JPH0822644A - スパッタリング用ターゲット、その製造方法、そのターゲットを用いた光記録媒体及びその光記録媒体の製造方法 - Google Patents

スパッタリング用ターゲット、その製造方法、そのターゲットを用いた光記録媒体及びその光記録媒体の製造方法

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JPH0822644A
JPH0822644A JP6332532A JP33253294A JPH0822644A JP H0822644 A JPH0822644 A JP H0822644A JP 6332532 A JP6332532 A JP 6332532A JP 33253294 A JP33253294 A JP 33253294A JP H0822644 A JPH0822644 A JP H0822644A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来に比べC/N、消去比、感度、記録.消
去繰り返し特性の飛躍的向上を達成できる光記録媒体を
提供する。 【構成】 記録を担う物質の相変化により記録消去を行
う光記録媒体の記録層の構成元素を主としてAg、I
n、Te、Sbで、それぞれの組成比α、β、γ、δ
(原子%)が、 0<α≦30 0<β≦30 10≦γ≦50 10≦δ≦80 α+β+γ+δ=100 としたことを特徴とする光記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスパッタリング用ターゲ
ット、そのターゲットの製造方法、そのターゲットを用
いた光記録媒体及びその光記録媒体の製造方法に関し、
詳しくは、光ビームを照射することにより記録層材料に
相変化を生じさせ、情報の記録・再生を行い、かつ、書
換えが可能である情報記録媒体(光記録媒体)とその光
記録媒体の製造方法及びその光記録媒体の作製に有用な
スパッタリング用ターゲット、そのターゲットの製造方
法に関する。
【0002】
【従来技術】電磁波、特にレーザービームの照射による
情報の記録、再生および消去可能な光記録媒体の一つと
して、結晶−非結晶相間あるいは結晶−結晶相間の転移
を利用する、いわゆる相変化形光記録媒体がよく知られ
ている。特に、光磁気メモリーでは困難な単一ビームに
よるオーバーライトが可能であり、ドライブ側の光学系
よりも単純であることなどから、最近その研究開発が活
発に行なわれるようになってきている。
【0003】その代表的な例としては、USP3530
441に開示されているように、GeTe、GeTeS
e、GeTeS、GeSeS、GeSeSb、GeAs
Se、InTe、SeTe、SeAsなどのいわゆるカ
ルコゲン系合金材料があげられる。また、安定性、高速
結晶化等の向上を目的に、Ge−Te系にAu(特開昭
61−219692号)、SnおよびAu(特開昭61
−270190号)、Pd(特開昭62−19490
号)などを添加した材料の提案や、記録/消去の繰返し
性能向上を目的に、GeTeSeSb、GeTeSbの
組成比を特定した材料(特開昭62−73438号、特
開昭63−228433号)の提案などもなされてい
る。
【0004】しかしながら、そのいずれもが書替え型相
変化形光記録媒体として要求される諸特性のすべてを満
足しうるものとはいえない。特に、記録感度、消去感度
の向上、オーバーライト時の消しの残りによる消去比低
下の防止が解決すべき最重要課題となっている。
【0005】これらの課題を解決するために、Ag−I
n−Sb−Te系の混相記録材料が開発された(特開平
3−240590号、特開平4−78031号、特開平
4−232779号、特開平5−345478号な
ど)。これらの混相記録材料は、ピークパワー12mW
以下の記録感度、消去感度を有する。特に、消去比が大
きく、マークエッジ記録用の記録層として優れている。
しかし、現在提案されているAg−In−Sb−Te系
混相材料を記録層とした光記録媒体の保存信頼性や繰返
し信頼性については、満足できるものとはいえず、更に
なる改良が要求されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の実情に鑑みてなされたもので、C/N、消去比、感
度、ジッター、保存信頼性、繰返し信頼性に優れた情報
記録媒体、及びそれに関連したスパッタリング用ターゲ
ットを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは光記録媒体
及びそれの作製に用いられるスパッタリング用ターゲッ
ト等について鋭意研究を重ねた結果、前記課題に合致す
る光記録媒体を見出した。すなわち、本発明によれば、
(1) 記録を担う物質の相変化により記録及び消去を
行なう光記録媒体の記録層を作製する際に用いられ、構
成元素が主にAg、In、Te、Sbであり、それぞれ
の組成比α、β、γ、δ(原子%)が、 2≦α≦30 3≦β≦30 10≦γ≦50 15≦δ≦83 α+β+γ+δ=100 であることを特徴とするスパッタリング用ターゲットが
提供され、(2) 前記(1)ターゲット中に含まれる
化合物ないし混合物がSbとカルコパイライト構造を有
する化学量論組成及び/又はそれに近い組成のAgIn
Te2とを主成分とするスパッタリング用ターゲットが
