JPH08227099A - カメラのフィルムカートリッジ取出補助装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルムカートリッジの取り出しを容易にす
る、カメラのフィルムカートリッジ取出補助装置を提供
すること。 【構成】 内部にスプールを有するカートリッジ外枠
と；このカートリッジ外枠に形成されたフィルム排出入
開口と；このフィルム排出入開口に沿って設けられた、
フィルム排出入開口を開閉する遮光扉と；この遮光扉に
一体に形成されかつ上記カートリッジ外枠に回動自在に
支持された軸部と；を備えたフィルムカートリッジを装
填可能なカメラにおいて、フィルムカートリッジを出し
入れするための装填口と；この装填口を開閉する開閉蓋
と；フィルムカートリッジをカメラ内に装填したとき、
上記軸部と係合する遮光扉開閉ドライバーと；上記開閉
蓋を開放したとき、上記遮光扉開閉ドライバーを、上記
軸部との係合を解除する方向に移動させる駆動機構と；
を備えたカメラのフィルムカートリッジ取出補助装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カメラ内に装填された
フィルムカートリッジの取り出しを容易にする、カメラ
のフィルムカートリッジ取出補助装置に関する。

【０００２】

【従来技術およびその問題点】米国特許第５，１２２，
８２０号公報、同第５，２９６，８８７号公報等で知ら
れるように、未使用状態ではフィルムの先端部までもカ
ートリッジ内に巻き込んだ状態とし、使用時にカートリ
ッジに設けた遮光扉を開放しかつカートリッジ内のスプ
ールを回転させて該遮光扉からフィルムを排出する構造
とされたカメラ用フィルムカートリッジが提案されてい
る。

【０００３】このフィルムカートリッジは、カメラのカ
ートリッジ室に挿入されたとき、遮光扉の回動軸端部が
カートリッジ室内に設けられた遮光扉開閉ドライバーと
係合し、続いてカメラのフィルムカートリッジ装填口を
閉じるために開閉蓋（例えば裏蓋）をロックしたとき、
遮光扉開閉ドライバーが回転して遮光扉を開放する構造
とされている。一連の撮影終了後、フィルムカートリッ
ジを取り出すために開閉蓋のロックを解除すると、遮光
扉開閉ドライバーが逆方向に回転して遮光扉が閉鎖され
る。

【０００４】この状態からフィルムカートリッジをカメ
ラ外部に取り出すとき、フィルムカートリッジの遮光扉
とカメラ側の遮光扉開閉ドライバーは係合した状態が保
持されているため、カートリッジ室内からフィルムカー
トリッジを取り出し辛いという問題がある。そこで、フ
ィルムカートリッジのイジェクト機構をカメラに設ける
ことでこの問題を解決する方法が考えられる。しかしな
がら、イジェクト機構はフィルムカートリッジを挿入す
る際には却って邪魔になる。

【０００５】特に、カメラ底部に形成された装填口にフ
ィルムカートリッジを挿入するタイプのカメラでは、フ
ィルムカートリッジを取り出すときには、装填口を閉鎖
していた開閉蓋を開放し、フィルムカートリッジはその
自重によってカートリッジ室内から取り出される。

【０００６】しかしながら、上述したように、開閉蓋を
開放しても遮光扉と遮光扉開閉ドライバーは係合した状
態が保持されているため、フィルムカートリッジがカメ
ラ内から容易に出てこないことがある。この場合ユーザ
ーは、カメラを何か固いものに軽く打ちつけてフィルム
カートリッジを取り出そうとする傾向があり、これによ
りカメラが破損する場合がある。

【０００７】

【発明の目的】本発明は、上述した従来の問題点に鑑み
て成されたもので、フィルムカートリッジの取り出しを
容易にするカメラのフィルムカートリッジ取出補助装置
を提供することを目的とする。

