JPH0822855B2 - 光学活性なヒスチジン誘導体 - Google Patents

光学活性なヒスチジン誘導体

Info

Publication number
JPH0822855B2
JPH0822855B2 JP62331075A JP33107587A JPH0822855B2 JP H0822855 B2 JPH0822855 B2 JP H0822855B2 JP 62331075 A JP62331075 A JP 62331075A JP 33107587 A JP33107587 A JP 33107587A JP H0822855 B2 JPH0822855 B2 JP H0822855B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
added
morpholinocarbonyl
formula
methanol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62331075A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01172374A (ja
Inventor
哲聖 上條
弘 原田
敦 椿
敏章 山口
亮 伊與部
欣二 飯塚
良明 木曾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kissei Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Kissei Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kissei Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Kissei Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP62331075A priority Critical patent/JPH0822855B2/ja
Publication of JPH01172374A publication Critical patent/JPH01172374A/ja
Publication of JPH0822855B2 publication Critical patent/JPH0822855B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は医薬品の製造中間体として有用なヒスチジン
誘導体に関するものである。さらに詳しく述べれば、本
発明はヒトレニン(human renin)活性阻害作用を示
し、高血圧症治療剤として有用なアミノ酸誘導体の製造
中間体として有用な、式 〔式中の(R)または(S)を記した炭素原子はそれぞ
れR配置またはS配置であり、Xは安息香酸、3−ニト
ロ安息香酸、テレフタルアルデヒド酸、4−シアノ安息
香酸、サリチル酸およびニコチン酸の中から選ばれる芳
香族カルボン酸である〕で表される光学活性なヒスチジ
ン誘導体に関するものである。
〔従来の技術〕
本発明者らは先に、一般式 (式中のHisはL−ヒスチジル基であり、Yは−O−ま
たは−NH−であり、Rは炭素数1〜7の直鎖状または枝
分かれ状のアルキル基である)で表されるアミノ酸誘導
体がレニン阻害活性を示し、高血圧症治療剤として有用
であることを見出し、すでに報告している(日本特許公
開公報昭62-234071号)。
前記一般式(II)で表されるアミノ酸誘導体はL−ヒ
スチジン部分を含め4個の不斉炭素を有し、それぞれの
炭素上の立体配置はその活性に影響を与えることが知ら
れており、特にヒスチジンのα−アミノ基についたアシ
ル部分の不斉炭素はR配置である方が好ましいことが確
認されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前記一般式(II)の化合物において、それぞれの不斉
炭素上の立体配置が活性に影響を与えることが知られて
いるが、それぞれの不斉炭素において光学純度の高い化
合物を製造することは困難で多くの手間を要するもので
あった。
例えば、前記一般式(II)の化合物において、ヒスチ
ジンのα−アミノ基に結合したアシル基に相当するカル
ボン酸の場合、それぞれの光学活性体を不斉合成するこ
とは難しく、ラセミ体を光学分割することもまた困難で
