JPH0791211B2 - カルボン酸の製造方法 - Google Patents

カルボン酸の製造方法

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JPH0791211B2
JPH0791211B2 JP2158999A JP15899990A JPH0791211B2 JP H0791211 B2 JPH0791211 B2 JP H0791211B2 JP 2158999 A JP2158999 A JP 2158999A JP 15899990 A JP15899990 A JP 15899990A JP H0791211 B2 JPH0791211 B2 JP H0791211B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、塗料原料,重合触媒,樹脂添加剤,溶剤,木
材防腐剤などに用いられるカルボン酸の製造方法に関
し、詳しくは触媒を効率良く再生して触媒の有効利用を
図るとともに、再生触媒が高活性を維持し、安定して反
応し、しかも副反応が少なく、経済性高く高純度のカル
ボン酸を製造する方法に関する。
さらに本発明は、このようにして得られたカルボン酸よ
り、効率良くカルボン酸のアルカリ塩を製造する方法に
関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来より、強酸中において、オレフィン,アルコール又
は炭化水素に、一酸化炭素と水を反応させて、第三級カ
ルボン酸を製造することが知られている(特公昭48−20
530号公報,特公昭48−35055号公報,特公昭49−3511号
公報など)。
これらの方法においては、オレフィンのC=C二重結合
1モルに対して、触媒中の硫酸を3モル以上と多量に用
いるため、触媒液を触媒活性を低下させずに反復使用す
ることは、この反応を工業的に実施する為には極めて重
要なことである。また、使用済の触媒を廃棄すること
は、公害防止の面からも、経済的な面からも好ましくな
い。
したがって、触媒液を触媒活性を低下させずに反復使用
する方法の提供が強く要望されている。
しかし、一旦、水で希釈された触媒液(酸溶液)は、も
はや触媒作用をもたないために、その全量を濃縮回収し
ようとすると、濃縮コストが非常に高価なものとなり、
しかも、酸溶液中に存在する一価の銅イオンが加熱濃縮
の過程で酸化又は不均化されて触媒作用を失なってしま
うという問題もある。
そこで有機溶媒を用いて生成物を連続的に抽出し、触媒
液を連続的に使用する方法が提案されている(特開昭50
−123614号公報)。
しかし、通常、触媒液からの抽出液中には、抽出された
カルボン酸のモル数に比例した量の硫酸が錯体硫酸とし
て混入している。
このため、この方法においては、錯体硫酸を回収し、反
応系に循環して再使用するか、又は相当する硫酸量を補
充しなければ、触媒中の硫酸量が低下し、カルボニル化
活性を維持できないという欠点がある。また、通常、オ
レフィンがカルボニル化されるとすぐ、触媒中に存在す
る水により加水分解を受け、カルボン酸が生成するが、
この反応で消費した水(理論量水)を反応終了後に追加
しないと、硫酸濃度が維持できず、触媒活性が低下し
て、安定した反応が維持できないという欠点もある。
そこで本出願人は、有機溶媒を用いて生成物を抽出処理
して得られた抽出液を、理論量水で洗浄することによ
り、硫酸を回収し、この回収硫酸を反応系に循環して再
使用する方法を提案している(特開昭61−76434号公
報)。
この方法によれば、50回以上も触媒を反復使用すること
が可能となったものの、触媒の反復使用により、触媒中
に未抽出カルボン酸,副生中性油,硫黄化合物等が蓄積
し、徐々に触媒活性が低下することが避けられないとい
う問題点があった。
〔課題を解決するための手段〕
そこで、本発明者ら上記のような従来の問題点を解決す
るために鋭意研究を進めた結果、カルボニル化反応によ
り得られたカルボニル化反応生成物を、抽出処理してカ
ルボン酸を得るとともに、触媒の一部を抜き出し、抜き
出した触媒で水を希釈した後、再度抽出処理し、得られ
る再生触媒を反応系に循環して再使用することにより、
触媒中の未抽出油分を低減して、触媒を極めて高活性の
