JPH08229253A - モーターを内蔵する携帯用電気機器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構造で、モーターの接続端子に弾性リ
ード板を確実に電気接続して接触不良を少なくする。 【構成】 携帯用電気機器は、裏蓋５に回転軸を支承す
るボス突起６のあるモーター３を内蔵している。モータ
ー３は、裏蓋５から突出する接続端子４があり、この接
続端子４に弾性リード板１が弾性的に押圧して電気接続
されている。弾性リード板１は折曲部１Ｂがある。折曲
部１Ｂは、片方の折曲片１ａをボス突起６に、他方の折
曲片１ｂを接続端子４に押圧している。折曲部１Ｂが拡
開しようとする弾性的な復元力で、ボス突起６と接続端
子４とを弾性的に押圧し、裏蓋５のボス突起６を弾性リ
ード板１の押圧部材に併用して、一方の折曲片１ｂをモ
ーター３の接続端子４に弾性的に押圧して電気接続して
いる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はケーシングにモーターを
内蔵する携帯用電気機器に関する。とくに、本発明は、
モーターの接続端子にリード線を接続する部分を独特の
構造とする携帯用電気機器に関する。

【０００２】

【従来の技術】モーターを内蔵する携帯用電気機器は、
モーターに電力を供給するために、接続端子にリード線
を接続する必要がある。リード線は、半田付してモータ
ーの接続端子に接続され、あるいは、接続端子に挿入さ
れる弾性ピンを介してモーターに接続される。リード線
を半田付けして接続する構造は、製作コストが高くな
る。弾性ピンを介して接続する構造も、リード線を弾性
ピンに半田付けし、あるいは、かしめて接続するので、
製作コストが高くなる欠点がある。

【０００３】この欠点を解消するために、モーターをケ
ーシングに装着すると、接続端子にリード線が弾性的に
押圧されて電気接続される構造が開発されている。この
構造は、図１と図２に示すように、弾性リード板１をケ
ーシング２に固定している。弾性リード板１は、モータ
ー３をケーシング２の定位置に装着すると、モーター３
の接続端子４に弾性的に押圧される位置に配設される。
弾性リード板１は、上端部を折曲して傾斜面１Ａとし、
この傾斜面１Ａを弾性的にモーター３の接続端子４に押
圧して、電気接続している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】図１と図２に示す携帯
用電気機器は、リード線を、半田付等の方法でモーター
３の接続端子に接続する必要がない。弾性リード板１を
ケーシング２に固定し、モーター３をケーシング２の定
位置に装着すると、弾性リード板１が接続端子４を弾性
的に押圧して電気接続されるからである。このため、こ
の構造の携帯用電気機器は、モーターにリード線を接続
する工程を省力化して安価に多量生産できる特長があ
る。

【０００５】しかしながら、この構造は、弾性リード板
１を確実に接続端子４に接続することが難しい欠点があ
る。とくに、モーターの接続端子が高い位置にあると、
リード線の弾性変形部分が長くなって、弾性リード板を
強く接続端子に押圧するのが難しくなる。この弊害を防
止するためには、弾性リード板を厚い金属板とする必要
がある。厚い弾性リード板を強く接続端子に押圧するた
めには、弾性リード板をケーシングに固定する部分の強
度を強くする必要がある。この部分が破損しやすくなる
からである。

【０００６】ところで、モーターは、形式によっては接
続端子を、上下に位置ずれして配設したものがある。こ
の構造のモーターは、上方に配設された接続端子に確実
に弾性リード板を接続するのが難しくなる。弾性リード
板が長くなって、押圧力が弱くなるからである。長い弾
性リード板を厚い金属板とすることもできるが、２枚の
弾性リード板を異なる厚さの金属板で製作すると、部品
コストが高くなってしまう。