【０００８】

【発明の概要】本発明のカメラのフィルムカートリッジ
取出補助装置は、内部にスプールを有するカートリッジ
外枠と；このカートリッジ外枠に形成されたフィルム排
出入開口と；このフィルム排出入開口に沿って設けられ
た、フィルム排出入開口を開閉する遮光扉と；この遮光
扉に一体に形成されかつカートリッジ外枠に回動自在に
支持された軸部と；を備えたフィルムカートリッジを装
填可能なカメラにおいて、フィルムカートリッジを出し
入れするための装填口と；この装填口を開閉する開閉蓋
と；フィルムカートリッジをカメラ内に装填したとき、
上記軸部と係合する遮光扉開閉ドライバーと；開閉蓋を
開放したとき、遮光扉開閉ドライバーを、上記軸部との
係合を解除する方向に移動させる駆動機構と；を備えた
ことを特徴としている。

【０００９】

【発明の実施例】以下図示実施例に基づいて本発明を説
明する。図５は、本発明のフィルムカートリッジ取出補
助装置を適用したカメラ３０の縦断面図を示している。
このカメラ３０は、撮影フィルムとして、米国特許第
５，１２２，８２０号公報、同第５，２９６，８８７号
公報等で知られるタイプのフィルムカートリッジを利用
する。先ず、このフィルムカートリッジについて説明す
る。図６は、このフィルムカートリッジを示す斜視外観
図である。

【００１０】フィルムカートリッジ１は、一対の外枠半
体５、７からなるカートリッジ外枠３を有している。こ
のカートリッジ外枠３の内部空間には、フィルム（図示
せず）が巻かれたスプール１１が収容されている。カー
トリッジ外枠３の端面１３中央部分には、スプール１１
の軸端部に形成されたフォーク係合孔１１ａを外部に露
出させる孔１５が形成されている。

【００１１】またカートリッジ外枠３には、その長手方
向に沿って矩形のフィルム排出入開口１７が形成されて
おり、このフィルム排出入開口１７に沿って、該フィル
ム排出入開口を開閉する遮光扉１９が設けられている。
この遮光扉１９の長手方向の両端部には、軸部１９ａが
一体に形成されており、これら軸部１９ａは、カートリ
ッジ外枠３の端面１３に形成された孔２１に回動自在に
嵌められている。なお図６中には、一方の軸部１９ａ
と、この軸部１９ａに対応する一方の孔２１しか表れて
いない。軸部１９ａの端面には、カメラ３０側に設けら
れたドライバー（遮光扉開閉ドライバー）５１（図５）
が嵌入される鍵穴１９ｂが形成されている。遮光扉１９
は、この鍵穴１９ｂに嵌入されたドライバー５１の回動
によって開閉される。この遮光扉１９が開放されている
ときに、スプール１１を回転させることによって、フィ
ルムをフィルム排出入開口１７からカートリッジ外枠３
外部へ排出または内部へ収納することができる構造とな
っている。

【００１２】以下、カメラ３０について詳述する。カメ
ラ３０の内部には、左右にスプール室３１、カートリッ
ジ室３２が形成されている。スプール室３１内には、ス
プール３３が回動可能に備わっている。カートリッジ室
３２内部には、フィルムカートリッジ１のフォーク係合
孔１１ａと係合する駆動フォーク３４が、カートリッジ
室３２の上端３２ａ中央部からカートリッジ室３２内部
に突出させた状態で設けられている。

【００１３】スプール室３１とカートリッジ室３２の間
には、左右のアパーチャ枠３５、３６と上下のアパーチ
ャ枠３７、３８によって、フィルム１駒の撮影範囲を決
定するアパーチャ３９が形成されている。またアパーチ
ャ枠３５のスプール室３１側の側部３５ａには、フィル
ム押え板バネ４１が固定されている。このフィルム押え
板バネ４１の先端には、フィルム押え板バネ４１によっ
てスプール３３に弾接されたフィルム押えローラー４０
が設けられている。なお、符号４３、４４、４５は、そ
れぞれファインダ、撮影レンズ、レリーズ釦を示してい
る。

