成分を含
む溶液や、これらの金属イオンのうち2種以上の金属イ
オンを含む水溶液を使用して、それらの水不溶性物質の
混合沈殿物を生成させる方法によっても得ることができ
る。この方法で得られた混合沈殿物は、通常、ゲル状で
あり、乾燥により非晶質構造の混合物となる。なお、こ
の方法において、光触媒に対応する成分は、予め適切な
結晶構造に調整して水溶液に添加するのが好ましい。
【0029】四価金属イオン、二価金属イオンおよび銀
イオンを含む水溶液の調製には、各種の水溶性金属化合
物が用いられる。このような二価金属、四価金属および
銀の水溶性金属化合物としては、各種の金属塩、金属ア
ルコキシドなどが挙げられる。金属塩としては、通常の
金属塩(正塩)のほか、酸性塩、オキシ塩、さらに他の
複塩、錯塩の形態の金属塩を用いてもよい。また、金属
塩は、水溶液のpHが中性付近で不溶性の化合物であっ
ても、酸性溶液中で溶解する化合物であればよい。具体
的には、次のような化合物が挙げられる。
【0030】(1)金属のフッ化物、塩化物、臭化物、
ヨウ化物などのハロゲン化物:CoCl2 ,NiC
2 ,CuCl2 ,ZnCl2 ,FeF2 ,FeC
2 ,FeBr2 ,FeI2 ,Na2 (SnF6 ),K
2 (SnF6 ),K2 (SnCl6 ),CaCl2 ,C
rCl2 ,BaCl2 ,MgCl2 ,MnCl2 ,Ti
Cl4 ,SnCl4 ,ZrCl4 ,ThCl4 ,Thl
4 、PbCl4 ,GeCl4 など。
【0031】(2)硫酸塩、硫酸アンモニウム塩、その
他の硫酸塩(無機酸塩):FeSo4 ,CoSO4
(NH4 2 Fe(SO4 2 ,ZnSO4 ,CdSO
4 ,Ag2 SO4 ,CrSO4 ,CuSO4 ,NiSO
4 ,MgSO4 ,MnSO4 ,K2 Co(SO4 2
(NH4 2 Mn(SO4 2 ,Zr(SO4 2 ,S
n(S04 2 ,Th(SO4 2 ,Pb(S
4 2 ,Ti(SO4 2 など。
【0032】(3)硝酸塩(無機酸塩):Zn(N
3 2 ,Co(NO3 2 ,Cd(NO3 2 ,Ca
(NO3 2,AgNO3 ,Fe(NO3 2 、Cu
(NO3 2 ,Ni(NO3 2 ,Ba(NO3 2
Mn(NO2 2 ,Zr(NO3 4 ,Ti(NO3
4 ,Sn(NO3 4 ,Th(NO3 4 など。
【0033】(4)塩素酸塩、過塩素酸塩、チオシアン
酸塩、ジアンミン銀硫酸塩、ジアミン銀硝酸塩、クロム
酸塩等のその他の各種無機酸塩:Zn(ClO3 2
Ca(ClO3 2 ,Ag(ClO3 ),Ba(ClO
3 2 ,Ca(ClO4 2 ,AgClO4 ,Fe(C
lO4 2 ,Ni(ClO4 2 ,Ba(Cl
4 2 ,Mg(ClO4 2 ,Co(ClO4 2
Zn(SCN)2 ,Ca(SCN)2 ,CaCrO4
AgCrO4 ,Ag2 CO3 など。
【0034】(5)酢酸塩、ギ酸塩、シュウ酸塩などの
有機酸塩:(CH3 CO2 2 Zn,(CH3 CO2
4 Zr,C2 4 Co,(CH3CO2 2 Co,(C
3 CO2 2 Fe,(CH3 CO2 )Cu,(CH3
CO2 2 Ni,(CH3 CO2 2 Ba,(CH3
2 2 Mg,(CH3 CO2 )Ag,(C2 4 2
Thなど。
【0035】(6)オキシ金属塩(ハロゲン化物、無機
酸塩、有機酸塩の形態のオキシ金属塩):ZrOC
2 ,ZrOSO4 ,ThOCl2 ,TiOSO4 ,Z
rO(NO32 ,ZrOCO3 ,(NH4 2 ZrO
(CO3 2 ,ZrO(CH3 CO22 など。
【0036】(7)金属アルコキシド類;Zr(OCH
3 4 ,Ti(OCH3 4 ,Zr(OC254 ,T
i(OC254 などのC1-6アルコキシド。
【0037】これらの金属化合物のうち、無機酸塩、特
に硫酸塩や硝酸塩などの強酸塩を用いる場合が多い。よ
り具体的には、FeSO4 ,Ti(SO4 2 ,ZnS
4,CuSO4 ,AgNO3 ,Cu(NO3 2 など
を用いる場合が多い。なお、四価金属化合物のうちチタ
ン化合物やジルコニウム化合物としては、オキシ金属塩
を用いる場合が多く、このような化合物には、例えば、
ZrOCl2 ,ZrOSO4 ,TiOSO4 などが含ま
れる。
【0038】光触媒の調製も慣用の方法、例えば、光触
媒に対応する金属イオンを含有する水溶液から調製する
方法、金属アルコキシドから調製する方法、高温で酸化
させる気相法などに従って行うことができる。
【0039】光触媒の製造に際しては、触媒に対応する
成分を含む化合物を用いることができる。酸化チタンを
例にとって説明すると、このような成分としては、例え
ば、TiCl4 ,TiF4 ,TiBr4 などのハロゲン
化チタン,Ti(SO4 2,TiOSO4 などの硫酸
塩,(CH3O)4Ti,(C2 5 O)4 Ti,[CH
3 (CH2 2 O]4 Ti,[(CH3 2 CHO]4
Ti,[CH3 (CH2 3 O]4 Ti,[(CH3
2 CHCH2 O]4 TiなどのC1-6アルコキシチタン
