JPH08225779A - 感圧接着剤組成物 - Google Patents

感圧接着剤組成物

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JPH08225779A
JPH08225779A JP308296A JP308296A JPH08225779A JP H08225779 A JPH08225779 A JP H08225779A JP 308296 A JP308296 A JP 308296A JP 308296 A JP308296 A JP 308296A JP H08225779 A JPH08225779 A JP H08225779A
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JP
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meth
group
acrylic acid
pressure
sensitive adhesive
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Application number
JP308296A
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English (en)
Inventor
Hideo Kuroda
秀雄 黒田
Masaki Nakahara
正貴 中原
Naofumi Suzuki
直文 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
DKS Co Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線を照射しないときは強い接着力を有
し、紫外線を照射することによって接着力を著しく低減
させることができ、エキスパンド性にもすぐれた感圧接
着剤組成物をうる。 【解決手段】 (a)弾性重合体、(b)紫外線架橋性
(メタ)アクリル酸エステル、(c)ポリイソシアネー
トおよび(d)特定のウレタン基含有紫外線架橋性(メ
タ)アクリル酸エステルを主成分として含有し、かつ
(d)成分を(a)成分100重量部に対して10〜3
33.4重量部使用した感圧接着剤組成物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感圧接着剤組成物に
関する。さらに詳しくは、紫外線照射によって接着力を
低減させることができる感圧接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】一般
に、基材シート上に感圧接着剤を塗布した感圧接着性シ
ートまたは粘着シートは、一般家庭および各種産業分野
において種々の用途に使用されている。したがって、感
圧接着性シートに対する要求特性も多様になっており、
多岐の用途に応じて種々の機能が要求されるに至ってい
る。
【0003】たとえば、集積回路の製作に際して、シリ
コンウエハーを所定の寸法に裁断して(ダイシングを行
なって)ダイスをうるためには、いわゆるダイシングフ
ィルムと呼ばれる感圧接着性シート上にシリコンウエハ
ーを載置し、感圧接着により固定して裁断したのち、こ
れをダイシングフィルムから剥離させてピックアップさ
れる。したがって、シリコンウエハーを正確にダイシン
グするためには、ダイシング時にはダイシングフィルム
がシリコンウエハーに対して強い接着力を有し、一方、
えられたダイスをダイシングフィルムからピックアップ
するに際しては、ダイシングフィルムの接着力が弱いこ
とが必要である。たとえばシリコンウエハーのダイシン
グに際しては、一般にダイシングフィルムは100〜8
00g/25mm程度の接着力を有し、一方、ダイスの
ピックアップに際しては、ダイシングフィルムは数十g
/25mm程度またはこれ以下の接着力を有することが
望ましいといわれている。
【0004】また、ピックアップ前に粘着シートを延伸
(エキスパンド)することにより、裁断したシリコンウ
エハー間の間隔を拡げ、ピックアップしやすくする技術
が近年採用されてきている。このばあいには、その接着
剤の基材となるシートの延伸に耐えうる特性も重要とな
る。
【0005】このように被着面に適用後に接着力を低減
させることが必要な際には、かかる特性を備えた感圧接
着剤組成物が、またピックアップ前に粘着シートをエキ
スパンドすることが必要な際には、かかる特性を備えた
粘着シートが必要とされ、これらについて種々の検討が
なされてきている。
【0006】たとえば特開昭62−153376号公報
にはウレタンアクリレートオリゴマーを使用する方法が
開示されているが、ウレタンアクリレートオリゴマーが
高分子量であり、紫外線照射により接着力を低減させる
ためには長時間の照射が必要であり、そのうえ接着力が
それほど低減せず、人為的な剥離が必要であったりす
る。さらに被着物から剥離させたばあいに、被着物に接
着剤が残存(糊残り)することがあり、その除去のため
に洗浄操作などが必要になる。とくに硬化後の接着剤層
にフレキシビリティーがないと割れの現象が生じ、被着
物への糊残りがおこりやすくなる。
【0007】以上のように、被着面に適用後に接着力を
低減させることが必要な際には、かかる特性を備えた感
圧接着剤組成物が必要とされているが、充分な性能を有
するものが未だ知られていないというのが実情である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、最初は強
い接着力を有し、必要に応じてその接着力を低減させう
る感圧接着剤をうるために鋭意研究を重ねた結果、予期
しないことに、弾性重合体と紫外線架橋性アクリル酸エ
