JPH08220447A - 双眼鏡 - Google Patents

双眼鏡

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Publication number
JPH08220447A
JPH08220447A JP2655995A JP2655995A JPH08220447A JP H08220447 A JPH08220447 A JP H08220447A JP 2655995 A JP2655995 A JP 2655995A JP 2655995 A JP2655995 A JP 2655995A JP H08220447 A JPH08220447 A JP H08220447A
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JP
Japan
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prism
roof
binoculars
objective lens
lens
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Application number
JP2655995A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Nishitani
清 西谷
Hisanori Ishihara
尚紀 石原
Kesaji Satou
計佐二 佐藤
Muneo Kubota
宗男 久保田
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH08220447A publication Critical patent/JPH08220447A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 眼幅収納状態と開状態で体積及び形状が変化
するような横スライド式双眼鏡において、小型化且つ光
学精度を維持するための構成を提供する。 【構成】 右側の固定ボディ4にピント調整軸30を備
え、このピント調整軸30を駆動することにより、固定
ボディ4と可動ボディ5に組み込まれた対物枠10、1
0’を光軸方向に移動させるものにおいて、左右光学系
の像反転用プリズム16、16’のダハプリズム16b
どうしを互いに内側で対向するように配置する一方、こ
のダハプリズム16bの斜めカット部分に対物枠10、
10’を光軸方向に案内するガイド軸11を配置するこ
とにより、双眼鏡の小型コンパクト化を実現し、さら
に、回転止め用軸12を外側に位置させることにより、
双眼鏡の横幅を狭くするとともに、対物枠10、10’
のガタツキのないスムーズな動きを実現したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として眼幅収納状態
と開状態で全体の体積が変化する形で外観形状が変化す
るような水平移動式の双眼鏡に係り、特に光学精度を高
度に維持するものでありながら、形状がシンプルで携帯
性に優れた小型双眼鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の双眼鏡としては、左右鏡筒の間に
回転軸を設け、その軸の中心として該鏡筒を一定角度範
囲、回転移動させる、つまり左右鏡筒を回転軸回りに二
つ折り状に屈曲させることにより観察者の眼幅に調整す
る二つ折り式のものや、箱体内に左右鏡筒を配設し、該
箱体の中で左右鏡筒を横方向にスライドさせて眼幅に合
わせる水平移動式のもの等が代表的に挙げられる。
【0003】前者の二つ折り式双眼鏡の場合、コンパク
トな形状の製品が多数実用化されているものの、このタ
イプの双眼鏡では、眼幅調整を行う際、左右鏡筒が回転
軸を中心にして角度変位するものであるため、円形状レ
ンズしか使用することができず、したがって小型化、特
に薄型設計に関しては限界があった。
【0004】一方、後者の水平移動式双眼鏡の場合、従
来では箱体の中に光学系、眼幅調整機構等、双眼鏡に必
要な構成の全てが組み込まれているため、外形の大型化
が避けられないという問題点がある。例えば特公昭60
−46407号公報には、左右鏡筒を外観ボディで囲ん
