JPH08225490A - 芳香族カルボン酸の製造方法および触媒の回収方法 - Google Patents

芳香族カルボン酸の製造方法および触媒の回収方法

Info

Publication number
JPH08225490A
JPH08225490A JP7058069A JP5806995A JPH08225490A JP H08225490 A JPH08225490 A JP H08225490A JP 7058069 A JP7058069 A JP 7058069A JP 5806995 A JP5806995 A JP 5806995A JP H08225490 A JPH08225490 A JP H08225490A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heavy metal
oxidation
carboxylic acid
acid
amine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7058069A
Other languages
English (en)
Inventor
Ikuo Ito
育夫 伊藤
Keiichi Yokota
圭一 横田
Hiromichi Yamaguchi
浩通 山口
Toru Hasegawa
透 長谷川
Toshio Sato
利雄 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Air Water Inc
Original Assignee
Sumikin Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumikin Chemical Co Ltd filed Critical Sumikin Chemical Co Ltd
Priority to JP7058069A priority Critical patent/JPH08225490A/ja
Publication of JPH08225490A publication Critical patent/JPH08225490A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/584Recycling of catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 芳香族カルボン酸の製造に際し、重金属触媒
を簡便な操作により回収して循環使用する。 【構成】 アルキル、アシル、ホルミルの置換基を有す
る芳香族化合物および/またはその酸化中間体を脂肪族
カルボン酸を含有する溶媒中で、重金属化合物および臭
素化合物からなる触媒の存在下、分子状酸素により酸化
して芳香族カルボン酸を製造する方法において、酸化反
応液を固形状の酸化生成物と酸化反応母液とに固液分離
した後、酸化生成物を水および/または酸で処理し、酸
化生成物に含有される重金属化合物を浸出して得た溶液
を、2級および/または3級アミンで処理して重金属触
媒を回収し循環使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、脂肪族カルボン酸を
含有する溶媒中で、重金属化合物および臭素化合物から
なる触媒の存在下、分子状酸素によりアルキル、アシ
ル、ホルミルで置換された芳香族化合物および/または
その酸化中間体を酸化して芳香族カルボン酸を製造する
方法ならびに酸化反応の触媒として使用する重金属化合
物の回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族カルボン酸は、樹脂原料、染料・
顔料および医薬・農薬の原料として、工業的に重要な用
途を持っている。従来、芳香族カルボン酸の製造方法と
しては、アルキル、アシル等で置換された芳香族化合物
および/またはその酸化中間体を脂肪族カルボン酸を含
有する溶媒中で、重金属化合物および臭素化合物からな
る触媒の存在下、分子状酸素により酸化して芳香族カル
ボン酸を製造することは、例えば、神谷佳男著「有機酸
化反応−自動酸化の理論と応用−」(1973、技報
堂)により公知である。
【0003】また、上記酸化反応で得られる酸化反応液
は、固形状の酸化生成物と液状の酸化反応母液とに固液
分離したのち、酸化反応母液を酸化反応で繰返し使用す
ることも公知である。しかしながら上記の方法では、酸
化反応母液中に溶解している重金属化合物を、酸化反応
で繰返し使用することができるが、酸化生成物側つまり
固形物に移行した重金属化合物は、酸化反応で繰返し使
用することが不可能であり、何らかの操作を加える必要