ステルとを主成分として含有する混合物からなる感圧接
着剤組成物が、これに紫外線を照射するとき、その接着
力が著しく低減することを見出した。さらにポリイソシ
アネートを用いた感圧接着剤組成物にすると、初期接着
力は強いが、これに紫外線を照射すると接着力が一層顕
著に低減または実質的に消滅すること、さらに、かかる
感圧接着剤組成物に含有させる紫外線架橋性アクリル酸
エステルとして、特定構造を有するウレタン基含有(メ
タ)アクリル酸エステルを用いることにより、形成され
た接着剤層がフレキシビリティーを有し、エキスパンド
性にもすぐれることを見出して、本発明を完成するに至
った。
【0009】すなわち本発明は、 (a)弾性重合体 (b)紫外線架橋性(メタ)アクリル酸エステル (c)ポリイソシアネートおよび (d)一般式(1):
【0010】
【化5】
【0011】(式中、Aは
【0012】
【化6】
【0013】(R1、R2はいずれも飽和炭化水素基、不
飽和炭化水素基、2価の芳香族基およびそれらにオキシ
アルキレン基が付加した2価の基から選ばれた基、また
pは1〜10)で示されるポリエステル基含有ジオール
残基または−OR1O−(R1は前記に同じ)で示される
アルキレンジオール残基、Bは
【0014】
【化7】
【0015】(R3はHまたはCH3、R4は炭素数1〜
5で(q+1)価の炭化水素基、qは1〜5、q個のR
3は同じである必要はない)で示される(メタ)アクリ
ル酸エステル含有基、Uは
【0016】
【化8】
【0017】(R1は前記に同じ)で示されるウレタン
基、mは1〜10、n1およびn2はそれぞれ1以上であ
り、一般式(1)で表わされる化合物の平均分子量が7
00〜2500となる数)で示されるウレタン基含有紫
外線架橋性(メタ)アクリル酸エステルを主成分として
含有し、かつ(d)成分であるウレタン基含有紫外線架
橋性(メタ)アクリル酸エステルが、(a)成分の弾性
重合体100部(重量部、以下同様)に対して10〜3
33.4部使用されることを特徴とする紫外線照射によ
って接着力を低減しうる感圧接着剤組成物に関する。
【0018】本発明の組成物は、紫外線を照射しないと
きは強い接着力を有し、これに紫外線を照射することに
より、接着力を著しく低減させることができ、エキスパ
ンド性にもすぐれた性質を示す感圧接着剤組成物であ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】従来、たとえば「接着ハンドブッ
ク(第2版)」(日本接着協会編集、日刊工業新聞社発
行、1980年)第398〜414頁に記載されている
ように、種々の感圧接着剤組成物が知られている。
【0020】代表的な感圧接着剤組成物は弾性重合体を
主成分とし、これに相溶性の良好な粘着付与剤や可塑
剤、さらには、必要に応じて充填剤、老化防止剤、着色
剤などを配合し、均一に混合した組成物である。
【0021】本発明においては、(a)成分の弾性重合
体として、たとえば飽和共重合ポリエステル樹脂、(メ
タ)アクリル酸エステルの単独重合体、(メタ)アクリ
ル酸エステルの共重合体などが好ましいものとしてあげ
られるが、これらに限定されるものではない。これらは
単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0022】前記飽和共重合ポリエステル樹脂の具体例
としては、たとえば「工業材料」第25巻、第11号、
第101〜106頁に記載されているように、通常、異
なる2種以上の飽和2価カルボン酸と飽和2価アルコ―
ルとを重縮合させてえられるガラス転移点の比較的低い
飽和共重合樹脂があげられる。通常、飽和2価カルボン
酸として芳香族2価カルボン酸と脂肪族2価カルボン酸
とが併用され、飽和2価アルコールとして脂肪族または
脂環式2価アルコール、すなわち、グリコールが用いら
れるが、これらに限定されるものではない。とくに、本
発明に使用する飽和共重合ポリエステル樹脂としては、
芳香族2価カルボン酸/脂肪族2価カルボン酸がモル比
で80/20〜20/80、好ましくは70/30〜5
0/50である飽和2価カルボン酸混合物とグリコール
とを等モルにて重縮合させてえられる飽和共重合ポリエ
ステル樹脂が好ましく用いられる。
【0023】前記芳香族2価カルボン酸としては、たと
えばテレフタル酸など、脂肪族2価カルボン酸として
は、たとえばセバシン酸、アジピン酸など、グリコール
としては、たとえばエチレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、プロピレングリコールなどがあげられ、こ
れらを用いてえられる飽和共重合ポリエステル樹脂が好
ましく用いられる。なお、飽和共重合ポリエステル樹脂
を製造する際に、必要に応じてカルボン酸成分として3
価以上の飽和多価カルボン酸や、3価以上の飽和多価ア
ルコールが一部併用されてもよい。
【0024】前記(メタ)アクリル酸エステルの単独重
合体または(メタ)アクリル酸エステルの共重合体の具
体例としては、従来より(メタ)アクリル酸エステル系
粘着剤として知られている粘着剤がとくに限定なく使用
されうる。前記(メタ)アクリル酸エステル系粘着剤に
おいて弾性重合体として用いられている重合体は、通常
は単独重合体および共重合体が使用できるが、(メタ)
アクリル酸エステルの共重合体が使用されるばあいが多
い。この共重合体は、通常、粘着性を有せしめるために
低いガラス転移点を有する重合体を形成するアクリル酸
エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘ
キシルなどのアクリル酸アルキルエステルを主モノマー
とし、凝集性を有せしめるために高いガラス転移点を有
する硬い重合体を形成するコモノマー、たとえば酢酸ビ