提供され、(3) 前記(2)のカルコパイライト構造
を有する化学量論組成及び/又はそれに近い組成のAg
InTe2が形成する結晶子の粒径dが、 d≦450Å であるスパッタリング用ターゲットが提供される。
【0008】また、本発明によれば、(4) Ag、I
n及びTeの単体を混合し600℃以上の温度で溶融し
た後急冷させ粉砕し、これとSbと混合して焼結するこ
とを特徴とするスパッタリング用ターゲットの製造方法
が提供され、(5) Ag、In、Te及びSbの単体
を混合し600℃以上の温度で溶融した後、急冷させ粉
砕し、これらを焼結することを特徴とするスパッタリン
グ用ターゲットの製造方法が提供され、(6) 前記
(4)あるいは(5)の焼結以前の工程として、融点以
下における熱処理工程を設けるようにした請求項4又は
5記載のスパッタリング用ターゲットの製造方法が提供
される。
【0009】また、本発明によれば、(7) 記録を担
う物質の相変化により記録消去を行なう光記録媒体の記
録層の構成元素が、主に、Ag、In、Te、Sbであ
り、それぞれの組成比α、β、γ、δ(原子%)が、 0<α≦30 0<β≦30 10≦γ≦50 10≦δ≦80 α+β+γ+δ=100 であることを特徴とする光記録媒体が提供され、(8)
記録を担う物質の相変化により記録消去を行なう光記
録媒体の記録層の構成元素が、主に、Ag、In、T
e、Sbであり、それぞれの組成比α、β、γ、δ(原
子%)が、 0<α≦30 0<β≦30 10≦γ≦50 10≦δ≦80 α−γ/2≦−8 α+β+γ+δ=100 であることを特徴とする光記録媒体が提供され、(9)
基本層構成が、ポリカーボネート基板/第1保護層/
記録層/第2保護層/反射放熱層/紫外線硬化樹脂であ
ることを特徴とする光記録媒体が提供され、(10)
前記(9)において、第1保護層と第2保護層が同一物
質であることを特徴とする光記録媒体が提供され、(1
1) 前記(9)において、第1保護層及び第2保護層
の熱応力+真性応力が−150MPa以上であることを
特徴とする光記録媒体が提供され、(12) 前記
(9)において、記録層の降伏応力が200MPa以上
であることを特徴とする光記録媒体が提供され、(1
3) 前記(7)又は(8)において、記録層の主な構
成元素であるAg、In、Te、Sbのいずれかと合金
化あるいは化合物化できる元素がさらに添加されている
ことを特徴とする光記録媒体が提供される。
【0010】また、本発明によれば、(14) 記録を
担う物質の相変化により記録消去を行なう光記録媒体の
記録層の構成元素が主としてAgとInとTeとSbと
窒素及び/又は酸素とであり、それぞれの組成比α、
β、γ、δ、ε(εは窒素及び/又は酸素の総計)(原
子%)が、 0<α≦30 0<β≦30 9≦γ≦50 9≦δ≦80 0≦ε≦5 α+β+γ+δ+ε=100 であることを特徴とする光記録媒体が提供され、(1
5) 記録を担う物質の相変化により記録消去を行なう
光記録媒体の記録層の構成元素が主としてAgとInと
TeとSbと窒素及び/又は酸素とであり、それぞれの
組成比α、β、γ、δ、ε(εは窒素及び/又は酸素の
総計)(原子%)が、 0<α≦30 0<β≦30 9≦γ≦50 9≦δ≦80 0<ε≦5 α−γ/2≦−8 α+β+γ+δ+ε=100 であることを特徴とする光記録媒体が提供され、(1
6) 前記(14)又は(15)において、基本層構成
が、ポリカーボネート基板/第1保護層/記録層/第2
保護層/反射放熱層/紫外線硬化樹脂であることを特徴
とする光記録媒体が提供され、(17) 前記(14)
又は(15)において、第1保護層と第2保護層が同一
物質であることを特徴とする光記録媒体が提供され、
(18) 前記(14)又は(15)において、第1保
護層及び第2保護層の熱応力+真性応力が−150MP
a以上であることを特徴とする光記録媒体が提供され、
(19) 前記(14)又は(15)において、記録層
の降伏応力が200MPa以上であることを特徴とする
光記録媒体が提供され、(20) 前記(14)又は
(15)において、記録層の主な構成元素であるAg、
In、Te、Sbのいずれかと合金化あるいは化合物化
できる元素がさらに添加されていることを特徴とする光
記録媒体が提供される。
【0011】更に、本発明によれば、(21) 前記
(1)(2)(3)のいずれかのスパッタリング用ター
ゲットを使用してスパッタリングを行なう際に、アルゴ
ンガスに0mol%以上15mol%以下の窒素ガスを
混合したガスを用いて記録層を成膜することを特徴とす
る光記録媒体の製造方法が提供され、(22) 前記
(21)において、スパッタリング前の背圧pを 3×10-7≦p≦5×10-6torr に設定することを特徴とする光記録媒体の製造方法が提
供され、(23) 前記(21)において、スパッタリ
ング後に、スパッタリング時よりも高濃度の窒素ガスを
含むガスをスパッタチャンバー内に流入させることを特
徴とする光記録媒体の製造方法が提供される。
【0012】本発明の光記録媒体を得るには、記録層を
形成するのに有用なスパッタリング用ターゲットが必要
である。このため、本発明におけるスパッタリング用タ
ーゲットでは(i)ターゲット中に含まれる化合物がS
bと、カルコパイライト構造を有する化学量論組成及び
/又はそれに近い組成のAgInTe2とが存在するも
