JPH08225288A - プレキャストコンクリートブロックの吊上治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プレキャストコンクリートブロックの脱型時
等における重労働で危険を伴う点、や重機使用による煩
わしさ等を解決する。 【構成】 ブロックを両側で吊上げながら接地面を下に
回転させることのできる治具であって、該治具は両端に
ブロックの係止点又は支持点を支持する支持点と中間に
吊上点があり、該中間の吊上点は吊上ブロックの接地面
が下方へ回転する偏心位置に設けてなるプレキャストコ
ンクリートブロックの吊上治具である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プレキャストコンクリ
ートブロックの吊上治具に関するものであって、プレキ
ャストコンクリートブロックを吊上げながら接地面を下
に回転させることができるので、特に製造時、成形型か
ら製品を吊上げて取出したり、運搬時や保管時あるいは
施工時の接地面がそれぞれ異なる場合に吊上げて移動す
るのに用いて有用な吊上治具に関する。

【０００２】

【従来の技術】成形型中で固化したプレキャストコンク
リートブロックは、それを囲む複数の構成部材からなる
成形型から取出し、所定のストック位置までクレーン等
で搬送し、接地面を下にして置くこととなる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】プレキャストコンクリ
ートブロックの形状によっては成形型の構造上、ブロッ
クの接地面が成形型中で必ずしも下部に位置しないで、
成形型中の側面とか上面に位置する場合がある。このよ
うな成形型でブロック製品ができると、クレーン等で搬
送し、接地面を下にして置こうとしたとき、複数の人手
によって接地面を下に向けるとか、高重量物の場合には
重機の使用によるなどによって、90°あるいは180°回
転させている。また、施工現場においても高重量物のコ
ンクリートブロックの天地を逆にしなければならない場
合も多い。本発明は、コンクリートブロックの脱型時に
おけるこのような作業が重労働で危険を伴う点、あるい
は重機使用による煩わしさ等を解決することのできる吊
上治具を提供しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】ブロックを両側で吊上げ
ながら接地面を下に回転させることのできる治具であっ
て、該治具は両端にブロックの前記係止点又は支持点を
支持する支持点と中間に吊上点があり、該中間の吊上点
は脱型後あるいは施工時に吊上ブロックの接地面が下方
へ回転する偏心位置に設けたことを特徴とする。

【０００５】

【作用】本発明の吊上治具によると、成形型をブロック
の取出しに適した状態に解いた後、治具両端にある係止
点をブロックの係止点又は吊上点に係止し、偏心位置に
設けられた治具の吊上点をクレーン等で吊上げると、吊
上げに伴ってブロックの接地面が下方へ回転し、同時に
保管場所等へ搬送も可能となる。プレキャストブロック
の保管場所や施工場所等でも同様に接地面が下方でない
状態のものについては、吊上げながら接地面を下方に回
転させることができる。

【０００６】

【実施例】図１は本発明の一実施例の吊上治具１の使用
前の様子を示す図である。吊上治具１は吊上げるブロッ
ク２の両側部に装着して使用するために２個が一対でク
レーンフック３などに吊られて使用される。

【０００７】ブロック２はこの例では図２のように接地
面2aが成形型４の側面に存在するように成形されてい
る。脱型はこの成形型を構成している四方の構成壁を下
方のヒンジによって上方を開いて解くことにより可能と
なっている。ブロック２を吊上げ脱型する際に本発明の
吊上治具１を使用するが、この吊上治具１は、両端に係
止点1aと支持点1bと中間に吊上点1cがある。この例で示
すブロック２は植生ブロックであって両側にブロック上
方の穴2bと斜下方の突出筋2cがあり、前者を係止点、後
者を支持点として利用することができる。そこで、この
吊上治具１の係止点1aをブロック上方の穴2bに係止し、
支持点1bを斜下方の突出筋2cに外挿することができるよ
うに、治具１には、係止点1aが突起状、支持点1bが管状
となっている。吊上点1cはフック環3aの係止が可能な先
部に大径の頭を有する係止突起となっている。この吊上
点1cは脱型後吊上げるとブロックの接地面が下方へ回転
する偏心位置に設けている。吊上げ後の様子を図３の斜
視図と図４の側面図に示す。

【０００８】本発明の治具１の他の例を図５に示す。こ
の治具１は本体を三角形状にして、長さ方向両端部に係
止点1aと支持点1bを前記実施例と同様に設けている。吊
上点1cは三角形の残りの頂点付近に設けているので、こ
の吊上治具１を用いて脱型吊上げすると前述した吊上治
具が90°回転するのに比し、更に大きく回転して天地逆
になる180°回転する。もちろん、二点鎖線のように90
°回転用の吊上点1cを設けることも可能である。回転角
度は90°や180°に限定されるものではない。

【０００９】図６はプレキャストブロック２が集水桝の
例であって、(a)のように施工現場で接地面が上に向け
て置かれている場合に、本発明の治具１を用いて吊上
げ、回転させて(b)のように設置位置へ配置した様子を
示している。このような使用方法の場合、ブロック２は
従来のように脱型金具と称する吊上げ環が設置面側に設
けられ、脱型の際には従来通りに吊上げ環をクレーンの
フックに掛けて吊上げて成形型から外したブロックに使
用してもよい。

【００１０】

【発明の効果】本発明によってコンクリートブロックの
脱型時において、単に吊り上げるだけでブロックの接地
面が下方になるので、そのままストック位置まで移動さ
せて置くことができる。そこで作業がクレーン操作程度
に軽減されるし、危険な手作業の必要がなくなり安全性
も向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の吊上治具の使用前の様子を
示す図である。

【図２】吊上治具を成形されたコンクリートブロックへ
装着している様子を示す斜視図である。

【図３】コンクリートブロックが吊上げられて90°回転
した後の様子を示す斜視図である。

【図４】同側面図である。

【図５】吊上治具の他の例の斜視図である。

【図６】本発明の吊上治具の他の使用例を示す側面図で
あり、(a)は吊上前、(b)吊上配置後である。

【符号の説明】

１ 吊上治具 1a 係止点 1b 支持点 1c 吊上点 ２ ブロック 2a 接地面 2b ブロック上方の穴 2c 突出筋 ３ クレーンフック 3a フック環 ４ 成形型

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ブロックを両側で吊上げながら接地面を
   下に回転させることのできる治具であって、該治具は両
   端にブロックの係止点又は支持点を支持する支持点と中
   間に吊上点があり、該中間の吊上点は吊上ブロックの接
   地面が下方へ回転する偏心位置に設けてなるプレキャス
   トコンクリートブロックの吊上治具。