ニル、アクリロニトリル、スチレン、アクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチルなど、および架橋性や接着性の
改良のためにカルボン酸基、水酸基、アミド基、グリシ
ジル基、ヒドロキシルメチル基などの官能基を有する単
量体、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、ヒドロキシルエチルメタクリレート、ヒドロキシル
プロピルメタクリレート、アクリルアミド、グリシジル
メタクリレートなどのモノマーを共重合させてなる共重
合体である。
【0025】本発明において用いる(b)成分となる紫
外線架橋性(メタ)アクリル酸エステルは、紫外線の照
射によって架橋するオリゴマーまたはモノマーとしての
アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルをい
い、分子内に少なくとも2つのアクリロイル基またはメ
タクリロイル基を有する。具体的には、かかるオリゴマ
ーとしては、たとえばオリゴエステルアクリレートなど
を、またモノマーとしては、たとえば1,6−ヘキサン
ジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなど
の多価アルコールとアクリル酸のエステル、または1,
6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタ
ンテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペン
タメタクリレートなどの多価アルコールとメタクリル酸
のエステルなどをあげることができる。
【0026】(b)成分である紫外線架橋性(メタ)ア
クリル酸エステルの使用量としては、(a)成分の弾性
重合体100部に対して一般に15〜200部程度が好
ましく、50〜150部程度がさらに好ましい。(b)
成分の使用量が15部未満になるとえられる接着剤組成
物に紫外線を照射してもその接着力は実質的に変化せ
ず、200部をこえると紫外線照射によって、その接着
力を低減させることはできるが、たとえばシリコーンウ
ェハーのダイシング後のダイスのピックアップ時にダイ
スに接着剤が残留することがあり好ましくない。
【0027】本発明に用いる(c)成分であるポリイソ
シアネートには、とくに限定はなく、ポリイソシアネー
トである限り使用しうるが、ジイソシアネートおよびト
リイソシアネートが工業的に入手容易であり、使用され
る。
【0028】前記ジイソシアネートの具体例としては、
たとえば2,4−トルエンジイソシアネート、m−フェ
ニレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネ
ート、4,4′−ジフェニルジイソシアネート、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナ
フタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネートなどがあげられ
る。
【0029】トリイソシアネートも種々のものが市販さ
れており、たとえば住友化学工業(株)より「スミジュ
ールL」として市販されているトリメチロールプロパン
トルエントリイソシアネートなどが、本発明に用いるト
リイソシアネートの好適な具体例の一例としてあげるこ
とができる。
【0030】また、ジイソシアネートとポリオールとを
ジイソシアネートの過剰量の存在下で反応させてえられ
る末端イソシアネート化合物、たとえば一般式(1)で
示される化合物の中間体としてえられるウレタンオリゴ
マーもポリイソシアネートとして用いることができる。
【0031】(c)成分であるポリイソシアネートの使
用量としては、(a)成分の弾性重合体100部に対し
て0.1〜20部が好ましく、1〜15部がさらに好ま
しい。
【0032】本発明においては、(d)成分として一般
式(1):
【0033】
【化9】
【0034】(式中、Aは
【0035】
【化10】
【0036】(R1、R2はいずれも飽和炭化水素基、不
飽和炭化水素基、2価の芳香族基およびそれらにオキシ
アルキレン基が付加した2価の基から選ばれた基、また
pは1〜10)で示されるポリエステル基含有ジオール
残基または−OR1O−(R1は前記に同じ)で示される
アルキレンジオール残基、Bは
【0037】
【化11】
【0038】(R3はHまたはCH3、R4は炭素数1〜
5で(q+1)価の炭化水素基、qは1〜5、qが2以
上のばあいq個のR3は同じである必要はない)で示さ
れる(メタ)アクリル酸エステル含有基、Uは
【0039】
【化12】
【0040】(R1は前記に同じ)で示されるウレタン
基、mは1〜10、n1およびn2はそれぞれ1以上であ
り、一般式(1)で表わされる化合物の平均分子量が7
00〜2500となる数)で示されるウレタン基含有紫
外線架橋性(メタ)アクリル酸エステルが使用される。
【0041】(d)成分は紫外線硬化後の接着剤層のフ
レキシビリティーおよびエキスパンド性を改良するため
に使用される成分であり、一般式(1)中のAの部分は
主として他成分との相溶性向上、硬化物物性の向上、B
の部分は主として紫外線硬化性、Uの部分は主として樹
脂のフレキシビリティー、エキスパンド性の向上として
の作用をはたす。
【0042】一般式(1)におけるAは、
【0043】
【化13】
【0044】で示されるポリエステル基含有ジオール残
基または−OR1O−で示されるアルキレンジオール残
基であり、前記残基中のR1、R2がいずれも飽和炭化水
素基、不飽和炭化水素基、2価の芳香族基およびそれら
にオキシアルキレン基が1個以上、好ましくは2〜10
個程度付加した2価の基から選ばれた基であり、pが1
〜10であり、式(1)の分子量700〜2500の範
