JPH05158142A - フィルムカートリッジ式カメラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用済みフィルムカートリッジの誤装填防止
用レバーとフィルムカートリッジ排出用レバーの兼用化
を図る。 【構成】 フィルムカートリッジ９に設けられた識別部
１０ａにより使用済みフィルムカ−トリッジ９の装填を
阻止する阻止手段と、カートリッジ室２からフィルムカ
ートリッジ９を排出する排出手段とを備える。阻止手段
および排出手段は、第１，第２の位置の間で回動可能な
共通の回動レバー１８を備える。回動レバー１８は、フ
ィルムカ−トリッジ装填動作時、識別部１０ａと係合す
ると第１の位置でフィルムカ−トリッジ９の装填を阻止
し、係合しないと第２の位置までフィルムカ−トリッジ
９の装填を許容する。またこの回動レバー１８は、蓋３
の開動作時にカ−トリッジ室２内のフィルムカ−トリッ
ジ９を排出するように移動する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、使用済みフィルムカー
トリッジの誤装填を防止するとともに、フィルムカート
リッジの自動排出を可能にしたカメラに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、使用済みか未使用かを識別する識
別部を備えたフィルムカートリッジが知られている。本
出願人は、このフィルムカートリッジの識別部により使
用済みフィルムカ−トリッジの装填を阻止する阻止手段
と、フィルムカートリッジ室からフィルムカートリッジ
を排出する排出手段とを有するカメラを提案している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなカメラにあっては、阻止手段と排出手段とがそれぞ
れ別個に設けられたレバーなどの操作部材を有するた
め、部品点数が多く大きなスペースを必要とする。

【０００４】本発明の目的は、使用済みフィルムカート
リッジの誤装填防止用のレバーとフィルムカートリッジ
の自動排出用のレバーを同一のレバーで兼用してカメラ
の低廉化および小型化を図ることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】一実施例を示す図１に対
応づけて本発明を説明すると、本発明は、使用済みか未
使用かを識別する識別部１０ａを備えたフィルムカート
リッジ９が装填されるフィルムカートリッジ室２と、こ
のフィルムカ−トリッジ室２を開閉可能なフィルムカー
トリッジ蓋３と、フィルムカートリッジ９の識別部１０
ａにより使用済みフィルムカ−トリッジ９の装填を阻止
する阻止手段と、フィルムカートリッジ室２からフィル
ムカートリッジ９を排出する排出手段とを備えたフィル
ムカートリッジ式カメラに適用される。そして、上記目
的は次の構成で達成される。阻止手段および排出手段
は、フィルムカ−トリッジ室２に突出して第１の位置と
第２の位置との間で回動可能な共通の回動レバー１８
と、フィルムカ−トリッジ蓋３の開動作時にフィルムカ
−トリッジ室２内のフィルムカ−トリッジ９を排出する
ように回動レバー１８を移動させる移動手段１１とを備
える。回動レバー１８は、フィルムカ−トリッジ装填動
作時、識別部１０ａと係合すると第１の位置でその回動
が抑止されてフィルムカ−トリッジ９の装填を阻止し、
識別部１０ａと係合しないと第２の位置まで回動してフ
ィルムカ−トリッジ９の装填を許容する。

【０００６】

【作用】使用済みのフィルムカートリッジ９をフィルム
カートリッジ室２に装填するとき、回動レバー１８と識
別部１０ａとが係合すると、この係合により回動レバー
１８は第１の位置で回動を抑止されるので、使用済みフ
ィルムカートリッジ９の誤装填を阻止できる。未使用の
フィルムカートリッジ９を装填するとき、回動レバー１
８と識別部１０ａとが係合せず、回動レバー１８は第２
の位置まで回動するので、未使用フィルムカートリッジ
９の装填を許容できる。また、フィルムカートリッジ蓋
３が開動作されるとき、移動手段１１により回動レバー
１８が移動して、フィルムカートリッジ室２内のフィル
ムカートリッジ９が排出される。

【０００７】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段と作用の項では、本発明を分かり易
くするために実施例の図を用いたが、これにより本発明
が実施例に限定されるものではない。

