JPH08225704A - 土壌安定化用組成物 - Google Patents

土壌安定化用組成物

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JPH08225704A
JPH08225704A JP7030373A JP3037395A JPH08225704A JP H08225704 A JPH08225704 A JP H08225704A JP 7030373 A JP7030373 A JP 7030373A JP 3037395 A JP3037395 A JP 3037395A JP H08225704 A JPH08225704 A JP H08225704A
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幸介 高橋
Nobuaki Hiranaka
信明 平仲
Shinichi Yokoe
新一 横江
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Abstract

(57)【要約】 【目的】土壌表面を安定化して、良好な耐水性等を付与
し、風雨による浸食から有効に保護し得る土壌安定化用
組成物であって、しかも、施工後の土壌は、通気性や透
水性が良好で、柔軟であり、種子の発芽、成育に悪影響
のないものとなる土壌安定化用組成物を提供する。 【構成】アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸
アルキルエステルの少なくとも一種と、アミノ基含有ア
クリル系モノマーとを共重合して得られるカチオン性ア
クリル樹脂エマルジョンを含有することを特徴とする土
壌安定化用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、土壌安定化用組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、造成された法面や無植生地を風雨
による浸食から保護するために、土壌安定化処理剤を用
いて土壌表面を安定化する処理が行なわれているおり、
かかる処理剤としては、当初は、耐水性が良好で施工の
容易なアスファルト乳剤が用いられてきた。しかしなが
ら、アスファルト乳剤を処理剤とする場合には、これが
硬化した後、土壌表面にひび割れが生じて、浸食が発生
し易く、処理地の外観も悪く、また、表面にアスファル
ト乳剤による強靭な皮膜が形成されて、植物の成育が困
難になるという欠点がある。
【0003】近年、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、アニオン性又はノニオン性のアクリル共
重合体等の水性ディスパージョンを土壌安定処理剤とし
て使用することも試みられているが、ポリ酢酸ビニルを
用いる場合には、土壌表面に十分な耐水性を付与でき
ず、降雨量が多くなると土壌の流出が生じ易くなる。ま
た、エチレン−酢酸ビニル共重合体を用いる場合には、
施工当初は土壌表面に皮膜が形成されて土壌を安定化す
る効果が発揮されるものの、経時的に皮膜が劣化してひ
び割れが生じ、その部分から土壌の浸食が生じ易くな
る。また、アニオン性又はノニオン性のアクリル共重合
体を用いる場合には、少量の使用では土壌の流出防止に
十分な効果を発揮できず、土壌の流出を防止するために
は、多量に使用して強靭な皮膜を形成する必要があり、
コストが高くなるという問題点がある。
【0004】また、これらの水性デイスパージョンを用
いた場合には、土壌表面に樹脂が固化した強靭な皮膜が
形成され、種子の発芽や発芽後の成長を妨げやすいとい
う問題点もある。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的
は、土壌表面を安定化して、良好な耐水性等を付与し、
風雨による浸食から有効に保護し得る土壌安定化用組成
物であって、しかも、施工後の土壌は、通気性や透水性
が良好で、柔軟であり、種子の発芽、成育に悪影響のな
いものとなる土壌安定化用組成物を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した目
的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、従
来、土壌安定化剤として用いられたことのない、特定の
カチオン性アクリル樹脂エマルジョンを有効成分として
配合した組成物を土壌安定化剤として用いる場合には、
少量の樹脂分の使用で土壌を安定化して風雨による浸食
から保護することができ、しかも処理後の土壌は、通気
性や透水性が良好で、柔軟であり、種子の発芽、成育に
とって全く悪影響のないものとなることを見出し、ここ
に本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、アクリル酸アルキルエス