があった。従来前記酸化反応液を固液分離して得られる
固形物中に含まれる重金属化合物の回収については、重
金属を炭酸塩または水酸化物等として分離回収する方法
が知られている。
【0004】上記の重金属を炭酸塩または水酸化物等と
して分離回収する方法は、酸化生成物を炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類
金属の炭酸塩、もしくは水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等の水溶液で溶解処理する。この溶解処理によって
酸化生成物は、アルカリ金属塩、もしくはアルカリ土類
金属塩として水に溶解するが、重金属は炭酸塩または水
酸化物を形成して水に不溶となる。上記方法は、この溶
解処理物中の水に不溶な重金属の炭酸塩、または水酸化
物等を固液分離により回収し、酸化反応で再使用するも
のである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記方法により回収さ
れる重金属の炭酸塩や水酸化物等は、粒子径が小さく、
固液分離に多大の労力を要するという問題点があった。
さらに炭酸塩を形成させる方法では、生成する炭酸ガス
により発泡を生じる等の問題点があり改善が望まれてい
た。
【0006】この発明の目的は、上記従来技術の欠点を
解消し、前記酸化反応液を固液分離して得られる固形物
中に含まれる重金属化合物を、固液分離を必要としない
で簡便な操作により回収し、循環使用できる芳香族カル
ボン酸の製造方法ならびに重金属触媒の回収方法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意試験研究を重ねた。その結果、液相
空気酸化により芳香族カルボン酸を製造する際、固形物
として得られる酸化生成物を水または酸を含有する水で
処理して酸化生成物に含有される重金属化合物を浸出
し、得た重金属化合物を含有する水溶液をアミンで処理
することにより、酸化反応母液と合わせて、繰り返し酸
化反応で使用できることを見出し、この発明に到達し
た。
【0008】すなわちこの発明は、アルキル、アシル、
ホルミルの置換基を有する芳香族化合物および/または
その酸化中間体を脂肪族カルボン酸を含有する溶媒中
で、重金属化合物および臭素化合物からなる触媒の存在
下、分子状酸素により酸化して芳香族カルボン酸を製造
する方法において、酸化反応液を固形状の酸化生成物と
酸化反応母液とに固液分離した後、酸化生成物を水およ
び/または酸で処理し、酸化生成物に含有される重金属
化合物を浸出して得た溶液を、2級および/または3級
アミンで処理して重金属触媒を回収し循環使用すること
を特徴とする芳香族カルボン酸の製造方法である。
【0009】また、この発明は、アルキル、アシル、ホ
ルミルの置換基を有する芳香族化合物および/またはそ
の酸化中間体を脂肪族カルボン酸を含有する溶媒中で、
重金属化合物および臭素化合物からなる触媒の存在下、
分子状酸素により酸化して芳香族カルボン酸を製造する
に際し、酸化反応液を固形状の酸化生成物と酸化反応母
液とに固液分離した後、酸化生成物を水および/または
酸で処理し、酸化生成物に含有される重金属化合物を浸
出して得た溶液を2級、および/または3級アミンで処
理することを特徴とする重金属触媒の回収方法である。
【0010】
【作用】この発明においては、酸化反応液を固形状の酸
化生成物と酸化反応母液とに固液分離した後、酸化生成
物を水および/または酸で処理し、酸化生成物に含有さ
れる重金属化合物を浸出して得た溶液を、2級および/
または3級アミンで処理して重金属触媒を回収し、循環
使用することによって、重金属触媒の使用量が低減し、
芳香族カルボン酸を安価に製造することができる。
【0011】また、この発明においては、酸化反応液を
固形状の酸化生成物と酸化反応母液とに固液分離した
後、酸化生成物を水および/または酸で処理し、酸化生
成物に含有される重金属化合物を浸出して得た溶液を2
級、および/または3級アミンで処理することによっ
て、酸化生成物に含有される重金属触媒を、従来のよう
な炭酸塩等として固液分離することなく、液々分離によ
って回収でき、重金属触媒の回収操作が極めて簡便に行
うことができる。アミンを用いて有機酸を酸性水溶液か
ら抽出することは、例えば、イェ・ア・マズレンコ著
「溶媒抽出便覧」(1974、新日本鋳鍛造協会)等に
より知られている。しかし、前記溶媒抽出便覧では、液
相空気酸化による芳香族カルボン酸の製造に使用された
重金属触媒のうち、酸化生成物に含有される重金属化合
物を水および/または酸で浸出してアミン処理すること