ある。従って、L−ヒスチジンとのアミド体を合成し、
得られたジアステレオマー混合物をカラムクロマトグラ
フィーあるいは分取薄層クロマトグラフィーを繰り返し
て分離せざるを得なかった。しかしながら、この方法は
高価なカラムや充てん剤を要したり、大量の溶媒を用い
るなどの問題があり、しかも大量に処理することが困難
なものである。
このため、これらの光学異性体の効率的かつ簡便な単
離方法を見出すことが望まれていた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは前記したような問題点を解決すべく、式 〔式中の(S)を記した炭素原子はS配置であり、(R,
S)を記した炭素原子はRおよびS配置である〕で表さ
れるジアステレオマー混合物の分離方法について鋭意研
究を重ねた結果、ある種の芳香族カルボン酸との塩が良
好な結晶性を示し、分別再結晶により光学異性体を単離
できることを見出し、本発明を成すに至った。
すなわち、本発明は前記式(II)で表されるアミノ酸
誘導体の製造中間体として有用な前記一般式(I)で表
される光学活性なヒスチジン誘導体を提供するものであ
る。
本発明の前記一般式(I)で表される化合物は、前記
一般式(III)で表されるジアステレオマー混合物を安
息香酸、3−ニトロ安息香酸、テレフタルアルデヒド
酸、4−シアノ安息香酸、サリチル酸およびニコチン酸
の中から選ばれる芳香族カルボン酸との酸付加塩とし、
これを分別再結晶することによって製造することができ
る。
前記式(III)で表される化合物は塩酸などのような
無機酸を始め、種々の有機酸とも酸付加塩を形成する
が、いずれも無晶形に近い粉末となり、再結晶による精
製は困難なものがほとんどである。このような式(II
I)の化合物がある種の芳香族カルボン酸と結晶性良好
な塩を形成し、しかもこの塩を分別再結晶することによ
り極めて容易に、純度よく一方の異性体のみを分離精製
できることは驚くべきことである。
本発明に用いられる芳香族カルボン酸としては上述し
たような核置換安息香酸およびピリジンカルボン酸をあ
げることができるが、これらの中でサリチル酸が最も好
ましい。
本発明の方法を好適に実施するには、前記式(III)
の化合物を適当な不活性溶媒、例えば酢酸エチルに溶解
し、これに、等モルないしやや過剰モルの芳香族カルボ
ン酸を加えて室温で1〜数日放置し、必要に応じ種を用
いて結晶を析出させ、析出した結晶をろ取し、これを塩
化メチレン/メタノール(1/1,v/v)混合溶媒に加熱溶
解し、適度に濃縮後、適量の酢酸エチルを加えて放置
し、析出した結晶をろ取する。
このようにして製造される前記一般式(I)で表され
る光学活性な塩は、アルカリ水溶液、例えば、炭酸水素
ナトリウム水溶液に溶解し、不活性有機溶媒、例えば、
クロロホルムで抽出し、常法に従い処理することにより
きわめて容易に、式 〔式中の(R)および(S)は前記と同じ意味をもつ〕
で表される遊離の光学活性なヒスチジン誘導体に導くこ
とができる。
このようにして得られる式(IV)の化合物を用い、前
記日本特許公開公報昭和62-234071号記載の方法に従っ
て、一般式 (式中のYおよびRは前記と同じ意味をもつ)で表され
る化合物と反応させることにより、一般式 〔式中の(R)、His、YおよびRは前記と同じ意味を
もつ〕で表されるアミノ酸誘導体を製造することができ
る。
本発明者らは更に光学活性な、式(I)の化合物の出
発原料である、式 〔式中の(R)は前記と同じ意味をもつ〕で表されるカ
ルボン酸の単離精製方法について検討した結果、式 〔式中の(R,S)は前記と同じ意味をもつ〕で表される
ラセミ体をある種の光学活性なアルコール誘導体とのエ
ステルを製造し、これを分別再結晶した後、加水分解す
ることにより容易に光学活性な式(VI)のカルボン酸を
得ることができることを見出した。
例えば、式(VII)のラセミ体を、式 〔式中の(S)は前記と同じ意味をもつ〕で表されるS
−(+)−マンデル酸メチルまたは、式 〔式中の(R)は前記と同じ意味をもつ〕で表される
(R)−(−)−マンデル酸ベンジルアミドとのエステ
ル誘導体を製造し、得られたジアステレオマー混合物を
分別再結晶した後加水分解することによって光学活性な
式(VI)のカルボン酸を得ることができる。
得られた式(VI)のカルボン酸はL−ヒスチジンメチ
ルと常法により縮合させることにより極めて容易に本発
明の式(IV)の化合物に導くことができ、また、L−ヒ
