JP3018393U - 金型回転用治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 射出成形機用の金型を任意の姿勢となるよう
に回転させる。 【構成】 二つの面を直角に配置した金型搭載面と、円
弧と直線を組み合わせた接地部からなる同一形状の板２
枚を複数のリブにて平行に止め、また一端に重りを配し
自由状態では一方の該金型搭載面を水平に保持する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

射出成形機用の金型を、付属している部品若しくは金型自身に損傷を与える事 無く安全に回転させ、任意の姿勢にして吊り上げる為の回転用治具。

【０００２】

【従来の技術】

金型は保管や運搬の場合の姿勢と、射出成形機に取り付ける場合の姿勢が違う 場合が多く、運搬してきた金型を回転させ、取り付けに適した姿勢にしてから吊 り上げて射出成形機に取り付けている。重量にして５０ｋｇから２００ｋｇ位迄 の金型は人力で動かせる場合が多く、特に専用の回転装置を使用せず、床上でク レーンと当て板等を使用して人手により回転させ、射出成形機内に吊り入れてい た。また吊り下ろしの際にも同様の逆の操作を行っていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

然し重量があるので人力で完全に制御しきれず、金型より突き出ている付属の 冷却水の配管や付属のシリンダを不注意により破損したり、金型のコーナー部を 潰したりすることがあった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

射出成形機の金型を任意の姿勢に回転して吊り上げ、又は吊り下ろしてから任 意の姿勢に戻すの為の金型回転用治具であって、二つの面を直角に配置した金型 搭載面と円弧若しくは曲線と直線を組み合わせた接地部からなる構成とする。

【０００５】

【作用】

金型搭載面に金型を載せ、クレーンで金型の一部を引き上げたり引っ張ったり しながら、接地部に設けた円弧若しくは曲線に沿って金型を金型回転用治具に搭 載したまま転動させ、姿勢を変える。

【０００６】

【実施例】

図４は本考案による金型回転用治具１の斜視図である。直角に配置した金型搭 載面１０ａ，１０ｂと、接地部においては円弧１３ａと該円弧１３ａの両端の直 線１３ｂ，１３ｃとからなる同じ形状の板１１ａ，１１ｂを２枚用い、複数のリ ブ１２を溶接して平行に保持してある。１４は該金型回転用治具１を単独で自由 状態に放置した場合、金型搭載面１０ｂが常に水平となるように安定のために必 要に応じて設けた重りである。

【０００７】 図１は金型回転用治具１の金型搭載面１０ｂ上に金型１５ａを吊り下ろしたと ころを示す。この作業は金型搭載面１０ｂが水平であれば作業は容易となる。こ のため重量バランスにより直線の接地部１３ｂが床面と接触するように前記の重 り１４が設けてある。

【０００８】 図１，図２，図３は金型回転用治具１を使用する際の説明図である。図１は金 型１５を金型回転用治具１に搭載し、回転する前の状態を示す。２点鎖線の金型 １５ａは保管や運搬してきた金型１５をそのまま吊り上げて搭載した姿勢であり 、転倒し難く自重によりパーティング面１６が閉鎖して、塵芥等が内部に侵入し ないように配慮している。また金型１５ｂは射出成形機から下ろした際の姿勢で ある。図２は金型１５ａを回転させている状態の図である。図３は回転を完了し た状態の図である。

【０００９】 図１に於いて運搬してきた金型１５を射出成形機に取り付ける場合を説明する 。金型回転用治具１は床面に置けば重り１４の作用により自然に図１の状態を保 つ。金型１５は２箇所に螺合したアイボルトを利用して１５ａの如く吊り、金型 １５の回転した際に下になる面を金型搭載面１０ａに沿わせながら金型搭載面１ ０ｂ上に下ろす。

【００１０】 クレーンを緩め金型１５ａの左側（回転後下となる面）のワイヤー１９を１本 外す。この時金型１５の重心は金型回転用治具１の接地部の円弧１３ａと直線１ ３ｂの変曲点１７の右に有り重心は安定しており金型回転用治具１が転動するこ とは無い。次に図２の如くクレーンをゆっくり引き上げると金型１５は金型回転 用治具１と共に転動を始める。図２の転動の途中を経由して図３に至ると、その まま金型１５を吊り上げて射出成形機の金型取り付け面に取り付け可能となる。

【００１１】 また金型１５を射出成形機より外し保管の姿勢に戻すには、図１の金型１５ｂ の如く搭載する。この時溶融樹脂注入口１８は垂直になっている金型搭載面１０ ａと反対側に向ける。この場合には金型１５の重心は変曲点１７の左に有り、安 定していないので吊っているワイヤー１９を緩めればすぐに転動を始める。この ためワイヤー１９をゆっくり緩めて転動させると９０°回転した位置で停止する 。金型搭載面１０ｂ側のアイボルトにもう１本のワイヤーを掛け、ワイヤー１９ を２本用いて吊り上げる。

【００１２】 本考案の金型回転用治具は複数の形や重量の違う金型に併用可能である。この ため回転中の重心の移動を滑らかにするために接地部の円弧はこれ以外の曲線に 変えて効果を上げることも可能である。

【考案の効果】

従来は、比較的軽い人力で動かせる程度の金型は床に置いた当て板の上をクレ ーンを利用して直接回転して姿勢を変えていた。このため金型に突起物等が付属 していれば不注意で破損したり、金型のコーナー部を潰したりすることがあった 。本考案の金型回転用治具を使用することにより、安全で容易に金型を回転させ 、任意の姿勢で吊ることが出来るようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】金型回転用治具に金型を搭載し回転する前の状
態図。

【図２】金型回転用治具が回転途中の図。

【図３】金型回転用治具が回転完了した図。

【図４】金型回転用治具の斜視図。

【符号の説明】

１ 金型回転用治具 １０Ａ，１０ｂ 金型搭載面 １１ａ，１１ｂ 板 １２ リブ １３ 接地部 １４ 重り １５ 金型 １６ パーティング面 １７ 変曲点 １８ 溶融樹脂注入口 １９ ワイヤー

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 射出成形機の金型を任意の姿勢に回転し
   て吊り上げ、又は吊り下ろしてから任意の姿勢に戻すの
   為の金型回転用治具であって、二つの面を直角に配置し
   た金型搭載面と、円弧若しくは曲線と直線を組み合わせ
   た接地部からなる構成であることを特徴とする金型回転
   用治具。
2. 【請求項２】 請求項１に於いて、重りを配し該金型搭
   載面の一方が自由状態において水平に保たれることを特
   徴とする金型回転用治具。