のの使用が望ましい。ここで(ii)前記のカルコパイラ
イト構造を有する化学量論組成及び/又はそれに近い組
成のAgInTe2はそれを形成する結晶子の粒径dが d≦450Å であることが好ましい。
【0013】スパッタリング用ターゲットの製造方法で
は(iii)焼結以前の工程として、融点以下での熱処理工
程(適当な熱処理としては200〜450℃好ましくは
およそ300〜400℃、特に混合物の焼結温度以下で
ある350℃程度で行なう)を含むこと、また、スパッ
タリング時は(iv)スパッタリング用ターゲットを使用
してスパッタリングを行なう際に、アルゴンガスに0m
ol%以上15mol%以下の窒素ガスを混合したガス
を用いて記録層を成膜すること、(iv)スパッタリング
前の背圧pを3×10-7≦p≦5×10-6Torrに設
定すること、及び/又は(v)スパッタリング後に、ス
パッタリング時よりも高濃度の窒素ガスを含むガスをス
パッタチャンバー内に流出させることが有利である。
【0014】本発明の光記録媒体での記録層は、(vi)
その主な構成元素Ag、In、Te、Sbのうち少なく
とも一つの元素の窒化物及び/又は酸化物あるいは窒素
単体を含有させておくこと(窒化物、酸化物もしくは窒
素単体が記録層の粒界又は界面を形成することを含む)
が望ましい。
【0015】良好なディスク特性が得られるターゲット
組成は2≦α≦30、3≦β≦30、10≦γ≦50、
15≦δ≦83、α+β+γ+δ=100であるが、よ
り良好なディスク特性を得るには、2≦α≦27、5≦
β≦28、13≦γ≦45、20≦δ≦75、α+β+
γ+δ=100であり、最も良好なディスク特性を得る
には、2≦α≦25、8≦β≦25、15≦γ≦40、
25≦δ≦65である。保護層や反射層など記録層以外
のディスク構成材料、及びその膜厚等により、所望の線
速、マーク長等の記録条件に最も適したターゲット組成
を選ぶことができる。
【0016】既述のとおり、本発明のスパッタリング用
ターゲット中には、記述のとおり、主にSbとカルコパ
イライト構造を有する化学量論組成及び/又はそれに近
い組成のAgInTe2とが存在することが好ましい。
この場合、薄膜の記録層を設置した後、適切な熱処理
(初期化)を行うことにより、主に微結晶AgSbTe
2とアモルファスIn−Sbからなる混相状態を得るこ
とができる。この混相状態を記録層に存在させることに
より消去比が高く、低パワーで記録−消去の多数回繰り
返しが可能な光記録媒体を得ることが可能となる。
【0017】カルコパライト構造を有する化学量論組成
及び/又はそれに近い組成のAgInTe2の結晶子粒
径は、例えばターゲットを粉砕しX線回析で得られるメ
インパーク(X線源Cu、λ≒1.54Åの場合、約2
4.1°)の線幅より計算することができる。計算に際
しては充分に結晶子径の大きな基準サンプルで線幅の修
正を行う必要がある。AgInTe2の結晶子粒径が4
50Å以上の場合には、薄膜の記録層を設置した後、適
切な処理を施しても安定な記録・消去を行うことのでき
る混相状態を得ることが困難となる。
【0018】本発明のスパッタリング用ターゲットを用
いて記録層を製膜する場合、先に触れたとおり、スパッ
タリング前の背圧pは3×10-7≦p≦5×10-6To
rrであることが望ましいが、背圧をこの範囲内の値に
設定すると、膜中に適当な不連続相(バリア)ができ、
AgInTe2とSbとのアモルファス相から、微結晶
AgSbTe2とアモルファスIn−Sbとの混相状態
を得やすくなる。また、スパッタリング時のガスとし
て、アルゴンガスに窒素ガスを0mol%以上15mo
l%以下混合したガスを用いることで窒素量に応じて製
膜後の記録層の組成を調整し、線速、層構成、ディスク
の使用条件に最も適した記録層を得ることができる。ま
た、窒素ガスとアルゴンガスとの混合ガスを用いること
により、繰り返し記録消去の耐久性も向上する。混合ガ
スは所望のモル比であらかじめ混合したガスを用いて
も、チャンバー導入時に所望のモル比になるよう流量を
それぞれ調整してもよい。
【0019】本発明のスパッタリングターゲット及びそ
の製法、製膜方法により製膜された記録層の処理(初期
化)、記録、再生および消去に用いる電磁波としてはレ
ーザー光、電子線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、
マイクロ波など種々のものが採用可能である。特に記
録、再生および消去に用いる電磁波としては、ドライブ
に取付ける際小型でコンパクトな半導体レーザーが最適
である。
【0020】本発明の製法により作製されたスパッタリ
ングターゲット及び製膜方法により製膜された記録層の
膜厚としては80〜5000Å、好適には150〜10
00Åとするのがよい。80Åより薄いと光吸収能が著
しく低下し、記録層としての役割を果たさなくなる。ま
た、5000Åより厚いと高速で均一な相変化がおこり
にくくなる。
【0021】ところで、本発明の意図するものの一つに
Ag−In−Sb−Te系相変化形光記録媒体の主要技
術課題である、(1)保存信頼性、及び(2)オーバー
ライトの繰返し信頼性、の向上がある。
【0022】そこで先ず、Ag−In−Sb−Te系相
変化形光記録媒体について、80℃85%RHでの保存
劣化挙動を調べた。ここでの評価項目は、アーカイバル