【００１４】カメラ３０は、カメラ底部４６に形成され
た装填口４７を介して、カートリッジ室３２内にフィル
ムカートリッジ１を挿入する構造を有している。カメラ
底部４６には、軸４９によって枢着された、装填口４７
を開閉するための開閉蓋５０が設けられている。

【００１５】またカメラ３０内部には、開閉蓋５０が閉
じたときにはカートリッジ室３２内部へ突出しかつ開閉
蓋５０が開放されたときにはカートリッジ室３２内部か
ら退避する構造とされたドライバー５１が設けられてい
る。このドライバー５１の駆動機構を図１及び図３を用
いて説明する。

【００１６】図１は開閉蓋５０が閉じられた状態での本
発明に係る装置の要部を示し、図２は開閉蓋５０が開放
された状態での同要部を示している。ドライバー５１
は、カートリッジ室３２の上端３２ａに形成された孔
（図示せず）を通ってカートリッジ室３２内部に突出可
能に設けられており、その軸５１ａを中心として回動自
在な状態でカメラ３０内部に設けられた第一レバー５２
に設けられている。

【００１７】この第一レバー５２は、カメラ３０の縦方
向に延びる長腕部５３と、この長腕部５３の上端部から
９０°屈曲された短腕部５４からなっており、短腕部５
４にドライバー５１が回動自在に軸支されている。長腕
部５３には、該長腕部５３の長手方向に延びるガイド長
溝５３ａが形成されており、このガイド長溝５３ａに
は、カメラ３０の固定部（図示せず）に植設されたピン
５５、５６が嵌められている。これらガイド長溝５３ａ
とピン５５、５６の関係によって、第一レバー５２は、
カメラ３０の縦方向（フィルムカートリッジ１のカート
リッジ室３２への挿入／取出方向）に所定の範囲内でス
ライド移動可能にガイドされている。また第一レバー５
２下部の一側には、ラック部５３ｂが形成されている。

【００１８】カメラ３０内部の第一レバー５２と近接す
る位置に、第一レバー５２と平行かつカメラ３０の縦方
向に延びる第二レバー５７が設けられている。第二レバ
ー５７には、該第二レバー５７の長手方向に延びるガイ
ド長溝５７ａが形成されており、このガイド長溝５７ａ
には、カメラ３０の固定部（図示せず）に植設されたピ
ン５８、５９が嵌められている。これらガイド長溝５７
ａとピン５８、５９の関係によって、第二レバー５７
は、第一レバー５２と同様に、カメラ３０の縦方向に所
定の範囲内でスライド移動可能にガイドされている。ま
た第二レバー５７上部の一側には、ラック部５７ｂが形
成されている。

【００１９】また第二レバー５７は、バネ６０によって
常時下方に向かって付勢されおり、開閉蓋５０が開放さ
れた状態では、その下端部５７ｃを図３に示す最下方位
置に位置させ、開閉蓋５０が閉じられた状態では、バネ
６０の付勢力に抗して下端部５７ｃが開閉蓋５０の上面
５０ａによって押し上げられて図１に示す最上方位置に
位置される。

【００２０】第一レバー５２と第二レバー５７の間に
は、カメラ３０の固定部（図示せず）に回動自在に支持
された中継ピニオン６１が設けられており、この中継ピ
ニオン６１にラック部５３ｂとラック部５７ｂが互いに
対向する側から噛合している。これら中継ピニオン６
１、ラック部５３ｂ及びラック部５７ｂの噛合関係によ
って、第二レバー５７が上方に移動すると第一レバー５
２が下方に移動し、第二レバー５７が下方に移動すると
第一レバー５２が上方に移動する。

【００２１】ドライバー５１は、開閉蓋５０のロック機
構と関連されており、カートリッジ室３２内にフィルム
カートリッジ１を挿入した後、開閉蓋５０が開かないよ
うに開閉蓋５０をロック機構を介してロックすると、こ
のロック動作に連動して回転し、フィルムカートリッジ
１の遮光扉１９を開放する構成とされている。本発明の
フィルムカートリッジ取出補助装置は、このロック機構
と上述したドライバー５１の駆動機構とからなるもので
ある。