ものに維持でき、この結果、触媒コストを著しく低減で
きることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。
すなわち本発明は、硫酸水溶液からなる触媒、硫酸水溶
液およびリン酸からなる触媒、硫酸水溶液および金属酸
化物からなる触媒、ならびに硫酸水溶液,リン酸および
金属酸化物からなる触媒よりなる群から選択される触媒
の存在下で、オレフィンに一酸化炭素及び水を付加させ
て得たカルボニル化反応生成物を、抽出処理してカルボ
ン酸を得るとともに、触媒の一部を抜き出し、抜き出し
た触媒を水で希釈した後、再度抽出処理し、得られる再
生触媒を反応系に循環して再使用することを特徴とする
カルボン酸の製造方法を提供するものである。
さらに本発明は、上記方法により得られたカルボン酸
に、アルカリ金属水酸化物を加えることを特徴とするカ
ルボン酸のアルカリ塩の製造方法をも併せて提供するも
のである。
以下、本発明の方法を図面を参照しながら説明する。第
1図は、本発明の方法の一態様を示すフローシートであ
る。
第1図において、符号1は反応抽出槽であって、この反
応抽出槽1内に、原料(オレフィン,一酸化炭素及び
水)及び触媒を仕込んで、カルボニル化反応を行なう。
本発明の方法で用いる原料オレフィンは、モノオレフィ
ンであれば特に限定はないが、工業的製造の場合には、
比較的安価に得られるイソブチレンユニットを60重量%
以上の割合で含有するポリオレフィン混合物が好まし
い。
また、一酸化炭素は純粋なものが最も好ましいが、水性
ガス,発生炉ガス,コークス炉ガスなどから得られる一
酸化炭素含有ガスも使用することができる。
さらに、水は純粋なものを用いることが好ましく、例え
ば蒸溜水,イオン交換水などが好適に用いられる。
次に、本発明の方法で用いる触媒は、上記の如く、硫酸
水溶液からなる触媒、硫酸水溶液およびリン酸からなる
触媒、硫酸水溶液および金属酸化物からなる触媒、なら
びに硫酸水溶液,リン酸および金属酸化物からなる触媒
よりなる群から選択される触媒である。好ましいのは、
硫酸水溶液および金属酸化物からなる触媒、または硫酸
水溶液,リン酸および金属酸化物からなる触媒である。
本発明では、上記のような原料及び触媒を用いて、カル
ボニル化反応を行なう。
この場合の反応条件としては、反応温度は通常−10〜80
℃、好ましくは0〜30℃である。
また、反応圧力は通常0〜100kg/cm2G、好ましくは2〜
50kg/cm2Gであり、一酸化炭素分圧は0.1kg/cm2G以上で
ある。さらに、反応時間は通常、オレフィン供給終了
後、10〜120分間で充分である。
このような反応条件の下で、オレフィン,一酸化炭素及
び水が接触すると、原料オレフィンの炭素骨格が酸触媒
骨格転移を受け、原料オレフィンよりも炭素数が1つ多
い第三級カルボン酸混合物が得られる。なお、一部分は
中間体カルボカチオンの開裂、再結合により、種々の炭
素数のカルボン酸も生成する。
このようにしてカルボニル化反応が行なわれるが、本発
明の方法においては、このようにして得られたカルボニ
ル化反応生成物を、まず抽出処理する。具体的には、カ
ルボニル化反応が行なわれた反応抽出槽1内に、抽出溶
媒を加えた、抽出処理する。
ここで抽出溶媒としては、例えばペンタン,ヘキサン,
シクロヘキサン,ヘプタン,オクタン等の脂肪族炭化水
素、ベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香族炭化水
素、或いはジクロロメタン,クロロホルム,四塩化炭
素,トリクロロエチレン,トリクロロエタン等のハロゲ
ン化炭化水素などが用いられ、この抽出溶媒の添加によ
り、生成カルボン酸及び硫酸を抽出する。
これらの抽出溶媒のうち、ハロゲン化炭化水素は抽出力
は優れているが、高価であり、水に溶解した際の溶解ロ
スが多いとともに、回収時に分解し易く、さらに毒性の
面で好ましくない。また、芳香族炭化水素は抽出力は優
れているが、触媒存在時にオレフィンにより、一部が核
アルキル化を受けるので好ましくない。
従って、抽出力はこれらより劣るものの、価格が低廉で
あり、しかも毒性が低く、化学的に安定であることよ
り、脂肪族炭化水素が好ましく用いられ、特にヘキサン
が好適に用いられる。
なお、溶媒の使用量は通常、反応混合物の体積の0.1〜