囲内になるように変更可能であり、実質上、分子量が大
きいほどフレキシビリティー、エキスパンド性は向上す
るが、大きすぎると紫外線硬化速度が遅くなり、紫外線
照射後の接着力が低下しない原因となる。
【0045】また、一般式(1)におけるBは
【0046】
【化14】
【0047】で示される(メタ)アクリル酸エステル基
であり、該基中のR3はHまたはCH3、R4は炭素数1
〜5で(q+1)価の炭化水素基であり、qが1〜5で
あるため、紫外線硬化時の硬化が速く、糊残りが少なく
なる。
【0048】さらに、一般式(1)におけるUが
【0049】
【化15】
【0050】で示されるウレタン基であるため、紫外線
硬化後の接着剤層のフレキシビリティー、エキスパンド
性の向上に寄与する。
【0051】一般式(1)におけるmはフレキシビリテ
ィー、エキスパンド性の向上の意味からは、大きいほど
好ましいが、大きすぎるとpと同様に紫外線硬化速度が
遅く、接着力が低減しにくくなるという点から1〜1
0、好ましくは1〜2であり、n1およびn2はいずれも
1以上でn1+n2≧2、好ましくは4≧n1+n2≧1で
あるのが、一般式(1)で示されるウレタン基含有(メ
タ)アクリル酸エステルの平均分子量が700〜250
0、好ましくは1000〜2500のものが使用される
ということもあわせて好ましい。なお、一般式(1)で
示されるウレタン基含有(メタ)アクリル酸エステルの
平均分子量が700よりも小さいばあいは糊残りが多く
なり、2500よりも大きいばあいには紫外線照射後の
接着力が低下しなくなり、好ましくない。
【0052】一般式(1)で示される化合物は、ジオー
ル成分とイソシアネート成分との反応によって合成され
る末端イソシアネート化ウレタンオリゴマーと、(メ
タ)アクリロイルオキシ基含有ヒドロキシル化合物との
反応によってえられる末端(メタ)アクリル酸エステル
化ウレタン化合物である。
【0053】一般式(1)で示される化合物の合成に用
いるジオール成分は、前記のごとくアルキレンジオール
であってもよく、ポリエステル基含有ジオール、ポリオ
キシアルキレン基含有ジオールなどであってもよい。た
とえば1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオールなど
の脂肪族ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリテトラエチレングリコールなど
のポリオキシアルキレングリコール、脂肪族ジオールの
アルキレンオキサイド付加物、ビスフェノールAアルキ
レンオキサイド付加体などの芳香族基含有ポリオキシア
ルキレングリコールなどの両末端ヒドロキシ化合物、さ
らには前記ヒドロキシ化合物とコハク酸、フマル酸、ア
ジピン酸、フタル酸などのジカルボン酸化合物とのエス
テル化によってえられる両末端ヒドロキシポリエステル
化合物などをあげることができる。
【0054】また、イソシアネート成分としては、ジイ
ソシアネートやトリイソシアネートが好適であり、ジイ
ソシアネートとしては、たとえば2,4−トルエンジイ
ソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、m−
キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジ
イソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシ
アネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネートなどを例示するこ
とができる。
【0055】また、トリイソシアネートとしては、たと
えばトリフェニルメタントリイソシアネート、トリメチ
ロールプロパンのトリレントリイソシアネート付加体
(たとえば日本ポリウレタン工業(株)製のコロネート
L)などがあげられる。
【0056】(メタ)アクリロイルオキシ基含有ヒドロ
キシル化合物の具体例としては、たとえばヒドロキシエ
チルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、
トリメチロールプロパンジアクリレート、グリセリンジ
アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、さらにはこれらのアクリレートがメタクリレートに
なったメタクリレート類などがあげられる。
【0057】一般式(1)で示されるウレタン基含有紫
外線架橋性(メタ)アクリル酸エステルの具体例として
は、たとえばビスフェノールAのエチレンオキシド4モ
ル付加物(1モル)とキシレンジイソシアネート(2モ
ル)およびヒドロキシエチルアクリレート(2モル)の
反応物;ビスフェノールAのエチレンオキシド4モル反
応物(2モル)とイソホロンジイソシアネート(3モ
ル)およびヒドロキシエチルアクリレート(2モル)の
反応物;1,6−ヘキサンジオール(5モル)とアジピ
ン酸(4モル)とのエステル化でできるポリエステルジ
オール(1モル)と2,4−トルエンジイソシアネート
(2モル)、グリセリンジアクリレート(1モル)、ヒ
ドロキシプロピルアクリレート(1モル)の反応物;ジ
エチレングリコール(6モル)とコハク酸(5モル)と
のエステル化でできるポリエステルジオール(1モル)
とキシリレンジイソシアネート(2モル)、ヒドロキシ
プロピルアクリレート(2モル)との反応物;ビスフェ
ノールAのエチレンオキシド4モル付加物(2モル)と
キシリレンジイソシアネート(3モル)、ヒドロキシエ
チルアクリレート(1モル)、ペンタエリスリトールト
リアクリレート(1モル)の反応物などがあげられる。
【0058】(d)成分である一般式(1)で示される
ウレタン基含有紫外線架橋性(メタ)アクリル酸エステ