により回収することは知られていない。
【0012】この発明における出発原料は、アルキル
基、アシル基、ホルミル基で置換された芳香族化合物、
またはその酸化中間体であり、これらを単独で、あるい
は両者を混合して用いることもできる。芳香族化合物と
しては、ナフタレン骨格、アセナフテン骨格、フェナン
トレン骨格、アントラセン骨格等が挙げられるが、この
うち、ナフタレン骨格およびアセナフテン骨格を有する
芳香族化合物が特に好ましい。置換基としては、アルキ
ル基、アシル基、ホルミル基の酸化反応を行なうことに
よって、芳香族カルボン酸に導くことのできるものであ
り、2個のアルキル置換基が結合して環を形成したもの
(例えば、アセナフテン)もこの中に含まれ、置換基の
数は、少なくとも1以上である。この発明における酸化
中間体とは、芳香族化合物の酸化によって生成した中間
体で、さらに酸化反応を行なうことにより芳香族カルボ
ン酸に導くことのできる化合物の総称である。
【0013】この発明における芳香族化合物としては、
ナフタレン骨格にアルキル基、アシル基、ホルミル基の
置換基を1以上有する化合物(以下置換ナフタレンとい
う)、アセナフテン、アセナフテン骨格にアルキル基、
アシル基、ホルミル基の置換基を1以上有する化合物
(以下置換アセナフテンという)で、例えば、1−メチ
ルナフタレン、2−メチルナフタレン、アセナフテン、
1−エチルナフタレン、2−エチルナフタレン、1−イ
ソプロピルナフタレン、2−イソプロピルナフタレン、
1−ホルミルナフタレン、2−ホルミルナフタレン、
1,2−ジメチルナフタレン、1,3−ジメチルナフタ
レン、1,4−ジメチルナフタレン、1−メチル−4−
アセチルナフタレン、1−メチル−4−ホルミルナフタ
レン、1,5−ジメチルナフタレン、1,6−ジメチル
ナフタレン、1,7−ジメチルナフタレン、1,8−ジ
メチルナフタレン、2,3−ジメチルナフタレン、2,
6−ジメチルナフタレン、2−メチル−6−アセチルナ
フタレン、2−メチル−6−ホルミルナフタレン、2,
7−ジメチルナフタレン、2−メチル−7−アセチルナ
フタレン、2−メチル−7−ホルミルナフタレン、2,
6−ジエチルナフタレン、2,7−ジエチルナフタレ
ン、2,6−ジイソプロピルナフタレン、2,7−ジイ
ソプロピルナフタレン、1,2,5−トリメチルナフタ
レン、1,2,8−トリメチルナフタレン、1,3,5
−トリメチルナフタレン、1,3,8−トリメチルナフ
タレン、1,4,5−トリメチルナフタレン、1,6,
7−トリメチルナフタレン、5−アセチルアセナフテ
ン、5−ホルミルアセナフテン、1,4,5,8−テト
ラメチルナフタレン、5,6−ジメチルアセナフテン等
を挙げることができる。この発明方法は、上記芳香族化
合物のうち、1,4−ジメチルナフタレン、1,5−ジ
メチルナフタレン、1,8−ジメチルナフタレン、1,
4,5−トリメチルナフタレン、5−アセチルアセナフ
テン、1,4,5,8−テトメチルナフタレン、5,6
−ジメチルアセナフテンに対して、とりわけ1,4,
5,8−テトラメチルナフタレン、および/または5,
6−ジメチルアセナフテンに対して適用する場合にその
効果を顕著に発揮することができる。
【0014】この発明における脂肪族カルボン酸溶媒と
しては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ギ酸、お
よびブロモ酢酸等を挙げることができるが、このうち酢
酸が最も好ましく、水や芳香族炭化水素など他の溶媒で
希釈されていても良い。脂肪族カルボン酸溶媒の使用量
は、酸化反応後、固形物である酸化生成物と酸化反応母
液に固液分離できれば良く、特に制限はない。
【0015】この発明で触媒として用いる重金属化合物
は、特に制限されるものではないが、例えば、コバル
ト、マンガン、セリウム、ニッケル、鉄、クロム等の酢
酸塩、プルピオン酸塩、水酸化物、炭酸塩、臭化物等が
挙げられるが、これらは単独または2種以上を組み合せ
て用いることができる。この中では、特にコバルト化合
物および/またはマンガン化合物が好適である。この発
明における重金属化合物の使用量は、原料の芳香族化合
物1モルに対して、0.005〜10グラム原子、好ま
しくはで0.02〜3グラム原子の範囲である。
【0016】この発明で重金属化合物と組み合せて用い
る臭素化合物としては、例えば、アルカリ金属臭化物、
アルカリ土類金属臭化物、臭化水素、臭化水素酸、分子
状臭素等の無機臭素化物、あるいは臭化エチル、ブロモ
ホルム、ブロモ酢酸等の有機臭素化合物を挙げることが
できる。この発明における臭素化合物の使用量は、その
臭素原子のグラム原子数が重金属化合物の合計グラム原