特性(保存した記録信号の特性)、シェルフ特性(保存
した初期化部への記録特性)、およびオーバーライトシ
ェルフ特性(保存した記録信号部へのオーバーライト記
録特性)とした。評価条件は、線速1.2m/s、オー
バーライト記録周波数は0.72MHz/0.20MH
zとした。評価したサンプルは次の5種類である。 No. 構成(膜厚nm) 1(○) PC/ZnSSiO2(200)/Ag8In15Sb43Te34(35)/AIN(30)/Ag(70) 2(△) PC/ZnSSiO2(200)/Ag8In11Sb49Te32(30)/ZnSSiO2(20)/Al合金(100) 3(▲) PC/ZnSSiO2(200)/Ag8In11Sb49Te32(20)/ZnSSiO2(20)/Al合金(100) 4(□) PC/ZnSSiO2(200)/Ag11In14Sb43Te32(30)/ZnSSiO2(20)/Al合金(100) 5(■) PC/ZnSSiO2(200)/Ag11In14Sb43Te32(20)/ZnSSiO2(20)/Al合金(100) PCはポリカーボネート基板を意味し、記録層の組成は
ICP分析により評価した。また、いずれのディスクも
紫外線硬化樹脂4μmを設けた。
【0023】これら5種類の保存劣化挙動を図1に示
す。図1はAg−In−Sb−Te系相変化形光ディス
クの保存特性を示すもので、(a)はアーカイバル特
性、図1(b)はシェルフ特性、図1(c)はオーバー
ライトシェルフを表わしている。図1から明らかなよう
に、劣化のモードとして、 (1)オーバーライトシェルフの初期劣化(約200時
間) (2)アーカイバル特性の中期劣化(約1000時間) が認められた。中でも、オーバーライトシェルフの初期
劣化が大きな問題であることがわかった。
【0024】続いて、オーバーライトシェルフの初期劣
化の対策を実施するために、その劣化の解析を行なっ
た。その結果、80℃85%RHの高温高湿保存によっ
て、アモルファス化不十分な部位の存在することがわか
った。また、その劣化速度は、記録層の組成に依存する
こともわかった。その様子を図2に示す。図2から、A
g−Te/2(原子%)が−8以下のとき、オーバーラ
イトシェルフの初期劣化が大きく改善されることがわか
る。また、オーバーライトシェルフの初期劣化は、記録
層の膜厚、第2保護層材料、反射放熱層材料等の層構成
に顕著な依存性は認められないことがわかる。
【0025】続いて、Ag−In−Sb−Te系相変化
形光記録媒体の繰返し特性について検討した。オーバー
ライトの繰返し後の記録層の構造を透過型電子顕微鏡観
察および電子線回折を行なったところ、(1)ボイドの
生成、(2)組成の編析、が認められた。ボイドの生成
と組成の編析は、表裏一体の現象であり、物質の移動元
がボイドとなり、移動先が組成の編析として観察された
ことになる。つまり、物質移動がオーバーライトの繰返
し特性の劣化となっている。この物質移動の駆動力は、
記録層に生じる引っ張り応力勾配が原因と考えられてい
る(C.Herring,J.Appl.Phys.,
21,437(1950))。
【0026】相変化形光記録媒体では、記録の際、レー
ザー照射によって記録層が溶融する。その際、溶融部分
の引っ張り応力は、ほとんど無くなってしまい、大きな
引っ張り応力勾配が生じていることになる(図3
(b))。記録層に生じる引っ張り応力は、第1保護層
および第2保護層の熱応力及び真性応力(特に、圧縮応
力)の和によって決まる。従って、記録層の引っ張り応
力の低減は、第1保護層及び第2保護層の熱応力及び圧
縮応力の低減にほかならない。図3(a)は未記録時す
なわち応力が生じない状態を表わしている。
【0027】第1保護層の応力に対するオーバーライト
繰返し回数の関係を図4に示す。繰返し回数を2000
回以上とすると、保護層の応力としては、熱応力+真性
応力で、−150MPa以上、繰返し回数10000回
以上とすると、保護層の応力としては、熱応力+真性応
力で、−100MPa以上が好適である。
【0028】また、記録層に生じる引っ張り応力が、記
録層の降伏応力を超えると、記録層は、やがてボイドを
生じ断絶してしまう。したがって、記録層の降伏応力
は、記録層に生じる引っ張り応力より大きくなければな
らない。Ag−In−Sb−Te系記録層の膜厚とその
降伏応力の関係を図5に示す。Ag−In−Sb−Te
系記録層に生じる引っ張り応力は150〜250MPa
であり、記録層の降伏応力はそれ以上にする必要があ
る。つまり、記録その降伏応力は、好ましくは200M
Pa以上、さらに好ましくは250MPa以上が好適で
ある。したがって、Ag−In−Sb−Te系記録層は
500nm以下、好ましくは、30nm以下の膜厚が好
適である。
【0029】一方、繰返しオーバーライトによってでき
るボイドは、第1保護層および第2保護層に異なる材料
を用いることで促進される。相変化形光記録媒体では、
記録層をはさむ保護層材料が異なると、記録層の上下で
ぬれ性が異なるため記録消去の際の溶融時に、よりぬれ
性の良好な界面に記録材料が移動してしまい、ぬれ性の
良くない界面にボイドを形成してしまう。その結果、オ
ーバーライトの繰返しによる劣化を生じてしまう。した
がって、第1保護層と第2保護層を同一材料とすること
で、オーバーライトの繰返し特性を向上することができ
る。また、第1保護層と第2保護層の熱伝導率が異なる