ルは、(a)成分の弾性重合体100部に対して10〜
333.4部使用するのが、初期接着力が強く、紫外線
照射による接着力の低減が大きく、紫外線照射後にピッ
クアップしたときの糊残りが少なく、エキスパンド性が
良好になるなどの点から好ましい。
【0059】本発明による感圧接着剤組成物には、通常
光重合開始剤が含有され、さらに光増感剤を含有せしめ
てもよく、また重合禁止剤を含有せしめてもよい。
【0060】前記光重合開始剤は、前記紫外線架橋性ア
クリル酸エステルの紫外線照射による架橋重合のために
用いられる。このような光重合開始剤は、一般に紫外線
架橋重合の技術分野においてよく知られており、本発明
においては従来より一般によく知られている光重合開始
剤を用いることができる。かかる重合開始剤の具体例と
しては、たとえばベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンイソプロピルエーテルなどのベンゾインアルキルエー
テル類や、ベンゾイン、ベンジル、ベンゾフェノンなど
の芳香族オキシケトン類や芳香族ケトン類をあげること
ができるが、これらに限定されるものではない。
【0061】前記重合禁止剤は、(d)成分である一般
式(1)で表わされる化合物および(b)成分である紫
外線架橋性(メタ)アクリル酸エステルが紫外線照射に
よらず、たとえば熱によって重合することを防止するた
めに添加されるものであり、かかる重合禁止剤として従
来より知られている通常の重合禁止剤を用いることがで
きる。このような重合禁止剤としては、たとえばハイド
ロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテルなどをあ
げることができる。
【0062】前記光重合開始剤および重合禁止剤の配合
量は、紫外線重合の技術分野において一般に使用されて
いるところに従えばよく、たとえば重合開始剤のばあ
い、(b)および(d)成分の合計量100部に対して
1〜20部程度が好ましく、重合禁止剤のばあい、必要に
応じて0.01〜1部の範囲で用いられる。
【0063】本発明の感圧接着剤組成物は、前記配合量
にて弾性重合体、紫外線架橋性(メタ)アクリル酸エス
テル、一般式(1)で表わされるウレタン基含有紫外線
架橋性アクリル酸エステルおよびポリイソシアネート
を、必要に応じて重合開始剤、アクリル酸エステル系粘
着付与剤、重合禁止剤、充填剤、老化防止剤、着色剤な
どとともに、これらを溶解する適当な有機溶剤、たとえ
ば芳香族炭化水素類、ケトン類、これらの混合溶剤など
に溶解させることによって均一な溶液状組成物としてう
ることができる。具体的な溶剤としては、たとえばトル
エンとメチルエチルケトンとの混合溶剤が好ましく用い
られるが、これに限定されるものではない。
【0064】また、感圧接着剤組成物における弾性重合
体の含有量は、用途などに応じて適宜に選べばよいが、
通常、10〜50%(重量%、以下同様)の範囲であ
る。しかし、この範囲に限定されるものではない。
【0065】本発明の感圧接着剤組成物の調製方法には
何ら制限はないが、通常、弾性重合体および粘着付与剤
は溶液の形態にて市販されており、これらを使用するこ
とが便利であるので、たとえばこれらの溶液を混合し、
これに紫外線架橋性(メタ)アクリル酸エステル、一般
式(1)で表わされるウレタン基含有紫外線架橋性アク
リル酸エステルおよびポリイソシアネート、さらに必要
に応じて重合開始剤、アクリル酸エステル重合禁止剤、
充填剤、老化防止剤、着色剤などを添加混合し、溶解さ
せればよい。
【0066】さらに、本発明の感圧接着剤組成物には、
必要に応じて、液状ポリアクリル酸エステル、液状ポリ
ブテン、鉱油、ラノリンなどの可塑剤などを適宜に含有
せしめてもよい。
【0067】本発明の感圧接着剤組成物は、たとえば紫
外線を透過させうる基材シート上に感圧接着剤組成物の
層が形成され、感圧接着性シートとして使用される。し
たがって、たとえば前述のごとき液状の感圧性接着剤組
成物が基材シート上に塗布され、乾燥せしめられること
によって前記感圧接着性シートが製造される。
【0068】前記基材シートとしては、紫外線を透過し
うるシートである限りとくに制限はなく、種々のシート
を用いることができるが、通常は、透明〜半透明の合成
樹脂シートが用いられる。このような合成樹脂シートの
具体例としては、たとえば塩化ビニル樹脂、塩化ビニル
−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、塩化ビニリデン樹脂、ポリオレフィン、アセチ
ルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポ
リエステル、ポリカーボネートなどからなる厚さ50〜
300μm程度の樹脂シートが好適に用いられる。
【0069】基材シートとして用いる前記樹脂シートの
なかでも、ポリ塩化ビニルまたは塩化ビニル−塩化ビニ
リデン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩
化ビニル−アクリル酸エステル共重合体などの塩化ビニ
ル共重合体からなる樹脂シートは、柔軟であり、さらに
廉価であるので、とくに好ましい。
【0070】塩化ビニル系樹脂シートのほかにも、柔軟
性を有する基材シートとして、たとえばポリ塩化ビニリ
デン、アセチルセルロースなど製のシートが好適に使用
されうる。
【0071】感圧接着性シートの基材樹脂シートとし
て、可塑剤を含有する樹脂シートを用いるばあいは、こ
の樹脂シートから可塑剤が感圧接着剤組成物中に移行
し、また、樹脂シートによっては紫外線架橋性アクリル
酸エステルとは相溶性がよいために、感圧接着剤組成物
に含まれる紫外線架橋性アクリル酸エステルが樹脂シー
ト中に移行し、このような相互移行によって、感圧接着
