JPH08229388A - 酸素吸収体 - Google Patents

酸素吸収体

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JPH08229388A
JPH08229388A JP33346495A JP33346495A JPH08229388A JP H08229388 A JPH08229388 A JP H08229388A JP 33346495 A JP33346495 A JP 33346495A JP 33346495 A JP33346495 A JP 33346495A JP H08229388 A JPH08229388 A JP H08229388A
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JP
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activated carbon
layer
carbon material
weight
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JP33346495A
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English (en)
Inventor
Tadatoshi Ogawa
忠俊 小川
Takanori Kume
孝典 久米
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】酸素吸収能力にすぐれ食品などの香りを損ねる
ことなく、しかも電子レンジ適性を有する酸素吸収体を
提供すること。 【解決手段】熱可塑性樹脂15〜80重量%と酸素吸収
剤85〜20重量%とからなる酸素吸収層と、活性炭素
材を含有する活性炭素材層からなる酸素吸収体であっ
て、活性炭素材層中の活性炭素材の量が酸素吸収層中の
酸素吸収剤量に対して0.2〜15重量%であることを
特徴とする酸素吸収体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品などの保存時
に用いられる酸素吸収体に関する。さらに詳しくは、取
扱いが容易であり、酸素吸収性能に優れ、食品などの香
りを損わない酸素吸収体に関する。
【0002】
【従来の技術】食品をはじめ種々の製品において、酸素
により品質等が変化する製品を保存する場合、酸素の除
去を目的として酸素吸収剤がこれら製品の保存時に使用
される場合が多い。従来、酸素吸収剤の使用形態として
は、通気性を有する素材で酸素吸収剤を包装した酸素吸
収体が用いられてきた。しかしながら、通気性を有する
素材による酸素吸収剤の包装が完全でないと、酸素吸収
剤が外部に漏れる等の問題があった。これら問題を解決
する目的で、シートタイプの酸素吸収体の開発が試みら
れており、また、このシートタイプの酸素吸収体は取り
扱いが容易であるという利点をも有していることから注
目されている。酸素吸収性に優れたシートタイプの酸素
吸収体としては、例えば、酸素吸収剤を樹脂に充填し多
孔質化された酸素吸収シート(特開平2−229840
号公報など)が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
酸素吸収シートは、高い酸素吸収能力を有するものの、
使用条件によっては臭気が発生する場合もあり、汎用的
な食品用途への適用にはさらなる改良が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
鑑み、取り扱いが容易で、高い酸素吸収能力を有し、か
つ食品などの香りを損ねることのない酸素吸収体の開発
について鋭意検討を重ねた結果、本発明に至った。すな
わち、本発明は、熱可塑性樹脂15〜80重量%と酸素
吸収剤85〜20重量%とからなる酸素吸収層と、活性
炭素材を含有する活性炭素材層からなる酸素吸収体であ
って、活性炭素材層中の活性炭素材の量が酸素吸収層中
の酸素吸収剤量に対して0.2〜15重量%である酸素