【０００８】

【実施例】図１〜図９により本発明の一実施例を説明す
る。図４において、１はカメラ本体であり、この内部の
右側にはフィルムカートリッジ室２が設けられている。
フィルムカートリッジ室２はカメラ本体１の下面に開口
するフィルムカートリッジ挿入口２ａを有しており、こ
の挿入口２ａはカメラ本体１に枢支されたフィルムカー
トリッジ蓋３によって開閉される。フィルムカートリッ
ジ室２の挿入口２ａがフィルムカートリッジ蓋３によっ
て閉塞されると、フィルムカートリッジ蓋３の一端に突
設された係止爪３ａがカメラ本体１に設けられた不図示
の係止部材によって係止される。

【０００９】４はカメラ本体１の右側面に設けられた蓋
開放レバーであり、このレバー４をカメラ前方にスライ
ドすると係止爪３ａと前記係止部材との係止は解除さ
れ、フィルムカートリッジ蓋３が時計回転方向に回動し
てフィルムカートリッジ挿入口２ａは開放される。フィ
ルムカートリッジ室２の内側面には図１に示すように板
ばね５が設置されており、フィルムカートリッジ室２に
装填される後述のフィルムカートリッジを挟持し、フィ
ルムカートリッジ室２からの脱落を防止する。フィルム
カートリッジ室２の底部には装填されるフィルムカート
リッジを所定位置に位置決めする段差２ｂが形成されて
いる。６，７はカメラ本体１の下面に設けられた電池用
蓋および三脚取り付け用ねじ孔、８はファインダであ
る。

【００１０】９はフィルムカートリッジであり、この上
端には図２に示すように円板１０が配設されている。円
板１０は通常は回転しないように不図示のロック機構に
よりロックされているが、フィルムカートリッジ９がフ
ィルムカートリッジ室２に装填されるとこのロック機構
が解除され、円板１０は回転可能となる。円板１０の外
周には切欠き１０ａが形成されており、フィルムカート
リッジ９が使用されていない状態のとき図２に示すよう
に中心軸ｍに対してフィルム送出部９ａと反対側に位置
しているが、フィルムカートリッジ９が使用済となる
と、円板１０は回転してその切欠き１０ａは図３に示す
ように中心軸ｍに対してフィルム送出部９ａと同じ側に
位置する。なお、フィルムカートリッジ挿入口２ａはフ
ィルムカートリッジ９の外径形状と対応した形状に形成
され、フィルムカートリッジを所定の向きにしたときに
のみ挿入されるようになっている。

【００１１】次に、図１により、使用済みのフィルムカ
ートリッジの装填防止機構とフィルムカートリッジの排
出機構について説明する。フィルムカートリッジ室２の
左側のカメラ本体１には、図１に示すようにエジェクト
板１１が昇降可能に一対のピン１２によってガイドされ
るように設けられている。エジェクト板１１の左側側面
にはラック１１ａが形成されており、不図示の駆動手段
によって駆動回転されるギヤ１３と噛み合っている。ギ
ヤ１３が反時計回転方向に駆動回転されてエジェクト板
１１が上昇する。スイッチ１４がエジェクト板１１の突
出部１１ｂによってオンされると、エジェクト板１１は
停止する。エジェクト板１１が下降してスイッチ１５が
この突出部１１ｂによってオンされると、エジェクト板
１１は停止する。

【００１２】１８は、エジェクト板１１の下部右側に回
動可能に支持され、ねじりばね２０によって時計回転方
向に付勢されているレバーである。このレバーは、第１
のＬ形部１８ａとこれに連続する第２のＬ形部１８ｂと
から成り、両Ｌ形部１８ａ，１８ｂの連続部および第２
のＬ形部１８ｂの先端にはそれぞれ下方に突出する第１
の突起部１８ｃおよび第２の突起部１８ｄが形成されて
いる。第１の突起部１８ｃおよび第２の突起部１８ｄは
フィルムカートリッジ室２に突出している。第１のＬ形
部１８ａは図１の位置で不図示のストッパによって時計
回転方向の回転を規制され、レバー１８は反時計回転方
向の回転のみを許容される。

