JPH08226128A - 石つかみ機および石積み工法 - Google Patents

石つかみ機および石積み工法

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JPH08226128A
JPH08226128A JP5990495A JP5990495A JPH08226128A JP H08226128 A JPH08226128 A JP H08226128A JP 5990495 A JP5990495 A JP 5990495A JP 5990495 A JP5990495 A JP 5990495A JP H08226128 A JPH08226128 A JP H08226128A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大きな石をワイヤロープで吊り上げることな
しに、安全につかみあげ、直接石積み作業を行なう。 【構成】 互いに内側へ湾曲した対向アームの前方部
を、一方は複鋤形また他方は単鋤形に突き出た形状にす
るとともに、単鋤形アームを先端近傍でほぼL字状に大
きく内側に曲げ、両アームが閉じた時に単鋤形アーム先
端が複鋤形アームの先端鋤状部材の間に位置し且つ複鋤
形アーム先端が単鋤形アームより下方に突き出すように
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、不定形な石を確実に
保持して搬送できる石つかみ機に関し、河川改修、築
堤、斜面保護、護岸築造などの工事において、石を斜面
に積み上げたり河川敷に石組みを固定する石積み又は石
組みの工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、河川改修、築堤、斜面保護、護岸
築造などの工事では、石を河床や斜面に順次配置して固
定していく石組み及び石積み作業において、現場の材料
置き場に野積みされた約1〜3トンの重量の塊状の石に
ワイヤロープやチェーンなどを掛け、移動式クレーンな
どの吊り上げ装置でこれを吊り上げて搬送する。この吊
り上げ装置の操作により、石を固定すべき位置まで移動
させ、宙吊り状態のまま人力で押したり引いたりして方
向を整える。さらに、吊り上げ装置を操作して石を固定
場所に仮置き確認しながら、隣接する石の邪魔な出っ張
りを欠き落としたり又は敷石や裏込めなどを調整して石
の姿勢と高さと座りを調整した後、石に掛けたワイヤー
ロープやチェーンなどを外して石を安置し、最後に隣接
する石との隙間をぐり石などを詰めて埋め、この作業を
繰り返して石積み又は石の固定工事を行なっている。
【0003】 この石組み及び石積み作業において、石
を吊り上げるためにワイヤロープを掛けたり、吊り上げ
た石の方向を整えたり、吊り上げ姿勢の調整のためワイ
ヤロープを掛け替えるなどの作業は人力によらなければ
ならない。この作業は、石を落として手足を潰したり、
足を踏み外して穴に滑落するなどの危険が伴うばかりで
なく、重労働且つ時間の掛かる作業である。野積みされ
た石を取り出す作業も、狭い隙間を伝ってワイヤロープ
を大きな塊状の石の下に回す作業は困難を極め、積み石
が崩落して下敷きになる危険が伴なう。
【0004】 このため、石の運搬手段として、図5に
示すようなアーム先端鋤状部がそれぞれ3本鋤と2本鋤
の構造で広幅の対向開閉アームを有する通常の旋回式の
汎用つかみ機を使用し、これをバックホーなどの自走式
作業台車のアーム先端に取り付け、このつかみ機で石を
つかんで石積み作業場所のそばに移動する場合もある。
しかしながら、通常の石組みや石積みの作業では、前記
のようにクレーンなどのワイヤロープ又はチェーンなど
を使用する吊り上げ装置を用いている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】汎用つかみ機は、対向
アーム幅が広く且つ内側への湾曲を少なくして開口幅を
大きくし、より多く且つより大きい被搬送物をつかめる
ように設計されている。このように広幅の対向アーム
は、野積みされた石をつかみあげるために狭い隙間に深
く挿入する作業には不適当であり、且つ該アームを軸支
するピンの間隔が狭く、さらに該アームの湾曲も少ない
ため、両アーム内側のふところが狭くて塊状の石をつか
むのに不適当なばかりでなく、つかんだ石を運搬中に落