性シートの紫外線照射後の接着力の低減効果が著しく減
少する。
【0072】したがって、本発明においては、感圧接着
性シートの基材シートとして、この基材シートと感圧接
着性シートとの間に可塑剤および紫外線架橋性アクリル
酸エステルを透過させない樹脂層からなるバリヤー層を
介在させることが好ましい。ただし、このバリヤー層
は、紫外線の透過を妨げるものであってはならない。
【0073】すなわち、このバリヤー層は、紫外線の透
過は何ら妨げないが、基材樹脂シートに含まれている可
塑剤が感圧接着剤組成物中に移行するのを阻止するとと
もに、感圧接着剤組成物に含まれている紫外線架橋性ア
クリル酸エステルが基材樹脂シートに移行するのを阻止
し、このようにして、基材樹脂シートに含まれている可
塑剤をこの基材中に保持し、感圧接着剤組成物に含まれ
ている紫外線架橋性アクリル酸エステルを接着剤組成物
中に保持する。
【0074】前記バリヤー層としては、ポリエチレン、
ポリプロピレンなどのポリ−α−オレフィン、ポリエチ
レンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレー
トのフィルムや、樹脂塗膜、たとえば変性ポリアクリル
樹脂などの樹脂塗膜層が好適に用いられる。したがっ
て、バリヤー層は、基材樹脂シート上に前記例示した樹
脂からなるフィルムを圧着し、またはこの樹脂の溶融液
を塗布して冷却し、または上記樹脂の溶液を塗布し、乾
燥することによって、形成することができる。また、た
とえば変性ポリアクリル樹脂溶液を塗布し、必要に応じ
て加熱乾燥させて、塗膜を形成させることによっても、
バリヤー層をうることができる。
【0075】前記変性ポリアクリル樹脂としては、従
来、種々のものが知られているが、本発明においては、
一般に耐溶剤性にすぐれ、したがって、紫外線架橋性ア
クリル酸エステルや基材樹脂シートに含まれる可塑剤に
溶解、膨潤しないアルキド変性ポリアクリル樹脂や、熱
硬化型ポリアクリル樹脂が好適である。熱硬化ポリアク
リル樹脂としては、たとえば酸型、水酸基型、エポキシ
型、アミド型などが好適に用いられる。
【0076】しかし、本発明においては、バリヤー層は
前述したように感圧接着剤組成物に含まれる紫外線架橋
性アクリル酸エステルおよび基材樹脂シートに含まれる
可塑剤を実質的に透過させない限りは、とくにその素材
において制限されるものではないことは容易に理解され
るところであって、本発明において用いられる個々の具
体的な紫外線架橋性アクリル酸エステルおよび可塑剤に
応じて選択される。
【0077】
【実施例】つぎに実施例に基づき本発明の組成物をさら
に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定され
るものではない。
【0078】合成例1(ウレタンアクリレートAの合成
例) 2−ヒドロキシエチルアクリレート116g(1モル)
および重合禁止剤であるハイドロキノンモノメチルエー
テル0.25gを1リットル容四つ口フラスコに入れ、
撹拌した。内温を60℃まで加温して、キシリレンジイソ
シアネート188g(1モル)を添加した。発熱するの
で、必要に応じて冷却し、内温を80℃以下に押さえる
ようにした。添加後2時間で発熱はおさまったが、さら
に75〜80℃にて1時間撹拌を続けた。
【0079】つぎにグリセリンジアクリレート(ヒドロ
キシル価280、ケン化価562、臭素価160)20
0g(1モル)を添加し、75〜80℃で撹拌した。4
時間後、ジブチル錫ジラウレート1gを添加し、さらに
1時間後2−ヒドロキシエチルアクリレート11.6g
(0.1モル)を追加した。遊離イソシアネート量が
0.2%(重量%、以下同様)以下になるまで反応をつ
づけ、反応を終了させた。
【0080】反応物をゲルクロマトグラフにて分析した
ところ、比較的分子量分布幅は狭く、平均分子量は50
0であった。
【0081】合成例2(ウレタンアクリレートBの合成
例) 2−ヒドロキシエチルアクリレート232g(2モル)
および重合禁止剤であるハイドロキノンモノメチルエー
テル0.50gを1リットル容四つ口フラスコに入れ、
攪拌した。内温を60℃まで加温し、キシリレンジイソ
シアネート376g(2モル)を添加した。合成例1と
同様な反応条件にて反応させた。キシリレンジイソシア
ネート添加3時間後にビスフェノールA酸化エチレン4
モル付加体(ヒドロキシル価277)405g(1モ
ル)を添加し、75〜80℃にて攪拌した。以後、合成
例1と同様に反応させ、遊離イソシアネート量が0.2
%以下になってから反応を終了させた。
【0082】反応物をゲルクロマトグラフにて分析した
ところ、比較的狭い分子量分布幅を有し、平均分子量は
1010であった。
【0083】合成例3(ウレタンアクリレートCの合成
例) ジエチレングリコールとアジピン酸とのエステル化によ
り合成された両末端にヒドロキシル基を有するポリエス
テルジオール(ヒドロキシル価93)603.5g
(0.5モル)を1リットル容四つ口フラスコに入れ、
60℃に加温し、キシリレンジイソシアネート188g
(1モル)を添加した。発熱するので、必要に応じて冷
却し、内温を80℃以下に押さえるようにした。添加後
2時間で発熱はおさまったが、75〜80℃にてさらに
2時間攪拌を続けた。
【0084】つぎに、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト63.8g(0.55モル)、トリメチロールプロパ
ンジアクリレート(ガスクロマトグラフ分析での純度は
60%、他はトリメチロールプロパントリアクリレー
ト、ヒドロキシル価139)202g、ハイドロキノン
モノメチルエーテル0.53gを添加し、75〜80℃
にて攪拌した。4時間後、ジブチル錫ジラウレート1.
