JPH08226206A - 軒樋支持具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軒樋に荷重が掛かっても変形せず、取付作業
の足場が悪いところでも容易に軒樋保持具本体と角度調
整部材とが接合できる軒樋支持具を提供する。 【構成】 軒樋保持具本体１と角度調整部材２とからな
り、軒樋保持具本体１の取付部３には円弧状空隙部４が
設けられ、この円弧状空隙部４は幅狭部８と幅広部７を
有し、角度調整部材２には先端に鍔部５ａを有する嵌挿
係止片５が立設され、この嵌挿係止片５が円弧状空隙部
４に挿入回動され、軒樋保持具本体１が角度調整部材２
に装着される。又、取付部と角度調整部材の擂鉢状の通
孔と棒状体が設けられたり、取付部が中実体、中空体、
透明体になされている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、軒先に取着固定されて
軒樋を支持する軒樋支持具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、軒樋を支持する軒樋支持具には種
々な構造のものがある。ところで、この軒樋支持具を取
り付ける軒先の鼻隠し板の形態としては、垂直な場合や
傾斜した場合がある。従って、軒樋支持具を垂直な鼻隠
し板や傾斜した鼻隠し板に取り付けて、屋根から落下す
る雨水を受け易くすることがことが望ましい。上記傾斜
した鼻隠し板に適用される軒樋支持具としては、例えば
実公平６−３４５０８号公報に記載の軒樋支持装置が知
られている。この軒樋支持装置は、固定板の中程部分に
釘孔を穿設すると共にこの固定板の周囲部分の表面に複
数の嵌挿係止脚を突設して合成樹脂でなる固定具を一体
に形成し、一方、係止板の中程部分の表面に軒樋保持部
を突設すると共にこの係止板の周囲部分に嵌合係止孔を
穿設して合成樹脂製樋支持具を一体に形成し、前記固定
具の固定板をその中程部分の釘孔において鼻隠し板に固
定し、この固定具の固定板に合成樹脂製樋支持具の係止
板を、その周囲部分において嵌挿係止脚に嵌合係止孔を
嵌合係止させて、合成樹脂製樋支持具の軒樋保持部に軒
樋を支持させるようにしたものである。

【０００３】そして、傾斜している鼻隠し板に取り付け
る場合、鼻隠し板の傾斜角度に合った末広がりの肉厚を
有する固定板を用意し、この固定板の釘孔を使用して鼻
隠し板に固定した後、この固定具の嵌挿係止脚を合成樹
脂製樋支持具の係止板の嵌合係止孔に嵌挿、係止し、固
定具と合成樹脂製樋支持具をその周囲部分にて結合固定
するものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記の軒樋支持装置
は、固定具の嵌挿係止片が弾性を有しているから、この
嵌挿係止片を樋支持具の係止板の円弧状空隙部に容易に
挿入できる。しかしながら、固定具の嵌挿係止片に剛性
がないので、軒樋に積雪等で荷重が掛かった場合、固定
具の嵌挿係止片が変形して、軒樋に無理な力が掛かり、
破損することがあった。更に、軒樋を施工するとき、軒
先が長く飛び出している場合、体を乗り出して取り付け
作業をすることが往々にしてある。この時、固定具と樋
支持具が目線の一直線上に並ぶと、樋支持具の係止板で
固定具の嵌挿係止片が隠れ、嵌挿係止片を円弧状空隙部
に入れるのが難しく、手さぐりで嵌挿係止片を円弧状空
隙部に合わせねばならぬことがあり、取付作業に時間が
かかることがある。そこで、本発明の目的は、上記問題
に着目してなされたもので、垂直な鼻隠し板にも、傾斜
した鼻隠し板にも適用でき、しかも、軒樋に積雪等で荷
重が掛かっても、角度調整部材の嵌挿係止片が変形せ
ず、軒樋をしっかりと固定できる軒樋支持具を提供する
ものである。又、本発明の目的は、取付作業の足場が悪
いところでも、嵌挿係止片と円弧状空隙部の位置決めが
容易にできる軒樋支持具を提供するものである。