子数に対して0.1〜10倍、好ましくは0.2〜5倍
の範囲である。
【0017】この発明における分子状酸素としては、空
気、純酸素の他、純酸素を不活性ガスで希釈したものも
使用できるが、通常は空気を用いるのが経済的である。
この発明における酸化反応は、回分式、半回分式あるい
は連続式のいずれの方法でも行なうことができる。ま
た、この発明においては、酸化反応液を固液分離し、酸
化生成物である固形物を酸化反応母液から分離する。酸
化反応温度で酸化生成物が固形物として存在する場合
は、酸化反応液をそのまま固液分離することも可能であ
るが、通常は酸化反応液を冷却したのち固液分離する。
固液分離の方法としては、いずれの方法も採用でき、例
えば、遠心濾過機、遠心沈降機、フィルタープレス、ベ
ルト型フィルター等を挙げることができる。固液分離で
得られる酸化生成物は、さらに酸化反応溶媒、例えば、
酢酸等で洗浄することによって、純度を向上させること
も可能である。
【0018】この発明における酸化反応物からの重金属
化合物の浸出は、酸化反応液を固液分離して得られる酸
化生成物を水または酸を含む水で浸出処理し、酸化生成
物に含有される重金属化合物を水または酸を含む水側に
移行させる。この浸出処理は、例えば、酸化生成物に水
または酸を含む水を加えてスラリー状としたのち撹拌す
る方法、酸化反応液の固液分離工程でリンスする方法等
いずれも採用することができる。この浸出処理における
水または酸を含む水の使用量は、浸出処理が円滑に行な
える量であればよく、特に限定されないが、通常は酸化
生成物重量の0.5重量倍以上である。浸出処理で水と
ともに使用する酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水
素酸等の鉱酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸等の有
機酸を挙げることができるが、この中では、特に臭化水
素酸、酢酸が好適である。水に可溶な重金属化合物は、
水のみで浸出することができるが、水に不溶な重金属化
合物は浸出することができない。水に不溶な重金属化合
物の場合は、水に酸を加えて使用することによって、重
金属化合物が分解して重金属が水溶液側に移行すること
が可能となるので、酸を含む水で浸出処理するのが好ま
しい。
【0019】酸化生成物中に含まれる重金属化合物の形
態は、明らかではないが、酸化反応によって芳香族環が
酸化開裂して生じる多塩基カルボン酸と、触媒として使
用している重金属との塩、もしくは錯体であると推定し
ている。多塩基カルボン酸のうち、ベンゼントリカルボ
ン酸、ベンゼンテトラカルボン酸等のベンゼンポリカル
ボン酸(以下BPCAという)と酸化触媒として用いる
重金属との塩もしくは錯体は、水に可溶な重金属化合物
であり、一方、1,4,5,8−ナフタレンテトラカル
ボン酸と重金属との塩もしくは錯体は、水に不溶な重金
属化合物であると考えられる。水に加える酸の使用量
は、酸化生成物に含有される水に不溶な重金属化合物の
価数にもよるが、水に不溶な重金属化合物のグラム原子
数に対して1グラム原子以上が好ましく、2グラム原子
以上がさらに好ましい。浸出処理の温度は、常温でよ
く、逆に高温では浸出液から不溶物が生成することがあ
るため好ましくないことがある。このように浸出処理し
て得られる浸出残滓である固形物は、必要に応じて精製
操作を加えた後乾燥することにより芳香族カルボン酸と
なる。
【0020】上記浸出処理で得られた重金属と多塩基カ
ルボン酸とからなる重金属化合物が溶解している水溶液
(以下浸出液という)は、次いでアミン処理する。アミ
ン処理に使用するアミンとしては、例えば、ジオクチル
アミン、ビス(2−エチルヘキシル)アミン、ジオクタ
デシルアミン等の2級アミン、ジメチルオクチルアミ
ン、ジメチルデシルアミン、ジメチルドデシルアミン、
ジメチルテトラデシルアミン、ジメチルヘキサデシルア
ミン、ジメチルオクタデシルアミン、ジドデシルモノメ
チルアミン、トリオクチルアミン、トリス(2−エチル
ヘキシル)アミン等の3級アミンを挙げることができる
が、ジオクチルアミン、ビス(2−エチルヘキシル)ア
ミン等の2級アミン、トリオクチルアミン、ジドデシル
モノメチルアミン等の3級アミンが好ましい。
【0021】使用するアミンが液体の場合は、そのまま
使用することも可能であるが、アミンが固体の場合ある
いはアミンが液体であっても、粘度、比重を調整するた
めに通常溶媒で希釈して使用するのが一般的である。ア
ミンの希釈に使用する溶媒としては、アミンを希釈でき
ればよく、特に限定されるものではないが、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘプタン、オ