【００１３】第１のＬ形部１８ａの上下にはそれぞれス
イッチ２２，２３が設置されており、レバー１８が反時
計回転方向に回動するとスイッチ２２が第２のＬ形部１
８ｂによってオンされ、フィルムカートリッジ挿入口２
ａを開放するためにフィルムカートリッジ蓋３が時計回
転方向に回動されるとスイッチ２３が蓋３の突起部３ｂ
によってオンされる。

【００１４】フィルムカートリッジ９の挿入から取り出
しまでの手順について説明する。図３に示された使用済
みのフィルムカートリッジ９をフィルムカートリッジ挿
入口２ａに挿入すると、図５に示すようにフィルムカー
トリッジ９は板ばね５に挟持されつつ、円板１０の切欠
き１０ａにレバー１８の第１の突起部１８ｃが挿入され
る。フィルムカートリッジ９がさらに挿入されると、レ
バー１８はわずかに反時計回転方向に回動し、図６に示
すように第１の突起部１８ｃが円板１０の切欠き１０ａ
に係合する。この係合によりレバー１８の回動は抑止さ
れ、フィルムカートリッジ９をこれ以上挿入することが
できなくなる。この結果、使用済みのフィルムカートリ
ッジ９の誤装填が防止される。

【００１５】図２に示された未使用のフィルムカートリ
ッジ９を挿入すると、図７に示すようにフィルムカート
リッジ９の円板１０の上面にレバー１８の第１の突起部
１８ｃが当接する。フィルムカートリッジ９がさらに挿
入されると、レバー１８は反時計回転方向に回動するの
で、第１の突起部１８ｃは図８に示すようにフィルムカ
ートリッジ９から外れ、スイッチ２２が第２のＬ形部１
８ｂによってオンされる。これにより、フィルムカート
リッジ９がフィルムカートリッジ挿入口２ａに挿入され
たことが検出される。フィルムカートリッジ９がさらに
挿入されると、フィルムカートリッジ室２の段差２ｂお
よびレバー１８の第２の突起部１８ｄに突き当たって停
止する。フィルムカートリッジ挿入口２ａがフィルムカ
ートリッジ蓋３によって閉塞されると、フィルムカート
リッジ蓋３の係止爪３ａは不図示の係止部材によって係
止され、図８に示すようにスイッチ２３がオフする。カ
メラは撮影可能な状態になり、フィルムカートリッジ９
は撮影に供される。

【００１６】撮影が完了した後、蓋開放レバー４がカメ
ラ前方にスライドされると、フィルムカートリッジ蓋３
の係止爪３ａと不図示の係止部材との係止が解除され
る。したがって、フィルムカートリッジ蓋３が時計回転
方向に回動してフィルムカートリッジ室２のフィルムカ
ートリッジ挿入口２ａが開放され、スイッチ２３はフィ
ルムカートリッジ蓋３の突起部３ｂによってオンされ
る。これにより、不図示の駆動手段によってギヤ１３が
時計回転方向に駆動回転され、エジェクト板１１および
レバー１８は一体で下降してスイッチ１４はオフされ
る。レバー１８の下降により、図９に示すようにフィル
ムカートリッジ９はフィルムカートリッジ室２から押し
出される。レバー１８がさらに下降しエジェクト板１１
の突出部１１ｂによってスイッチ１５がオンされると、
上記駆動手段が停止されてエジェクト板１１も停止す
る。これにより、フィルムカ−トリッジ９はフィルムカ
ートリッジ室２から突出して取り出し可能となる。その
突出量は撮影者が指でつかめる程度である。

【００１７】フィルムカートリッジ９が取り出される
と、レバー１８はねじりばね２０に付勢されて時計回転
方向に回動し、スイッチ２２がオフされる。これによ
り、上記駆動手段が起動されてエジェクト板１１が再び
上昇し、スイッチ１５がオフされる。エジェクト板１１
がさらに上昇しスイッチ１４がその突出部１１ｂによっ
てオンされると、上記駆動手段は停止されてエジェクト
板１１も停止し、図１の状態に戻る。