下する危険が伴う。また、塊状の複雑な形状の石をつか
む場合、対向アーム先端の鋤状部に均等保持されず片寄
ったり、対向アームにねじれが作用したりして、石の移
動運搬作業だけに用いる場合でも不安定である。
【0006】 本発明者は、石つかみ機について種々研
究を重ねた結果、対向アームによって塊状の複雑な形状
の石を均等に保持して安定姿勢でつかむには、その石に
当接する対向アームについて、一方のアームを二股に分
かれて突き出た複鋤形とし、他方のアームを細長く突き
出た単鋤形の形状とすると、両アームの先端部で石を3
点保持でき、その石の最も安定した理想的な保持方法と
なることを見出した。仮に対向アームの先端部が共に単
鋤形ならば、2点保持となって石が安定せずに左右に回
転して逃げ易い。また、対向アームの先端鋤状部が3本
対2本または2本対2本の場合は、前記の汎用つかみ機
と同様に、各アームの部分に無理なねじれが作用し、石
が運搬中に動いたり落下する可能性がある。
【0007】 この発明は、前記の問題を解決するた
め、野積みされた表面に凹凸のある複雑な形状の塊状の
石をつかみ上げて姿勢の調整が容易に且つ安全確実に行
なえ、所定の位置に整然と石を配置する作業にも適する
石つかみ機を提供することを目的とする。この発明の他
の目的は、この石つかみ専用機を使用し、ワイヤロープ
で石を吊り上げることなしに、石をつかんで斜面の石積
みや河川敷の石組みの所定の位置に直接配置する工法を
提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する手段
として、この発明の石つかみ機1は、図1及び図4に示
すように、バックホー30など自走式作業台車の可動ア
ーム31先端に前後に回動自在に軸支するブラケット2
と、ブラケット2に旋回環を介し旋回可能に取り付けた
フレーム4と、基部がこのフレーム下方に回動可能に軸
支され且つ前方部が互いに内側へ湾曲しその先端に爪1
8又は19を設けた対向アーム5,6とを有し、フレー
ム4に取り付けた油圧シリンダ7でアーム5,6を互い
に開閉可能にする。1本の油圧シリンダ7が、アームリ
ンク12を介してアーム5,6を同時に開閉するけれど
も、アーム5,6をそれぞれ別個の油圧シリンダで開閉
させることも可能である。
【0009】 対向アーム5,6において、一方の前方
部を二股に分かれた複鋤形且つ他方の前方部を細長い単
鋤形の形状にする。石つかみ機1は、図2のように正面
から見ると単鋤形アーム5の前方部15が複鋤形アーム
6の前方部16の間に位置し、図1のように側面から見
ると単鋤形アーム5が複鋤形アーム6よりも急激にほぼ
L字状に湾曲し、複鋤形アーム6の先端部が単鋤形アー
ム5より下方に突き出すように構成する。一方、アーム
5,6の後方部は、一般に同一の横幅で通常のつかみ機
に比べて幅が狭く、軽量化のために適当にスロットを設
けてもよい(図4参照)。対向アーム5,6をそれぞれ
フレーム4に軸支するピン8,8の間隔は、石などの対
象物を確実につかむためには一般に狭くすることを要
し、これとは反対にアーム5,6の内側はふところを広
くする必要がある。このような相反する作用を両立させ
るために、アーム5,6の内側湾曲を大きくする。
【0010】 石つかみ機1において、その横幅はアー
ム5又は6のそれとほぼ同一である。単鋤形アーム5の
ほぼL字状曲がり部17は、アーム先端部に取り付ける
爪18の先端が複鋤形アーム6の内側面とが出会う状態
のアーム開口度のときに、爪18の先端からの延長線
と、この延長線との交点における複鋤形アーム6の接線
とがほぼ直交するように構成すると好ましい。単鋤形ア
ーム5は、L字状曲がり部17に相当する個所において
ピン支持構造とし、ピン位置の差替えでその湾曲度を微
調整可能にしてもよく、又は種々の湾曲度のL字状曲が
り部材に差替え可能に構成してもよい。
【0011】 河川改修、築堤、斜面保護、護岸築造な
どの工事で石を河床や斜面などに並べて設置する石積み
又は石組み工事において、石つかみ機1で石をつかみ上
げる際に、複鋤形アーム5の前方部がほぼL字状に湾曲
する先端の爪先で石をとらえ、一方、複鋤形アーム6の
内側の湾曲面で石を受けとめて保持することでその石を
3点でバランスよく確実に保持する。また、単鋤形アー
ム5は、その先端が細長い単鋤状で幅が狭く、野積みの