だ構成が開示されており、このような構成では不使用
時、つまり眼幅収納状態であっても外形寸法が大きくな
ってしまう。なお、この先行技術例の場合、2つの外観
ボディを相対的に移動させれば小さくできるが、部品点
数が多くなる。
【0005】このような問題点を改善したものとして、
例えば実公昭57−34486号公報や特開昭53−8
3758号公報等には、中央のボディ構成部にガイド部
材としての2本の軸を設け、これらの軸に外観構成部及
び左右鏡筒部を摺動自在に装着することにより、外観構
成部と鏡筒部が一体となって左右に移動して眼幅調整で
きるようにしたものが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の改善案の場
合、双眼鏡の小型化、特に薄型化が実現可能な構成では
あるが、いずれの先行技術例にも双眼鏡を薄型化するた
めの具体的な構成は開示されていない。また、眼幅の広
狭、双眼鏡本体に外力が加わったときの左右鏡筒の光軸
の安定性等を十分に実現させる場合、二つ折り式双眼鏡
よりも構造的に遥かに制約が多く、しかも、構造上の制
約の中で更に薄型化を実現するためには種々の困難が伴
う。また、眼幅を開いたときの外観も、内部機構部品の
見え方や、鏡筒が移動した空間の隠し方等について、具
体的解決策を提示したものは現状では存在していない。
【0007】さらに、この種の双眼鏡は、シュミットプ
リズムのようにダハプリズムを用いたものが知られてい
るが、先行技術においては、ダハプリズムの方向が特定
されておらず、構造に合わせてプリズムの方向を決定し
ているが、いずれの場合も、機構部品のコンパクトな配
置と関係付けてプリズムの配置、形状を工夫すると言う
試みはなされていない。
【0008】本発明は、このような従来の水平移動式双
眼鏡の薄型化等に伴う問題点に鑑みてなされたもので、
対物レンズの光軸方向への摺動ガイドをレンズ駆動手段
に近い方に配置することにより、諸種の先行技術例と比
較してより一層の薄型化、堅牢化及びデザイン性の向上
を実現し得る水平移動式の双眼鏡を提供することを目的
とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明では、左右鏡筒間に合焦機構を備え、この合焦
機構を駆動することにより、前記左右鏡筒の対物レンズ
枠を光軸方向に移動させるように構成された双眼鏡であ
って、前記左右鏡筒内に配設された像反転用プリズムを
ダハプリズムを含む構成とし、前記左右鏡筒の像反転用
プリズムをダハプリズムが互いに内側で対向するように
配置する一方、該ダハプリズムの斜めカット部分に対物
レンズ枠を光軸方向に案内するガイド軸を配置してい
る。
【0010】
【作用】周知のように合焦機構の駆動手段とガイド軸が
より近接している方が対物レンズ枠の動きがスムーズで
ある。したがって、上記構成によると、ガイド軸が内側
に位置することにより、回転止め用軸を必然的に外側に
位置させることになるので双眼鏡の横幅を狭くすること
が可能となる。また、ガイド軸が内側に位置することに
より、ガタツキが抑制され、対物レンズ枠をスムーズに
移動させることが可能となる。そして、ダハプリズムを
内側に配置して、ダハプリズムの斜めカット部分にガイ
ド軸を通したことにより、双眼鏡をコンパクトにするこ
とが可能となる。
【0011】
【実施例】以下、本発明に係る双眼鏡の実施例を図面を
参照しながら説明する。図1は本実施例に係る双眼鏡の
外観を示しており、同図(A)は眼幅収納状態を、(B)は
図1の矢印A方向に左カバー3を引き出して眼幅を広げ
た状態を、(C)はそれを接眼側から見たところをそれぞ
れ示している。図2は同双眼鏡の構成部品を分解して示
し、図3は固定ボディ4とガイド軸9を裏面側から見た
ところを示し、図4は図1に示す組立状態から右カバー
2と左カバー3を取り外して示し、図5は図4の一部分
解状態からさらに上台板6を外して内部のピント調整機
構を示している。
【0012】まず、双眼鏡の全体構成を詳細に説明する
と、図2の分解図に示す固定ボディ4には、右対物レン
ズ枠10、プリズムホルダー15と正立プリズム16と
により構成されるプリズムユニット、接眼枠17と接眼
移動枠18とにより構成される接眼ユニット等の光学