吸収体およびその製造方法に関するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明における酸素吸収層は、熱可塑性樹脂15
〜80重量%と酸素吸収剤85〜20重量%とからなる
層である。熱可塑性樹脂としては、例えば、高密度ポリ
エチレン、高圧重合法等で得られる長鎖分岐を有する低
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
メチルペンテン等のエチレンまたは炭素数3〜12のα
−オレフィンのホモポリマー、またはエチレンと炭素数
3〜12のα−オレフィンとの共重合により得られる線
状中密度または線状低密度ポリエチレン、プロピレン−
エチレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチ
レン−プロピレン−ブテン共重合体等のエチレンまたは
炭素数4〜12のα−オレフィンの少なくとも1種とプ
ロピレンとのランダム共重合体、プロピレン単独重合等
を行った後、連続してプロピレンとエチレンとを重合し
て得られるブロック共重合体、エチレンと酢酸ビニルお
よび/または(メタ)アクリル酸エステルとの共重合
体、エチレンとアクリル酸との共重合体の金属塩、など
のオレフィン系樹脂や、ポリエステル系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂などが挙げられる。本発明に用いられる熱可塑
性樹脂は、2種以上の混合物であってもよい。上記例示
した熱可塑性樹脂の中でも、ポリオレフィン系樹脂が好
ましい。ポリオレフィン系樹脂のなかでも得られる酸素
吸収体の臭気がより抑制されるという点では、190℃
でのメルトフローレートが0.1〜10g/10分であ
る線状中密度または高密度ポリエチレンが好ましい。ま
た、得られる酸素吸収体の耐熱性がより優れるという点
では、230℃でのメルトフローレートが0.5〜10
g/10分である単量体としてプロピレンを含むポリプ
ロピレン系樹脂が好ましい。
【0006】本発明に用いられる酸素吸収剤としては、
例えば、鉄系に代表される金属成分を主剤とする金属系
酸素吸収剤、アスコルビン酸等に代表される有機成分を
主剤とする有機系酸素吸収剤等が挙げられる。これら化
合物の中でも、通常、還元鉄が好ましく用いられる。ま
た、酸素吸収剤の粒径は、酸素吸収剤の取り扱い易さの
点から5μm以上が好ましく、得られる酸素吸収体の酸
素吸収性能の点から200μm以下が好ましい。 ま
た、酸素吸収体の酸素吸収速度を促進するために酸素吸
収体に電解質を含有させてもよい。かかる電解質として
は、例えばハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩または水酸化
物などが挙げられる。これら塩類のなかでもハロゲン化
物が好ましく、CaCl2 、NaCl、MgCl2 等がさらに好まし
い。電解質の添加量は、適宜選択すればよいが、通常、
酸素吸収剤に対して0.1〜10重量%である。酸素吸収
体に電解質を含有させる方法としては、電解質を酸素吸
収剤と別に熱可塑性樹脂に混合してもよいし、酸素吸収
剤の表面にあらかじめコーティングしておいてもよい。
特に、電解質が酸素吸収剤にコーティングされたものを
使用することが得られる酸素吸収体の酸素吸収性能の面
から好ましい。
【0007】酸素吸収層は、熱可塑性樹脂15〜80重
量%と酸素吸収剤85〜20重量%からなる層である。
酸素吸収剤の量が85重量%を超えると酸素吸収剤の熱
可塑性樹脂への分散性が悪化する。また、例えば、熱可
塑性樹脂と酸素吸収剤とからなる組成物を押出成形法等
によりシート加工して酸素吸収層を得る場合、酸素吸収
剤の量が85重量%を超えるとシート加工時の加工性が
悪化する。酸素吸収剤の量が20重量%未満の場合は得
られる酸素吸収体の酸素吸収性能が不充分である。好ま
しくは熱可塑性樹脂15〜70重量%と酸素吸収剤85
〜30重量%からなる層である。
【0008】酸素吸収層は単一の層であっても、該熱可
塑性樹脂と該酸素吸収剤との組成物からなる薄層を積層
等をすることにより得られた複合層であってもよい。複
合層の場合、積層方法は熱融着による方法、全部または