クタン等の脂肪族炭化水素を挙げることができる。アミ
ン処理で必要とするアミンの量は、種々の要因、特に処
理温度、酸化反応液の浸出処理液中の酸の量(浸出処理
で加えた酸を含む)と濃度、分離段階の数、滞留時間等
に依存するが、通常は浸液中の酸の量に対して過剰に使
用する。アミン抽出での温度範囲は、使用するアミン、
溶媒等の種類によって異なるが、70℃を超える温度で
はアミン処理時に沈殿物が生成することがあり好ましく
ないので、通常0〜70℃の範囲である。
【0022】アミン処理に使用する設備としては、浸出
液(抽料)とアミン(アミンと溶媒の混合物、抽剤)の
接触が円滑に行なわれ、その後静置により抽出液と抽残
液との液々分離が実施できるものであれば、どのような
ものでも使用でき、ミキサーセトラー抽出器、多孔板抽
出塔、撹拌式段型抽出塔、遠心抽出機等を例示すること
ができる。また、抽出処理は、1段処理でも問題ない
が、理論段数2〜3段の充填塔、棚段塔等を使用するの
が好ましい。このアミン処理により浸出液中に含まれる
酸化触媒成分である重金属は、抽残液に残存し、酸化反
応で副生した多塩基カルボン酸類は抽出液に移行する。
重金属を含有する抽残液は、必要により濃縮等の処理を
加えて水を留去したのち、酸化反応の触媒として使用す
る。アミン処理の抽出液は、通常使用したアミンを回収
する操作を加え繰り返し使用する。アミンの回収方法と
しては、通常アルカリ水溶液による処理が行われる。ア
ミン処理の抽出液にアルカリ水溶液を加えて抽出処理
(以下これを逆抽出という)を行なうと、アミン処理の
抽出液に含まれていた酸化反応で副生したカルボン酸類
およびその他の酸類はアルカリ水溶液側に移行し、これ
らの酸類を含有しないアミンが再生される。逆抽出で使
用するアルカリ水溶液としては、種々のものが使用でき
るが、苛性ソーダ、苛性カリ等の苛性アルカリの水溶
液、消石灰等の苛性アルカリ土類の水溶液、アンモニア
水等が挙げられる。逆抽出処理で必要とするアルカリ
(塩基)の量は、操作条件によって変動するが、一般的
にはアミン処理の抽出液の塩基当量以上とすれば良い。
なお、逆抽出を行なう前には、アミン処理の抽出液を予
め水洗しておけば逆抽出処理操作が円滑に実施できるの
で好ましい。
【0023】
【実施例】
実施例1 還流冷却器付きのガス排出管、ガス吹込み管、原料連続
送入ポンプおよび撹拌器を有する内容積500mlのチ
タン製オートクレーブに、酢酸225g、酢酸コバルト
・4水和物24.9g(0.1グラム原子)、酢酸マン
ガン・4水和物24.9g(0.1グラム原子)、臭化
カリウム8.93g(0.075グラム原子)を仕込ん
だ。このチタン製オートクレーブ中の触媒液を、温度2
00℃、圧力30Kg/cm2・Gの条件下で撹拌しなが
ら、1,4,5,8−テトラメチルナフタレン(以下
1,4,5,8−TMNという)60重量%と5,6−
ジメチルアセナフテン(以下5,6−DMAという)4
0重量%の割合で混合した混合物20.64g(0.1
125モル)および空気を連続的に1.3時間かけて送
入し、酸化反応を行なった。酸化反応液は、反応終了
後、常温まで冷却したのち取り出し、吸引濾過して酸化
により生成した固形物(以下酸化生成物という)と酸化
反応母液に固液分離した。
【0024】分離した酸化生成物は、酸化生成物と同量
の約65gの酢酸でリンスし、リンス液は酸化反応母液
に加えた。酢酸リンス液を加えた酸化反応母液は、蒸留
に付して酸化反応により副生した水および加えた酢酸リ
ンス液中の酢酸を留去し、濃縮母液とした。酢酸でリン
スした酸化生成物は、酸化生成物と同量の約65gの水
でリンスした後、酸化反応で仕込んだ重金属触媒(コバ
ルト、マンガン)のグラム当量数の15%に相当するグ
ラム当量数の臭化水素酸(47重量%臭化水素酸として
約6.9g)を含有する酸化生成物と同量の約65gの
水溶液でリンスした。次いで酸化生成物は、酸析により
精製して乾燥し、目的物である1,4,5,8−ナフタ
レンテトラカルボン酸(以下1,4,5,8−NTCA
という)を得た。これをガスクロマトグラフで分析し、
収率を求めた。その結果を表1に示す。
【0025】水リンス液および臭化水素酸水溶液リンス
液を合わせたリンス水は、以下の方法でアミン処理を行
なった。すなわち、リンス水のアミン処理は、リンス水
にジドデシルモノメチルアミン(以下DLMAという、
花王(株)製、商品名ファーミンM2−20)を40重
量%含有するキシレン溶液(以下これをアミン抽剤とい
う)350gを加え、酢酸(約10g)を加えて水層の
pHを4.5〜4.6に調整した後、常温で10分間撹