【００２２】このロック機構は、ロックレバー６５と中
継レバー７０からなっている。ロックレバー６５は、カ
ートリッジ室３２内の側壁に沿って配設されており、下
端には、開閉蓋５０に形成された係合部５０ｂと係合す
るロック爪６５ｂが形成され、上端には、中継レバー７
０と係合するフォーク部６５ｃが形成されている。また
ロックレバー６５は、その中央部から若干下方の部分
が、軸６５ａを中心として回動自在な状態でカメラ３０
内部の固定部（図示せず）に支持されている。カメラ３
０のボディの一側には開閉つまみ６７が設けられてお
り、この開閉つまみ６７を手動にて操作することにより
ロックレバー６５が軸６５ａを中心として回動する構造
となっている。

【００２３】中継レバー７０には、ロックレバー６５の
フォーク部６５ｃと係合する係合腕部７０ａ、及びドラ
イバー５１の上部に形成されたギヤ部５１ｂと噛合する
扇状ギヤ部７０ｂが形成されている。この中継レバー７
０は、駆動フォーク３４と同一回動中心を持つ軸７０ｃ
を中心として回動自在な状態で、カメラ３０内部のカー
トリッジ室３２上方に設けられている。扇状ギヤ部７０
ｂは、ドライバー５１が縦方向に移動されてもギヤ部５
１ｂとの噛合が保持されるように所定の歯幅に設定され
ている。

【００２４】以上の構成を有する本発明のフィルムカー
トリッジ取出補助装置は、次のように作動する。図３に
示す開閉蓋５０が開放された状態では、第二レバー５７
はその最下方位置に位置し、第一レバー５２は、ドライ
バー５１をカートリッジ室３２から退避させた最上方位
置に位置する。したがって、この状態では、カートリッ
ジ室３２内にフィルムカートリッジ１を挿入しても、ド
ライバー５１は鍵穴１９ｂには嵌入しない。

【００２５】この開閉蓋５０が開放された状態から開閉
蓋５０を閉じると、裏蓋５０の上面５０ａが第二レバー
５７を押し上げてその最上方位置まで移動させる。同時
に、ピニオン６１を介して第一レバー５２が下方へ移動
されて、その最下方位置まで移動される。この第一レバ
ー５２が最下方位置まで移動されとき、ドライバー５１
は、カートリッジ室３２の上端３２ａに形成された孔
（図示せず）を通ってカートリッジ室３２内部に突出す
る。したがって、この状態では、カートリッジ室３２内
にフィルムカートリッジ１が挿入されていれば、ドライ
バー５１は鍵穴１９ｂに嵌入する。

【００２６】フィルムカートリッジ１は、図３に示す開
閉蓋５０が開放された状態にあるときにカートリッジ室
３２内に挿入される。フィルムカートリッジ１の挿入
後、開閉蓋５０を手動にて閉じると、上述したように、
開閉蓋５０の上面５０ａが第二レバー５７を押し上げ、
この第二レバー５７の上方への移動と同時に、ラック部
５７ｂ、中継ピニオン６１、ラック部５３ｂの関係によ
って第一レバー５２が下方へ移動し、この結果、ドライ
バー５１がフィルムカートリッジ１の鍵穴１９ｂに嵌入
する。このとき、フィルムカートリッジ１の遮光扉１９
は、未だ開放されていない。

【００２７】次に、開閉蓋５０をロックするために、手
動にて開閉つまみ６７を、ロック爪６５ｂが係合部５０
ｂに係合する方向（図４での時計回転方向）に回す。す
ると、ロックレバー６５も同方向に回転し、よってフォ
ーク部６５ｃが係合腕部７０ａを図４の左から右に移動
させ、この結果、中継レバー７０が図３の反時計方向に
回転する。この中継レバー７０の回転は、扇状ギヤ部７
０ｂとギヤ部５１ｂを介してドライバー５１に伝達さ
れ、このためドライバー５１は、図３の時計回転方向に
回転する。この回転によって、ドライバー５１は、フィ
ルムカートリッジ１の遮光扉１９を開放する。