【００１８】上述したように、フィルムカートリッジ９
がフィルムカートリッジ室２に装填されるとき、レバー
１８は、フィルムカートリッジ９の円板１０に形成され
た切欠き１０ａと係合すると第１の位置でその回動が抑
止されてフィルムカートリッジ９の装填を阻止する。こ
の切欠き１０ａに係合しないとレバー１８は第２の位置
まで回動してフィルムカートリッジ９の装填を許容す
る。フィルムカートリッジ蓋３の開動作に連動して、フ
ィルムカートリッジ室２内のフィルムカートリッジ９を
排出するようにレバー１８は下降する。したがって、部
品点数が削減され、コストの低廉化と省スペース化が図
られるとともに、カメラの小型化が可能となる。

【００１９】以上の実施例の構成において、切欠き１０
ａが識別部を、レバー１８が回動レバーを、エジェクト
板１１、ギア１３などが移動手段をそれぞれ構成する。

【発明の効果】本発明によれば、フィルムカ−トリッジ
装填動作時、回動レバーが識別部と係合すると第１の位
置でその回動が抑止されてフィルムカ−トリッジの装填
を阻止し、識別部と係合しないと第２の位置まで回動し
てフィルムカ−トリッジの装填を許容するとともに、フ
ィルムカ−トリッジ蓋の開動作時にフィルムカ−トリッ
ジ室内のフィルムカ−トリッジを回動レバーの移動で排
出するようにしたので、部品点数の削減によるコストの
低廉化と省スペース化が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るフィルムカートリッジ式カメラの
要部の縦断面図であり、フィルムカートリッジ室にフィ
ルムカートリッジが装填される前の状態を示す。

【図２】未使用のフィルムカートリッジの斜視図であ
る。

【図３】使用済みのフィルムカートリッジの斜視図であ
る。

【図４】本発明に係るフィルムカートリッジ式カメラを
後方下側から見た斜視図である。

【図５】図４のカメラの要部の縦断面図であり、フィル
ムカートリッジ挿入口に使用済みのフィルムカートリッ
ジが挿入された状態を示す。

【図６】図５の要部を示す拡大図であり、レバーの第１
の突起部がフィルムカートリッジの円板の切欠きに係合
している状態を示す。

【図７】図４のカメラの要部の縦断面図であり、フィル
ムカートリッジ挿入口に未使用のフィルムカートリッジ
が途中まで挿入された状態を示す。

【図８】図４のカメラの要部の縦断面図であり、未使用
のフィルムカートリッジが装填されフィルムカートリッ
ジ蓋が閉塞された状態を示す。

【図９】図４のカメラの要部の縦断面図を示し、撮影終
了後フィルムカートリッジ蓋が開放されフィルムカート
リッジが押し出された状態を示す。

【符号の説明】

２ フィルムカートリッジ室 ３ フィルムカートリッジ蓋 ９ フィルムカートリッジ １０ａ 切欠き １８ レバー １８ｃ 第１の突起部 １８ｄ 第２の突起部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 使用済みか未使用かを識別する識別部を
   備えたフィルムカートリッジが装填されるフィルムカー
   トリッジ室と、 このフィルムカ−トリッジ室を開閉可能なフィルムカー
   トリッジ蓋と、 前記フィルムカートリッジの識別部により使用済みフィ
   ルムカ−トリッジの装填を阻止する阻止手段と、 フィルムカートリッジ室からフィルムカートリッジを排
   出する排出手段とを備えたフィルムカートリッジ式カメ
   ラにおいて、 前記阻止手段および前記排出手段は、前記フィルムカ−
   トリッジ室に突出して第１の位置と第２の位置との間で
   回動可能な共通の回動レバーと、 前記フィルムカ−トリッジ蓋の開動作時にフィルムカ−
   トリッジ室内のフィルムカ−トリッジを排出するように
   移動させる移動手段とを備え、 前記回動レバーは、前記フィルムカ−トリッジ装填動作
   時、前記識別部と係合すると前記第１の位置でその回動
   が抑止されてフィルムカ−トリッジの装填を阻止し、前
   記識別部と係合しないと前記第２の位置まで回動してフ
   ィルムカ−トリッジの装填を許容することを特徴とする
   フィルムカートリッジ式カメラ。