などが使用できる。また、予め調製された酸化チタンゾ
ルなどを用いてもよい。
【0040】二酸化ケイ素のためのケイ酸イオンの供給
源である水可溶性ケイ酸塩化合物としては、ケイ酸ナト
リウム,ケイ酸カリウムなどのケイ酸のアルカリ金属
塩、ケイ酸カルシウム,ケイ酸バリウム等のケイ酸のア
ルカリ土類金属塩、ケイ酸アンモニウムなどが例示され
る。また、二酸化ケイ素は水可溶性である必要はなく、
例えば、二酸化ケイ素のキセロゲル(シリカゲル)、ヒ
ドロゾルやヒドロゲルを原料として使用することも可能
である。ケイ酸イオン源としては、通常、アルカリ性ケ
イ酸塩、好ましくはケイ酸アルカリ金属塩、ヒドロゾ
ル、ヒドロゲルが使用され、特にケイ酸ナトリウムは価
格、取り扱い性などの点で好ましい。
【0041】四価金属のリン酸塩および二価金属の水酸
化物を生成するには、四価金属のリン酸塩と二価金属イ
オンとの共存下に二価金属の水酸化物を生成させればよ
い。例えば、(i)四価金属イオンおよび二価金属イオ
ンが共存する水溶液中で四価金属のリン酸塩を生成し、
次いで二価金属の水酸化物を生成してもよく、また、
(ii)二価金属イオンを含有しない水溶液中で予め四価
金属のリン酸塩を生成した後、二価金属イオンを含む水
溶液を加え、二価金属の水酸化物を生成させてもよい。
【0042】前記(i)の方法において、四価金属イオ
ン及び二価金属イオンが共存する水溶液を用いて組成物
を生成させる場合、四価金属化合物および二価金属化合
物を含む水溶液を撹拌しながら二価金属の不溶性水酸化
物の生成を抑制しつつ、リン酸またはリン酸塩を添加し
て四価金属のリン酸塩の沈殿物を生成させればよい。こ
の方法において、前記四価金属化合物および二価金属化
合物を含む水溶液のpHは、通常、酸性域、例えば、p
H0〜6(好ましくは0〜4)程度であり、必要であれ
ば二価金属水酸化物の生成を抑制するため、酸を添加し
て酸性域、例えばpH4以下に調整し、リン酸又はリン
酸塩を添加してもよい。
【0043】前記水溶液のpHを調整する場合、適当な
アルカリや酸を使用できる。アルカリとしては、例え
ば、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物(水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムな
ど)やアンモニアなどの無機塩基、トリメチルアミン、
トリエチルアミン、トリエタノールアミンなどの有機塩
基が使用できる。酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫
酸などの無機酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ
酢酸、ギ酸、シュウ酸などの有機酸が使用できる。
【0044】不溶性リン酸塩の生成に用いられるリン酸
又はリン酸塩としては、例えば、オルトリン酸、メタリ
ン酸、ピロリン酸、およびそれらのアルカリ金属塩(例
えば、ナトリウム塩、カリウム塩など)やアンモニウム
塩などが例示される。より具体的には、リン酸塩には、
例えば、第一リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウ
ム、第三リン酸ナトリウム[以下、これらを単にリン酸
ナトリウム(第1,第2及び第3)として示す]、リン
酸カリウム(第1,第2及び第3)、リン酸アンモニウ
ム(第1,第2及第3)、メタリン酸ナトリウム、メタ
リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カ
リウムなどが含まれる。
【0045】前記(i)の方法において、通常、生成し
た四価金属のリン酸塩を熟成などにより十分に析出させ
る場合が多い。熟成法には、慣用の方法、例えば、室温
で長時間放置する方法、100℃以下に加温した状態で
長時間放置する方法、加熱還流する方法などが利用でき
る。
【0046】熟成終了後、アルカリの添加によりpHを
中性域、例えば、pH4〜12に調整すると、二価金属
の水酸化物を生成させることができる。なお、上記水酸
化物の生成は、アルカリと、熟成終了後の四価金属のリ
ン酸塩と二価金属イオンを含む液とを中性域、例えば、
pH4〜12の範囲で、並行して液中へ添加することに
より行ってもよい。前記のようなpH域では、二価金属
の水酸化物からなる沈殿物が生成し、生成した水酸化物
の沈殿物と四価金属の不溶性リン酸塩の沈殿物とが沈澱
又析出混合物又は共沈混合物として生成する。二価金属
の水酸化物の生成において、常温での反応が遅い場合に
は反応系を加温してもよい。また、必要に応じて加圧下
に100℃以上の温度で反応させてもよい。また、撹拌
は空気を用いたバブリングにより行ってもよい。
【0047】前記(ii)の方法において、四価金属のリ
ン酸塩の沈殿物と二価金属の水酸化物とは、上記(i)
の方法に準じて生成させることができる。すなわち、前
記四価金属イオンを含み二価金属イオンを含まない水溶