部分的に接着する方法等が例示できる。また、複合層の
場合の酸素吸収層中の酸素吸収剤の量および熱可塑性樹
脂の量とはそれぞれ、各薄層中の酸素吸収剤の量の合計
量および熱可塑性樹脂の量の合計量である。 酸素吸収
層の厚みは、通常、0.05mm〜5mmの範囲が好ま
しい。 また、酸素吸収層は多孔質化されたものが、酸
素吸収層の酸素吸収性能の点から好ましい。多孔質化す
る方法としては、例えば、少なくとも一軸方向に延伸し
て多孔質化する方法が、得られる酸素吸収体の高い酸素
吸収性能を発現させるためには好ましい。 この場合の
延伸倍率は、熱可塑性樹脂によっても異なるが、通常、
2〜12倍程度が酸素吸収層の酸素吸収性能の点から好
ましい。
【0009】本発明における活性炭素材層とは、活性炭
素材を含有する層であり、通常、活性炭素材とパルプな
どを主成分とするバインダーとを混合し紙状とした層、
または繊維状炭素材と樹脂繊維とを混合し不織布状とし
た層である。紙状の層とする方法としては通常の紙をす
く方法等が挙げられ、また不織布状の層とする方法とし
ては、熱可塑性樹脂からスパンボンド法等で不織布を製
造する際に繊維状活性炭素材を熱可塑性樹脂繊維と熱融
着させる方法等が挙げられる。また、活性炭素材は、バ
インダーまたは樹脂繊維等への高い分散性を有するもの
が好ましく、活性炭素材層は活性炭素材が均一に分散さ
れたものが好ましい。ここでいう活性炭素材とは、通
常、脱臭に用いられる粉状活性炭、繊維状活性炭などか
ら選択されたものである。また、活性炭素材として、2
種類以上を混合して使用してもよい。 粉状活性炭とパ
ルプを主成分とするバインダーを混合した活性炭紙がコ
スト、取扱性などの点から特に好ましい。 また、活性
炭紙のバインダー中には強度を増加させる目的で、例え
ば、ポリビニルアルコール樹脂を混合したり、ポリエチ
レン樹脂粉末および/またはポリエチレン繊維を混合
し、活性炭紙とすることができる。
【0010】活性炭素材層中の活性炭素材量は、活性炭
素材の種類などにより異なるが、活性炭素材層の脱臭性
能の点から、通常は5重量%以上が好ましい。また、活
性炭素材層を紙状とした層または不織布状の層とする場
合の加工性の点から50重量%以下が好ましい。 本発
明の酸素吸収体は、食品の保存時等に使用される場合が
あるため、食品と共に市販の電子レンジに供されること
がある。 電子レンジに供される場合、酸素吸収体は電
子レンジ適性を有することが好ましい。酸素吸収体の電
子レンジ適性の点から、下記式(1)で定義される活性
炭素材層の単位体積あたりの活性炭素材の重量(以下、
活性炭素材密度と称することがある)は、通常、0.0
05〜0.4g/cm3 であることが好ましく、0.0
05〜0.2g/cm3 であることがさらに好ましい。 活性炭素材密度(g/cm3 )=(A×B)÷(C×105 ) (1) 〔ただし、A:単位面積当たりの活性炭素材層の重量
(g/m2) B:活性炭素材量(%) C:活性炭素材層厚み(mm)である。〕 また、活性炭素材が粉末状のものが、電子レンジの電磁
波による蓄熱防止の点で好ましい。特に、粒径が200
メッシュふるい通過より小さい粉末状活性炭が好まし
く、粒径が350メッシュふるい通過より小さい粉末状
活性炭がさらに好ましい。これら活性炭は活性炭素材層
への高い分散性を有するものが好ましく、活性炭が活性
炭素材層中に均一に分散されているものが好ましい。
活性炭素材層は、食品などから生じる香り以外の臭気成
分を吸収する目的で使用される。吸収する目的の臭気と
は、例えば酸素吸収層から生じる臭気、食品などから生
じる香りが酸素吸収層と接触して変質した臭気が挙げら
れる。
【0011】活性炭素材層中の活性炭素材の量は、酸素
吸収層中の酸素吸収剤量に対して0.2〜15重量%で
ある。活性炭素材量が酸素吸収剤量に対して0.2重量
%未満の場合は得られる酸素吸収体の脱臭効果が低下
し、15重量%を超える場合は食品などから生じる香り
も吸収してしまうため好ましくない。本発明の酸素吸収
体は、酸素吸収層と活性炭素材層とからなるものであ
り、酸素吸収層と活性炭素材層とが一体となったもので
ある。酸素吸収層と活性炭素材層とが一体となったもの
とは、例えば、活性炭素材層に熱融着性のバインダーを