【０００５】

【問題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するためになされたもので、請求項１記載の発明は、
取付部と軒樋保持部を有する軒樋保持具本体と、角度調
整部材とから構成される軒樋支持具において、前記軒樋
保持具本体の取付部には同一中心を持つ複数の円弧状空
隙部が設けられ、この円弧状空隙部は径方向の幅の狭い
幅狭部と径方向の幅が広い幅広部を有し、前記角度調整
部材の屋外側面には前記取付部の円弧状空隙部に対応す
る位置に断面が円弧状でその先端部に鍔部を有する嵌挿
係止片が立設され、この嵌挿係止片が前記取付部の円弧
状空隙部に挿入され、回動されることにより、軒樋保持
具本体が角度調整部材に装着可能とされているものであ
る。

【０００６】又、請求項２記載の発明は、請求項１記載
の軒樋支持具において、軒樋保持具本体の取付部の円弧
状空隙部のほぼ中心に、屋外側から取付部の屋内側に向
かって擂鉢状に拡径した通孔が設けられ、一方、角度調
整部材の屋外側面には取付部の擂鉢状に拡径した通孔に
対応する位置に棒状体が突設されているものである。

【０００７】又、請求項３記載の発明は、請求項１記載
の軒樋支持具において、軒樋保持具本体の取付部の円弧
状空隙部が取付部の屋外側表面まで達していないもので
ある。

【０００８】又、請求項４記載の発明は、請求項１記載
の軒樋支持具において、少なくとも軒樋保持具本体の取
付部が透明であるものである。

【０００９】

【作用】請求項１記載の発明では、軒樋保持具本体の取
付部には同一中心を持ち、幅狭部と幅広部を有する複数
の円弧状空隙部が設けられ、一方、角度調整部材の屋外
側面には上記取付部の円弧状空隙部に対応する位置に断
面が円弧状で、先端部に鍔部を有する嵌挿係止片が立設
されているので、この嵌挿係止片を取付部の円弧状空隙
部に挿入して回動させることにより、軒樋保持具本体を
角度調整部材に簡単に、かつ強固に装着することができ
る。そして、角度調整部材をその屋内側面と屋外側面と
のなす角度が屋根の傾斜角度とほぼ同一の末広がりの楔
形状とすることにより、傾斜した鼻隠し板であっても、
軒樋保持具本体を水平状態で軒先の鼻隠し板に取り付け
ることができる。

【００１０】請求項２記載の発明では、軒樋保持具本体
の取付部の円弧状空隙部のほぼ中心に、屋外側から取付
部の屋内側に向かって擂鉢状に拡径した通孔が設けら
れ、一方、角度調整部材の屋外側面には取付部の擂鉢状
に拡径した通孔に対応する位置に棒状体が突設されてい
るから、中央部で突設している棒状体を取付部の擂鉢状
に拡径した通孔に差し込むことにより、中央部で簡単に
位置決めができ、その結果、棒状体の周りに立設されて
いる嵌挿係止片と、軒樋保持具本体の取付部の円弧状空
隙部との位置決めも容易にできる。従って、軒樋を施工
現場で取付作業の足場が悪いときでも、中央部での位置
決めが簡単にできるので、嵌挿係止片を円弧状空隙部に
差し込むことができる。

【００１１】請求項３記載の発明では、軒樋保持具本体
の取付部の円弧状空隙部が取付部の屋外側表面まで達し
ていないから、嵌挿係止片を円弧状空隙部に差し込んで
も、軒樋保持具本体の取付部の屋外側表面に嵌挿係止片
の鍔が突出することなく、外観上の見栄えを損なうこと
がない。

【００１２】請求項４記載の発明では、少なくとも軒樋
保持具本体の取付部が透明であるから、角度調整部材と
軒樋保持具本体が目線の一直線上に並んでも、軒樋保持
具本体の向こう側で隠れている角度調整部材の嵌挿係止
片を見ることができる。従って、軒樋を施工現場で取付
作業の足場が悪いときでも、嵌挿係止片を円弧状空隙部
に差し込むことができる。