【００２８】フィルムカートリッジ１を用いた一連の撮
影終了後は、開閉蓋５０のロックを解除してフィルムカ
ートリッジ１を取り出すために、開閉つまみ６７を、指
等によってロック爪６５ｂが係合部５０ｂから外れる方
向（図２での反時計回転方向）に回す。すると、ロック
レバー６５が同方向に回転し、中継レバー７０が図３の
時計方向に回転し、よってドライバー５１が、図３の反
時計回転方向に回転するので、ドライバー５１は、フィ
ルムカートリッジ１の遮光扉１９を閉鎖する。その後、
開閉蓋５０を開放すると、バネ６１の付勢力によって第
二レバー５７が下方に移動するため第一レバー５２が上
方へ移動し、この結果、ドライバー５１がフィルムカー
トリッジ１の鍵穴１９ｂから抜ける。

【００２９】以上のように、本発明のフィルムカートリ
ッジ取出補助装置によれば、開閉蓋５０が開放された状
態では、ドライバー５１は、フィルムカートリッジ１の
鍵穴１９ｂから抜け出ているので、フィルムカートリッ
ジ１をカートリッジ室３２内から容易に取り出すことが
できる。

【００３０】

【発明の効果】以上のように、本発明のフィルムカート
リッジ取出補助装置によれば、開閉蓋が開放された状態
では、遮光扉開閉ドライバーと遮光扉の軸部との係合が
常時解除されるので、フィルムカートリッジの取り出し
が容易になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のフィルムカートリッジ取出補助装置の
要部を示す斜視図である。

【図２】同図のフィルムカートリッジ取出補助装置の要
部の一部を他の方向から視た正面図である。

【図３】図１に示す状態とは異なった状態にある本発明
のフィルムカートリッジ取出補助装置の要部を示す斜視
図である。

【図４】同図のフィルムカートリッジ取出補助装置の要
部の一部を他の方向から視た正面図である。

【図５】本発明のフィルムカートリッジ取出補助装置が
適用されたカメラの縦断面図である。

【図６】フィルムカートリッジの斜視外観図である。

【符号の説明】

１ フィルムカートリッジ ３ カートリッジ外枠 １１ スプール １７ フィルム排出入開口 １９ 遮光扉 １９ａ 軸部 １９ｂ 鍵穴 ２１ 孔 ３０ カメラ ３１ スプール室 ３２ カートリッジ室 ４７ 装填口 ５０ 開閉蓋 ５１ ドライバー（遮光扉開閉ドライバー）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部にスプールを有するカートリッジ外
   枠と；このカートリッジ外枠に形成されたフィルム排出
   入開口と；このフィルム排出入開口に沿って設けられ
   た、フィルム排出入開口を開閉する遮光扉と；この遮光
   扉に一体に形成されかつ上記カートリッジ外枠に回動自
   在に支持された軸部と；を備えたフィルムカートリッジ
   を装填可能なカメラにおいて、 フィルムカートリッジを出し入れするための装填口と；
   この装填口を開閉する開閉蓋と；フィルムカートリッジ
   をカメラ内に装填したとき、上記軸部と係合する遮光扉
   開閉ドライバーと；上記開閉蓋を開放したとき、上記遮
   光扉開閉ドライバーを、上記軸部との係合を解除する方
   向に移動させる駆動機構と；を備えたことを特徴とす
   る、カメラのフィルムカートリッジ取出補助装置。
2. 【請求項２】 請求項１において、さらに、開閉蓋をロ
   ックするロック機構と；このロック機構によって開閉蓋
   をロックしたとき、遮光扉開閉ドライバーを、遮光扉が
   開放する方向へ回転させる駆動機構と；を備えたカメラ
   のフィルムカートリッジ取出補助装置。