JPH08228956A - ティシュペーパー - Google Patents

ティシュペーパー

Info

Publication number
JPH08228956A
JPH08228956A JP7038410A JP3841095A JPH08228956A JP H08228956 A JPH08228956 A JP H08228956A JP 7038410 A JP7038410 A JP 7038410A JP 3841095 A JP3841095 A JP 3841095A JP H08228956 A JPH08228956 A JP H08228956A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulp
tissue paper
paper
light scattering
scattering coefficient
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7038410A
Other languages
English (en)
Inventor
Yosuke Uchida
洋介 内田
Kouichi Misu
浩一 見須
Makoto Iwasaki
誠 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by New Oji Paper Co Ltd filed Critical New Oji Paper Co Ltd
Priority to JP7038410A priority Critical patent/JPH08228956A/ja
Publication of JPH08228956A publication Critical patent/JPH08228956A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sanitary Thin Papers (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 柔らかく、手触り感に優れたティシュペーパ
ーの提供。 【構成】 ティシュペーパーであって、坪量60g/m
2及び密度0.35g/cm3のシートにおける超音波伝
播速度から求めた動的弾性率が2.0GPa以下で、且
つ光散乱係数が450cm2/g以上を示すスラッシュ
パルプから構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ティシュペーパーに関
する。更に詳しく述べるならば、本発明は、スラッシュ
パルプのみから構成され、優れた柔らかさと手触り感を
付与されたティシュペーパーに関する。
【0002】
【従来技術】周知の通り、化粧用ティシュペーパー、ト
イレットペーパー、紙タオル等のいわゆる家庭用薄葉紙
(以下、ティシュペーパーという)としては柔らかく、
手触りが良く、伸縮性があり、吸収性に優れ、しかも強
度にも優れていることが望まれる。ティシュペーパーの
強度は抄紙工程、ティシュペーパーを加工する工程で重
要な特性であるばかりでなく、消費者が使用する時にも
重要な条件の一つである。特に引張り強度が低い場合に
は、消費者がティシュペーパーを使用する際に破れると
いった問題が生じることになる。
【0003】従来から、ティシュペーパー用パルプとし
ては広葉樹木材や針葉樹木材から得られる化学パルプ、
新聞古紙、上質古紙、OA古紙等を脱墨処理して得られ
る脱墨古紙パルプ(DIP)が挙げられ、化学パルプは
スラリー状態のままで用いられる場合(スラッシュパル
プ)とスラッシュパルプを一度脱水、乾燥させてドライ
パルプとし、このパルプを再離解して使用する場合とが
あり、これらのパルプはそれぞれ未漂白或いは漂白パル
プの状態で、又未叩解或いは叩解の状態で品質設計に応
じて単独で或いは混合されて使用されてきた。
【0004】ティシュペーパーに用いられる前記パルプ