【０００７】本発明は、従来のこれ等の欠点を解決する
ことを目的に開発されたもので、本発明の重要な目的
は、モーターの接続端子に弾性リード板を確実に電気接
続して接触不良を少なくできるモーターを内蔵する携帯
用電気機器を提供することにある。また、本発明の他の
重要な目的は、裏蓋のボス突起を弾性リード板を接続端
子に押圧する部材に併用して、簡単な構造で弾性リード
板を確実に接続端子に接続できるモーターを内蔵する携
帯用電気機器を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の携帯用電気機器
は、前述の目的を達成するために下記の構成を備える。
携帯用電気機器は、電力を供給する接続端子４を有する
モーター３と、このモーター３を所定の位置に嵌着して
固定するケーシング２と、このケーシング２内にあっ
て、モーター３の接続端子４に弾性的に押圧されて半田
付しないで電気接続される弾性リード板１とを備える。
モーター３をケーシング２の所定の位置に内蔵させる
と、モーター３の接続端子４は、弾性リード板１に電気
的に接続されるように構成されている。

【０００９】さらに、本発明の携帯用電気機器は、下記
の独特の構成を備えている。 （ａ） モーター３の裏蓋５は、回転軸を支承するボス
突起６がある。 （ｂ） モーター３は、裏蓋５から突出する接続端子４
を有する。 （ｃ） 弾性リード板１は、弾性変形できる金属板を折
り返した折曲部１Ｂがある。 （ｄ） 弾性リード板１の折曲部１Ｂは、片方の折曲片
１ａをボス突起６に、他方の折曲片１ｂを接続端子４に
押圧して、折曲部１Ｂの拡開しようとする弾性的な復元
力でボス突起６と接続端子４とを弾性的に押圧し、裏蓋
５のボス突起６を弾性リード板１の押圧部材に併用し
て、一方の折曲片１ｂをモーター３の接続端子４に弾性
的に押圧して電気接続している。

【００１０】

【作用】本発明の携帯用電気機器は、裏蓋５のボス突起
６を、弾性リード板１を接続端子４に押圧する部材に併
用する。モーター３の裏蓋５には、ボス突起６と接続端
子４が設けられるので、ボス突起６は接続端子４に接近
する。接続端子４に接近するボス突起６を、弾性リード
板１を接続端子４に押圧する部材に併用する本発明の携
帯用電気機器は、弾性リード板１に厚い金属板を使用す
ることなく、弾性リード板１を接続端子４に強く確実に
押圧して電気接続する。このため、弾性リード板１と接
続端子４の接触不良を少なくできる。とくに、本発明の
携帯用電気機器は、モーター３の裏蓋５に、回転軸を支
承するために、ほとんど例外なく設けられているボス突
起６を弾性リード板１の押圧部材に併用するので、弾性
リード板１を押圧するために特別な部材を設ける必要が
なく、弾性リード板１を確実に接続端子４に電気接続で
きる。さらに好都合なことに、ボス突起６は接続端子４
に接近して、弾性リード板１を押圧するために理想的な
位置に配設されるので、弾性リード板１を接続端子４に
確実に押圧して電気接続できる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想
を具体化するための携帯用電気機器としてレディーシェ
ーバーを例示するが、本発明は携帯用電気機器をレディ
ーシェーバーに特定しない。

【００１２】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、「作用の欄」、および
「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付
記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、
実施例の部材に特定するものでは決してない。

【００１３】図３に示す携帯用電気機器であるレディー
シェーバーは、刃を往復運動させるモーター３と、この
モーター３を所定の位置に嵌着して固定するケーシング
２と、ケーシング２内にあって、モーター３の接続端子
４に弾性的に押圧されて非半田付状態で電気接続される
弾性リード板１とを内蔵している。

【００１４】ケーシング２はプラスチックの成形品で、
スイッチを装着する本体部２Ａと、本体部２Ａのモータ
ー３収納部を閉塞する蓋部２Ｂと、電池の収納部を閉塞
する開閉蓋２Ｃとで構成される。蓋部２Ｂは本体部２Ａ
に引掛構造で連結され、開閉蓋２Ｃは、電池を交換する
ときに開閉できるように本体部２Ａに連結されている。
ケーシング２の全体形状は、細長い円筒状に成形されて
いる。

【００１５】ケーシング２の本体部２Ａは、図４に示す
ように、モーター３を定位置に嵌着するための位置決部
材７を一体成形している。位置決部材７は、モーター３
の両側面の両端部とに配設されて、モーター３の縦横の
移動を停止する。この構造のケーシング２は、モーター
３を内蔵させて上下のケーシング２を閉塞すると、モー
ター３を定位置に固定できるようになっている。