テル及びメタクリル酸アルキルエステルの少なくとも一
種と、アミノ基含有アクリル系モノマーとを共重合して
得られるカチオン性アクリル樹脂エマルジョンを含有す
ることを特徴とする土壌安定化用組成物に係る。
【0008】本発明の土壌安定化用組成物は、必須成分
として、アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸
アルキルエステルの少なくとも一種と、アミノ基含有ア
クリル系モノマーとを共重合して得られるカチオン性ア
クリル樹脂エマルジョンを含有することが必要である。
かかる特定のカチオン性アクリル樹脂エマルジョンを用
いることによって、少量の使用量で土壌を安定化して耐
水性に優れた土壌表面層を形成することができ、風雨に
よる浸食から土壌を有効に保護することができる。ま
た、本発明の土壌安定化用組成物による処理後の土壌
は、通気性や透水性に優れ、柔軟であり、土壌中に含ま
れる種子の発芽、成育に与える悪影響がほとんどない。
よって、本発明の土壌安定化用組成物により、従来の処
理剤を用いた場合と比べて、短期間で造成後の土壌や無
植生地を緑化することが可能となる。
【0009】本発明の土壌安定化剤の使用により、かか
る顕著な効果が奏効される理由は必ずしも明確ではない
が、土壌に浸透したアクリル樹脂カチオンイオンが土壌
微粒子と結合することによって、通気性のある団粒化層
を形成し、更に、地盤の陰イオンと強力に結合し、耐水
性のある風雨に強い安定地層を土壌表面部分に形成でき
ることによるものと推測される。また、少ない使用量で
十分な土壌安定化効果が得られることから、処理後の土
壌の表面に厚い樹脂層が形成されることがなく、通気性
や水の透過性などが十分に保持され、植物の成育に悪影
響を与えないものと考えられる。
【0010】本発明で使用するカチオン性アクリル樹脂
エマルジョンは、アクリル酸アルキルエステル及びメタ
クリル酸アルキルエステルの少なくとも一種とアミノ基
含有アクリル系モノマーとを共重合して得られるもので
ある。
【0011】原料のアクリル酸アルキルエステル及びメ
タクリル酸アルキルエステルとしては、各種のものが使
用でき、例えば、アクリル酸アルキルエステルの具体例
としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、ヒドロキシプロピルアクリレート、β−エトキシエ
チルアクリレート、グリシジルアクリレート等を用いる
ことができる。また、メタクリル酸アルキルエステルの
具体例としては、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシル
メタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、
β−エトキシエチルメタクリレート、グリシジルメタク
リレート等を挙げることができる。これらのモノマーは
単独または適宜組み合わせて用いることができる。本発
明では、必要に応じて、アクリル酸アルキルエステルま
たはメタクリル酸アルキルエステルと共重合可能な他の
モノマーを添加して共重合させてもよい。この様なモノ
マーとしては、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリ
ル、塩化ビニル等のビニル系モノマーを例示でき、アク
リル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエス
テルに対して、1/1(重量比)程度まで添加すること
ができる。
【0012】該カチオン性アクリル樹脂エマルジョンを
得るには、エマルジョンにカチオン性を付与するため
に、カチオン性モノマーであるアミノ基含有アクリル系
モノマーの存在下に重合反応を行なうことが必要であ
る。アミノ基含有アクリル系モノマーとしては、一般式
【0013】
【化1】
【0014】(式中、R1 は水素又はメチル基、R2
1 〜C6 のアルキレン基、R3 及びR4 は水素又はC
1 〜C6 のアルキル基を表わす)で示されるアミノアル
キル(メタ)アクリレート及び/又は一般式
【0015】
【化2】
【0016】(式中、R1 は水素又はメチル基、R2
1 〜C6 のアルキレン基、R3 及びR4 は水素又はC
1 〜C6 のアルキル基を表わす)で示されるN−アミノ
アルキル(メタ)アクリルアミドを用いることができ
る。カチオン性モノマーの使用量は、所望するエマルジ
ョンの性状に応じて決定すればよく、特に限定されるも
のではないが、通常全モノマーに対して、1〜5重量%
程度が好ましい。
【0017】カチオン性モノマーの具体例としては、一
般式(I)のアミノアルキル(メタ)アクリレートとし
て、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアク
リレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、t
−ブチルアミノエチルアクリレート、t−ブチルアミノ
エチルメタクリレート、モノメチルアミノエチルアクリ
レート、モノメチルアミノエチルメタクリレート等を挙
げることができる。一般式(II)のN−アミノアルキル
(メタ)アクリルアミドとしては、ジメチルアミノプロ
ピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリ
ルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジメ
チルアミノエチルメタクリルアミド等を例示できる。
【0018】カチオン性モノマーは、酸によって中和し
て使用される。中和度(酸/カチオン性モノマー(モル
比))は、0.2程度以上とし、エマルジョンの用途に
応じて、1を上回ることもできる。具体的には、中和度
が高くなると親水性が高くなり、中和度が低くなると乳
化力が弱くなって、重合安定性が低下する傾向にあるの
で、使用する共重合モノマーや界面活性剤の性質や使用
量等に応じて中和度を決定すればよい。
【0019】中和に使用する酸としては、各種の無機酸
又は有機酸を用いることができ、無機酸としては、塩
酸、硫酸、リン酸、硝酸などが使用でき、有機酸として
は、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、ク
エン酸、リンゴ酸等が使用できる。
【0020】該カチオン性アクリル樹脂エマルジョンを
得るための重合方法は、通常の乳化重合方法に従えばよ
く、例えば、メインモノマー、カチオン性モノマー及び
その他の原料を一括して仕込み重合する方法、各成分を
連続供給しながら重合する方法など各種の方法が可能で
あり、いずれの方法によっても所期の目的を達成するカ
チオン性エマルジョンを得ることができる。また、連続
供給する場合には、各成分を単独で添加してもよく、任
意の成分を予め混合して添加してもよい。重合反応は、
加温下に行ない、通常50〜85℃程度の温度で行なえ
ばよい。
【0021】上記したエマルジョンの重合においては、
得られるエマルジョンの安定性を確保するために、ノニ
オン系界面活性剤及び/又はカチオン系界面活性剤を添
加することが好ましい。ノニオン系界面活性剤として
は、ポリエチレンオキサイド系界面活性剤が好ましく、
具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポ
リオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレン
ステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエー
テル、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビ
タンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタン
モノオレエート、オキシエチレンオキシプロピレンブロ
ックポリマー等を例示できる。
【0022】カチオン系界面活性剤としては、ラウリル
トリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメ
チルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチル化アル
キルアミン、アミンオキサイド誘導体、アルキルトリメ
チレンジアミン、ジステアリルジメチルアンモニウムク
ロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロ
ライド、1,2又は3級アミン誘導体等を例示できる。
【0023】これらの界面活性剤のうち、特に、重合安
定性、機械的、化学的安定性が良好となる点で、HLB
値14以下のポリエチレンオキサイド系ノニオン性界面
活性剤を使用することが好ましい。
【0024】界面活性剤の使用量は、エマルジョンに対
して要求される性質に応じて変わり得るが、一般に、重
合安定性を向上させて粗大粒子の発生を抑制する目的や
エマルジョンの機械的、化学的安定性を向上させる目的
には、界面活性剤の使用量が多いことが好ましく、乾燥
皮膜の耐水性を向上させるためには、使用量が少ないこ
とが好ましく、通常全モノマーに対して1〜10重量%
程度の範囲内から目的に応じて使用量を決定すればよ
い。
【0025】エマルジョンの製造に際しては、重合反応
の触媒として、一般のノニオン性触媒及びカチオン性触
媒をいずれも使用できるが、カチオン性触媒である2,
2´−アゾビス(2−アミノジプロパン)を使用するこ
とが好ましい。
【0026】得られるカチオン性アクリル樹脂エマルジ
ョンのポリマー粒子径は、特に限定的ではないが、0.