石の狭い隙間に容易に深く挿し込むことが可能なため、
その石をアーム5,6でしっかり抱えることが可能であ
る。石つかみ機1は、バックホー30などの自走式作業
台車の走行と旋回、アーム/ブーム操作などで石積み又
は石組みの所定の空所に直接配置する。
【0012】
【作用】石つかみ機1は、単鋤形アーム5の先端がほぼ
L字状に曲がってアーム先端の爪先の1点で石をとら
え、一方、複鋤形アーム6の内側の湾曲面で石を受けと
めて保持することにより、3点でバランスよく石をつか
むことができる。石つかみ機1は、複鋤形アーム6の両
方の鋤で受けとめられる形状と大きさの石であればどん
な向きにでもつかむことが可能であり、旋回機構でアー
ム5,6を旋回させ、石のつかみ直しや姿勢調整を容易
に行うことができる。
【0013】 図3から明らかなように、単鋤形アーム
5は、つかみ力が爪先の1点に集中し、保持圧が大きく
なるため摩擦力が大きくなる。一方、複鋤形アーム6の
鉛直方向の2本の縦部材間に石の丸みや周囲の凹凸が掛
かって横滑りを防止するとともに、下方に長く突き出し
た湾曲面で石を受けとめるため、その石をアーム内でス
リップせずにしっかりと保持する。アーム5,6におけ
る2本対1本の構成は、従来よりもアーム幅が狭くで
き、狭い所に挿入して石をつかんだり、石をつかんで狭
い空所に挿入設置する作業が容易になる。
【0014】 さらに、石つかみ機1のフレーム4は、
バックホー取付用ブラケット2に対して旋回可能なた
め、旋回機構を駆動すればつかんだ石をどんな方向にも
容易に位置調整し、所定の位置に石を挿入することがで
きる。
【0015】
【実施例】次に、本発明の実施例を添付図面に従って説
明する。本発明の石つかみ機1は、図1及び図2に示す
ように、その上方において、1対の垂直の側板21と両
側板の下部に一体的に形成した水平基板23とで構成す
るブラケット2を有する。ブラケット2の下方にはフレ
ーム4が位置し、該フレームは、水平基板23の下面に
対して外輪がボルトで締結された水平の旋回環3と、旋
回環3の内輪下面にボルトで締結された水平基板24
と、該水平基板24に対して直角に下方に向けて一体的
に並列させた1対の側板25,25とからなる。
【0016】 フレーム4の側板25,25間には、そ
の下方においてそれぞれがピン8で回動可能に基部を軸
支された対向アーム5,6と、両アームよりも上方にお
いて後端部をフレーム4にピン10で連結し且つロッド
端を一方のアーム5の回転支点のピン8より後方側端部
にピン9で連結した油圧シリンダ7と、一方のアーム5
の回転を他方のアーム6に伝達し互いに連動して開閉す
るためのアームリンク12とを収納する。アームリンク
12は、アーム5に関して支点ピン8の近傍で該支点ピ
ンより前方側と、アーム6に関して支点ピン8の近傍で
該支点ピンより後方側とをそれぞれピン11で連結して
いる。ブラケット2には、側板21,21の上部におい
て前後にそれぞれ各1個で合計2個のバックホー取付用
ピン22a(図4)を装着するピン孔22が貫通形成さ
れている。
【0017】 対向アーム5,6について、図示のよう
に、その基部にはフレーム4に軸支するためのブラケッ
ト部13又は14が形成されている。アーム5のブラケ
ット部13には、フレーム4への取付け用ピン8、シリ
ンダー7との連結ピン9及びリンク連結用ピン11をそ
れぞれ装着するための孔が前述の配置で貫通形成され、
一方、アーム6のブラケット部14には、フレーム4へ
の取り付けピン8及びリンク連結用ピン11をそれぞれ
装着するための孔が貫通形成されている。アーム5,6
の後方部は、石などの対象物をつかむため互いに内側へ
湾曲する縦長の枠状に形成され、一方のアーム5の前方
部15は細長い単鋤形に突出し、且つ他方のアーム6の
前方部16は二股に分かれて複鋤形に突出し、前方部1
5,16の先端には各アームのほぼ鉛直方向に向けて爪
18又は19をそれぞれ固着する。
【0018】 対向アーム5,6は、図1のように側面
から見ると全体的に互いに内側に湾曲している。アーム
5の細長い前方部15は、アーム6の前方部のなだらか
な内側湾曲とは異なり、やや根元寄りの部分17で大き
くL字状に湾曲する。アーム5,6が閉じた状態では、
図2のように装置正面から見てアーム5の前方部15が
アーム6の前方部16,16の間に位置し、且つ図1の