スチジン以外のアミノ酸をもつ誘導体の製造にも用いる
ことが可能であり、医薬品の製造中間体として極めて有
用である。
本発明の前記式(IV)の光学活性なヒスチジン誘導体
を用いて製造される前記一般式(IIa)の化合物は、ジ
アステレオマー混合物のヒスチジン誘導体(III)を用
いて製造される前記一般式(II)の化合物に比べ強いレ
ニン阻害活性を示す。
〔実施例〕
本発明をさらに詳述するために以下に参考例および実
施例をあげる。なお、各参考例および実施例中の化合物
の融点は未補正である。また、各化合物のNMRスペクト
ルは日本電子JNM-GX270型高分解能核磁気共鳴装置を用
いて測定した。Massスペクトルは日本電子JMS-DX300型
マススペクトロメーターを用いてFAB法により測定し
た。薄層クロマトグラフィーはメルク社のプレコートプ
レートシリカゲル(precoated plates silica gel)60F
254を、カラムクロマトグラフィーはメルク社のキーゼ
ルゲル(Kieselgel)60(230-400メッシュ)を用いて行
った。また薄層クロマトグラフィーの展開溶媒はクロロ
ホルム/メタノール/水=8/3/1の混合液の下層および
クロロホルム/メタノール=5/1の混合液の2種類を用
い、Rf値(Rf1およびRf2)を算出した。
参考例1 2−(1−ナフチルメチレン)コハク酸 金属ナトリウム1.1gを氷冷下、アルゴン気流中乾燥メ
タノール30mlに溶解し、コハク酸エチル11.2gを加え加
熱還流する。
一方、1−ナフトアルデヒド5.0gを乾燥メタノール17
mlに溶解し、これを先のメタノール溶液に約20〜30分で
滴下し、そのまま2時間加熱還流する。
この溶液に2規定水酸化ナトリウム水溶液80mlを加
え、6時間加熱還流する。減圧下にメタノールを留去
し、残留液に濃塩酸15mlを加えpH4とし、酢酸エチルで
抽出する。酢酸エチル層を飽和食塩水で洗った後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去する。
残留物にベンゼン/ヘキサン=1/2の混液を加え、析出
結晶をろ取し、淡黄色結晶の2−(1−ナフチルメチレ
ン)コハク酸8.58gを得る。
Rf1:0.17 Rf2:0.13 融点:181.5〜182.5℃ IR(KBr):νco 1690cm-1 NMR(DMSO-d6) δ:3.3〜3.7(m,2H),7.4〜8.4(m,8H),12.6(brs,2
H) 参考例2 2−(1−ナフチルメチレン)無水コハク酸 2−(1−ナフチルメチレン)コハク酸5.1gを塩化メ
チレン50mlにけんだくさせ、これに塩化チオニル14.5ml
を加え、このコハク酸が溶解するまで加熱還流する(2
〜3時間)。減圧下に溶媒を留去し、残留物にベンゼン
/ヘキサン=1/3の混液を加え、析出結晶をろ取し、橙
色結晶の2−(1−ナフチルメチレン)無水コハク酸4.
2gを得る。
Rf1:0.88 Rf2:0.83 融点:163〜165℃ IR(KBr):νco 1830,1770cm-1 NMR(CDCl3) δ:3.7〜4.0(m,2H),7.5〜8.7(m,8H) 参考例3 2−(1−ナフチルメチレン)−3−(モルホリノカル
ボニル)プロピオン酸 2−(1−ナフチルメチレン)無水コハク酸4.05gを
酢酸エチル20mlにけんだくし、室温でモルホリン1.48ml
を滴下後、一夜撹拌する。反応液にベンゼン/ヘキサン
=1/1の混液40mlを加え、析出結晶をろ取し、酢酸エチ
ル/ベンゼン/ヘキサン=1/1/1の混液で洗浄する。結
晶を減圧下に乾燥し、無色結晶の2−(1−ナフチルメ
チレン)−3−(モルホリノカルボニル)プロピオン酸
4.6gを得る。
Rf1:0.63 Rf2:0.57 融点:148〜150℃ IR(KBr):νco 1700cm-1 NMR(CDCl3) δ:3.2〜4.0(m,10H),7.4〜8.5(m,8H) 参考例4 (2RS)−2−(1−ナフチルメチル)−3−(モルホ
リノカルボニル)プロピオン酸 2−(1−ナフチルメチレン)−3−(モルホリノカ
ルボニル)プロピオン酸30gをメタノール350mlに溶解
し、10%パラジウム炭素3.0gをエタノールにけんだくし
て加え、室温下常圧で水添する。触媒をろ去後、減圧下
に溶媒を留去する。残留物に酢酸エチルを加えて減圧下
に留去し、白色アモルファスの(2RS)−2−(1−ナ
フチルメチル)−3−(モルホリノカルボニル)プロピ