と、熱応力分布を生じることとなり、やはり、物質移動
の原因となる。したがって、この様な観点からも、第1
保護層および第2保護層が同一の材料であることが望ま
れる。
【0030】Ag−In−Sb−Te系相変化形記録材
料は、特開平4−78031号に記載されているよう
に、AgSbTe2とInSbの混相構造を形成してい
ることがわかっている。光記録の際には、AgSbTe
2が結晶−非結晶質間で相変化する。このときのAgS
bTe2の大きさは、約10nmである。この様な混相
構造において、物質移動量は混相界面が支配的と考えら
れる。その物質移動量は記録層に生じる引っ張り応力に
よって増大する。さて、物質移動は、物質移動経路で移
動物質を補足することでも軽減される。具体的には、炭
素、窒素、酸素の各元素は4価、3価、2価の結合手を
もっており、移動物質を補足することができる。また、
Ag、In、Sb、Teのいずれかの構成元素と合金化
或いは化合物化できるAl、Ga、Se、Ge、Pd、
Pbなどの添加も効果的である。
【0031】本発明で使用する記録層は、Ag、In、
Sb、Teを主構成元素としている。 相変化形記録媒
体として、好適な組成は、 0<α≦30 0<β≦30 10≦γ≦50 10≦δ≦80 α−γ/2≦−8 α+β+γ+δ=100 であり、本発明は、この組成範囲において、さらに保存
信頼性を確保するために好適な組成範囲である。また、
本発明の記録層は、C、N、O、Al、Ga、Se、G
e、Pd、Pbなどの添加元素が含むことができる。記
録層は、スパッタリング、イオンプレーティング、真空
蒸着、プラズマCVD法等によって作製できる。C、
N、Oの添加には、CH4、N2、NH3、NO2、N2
などがもちいられる。
【0032】本発明で使用する基板の材料は、通常、ガ
ラス、セラミックス、あるいは、樹脂であり、なかでも
樹脂基板が成型性、コストの点で好適である。樹脂の代
表例として、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リスチレン樹脂、アクリルニトリル−スチレン共重合体
樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹
脂などが使用できるが、加工性、光学特性等から、ポリ
カーボネート樹脂が好ましい。また、基板の形状は、デ
ィスク状、カード状あるいは、シート状であってもよ
い。基板の厚さは1.2mm、0.6mm、0.3mm
等任意のものが使用できるが、クロストークの基板チル
ト依存性の観点から、より基板厚の小さいものが望まれ
る。しかし、製膜上の困難や、歩留まり等を考慮すると
0.6mmが好ましい。
【0033】本発明で使用する第1及び第2保護層は、
SiO、SiO2、ZnO、SnO2、Al23、TiO
2、In23、MgO、Zro2などの酸化物、Si
34、AIN、TiN、BN、ZrNなどの窒化物、Z
nS、In23、TaS4などの硫化物、SiC、Ta
4、B4C、WC、TiC、ZrCなどの炭化物やダイ
ヤモンド状炭素、あるいはその混合物が好ましい。これ
ら第1および第2保護層は、スパッタリング、イオンプ
レーティング、真空蒸着、プラズマCVD法等によって
作製できる。第1保護層の膜厚は50nm〜500n
m、好ましくは100nm〜300nm、更に好ましく
は120nm〜250nmである。第2保護層の膜厚は
5nm〜300nm好ましくは、10nm〜50nmで
ある。スパッタ製膜の場合、第1及び第2保護層の応力
は、製膜圧力、製膜電力、基板−ターゲット間距離など
で制御することができる。一般に、製膜圧力を高く、製
膜プラズマ電力を小さく、基板−ターゲット間距離を大
きくすることで応力は軽減される。また、2種以上の複
合材料を使用することでも応力の軽減を図ることができ
る。
【0034】反射放熱層としては、Al、Ag、Auな
どの金属材料およびそれらとTi、Cr、Si、などの
添加材料が使用できる。反射放熱層は、必ずしも必要で
はないが、記録消去の際に生じる過剰な熱を放出し、記
録媒体自身への熱ダメージを軽減するために設けるほう
が望ましい。反射放熱層は、スパッタリング、イオンプ
レーティング、真空蒸着、プラズマCVD法等によって
作製できる。
【0035】以下に、実施例によって、本発明を具体的
に説明する。
【0036】実施例1〜16、比較例1〜8 表1にカルコパイライト構造を有する化学量論組成及び
/又はそれに近い組成のAgInTe2とが存在するス
パッタリングターゲットの組成、及びそれらを用いた場
合のディスク特性を示す。これは幅約0.6μm、深さ
約600Åのグルーブが形成されているディスク基板
(厚さ1.2mm)に、ZnS・SiO2からなる20
0nm厚の下部保護層、25nm厚の記録層、ZnS・
SiO2からなる30nm厚の上部保護層、アルミニウ
ム合金(厚さ100nm)からなる反射放熱層、紫外線
硬化型樹脂(厚さ5μm)からなる保護層を設置してデ
ィスクを作成する。なお、記録層のスパッタリング方法
は背圧を9×10-7torrで、アルゴンガスをいれ4
×10-3torrにして、RFpower40ワットで
行なった。このディスクで最もC/Nが高くなる線速で
測定し、マーク長約1μmのマークの記録特性、約3μ
mのマークでオーバーライトしたときの消去特性につい