【００１３】

【実施例】本発明の第一実施例を図１〜図４に基づいて
説明する。図１の（イ）は傾斜した鼻隠し板に軒樋支持
具と軒樋を取り付けた状態を示す説明図、（ロ）は垂直
な鼻隠し板に軒樋保持具本体と軒樋を取り付けた状態を
示す説明図である。図２は軒樋保持具本体を示す斜視図
である。図３は角度調整部材を示す斜視図である。図４
の（イ）は軒樋保持具本体の取付部の円弧状空隙部の説
明図、（ロ）は角度調整部材の円弧状の嵌挿係止片の説
明図である。

【００１４】図１において、Ｈは軒樋支持具であり、軒
樋支持具Ｈはポリカーボーネート樹脂製のもので、軒樋
保持具本体１と角度調整部材２とから構成されている。

【００１５】軒樋保持具本体１は取付部３と、この取付
部３の表面から屋外側に一体に伸びる軒樋保持部６とか
ら構成されている。この軒樋保持部６はその両端部を除
いた部分（ほぼ中央部に対応する部分）が下方向に折曲
されている。軒樋保持部６の屋外側端部には屋外側耳支
持部９が上方に突出して設けられ、この屋外側耳支持部
９より屋内側に屋内側耳支持部１０が設けられている。
この屋内側耳支持部１０は、屋内側端部が下方に垂下し
た軒樋保持部６の垂設部の下部表面から突出した耳受け
部１１と、軒樋保持部６の折曲部の屋内側下部から取付
部３側に向かって突出したバネ片１２とからなり、この
間に軒樋１８の耳を挿入して軒樋１８の屋内側耳を保持
する。

【００１６】取付部３は、図２の如く、略四角形の板状
体であり、この取付部３には同一中心を持つ４個の円弧
状空隙部４が表裏に貫通して設けられ、この各円弧状通
孔４の外側にビス用の４個の通孔１５ａが設けられてい
る。各円弧状空隙部４は径方向の幅の広い幅広部７と径
方向の幅の狭い幅狭部８を有している。

【００１７】角度調整部材２は、図３の如く、屋内側面
１３と屋外側面１４とのなす角度が鼻隠し板１７の取付
面と垂直面とのなす角度（つまり屋根の傾斜角度）とほ
ぼ同じ末広がりのブロック体から形成されている。この
屋外側面１４には取付部３の各円弧状空隙部４に対応す
る位置に断面が円弧状の４個の嵌挿係止片５が立設さ
れ、この各嵌挿係止片５の先端にはほぼ直角に折り曲げ
られた鍔部５ａが形成されている。

【００１８】本発明の実施例においては、４個の円弧状
空隙部４と４個の嵌挿係止片５の関係は、図４から明ら
かなように、以下のようになされている。即ち、幅広部
７の径方向の長さをＡ、周方向の長さをＣ、幅狭部８の
径方向の長さをＢ、鍔部５ａの径方向の長さをＤ、嵌挿
係止片５の根本部の長さをＥ、周方向の長さをＦとする
と、次の関係を満足するようになっている。 Ｅ＜Ｂ＜Ｄ＜Ａ、 Ｆ＜Ｃ この結果、嵌挿係止片５が円弧状空隙部４の幅広部７に
挿入されて回動されることにより、嵌挿係止片５の先端
の鍔部５ａが幅狭部８の表面側の開口周縁に係止され、
軒樋保持具本体１が角度調整部材２に装着される。

【００１９】更に、角度調整部材２の屋外側面１４の嵌
挿係止片５の内側にビス１６、１６用の通孔１５、１５
が設けられている。各通孔１５にビス１６が差し込ま
れ、鼻隠し板１７に螺入され、角度調整部材２が鼻隠し
板１７に固定され、又、角度調整部材２の各嵌挿係止片
５が軒樋保持具本体１の各円弧状空隙部４の幅広部７に
挿入して回動され、鼻隠し板１７に取り付けられた角度
調整部材２に軒樋保持具本体１が装着される構造になっ
ている。