オン酸29.5gを得る。
Rf1:0.67 Rf2:0.45 MS:MH+,328 融点:64〜68℃ IR(KBr):νco 1720,1640cm-1 NMR(CDCl3) δ:2.35〜2.7(m,2H),3.05〜3.85(m,11H),7.25〜8.2
(m,7H) 参考例5 2−(1−ナフチルメチレン)コハク酸 金属ナトリウム4.4gを氷冷下、アルゴン気流中乾燥メ
タノール120mlに溶解後、コハク酸エチル44.6gを加え加
熱還流する。
一方、1−ナフトアルデヒド20gを乾燥メタノール68m
lに溶解し、これを先のメタノール溶液に約20〜30分で
滴下し、そのまま2時間加熱還流する。
この溶液に3規定水酸化ナトリウム水溶液213mlを加
え、2時間加熱還流する。減圧下にメタノールを留去す
る。残留液に氷冷下濃塩酸100mlを加え析出結晶をろ取
し、水で十分洗浄する。結晶は減圧下に乾燥し、淡黄色
結晶の2−(1−ナフチルメチレン)コハク酸30.5gを
得る。
物性値は参考例1の結果と一致した。
参考例6 2−(1−ナフチルメチレン)−3−(モルホリノカル
ボニル)プロピオン酸 2−(1−ナフチルメチレン)コハク酸500mgを酢酸
エチル10mlにけんだくさせ、これに塩化チオニル1.42ml
を加え30℃でこのコハク酸が溶解するまで加温する。減
圧下に溶媒を留去し、残留物を塩化メチレン10mlに溶解
し、氷冷撹拌下にモルホリン0.19mlを加え、室温にて30
分間撹拌する。減圧下に溶媒を留去したのち、残留物を
酢酸エチルに溶解し、1規定塩酸、次いで飽和食塩水で
洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を
留去し、残留物を酢酸エチル/ベンゼン/ヘキサン=1/
1/1の混液から結晶化し、無色結晶の2−(1−ナフチ
ルメチレン)−3−(モルホリノカルボニル)プロピオ
ン酸500mgを得る。
物性値は参考例3の結果と一致した。
実施例1 N−〔(2R)−2−(1−ナフチルメチル)−3−(モ
ルホリノカルボニル)プロピオニル〕−L−ヒスチジン
メチルエステル サリチル酸塩 (2RS)−2−(1−ナフチルメチル)−3−(モル
ホリノカルボニル)プロピオン酸5.0gおよびL−ヒスチ
ジンメチルエステル2塩酸塩3.51gを乾燥アセトニトリ
ル30mlにけんだくし、氷冷撹拌下に乾燥トリエチルアミ
ン4.25mlを滴下後、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン
−2,3−ジカルボキシイミド2.74g、ついで1,3−ジシク
ロヘキシルカルボジイミド3.15gの乾燥アセトニトリル
溶液を滴下し、1〜2時間後に室温にもどし、一夜撹拌
する。反応液を氷冷後、析出している固体をろ去し、ろ
液を減圧下に濃縮する。残留物を酢酸エチルに溶解し、
2%酢酸水溶液で抽出する。この酢酸水溶液を炭酸ナト
リウムで中和して、クロロホルムで抽出する。クロロホ
ルム層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩
水で洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃
縮して、淡黄色アモルファス6.25gを得る。
このアモルファス6.25gにサリチル酸2.0gを加え、酢
酸エチル10mlに溶かし、室温で放置する。析出した結晶
をろ取し、酢酸エチルで洗い、減圧下に乾燥し、白色結
晶2.35gを得る。得られた結晶2.35gを塩化メチレン/メ
タノール=1/1の混液10mlに溶解した後、減圧下でアモ
ルファスになるまで濃縮し、酢酸エチル20mlを加え、一
夜放置する。析出した結晶をろ取し、酢酸エチルで2〜
3回洗い、減圧下に乾燥し、白色結晶1.72gを得る。こ
の操作をもう一度繰り返し、白色結晶のN−〔(2R)−
2−(1−ナフチルメチル)−3−(モルホリノカルボ
ニル)プロピオニル〕−L−ヒスチジンメチルエステル
サリチル酸塩1.47gを得る。
融点:142〜143℃ IR(KBr):νco 1610cm-1 比旋光度: ▲〔α〕24.5 D▼+38.10°(c 1.291,メタノール) 実施例2 実施例1と同様にして、次の化合物を合成した。
N−〔(2R)−2−(1−ナフチルメチル)−3−(モ
ルホリノカルボニル)プロピオニル〕−L−ヒスチジン