のうちドライパルプとDIPは、パルプ繊維が熱と機械
的な圧縮作用を受けているためにパルプ繊維が収縮、カ
ール、キンキング(kinking;繊維曲率半径の突然の変
化)等の形状変化を受けており、しかも角質化を起こし
ており、これらのパルプを使用したティシュペーパーは
手触り感が良く、柔らかく感じることは良く知られてい
る(特開平5ー23262号公報)。しかしながら、こ
れらのパルプを用いた場合には、パルプ繊維に角質化が
生じていることもあってティシュペーパーの強度が低く
なるという問題があった。又、ドライパルプを製造する
場合にはパルプを乾燥させる工程が必要であり、ティシ
ュペーパーの製造工程が煩雑となり、且つコスト高にな
ること、更にDIPを使用する場合には、漂白後でもイ
ンクが残るなどの品質上の問題があった。それ故、今日
ではティシュペーパーの柔らかさと手触り感を優れたも
のとすることを優先するため少々コスト高になってもド
ライパルプが用いられているのが現状である。
【0005】一方、スラッシュパルプを使用する場合
は、ドライパルプやDIPに較べて強度の点においては
優れるが、ティシュペーパーの柔らかさや手触り感にお
いては劣るという問題があった。そのため、スラッシュ
パルプを用いたティシュペーパーの柔らかさや手触り感
を向上させる方法として、20%以上の高濃度において
パルプに機械的混練を施して圧縮性を付与したり(特開
平5ー23262号公報、特開平5ー98597号公
報、特開平6ー14848号公報等)、パルプ繊維をふ
るい分けして特定の繊維粗度を有する広葉樹パルプを用
いたり(特開平6ー121753号公報)、或いは紙用
柔軟剤、例えば脂肪酸エステル系柔軟化剤(米国特許
3,296,065号明細書)、第4級アンモニウム塩
型カチオン活性剤(特開昭48ー22701号公報)、
ウレタンアルコール、或いはその塩、又はカチオン化物
(特開昭60ー139897号公報)、ポリリン酸塩
(特開平2ー36288号公報)、ポリシロキサン(特
開平2ー224626号公報)、吸湿性を有する塩類、
多価アルコール、糖類(特開平5ー156596号公
報)等の薬品を添加する方法が提案されている。
【0006】しかしながら、前記の方法では依然として
製造工程が煩雑となったり、前記柔軟剤を添加する場合
には、良好な柔軟効果が得られても、抄紙の段階で起泡
性が大きいために、抄紙作業そのものに支障を来す恐れ
があり、場合によっては紙力と吸水性の低下を招くとい
う問題がある。更に、特開平6ー121753号公報に
は、パルプの繊維粗度が3〜8mg/100mの範囲に
ある広葉樹パルプを30〜70重量%含有してなるティ
シュペーパーが開示されている。ここで用いられる広葉
樹パルプは、前記範囲の繊維粗度に加えて、0.2mm
以下の繊維長からなる微細繊維の含有量が0.5〜4.
0重量%のものでドライパルプをも対象にするものであ
る。繊維粗度は、その定義から分かるように単位長さ当
りの重量であり、その値が低いほど繊維は細くしなやか
である。しかしながら、微細繊維は繊維粗度が高いため
に柔らかさと手触り感には好ましくないので、その特定
量を除去するか、微細繊維の含有量の少ないパルプ繊維
を選択する必要がある。以上述べたように、今までのと
ころスラッシュパルプ100%からなる広葉樹パルプと
針葉樹パルプの混合パルプを用いて繊維の改質や薬品の
添加無しにティシュペーパーの柔らかさと手触り感を改
善することは具現されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、ティシ
ュペーパーの柔軟性と手触り感を改善するため種々検討
を重ねた結果、広葉樹パルプと針葉樹パルプを混合して
ティシュペーパーの原料とする際にシートの動的弾性率
及び光散乱係数が或る特定の範囲にある前記混合スラッ
シュパルプは、極めて柔らかく、優れた手触り感をティ
シュペーパーに付与できることを見出し本発明を完成さ
せるに至った。本発明の目的は、スラッシュパルプのみ