1〜2.0μm程度が適当であり、0.2〜1.0μm
程度が好ましい。また、エマルジョン粘度も特に限定的
ではないが、通常、10〜100,000cp程度が適
当であり、100〜50,000cp程度が好ましい。
【0027】本発明では、上記したカチオン性アクリル
樹脂エマルジョンであればいずれも使用することができ
るが、特に、ガラス転移点(Tg)が0〜−30℃程度
の範囲となるように各成分を配合して得たカチオン性ア
クリル樹脂エマルジョンを用いることが好ましい。この
範囲のガラス転移点を有する樹脂を用いる場合には、処
理後の土壌は適度な柔軟性を有するものとなり、風雨に
よる浸食を十分に防止でき、かつ植物の成育にとって特
に悪影響のないものとなる。
【0028】また、該カチオン性アクリル樹脂エマルジ
ョンは、広いpH範囲において安定性が良好であり、土
壌中の植物の種類に応じて、その成育環境に適したpH
範囲に調整して使用することができるという優れた特徴
を有するものである。通常は、植物の成育環境として
は、中性付近のpH値が適することが多いため、中性付
近のpHであるpH5.5〜7.5程度に調整して使用
することが好ましい。
【0029】該カチオン性アクリル樹脂エマルジョン
は、一般に、施工時に適切な樹脂分濃度に調節して用い
られるため、製造時の樹脂分濃度は特に限定的ではない
が、該カチオン性アクリル樹脂エマルジョンは、安定性
が良好であることから、高濃度とすることができ、例え
ば、樹脂分濃度40〜65重量%程度の比較的高濃度に
調整することによって、運送費用の節減等が可能とな
る。
【0030】本発明の土壌安定化用組成物は、上記した
カチオン性アクリル樹脂エマルジョンを必須成分として
含有するものであり、その樹脂分濃度は特に限定的では
なく、施工場所の土壌の状態等に応じて適宜調整すれば
よいが、通常、施工時において、土壌安定化組成物中の
カチオン性アクリル樹脂の樹脂分濃度が1〜10重量%
程度となるように水で希釈して用いることが適当であ
る。本発明の土壌安定化用組成物を、風雨による浸食に
基づく土壌の流出防止のみを目的として用いる場合に
は、上記した範囲内において比較的高濃度の水分散液と
して使用することが可能であるが、土壌の流出防止と共
に、植物の成育による緑化を目的とする場合には、樹脂
濃度が高くなり過ぎると、施工部分の土壌の通気性や水
分の透過性が低下して植物の成育に悪影響が生じる場合
がある。よって、土壌安定化と植物の成育による緑化の
両方を目的として用いる場合には、樹脂分濃度2〜4重
量%程度として使用することが好ましい。
【0031】本発明の土壌安定化用組成物は、上記した
ように特定のカチオン性アクリル樹脂エマルジョンを必
須成分として含有するものであるが、更に、必要に応じ
て、土壌安定化と緑化を目的として用いられている従来
の土壌緑化(安定化)用組成物に配合されている各種の
資材、いわゆる植生資材を配合することができる。これ
らの具体例としては、例えば、パーク堆肥、腐葉土、堆
肥等の有機肥料、高度化成肥料、イソブチルアルデヒド
化工尿素配合肥料(I.B.緩効性肥料)等の化学肥料
等の肥料;ケンタッキーブルーグラス、ウィーピングラ
ブグラス、シロクローバー、バミューダーグラス、ベン
トグラス、ハイランドペレニアルライグラス、クリーピ
ングヘッドフェクス等の種子;パルプファイバー、ピー
トモス等の繊維質;ふるい土、砂土、ベントナイト等の
土壌基材;マラカイトグリーン、シアニングリーン等の
着色剤;吸水ポリマー等の保水剤等を挙げることができ
る。これらの成分の配合量は、特に限定はなく、本発明
の土壌安定化用組成物の施工性を妨げることのない範囲
において、各成分の種類に応じて、その配合効果を発揮
できる量となるように適宜調整すればよい。これらの肥