混合しておいて酸素吸収層の少なくとも片面に熱融着さ
せて積層したもの、酸素吸収層の少なくとも片面に活性
炭素材層を接着層を介して接着させ積層したもの、また
は、酸素吸収層と活性炭素材層を同一の包装体に包装し
たもの等である。上記の中でも酸素吸収層と活性炭素材
層を接着層を介して接着させる方法で得られた酸素吸収
体が取り扱い易さの点から好ましい。接着の方法として
は、通常用いられる様なドライラミネート方法、押出ラ
ミネート方法、ホットメルト樹脂による接着方法などが
挙げられる。特に、押出ラミネート方法が酸素吸収層と
活性炭素材層との接着強度の観点から好ましい。
【0012】活性炭素材層は、酸素吸収層と活性炭素材
層とが接触する面全体で酸素吸収層と接着されていても
よいし、部分的に酸素吸収層と接着されていても良い。
活性炭素材層を部分的に接着する方法としては、例え
ば、部分接着パターンのドライラミネート方式を挙げる
ことができる。また、面全体で接着する方法としては、
例えば、押出ラミネート方式などを挙げることができ
る。活性炭素材層が、酸素吸収層と活性炭素材層とが接
触する面全体で酸素吸収層と接着されている酸素吸収体
の場合、得られる酸素吸収体の酸素吸収性能の点から、
酸素吸収体に部分的に穴を開けることが好ましい。 酸
素吸収体に部分的に穴を開ける方法としては、例えば熱
針やレーザーで穴を開ける方法などが用いられる。 本
発明の酸素吸収体は、種々の形態により実用に供するこ
とができる。例えば、酸素吸収体が食品等の保存時に使
用される場合、食品等と酸素吸収体が直接接触するのを
避けるため、酸素吸収体を少なくとも片面に通気性のあ
る包材を用いて包装した形態や酸素吸収層と活性炭素材
層とを接着後、酸素吸収層面および/または活性炭素材
層面に種々の素材を貼合した形態等が例示できる。 特
に、酸素吸収体が包装等により別の素材で覆われる場
合、酸素吸収体が、熱可塑性樹脂と酸素吸収剤とからな
る組成物をシート加工した後、該シートを少なくとも1
軸方向に延伸して多孔質化されたものであることが端面
からの酸素吸収性が期待でき、酸素吸収性能に優れた酸
素吸収体が得られるので、好ましい。
【0013】本発明の酸素吸収体を覆う素材の例として
は、通気性フィルム、感熱紙、耐水紙、印刷フィルムな
どが挙げられ、通気性のあるものが好ましいがこれに限
定されるものではない。本発明の酸素吸収体の製造方法
は、例えば以下の通りである。まず、熱可塑性樹脂と酸
素吸収剤、必要に応じては電解質または分散剤や安定剤
などを、ロール型またはバンバリー型の混練機あるいは
一軸または二軸押出機などを用いる通常の方法で混合あ
るいは混練して組成物を得る。 また、熱可塑性樹脂の
種類により、熱可塑性樹脂に酸素吸収剤、必要に応じて
分散剤や安定剤などをゲレーション法により融着させ組
成物を得る。次いでこの組成物からTダイ加工等の通常
の成形方法によって酸素吸収層を製造する。特に、押出
機に斜軸二軸押出機を用いることが酸素吸収層の安定生
産の点から好ましい。
【0014】酸素吸収層が延伸により多孔質化されたも
のは、例えば、上記方法等により得られた組成物からT
ダイ加工等の通常の成形方法によってシート加工し、得
られたシートを一軸または二軸延伸することで製造でき
る。一軸延伸の場合は通常ロール延伸が好ましいがチュ
ーブラー延伸で行なってもよい。また、延伸は一段でも
二段以上で行ってもよい。二軸延伸の場合は同時二軸延
伸でもよく、また、縦方向の延伸を行なった後に横方向
を延伸する逐次二軸延伸でもよい。
【0015】活性炭素材層は通常、活性炭素材とパルプ
などを主成分とするバインダーとを混合し、通常の方法
で紙状としたり、または前記した方法で繊維状活性炭素
材と樹脂繊維とを混合し、不織布状とするにより製造で
きる。 得られた酸素吸収層と活性炭素材層とを、例え
ば、押出ラミネート方法等により一体とすることができ
る。押出ラミネート方法を行う場合、ラミネート樹脂は
酸素吸収層と接着することのできる素材を用いる。特
に、酸素吸収層がポリエチレン系樹脂で構成されている
場合は、ラミネート樹脂として長鎖分岐を有する低密度
ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどを用いることが
好ましい。 ラミネート樹脂厚みは適宜選択することが
でき、酸素吸収層と活性炭素材含有層を例えばサンドラ
ミネート方法にて接着し、本発明の酸素吸収体を得るこ
とができる。
【0016】
【発明の効果】本発明の酸素吸収体は、取り扱いが容易
であり、高い酸素吸収能力を有し、特に、臭気が少なく
また食品などの香りを損ねることが少ない。また、電子
レンジ適性にも優れたものである。さらに、包装体、キ
ャップ、ラベルなどの種々の形態に容易に加工すること
が可能であり、食品等の保存時に極めて有効である。
【0017】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。実施例および比較例に示した物性の測定法は以下の
通りである。
【0018】〔臭気〕:酸素吸収体200gを500c
cのガラス性密閉容器に水1gと同時に投入し、60℃
で1時間の加熱後、23℃で30分放冷した。放冷後、
酸素吸収体の臭気を測定した。測定結果を以下の基準で
判断した。 A:全く臭気が感じられない。 B:個人差によりわずかな臭気を感じる場合がある。 C:明らかに臭気を感じる。
【0019】〔香り〕:カステラ50gと酸素吸収体
0.6gを空気量を150ccとしたKON/PE袋
(KON:ビニリデンコートナイロン)に投入、密封
し、25℃で7日間放置した後の香りを測定した。測定
結果を以下の基準で判断した。 A:カステラの香りは非常に良好である。 B:カステラの香りが少し変化している様に感じる場合
がある。 C:明らかにカステラの香りが低減している。
【0020】〔酸素吸収性能〕:酸素吸収性能は、酸素
吸収体中の酸素吸収剤量を0.5gとなるように秤量
し、酸素100cc/窒素100cc/湿度100%R
Hとなる密閉条件下に投入し、23℃で24時間後の酸
素吸収量(cc)を測定した。
【0021】〔電子レンジ適性〕:電子レンジ適性は、
市販の電子レンジ(日立電子レンジMR−33型)を用
い、酸素吸収体の活性炭素材層が上になるように電子レ
ンジ内におき、500Wでの条件下で酸素吸収体の形状
変化を観察した。観察結果は外観等の変化(発煙等)が
起こるまでの時間で示した。
【0022】〔実施例1〕熱可塑性樹脂として密度が
0.963g/cm3 、190℃でのMFRが5.5g
/10分の粉末状高密度ポリエチレン(以下樹脂Aと称
する)を使用した。酸素吸収剤として平均粒径100μ
mの還元鉄に塩化カルシウムを2%コーティングしたも
のを使用した。 樹脂A30重量%、酸素吸収剤70重
量%をヘンシェルミキサー(三井鉱山製)に投入し、1
20℃でゲレーションを実施し、酸素吸収層用の組成物
を得た。得られたゲレーションパウダーの組成物を斜軸
2軸押出機(東芝機械製)およびTダイ加工法により押
出製膜し、厚み1.5mmのシートを得た。得られたシ
ートをロール一軸延伸機を用いて、124℃にて8倍に
延伸し、酸素吸収層を得た。このときの酸素吸収層の単
位面積当たりの重量は500g/m 2 であった。 活性
炭素材層としては、325メッシュ以下の粉状活性炭
(以下活性炭Aと称する)25重量%とバインダーとし
てパルプを75重量%混合し、紙状としたもの用いた。
活性炭素材層の単位面積当たりの重量は40g/m2
厚みは80μmであった。MFRが7g/10分の長鎖
分岐を有する低密度ポリエチレンをラミネート樹脂とし
て使用し、サンドラミネートにより酸素吸収層に活性炭
素材層を積層した。サンドラミネートの条件として、ラ
ミネート樹脂温度280℃、ラミネート樹脂厚みは20
μmにて実施した。また、積層した活性炭素材層の面積
は酸素吸収層の面積と同一とした。 結果は表1に示す
様に良好な臭気特性、酸素吸収特性、電子レンジ適性を
示した。
【0023】〔実施例2〕活性炭素材層として、活性炭
A2.5重量%とバインダーとしてパルプを97.5重
量%混合し、紙状としたものを用いた。活性炭素材の単
位面積当たりの重量は80g/m2 厚み180μmであ
った。酸素吸収層として実施例1と同じものを用い、実
施例1と同様にして活性炭素材層を積層し酸素吸収体を
得た。結果を表1に示した。