から構成され、優れた柔軟性と手触り感を付与されたテ
ィシュペーパーを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、坪量60g/
2及び密度0.35g/cm3のシートにおける超音波
伝播速度から求めた動的弾性率が2.0GPa以下で、
且つ光散乱係数が450cm2/g以上を示す広葉樹木
材及び針葉樹木材からの混合パルプから構成されること
を特徴とするティシュペーパーである。本発明に用いら
れるパルプとは、広葉樹木材或いは針葉樹木材をクラフ
ト蒸解、サルファイト蒸解、ポリサルファイド蒸解、ソ
ーダ蒸解等の蒸解法或いはそれらの蒸解法と蒸解助剤の
組合せで得られる未漂白パルプ、任意に酸素漂白と組み
合わされた塩素、二酸化塩素、過酸化水素、オゾン、ハ
イポ及び任意に酸素或いは過酸化水素で補強されたアル
カリ抽出を組み合わせてなる多段漂白シーケンスで漂白
されたパルプのことをいい、代表的には未晒クラフトパ
ルプ(UKP)及び晒クラフトパルプ(BKP)、さら
には非木材繊維、機械パルプ等を挙げることができ、本
発明でいうスラッシュパルプ(slushed pul
p)とはパルプ化されて一度も乾燥を経ることなくスラ
リー状態で使用される広葉樹及び針葉樹パルプのことを
いう。
【0009】本発明においては、ティシュペーパーに用
いられる前記スラッシュパルプは、JIS P 820
9「パルプ試験用手すき紙調整方法」により作製された
坪量が60g/m2、密度が0.35g/cm3の手抄紙
を用いて、超音波伝播速度測定計で測定される動的弾性
率が2.0GPa以下で、且つクベルカームンクの式を
用いて得られる光散乱係数が450cm2/g以上を示
すように広葉樹パルプ及び針葉樹パルプが混合して用い
られる。前記混合パルプからのシートの動的弾性率が
2.0GPaを越えると、そのようなパルプからなるテ
ィシュペーパーは剛直な感じを与える。そのような混合
パルプの動的弾性率の下限は、広葉樹パルプの使用量に
よって自ずと限定され、1.2GPaが下限である。
【0010】動的弾性率が比較的低いパルプは、繊維断
面積が小さく、壁厚が薄いものがあり、そのような材種
としては広葉樹材としては、E.macarthuri
i、E.nitens、E.globulus、E.g
randis、E.robusta、E.vimina
lis等のユーカリ、ビーチ等を挙げることができる。
本発明では、前記のような材種の単独、そのような材種
を多く含むパルプ或いはその他の材種であってもパルプ
の動的弾性率が1.2〜1.8GPaの範囲にあるもの
から選ばれる。一方、針葉樹材としては、同様な理由に
よりウエスターンヘムロック、杉、スプルース等を主成
分とした混合材が好ましいが、このような材種は量が限
られていて入手困難なため、国内産松やラジアータ松を
主体として公知の針葉樹パルプの中から比較的断面積が
小さく、壁厚の薄いものが選ばれる。動的弾性率は、パ
ルプの叩解を進めると大きくなるが、針葉樹パルプの場
合にはティシュペーパーの強度を保持するために微叩解
されて用いられることが多く、微叩解された状態での動
的弾性率が2.0〜2.5GPaの針葉樹パルプが適宜
選ばれて用いられる。本発明では最終の動的弾性率は、
広葉樹スラッシュパルプと針葉樹スラッシュパルプとの
混合パルプによって決定され、ティシュペーパーの用途
により前記広葉樹パルプと針葉樹パルプの混合割合が3
5:65〜95:5の範囲内で用いられる。
【0011】一方、光散乱係数は、クベルカ(Kube
lka)とムンク(Munk)の理論より、シート層内
で散乱される光の量を示しており、光散乱係数が大きい
ということはシート層内における繊維間結合面積がそれ
だけ少なく、シート表面の比表面積が大きいことを示し
ている。このパルプの光散乱係数は、前記条件(坪量6
0g/m2、密度0.35g/cm3)下では、未叩解状
態での前記広葉樹パルプが450〜620cm2/g、