料、種子等を配合した本発明の土壌安定化用組成物によ
れば、土壌の安定化と同時に、植物の成育による土壌の
緑化を行なうことができる。
【0032】本発明の土壌安定用組成物には、上記した
カチオン性アクリル樹脂エマルジョンに加えて、繊維類
を配合することが好ましい。繊維類を配合することによ
って、アクリル樹脂エマルジョンによる土壌安定化の作
用に加えて、繊維類が土壌表面で絡み合い、これがアク
リル樹脂エマルジョンにより固定化されることによっ
て、土壌の流出等をより効果的に防止することができ
る。繊維類としては、その種類、大きさ等に特に限定は
なく、各種のものが使用可能であるが、繊維長が短かす
ぎると土壌の流出防止に十分な効果を発揮することがで
きず、また、長すぎると施工作業が困難となるので、施
工設備や土壌の状態に応じて、適宜その種類を選択すれ
ばよい。通常は、長さ5〜60mm程度、好ましくは1
0〜40mm程度で、直径0.5〜3mm程度の繊維類
を使用すればよい。本発明で使用し得る繊維類の種類と
しては、特に限定はなく、各種のものを使用でき、その
具体例としては、ピートモス、パルプファイバー、パー
ム繊維等の植物性繊維、ポリ塩化ビニリデン、ポリエス
テル等の各種プラスチック繊維、スチールファイバー等
の金属繊維、セラミックファイバー、カーボンファイバ
ー等を例示できる。繊維類の配合量は、特に限定的では
ないが、通常、施工時の土壌安定化組成物中に1〜20
重量%程度、好ましくは4〜11重量%程度とすればよ
い。
【0033】上記した繊維類のうちで、植物性繊維、プ
ラスチック繊維等の柔軟性の良い繊維類を使用する場合
には、土壌の硬度が高くなり過ぎることを防止でき、植
物の成育に対する悪影響を低減することができる。特
に、繊維類として、植物性繊維を用いる場合には、施工
当初には、土壌の流出防止の効果を有効に発揮するが、
経時的に土壌中の植物の種子が発芽、成育して土壌が安
定化した後には、分解して土壌と同化し、環境に悪影響
を与えることがないので好適である。
【0034】また、本発明の組成物に、葡匐性の茎で成
育する植物(以下、「葡匐性植物」という)の茎の切断
物を配合する場合には、上記繊維類と同様に、土壌の流
出防止の効果を発揮すると同時に、葡匐性の茎は、茎節
からの発芽が早く、繁殖性が高いので、施工面全体に葡
匐茎が広がって、全体を早期に緑化することができる。
したがって、葡匐性植物の茎の切断物を配合することに
よって、施工面の安定化と共に、施工面の全体を早期に
緑化することが可能となり、例えば、通常の方法で各種
芝類を成育させる場合と比べて、非常に簡易に、経済的
に有利に、しかも早期に施工面を緑化することができ
る。
【0035】この様な目的に使用し得る葡匐性植物とし
ては、特に限定はなく、茎が葡匐性で繁殖力の高いもの
であればよく、その具体例としては、ウエデリア、ティ
フトン(チプトンシバ)、ノシバ、セントオーガスチン
グラス(イヌシバ)、コウライシバ(コウシュンシ
バ)、レッドトップ、ベントグラスハイランド、ホワイ
トクローバー、バヒアグラス等を例示できるが、特に好
ましいものは、ウエデリア、ノシバ、セントオーガスチ
ングラス(イヌシバ)等である 葡匐性植物の茎は、切断加工が容易であり、上記繊維類
と同様に、長さ5〜60mm程度、好ましくは10〜4
0mm程度に切断して、本発明の組成物に配合すればよ
い。配合量は、上記した繊維類と同様に、通常、施工時
の土壌安定化組成物中に1〜20重量%程度、好ましく
は4〜11重量%程度とすればよく、繊維類と同時に配
合する場合には、繊維類と葡匐性植物の茎の切断物の合
計量が上記範囲となるようにすればよい。
【0036】本発明の土壌安定化組成物を用いて土壌の
安定化処理を行なう方法としては、特に限定はなく、通