【００１６】モーター３は、回転軸を支承するために、
裏蓋５にボス突起６を設けている。裏蓋５はプラスチッ
ク製で、回転軸を回転自在に支承するボス突起６の部分
を厚く成形して、裏蓋５から突出させている。モーター
３の回転軸は、ボス突起６に開口した貫通孔に回転自在
に直接に、あるいはメタルを介して回転自在に支承され
ている。

【００１７】裏蓋５は中央にボス突起６があり、ボス突
起６の両側にふたつの接続端子４をインサート成形して
固定している。接続端子４は裏蓋５から外部に突出して
固定されている。接続端子４は、モーター３に内蔵され
るブラシやコイルに接続され、接続端子４に電力を供給
するとモーター３が回転駆動されるようなっている。

【００１８】モーター３の回転軸は、歯車８を介してク
ランク軸９に連結され、クランク軸９はコンロッド１０
を介して、ケーシング２の先端に設けられた可動刃１１
に連結されている。可動刃１１は固定刃１２に対して摺
動できるように装着されている。可動刃１１と固定刃１
２は、先端縁に櫛状の刃部を設けている。

【００１９】モーター３は、弾性リード板１とリード板
１４とを介して、スイッチと電池１３に接続される。図
３において右側の弾性リード板１の上端はスイッチに、
左の弾性リード板１は電池１３の＋極に接続される。ス
イッチに接続される他方のリード板１４は、電池の−極
に接続される。ケーシング２にはスイッチツマミ１５を
往復運動できるように装着している。スイッチツマミ１
５を上に移動させると、リード板１４の上端が弾性リー
ド板１に押し付けられて、電気接続される。この状態
で、モーター３に電力が供給されて、モーター３が回転
される。この構造のレディーシェーバーは、モーター３
の接続端子４に弾性リード板１を半田付けして、その後
にケーシング２にセットするのではない。モーター３を
ケーシング２の所定の位置にセットするときに、モータ
ー３の接続端子４が、弾性リード板１に電気的に接続さ
れる構造となっている。

【００２０】弾性リード板１は、弾性変形できる金属板
を所定の形状に切断して製作される。弾性リード板１
は、接続端子４に接続する先端部分を折り返して折曲部
１Ｂとしている。図５に示す弾性リード板１は、先端部
分をＶ字状に折曲して折曲部１Ｂとしている。弾性リー
ド板１の折曲部１Ｂは、ケーシング２に固定される側の
折曲片１ａをボス突起６に、先端側の折曲片１ｂをモー
ター３の接続端子４に押圧して、折曲部１Ｂが拡開しよ
うとする弾性的な復元力でボス突起６と接続端子４とを
弾性的に押圧している。

【００２１】弾性リード板１は、折曲部１Ｂを定位置に
配設してケーシング２に固定されている。図４におい
て、下側の弾性リード板１は、ケーシング２と一体成形
した突起でケーシング２に固定されている。弾性リード
板１は、突起１６を挿入する貫通孔がある。この貫通孔
に突起１６を挿入し、突起１６を加熱して軟化させて押
し潰して、弾性リード板１をケーシング２に固定してい
る。この状態の固定構造は、弾性リード板１をケーシン
グ２に確実に固定できる特長がある。図４において上側
の弾性リード板１は、ケーシング２に一体成形された嵌
着凸部１７の間に挿入して定位置に固定されている。嵌
着凸部１７は、弾性リード板１の板状部を嵌入できる垂
直の隙間がある。弾性リード板１は、この隙間に嵌入す
る板状部がある。

【００２２】以上の構造のレディーシェーバーは、ケー
シング２に弾性リード板１を固定し、その後、ケーシン
グ２の本体部２Ａの定位置にモーター３を装着すると、
図４と図５に示すように、モーター３の接続端子４が弾
性リード板１に押圧状態で接続される。この状態で、弾
性リード板１の折曲部１Ｂは、一方の折曲片１ａで裏蓋
５のボス突起６を押圧し、他方の折曲片１ｂを接続端子
４に弾性的に押圧する。