ように側面から見てアーム5の前方部15の先端部がア
ーム6より下方に突き出すように構成している。一方、
アーム5,6の後方部は、一般に同一の横幅で通常の汎
用つかみ機(図5参照)に比べて幅が狭い枠形状であ
り、軽量化のために適当にスロットを設けている。アー
ム5において、細長い前方部15は装置正面から見て枠
形状の後方部の下辺中央から延び、アーム6において、
二股に分れた前方部16は後方部の両側辺に沿って延び
ている。
【0019】 一般に、アーム5のL字状曲がり部17
は、アーム先端部に取り付ける爪18の先端がアーム6
の内側面とが出会う状態のアーム開口度のときに、爪1
8の先端からの延長線と、この延長線との交点における
アーム6の内側湾曲面の接線とがほぼ直交するように構
成すると好ましい。また、アーム5,6の前方部15,
16の内側面には、それぞれ滑り防止用の凸部20を複
数個形成している。
【0020】 石つかみ機1は、図4に示すように、バ
ックホー30の可動アーム31の先端と同アーム先端の
バケットリンク32とにピン22a,22aで連結す
る。石つかみ機1は、一端をバックホー30の可動アー
ム31上に他端をバケットリンク32に連結した油圧シ
リンダ33の伸縮作動により、バックホー30のアーム
31が回動する面に沿って前後に回動自在である。
【0021】 図示しないけれども、バックホー30に
おいて、ブームとアーム31に沿ってバックホー駆動用
油圧ポンプから石つかみ機1に油圧油を供給する配管を
取り付け、ブラケット2とフレーム4との間にはこの油
圧油を油圧シリンダ7へ中継するためのスイベルジョイ
ントを旋回環3の中心に取り付けている。前記の配管
は、ブラケット2に取り付けた油圧コネクションへ接続
し、ついでホースで前記のスイベルジョイントに接続
し、さらにシリンダ7へ油圧油を供給する。
【0022】 石つかみ機1の旋回機構として、バック
ホー30のブーム及びアーム31に取り付けた配管を介
して、該バックホーから供給される油圧油で駆動する油
圧モータ26をブラケット下部の水平基板23上に下向
き垂直に取り付ける。油圧モータ26の出力軸端は、水
平基板23を貫通して下方に突き出し、その軸端に固着
したピニオン(図示せず)が旋回環3の内輪内側に沿っ
て形成されたリングギヤー(図示せず)と噛み合う。油
圧モータ26が回転すると、旋回環3の内輪にフレーム
4の水平基板24がボルトで締結していることにより、
該フレーム4つまり対向アーム5,6が旋回環3の中心
軸線を中心に旋回可能である。
【0023】 石つかみ機1は、前記のようにバックホ
ー30の走行と旋回とブームとアーム31の操作に加
え、油圧モータ26の回転により、その位置、姿勢、方
向を自由に設定できるとともに、油圧シリンダ7の伸縮
作動によって対向アーム5,6が開閉可能である。
【0024】 次に上記の構成の石つかみ機1の機能と
操作法を説明し、さらにこれを使用して石を設置する工
法について説明する。バックホー30の操作により、野
積みされた石のなかから目的とする石の上に石つかみ機
1を位置させ、シリンダ7のロッドを縮小作動してアー
ム5,6を開き、ついで旋回機構の油圧モータ26を駆
動してフレーム4を旋回し、アーム5又は6を積み上げ
られた石の隙間に挿入し易い状態にする。そして、バッ
クホー30のブーム及びアーム31とシリンダ33を適
宜操作してアーム5又は6を積み上げられた石の隙間に
挿入し、その状態で油圧シリンダ7を伸長してアーム
5,6を閉じ、目的の石をつかんだまま石つかみ機1を
引き上げる。
【0025】 この際に、周辺の他の石が邪魔になって
十分に石をつかめないならば、バックホー30の操作で
つかみ機1をバックホーのアーム31が回動する面に沿
う前後方向に揺動させたり、アーム5,6を開閉させた
り又はつかみ機1を旋回機構の油圧モータ26で旋回さ
せる動作などを併用することにより、作業し易い位置に
石を引き出してからつかみ直す。
【0026】 このときの石のつかみ方としては、つか
み機1は、単鋤形アーム5のL字状に曲がった鋤状部先
端の爪18の先端の1点で石をとらえ、一方、複鋤形ア
ーム6の内側で前記爪18の方向とほぼ垂直に近い湾曲
面でこの石を受けとめる(図3参照)。この結果、石を
3点でバランスを保って均等に安定した状態でしっかり
保持し、アーム5,6から石に作用する保持力が互いに