液にリン酸またはリン酸塩を添加して予めリン酸塩を生
成させる。生成したリン酸塩を必要により熟成した後、
必要によりpHを酸性域、例えばpH4以下に調整し、
二価金属イオンを含む水溶液(例えば、金属塩を含有す
る水溶液)を添加して混合し、前記と同様にpHを中性
域、例えばpH4以上に調整することにより混合沈殿物
を生成させてもよい。この方法では、四価金属のリン酸
塩の熟成は比較的短時間であってもよい。
【0048】光触媒は、四価金属のリン酸塩および二価
金属の水酸化物を生成させる反応系に、例えば、粉粒状
で添加していてもよく、前記四価金属のリン酸塩及び/
又は二価金属の水酸化物を生成させた後、反応系又は生
成した沈殿物に添加してもよい。
【0049】さらに、光触媒は、四価金属のリン酸塩及
び/又は二価金属の水酸化物の生成とともに同時に生成
させてもよい。光触媒の生成には、上記(i)及び(i
i)の方法が利用できる。例えば、酸化チタンを生成さ
せる場合、塩化チタンなどのハロゲン化チタン、無機酸
塩(例えば、硫酸チタンなど硫酸塩)やアルコキシドを
必要に応じて前記反応系に添加し、反応系のpHを中性
又はアルカリ性、例えば、pH6〜12程度に調整する
ことにより生成させることができる。
【0050】二酸化ケイ素を含む組成物を調製する場合
には、前記沈殿物生成反応の少なくともいずれか1つの
工程で、二酸化ケイ素及び/又はケイ酸イオン種を添加
してもよく、生成した沈殿物と二酸化ケイ素と混合して
もよい。なお、前記沈殿物の生成とともに二酸化ケイ素
を生成させる場合、アルカリ性ケイ酸塩溶液(例えば、
ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムなど)を用いる場
合、アルカリのかわりに用いることができる。ケイ酸イ
オン種を用いる場合、二価金属の水酸化物の生成ととも
に、中性域、例えば、pH4〜12程度に調整すると、
反応系で含水二酸化ケイ素を生成させることができる。
【0051】さらに銀成分に関し、前記二酸化ケイ素と
同様に、沈殿物生成反応の少なくとも1つの工程で銀成
分、例えば、銀の水不溶性化合物及び/又は銀イオン種
を添加することにより銀成分を含む触媒組成物を得るこ
とができる。また、銀イオンなどの銀成分は、イオン交
換法、含浸法などの慣用の方法により、前記リン酸塩、
水酸化物、二酸化ケイ素やこれらの成分の少なくとも一
種又は二種以上の成分に容易に担持できる。
【0052】このようにして得られた沈殿物は、必要に
応じて慣用の方法により精製してもよい。例えば、前記
混合沈殿物などの沈殿物を含む反応液を濾過し、温水又
は水などの洗浄溶媒を用いて洗浄し、金属塩のアニオン
種などの不純物を除去し、乾燥することにより、精製し
た触媒組成物を得ることができる。
【0053】前記濾過は、濾紙や濾布などを用い、常温
常圧下、減圧下又は加圧下で行うことができ、遠心分離
法、真空濾過法などを利用して行ってもよい。また、洗
浄に際しては、傾斜洗浄法などを利用してもよい。
【0054】前記乾燥操作は、慣用の方法、例えば、風
乾で行ってもよく、触媒組成物の分解温度未満の温度、
例えば、約400℃以下、好ましくは200℃以下の温
度に加熱した加温下で行ってもよい。
【0055】本発明の触媒組成物は、光を照射しなくて
も、硫化水素などの硫黄含有化合物や、脂肪酸などの酸
性臭気成分やアンモニア、アミン類などの窒素含有化合
物などのアルカリ性臭気成分を効果的に消臭する。さら
に、光照射下においては触媒組成物の高い吸着作用と光
触媒作用との相乗効果により、酸性臭気成分、アルカリ
性臭気成分の脱臭/消臭性を高めることができるだけで
なく、ホルマリン、アルデヒド類などの中性臭気成分に
対しても高い脱臭効果を示す。さらに、光触媒の作用に
より生成した酸化生成物(例えば、アセトアルデヒドの
場合、酢酸が生成する)は、触媒組成物に吸着されるの
で、臭気成分が放出することはなく、脱臭効率が高い。
しかも、光触媒による分解作用により脱臭効果も長時間
に亘り維持できる。
【0056】そのため、アンモニアなどの塩基性成分、
酢酸などの酸性成分、アセトアルデヒドなどの中性成分
などの多くの臭気成分を含むたばこ臭を速やかに長期に
亘り分解し、無臭化できるとともに、家具や新建材など
から発生するホルマリン、アセトアルデヒドなどのアル
デヒド類の除去及び脱臭に対しても有効である。
【0057】さらに、抗菌性金属成分を含む組成物は抗
菌作用を利用して、通常の抗菌用途に利用できる。特
に、銀の水不溶性化合物を含有する組成物は脱臭機能と
抗菌機能を併せ持っているので、微生物の繁殖を抑制
し、悪臭を発生を防ぐと共に、臭気成分をも吸着除去で
きる。
【0058】そのため、本発明の方法では、四価金属の
リン酸塩、二価金属の水酸化物、および光触媒を含む触
媒組成物を用いて、臭気成分を除去する。すなわち、前
記触媒組成物に臭気成分を接触させることにより、酸性
臭気成分、塩基性臭気成分及び中性の臭気成分を吸着、
分解作用により効率よく除去したり、他の化合物、特に
酸化化合物に転換できる。しかも、触媒組成物の吸着能