0gを添加し、さらに加温攪拌を続け、遊離イソシアネ
ート量が0.2%以下になってから反応を終了させた。
【0085】反応物をゲルクロマトグラフにて分析した
ところ、不純物として含まれるトリメチロールプロパン
トリアクリレートを除いた平均分子量は1950であっ
た。
【0086】合成例4(ウレタンアクリレートDの合成
例) 合成例3で用いたポリエステルジオール(ヒドロキシル
価93)482.7g(0.4モル)を1リットル容四
つ口フラスコに入れ、60℃に加温して攪拌した。キシ
リレンジイソシアネート112.8g(0.6モル)を
加え、必要に応じて冷却して内温を80℃以下に保っ
た。添加後3時間、75〜80℃に保持して攪拌したの
ち、2-ヒドロキシエチルアクリレート25.6g(0.
22モル)、トリメチロールプロパンジアクリレート
(ガスクロマトグラフ分析純度60%、ヒドロキシル価
139)80.8g、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル0.35gを添加し、75〜80℃に保持して攪拌し
た。
【0087】4時間後、ジブチル錫ジラウレート1.0
gを添加し、さらに加温攪拌を続け、遊離イソシアネー
ト量が0.2%以下になってから反応を終了させた。
【0088】反応物をゲルクロマトグラフ分析したとこ
ろ、平均分子量は3300であった。
【0089】実施例1〜4および比較例1〜8 表1に示す配合物の表2に示す量に、表2に示すウレタ
ンアクリレートが表2に示す部数になるように配合して
感圧接着剤組成物を調製した。えられた組成物を離型紙
上に塗布し、120℃で1分間乾燥させ、固形分として
10μmの厚さの感圧接着剤組成物の層を形成した。
【0090】つぎに、平均重合度1300のポリ塩化ビ
ニル100部、可塑剤としてジオクチルフタレート35
部および適宜量の安定剤からなる塩化ビニル樹脂組成物
から成形した厚さ0.1mmのシート上に、変性アクリ
ル樹脂溶液を塗布し、乾燥させて、バリヤー層を形成さ
せた。こののち、この基材樹脂シートのバリヤー層の表
面に離型紙上に形成した前記感圧接着剤層を重ねて貼り
合わせて、感圧接着性シートをえた。
【0091】このようにしてえられたそれぞれの感圧接
着性シートを室温で20分間放置したのち、離型紙を剥
離して、そのまま接着力を測定した。また、別に塩化ビ
ニル樹脂シート側から主波長365mμ、120W/c
mにて紫外線を7秒間照射したのち、接着力を測定し
た。また、糊残り性、エキスパンド性を下記方法により
評価した。結果を表2に示す。
【0092】(接着力)感圧接着性シートを幅25m
m、長さ100mmに裁断して試験片とし、これを被着
体であるステンレス板(SUS−304)上に重ね、3
kgローラにて5回往復して押圧したのち、ショッパー
を用いて引張速度300mm/分にて180゜剥離試験
を行なった。
【0093】紫外線照射前は接着力は高いほどよい。し
かし、接着剤層が凝集破壊し、接着剤としての作用をな
さないばあいには判定として×を印した。
【0094】紫外線照射後は100g/25mm以下な
らば使用に耐えるが、50g/25mm未満は○、50
〜100g/25mmは△、100g/25mmこえる
ばあいは×と判定した。
【0095】(糊残り性)ウエハーをダイシングマシー
ン(DISCO社製)を用いて切断し、UV照射後ピック
アップマシーン(ニチデン機械(株)製)でウエハーチ
ップをピックアップし、えられたウエハーチップの裏面
を観察し、裏面に糊が残っていないものを○、わずかに
残っているものを△、裏面全面に数多く残っているもの
を×として評価した。
【0096】(エキスパンド性)ウエハーを当感圧性接
着シートに貼り、ダイシングマシーン(DISCO社
製)にて切断し、そののちUV照射してからエキスパン
ドマシーン(ニチデン機械(株)製)にて約25%エキ
スパンドし、チップの乱れ、テープの切れなどを観察
し、チップの乱れがなく、テープの切れもなく、等間隔
にチップが開いているものを○、そうでないものを×と
して評価した。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】本発明の感圧接着剤組成物を用いて製造し
た感圧接着性シートは、長期間保存後も紫外線照射によ
る接着力の低下がとくに顕著であり、適当な配合設計に
よって、当初数百g/25mmの接着力を有せしめ、紫
外線照射後は数十g/25mm程度にまで接着力を減少
または実質的に消滅させることができるので、前述した
ように、シリコンウエハーのダイシングに好適に用いる
ことができる。
【0100】表2の結果から、添加するウレタンアクリ
レートの種類によって性能は大きく異なり、平均分子量
が700未満であるウレタンアクリレートAおよび分子