常行なわれている土壌安定化のための処理と同様に、施
工に適した濃度に希釈した組成物を施工面に適当な方法
で散布すればよく、例えば、ハイドロシーター等の吹付
機を用いて、目的とする土壌に散布すればよい。散布量
は、施工場所に応じて適宜調整すればよいが、通常、カ
チオン性アクリル樹脂の樹脂分として、0.5〜50k
g/100m2 程度となるようにすればよい。
【0037】本発明の組成物により安定化の対象となる
土壌は、特に限定的ではないが、通常、造成された直後
の土壌や無植生地等の風雨による浸食を受けやすい不安
定な土壌に有効に適用することができる。特に、造成さ
れた直後の法面は、風雨による浸食を非常に受けやすい
が、本発明の組成物を用いることによって、風雨による
浸食を有効に防止することができる。
【0038】
【発明の効果】本発明の土壌安定化用組成物によれば、
少量の樹脂分の使用で土壌を安定化して風雨による浸食
から保護することができ、処理後の土壌は、通気性や透
水性が良好で、柔軟であり、種子の発芽、成育にとって
全く悪影響のないものとなる。
【0039】また、本発明の組成物に葡匐性植物の茎の
切断物を配合した場合には、土壌の流出防止の効果を有
効に発揮すると同時に、発芽が早く繁殖性が高いという
葡匐性植物の性質により、早期に施工面を緑化すること
ができる。
【0040】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
【0041】尚、各製造例及び実施例において使用した
カチオン性アクリル樹脂エマルジョンは、メチルメタク
リレート50重量部及び2−エチルヘキシルアクリレー
ト68重量部を、ジメチルアミノメタクリレート塩酸塩
5重量部、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)二塩酸塩0.2重量部及び水80重量部の存在下
に、75℃でエマルジョン重合して得られたものであ
り、樹脂分濃度60%、粘度3000cp、pH6.
0、ポリマーのガラス転移点(Tg)が−10℃のもの
である。
【0042】製造例1 上記カチオン性アクリル樹脂エマルジョンを用い、これ
に下記の各成分を加え、ニーダー型撹拌機により混合し
て、土壌安定化用組成物を調製した。
【0043】 カチオン性アクリル樹脂エマルジョン(樹脂分60%) 4.0重量部 種子(*1) 0.8重量部 高度化成肥料 5.9重量部 パルプファイバー 4.0重量部 葡匐性植物の茎の切断物(*2) 5.9重量部 着色剤(シアニングリーン、マラカイトグリーン) 0.4重量部 水 79.0重量部 合計 100重量部 注(*1)1ウィーピンググラブグラス、ケンタッキー−31フェスク、ホワイ トクローバーの3種混合種子 (*2)イヌシバ及びウェデリアの茎の切断物の混合物(長さ約30mm) 製造例2 製造例1において使用した葡匐性植物の茎の切断物に代
えて、ピートモスの切断物(長さ約30mm)を同量使
用した以外は、製造例1と同様にして、土壌安定化用組
成物を調製した。
【0044】実施例1 関東ローム8リットル、水1.5リットル、及びピート
モス1.5リットルを混合撹拌し、傾斜角45度におい
た30×30×5cm(中間に亀甲金網)の型枠に充填
後、7日間室内に放置し、その後、5gの種子を撒き、
薄く覆土して土壌表面を軽く押さえて試験土壌とした。
【0045】上記カチオン性アクリル樹脂エマルジョン
(樹脂分60重量%)を用い、樹脂分量0、1、2、3
及び4重量%の各濃度となるように水で希釈した後、そ
れぞれの希釈液について、それぞれ別の試験土壌に30
0g(希釈液量)ずつ均一に散布して、供試体を得た。
【0046】また、比較として、アニオン性アクリルエ
マルジョン(比較例1)及びノニオン性エチレン酢酸ビ