【００２３】図５に示すモーター３は、ボス突起６両側
の同じ高さにふたつの接続端子４がある。ふたつの接続
端子４に押圧される２枚の弾性リード板１は、両方がボ
ス突起６を押圧部材に併用して、折曲片１ｂを接続端子
４に接続している。ただ、本発明の携帯用電気機器は、
必ずしも全ての弾性リード板１を、ボス突起６を介して
接続端子４に押圧する必要はない。図６に示すように、
接続端子４を上下にずらせて配設するモーター３は、長
くなる一方の弾性リード板１のみをボス突起６を介して
接続端子４に押圧し、短い弾性リード板１は、ボス突起
６で押圧することなく、直接に接続端子４に押圧するこ
ともできる。短い弾性リード板１は、長いリード板のよ
うに容易に変形しないので、ボス突起６を使用しなくて
も、確実に接続端子４に押圧できるからである。

【００２４】

【発明の効果】本発明の携帯用電気機器は、モーターの
接続端子に弾性リード板を確実に電気接続して接触不良
を少なくできる特長がある。それは、本発明の携帯用電
気機器が、モーターの裏蓋に接続端子に接近して設けら
れているボス突起を、弾性リード板を接続端子に弾性的
に押圧する押圧部材に併用するからである。さらに、モ
ーターのボス突起を弾性リード板を接続端子に押圧する
部材に併用する独特の構造によって、本発明の携帯用電
気機器は、極めて簡単な構造で、弾性リード板を確実に
接続端子に接続して接触不良を極減できる特長がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の携帯用電気機器のモーター内蔵部分の垂
直断面図

【図２】図１に示す携帯用電気機器の水平断面図

【図３】本発明の実施例の携帯用電気機器を示す分解斜
視図

【図４】図３に示す携帯用電気機器のモーター内蔵部分
の水平断面図

【図５】図３に示す携帯用電気機器のモーター内蔵部分
の横断面図

【図６】本発明の他の実施例の携帯用電気機器のモータ
ー内蔵部分の横断面図

【符号の説明】

１…弾性リード板 １Ａ…傾斜面 １Ｂ…
折曲部 １ａ…折曲片 １ｂ…折曲片 ２…ケーシング ２Ａ…本体部 ２Ｂ…
蓋部 ２Ｃ…開閉蓋 ３…モーター ４…接続端子 ５…裏蓋 ６…ボス突起 ７…位置決部材 ８…歯車 ９…クランク軸 １０…コンロッド １１…可動刃 １２…固定刃 １３…電池 １４…リード板 １５…スイッチツマミ １６…突起 １７…嵌着凸部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電力を供給する接続端子(4)を有するモ
   ーター(3)と、このモーター(3)を所定の位置に嵌着して
   固定するケーシング(2)と、このケーシング(2)内にあっ
   て、モーター(3)の接続端子(4)に弾性的に押圧されて非
   半田付状態で電気接続される弾性リード板(1)とを備
   え、モーター(3)がケーシング(2)の所定の位置に内蔵さ
   れると、モーター(3)の接続端子(4)が弾性リード板(1)
   に電気的に接続されるように構成された携帯用電気機器
   において、下記の全ての構成を有することを特徴とする
   モーターを内蔵する携帯用電気機器。 （ａ） モーター(3)の裏蓋(5)に、回転軸を支承するボ
   ス突起(6)がある。 （ｂ） モーター(3)は、裏蓋(5)から突出する接続端子
   (4)を有する。 （ｃ） 弾性リード板(1)は、弾性変形できる金属板を
   折り返した折曲部(1B)がある。 （ｄ） 弾性リード板(1)の折曲部(1B)は、片方の折曲
   片(1a)をボス突起(6)に、他方の折曲片(1b)を接続端子
   (4)に押圧して、折曲部(1B)が拡開しようとする弾性的
   な復元力でボス突起(6)と接続端子(4)とを弾性的に押圧
   し、裏蓋(5)のボス突起(6)を弾性リード板(1)の押圧部
   材に併用して、一方の折曲片(1b)をモーター(3)の接続
   端子(4)に弾性的に押圧して電気接続している。