5.0倍(容量倍)、好ましくは0.2〜2.0倍(容量倍)で
ある。
ここで溶媒の使用量が、反応混合物の体積の0.1倍(容
量倍)よりも小さいと抽出率が低くなり、また溶媒の使
用量が、反応混合物の体積の5.0倍(容量倍)よりも大
きいと溶媒回収コストが増大する。
このようにして抽出溶媒を添加された反応混合物を静置
分離し、抽出液のほぼ全量と触媒液の一部は、抽出液受
槽2に導かれる。
この抽出液中には、抽出されたカルボン酸量のモル数に
比例した量の硫酸が、錯体硫酸として混入している為、
これに錯体硫酸回収槽5で水を添加して洗い、カルボン
酸を含む油層と、硫酸(希硫酸)を含有する水層とに分
離する。
このようにして目的物であるカルボン酸を得るととも
に、硫酸を希硫酸として分離回収する。
なお、このようにして得られる希硫酸は、必要により、
硫酸濃縮槽4で廃水を分離して濃縮し、その後、反応抽
出槽1へフィードバックすればよい。
上記硫酸の分離回収の際に添加する水量は、カルボニル
化反応に消費された水量(理論水量)の0.3〜3倍であ
れば、ほぼ完全に錯体硫酸が回収できる。なお、このと
き、回収した希硫酸を、濃縮して再使用する場合や回収
せずに廃棄する場合は、添加水量は理論水量の3倍を超
えてもよい。
すなわち理論上は、錯体硫酸に理論水量を添加して洗浄
し、回収した希硫酸をそのまま触媒系に戻せば、硫酸と
水の物質収支が合うので、硫酸濃度は変化しないで、永
久的に触媒が反復使用できる筈である。しかし、実際上
は触媒中へカルボン酸や副生成物が逐次蓄積することに
より、カルボニル化活性は次第に低下してしまう。
すなわち、反応抽出槽1の下層の触媒は、反復使用する
ことにより、ピバリン酸等の軽質脂肪酸類が硫黄化合物
等の副生成物が逐次蓄積し、触媒が劣化する。これを防
ぐ為には、これらの油分をできるだけ触媒中から除去し
ておく必要がある。
本発明者らは、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素を用い
て各成分の抽出率を詳細に調べたところ、n−ヘキサン
等の脂肪族炭化水素自体は抽出力は劣るものの、水を添
加して触媒中の硫酸濃度、具体的には例えば{H2SO4/
(H2SO4+H2O)}×100(wt%)を80%以下に低下させ
ると、効率良く油分を抽出除去できることが判った。
すなわち、触媒として、硫酸65.1%,リン酸28.4重量%
および水6.5重量%からなる強酸混合物(この場合、上
記の定義による硫酸濃度は90.9重量%である。)108.0g
に、所定量の水を添加して、触媒中の硫酸濃度を種々の
ものとしたものを用い、n−ヘキサン26.6gによって抽
出したところ、カルボン酸混合物18.15g(92.0m mol)
中の各成分の抽出は、第2図の如き結果となり、上記し
た如く、触媒中の硫酸濃度を80%以下に低下させると、
効率良く油分(触媒中の全有機物、すなわちカルボン酸
および副生成物を指す。)を抽出除去できることが判っ
た。第2図は反応生成物の各成分の抽出率と硫酸濃度と
の関係を示したグラフである。
しかしながら、触媒の全量を水で一旦希釈すると、再び
カルボニル化活性を有するまで硫酸濃度を上げることは
困難である。
そこで本発明者らは、反応抽出槽1から、触媒の一部を
抜き出し、これを水で希釈した後、溶媒で再度抽出処理
し、この再抽出によって油分がほとんど除去された再生
触媒を、反応抽出槽1に戻すという方法を行なったとこ
ろ、全触媒中の油分蓄積が防止され、カルボニル化反応
を安定して行なうことができることが判った。
叙上のような事実から、本発明の方法では次のようにし
て触媒を再生する。
すなわち、反応抽出槽1の下層(水相)から、ピバリン
酸等の軽質分を含む触媒の一部を抜き出して抽出液受槽
2に導き、次に触媒洗浄槽3に導き、これを水で希釈し
た後、再度抽出溶媒を添加して、カルボン酸成分の再抽
出と触媒の再生を行なう。なお、残余の水相はそのまま
以後の反応に供すればよい。
ここで触媒の抜き出し量は、触媒に加えるべき水量及び
補充すべき濃硫酸濃度によって種々変わるが、全触媒量
のおよび5〜30重量%の範囲で任意に選択することがで
きる。
また、触媒を希釈する水量は、1バッチあたりに消費す
る水(理論量水)以下であることが必要である。要する