拌して抽出処理を行い、撹拌後静置して水層の抽残液と
油層の抽出液に分離した。抽残液は、発光分光分析法に
より分析して重金属(コバルト、マンガン)含有量を測
定し、リンス水に対する回収率を求めた。また、抽残液
は、高速液体クロマトグラフィー(High Perf
ormance Liquid Chromatogr
aphy.以下HPLCという)により分析してBPC
Aの含有率(ピロメリット酸換算)を測定し、リンス水
に対する除去率(抽出率)を求めた。その結果を表1に
示す。
【0026】次いで、抽残液を濃縮して水を留去した残
渣は、濃縮母液に加えて酸化反応母液リサイクル液を得
た。この酸化反応母液リサイクル液は、分析して重金属
(コバルト、マンガン)および臭素の含有量を求め、酸
化反応時の仕込み量に対する触媒回収率を算出した。そ
の結果を表1に示す。一方、抽出液は、水50gで洗浄
したのち、濃度20重量%の水酸化ナトリウム水溶液を
加えて水層のpHを13に調整し、常温で10分間撹拌
することによって逆抽出処理を行なった。逆抽出処理後
の処理液は、静置して水層の抽残液(廃水)と油層の抽
出液に分離した。分離した抽出液は、水50gで洗浄し
たものを回収アミン抽剤とする。この回収アミン抽剤
は、エタノール性塩酸溶液で中和滴定してアミン価(試
料1gを中和するのに要する塩酸に当量のKOHのmg
数で表したもの)を求めた。その結果を表1に示す。
【0027】実施例2 実施例1で使用したオートクレーブに実施例1(これを
リサイクル0回目と称する)で得られた酸化反応母液リ
サイクル液を仕込み、酸化反応母液リサイクル液中のコ
バルト、マンガン、臭素の含有量が実施例1に比して不
足している場合は、実施例1と同量の仕込み量となるよ
うに、酢酸コバルト・4水和物、酢酸マンガン・4水和
物、臭化カリウムを追加して触媒液を調整した。しかる
後、実施例1と同条件で同様な操作を行った。なお、ア
ミン抽剤は、実施例1で得られた回収アミン抽剤をリサ
イクル1回目と称し、以下、上記と同様な操作をリサイ
クル7回目となるまで繰り返した。得られた結果は、実
施例1と同様に表1にまとめて示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1に示すとおり、この発明方法によれ
ば、酸化生成物に含まれる重金属触媒を高収率で回収で
きると共に、BPCAを高除去率で除去でき、かつ、回
収した重金属触媒を循環使用して収率を低下させること
なく1,4,5,8−NTCAを製造することができ
た。
【0030】実施例3〜10、比較例1〜4 実施例1と同条件で同様の酸化を行い、酸化反応液は、
常温まで冷却して取り出し、吸引濾過して酸化生成物と
酸化反応母液に固液分離した。酸化生成物は、酸化生成
物と同量の約65gの酢酸でリンスした。酢酸でリンス
した酸化生成物は、酸化生成物と同量の約65gの水で
リンスした後、酸化反応で仕込んだ重金属触媒(コバル
ト、マンガン)のグラム当量数の15%に相当するグラ
ム当量数の表2に示す臭化水素酸、硝酸のいずれか一種
類の酸を含む酸化生成物と同量の約65gの水溶液でリ
ンスした。水リンス液および酸リンス液を合わせてたリ
ンス水は、以下の方法でアミン処理を行った。すなわ
ち、リンス水のアミン処理は、リンス水20gに実施例
1のDLMAに替えて表2に示す3級アミン、2級アミ
ン、および1級アミンのいずれか一種類のアミンを40
重量%含有するキシレン溶液20gを加え、常温で10
分間撹拌して抽出処理を行った。抽出処理液は、撹拌後
静置して水層の抽残液と油層の抽出液に分離した。抽残
液は、発光分光分析法によって分析し、重金属(コバル
ト、マンガン)含有量を測定し、リンス水に対する回収
率(抽残率)を求めた。また、抽残液は、HPLCによ
り分析してBPCAの含有量(ピロメリット酸換算)を
測定し、リンス水に対する除去率(抽出率)を求めた。
その結果を表2にまとめて示す。
【0031】
【表2】
【0032】表2に示すとおり、酸化生成物に含まれる
重金属触媒の回収に1級アミンを使用した比較例1〜4
の場合は、何れも重金属触媒の回収ができなかった。こ
れに対し2級あるいは3級アミンを使用した実施例3〜
10の場合は、何れも高い歩留で重金属触媒を回収でき
ると共に、BPCAを高除去率で除去することができ
た。
【0033】
【発明の効果】以上述べたとおり、この発明によれば、
酸化反応生成物に含有される重金属触媒を、従来から行
なわれている炭酸塩等として固液分離するのではなく、
液々分離による簡便な操作によって回収でき、重金属触
