JPH0822888A - 電磁調理器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被加熱物を支える構造の機械的強度が高い電
磁調理器を提供する。 【構成】 電磁調理器の筐体２のフレーム上に、複数の
リブ１の下端面が筐体２内の加熱コイルを指向するよう
に並列又は格子状に固定するとともに、同一平面上に含
まれる各リブ１の上端面にて調理鍋を支え、荷重が直接
トッププレート３に加わらないようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、誘導加熱される被加熱
物を加熱コイルの主面に対して略平行となる平面上で支
える構造を有する電磁調理器に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に電磁調理器は、リッツ線等の導線
を中心より外周に向かって渦巻状に密接して巻回した平
形の加熱コイルと、この加熱コイルに高周波電流を流す
ための電源と、加熱コイルの通電時に誘導加熱される調
理容器や調理鍋等の被加熱物を載置するための電気的絶
縁性板体（トッププレート）とを有し、加熱コイルに高
周波電流を流してトッププレート上の調理鍋等を誘導加
熱している。

【０００３】このような電磁調理器では、加熱時に加熱
コイル自体あるいはトッププレートが熱を持つ。また、
調理鍋等を繰り返し載置することから当該部位の表面が
磨耗する。そのため、耐熱性、耐久性を考慮してトップ
プレートに耐熱ガラスを使用するとともに、その背面と
加熱コイルの主面、即ちコイル形成面との間に放熱のた
めの一定の冷却空間を形成しているのが通常である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
電磁調理器は、主として耐熱ガラスから成るトッププレ
ートを使用しており、しかも冷却空間を確保するためト
ッププレートの中央部付近には補強材等が配置されてい
ないのが殆どである。そのため、トッププレートが衝撃
や外部応力に弱く、割れ易いという欠点があった。本発
明は、かかる欠点を解消し、調理鍋等の被加熱物の載置
箇所の機械的強度を高める構造の電磁調理器を提供する
ことを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】第１発明に係る電磁調理
器は、加熱コイルにより誘導加熱される被加熱物を前記
加熱コイルの主面に対して略平行となる平面上で支える
構造を有する電磁調理器において、その一方の厚み面が
前記加熱コイルの主面を指向する同一幅の複数のリブ
を、それぞれ他方の厚み面が前記平面上に含まれる位置
に並設固定し、各リブの他方の厚み面にて前記被加熱物
を支える構造としたことを特徴とする。

【０００６】また、第２発明に係る電磁調理器は、上記
第１発明の構造において、前記複数のリブを電気的絶縁
材で形成するとともに、少なくとも前記被加熱物と接す
るリブの厚み面に金属又はセラミックから成る補強片を
埋設し、この補強片の露出部にて前記被加熱物を支える
構造としたことを特徴とする。この補強片は、例えばリ
ベット状、あるいは短冊状のものを用いる。

【０００７】また、第３発明に係る電磁調理器は、加熱
コイルにより誘導加熱される被加熱物を前記加熱コイル
の主面に対して略平行となる平面上で支えるための電気
的絶縁性板体を有する電磁調理器において、前記板体の
少なくとも前記被加熱物と接する部位に金属又はセラミ
ックから成る複数の補強片を埋設し、これら補強片にて
前記被加熱物を支える構造としたことを特徴とする。

【０００８】

【作用】第１発明の電磁調理器にあっては、並設固定さ
れた複数のリブの各々の他方の厚み面で被加熱物を支え
る際に被加熱物の荷重が各リブに分散される。この荷重
は、各リブの他方の厚み面から一方の厚み方向、つまり
幅方向に加わるので、トッププレートのような一枚板構
造に比べて機械的強度が格段に高まる。なお、リブの厚
み面以外の面部間に間隙を形成すれば放熱も促進され
る。

【０００９】第２発明の電磁調理器では、更に、衝撃や
外部応力が、補強片の埋設部位にて緩和されるのでリブ
が割れにくくなり、しかも被加熱物と接するのは金属又
はセラミクスなので、リブ表面の磨耗も無くなる。第３
発明の電磁調理器の場合も同様に、衝撃や外部応力が、
電気的絶縁板体の表面における補強片埋設部位にて緩和
されるので割れにくくなり、板体表面の磨耗も無くな
る。従って、リブや板材の素材として、耐熱性や耐衝撃
性はあるが厚み面の耐摩耗性に乏しいような素材を使用
することもできる。