により、分解により生成した化合物が触媒組成物から脱
離することがない。特に、光照射下で臭気成分を含む流
体(特に気体)を処理すると、脱臭効率を向上できるだ
けでなく、高い脱臭能を長期間に亘り維持できる。
【0059】光照射においては、光触媒に応じた波長の
光線が利用できる。この光線の波長は、光触媒を励起す
る波長であればよいが、通常、紫外線又は紫外線を含む
光線である場合が多い。光触媒として酸化チタンを用い
た場合、太陽光や蛍光灯の光でも十分その触媒機能を有
効に働かせることができる。なお、光照射は、通常、酸
素、空気などの酸素含有気体の存在下で行われる。
【0060】本発明の方法において、触媒組成物は、そ
のまま吸着剤、脱臭剤や消臭剤などとして用いてもよ
く、粉砕などにより粉粒化して用いてもよい。粉粒化し
た粉粒体は造粒し、球状、顆粒、ペレット状など適当な
形状に成形してもよい。また、必要に応じてバインダー
を用いて、ハニカム状、薄板状、フィルム状、シート
状、繊維状などの形状に成形してもよい。触媒組成物を
含有するハニカム構造体は、空気清浄機、エアコンディ
ショナーや脱臭装置に装着して使用することも可能であ
る。
【0061】さらに、ハニカム、薄板、フィルム、シー
トなどの成形品、紙、織布、不織布などの基材に、必要
に応じてバインダーを併用し、前記触媒組成物をコーテ
ィング、含浸などにより保持させてもよい。例えば、粉
粒状の触媒組成物は、紙に漉き込んでもよく、紙や板状
物を被覆してもよく、織布、不繊布などの袋やコルゲー
ト加工した成形品に保持させてもよい。また、一般の塗
料に添加して、種々の基材に塗布して用いることもでき
る。
【0062】さらに、粉粒状の触媒組成物は、高分子と
混練し種々の成形品に加工することにより担持させるこ
とが可能である。例えば、高分子と触媒組成物とを含む
組成物を高分子フィルム、シート、合成繊維などに成形
加工し、複合化してもよい。高分子と触媒組成物との混
練及び混練組成物の成形は、慣用の方法で行うことがで
きる。合成高分子と触媒組成物との混練温度は、合成高
分子の種類に応じて選択でき、例えば、100〜400
℃、好ましくは150〜350℃程度であり、フィルム
成形は、例えば、押出し成形、ブロー成形、流延法な
ど、合成繊維は乾式又は湿式紡糸法などにより成形でき
る。また、成形品は、射出成形、押出し成形、圧縮成形
などの方法で得ることができる。本発明の触媒組成物は
耐熱性および安定性が高いので、前記成形工程に供して
も触媒活性の低下を抑制でき、高温下でも高い触媒活
性、脱臭、消臭能を維持できる。
【0063】なお、高分子としては、特に制限されず、
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレ
フィン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニルなどのビニル
系ポリマー、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリエス
テル、ポリアミド、ポリウレタンなどの熱可塑性樹脂、
エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、
不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂、エンジニアリ
ングプラスチック、セルロース系樹脂などが例示でき
る。
【0064】このように、本発明の触媒組成物は、種々
の形状に成形加工できるため、脱臭や消臭が必要とされ
る種々の製品、例えば、繊維、織布、不織布、カーペッ
ト、カーテン、椅子などの布張り用生地、布団、衣服
類、毛布、合成綿、タオル、パンティーストッキングな
どの下着類、おむつ、靴下、手袋、などの繊維製品、靴
のインソール、空気清浄機やエアコンディショナーのフ
ィルター、防具などのスポーツ用品、生理用品、壁紙、
フィルムやシート、合成樹脂製の風呂桶や台所用品など
に適用できる。特に本発明の組成物を含有したカーテ
ン、椅子の布張り、壁紙を使用すると、室内のたばこ
臭、その他の悪臭を脱臭することができる。
【0065】また、触媒組成物のうち、抗菌性を有する
触媒組成物は、脱臭、消臭に加えて、例えば、防菌、防
虫、防ダニなどの広い用途に利用でき、例えば、クーリ
ングタワーの冷却水や水溶性切硝油などのように、循環
して使用される用水の腐敗を防止する上でも有効であ
る。特に本発明の組成物をハニカム構造体に成形する
と、循環水などの処理水がハニカム構造体のハニカムセ
ル孔を通過させることができるので、処理水の防菌や防
臭を効率よく行うことができる。
【0066】本発明の触媒組成物は、トイレ、冷蔵庫、
生ゴミなどから発生する生活悪臭の除去、病院、ホテル
などにおける脱臭及び殺菌、自動車から排出されるNO
xなどの処理、家畜などの動物飼育場、汚水処理場や上
水道における有害物や臭気成分の分解、魚類飼育場や湖
水・ダムにおける殺藻・殺菌・吸着、貯水タンク、プー