【００２０】次に、本実施例の作用を説明する。図１の
（イ）に示すように、軒先に設けられた鼻隠し板１７が
傾斜している場合は、角度調整部材２を使用する。この
角度調整部材２は屋外側面１４が垂直になるように、屋
内側面１３と屋外側面１４とのなす角度が屋根の傾斜角
度とほぼ同一の楔形状のブロック体であり、角度調整部
材２の屋外側面１４を鼻隠し板１７に当接し、角度調整
部材２の各嵌挿係止片５の内側に設けられた通孔１５、
１５にビス１６、１６を差し込み、ビス１６、１６を鼻
隠し板１７に螺入して、角度調整部材２を鼻隠し板１７
に固定する。尚、この場合、軒樋保持具本体１の取付部
３に設けられた４個の通孔１５ａは使用せずそのままに
しておく。

【００２１】次に、角度調整部材２の各嵌挿係止片５を
軒樋保持具本体１の取付部３の各円弧状空隙部４の幅広
部７に挿入する。この際、上述のとおり、Ｅ＜Ｂ＜Ｄ＜
Ａ、Ｆ＜Ｃの関係になるようになされているので、円弧
状の嵌挿係止片５の鍔部５ａを取付部１の円弧状空隙部
１５ａの幅広部７に簡単に挿入することができる。

【００２２】次に、軒樋保持具本体１を所定方向に回動
させて、角度調整部材２の各嵌挿係止片５を各円弧状空
隙部４の幅広部７から幅狭部８に移動させる。すると、
４個の円弧状空隙部４は同一中心を持ち、且つ、円弧状
空隙部４の幅狭部８の径方向の長さＢは嵌挿係止片５の
根本部の径方向の長さＥより若干大きくなされ、嵌挿係
止片５の根本から鍔部５ａまでの長さが円弧状空隙部４
の長さより長いから、軒樋保持具本体１は円弧状空隙部
４内に沿って回動することができる。

【００２３】又、鍔部５ａの径方向の長さＤが円弧状空
隙部４の幅狭部８の径方向の長さＢより大きくなってい
るから、嵌挿係止片５が円弧状空隙部４の幅狭部８に挿
入され、先端の鍔部５ａが幅狭部８の表面側の開口周縁
に係止されて軒樋保持具本体１が角度調整部材２に装着
されて、軒樋保持具本体１はブロック体の通孔１５から
抜けなくなり、軒樋保持具本体１を角度調整部材２に装
着できる。従って、軒樋保持具本体１の取付部３の円弧
状空隙部４の幅広部７の中に角度調整部材２の嵌挿係止
片５を挿入し、軒樋保持具本体１を回動させるだけで簡
単に取り付けることができる。

【００２４】更に、角度調整部材２の各嵌挿係止片５は
円弧状のものであるから剛性を有しており、積雪等によ
り屋外側に荷重が掛かっても、各嵌挿係止片５が伸びた
り、曲がったりせず、軒樋に無理な力が掛かっかり、破
損することがない。

【００２５】次に、軒樋保持具本体１の屋外側耳支持部
９に軒樋１８の屋外側耳を引っかけ、又、屋内側耳支持
部１０に軒樋１８の屋内側耳を挿入して係止させる。こ
のようにして、強固に軒樋１８を軒樋支持具Ｈに取り付
けることができる。

【００２６】図１の（ロ）の如く、軒先に設けられた鼻
隠し板１７が垂直の場合は、角度調整部材２は使用せ
ず、直接軒樋保持具本体１の取付部３に設けられた各通
孔１５ａにビス１６ａを差し込み、鼻隠し板１７に螺入
して、軒樋保持具本体１を固着する。このようにする
と、垂直な鼻隠し板に軒樋支持具Ｈを簡単に取り付ける
ことができる。