ニル共重合エマルジョン(比較例2)を用いて、それぞ
れ樹脂分量0〜4重量%の希釈液を調製し、同様にして
試験土壌に300gずつ均一に散布した供試体を作製し
た。
【0047】この様にして土壌安定化剤で処理した供試
体について、下記の方法で耐浸食性試験、土壌硬度測
定、通気性試験及び発芽試験の各試験を行なった。結果
を下記表1〜3に示す。
【0048】*耐浸食性試験 屋内恒温室に20℃、60%RHの条件で7日間放置し
た後、3.0mの高さより、雨量200mm/時で人口
雨による降雨試験を行なった。
【0049】試験開始後表面土壌の流出失開始までの時
間を測定し、更に、試験開始後3時間後の流出防止率
(流出防止率=残土量/試験前供試体土壌量)を測定し
た。
【0050】*土壌硬度測定 屋内恒温室に20℃、60%RHの条件で7日間放置し
た後、山中式土壌硬度計を用いて、土壌表面硬度を測定
した。
【0051】*通気性試験 耐浸食性試験と同様の供試体を作製し、屋内恒温室に2
0℃、60%RHの条件で24時間放置した後、供試体
の斜面に直角となるように、直径50mm、長さ300
mmのガラス円筒を150mm埋め込み、先端部に粉末
シリカゲルを取り付けて密閉した。24時間経過後、シ
リカゲルの重量を測定し、試験前のシリカゲル重量との
差を吸水量とした。試験前のシリカゲル重量に対する吸
水量の割合(%)を地中水分蒸発率として測定した。地
中水分蒸発率が高いものほど、通気性が良好といえる。
【0052】*発芽試験 上記各試験に用いたものと同様の供試体に、朝夕1日2
回散水し、2週間後の発芽状態を観察し、供試体の全面
積中の発芽した面積割合を求めた。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】以上の結果から明らかなように、本発明の
組成物により処理した土壌は、耐浸食性が良好で通気性
に優れ、しかも柔軟で植物の発芽、成育に悪影響のない
ものであることが判る。
【0057】実施例2 造成後の傾斜角度30度の斜面(東京都世田谷区)に、
製造例1で得た土壌安定化用組成物を、樹脂分量が約6
kg/100m2 となるように吹き付けを行なった(吹
き付け日:平成6年4月8日)。処理後の土壌は、風雨
等による浸食を受けず、播種後約5日目に発芽し、3週
間程度で全体が緑化された。
【0058】また、同様にして、製造例2で得た土壌安
定化用組成物を同様の傾斜地に吹き付けを行なったとこ
ろ、処理後の土壌は、風雨等による浸食を受けず、播種
後約7日目に発芽し、4週間程度で全体が緑化された。
【0059】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 17/32 C09K 17/32 H // C09K 101:00 (72)発明者 高橋 幸介 東京都港区虎ノ門3丁目20番4号 近代産 業株式会社内 (72)発明者 平仲 信明 沖縄県那覇市曙1丁目13番1号 豊伸開発 曙ビル403号 株式会社平仲内 (72)発明者 横江 新一 大阪府枚方市招提田近1丁目13番地 中央 理化工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリル酸アルキルエステル及びメタクリ
    ル酸アルキルエステルの少なくとも一種と、アミノ基含
    有アクリル系モノマーとを共重合して得られるカチオン
    性アクリル樹脂エマルジョンを含有することを特徴とす
    る土壌安定化用組成物。
  2. 【請求項2】葡匐性の茎で成育する植物の茎の切断物を
    配合してなる請求項1に記載の土壌安定化用組成物。
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