ルや風呂における殺菌、港湾などにおける漏出原油の分
解、半導体工場などから排出されるトリクロロエタンな
どのハロゲン化炭化水素の分解、ゴルフ場からの排水に
含まれる農薬の分解、化学工場などから発生する産業悪
臭の除去などの種々の用途に利用できる。
【0067】
【発明の効果】本発明の触媒組成物は、四価金属のリン
酸塩及び二価金属の水酸化物で構成された特定の成分と
光触媒とを組み合わせているため、酸性成分及び塩基性
成分のみならず中性成分に対しても高い除去能を有す
る。また、臭気成分を効率的かつ長期間に亘り除去でき
る。さらに、硫化水素などの酸性成分及びアンモニアな
どの塩基性成分を光照射の有無に拘わらず効率よく除去
できる。
【0068】本発明の方法では、前記触媒組成物を用い
るので、酸性、塩基性及び中性の如何を問わず、種々の
成分を長期間に亘り効率よく除去できる。
【0069】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0070】実施例1 Cu(II)−Ti(IV)−SiO2 −TiO2 組成物 硫酸銅の結晶(CuSO4 ・5H2 O、和光純薬製試薬
特級)43.9gを蒸留水1リットルに溶解し、得られ
た水溶液に硫酸チタン溶液(約30重量%濃度、和光純
薬製試薬)60gを添加した。この混合液は、Cu(I
I)0.175モル、Ti(IV)イオン0.075モル
を含んでいる。前記混合液のpHは約1であった。室温
下で混合液を撹拌しながら15重量%のリン酸溶液約1
10gを滴下したところ、白色沈殿物が生成した。沈殿
物が生成した混合液をそのまま一昼夜撹拌した。
【0071】上記沈殿物を含有する液(A液)とケイ酸
ナトリウムを含む水溶液(B液)471gとを別々のビ
ーカー中で撹拌しながら、蒸留水500mlを入れた容
器中へ並行して滴下したところ、Cu(II)−Ti(I
V)−SiO2 を含む青白色の混合沈殿物が生成した。
A液とB液との混合時のpHは常に約7.0となるよう
にA液とB液の滴下量を調節した。なお、B液は、ケイ
酸ナトリウム(和光純薬製試薬)を蒸留水で30重量%
に希釈し(SiO2 として0.86モル含有)、15重
量%の水酸化ナトリウム水溶液30mlを添加すること
により調製した。A液とB液との混合液を、室温下、さ
らに2時間撹拌した後、青白色合沈殿物を吸引濾過し、
加温した脱イオン水で十分洗浄した後、40℃で乾燥し
た。乾燥物を乳鉢で120μm以下に粉砕し、Cu(I
I)−Ti(IV)−SiO2 を含む青白色の粉末を得
た。得られた青白色粉末80重量部に対して酸化チタン
粉末(石原産業(株)製,MC−90)20重量部を混
合し、触媒組成物を調製した。
【0072】実施例2 実施例1で得られた青白色粉末50重量部に対して、実
施例1で用いた酸化チタン粉末50重量部を混合する以
外、実施例1と同様にして、触媒組成物を調製した。
【0073】実施例3 Cu(II)−Ti(IV)−SiO2 −TiO2 組成物 硫酸銅の結晶(CuSO4 ・5H2 O、和光純薬製試薬
特級)43.9gを蒸留水1リットルに溶解し、得られ
た水溶液に硫酸チタン溶液(約30重量%濃度、和光純
薬製試薬)60.0gを添加した。この混合液には、
0.175モルのCu(II)イオン、0.075モルの
Ti(IV)イオンが含まれている。得られた混合液のp
Hは約1であった。前記混合液をさらに室温下で撹拌し
ながら15重量%のリン酸溶液約110gを滴下すると
白色沈殿物が生成した。沈殿物を含む混合液をさらに一
昼夜撹拌した。上記沈殿物を含む混合液(A液)と、ケ
イ酸ナトリウムを含む水溶液(B液)471gとを別々
のビーカー中で撹拌しながら、蒸留水500mlを入れ
た容器中へ並行して滴下したところ、Cu(II)−Ti
(IV)−SiO2 を含む青白色の混合沈殿物が生成した
(C液)。なお、混合時のpHは常に7.0となるよう
に滴下量を調節した。また、B液は、ケイ酸ナトリウム
水溶液(和光純薬製試薬)を蒸留水にて30重量%に希
釈し(SiO2 として0.86モル)、15重量%の水
酸化ナトリウム水溶液30mlを添加することにより調
製した。一方、酸化チタンゾル(石原産業(株)製,C
S−N,TiO2 として30重量%含有)80gと純水
500mlとの混合液に水酸化ナトリウム水溶液を撹拌
しながらpH7になるまで滴下した(D液)。そして、
前記C液とD液とを撹拌下で30分間混合し、沈殿物を
吸引濾別し、、温脱イオン水で十分洗浄した後、40℃
で乾燥した。乾燥物を乳鉢で120μm以下に粉砕する
ことにより、Cu(II)−Ti(IV)−SiO2 −Ti
2 を含む青白色の触媒組成物粉末を得た。
【0074】実施例4 酸化チタンゾルの使用量を320gとする以外、実施例
3と同様にして触媒組成物粉末を得た。
【0075】実施例5 Zn(II)−Ti(IV)−SiO2 −TiO2 組成物 蒸留水1リットルに硫酸チタン溶液(約30g重量%濃
度、和光純薬製試薬)60.0gを添加した。この混合
液は、0.075モルのTi(IV)イオンを含んでい