【００２７】本発明の軒樋支持具の第二実施例を図５〜
図７に基づいて説明する。図５は軒樋保持具本体の第二
実施例を示す斜視図、図６は角度調整部材の第二実施例
を示す斜視図、図７は傾斜した鼻隠し板に軒樋支持具と
軒樋を取り付けた状態を示す説明図である。本発明の他
の実施例の構造、作用及び取付方法については、上記図
１〜図４にて示した実施例と、ほとんど同様であり、構
造、作用及び取付方法についての詳細な説明は省略す
る。異なるところは、軒樋保持具本体１ａの取付部３の
円弧状空隙部４のほぼ中心に、屋外側から取付部の屋内
側に向かって擂鉢状に拡径した通孔２０が設けられ、一
方、角度調整部材２Ａの屋外側面１４には取付部３の擂
鉢状に拡径した通孔２０に対応する位置に棒状体３０が
突設されているものである。

【００２８】上記第二実施例の取付方法については、鼻
隠し板１７に装着された角度調整部材２Ａの各嵌挿係止
片５を軒樋保持具本体１ａの取付部３の各円弧状空隙部
４の幅広部７に挿入する。次に、軒樋保持具本体１ａを
所定方向に回動させて、角度調整部材２Ａの各嵌挿係止
片５を各円弧状空隙部４の幅広部７から幅狭部８に移動
させ、角度調整部材２Ａに軒樋保持具本体１ａを取り付
ける。すると、鼻隠し板１７に軒樋支持具Ｈ１を簡単に
取り付けることができる。

【００２９】このようにすると、軒樋１８を施工現場で
取付作業の足場が悪いところでも、擂鉢状に拡径した通
孔２０と棒状体３０とが設けられ、この棒状体３０の突
設長さが嵌挿係止片５より長くなっているから、中央部
で長く突設している棒状体３０の先端を、まず、取付部
３の通孔２０の拡径した面に挿入することができ、容易
に簡単に位置決めができる。更に、通孔２０が擂鉢状に
拡径しているから、通孔２０の入口に挿入された棒状体
３０の先端は通孔２０の内周面のテ−パ−部に沿って、
棒状体３０を通孔２０に差し込むことができる。その結
果、棒状体３０の周りに立設されている嵌挿係止片５を
容易に軒樋保持具本体１ａの取付部３の円弧状空隙部４
にも差し込み、容易に角度調整部材２Ａに軒樋保持具本
体１ａを取り付けることができる。

【００３０】軒樋支持具の第三実施例を図８に基づいて
説明する。図８は軒樋保持具本体の第三実施例を示す斜
視図である。本発明の第三実施例の構造、作用及び取付
方法については、上記図１〜図４にて示した実施例とほ
とんど同様であり、構造、作用及び取付方法についての
詳細な説明は省略する。異なるところは、軒樋保持具本
体１ｂの取付部３の円弧状空隙部４１が取付部３の屋外
側表面まで達していないことである。

【００３１】本発明の第三実施例の取付方法について
は、図１の（イ）に示された如く、鼻隠し板１７に装着
された角度調整部材２の各嵌挿係止片５を、図８に示さ
れた軒樋保持具本体１ｂの取付部３の各円弧状空隙部４
１の幅広部７に挿入する。次に、軒樋保持具本体１ｂを
所定方向に回動させて、角度調整部材２の各嵌挿係止片
５を各円弧状空隙部４１の幅広部７から幅狭部８に移動
させ、角度調整部材２に軒樋保持具本体１ｂを取り付け
る。すると、鼻隠し板１７に軒樋支持具Ｈ２（図示省
略）を簡単に取り付けることができる。

【００３２】このようにすると、角度調整部材２の各嵌
挿係止片５を軒樋保持具本体１ｂの取付部３の各円弧状
空隙部４１の幅広部７に挿入しても、軒樋保持具本体１
ｂの取付部３の屋外側表面に嵌挿係止片５の鍔５ａが突
出することなく、外観上の見栄えを損なうことがない。