微叩解状態での前記針葉樹パルプが350〜470cm
2 /gの範囲にあり、これらの組合せにより混合パルプ
の光散乱係数を450cm2以上示すパルプが用いられ
る。これらの混合パルプの光散乱係数の上限は、前記パ
ルプの組合せで決まり自ずと限度があり、約605cm
2/gが上限である。
【0012】本発明では、ティシュペーパーを製造する
ための抄紙機は、公知のものがそのまま使用でき、円
網、短網、ツインワイヤ等のヤンキーマシンが利用でき
る。ヤンキードライヤー上でウェットクレープ、または
ドライクレープをつけるか、或いは最初にウェットクレ
ープをつけ、更にドライクレープをつけるかは、用途に
応じて適宜選択することができる。抄紙方法にも特に限
定はなく、混合パルプを均一な一層として抄紙する方
法、二つのスライスよりパルプを抄出し、二層抄き合わ
せとすることができ、その場合使用する際に人の肌に触
れる面に本発明によるティシュペーパーを用いることも
できる。
【0013】本発明のティシュペーパーが柔らかく、手
触り感が優れる理由は、動的弾性率と紙厚の3乗の積が
紙の柔らかさ(腰)と相関関係にあることが知られてお
り(例えば、新・紙の科学:有限会社中外産業調査会、
317ページ、平成1年6月12日発行)、坪量と密度
が同一の場合には、動的弾性率が低いほどそのパルプを
用いたティシュペーパーは柔らかく感じ、一方、パルプ
の光散乱係数が高いほど比表面積が大きくなるので、手
に触れたときティシュペーパーの表面と手との接触面積
が大きいため手触り感がよくなるものと考えられる。本
発明では、動的弾性率が2.0GPa以下であっても、
光散乱係数が450cm2/g未満の混合パルプからは
手触り感の優れたティシュペーパーは得られず、又動的
弾性率が2.0GPaを越える場合、光散乱係数が45
0cm2 /g以上であっても柔らかいティシュペーパー
は得られない。即ち、本発明では動的弾性率と光散乱係
数の両方の要因を満足するパルプを用いて初めてスラッ
シュパルプから柔らかくて手触り感の優れるティシュペ
ーパーが得られるのである。
【0014】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、もちろん本発明はこれらに限定されるもの
ではない。尚、実施例及び比較例において%とあるのは
すべて重量%を示す。
【0015】実施例1 広葉樹剤としてユーカリ材(E.macarthuri
i)のクラフトパルプ(白色度37.7%、カッパー価
19.9)を用いて次に示す条件で実験室で酸素漂白
(O)ー塩素漂白(C)ー苛性ソーダ抽出(E)ー次亜
塩素酸ソーダ漂白(H)ー二酸化塩素漂白(D)を行
い、ハンター白色度85%の広葉樹晒クラフトパルプを
作製した。同様に、針葉樹材としてロッジポールパイン
(55%)とホワイトスプルース(45%)の混合材か
らなるクラフトパルプ(白色度35.2%、カッパー価
30.2)を用いて次に示す条件で実験室において0ー
C−E−H−Dの漂白シーケンスにより漂白し、ハンタ
ー白色度85%の針葉樹晒クラフトパルプを作製した。
【0016】漂白条件 広葉樹 O:2リットル実験室オートクレーブ使用、苛性ソー
ダ;絶乾パルプ当り1.5%、酸素ガスを添加した後の
圧力;5kg/cm2 、パルプ濃度;10%、温度;9
0℃、保持時間;40分 C:塩素;絶乾パルプ当り1.4%、温度;45℃、保
持時間;60分、パルプ濃度10% E:苛性ソーダ;絶乾パルプ当り0.5%、温度;50
℃、保持時間;60分、パルプ濃度;10% H:次亜塩素酸ソーダ(有効Cl2);絶乾パルプ当り
0.3%、温度45℃、保 持時間;270分、パル
プ濃度;10% D:二酸化塩素(ClO2として);絶乾パルプ当り
0.3%、温度;70℃、保持時間;270分、パルプ
濃度;10% 各段の処理を完了したパルプは、水で十分に洗浄し、遠
心脱水した後次の処理に段に供した。
【0017】針葉樹 0:2リットル実験室オートクレーブ使用、苛性ソー