る。この混合液に、室温下、撹拌しながら15重量%の
リン酸溶液約98gを滴下したところ、白色沈殿物が生
成した。白色沈殿物が生成した混合液を2時間撹拌し
た。白色沈殿物を含む混合液に、硫酸亜鉛の結晶(Zn
SO4 ・7H2O,和光純薬製試薬特級)50.3gを
添加して溶解した。この溶液は、0.175モルのZn
(II)イオンを含んでいる。得られた水溶液に、ケイ酸
ナトリウム水溶液(和光純薬製試薬のケイ酸ナトリウム
を蒸留水にて30重量%に希釈して調製した)471g
を室温下、撹拌しながら滴下した後、さらに15%水酸
化ナトリウム溶液をpH7.0になるまで滴下した。な
お、水酸化ナトリウムの滴下に際し、pHが低下した場
合には、さらに水酸化ナトリウム溶液を添加することに
より、pHを約7.0に保持した。pHの低下が認めら
れなくなるまで撹拌を続けると、Zn(II)−Ti(I
V)−SiO2 を含む白色の混合沈殿物が生成した(A
液)。
【0076】A液に、四塩化チタン(和光純薬製試薬特
級)56gを滴下するとともに、15重量%の水酸化ナ
トリウム水溶液をpH7.0になるまで滴下したとこ
ろ、酸化チタンの沈殿物が生成した。生成した沈殿物を
吸引濾別し、温脱イオン水で十分洗浄した後、40℃で
乾燥し、乾燥物を乳鉢で120μm以下に粉砕すること
により、Zn(II)−Ti(IV)−SiO2 −TiO2
を含む白色の触媒組成物粉末を得た。
【0077】実施例6 Zn(II)−Ti(IV)−TiO2 組成物 硫酸チタン溶液(約30g重量%濃度、和光純薬製試
薬)43.7gを水25.8gに添加した。この水溶液
は、0.055モルのTi(IV)イオンを含んでいる。
この水溶液に室温下、撹拌しながら15重量%のリン酸
水溶液約53.6gを滴下したところ、白色沈殿物が生
成した。白色沈殿物が生成した混合液をそのまま2時間
撹拌した。前記白色沈殿物を含む混合液に硫酸亜鉛の結
晶(ZnSO4 ・7H2O,和光純薬製試薬特級)6.
75gを添加して溶解した。この混合液は、0.023
モルのZn(II)イオンを含んでいる。得られた混合液
に、15%水酸化ナトリウム溶液をpHが7.0となる
まで滴下した。なお、水酸化ナトリウムの滴下に際し
て、pHが低下した場合には、さらに水酸化ナトリウム
溶液を添加し、pHを約7.0に保持した。pHの低下
が認められなくなるまで撹拌を続けると、Zn(II)−
Ti(IV)を含む白色沈殿物が生成した。生成した白色
沈殿物を吸引濾別し、温脱イオン水で十分洗浄した後、
40℃で乾燥し、乾燥物を乳鉢で120μm以下に粉砕
することにより、Zn(II)−Ti(IV)を含む白色粉
末を得た。Zn(II)−Ti(IV)を含む白色粉末70
重量部に対して酸化チタン粉末(石原産業(株)製,M
C−90)30重量部を混合し、得られた混合物をジェ
ットミル粉砕機に供給し、粉砕することによりさらに微
粉末とし、Zn(II)−Ti(IV)−TiO2 を含む触
媒組成物の微粉末を得た。得られた微粉末の平均粒径は
5μmであった。
【0078】実施例7 Cu(II)−Ti(IV)−TiO2 組成物 硫酸亜鉛ZnSO4 ・7H2 Oに代えて硫酸銅CuSO
4 ・5H2 O 5.74g(Cu(II)として0.02
3モル)を用いる以外、実施例6と同様にしてCu(I
I)−Ti(IV)−TiO2 を含む触媒組成物の微粉末
を得た。
【0079】実施例8 Ag(I)−Zn(II)−Ti(IV)−TiO2 組成物 硫酸亜鉛の結晶(ZnSO4 ・7H2 O,和光純薬製試
薬特級)34.5g及び硝酸銀結晶(AgNO3,和光
純薬製試薬特級)6.8gを蒸留水1リットルに溶解
し、この水溶液に硫酸チタン溶液(約30g重量%濃
度、和光純薬製試薬特級)192.0gを添加し、pH
約1の混合液を調製した。この混合液は、0.04モル
のAg(I)イオン、0.12モルのZn(II)イオ
ン、0.24モルのTi(IV)イオンを含んでいる。前
記混合液に室温下、撹拌しながら15重量%のリン酸溶
液約330gを滴下したところ、白色沈殿物が生成し
た。白色沈殿物が生成した混合液をそのまま室温下、一
昼夜撹拌し、白色沈殿物を含有する混合液に、15重量
%の水酸化ナトリウム溶液を、室温下にて撹拌しなが
ら、pH7.0になるまで滴下すると、さらに白色沈殿
物が生成した。さらに、室温下で撹拌を継続し、pHが
低下した場合には、さらに水酸化ナトリウム溶液(15
重量%)を添加することにより、pHを7.0に保持し
た。pHの低下が認められなくなるまで撹拌を継続する
と、Ag(I)−Zn(II)−Ti(IV)を含む白色混
合沈殿物が生成した(A液)。
【0080】次いで、A液に、酸化チタンゾル(石原産
業(株)製,CS−N,TiO2として30重量%含
有)320gを滴下するとともに、並行して15重量%
の水酸化ナトリウム溶液をpH7に保持するように滴下
したところ、Ag(I)−Zn(II)−Ti(IV)−T
iO2の混合沈殿物が生成した。生成した白色沈殿物を
吸引濾別し、温脱イオン水で十分洗浄した後、40℃で