【００３３】本発明の軒樋支持具の第四実施例を説明す
る。本発明の別の実施例の構造、作用及び取付方法につ
いては、上記図１〜図４にて示した実施例とほとんど同
様であり、構造、作用及び取付方法についての詳細な説
明、図面は省略する。異なるところは、図２に示された
軒樋保持具本体１全体が透明体になされていることであ
る。従って、取付部３は透明である。ここで透明とは、
着色剤が全く含まれていないもの、或いは、若干の着色
剤が含まれていても透明のものであればよい。

【００３４】本発明の軒樋支持具の第四実施例の取付方
法については、図１の（イ）に示された如く、鼻隠し板
１７に装着された角度調整部材２の各嵌挿係止片５を軒
樋保持具本体１ｃ（図示省略）の取付部３の各円弧状空
隙部４の幅広部７に挿入する。次に、軒樋保持具本体１
ｃ（図示省略）を所定方向に回動させて、角度調整部材
２の各嵌挿係止片５を各円弧状空隙部４の幅広部７から
幅狭部８に移動させ、角度調整部材２に軒樋保持具本体
１ｃ（図示省略）を取り付ける。すると、鼻隠し板１７
に軒樋支持具Ｈ３（図示省略）を簡単に取り付けること
ができる。

【００３５】このようにすると、角度調整部材２と軒樋
保持具本体１ｃ（図示省略）が目線の一直線上に並んで
も、軒樋保持具本体１ｃ（図示省略）の取付部３の向こ
う側になっている角度調整部材２の嵌挿係止片５を見る
ことができる。従って、軒樋１８を施工現場で取付作業
の足場が悪いときでも、嵌挿係止片５を円弧状空隙部４
に簡単に差し込むことができる。

【００３６】

【発明の効果】以上のとおり、請求項１記載の発明で
は、軒樋保持具本体の取付部には同一中心を持ち、幅狭
部と幅広部を有する複数の円弧状空隙部が設けられ、一
方、角度調整部材の屋外側面には上記円弧状空隙部に対
応する位置に断面が円弧状で、先端に鍔部を有する嵌挿
係止片が立設されているので、この嵌挿係止片を取付部
の円弧状空隙部に挿入して回動させることにより、軒樋
保持具本体を角度調整部材に簡単に、かつ強固に装着す
ることができる。

【００３７】又、角度調整部材の各嵌挿係止片は円弧状
のものであるから、この嵌挿係止片そのものが剛性を有
しており、積雪等により荷重が掛かっても、各嵌挿係止
片は伸びたり、曲がったりしない。従って、軒樋に無理
な力が掛からず、軒樋支持具及び軒樋が破損することが
ない。

【００３８】更に、角度調整部材をその屋内側面と屋外
側面とのなす角度が屋根の傾斜角度とほぼ同一の楔形状
とすることにより、傾斜した鼻隠し板であっても、軒樋
保持具本体を水平状態で軒先に取り付けることができ
る。

【００３９】請求項２記載の発明では、軒樋保持具本体
の取付部の円弧状空隙部のほぼ中心に、屋外側から取付
部の屋内側に向かって擂鉢状に拡径した通孔が設けら
れ、一方、角度調整部材の屋外側面には取付部の擂鉢状
に拡径した通孔に対応する位置に棒状体が突設されてい
るから、中央部で突設している棒状体を取付部の擂鉢状
に拡径した通孔に差し込むことにより、中央部で簡単に
位置決めができ、その結果、棒状体の周りに立設されて
いる嵌挿係止片と、軒樋保持具本体の取付部の円弧状空
隙部との位置決めも容易にできる。従って、軒樋を施工
現場で取付作業の足場が悪いときでも、中央部での位置
決めが簡単にできるので、嵌挿係止片を円弧状空隙部に
差し込むことができる。

【００４０】請求項３記載の発明では、軒樋保持具本体
の取付部の円弧状空隙部が取付部の屋外側表面まで達し
ていないから、嵌挿係止片を円弧状空隙部に差し込んで
も、軒樋保持具本体の取付部の屋外側表面に嵌挿係止片
の鍔が突出することなく、外観上の見栄えを損なうこと
がない。