に水溶液中の硫酸濃度が70〜85%となるように、触媒の
抜き出し量を考慮して調整すればよい。
さらに、再抽出を用いる溶媒は、前記した抽出溶媒の中
から、最初の抽出に用いた溶媒と同一のものを選択して
用いてもよいし、或いはこれとは異なるものを用いても
よい。なお、溶媒の使用量は、抜き出した触媒量に応じ
て異なり、通常は、抽剤/触媒(体積比)=0.1〜50の
割合で用いればよい。
このようにして再抽出により得られたカルボン酸は、前
記抽出液受槽2から直接錯体硫酸回収槽5に導いて、錯
体硫酸を回収した後に、カルボン酸抽出液と、必要に応
じて合せてもよいし、別々に後処理してもよいが、いず
れにしても蒸留等の手段により精製されて、製品とな
る。
一方、このようにして触媒洗浄槽3に導かれて再生され
た再生触媒は、前記抽出液受槽2から反応抽出槽1にそ
のまま戻して再使用する触媒と合流して、反応抽出槽1
へフィードバックされ、再使用されることとなる。
叙上の如くして、触媒を効率良く再生して再使用するこ
とにより、高純度のカルボン酸を製造することが可能と
なる。
本発明の方法により得られるカルボン酸は、例えば炭素
数が5から17までの脂肪族第三級カルボン酸の混合物で
ある。
さらに、得られたカルボン酸に、アルカリ金属水酸化物
を加えれば、カルボン酸のアルカリ金属塩を製造するこ
とができる。
〔実施例〕
次に本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明の
範囲はこれにより何ら制限されるものではない。
実施例 第1図に示すフローシートに従って、次の4つの工程に
て行なった。
第1工程 すなわち、内径8cmの反応抽出槽(電磁誘導撹拌式1
オートクレーブ)1に、硫酸65.1重量%,リン酸28.4重
量%および水6.5重量%からなる強酸混合物540gと、酸
化第一銅13.2gを仕込み、15℃、一酸化炭素圧力15kg/cm
3Gで16時間撹拌して、酸化第一銅を溶解させて触媒溶液
とした。この際、次の反応式に示すように、酸化第一銅
は、一酸化炭素を吸収して、銅カルボニル錯体となる。
Cu2O+2H2SO4+6CO→2Cu+(CO)3HSO4 +H2O 第2工程 次に、一酸化炭素を13.7Nl/hrの割合で上記触媒液中に
吹き込み、1300rpmで撹拌しながら、出光石油化学
(株)製のC12ポリオレフィン(商品名:IP1620R)を90
分間かけて供給し、オレフィン供給終了後、60分間撹拌
を続けて反応させた。
第3工程 反応終了後、静置し、脱圧した後、n−ヘキサン200ml
を加え、継いで1300rpmで撹拌し、反応混合物をn−ヘ
キサン相に抽出した。抽出液のほぼ全量と、触媒液の一
部を抽出液受槽2に導き、次いで抽出液を錯体硫酸回収
槽5に導いた。これを8.27gの水で水洗して、カルボン
酸成分を得るとともに、希硫酸を回収した。この希硫酸
は硫酸濃縮槽4で濃縮し、再使用することもできる。
第4工程 次いで、反応抽出槽1内より、抽出液受受槽2に導かれ
た触媒相から64gの触媒を抜き出して、触媒洗浄槽3に
導き、残りの触媒は、反応抽出槽1にそのまま戻して再
利用した。触媒洗浄槽3中の64gの触媒に、8.27gの水を
加えて希釈した後、25mlのn−ヘキサンを用いて再抽出
を1回行なった。再抽出後の触媒相は反応抽出槽1に戻
した。また、このときのn−ヘキサン相中のカルボン酸
成分は、上記で得たn−ヘキサン相中のカルボン酸成分
と混合して回収した。微量の硫黄化合物を中和するため
に、少量の50重量%水酸化ナトリウム水溶液を加えた
後、n−ヘキサンの回収をし、粗製品を得た。さらに、
これを分別蒸留することにより、製品のカルボン酸を得
た。
上記第1工程から第4工程までの操作を21回繰り返し
た。
各バッチの反応成績は安定しており、カルボン酸収率,
錯体硫酸/カルボン酸比及び生成液中の硫黄分は、以下
の様になった。
・カルボン酸収率=100〜110mol% (カルボン酸収率とは原料オレフィン1mol当たりの抽出
されたカルボン酸のmol数) ・錯体硫酸/カルボン酸比=0.40〜0.50(当量比) ・生成液中の硫黄分:400wtppm以下 また、抽出液組成(第17バッチ目)を第1表に、カルボ
ニル化反応前の触媒組成(すなわち、触媒組成が安定し
た状態における触媒組成)を第2表に、第2表の触媒中