【0024】〔実施例3〕活性炭素材層を活性炭A25
重量%とバインダーとしてパルプ65重量%、ポリビニ
ルアルコール樹脂10重量%を混合し、紙状としたもの
を用いた。活性炭素材の単位面積当たりの重量は40g
/m2 、厚み70μmであった。酸素吸収層は実施例1
と同じものを用い、実施例1と同様にして活性炭素材層
を積層して酸素吸収体を得た。結果を表1に示した。ま
た、活性炭素材層と酸素吸収層の剥離強度も良好であっ
た。
【0025】〔実施例4〕熱可塑性樹脂として密度が
0.900g/cm3 、230℃でのMFRが1.3g
/10分の粉末状ポリプロピレン(樹脂B)を使用し
た。酸素吸収剤として平均粒径100μmの還元鉄に塩
化カルシウムを2重量%コーティングしたものを使用し
た。 上記樹脂Bを20重量%、酸素吸収剤80重量%
をヘンシェルミキサー(三井鉱山製)に投入し、145
℃でゲレーションを実施した。得られたゲレーションパ
ウダーを1軸押出機(東芝機械製)およびTダイ加工法
により押出製膜し、厚み0.1mmの薄層を得た。 こ
の薄層をパターン0.02mmφ、貼合面積を薄層の片
面の25%でポリウレタン系樹脂を使用したピン・ポイ
ントドライラミネート法により10枚接着させて酸素吸
収層とした以外は実施例1と同じ活性炭素材層を用い、
実施例1と同様の方法で活性炭素材層を積層して酸素吸
収体を得た。結果を表1に示した。
【0026】〔実施例5〕押出法によるサンドラミネー
ト加工にて活性炭素材層を酸素吸収層に積層し、得られ
た酸素吸収体にレーザーにより0.1mmφの穴を縦横
1cm間隔で開けたこと以外は実施例1と同様な方法に
て酸素吸収体を得た。結果を表1に示した。
【0027】〔実施例6〕パターン0.02mmφ、貼
合面積を活性炭素材層と酸素吸収層とが接触する面積の
25%でポリウレタン系樹脂を使用したピン・ポイント
ドライラミネート法にて活性炭素材層を酸素吸収層に積
層した以外は実施例1と同様な方法にて酸素吸収体を得
た。結果を表1に示した。
【0028】〔実施例7〕活性炭素材層として、繊維状
活性炭20重量%とポリエチレン繊維80重量%を混合
し、不織布状のものを使用した。活性炭素材の単位面積
当たりの重量は40g/m2 、厚み100μmであっ
た。酸素吸収層は実施例1と同じものを用い、実施例1
と同様にして活性炭素材層を酸素吸収層に積層して酸素
吸収体を得た。結果を表1に示した。
【0029】〔実施例8〕樹脂A30重量%、酸素吸収
剤70重量%をヘンシェルミキサー(三井鉱山製)に投
入し、120℃でゲレーションを実施した。得られたゲ
レーションパウダーを斜軸2軸押出機(東芝機械製)お
よびTダイ加工法により押出製膜し、厚み0.5mmの
シートを得た。 得られたシートをロール一軸延伸機を
用いて、124℃にて6倍に延伸し、酸素吸収層を得
た。酸素吸収層の単位面積当たりの重量は250g/m
2 であった。活性炭素材層としては、活性炭A25重量
%とバインダーとしてパルプを75重量%混合し、紙状
としたものを用いた。活性炭素材層の単位面積当たりの
重量は80g/m2 、厚み160μmであった。 19
0℃でのMFRが7g/10分の長鎖分岐を有する低密
度ポリエチレンをラミネート樹脂として使用し、サンド
ラミネート方法にて活性炭素材層を酸素吸収層に積層し
酸素吸収体を得た。サンドラミネートの条件はラミネー
ト樹脂温度280℃、ラミネート樹脂厚みは30μmで
あった。結果を表1に示した。
【0030】〔実施例9〕活性炭素材層として、活性炭
A50重量%とバインダーとしてパルプを50重量%を
混合し、紙状としたものを用いた。活性炭素材層の単位
面積当たりの重量は40g/m2 、厚み40μmであっ
た。酸素吸収層として実施例1と同じものを用い、実施
例1と同様にして活性炭素材層を酸素吸収層に積層して
酸素吸収体を得た。結果を表1に示した。
【0031】〔比較例1〕樹脂Aを85重量%、酸素吸
収剤15重量%としたこと以外は実施例1と同様な方法
にて酸素吸収層を得た。得られた酸素吸収層の単位面積
当たりの重量は230g/m2 であった。得られた酸素
吸収層を用い、実施例1と同じ活性炭素材層を実施例1
と同様な方法にて酸素吸収層に積層して酸素吸収体を得