【００４１】請求項４記載の発明では、少なくとも軒樋
保持具本体の取付部が透明であるから、角度調整部材と
軒樋保持具本体が目線の一直線上に並んでも、軒樋保持
具本体の向こう側で隠れている角度調整部材の嵌挿係止
片を見ることができる。従って、軒樋を施工現場で取付
作業の足場が悪いときでも、嵌挿係止片を円弧状空隙部
に差し込むことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（イ）は傾斜した鼻隠し板に軒樋支持具と軒樋
を取り付けた状態を示す説明図、（ロ）は垂直な鼻隠し
板に軒樋保持具本体と軒樋を取り付けた状態を示す説明
図である。

【図２】軒樋保持具本体の一例を示す斜視図である。

【図３】角度調整部材の一例を示す斜視図である。

【図４】（イ）は軒樋保持具本体の取付部の円弧状空隙
部の説明図、（ロ）は角度調整部材の円弧状の嵌挿係止
片の説明図である。

【図５】軒樋保持具本体の第二実施例を示す斜視図であ
る。

【図６】角度調整部材の第二実施例を示す斜視図であ
る。

【図７】傾斜した鼻隠し板に軒樋支持具と軒樋を取り付
けた状態を示す説明図である。

【図８】軒樋保持具本体の第三実施例を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

Ｈ、Ｈ１、Ｈ２、Ｈ３ 軒樋支持具 Ａ 幅広部の径方向の長さ Ｂ 幅狭部の径方向の長さ Ｃ 幅広部の周方向の長さ Ｄ 鍔部の径方向の長さ Ｅ 嵌挿係止片の根本部の長さ Ｆ 嵌挿係止片の周方向の長さ １、１ａ、１ｂ、１ｃ 軒樋保持具本体 ２、２Ａ 角度調整部材 ３ 取付部 ４、４１ 円弧状空隙部 ５ 嵌挿係止片 ５ａ 鍔部 ６ 軒樋保持部 ７ 幅広部 ８ 幅狭部 ９ 屋外側耳支持部 １０ 屋外側耳支持部 １１ 耳受け部 １２ バネ片 １３ 屋内側面 １４ 屋内側面 １５ 通孔 １６ ビス １７ 鼻隠し板 １８ 軒樋 １９ 屋内側取付 ２０ 通孔 ３０ 棒状体

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 取付部と軒樋保持部を有する軒樋保持具
   本体と、角度調整部材とから構成される軒樋支持具にお
   いて、前記軒樋保持具本体の取付部には同一中心を持つ
   複数の円弧状空隙部が設けられ、この円弧状空隙部は径
   方向の幅の狭い幅狭部と径方向の幅が広い幅広部を有
   し、前記角度調整部材の屋外側面には前記取付部の円弧
   状空隙部に対応する位置に断面が円弧状でその先端部に
   鍔部を有する嵌挿係止片が立設され、この嵌挿係止片が
   前記取付部の円弧状空隙部に挿入され、回動されること
   により、軒樋保持具本体が角度調整部材に装着可能とさ
   れていることを特徴とする軒樋支持具。
2. 【請求項２】 請求項１記載の軒樋支持具において、軒
   樋保持具本体の取付部の円弧状空隙部のほぼ中心に、屋
   外側から取付部の屋内側に向かって擂鉢状に拡径した通
   孔が設けられ、一方、角度調整部材の屋外側面には取付
   部の擂鉢状に拡径した通孔に対応する位置に棒状体が突
   設されていることを特徴とする軒樋支持具。
3. 【請求項３】 請求項１記載の軒樋支持具において、軒
   樋保持具本体の取付部の円弧状空隙部が取付部の屋外側
   表面まで達していないことを特徴とする軒樋支持具。
4. 【請求項４】 請求項１記載の軒樋支持具において、少
   なくとも軒樋保持具本体の取付部が透明であることを特
   徴とする軒樋支持具。