【００１０】

【実施例】次に図面を参照して本発明の実施例を詳細に
説明する。 （第１実施例）図１は本発明の第１実施例に係る電磁調
理器の外観斜視図である。図１において、１はセラミク
スから成る長尺板状のリブ、２はリブ端部をそのフレー
ムにて支持するとともに内部に加熱コイルやコイル用電
源を収容して成る筐体、３は耐熱ガラスプレート（トッ
ププレート）である。

【００１１】各リブ１はそれぞれ同一幅であり、その一
方の厚み面、図示の例ではリブ下端面が筐体２内の加熱
コイルの主面を指向し、他方の厚み面、図示の例ではリ
ブ上端面がそれぞれ同一平面上に含まれるように並設固
定されている。つまり、各リブ１の側面が、調理鍋を載
置する面と直角方向に並設固定されている。各リブ１の
幅は加熱効率や放熱効率の兼ね合いで決定する。例え
ば、リブ下端面から加熱コイルまでの距離を放熱のため
に少なくとも１０ｍｍ確保し、且つリブ上端面から加熱
コイルまでの距離を１５ｍｍ以下にする場合には、リブ
１の幅は約４〜５ｍｍとなる。

【００１２】耐熱ガラスプレート３は、筐体２内の加熱
コイルの主面と略平行の平面上でフレームの内側に一段
下げた位置に固定されており、リブ上部端面からの荷重
が直接加わらない構造になっている。

【００１３】使用時には、図２に示すように、調理鍋３
０内に水等の液体を入れ、これをリブ１の上端面に載置
する。この調理鍋３０は複数のリブ１により支えられる
ので、載置の際に加えられる力や調理鍋３０自体の重量
エネルギー（荷重）は分散され、それぞれリブ上端面か
らリブ下端面を経て筐体２のフレームに伝わる。従っ
て、調理鍋３０を直接トッププレート３の表面に載置す
る場合に比べて機械的強度が格段に高まり、耐衝撃性に
優れた電磁調理器が得られる。また、リブ１の側面同士
が所定間隔で向き合うように配列固定されているので、
これら側面と調理鍋３０との間で冷却空間が形成され、
加熱効率を低下させることなく筐体２内で発生した熱を
効率的に外部に放熱することができる。

【００１４】なお、図１では、複数のリブ１を等間隔且
つ一定方向に揃えた例を示したが、各リブ１の配列間隔
は任意で良く、調理鍋３０の発熱量に応じて適当に疎密
に変化させることもできる。また、各リブ１を格子状あ
るいは類似の形状に配列しても良い。格子状に配列した
場合は機械的強度がより高くなる。

【００１５】（第２実施例）図３は、本発明の第２実施
例に係る電磁調理器の外観斜視図であり、上記第１実施
例と同一構成要素については同一符号を付してある。図
３から明らかなように、この実施例の電磁調理器の基本
構造及び使用態様は第１実施例の場合と同様であるが、
その端部が筐体３のフレームにて支持された長尺板状の
リブ１１の上端面に、短冊状の補強片１２を多数埋設し
た点が異なる。リブ１１の素材には、耐熱樹脂等の電気
的絶縁材を用い、補強片１２の素材には金属又はセラミ
クスを用いている。

【００１６】このような構造の電磁調理器では、使用時
に補強片１２の露出部にて調理鍋を支えることになる。
従って、各リブ１１の機械的強度、殊に補強片１２の埋
設部位の機械的強度が図１のようなリブ１よりも更に高
まり、耐衝撃性に加えて耐磨耗性に優れた電磁調理器を
得ることができる。この効果は、リブ１１の素材とし
て、耐熱性や耐衝撃性はあるが、その表面の耐磨耗性に
乏しい素材の場合に顕著であり、リブ１１の素材の選択
の幅が広がるとともに、リブ１１の加工が容易であるこ
とから全体的なコスト低減も可能となる。