メチルエステル 安息香酸塩 白色結晶 融点:129〜130℃ IR(KBr):νco 1615cm-1 比旋光度: ▲〔α〕24.5 D▼+34.49°(c 1.322,メタノール) N−〔(2R)−2−(1−ナフチルメチル)−3−(モ
ルホリノカルボニル)プロピオニル〕−L−ヒスチジン
メチルエステル 3−ニトロ安息香酸塩 白色結晶 融点:105〜106℃ IR(KBr):νco 1615cm-1 比旋光度: ▲〔α〕24.5 D▼+34.57°(c 1.018,メタノール) N−〔(2R)−2−(1−ナフチルメチル)−3−(モ
ルホリノカルボニル)プロピオニル〕−L−ヒスチジン
メチルエステル 4−シアノ安息香酸塩 淡黄色結晶 融点:114〜115℃ IR(KBr):νco 1615cm-1 比旋光度: ▲〔α〕24.5 D▼+31.48°(c 1.175,メタノール) N−〔(2R)−2−(1−ナフチルメチル)−3−(モ
ルホリノカルボニル)プロピオニル〕−L−ヒスチジン
メチルエステル テレフタルアルデヒド酸塩 白色結晶 融点:113〜114℃ IR(KBr):νco 1620cm-1 比旋光度: ▲〔α〕24.5 D▼+33.20°(c 1.030,メタノール) N−〔(2R)−2−(1−ナフチルメチル)−3−(モ
ルホリノカルボニル)プロピオニル〕−L−ヒスチジン
メチルエステル ニコチン酸塩 白色結晶 融点:108〜109℃ IR(KBr):νco 1615cm-1 比旋光度: ▲〔α〕24.5 D▼+34.90°(c 1.020,メタノール) 実施例3 N−〔(2R)−2−(1−ナフチルメチル)−3−(モ
ルホリノカルボニル)プロピオニル〕−L−ヒスチジン
メチルエステル N−〔(2R)−2−(1−ナフチルメチル)−3−
(モルホリノカルボニル)プロピオニル〕−L−ヒスチ
ジンメチルエステル サリチル酸塩1.47gにクロロホル
ムと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、撹拌下に溶
解する。クロロホルム層を分液し、水層はクロロホルム
で抽出する。クロロホルム層は一緒にして飽和食塩水で
洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を
留去し、白色アモルファス1.14gを得る。
このアモルファス1.1gをベンゼンから再結晶し、ベン
ゼン1分子を含む無色針状晶のN−〔(2R)−2−(1
−ナフチルメチル)−3−(モルホリノカルボニル)プ
ロピオニル〕−L−ヒスチジンメチルエステル1.1gを得
る(96% d.e.)。
融点:100〜102℃ IR(KBr):νco 1755,1630,1610cm-1 比旋光度: ▲〔α〕23 D▼+35.73°(c 2.21,メタノール) Rf1:0.61 Rf2:0.56 実施例4 (2R)−2−(1−ナフチルメチル)−3−(モルホリ
ノカルボニル)プロピオン酸(S)−α−(メトキシカ
ルボニル)ベンジル (2RS)−2−(1−ナフチルメチル)−3−(モル
ホリノカルボニル)プロピオン酸13.48gと(S)−マン
デル酸メチル6.23gを乾燥クロロホルム65mlに溶解し、
氷冷撹拌下に1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド8.5
gおよび4−ジメチルアミノピリジン1.01gを加え、氷冷
下で1時間撹拌後、室温で一夜撹拌する。反応液を氷冷
したのち、不溶物をろ去し、ろ液を10%クエン酸水溶
液、飽和食塩水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和
食塩水で順次洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。
減圧下に溶媒を留去後、残留物にジエチルエーテルを加
え結晶化し、白色粉末12.89gを得る。このものをメタノ
ールより2回再結晶し、無色針状の(2R)−2−(1−
ナフチルメチル)−3−(モルホリノカルボニル)プロ
ピオン酸 (S)−α−(メトキシカルボニル)ベンジ
ル5.52gを得る。
Rf1:0.84 Rf2:0.60 (クロロホルム/メタノール =30/1) MS:MH+,476 融点:141〜142℃ IR(KBr):νco 1740,1640cm-1 NMR(CDCl3) δ:2.33(dd,1H,J1=16Hz,J2=4Hz),2.78(dd,1H,J1
16Hz,J2=10Hz),3.19(dd,1H,J1=14Hz,J2=10Hz),3.