乾燥し、乾燥粉末を乳鉢で120μm以下に粉砕するこ
とにより、Ag(I)−Zn(II)−Ti(IV)−Ti
2を含む白色の触媒組成物の粉末を得た。
【0081】実施例9 −シートの作製− 水10リットルに、パルプ100gおよび実施例3で得
られた触媒組成物粉末35gを均一に混合して分散し、
カチオン化澱粉0.7g、ポリアクリルアミド0.03
gを添加し、かゆ状のパルプスラリーを標準手抄き機で
抄紙して乾燥し、シート(触媒組成物含有量=25重量
%,紙重量(目付量)=140g/m2)を得た。得ら
れたシートは淡青色であった。
【0082】実施例10 −布の作製− 水200リットルに実施例3で得られた触媒組成物の粉
末20gを均一に混合して分散させ、この分散液をシャ
ーレに移し、木綿布(10cm×10cm,2.7g)
を10分間浸漬した。木綿布を引き上げ、100℃で4
時間乾燥することにより、触媒組成物の粉末を保持する
布を作製した(触媒組成物含有量=0.14g)。
【0083】比較例1 酸化チタン粉末(石原産業(株)製,MC−90)を用
いた。
【0084】比較例2 シリカ粉末(二酸化ケイ素:和光純薬製試薬特級)80
gと酸化チタン粉末(石原産業製,MC−90)20g
とを乳鉢で混合し、シリカ−酸化チタン混合粉末を得
た。
【0085】比較例3 アルミナ(酸化アルミニウム:和光純薬製試薬特級)8
0gと酸化チタン粉末(石原産業製,MC−90)20
gとを乳鉢で混合し、アルミナ−酸化チタン混合粉末を
得た。そして、実施例及び比較例で得られた粉末の臭気
成分に対する除去能を硫化水素、アンモニアおよびアセ
トアルデヒドについてそれぞれ次のようにして測定し
た。乾燥した触媒組成物の粉末100mgをガラス製シ
ャーレに入れ、容量1リットルのテドラーバッグに入れ
密封した。次いで、シリンジを用いて、空気と臭気成分
(硫化水素、アンモニアおよびアセトアルデヒド)とを
テドラーバッグ内へ初期濃度が100ppm、ガス量1
リットルとなるように注入する。遮光下の試験ではテド
ラーバッグを暗室に静置し、光照射下の実験では27W
の白色蛍光灯から15cm離してテドラーバッグを静置
した。ガスを注入してから一定時間経過後、テドラーバ
ッグ内のガスをマイクロシリンジでサンプリングし、ガ
スクロマトグラフィー((株)島津製作所製,GC−1
4A型)で、ガス濃度を測定し、除去率を求めた。結果
を表1に示す。
【0086】
【表1】 表1より明らかなように、実施例で得られた触媒組成物
を用いると、塩基性臭気成分及び酸性臭気成分に対して
遮光下でも臭気成分を除去できるとともに、光照射によ
り、中性臭気成分も効率よく除去できる。
【0087】なお、比較例において、硫化水素を含むガ
スについて60分間光照射した後、臭いを嗅いだとこ
ろ、比較例1〜3では、甘酸っぱい臭いが残っていた。
また、アセトアルデヒドを含むガスについて5時間光照
射した後、臭いを嗅いだところ、比較例1〜3では、ア
セトアルデヒドとは異なる臭気が残存していた。
【0088】参考までに、実施例2及び比較例1におけ
るガスクロマトグラフィーの測定結果を図1に示す。図
1において、比較例1では、リテンションタイム3分程
度でアセトアルデヒドの分解生成物であると思われる成
分のピークおよびリテンションタイム11分程度のとこ
ろに酢酸と思われるピークが認められた。比較例2及び
3でも同様のピークが認められた。
【0089】実施例11 −シートの作製− 実施例6で得られた触媒組成物粉末2gを、15gのア
クリル酸エステルエマルジョン(ウルトラゾールTMN−
28;武田薬品工業(株)製;固形分45重量%)中に
添加し、10分間撹拌、混合した。次に、はけを用いて
濾紙に(東洋濾紙(株)製:ADVANTEC−10
1)にこの溶液を塗布し、乾燥させ、シート(触媒組成
物含有量=15重量%)を得た。
【0090】実施例12 −ハニカムの作製− 実施例1で得られた触媒組成物粉末700gに、木節粘
土300g、成形助剤(ビオポリーTM;武田薬品工業
(株)製)50gおよび水を600g加え、混練機を用
いて2時間混練し、押出し成形用混練物を得た。次に、
この混練物を押出し成形機(本田鉄工(株)製:DE−
35型)を用いて、30mm×30mm角のハニカム状
成形物(300セル/平方インチ)に成形した。この成
形物を40mmの長さに切断し、シャーレに入れ、ふた
をしたまま120℃で一晩乾燥し、ハニカム状成形物を
得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例2およひ比較例1におけるガス
クロマトグラフィーの結果を示すチャートである。

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 四価金属のリン酸塩、二価金属の水酸化
    物、および光触媒を含む触媒組成物。
  2. 【請求項2】 四価金属が周期表4族元素である請求項
    1記載の触媒組成物。
  3. 【請求項3】 四価金属が周期表4A族元素である請求
    項1記載の触媒組成物。