【００１７】なお、各リブ１１は、第１実施例の場合と
同様、格子状に配列しても良い。また、補強片１２は、
必ずしも図３のように全てのリブ１２の上端面に埋設し
なくとも良く、少なくとも調理鍋と接する部位に埋設し
てあれば良い。更に、補強片１２の形状は図示の例に限
定されず、例えばリベット状その他の形状であっても良
い。

【００１８】（第３実施例）図４は、本発明の第３実施
例に係る電磁調理器の外観斜視図であり、上記第１実施
例と同一構成要素については同一符号を付してある。こ
の実施例では、図１及び図３に示したリブ１，１１に代
えて、耐熱樹脂を板状に成形して成るトッププレート２
１を用いるとともに、このトッププレート２１の表面
に、例えばステンレス鋼から成るリベット状の補強片２
２を多数埋設している。トッププレート２１の端部は、
筐体２のフレームにて支持固定されている。

【００１９】このような構造の電磁調理器では、使用時
に補強片２２の露出部にて調理鍋を支えるので、トップ
プレート２１の機械的強度が補強片無しのものに比べて
格段に高まり、衝撃や外部応力が加えられても割れにく
くなる。従って、トッププレートの素材として耐熱性や
耐衝撃性はあるが厚み面の耐摩耗性に乏しいような板材
を使用することもでき、素材選択の幅が広がる。また、
第１又は第２実施例のように複数のリブを用いる場合に
比べて電磁調理器の組立がより容易になる。

【００２０】なお、補強片２２は、セラミクス製であっ
ても良い。また、必ずしも図４のようにトッププレート
２１の全表面に均等に埋設しなくとも良く、少なくとも
調理鍋と接する部位に埋設してあれば良い。

【００２１】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、第１発
明の電磁調理器によれば、並設固定された複数のリブの
各々の厚み面で被加熱物を支える際に、被加熱物の荷重
が各リブに分散され、しかも各リブの幅方向に加わるの
で、一枚板から成る構造に比べて機械的強度が高まる効
果があり、従来品の欠点を解消することができる。

【００２２】また、第２発明の電磁調理器によれば、補
強片を埋設することでリブの全体的な機械的強度が補強
片無しのリブに比べて高まる効果があり、第１発明の効
果をより有効なものとすることができる。

【００２３】また、第３発明の電磁調理器によれば、電
気的絶縁板体の全体的な機械的強度が補強片無しの板体
に比べて高まる効果があり、従来品の欠点をより簡易に
解消することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例に係る電磁調理器の外観斜
視図。

【図２】第１実施例の電磁調理器の使用態様を示す側面
図。

【図３】本発明の第２実施例に係る電磁調理器の外観斜
視図。

【図４】本発明の第３実施例に係る電磁調理器の外観斜
視図。

【符号の説明】

１，１１ リブ ２ 電磁調理器の筐体 ３，２１ トッププレート １１，２２ 補強片

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 加熱コイルにより誘導加熱される被加熱
   物を前記加熱コイルの主面に対して略平行となる平面上
   で支える構造を有する電磁調理器において、 その一方の厚み面が前記加熱コイルの主面を指向する同
   一幅の複数のリブを、それぞれ他方の厚み面が前記平面
   上に含まれる位置に並設固定し、各リブの他方の厚み面
   にて前記被加熱物を支える構造としたことを特徴とする
   電磁調理器。
2. 【請求項２】 前記複数のリブを電気的絶縁材で形成す
   るとともに、少なくとも前記被加熱物と接するリブの厚
   み面に金属又はセラミックから成る補強片を埋設し、こ
   の補強片の露出部にて前記被加熱物を支える構造とした
   ことを特徴とする請求項１記載の電磁調理器。
3. 【請求項３】 加熱コイルにより誘導加熱される被加熱
   物を前記加熱コイルの主面に対して略平行となる平面上
   で支えるための電気的絶縁性板体を有する電磁調理器に
   おいて、 前記板体の少なくとも前記被加熱物と接する部位に金属
   又はセラミックから成る複数の補強片を埋設し、これら
   補強片の露出部にて前記被加熱物を支える構造としたこ
   とを特徴とする電磁調理器。