3〜3.7(m,9H),3.73(s,3H),3.92(dd,1H,J1=14Hz,J
2=4Hz),5.99(s,1H),7.3〜7.6(m,9H),7.76(d,1H,
J=8Hz),7.87(d,1H,J=8Hz),8.23(d,1H,J=8Hz) 比旋光度: ▲〔α〕25 D▼+61.45°(c 0.960,クロロホルム) 実施例5 (2R)−2−(1−ナフチルメチル)−3−(モルホリ
ノカルボニル)プロピオン酸 (2R)−2−(1−ナフチルメチル)−3−(モルホ
リノカルボニル)プロピオン酸 (S)−α−(メトキ
シカルボニル)ベンジル5.00gをメタノール60mlに溶解
し、氷冷撹拌下に2規定水酸化ナトリウム水溶液15.8ml
を滴下し、氷冷下で1時間撹拌後、室温で一夜撹拌す
る。反応液を減圧下に濃縮し、残留物に水を加え、酢酸
エチルで洗う。この水溶液に10%クエン酸水溶液を加
え、pH3〜4とし、酢酸エチルで抽出する。この溶液を
飽和食塩水で洗い無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧
下に溶媒を留去する。残留物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム/メタノール=
15/1)で精製し、白色粉末状の(2R)−2−(1−ナフ
チルメチル)−3−(モルホリノカルボニル)プロピオ
ン酸3.41gを得る。このプロピオン酸3.41gを酢酸エチル
16mlに溶解し、シクロヘキシルアミン1.12mlを加え結晶
化し、白色粉末3.63gを得る。このアミン塩3.63gをクロ
ロホルムに溶解し、1規定塩酸、飽和食塩水で順次洗
い、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下に溶媒を
留去し、白色粉末状の(2R)−2−(1−ナフチルメチ
ル)−3−(モルホリノカルボニル)プロピオン酸3.02
gを得る。
Rf1:0.67 Rf2:0.45 MS:MH+,328 融点:58〜61℃ IR(KBr):νco 1720,1640cm-1 NMR(CDCl3) δ:2.35〜2.7(m,2H),3.05〜3.85(m,11H),7.25〜8.2
(m,7H) 比旋光度: ▲〔α〕22 D▼−12.65°(c 1.28,メタノール) 実施例6 実施例4と同様にして次の化合物を合成した。
(2R)−2−(1−ナフチルメチル)−3−(モルホリ
ノカルボニル)プロピオン酸 (R)−α−(N−ベン
ジルカルバモイル)ベンジル 無色針状晶 Rf1:0.81 Rf2:0.56 (クロロホルム/メタノール =30/1) MS:MH+,551 融点:172〜173℃ IR(KBr):νco 1740,1670,1620cm-1 NMR(DMSO-d6) δ:2.85〜3.0(m,2H),3.3〜3.7(m,11H),4.42(d,2H,
J=6Hz),5.58(s,1H),7.12(d,2H,J=7Hz),7.25〜7.
45(m,10H),7.6〜7.7(m,2H),7.85(d,1H,J=8Hz),
7.95〜8.05(m,1H),8.2〜8.3(m,1H),8.65〜8.75(m,
1H) 比旋光度: ▲〔α〕24.5 D▼−4.06°(c 0.983,クロロホルム) 実施例7 実施例5と同様に(2R)−2−(1−ナフチルメチ
ル)−3−(モルホリノカルボニル)プロピオン酸
(R)−α−(N−ベンジルカルバモイル)ベンジルを
加水分解し、(2R)−2−(1−ナフチルメチル)−3
−(モルホリノカルボニル)プロピオン酸を得る。
物性値は実施例5の結果と一致した。
実施例8 N−〔(2R)−2−(1−ナフチルメチル)−3−(モ
ルホリノカルボニル)プロピオニル〕−L−ヒスチジン
メチルエステル (2R)−2−(1−ナフチルメチル)−3−(モルホ
リノカルボニル)プロピオン酸20mgとL−ヒスチジンメ
チルエステル2塩酸塩14mgを乾燥アセトニトリル1mlに
けんだくし、氷冷撹拌下に乾燥トリエチルアミン0.017m
l、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボ
キシイミド11mg、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド13mgを加え、氷冷下で1時間撹拌後室温で一夜撹拌す
る。反応液を減圧下で濃縮した後、酢酸エチルを加え、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗い、無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、
白色粉末状のN−〔(2R)−2−(1−ナフチルメチ
ル)−3−(モルホリノカルボニル)プロピオニル〕−
L−ヒスチジンメチルエステル24mgを得る(93% d.