の油分の組成を第3表に、各成分の抽出率と全体の抽出
率を第4表に、それぞれ示す。
さらに、反応前触媒中の油分と触媒反復使用回数との関
係を第3図に示す。
比較例1 実施例に引続き、23〜36バッチ目は、上記第4工程の操
作を省略し、第3工程の操作で得られた回収希硫酸を、
触媒系にリサイクルして触媒を反復使用した。
各バッチの反応成績には触媒中の油分濃度の増加、
生成液中の硫黄分の増加、C10〜C13酸選択率の低下、
触媒中の油分組成における中性油、硫黄化合物の増加
が生じた。
カルボン酸収率,錯体硫酸/カルボン酸比及び生成液中
の硫黄分は、以下の様になった。
・カルボン酸収率=100〜110mol% (カルボン酸収率とは原料オレフィン1mol当たりの抽出
されたカルボン酸のmol数) ・錯体硫酸/カルボン酸比=0.40〜0.50(当量比) ・生成液中の硫黄分:500〜700wtppm (バッチが進むに従い増加傾向がみられた。
また、抽出液組成(第36バッチ目)を51表に、カルボニ
ル化反応前の触媒組成(第36バッチ目の反応前の触媒組
成)を第6表に、各成分の抽出率と全体の抽出率を第7
表に、それぞれ示す。
さらに、反応前触媒中の油分と触媒反復使用回数との関
係を第3図に示す。
上記の如く、再抽出操作を省略すると、ピバリン酸,C6
酸などの軽質カルボン酸抽出率が低くなり、それに影響
されたC7以上のカルボン酸抽出率も低下する。そのた
め、触媒中の油分増加、それに伴う副反応の増加を引き
起こす。
比較例2 実施例1において、再抽出を全く行わなかったこと以外
は、実施例1と同様にして行なった。
触媒中の油分は23重量%まで上昇した。このとき触媒体
積は約1.6倍にもなった。また、生成液中の硫黄分は、
バッチ毎に増加した。
反応終了後、触媒中の油分と触媒反復使用回数との関係
を第4図に示す。また、生成液中の硫黄分と触媒反復使
用回数との関係を第5図に示す。
〔発明の効果〕 本発明の方法によれば、触媒を効率良く再生,回収し、
反応系に循環して再使用するため、触媒の有効利用を図
ることができる。
したがって、触媒コストを低減させることができる。
しかも、本発明の方法によれば、触媒の活性が充分に維
持されているため、カルボニル化反応を安定して行なう
ことができる。
さらに、本発明の方法によれば、副反応が抑制されるの
で、高純度カルボン酸を効率良く、経済的に製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の方法の一態様を示すフローシートで
ある。図中、符号1は反応抽出槽,2は抽出液受槽,3は触
媒洗浄槽,4は硫酸濃縮槽,5は錯体硫酸回収槽を示す。 第2図は、反応生成物の各成分の抽出率と硫酸濃度との
関係を示したグラフである。 第3図は、反応前触媒中の油分と触媒反復使用回数との
関係を示すグラフである。 第4図は、反応終了後、触媒中の油分と触媒反復使用回
数との関係を示すグラフである。 第5図は、生成液中の硫黄分と触媒反復使用回数との関
係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07B 61/00 300

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硫酸水溶液からなる触媒、硫酸水溶液およ
    びリン酸からなる触媒、硫酸水溶液および金属酸化物か
    らなる触媒、ならびに硫酸水溶液,リン酸および金属酸
    化物からなる触媒よりなる群から選択される触媒の存在
    下で、オレフィンに一酸化炭素及び水を付加させて得た
    カルボニル化反応生成物を、抽出処理してカルボン酸を
    得るとともに、触媒の一部を抜き出し、抜き出した触媒
    を水で希釈した後、再度抽出処理し、得られる再生触媒
    を反応系に循環して再使用することを特徴とするカルボ
    ン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1の方法により得られたカルボン酸
    に、アルカリ金属水酸化物を加えることを特徴とするカ
    ルボン酸のアルカリ塩の製造方法。
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