  4. 【請求項4】 四価金属が、チタン、ジルコニウム、ハ
    フニウム及び錫からなる群より選ばれた少なくとも一種
    である請求項1記載の触媒組成物。
  5. 【請求項5】 四価金属がチタンである請求項1記載の
    触媒組成物。
  6. 【請求項6】 二価金属が遷移金属である請求項1記載
    の触媒組成物。
  7. 【請求項7】 二価の遷移金属が、銅、亜鉛、鉄、コバ
    ルト及びニッケルからなる群より選ばれた少くとも一種
    である請求項6記載の触媒組成物。
  8. 【請求項8】 二価の遷移金属が銅及び/又は亜鉛であ
    る請求項6記載の触媒組成物。
  9. 【請求項9】 光触媒が光半導体である請求項1記載の
    触媒組成物。
  10. 【請求項10】 光触媒が硫化物半導体又は酸化物半導
    体である請求項1記載の触媒組成物。
  11. 【請求項11】 光触媒が光照射によって酸化能を発現
    する光酸化触媒である請求項1記載の触媒組成物。
  12. 【請求項12】 光触媒が酸化チタンである請求項1記
    載の触媒組成物。
  13. 【請求項13】 四価金属のリン酸塩と、二価金属の水
    酸化物との割合が、金属原子比換算で、二価金属/四価
    金属=0.1〜10である請求項1記載の触媒組成物。
  14. 【請求項14】 四価金属のリン酸塩と二価金属の水酸
    化物との総量100重量部に対する光触媒の割合が1〜
    1000重量部である請求項1記載の触媒組成物。
  15. 【請求項15】 四価金属のリン酸塩と二価金属の水酸
    化物との割合が、金属原子比換算で、二価金属/四価金
    属=0.2〜7であり、四価金属のリン酸塩と二価金属
    の水酸化物との総量100重量部に対する光触媒の割合
    が10〜750である請求項1記載の触媒組成物。
  16. 【請求項16】 四価金属のリン酸塩および二価金属の
    水酸化物が非晶質である請求項1記載の触媒組成物。
  17. 【請求項17】 BET比表面積が10〜1000m2
    /gである請求項1記載の触媒組成物。
  18. 【請求項18】 四価金属のリン酸塩と二価金属の水酸
    化物とで構成される共沈物を含む請求項1記載の触媒組
    成物。
  19. 【請求項19】 周期表4A族元素のリン酸塩、二価金
    属の水酸化物、および酸化チタンを含み、四価金属のリ
    ン酸塩と、二価金属の水酸化物との割合が、金属原子比
    換算で、二価金属/四価金属=0.2〜7であり、四価
    金属のリン酸塩と二価金属の水酸化物との総量100重
    量部に対する酸化チタンの割合が10〜750重量部で
    ある請求項1記載の触媒組成物。
  20. 【請求項20】 さらに二酸化ケイ素を含む請求項1記
    載の触媒組成物。
  21. 【請求項21】 四価金属のリン酸塩と二価金属の水酸
    化物との総量に対する二酸化ケイ素の含有量が、金属原
    子比換算で、ケイ素/(二価金属+四価金属)=0.2
    〜10である請求項20記載の触媒組成物。
  22. 【請求項22】 四価金属のリン酸塩と二価金属の水酸
    化物との総量に対して、金属原子比換算で、ケイ素/
    (二価金属+四価金属)=0.5〜8の割合で二酸化ケ
    イ素を含む請求項20記載の触媒組成物。
  23. 【請求項23】 四価金属のリン酸塩と二価金属の水酸
    化物と二酸化ケイ素とで構成される共沈物を含む請求項
    20記載の触媒組成物。
  24. 【請求項24】 さらに銀成分を含む請求項1記載の触
    媒組成物。
  25. 【請求項25】 銀成分の含有量が、組成物全体に対し
    て金属銀換算で0.1〜10重量%である請求項24記
    載の触媒組成物。
  26. 【請求項26】 さらに銀成分を含む請求項20記載の
    触媒組成物。
  27. 【請求項27】 請求項1記載の触媒組成物を含む脱臭
    または消臭剤。
  28. 【請求項28】 請求項1記載の触媒組成物を含み、脱
    臭または消臭能を有する成形物。
  29. 【請求項29】 四価金属のリン酸塩と、二価金属の水
    酸化物と、光触媒とを混合する触媒組成物の製造方法。
  30. 【請求項30】 四価金属のリン酸塩と二価金属の水酸
    化物とで構成される共沈物を、光触媒と混合する請求項
    29記載の触媒組成物の製造方法。
  31. 【請求項31】 四価金属のリン酸塩、二価金属の水酸
    化物、および光触媒を含む触媒組成物に臭気成分を接触
    させる脱臭方法。
  32. 【請求項32】 光照射下に臭気成分を触媒組成物に接
    触させる請求項31記載の脱臭方法。
  33. 【請求項33】 酸素含有気体の存在下で光照射を行う
    請求項32記載の脱臭方法。
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