ダ;絶乾パルプ当り1.5%、酸素ガスを添加した後の
圧力;5kg/cm2 、パルプ濃度;10%、温度;9
0℃、保持時間;40分 C:塩素;絶乾パルプ当り2.1%、温度;45℃、保
持時間30分、パルプ濃度;10% E:苛性ソーダ;絶乾パルプ当り0.8%、温度;50
℃、保持時間;60分、パルプ濃度;10% H:次亜塩素酸ソーダ(有効Cl2として);絶乾パル
プ当り0.4%、温度;45℃、保持時間;90分、パ
ルプ濃度;10% D:二酸化塩素(ClO2として);絶乾パルプ当り
0.5%、温度;70℃、保 持時間;270分、パ
ルプ濃度;10% 各段の処理を完了したパルプは、水で十分に洗浄し、遠
心脱水した後次の処理段に供した。
【0018】得られた2種類の漂白スラッシュパルプの
うち、広葉樹パルプは未叩解の状態で、針葉樹パルプは
フリーネスが650mlCSFになるようにPFIミル
を用いて叩解し、次いでJIS P 8209「パルプ
試験用手すき紙調整方法」に準じて手抄機により米坪量
60g/m2、密度0.35g/cm3の手抄き紙をそれ
ぞれ広葉樹パルプと針葉樹パルプを用いて作製し、これ
らの紙を用いて次の試験方法で、動的弾性率と光散乱係
数を測定したところ、広葉樹パルプの動的弾性率は、
1.32GPa、光散乱係数は609cm2/g、針葉
樹パルプの動的弾性率は2.20GPa、光散乱係数は
448cm2/gであった。次に、これらの広葉樹パル
プ50%と針葉樹パルプ50%からなる混合パルプを得
て、この混合パルプの坪量60g/m2、密度0.35
g/cm3における動的弾性率と光散乱係数を測定し、
更にこの混合パルプから湿潤紙力増強剤(カイメンK−
1300、PCM製)を絶乾パルプ重量当り0.10%
添加し、米坪量13.5g/m2 の手抄きティシュペー
パーを作製して手触り感の官能評価を行い、これらの結
果を表1に示した。
【0019】試験方法 (1)動的弾性率 ANSI/ASTM F89ー68「Standard test
Method for MODULUSOF FLEXIBLE BARRIER MATERIA
L BY SONIC METHOD」に準拠し、超音波伝播速度測定
計(SST−210A、野村商事製)を用いて、手抄き
紙の音速を測定し、E=ρ×c2から動的弾性率を求め
た。但し、Eは、動的弾性率(GPa)、ρは密度(g
/cm3 )、cは音速(km/s)を表す。動的弾性
率の値が低いほど柔軟性に優れている。 (2)光散乱係数 得られた手抄き紙をJIS P 8111「試験用紙の
前処理」によりJIS P 8138「紙の不透明度試
験方法」に準じて、裏当て黒色板の上に手抄き紙の1枚
を置き、反射率を測定する。10枚について測定し、そ
の反射率の平均値をR0(%)とした。次に、裏当て黒
色板を使用せずにこの手抄き紙の 10枚を重ねて、そ
の反射率を測定しR00(%)とした。この測定に使用し
た手抄き紙を実験室オーブンに入れ、105℃で3時間
乾燥し、JIS P 8124「紙のメートル法坪量測
定方法」に準じて手抄き紙の絶乾坪量を測定し、これを
W(g/m2 )とした。光散乱係数は、次式より算出し
た。 光散乱係数={2.3log(1ーR0×R00)/(1
ーR0/R00)}×10000/{W(1/R00
00)}
【0020】手触り感の評価方法 男子5人、女子5人で手抄きティシュペーパーの官能評
価を行い、手触り感を次の区分で表示した。 ◎:非常に良い、○:良い、△:普通、×:悪い
【0021】実施例2 針葉樹材として国内産松(30%)、ラジアータパイン
(45%)及びダグラスファー(25%)の混合材から
なるクラフトパルプ(白色度34.3%、カッパー価2
9.6)を用いて実施例1に示す条件で実験室において
0ーC−E−H−Dの漂白シーケンスにより漂白し、ハ
ンター白色度85%の針葉樹晒クラフトパルプを作製し
た。得られた針葉樹漂白スラッシュパルプを用いて、実
施例1と同様にして手抄機によりフリーネスが650m
lCSFになるように叩解して米坪量60g/m2、密