媒の原単位が低減して芳香族カルボン酸を安価に製造す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 長谷川 透 茨城県鹿島郡鹿島町大字光3番地 住金化 工株式会社開発研究所内 (72)発明者 佐藤 利雄 茨城県鹿島郡鹿島町大字光3番地 住金化 工株式会社開発研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキル、アシル、ホルミルの置換基を
    有する芳香族化合物および/またはその酸化中間体を脂
    肪族カルボン酸を含有する溶媒中で、重金属化合物およ
    び臭素化合物からなる触媒の存在下、分子状酸素により
    酸化して芳香族カルボン酸を製造する方法において、酸
    化反応液を固形状の酸化生成物と酸化反応母液とに固液
    分離した後、酸化生成物を水および/または酸で処理
    し、酸化生成物に含有される重金属化合物を浸出して得
    た溶液を、2級および/または3級アミンで処理して重
    金属触媒を回収し循環使用することを特徴とする芳香族
    カルボン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 酸化生成物に含有される重金属化合物を
    浸出して得た溶液をアミンで処理し、得られたアミン抽
    出液をアルカリ溶液で逆抽出することによりアミンを再
    生して繰返し使用することを特徴とする請求項1記載の
    芳香族カルボン酸の製造方法。
  3. 【請求項3】 芳香族化合物が置換ナフタレンおよび/
    または置換アセナフテンであり、芳香族カルボン酸がナ
    フタレンカルボン酸であることを特徴とする請求項1〜
    2記載の芳香族カルボン酸の製造方法。
  4. 【請求項4】 置換ナフタレンおよび/または置換アセ
    ナフテンが1,4,5,8−テトラメチルナフタレンお
    よび/または5,6−ジメチルアセナフテンであり、芳
    香族カルボン酸が1,4,5,8−ナフタレンテトラカ
    ルボン酸、および/または1,4,5,8−ナフタレン
    テトラカルボン酸無水物であることを特徴とする請求項
    3記載の芳香族カルボン酸の製造方法。
  5. 【請求項5】 アルキル、アシル、ホルミルの置換基を
    有する芳香族化合物および/またはその酸化中間体を脂
    肪族カルボン酸を含有する溶媒中で、重金属化合物およ
    び臭素化合物からなる触媒の存在下、分子状酸素により
    酸化して芳香族カルボン酸を製造するに際し、酸化反応
    液を固形状の酸化生成物と酸化反応母液とに固液分離し
    た後、酸化生成物を水および/または酸で処理し、酸化
    生成物に含有される重金属化合物を浸出して得た溶液
    を、2級および/または3級アミンで処理することを特
    徴とする重金属触媒の回収方法。
  6. 【請求項6】 酸化生成物に含有される重金属化合物を
    浸出して得た溶液をアミンで処理し、得られたアミン抽
    出液をアルカリ溶液で逆抽出することによりアミンを再
    生し、繰返し使用することを特徴とする請求項5記載の
    重金属触媒の回収方法。
  7. 【請求項7】 芳香族化合物が置換ナフタレンおよび/
    または置換アセナフテンであり、芳香族カルボン酸がナ
    フタレンカルボン酸であることを特徴とする請求項5〜
    6記載の重金属触媒の回収方法。
  8. 【請求項8】 置換ナフタレンおよび/または置換アセ
    ナフテンが1,4,5,8−テトラメチルナフタレンお
    よび/または5,6−ジメチルアセナフテンであり、芳
    香族カルボン酸が1,4,5,8−ナフタレンテトラカ
    ルボン酸、および/または1,4,5,8−ナフタレン
    テトラカルボン酸無水物であることを特徴とする請求項
    7記載の重金属触媒の回収方法。
JP7058069A 1995-02-21 1995-02-21 芳香族カルボン酸の製造方法および触媒の回収方法 Pending JPH08225490A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7058069A JPH08225490A (ja) 1995-02-21 1995-02-21 芳香族カルボン酸の製造方法および触媒の回収方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7058069A JPH08225490A (ja) 1995-02-21 1995-02-21 芳香族カルボン酸の製造方法および触媒の回収方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08225490A true JPH08225490A (ja) 1996-09-03