ほぼ対向しているため、つかんだ石がアーム5,6内で
動いたり逃げたりすることが殆どない。また、大きな石
の場合には、アーム5、6の開口度が大きくなるが、ア
ーム6の先端が内側に湾曲しつつアーム5より下方に伸
びているため、この湾曲部で石を受けとめ、落下を防止
する。
【0027】 アーム5のつかみ力は爪先の1点に集中
し、保持圧が大きくなるために摩擦力が大きくなり、ア
ーム5,6の内側に形成された滑り防止の凸状部20に
より、石表面がアームに沿う上下方向滑りを防止する。
また、アーム6の鉛直方向の2本の鋤状部材間に石の丸
みや周囲の凹凸が掛かって横滑りを防止し、これらの作
用によって石はアーム5,6内でスリップせず、両アー
ムでしっかりと保持できる。
【0028】 次にバックホー30を操作し、つかみあ
げた石を石組みまたは石積み場所の石を配置すべき空所
の上に移動し、そこへ仮置きするなどして姿勢や方向な
どの状態を確認する。必要に応じて、この石のつかみ直
しと旋回機構の操作で適切な方向と姿勢に調整し、つか
み機1でつかみあげた石をそのまま設置場所の空所へ挿
入する。
【0029】 この石挿入作業は、図5に示す従来の汎
用つかみ機のようにアーム幅の広いつかみ機では、アー
ムが邪魔になって狭い空所に石を挿入したり仮置きして
座り具合を見る作業が困難である。これに対し、石つか
み機1はアームの鋤状部が2本対1本の幅の狭いアーム
を採用しているので、この石挿入作業を容易に実施でき
る。
【0030】 なお、このとき石の座りが悪く不安定な
場合や隣接する石との隙間が大きい場合、大きさや形状
が適切な別の石に変更するか、又は敷石や裏込めの細石
などの高さを調整したり、ぐり石や砕石などを充填挿入
したりして座り具合を調整する。
【0031】 前記のように調節して石を挿入後、石つ
かみ機1のアーム5,6を開口方向に操作しながら石つ
かみ機1を後退させ、最後に隣接する石との隙間にぐり
石や細石又はコンクリートなどを詰めて隙間を埋めて石
の設置を完了する。以上の手順を繰り返し、斜面や河床
などの石組み場所に順次石を配列していく。
【0032】 この石積み工法によれば、石のつかみあ
げ、運搬移動、姿勢調整、石組み部の空所への石の挿
入、石の仮置きと座りの調整、石の設置の一連の作業を
石つかみ機1で全て行なえる。しかも、従来のようにワ
イヤロープ又はチェーンを掛けてクレーン等で石を吊り
上げたり、それを人力で回転させたりする必要がなく、
短時間に簡単且つ安全に石を目的の位置に設置する作業
が完了する。
【0033】
【発明の効果】この発明の石つかみ機は、一方の単鋤形
アームの先端部の幅が狭く、石の隙間に容易に挿入でき
るため、野積みされた石の取り出し作業が容易であり、
他方の複鋤形アームの内側湾曲部で石を受けとめて保持
するするとともに、単鋤形アームのL字状に曲がった鋤
状部先端の爪の先端で石をとらえるため、保持力が1点
に集中し、大きな摩擦力でバランスよくしっかりと石を
つかむことができる。また、石つかみ機の旋回機構とバ
ックホーのアームの操作により、方向と姿勢の変更調整
やつかみ直しが自由に行なえるため、従来のクレーンな
どで吊り上げる方法に比べ、安全且つ早く正確に石の姿
勢と方向の調整や設置ができる。
【0034】 この発明の石つかみ機は、単鋤形アーム
のL字状に曲がった鋤状部先端の爪の先端が石をとら
え、複鋤形アームの内側面で石を受けとる状態で石を保
持するため、フレームに設けられた両アームを軸支する
ピン間隔を狭くしても大きな石が支障なくつかめ、アー
ムの内側湾曲の曲率もそれほど大きくする必要がない。
従って、この石つかみ機は小型軽量化でき、両アームが
閉じた状態のアーム間の隙間が小さく、且つアームの奥
でつかむ場合は小さな対象物や板状又は棒状物もつかむ
ことが可能となり、石以外の建設用資材の運搬などにも
使用できて用途が広くなる。これに対し、大きな塊状物
用や丸い原木用などの従来のつかみ機では、開閉アーム
は内側のふところが広く且つ抱え込み容易な形状にする
ため、アーム軸支部の支持ピンの間隔を広げ且つアーム
の内側湾曲を大きくし、両アームを閉じた状態でもアー
ム内側面間の隙間が大きく、小さな対象物をつかめない
という欠点がある。
【0035】 また、この発明の石つかみ機をバックホ
ーなどの自走式作業台車の可動アーム先端に取り付け、
河川敷や斜面の石組み作業や石積み作業に使用すること