度0.35g/cm3 の手抄き紙を作製し、動的弾性率
と光散乱係数を測定したところ、動的弾性率は2.33
GPa、光散乱係数は386cm2 /gであった。次い
で、実施例1で用いた広葉樹パルプ50%と前記針葉樹
パルプ50%からなる混合パルプを得て、この混合パル
プの坪量60g/m2 、密度0.35g/cm3 に於け
る動的弾性率と光散乱係数を測定し、更にこの混合パル
プから湿潤紙力増強剤(カイメンK−1300、PCM
製)を絶乾パルプ重量当り0.10%添加し、米坪量1
3.5g/m2 の手抄きティシュペーパーを作製して手
触り感の官能評価を行い、これらの結果を表1に示し
た。
【0022】実施例3 実施例1で用いた広葉樹パルプ70%と実施例2で用い
た針葉樹パルプ30%からなる混合パルプを得て、この
混合パルプの坪量60g/m2 、密度0.35g/cm
3 における動的弾性率と光散乱係数を測定し、更にこの
混合パルプから湿潤紙力増強剤(カイメンK−130
0、PCM製)を絶乾パルプ重量当り0.10%添加
し、米坪量13.5g/m2 の手抄きティシュペーパー
を作製して手触り感の官能評価を行い、これらの結果を
表1に示した。
【0023】比較例1 実施例1で用いた広葉樹パルプ30%と実施例2で用い
た針葉樹パルプ70%からなる混合パルプを得て、この
混合パルプの坪量60g/m2 、密度0.35g/cm
3 における動的弾性率と光散乱係数を測定し、更にこの
混合パルプから湿潤紙力増強剤(カイメンK−130
0、PCM製)を絶乾パルプ重量当り0.10%添加
し、米坪量13.5g/m2 の手抄きティシュペーパー
を作製して手触り感の官能評価を行い、これらの結果を
表1に示した。
【0024】比較例2 広葉樹材としてアカシア材(meransill)のク
ラフトパルプ(白色度30.6%、カッパー価20.
3)を用いて実施例1と同様にして実験室でOーCーE
ーHーDシーケンスで漂白を行い、ハンター白色度85
%の広葉樹晒クラフトパルプを作製した。得られたアカ
シア漂白スラッシュパルプを用いて、実施例1と同様に
して手抄機により米坪量60g/m2 、密度0.35g
/cm3 の手抄き紙を作製し、動的弾性率と光散乱係数
を測定したところ、動的弾性率は1.91GPa、光散
乱係数は549cm2 /gであった。次いで、前記広葉
樹パルプ50%と実施例2で用いた針葉樹パルプ50%
からなる混合パルプを得て、この混合パルプの坪量60
g/m2 、密度0.35g/cm3 における動的弾性率
と光散乱係数を測定し、更にこの混合パルプから湿潤紙
力増強剤(カイメンK−1300、PCM製)を絶乾パ
ルプ重量当り0.10%添加し、米坪量13.5g/m
2 の手抄きティシュペーパーを作製して手触り感の官能
評価を行い、これらの結果を表1に示した。
【0025】比較例3 広葉樹材としてオーク材(alba)のクラフトパルプ
(白色度38.2%、カッパー価19.5)を用いて実
施例1と同様にして実験室でOーCーEーHーDシーケ
ンスで漂白を行い、ハンター白色度85%の広葉樹晒ク
ラフトパルプを作製した。得られたオーク漂白スラッシ
ュパルプを用いて、実施例1と同様にして手抄機により
未叩解で米坪量60g/m2 、密度0.35g/cm3
の手抄き紙を作製し、動的弾性率と光散乱係数を測定し
たところ、動的弾性率は1.40GPa、光散乱係数は
445cm2/gであった。次いで、前記広葉樹パルプ
50%と実施例2で用いた針葉樹パルプ50%からなる
混合パルプを得て、この混合パルプの坪量60g/m
2 、密度0.35g/cm3 における動的弾性率と光散
乱係数を測定し、更にこの混合パルプから湿潤紙力増強
剤(カイメンK−1300、PCM製)を絶乾パルプ重
量当り0.10%添加し、米坪量13.5g/m2 の手
抄きティシュペーパーを作製して手触り感の官能評価を
行い、これらの結果を表1に示した。
【0026】
【表1】
【0027】表1から分かるように、動的弾性率を2.