e.)。
Rf1:0.61 Rf2:0.56 MS:MH+,479 融点:84〜87℃ IR(KBr):νco 1755,1630,1610cm-1 比旋光度: ▲〔α〕25 D▼+33.89°(c 0.950,メタノール)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 205/57 65/30 255/57 (72)発明者 木曾 良明 大阪府茨木市稲葉町15―26 審査官 星野 紹英 (56)参考文献 特開 昭62−234071(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中の(R)または(S)を記した炭素原子はそれぞ
    れR配置またはS配置であり、Xは安息香酸、3−ニト
    ロ安息香酸、テレフタルアルデヒド酸、4−シアノ安息
    香酸、サリチル酸、およびニコチン酸の中から選ばれる
    芳香族カルボン酸である〕で表される光学活性なヒスチ
    ジン誘導体。
JP62331075A 1987-12-26 1987-12-26 光学活性なヒスチジン誘導体 Expired - Lifetime JPH0822855B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62331075A JPH0822855B2 (ja) 1987-12-26 1987-12-26 光学活性なヒスチジン誘導体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62331075A JPH0822855B2 (ja) 1987-12-26 1987-12-26 光学活性なヒスチジン誘導体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01172374A JPH01172374A (ja) 1989-07-07
JPH0822855B2 true JPH0822855B2 (ja) 1996-03-06

Family

ID=18239570

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62331075A Expired - Lifetime JPH0822855B2 (ja) 1987-12-26 1987-12-26 光学活性なヒスチジン誘導体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0822855B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105669484B (zh) * 2016-03-10 2018-04-06 陇东学院 一种酰胺基烷基萘酚的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01172374A (ja) 1989-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1841726B1 (en) An asymmetric synthesis of (s)-(+)-3-(aminomethyl)-5-methylhexanoic acid
WO2008062460A2 (en) Crystalline forms of pregabalin
JP2818958B2 (ja) 4―(4―アルコキシフェニル)―2―ブチルアミン誘導体およびその製造法
SK283663B6 (sk) Spôsob prípravy kyseliny (S)-3-(aminometyl)-5-metylhexánovej
JP2003522750A5 (ja)
JPH07304770A (ja) 新規ベンゾアゼピノン誘導体
EP0413667B1 (de) Halogenalkylphenyl-Alkohole, -Ketone und deren Hydrate
KR20040108717A (ko) 콤브레타스타틴의 제조 방법
JPH0576464B2 (ja)
JP3084345B2 (ja) 光学活性な2−プロピルオクタン酸の製造方法
JPH02306947A (ja) キラルβ―アミノ酸の製造方法
JP2778103B2 (ja) 光学活性なスレオージヒドロキシフェニルセリン誘導体の製造方法
JP4450987B2 (ja) アルコキシフラノンアミン誘導体の製造方法、この方法で得られた化合物及びこれらの化合物の用途
JPH0822855B2 (ja) 光学活性なヒスチジン誘導体
SU728712A3 (ru) Способ получени амида коричной кислоты
US6479702B1 (en) 3-amino-1-indanole, method of synthesizing the same and method of optical resolution
Mazaleyrat et al. Practical resolution of an atropoisomeric α, α-disubstituted glycine with l-phenylalanine cyclohexylamide as chiral auxiliary
US5252747A (en) Chiral quinolone intermediates
EP1656340B1 (en) Processes for making 1-carbamoylcycloalkylcarboxylic acid compounds
JPH07107033B2 (ja) 光学活性な3−アミノ−4−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ酪酸塩酸塩およびその製造方法
JPH0228144A (ja) ペプチド誘導体合成に有用な立体特異性中間体の製法
JPH0776199B2 (ja) 光学活性アミノ酸の合成方法
EP0470702B1 (en) An optically active morpholino oxobutyric acid hydroxy binaphthalene derivative and its preparation
Gu et al. Diastereoselective synthesis of (2S, 4R)-4-methylglutamic acid (SYM 2081): a high affinity and selective ligand at the kainate subtype of glutamate receptors
WO2023143158A1 (zh) 苯酚衍生物、及其晶型与制备方法