て評価した。ここで、半導体レーザーの波長は780n
m、対物レンズのNAは0.5である。ディスク特性の
欄の評価値は、レベル3が最も良好な特性(C/N≧5
5dB、消去比(Ers)≦−35dB)を示すターゲ
ットであることを表し、レベル2は良好な特性(55>
C/N≧45dB、−35<消去比(Ers)≦−25
dB)を示すターゲットであることを表し、レベル1は
良好な特性を有するディスクが得られなかった(上記以
外のもの)ターゲットであることを示す。Ag、In、
Te、Sbそれぞれの組成比α、β、γ、δ(原子%)
が2≦α≦30、3≦β≦30、10≦γ≦50、15
≦δ≦83であるとき、良好なディスク特性が得られて
いることが判る。
【0037】
【表1】
【0038】また、表2に実施例3のターゲットを用い
て記録層をスパッタリングで製膜する際、アルゴンガス
単独、アルゴンガスに0.6、15、20mol%の窒
素ガスを混合したガスを用いた場合の記録膜の組成とオ
ーバーライト繰り返し可能回数を示す。評価はそれぞれ
のディスクに適した記録条件で行った。またマーク長が
約1μm、約3μmのオーバーライトとなる様に記録周
波長を調節した。表2より窒素量が15mol%を越す
と繰り返し回数が急激に低下することがわかる。
【0039】
【表2】
【0040】実施例17 実施例5のターゲット原材料を溶融急冷し、粉砕した後
熱処理を行ない、続いて焼結して製造した。これと対比
するために熱処理を施さなかった以外は同様にしたター
ゲット(実施例5と同じもの)を用意した。これらを用
いて実施例5と同様のディスクを作製した。ディスクの
線速5m/s時のオーバーライト特性を図6(熱処理を
行なったもの)、図7(熱処理を施さなかったもの)に
示す。その結果、熱処理を行なったものの方がディスク
特性、感度ともに優っているのが判った。
【0041】比較例9 実施例1〜16のターゲットに含まれるAgInTe2
の結晶子径は450Å以下である。実施例9と同一組成
のターゲットで結晶子径が約500Åのものを用意し、
これらによって実施例9と同様にしてディスクを作製し
た。このディスクの線速2m/s時のオーバーライト特
性を図8に示した。図8から明らかなように、結晶子径
が500Åのものは450Å以下のものに比較して特性
が劣ったものである。
【0042】実施例18 実施例5と同一組成で原材料溶融温度を600℃以上、
580℃とした以外は実施例5と同様にしてディスクを
作製した。これらディスクを比較したところ、溶融温度
600℃以上にしたものの方が記録消去は良好に行なえ
た。
【0043】実施例19 ポリカーボネート(1.2mm)/ZnSSiO2(200mm)/Ag8In11Sb47
Te34(20mm)/ZnSSiO2(20mm)/Al合金(100mm)/紫外線硬化
樹脂(4μm)という構成の相変化形光ディスクをスパッタ
リングによって作製した。ただし、紫外線硬化樹脂は、
スピンコートによって作製した。第1保護層および第2
保護層は、反応圧0.008torr、プラズマ電力
1.0kWで作製して、−130MPaの応力に制御し
た。記録層の組成は、Ag−Te/2=−9に制御し
た。また、この記録層の降伏応力は、270MPaであ
った。このディスクの保存特性および繰返しオーバーラ
イト特性を評価した。評価条件は、線速1.2m/s、
オーバーライト記録周波数0.72MHz/0.20M
Hzとした。寿命の判定は、ジッタ1σが15nsをこ
える時間および繰返し回数とした。その結果、80℃8
5%RHの保存でアーカイバル特性、シェルフ特性、オ
ーバーライトシェルフ特性ともに、2000時間以上の
寿命であった。一方、オーバーライトの繰返し回数は、
5000回程度であった。
【0044】実施例20 ポリカーボネート(1.2mm)/ZnSSiO2(200nm)/Ag8In11Sb47
Te34:N(20nm)/ZnSSiO2(20nm)/Al合金(100nm)/紫外線硬
化樹脂(4μm)という構成の相変化形光ディスクをスパッ
タリングによって作製した。記録層は、スパッタリング
の際、N2をArに3%添加して作製した。ただし、紫
外線硬化樹脂は、スピンコートによって作製した。第1
保護層及び第2保護層は、反応圧0.008torr、
プラズマ電力1.0kWで作製して、−130MPaの
応力に制御した。記録層の組成は、Ag−Te/2=−
9に制御した。また、この記録層の降伏応力は、270
MPaであった。このディスクの保存特性及び繰返しオ
ーバーライト特性を評価した。評価条件は、線速1.2
m/s、オーバーライト記録周波数0.72MHz/
0.20MHzとした。寿命の判定は、ジッタ1σが1
5nsをこえる時間および繰返し回数とした。その結
果、80℃85%RHの保存でアーカイバル特性、シェ
ルフ特性、オーバーライトシェルフ特性ともに、200
0時間以上の寿命であった。一方、オーバーライトの繰
返し回数は、7000回程度であった。Nの添加によっ
て、繰返し特性が向上することが確認された。
【0045】実施例21 ポリカーボネート(1.2mm)/ZnSSiO2(200nm)/Ag8In11Sb47
Te34:Pd(20nm)/ZnSSiO2(20nm)/Al合金(100nm)/紫外線硬
化樹脂(4μm)という構成の相変化形光ディスクをスパッ
タリングによって作製した。記録層は、スパッタリング