0GPa以下、光散乱係数を450cm2/g以上を有
する混合パルプを原料として構成される本発明のティシ
ュペーパーは、乾燥パルプを一切使用しないで、即ちス
ラッシュパルプのみを用いることにより柔らかで手触り
感の優れるものである(実施例1〜3)。これに対し、
動的弾性率が2.0GPa、光散乱係数が450cm2
/gに限りなく近い場合(比較例1)、手触り感は普通
で改善されず、光散乱係数と動的弾性率が高い場合(比
較例2)及び逆に、動的弾性率と光散乱係数が低い場合
(比較例3)、その両方ともティシュペーパーの手触り
感は悪い。
【0028】
【発明の効果】以上詳細に説明したごとく、本発明は、
スラッシュパルプのみから構成され、優れた柔らかさと
手触り感を付与されたティシュペーパーを提供するとい
う効果を奏する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 坪量60g/m2及び密度0.35g/
    cm3のシートにおける超音波伝播速度から求めた動的
    弾性率が2.0GPa以下で、且つ光散乱係数が450
    cm2/g以上を示すスラッシュパルプから構成される
    ことを特徴とするティシュペーパー。
JP7038410A 1995-02-27 1995-02-27 ティシュペーパー Pending JPH08228956A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7038410A JPH08228956A (ja) 1995-02-27 1995-02-27 ティシュペーパー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7038410A JPH08228956A (ja) 1995-02-27 1995-02-27 ティシュペーパー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08228956A true JPH08228956A (ja) 1996-09-10

Family

ID=12524539

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7038410A Pending JPH08228956A (ja) 1995-02-27 1995-02-27 ティシュペーパー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08228956A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004124314A (ja) * 2002-10-03 2004-04-22 Daio Paper Corp 衛生用紙
CN116583642A (zh) * 2020-12-24 2023-08-11 大王制纸株式会社 绒毛浆用浆板

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004124314A (ja) * 2002-10-03 2004-04-22 Daio Paper Corp 衛生用紙
CN116583642A (zh) * 2020-12-24 2023-08-11 大王制纸株式会社 绒毛浆用浆板

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4762846B2 (ja) 家庭用薄葉紙及びその製造方法
de Assis et al. Comparison of Wood and Non-Wood Market Pulps for Tissue Paper Application.
CA2322439C (en) Cotton linter tissue products and method for preparing same
JP6930069B2 (ja) 衛生用紙
TW548362B (en) A sanitary paper product made by modifying coarse fibers and process thereof
KR20000069112A (ko) 재생신문지로부터 위생용 종이 제품을 제조하는 방법
JP2005204868A5 (ja)
JP2005204868A (ja) 家庭用薄葉紙
US20030111196A1 (en) Tissue products and methods for manufacturing tissue products
JP4519228B2 (ja) プラスチック被覆紙原料から取り出した良質のセルロース繊維を高配合した衛生用紙
JP2006132051A (ja) ティシュペーパー製品
AU711897B2 (en) A soft, bulky absorbent paper containing chemithermomechanical pulp
JP5666155B2 (ja) 衛生用紙
JP6004070B1 (ja) 衛生用紙及びティシュペーパー製品の製造方法
JPH08228956A (ja) ティシュペーパー
JP2800595B2 (ja) ティシュペーパー
JPH0523262A (ja) 柔軟化処理パルプおよび柔軟化処理パルプを抄紙して得られたテイシユペーパー
JPH0576464A (ja) テツシユペーパーの製造方法
CA2095554A1 (en) Bleached chemithermomechanical hardwood fibers for soft tissue
JP2705457B2 (ja) ティシュペーパー
JP3010904B2 (ja) ティシュペーパーの製造方法
JPH0614848A (ja) ティシュペーパー
JPH0598597A (ja) テイシユペーパー
JP2003027389A (ja) ティッシュ製品
JP2002235299A (ja) ティッシュ製品