により、クレーンなどの吊り上げ装置で石を吊り上げる
必要がなくなる。この結果、作業員の人力に頼ることな
しに石の姿勢や方向が調整可能となり、所定の位置に石
を確実に配置することができ、しかも作業の安全性が向
上し、作業時間も大幅に短縮して短期間で工事を完了す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の石つかみ機の一例を示す側面図で、
対向アームについて閉じた状態を実線で、開いた状態を
破線で示す。
【図2】 図1のA方向から見たつかみ機の正面図であ
る。
【図3】 図1の石つかみ機について対向アームで石を
つかんだ状態を示す側面図である。
【図4】 本発明の石つかみ機をバックホーに取り付け
て石積み作業をしている状態を示す斜視図である。
【図5】 従来の幅広汎用つかみ機を示す図2と同様の
正面図である。
【符号の説明】
1 石つかみ機 2 ブラケット 3 旋回環 4 フレーム 5 単鋤形アーム 6 複鋤形アーム 7 油圧シリンダ 18,19 爪

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バックホーなどの自走式作業台車の可動
    アーム先端に前後に回動自在に軸支するブラケットと、
    このブラケットに旋回環を介して旋回可能に取り付ける
    フレームと、基部がこのフレーム下方に回動可能に軸支
    され且つ先端部が互いに内側へ湾曲しその先端には爪を
    設けた対向アームとを有し、前記フレームに取り付けた
    油圧シリンダで前記アームを互いに開閉可能に構成する
    石つかみ機において、対向アームの前方部の一方を二股
    に分かれた複鋤形且つ他方の前方部を細長い単鋤形の形
    状にするとともに、装置正面から見ると単鋤形アームの
    前方部が複鋤形アームの前方部間に位置し、且つ側面か
    ら見ると単鋤形アームが複鋤形アームよりも急激にほぼ
    L字状に湾曲し、且つ複鋤形アームの先端部が単鋤形ア
    ームよりも下方に突き出るように構成する石つかみ機。
  2. 【請求項2】 装置横幅は複鋤形アームのそれとほぼ同
    一であり、単鋤形アームのほぼL字状曲がり部は、アー
    ム先端部に取り付ける爪の先端が複鋤形アームの内側面
    とが出会う状態のアーム開口度のときに、その爪の先端
    からの延長線と、この延長線との交点における複鋤形ア
    ームの内側湾曲面の接線とがほぼ直交するように構成す
    る請求項1記載の石つかみ機。
  3. 【請求項3】 河川改修、築堤、斜面保護、護岸築造な
    どの工事で石を河床や斜面などに並べて固定する石積み
    又は石組み工事において、石つかみ機で石をつかみ上げ
    る際に、単鋤形アームの前方部がほぼL字状に湾曲する
    先端の爪先で石をとらえ、一方、複鋤形アームの内側の
    湾曲面で石を受けとめて保持することでその石を3点で
    確実に保持し、野積みの石の狭い隙間には、先端が細長
    い単鋤状で幅が狭い単鋤形アームを挿し込んでその石を
    対向アームでしっかり抱え、石つかみ機をバックホーな
    どの自走式作業台車の走行によって石積み又は石組みの
    所定の空所にそのまま配置する石積み工法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106609514A (zh) * 2016-11-28 2017-05-03 广西大学 一种伺服电机驱动连杆式可变自由度抓木机
CN106609515A (zh) * 2016-11-28 2017-05-03 广西大学 一种具有伺服电机驱动的多连杆可变自由度抓木机
CN106759569A (zh) * 2016-11-30 2017-05-31 广西大学 一种采用伺服电机驱动二自由度简易连杆机构
CN106759572A (zh) * 2016-11-30 2017-05-31 广西大学 一种采用伺服电机驱动可变活动度连杆机构进行工业废料抓装作业方法
CN106759570A (zh) * 2016-11-30 2017-05-31 广西大学 一种伺服电机驱动具有可变活动度连杆机构

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