Family

ID=13073622

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7058069A Pending JPH08225490A (ja) 1995-02-21 1995-02-21 芳香族カルボン酸の製造方法および触媒の回収方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08225490A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101169469B1 (ko) 카복실산의 합성시 모액으로부터 불순물을 제거하는 추출방법
US7494641B2 (en) Extraction process for removal of impurities from an oxidizer purge stream in the synthesis of carboxylic acid
US7410632B2 (en) Extraction process for removal of impurities from mother liquor in the synthesis of carboxylic acid
US4902828A (en) Recovery of aqueous glyoxylic acid solutions
EP1484305A1 (en) Extraction process for removal of impurities from an aqueous mixture
EP2450342B1 (en) Process for production of a dried carboxylic acid cake suitable for use in polyester production
EP0181127B1 (en) Recovery of metal catalyst residues and other useful products from therephthalic acid production
CA2315151A1 (en) Method to produce aromatic carboxylic acids
US3959449A (en) Method of recovering heavy metal [-bromine] bromides and hydrobromic acid catalysts for liquid-phase oxidation [catalyst]
US7452522B2 (en) Extraction process for removal of impurities from an oxidizer purge stream in the synthesis of carboxylic acid
JPH08225490A (ja) 芳香族カルボン酸の製造方法および触媒の回収方法
JP2557598B2 (ja) カテコール類の製法
US3525762A (en) Purification and recovery of cobalt-containing catalysts
JP2894415B2 (ja) 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルの製造方法
US3711539A (en) Nonsolvent air oxidation of p-xylene
US3875020A (en) Extractive recovery of palladium catalyst in the presence of nitric acid from the residue of an aryl ester distillation
JP2001039913A (ja) ビナフトールの精製方法
JPH11240852A (ja) ヘテロポリ酸触媒の分離回収方法
JP2899927B2 (ja) 精製テレフタル酸の製造方法
JPH11165079A (ja) 液相空気酸化反応における酢酸回収方法および触媒回収方法
JPH0791211B2 (ja) カルボン酸の製造方法
JP4069531B2 (ja) ビフェニル−2−カルボン酸の製造方法
US3642884A (en) Process for purifying terephthalic acid
JPS5951337B2 (ja) ヘテロポリ酸触媒の回収法
JPH08143503A (ja) ナフトアルデヒドの製造方法