量が2500超であるウレタンアクリレートDでは、紫
外線照射後の接着力、糊残り、エキスパンド性が著しく
劣ることがわかる。
【0101】なお、ウレタンアクリレートの添加量が多
過ぎたり、少な過ぎても接着力において劣り好ましくな
い。
【0102】本発明は (a)弾性重合体 (b)紫外線架橋性(メタ)アクリル酸エステル (c)ポリイソシアネートおよび (d)ウレタン基含有紫外線架橋性(メタ)アクリル酸
エステル を必須成分とし、接着力の低減、糊残り性、エキ
スパンド性の向上を図るもので、に対しては(b)成
分+(c)成分が、、に対しては(d)成分がそれ
ぞれの機能を分担し、紫外線を照射しないときは強い接
着力を有し、紫外線を照射すると著しく接着力が低減
し、糊残りのないエキスパンド性にすぐれた性質を有す
る感圧接着剤組成物を提供することにある。
【0103】従来技術(特開昭62−153376号公
報、特開昭62−153377号公報、特開昭62−5
4778号公報)には、(a)成分、(c)成分および
(d)成分からなる組成物および(a)成分、(b)成
分および(c)成分からなる組成物が開示されている
が、本発明の(a)成分、(b)成分、(c)成分およ
び(d)成分全てを含む組成物を開示したものはなく、
したがって本発明の課題の、、を同時に満足する
ことは出来ない。このことは表2のデータから裏付けら
れている。
【0104】
【発明の効果】本発明の感圧接着剤組成物は、当初は強
い接着力を有するが、これに紫外線を照射するとその接
着力が著しく低減する。したがって、この感圧接着剤組
成物を紫外線を透過させうる基材シート上に塗布して感
圧接着性シートを製造すると紫外線の照射により接着力
が著しく減少し、この感圧接着性シートを被着面から容
易に剥離させることが可能となり、糊残り(被着面への
接着層の残存)が少なく、被着面の剥離後の洗浄操作な
どが不要となる。
【0105】したがって、本発明の組成物を用いて製造
した前記のごとき感圧接着性シートは、たとえば前述し
たようにシリコーンウエハーのダイシング用フィルムと
して好適に用いることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)弾性重合体 (b)紫外線架橋性(メタ)アクリル酸エステル (c)ポリイソシアネートおよび (d)一般式(1): 【化1】 (式中、Aは 【化2】 (R1、R2はいずれも飽和炭化水素基、不飽和炭化水素
    基、2価の芳香族基およびそれらにオキシアルキレン基
    が付加した2価の基から選ばれた基、またpは1〜1
    0)で示されるポリエステル基含有ジオール残基または
    −OR1O−(R1は前記に同じ)で示されるアルキレン
    ジオール残基、Bは 【化3】 (R3はHまたはCH3、R4は炭素数1〜5で(q+1)
    価の炭化水素基、qは1〜5、q個のR3は同じである
    必要はない)で示される(メタ)アクリル酸エステル含
    有基、Uは 【化4】 (R1は前記に同じ)で示されるウレタン基、mは1〜
    10、n1およびn2はそれぞれ1以上であり、一般式
    (1)で表わされる化合物の平均分子量が700〜25
    00となる数)で示されるウレタン基含有紫外線架橋性
    (メタ)アクリル酸エステルを主成分として含有し、か
    つ(d)成分であるウレタン基含有紫外線架橋性(メ
    タ)アクリル酸エステルが、(a)成分の弾性重合体1
    00重量部に対して10〜333.4重量部使用される
    ことを特徴とする紫外線照射によって接着力を低減しう
    る感圧接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 (a)成分である弾性重合体が、飽和共
    重合ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル酸エステルの
    単独重合体および(メタ)アクリル酸エステルの共重合
    体から選ばれた重合体である請求項1記載の組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001311057A (ja) * 2000-04-28 2001-11-09 Bando Chem Ind Ltd 接着性シート
JP2010059336A (ja) * 2008-09-05 2010-03-18 Nitto Denko Corp 放射線硬化再剥離型粘着シート
JP5244603B2 (ja) * 2006-10-03 2013-07-24 株式会社イーテック 粘着剤組成物及び粘着シート

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