の際、記録層のターゲットにPdを0.3wt%添加し
て作製した。ただし、紫外線硬化樹脂は、スピンコート
によって作製した。第1保護層及び第2保護層は、反応
圧0.008torr、プラズマ電力1.0kWで作製
して、−130MPaの応力に制御した。記録層の組成
は、Ag−Te/2=−9に制御した。また、この記録
層の降伏応力は、270MPaであった。このディスク
の保存特性及び繰返しオーバーライト特性を評価した。
評価条件は、線速1.2m/s、オーバーライト記録周
波数0.72MHz/0.20MHzとした。寿命の判
定は、ジッタ1σが15nsをこえる時間および繰返し
回数とした。その結果、80℃85%RHの保存でアー
カイバル特性、シェルフ特性、オーバーライトシェルフ
特性ともに、2000時間以上の寿命であった。一方、
オーバーライトの繰返し回数は、7000回程度であっ
た。Pdの添加によって、繰返し特性が向上することが
確認された。
【0046】実施例22 ポリカーボネート(1.2mm)/ZnSSiO2(200nm)/Ag8In11Sb47
Te34(17nm)/ZnSSiO2(20nm)/Al合金(100nm)/紫外線硬化
樹脂(4μm)という構成の相変化形光ディスクをスパッタ
リングによって作製した。ただし、紫外線硬化樹脂は、
スピンコートによって作製した。第1保護層及び第2保
護層は、反応圧0.008torr、プラズマ電力1.
0kWで作製して、−130MPaの応力に制御した。
記録層の組成は、Ag−Te/2=−9に制御した。ま
た、この記録層の降伏応力は、290MPaであった。
このディスクの保存特性及び繰返しオーバーライト特性
を評価した。評価条件は、線速1.2m/s、オーバー
ライト記録周波数0.72MHz/0.20MHzとし
た。寿命の判定は、ジッタ1σが15nsをこえる時間
および繰返し回数とした。その結果、80℃85%RH
の保存はアーカイバル特性、シェルフ特性、オーバーラ
イトシェルフ特性ともに、2000時間以上の寿命であ
った。一方、オーバーライトの繰返し回数は、8000
回程度であった。
【0047】実施例23 ポリカーボネート(1.2mm)/ZnSSiO2(200nm)/Ag8In11Sb47
Te34(17nm)/ZnSSiO2(20nm)/Al合金(100nm)/紫外線硬化
樹脂(4μm)という構成の相変化形光ディスクをスパッタ
リングによって作製した。ただし、紫外線硬化樹脂は、
スピンコートによって作製した。第1保護層及び第2保
護層は、反応圧0.008torr、プラズマ電力0.
8kWで作製して、−100MPaの応力に制御した。
記録層の組成は、Ag−Te/2=−9に制御した。ま
た、この記録層の降伏応力は、290MPaであった。
このディスクの保存特性及び繰返しオーバーライト特性
を評価した。評価条件は、線速1.2m/s、オーバー
ライト記録周波数0.72MHz/0.20MHzとし
た。寿命の判定は、ジッタ1σが15nsをこえる時間
および繰返し回数とした。その結果、80℃85%RH
の保存でアーカイバル特性、シェルフ特性、オーバーラ
イトシェルフ特性は、ともに2000時間以上の寿命で
あった。また、オーバーライトの繰返し回数は、100
00回程度であった。
【0048】実施例24 実施例3において、ターゲットを用いてスパッタリング
を行なう際の背圧と得られた記録層のC/Nの関係を図
9に示す。なお、背圧以外のスパッタリングの条件、記
録媒体の層構成、評価条件等は実施例3と同様に行なっ
た。その結果、図9に示したように3×10-7≦P≦5
×10-8torrの範囲の背圧でスパッタした時、良好
なC/Nを示す記録層を得ることができた。
【0049】
【発明の効果】本発明によって、C/N、消去比、感
度、ジッター、保存信頼性、繰返し信頼性に優れる情報
記録媒体を提供することができた。とくに、保存信頼
性、繰返し信頼性の大幅な向上ができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】Ag−In−Sb−Te系相変化形光ディスク
の保存特性を示したもので、(a)はアーカイバル特
性、(b)はシェルフ特性、(c)はオーバーライトシ
ェル特性、をそれぞれ表わした図。
【図2】オーバーライトシェルフの初期劣化速度の記録
層組成依存性を表わした図。
【図3】(a)は未記録時で記録層に応力が生じない状
態を表わした図、(b)はレーザービーム照射(記録
時)に記録層に大きな引っ張り応力が生じることを表わ
した図。
【図4】保護層の応力と光記録媒の繰り返し回数との関
係を表わした図。
【図5】Ag−In−Sb−Te膜の膜厚と降伏応力と
の関係を表わした図。
【図6】ターゲット材料を製造する際、焼結前に熱処理
を行ったターゲットを用いてつくった光記録媒体の性能
を表した図。
【図7】ターゲット材料を製造する際、熱処理を行わな
かったターゲットを用いてつくった光記録媒体の性能を
表した図。
【図8】同一組織のターゲットで結晶子径を500Åと
して光記録媒体をつくり、その性能を表した図。
【図9】ターゲットを用いてスパッタリングを行なう際