た。結果は表1に示す様に酸素吸収特性が劣るものであ
った。
【0032】〔比較例2〕樹脂Aを10重量%、酸素吸
収剤90重量%からなる酸素吸収層用の組成物を用いた
以外は実施例1と同様な方法にて酸素吸収層を得ようと
試みたが、組成物の加工性が不良で満足なシートを得る
ことができなかった。
【0033】〔比較例3〕活性炭素材層として、活性炭
A50重量%とバインダーとしてパルプを50重量%混
合し、紙状としたものを用いた。活性炭素材層の単位面
積当たりの重量は60g/m2 、厚み90μmであっ
た。酸素吸収層として実施例8と同じものを用い、実施
例8と同様な方法にて得られた活性炭素材層を酸素吸収
層に積層して酸素吸収体を得た。 結果は、活性炭量が
多すぎて、食品の香りを完全に除去していまい、実用的
でない酸素吸収体であった。
【0034】〔比較例4〕実施例1と同様の酸素吸収層
用の組成物を用い、シート化した後、得られたシートを
ロール一軸延伸機を用いて、124℃にて3倍に延伸
し、酸素吸収層を得た。酸素吸収層の単位面積当たりの
重量は1000g/m2 であった。活性炭素材層とし
て、活性炭A2.5重量%とバインダーとしてパルプを
97.5重量%混合し、紙状としたものを用いた。活性
炭素材の単位面積当たりの重量は40g/m2 、厚み7
0μmであった。得られた酸素吸収層と活性炭素材層を
用い、実施例1と同様に積層して酸素吸収体を得た。結
果を表1に示した。結果は、活性炭量が不足して臭気特
性が不良であった。
【0035】〔比較例5〕実施例1で使用した酸素吸収
層用組成物を120℃でゲレーションを実施した後、活
性炭Aを酸素吸収剤に対して2.8重量%となるように
得られたゲレーションパウダーに添加混合したものを用
い、実施例1と同様にして活性炭Aを含む酸素吸収層を
得た。得られた活性炭Aを含む酸素吸収層の酸素吸収性
能等を評価した。結果を表1に示した。本比較例は酸素
吸収層に活性炭素材を含有したものであるが、表1に示
したように臭気特性に劣るものであった。
【表1】

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂15〜80重量%と酸素吸収
    剤85〜20重量%とからなる酸素吸収層と、活性炭素
    材を含有する活性炭素材層からなる酸素吸収体であっ
    て、活性炭素材層中の活性炭素材の量が酸素吸収層中の
    酸素吸収剤量に対して0.2〜15重量%であることを
    特徴とする酸素吸収体。
  2. 【請求項2】酸素吸収層が、多孔質化されたものである
    請求項1記載の酸素吸収体。
  3. 【請求項3】酸素吸収層が、少なくとも1軸方向に延伸
    され多孔質化されたものである請求項2記載の酸素吸収
    体。
  4. 【請求項4】酸素吸収層の少なくとも片面に活性炭素材
    層が積層された請求項1、2または3記載の酸素吸収
    体。
  5. 【請求項5】酸素吸収層の少なくとも片面に活性炭素材
    層が接着層を介して積層された請求項4記載の酸素吸収
    体。
  6. 【請求項6】活性炭素材層中の活性炭素材が粉末状活性
    炭である請求項1〜5のいずれか1項に記載の酸素吸収
    体。
  7. 【請求項7】粉末状活性炭の重量が活性炭素材層の1c
    3 あたり、0.4g以下である請求項6記載の酸素吸
    収体。
  8. 【請求項8】粉末状活性炭の粒径が200メッシュふる
    い通過より小さい粉末状活性炭である請求項6記載の酸
    素吸収体。
  9. 【請求項9】粉末状活性炭の粒径が325メッシュふる
    い通過より小さい粉末状活性炭である請求項6記載の酸
    素吸収体。
  10. 【請求項10】熱可塑性樹脂15〜80重量%と酸素吸
    収剤85〜20重量%とからなる酸素吸収層の少なくと
    も片面に、活性炭素材層を活性炭素材の量が酸素吸収層
    中の酸素吸収剤量に対して0.2〜15重量%となるよ
    うに積層することを特徴とする酸素吸収体の製造方法
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