の背圧と得られた記録層のC/Nの関係を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 針谷 眞人 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 影山 喜之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 出口 浩司 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 高橋 正悦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 林 嘉隆 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録を担う物質の相変化により記録及び
    消去を行なう光記録媒体の記録層を作製する際に用いら
    れ、構成元素が主にAg、In、Te、Sbであり、そ
    れぞれの組成比α、β、γ、δ(原子%)が、 2≦α≦30 3≦β≦30 10≦γ≦50 15≦δ≦83 α+β+γ+δ=100 であることを特徴とするスパッタリング用ターゲット。
  2. 【請求項2】 前記ターゲット中に含まれる化合物ない
    し混合物が、Sbとカルコパイライト構造を有する化学
    量論組成及び/又はそれに近い組成のAgInTe2
    を主成分とすることを特徴とする請求項1記載のスパッ
    タリング用ターゲット。
  3. 【請求項3】 前記カルコパイライト構造を有する化学
    量論組成及び/又はそれに近い組成のAgInTe2
    形成する結晶子の粒径dが、 d≦450Å であることを特徴とする請求項2記載のスパッタリング
    用ターゲット。
  4. 【請求項4】 Ag、In及びTeの単体を混合し60
    0℃以上の温度で溶融した後急冷させ粉砕し、これとS
    bとを混合して焼結することを特徴とするスパッタリン
    グ用ターゲットの製造方法。
  5. 【請求項5】 Ag、In、Te及びSbの単体を混合
    し600℃以上の温度で溶融した後、急冷させ粉砕し、
    これを焼結することを特徴とするスパッタリング用ター
    ゲットの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記焼結以前の工程として、融点以下に
    おける熱処理工程を含む請求項4又は5記載のスパッタ
    リング用ターゲットの製造方法。
  7. 【請求項7】 記録を担う物質の相変化により記録消去
    を行なう光記録媒体の記録層の構成元素が、主に、A
    g、In、Te、Sbであり、それぞれの組成比α、
    β、γ、δ(原子%)が、 0<α≦30 0<β≦30 10≦γ≦50 10≦δ≦80 α+β+γ+δ=100 であることを特徴とする光記録媒体。
  8. 【請求項8】 記録を担う物質の相変化により記録消去
    を行なう光記録媒体の記録層の構成元素が、主として、
    AgとInとTeとSbと窒素及び/又は酸素とであ
    り、それぞれの組成比α、β、γ、δ、ε(εは窒素及
    び/又は酸素の総計)(原子%)が、 0<α≦30 0<β≦30 9≦γ≦50 9≦δ≦80 0<ε≦5 α+β+γ+δ+ε=100 であることを特徴とする光記録媒体。
  9. 【請求項9】 記録層の構成元素において、その組成比
    に α−γ/2≦−8 の条件がさらに加えられたことを特徴とする請求項7又
    は8記載の光記録媒体。
  10. 【請求項10】 基本層構成が、ポリカーボネート基板
    /第1保護層/記録層/第2保護層/反射放熱層/紫外
    線硬化樹脂であり、記録層が請求項7、8又は9に記載
    されている組成であることを特徴とする光記録媒体。
  11. 【請求項11】 第1保護層及び第2保護層の熱応力と
    真性応力との和が−150MPa以上であることを特徴
    とする請求項10記載の光記録媒体。
  12. 【請求項12】 記録層の降伏応力が200MPa以上
    であることを特徴とする請求項10記載の光記録媒体。
  13. 【請求項13】 記録層中に、その主な構成元素Ag、
    In、Te、Sbのうちの少なくとも1つの元素の窒化
    物および/又は酸化物あるいは窒素単体を含むことを特
    徴とする請求項8又は9記載の光記録媒体。
  14. 【請求項14】 記録層の主な構成元素であるAg、I
    n、Te、Sbのいずれかと合金化あるいは化合物化で
    きる元素がさらに添加されていることを特徴とする請求
    項7、8又は9記載の光記録媒体。
  15. 【請求項15】 請求項1〜3のいずれかのスパッタリ
    ング用ターゲットを使用してスパッタリングを行なう際
    に、アルゴンガスに0mol%以上15mol%以下の
    窒素ガスを混合したガスを用いて記録層を成膜すること
    を特徴とする光記録媒体の製造方法。
  16. 【請求項16】 スパッタリング前の背圧pを、 3×10-7≦p≦5×10-6torr に設定することを特徴とする請求項15記載の光記録媒
    体の製造方法。
  17. 【請求項17】 スパッタリング後に、スパッタリング
    時よりも高濃度の窒素ガスを含むガスをスパッタチャン
    バー内に流入させることを特徴とする請求項15記載の
    光記録媒体の製造方法。
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