系、及び図5のピント調整機構図に示すピント調整軸3
0、調整ノブ31、ナット32、右調整板34、左調整
板33等により構成されるピント調節ユニットが組み込
まれており、前記右カバー2も固定ボディ4に固着され
ている。
【0013】前記ピント調節ユニットを挟んで右光学系
の反対側には、可動ボディ5、左対物レンズ枠10’、
プリズムユニット15’、16’、接眼ユニット20等
により構成される左可動鏡筒が位置している。この左可
動鏡筒は固定ボディ4に固着されたガイド軸9に摺動可
能に嵌合され、さらに可動ボディ5には左カバー3も遊
動可能に取り付いている。
【0014】図4に示すように、固定ボディ4の上下に
は可動ボディ5側に延びた上台板6と下台板7が固定さ
れており、左可動鏡筒を上下に挟み込むように位置して
いる。図17に示すように、左可動鏡筒には該可動鏡筒
を下台板7側に押し付ける働きをするバネ47が設けら
れており、前記ガイド軸9とともに眼幅調整機構を構成
している。なお、このバネ47を上台板6側に設けるこ
とも考えられるが、その場合、可動鏡筒5を摺動させる
と、圧接位置が眼幅により変化し、可動鏡筒5の変形の
違いにより光軸不安定の要因となるため、不適当と言え
る。
【0015】なお、従来技術の一例には接眼レンズ付近
と、対物レンズ付近とに2本のガイドバーを通したもの
が知られているが、本発明では前述のように、特に薄型
化を目的としているため、接眼側ガイド軸9は最も光束
が絞られる視野マスク19、19’の近傍に位置させて
あり、対物側ガイド手段は回転止めという性格上、可動
ボディ5を下台板7に摺接させる構成としており、これ
によって光学系の設計に対する自由度を高めている。
【0016】ピント調整機構の操作は、右固定鏡筒と左
可動鏡筒の対物レンズ40と、それを保持するレンズ枠
からなる対物レンズ枠10、10’を光軸方向へ移動す
ることによって行う。このピント調整のための構造は次
のようになっている。すなわち、図5に示すように、右
対物レンズ枠10の腕の先端部にピン10aが形成され
ており、このピン10aが右調整板34の長孔34aに
摺動自在に嵌合されている。同様に、左対物レンズ枠1
0’の腕の先端部にもピン10a’が形成されており、
左調整板33の長孔33aに摺動自在に嵌合されてい
る。
【0017】そして、調整ノブ31を回すと、一体的な
ピント調整軸30も回転し、ナット32が光軸方向に直
線運動する。ナット32には前記対物レンズ枠10、1
0’のピン10a、10a’が嵌合された左右の調整板
33、34が固定されており、調整ノブ31を回すと、
左右の対物レンズ枠10、10’が光軸方向に移動し、
ピント調整が行われる。
【0018】図6は視度調整機構を示している。視度調
整操作は右カバー2の側面に光軸と垂直になるように軸
支された視度調整ノブ24を回転させることによって行
う。すなわち、固定ボディ4には接眼枠17がネジ止め
されており、この接眼枠17内にレンズG2、G3、G4
を一体に支持した接眼移動枠18が光軸方向に移動可能
に装着されている。
【0019】そして、視度調整ノブ24を回すと、偏芯
軸等による回転−直線運動変換機構(図示せず)により
接眼移動枠18が直線運動を行う。最外面のレンズG1
は外側面がフラットな片面レンズにより構成されてい
る。このレンズG1は接眼枠17に固定され、内部レン
ズ群G2、G3、G4を保護する役割を果たしている。ま
た、対物側にはゴミの侵入防止等の役割を果たす保護ガ
ラス14、14’がガラスホルダー13、13’に保持
されている。
【0020】なお、後に詳述するが、左カバー3側は内
部の光学構成部と、外観のカバーを光軸を安定させる関
係上、完全に固定せず、浮かせた構成、つまりフロー構
成を採用しているので、外側から操作される視度調整機
構等は固定ボディ側に配置した方が有利である。
【0021】上台板6には若干上方向に打ち出されたレ
ール25が設けられているとともに、下台板7には若干
下方向へ打ち出されたレール26が設けられており、こ
れらのレール25、26により左カバー3が摺動すると
きの上下方向のガイドが構成されている。
【0022】下台板7には前後方向に切欠7a、7bが
設けられており、左カバー3に固定されたストッパーレ
バー8の爪部が該切欠7a、7bに嵌合し、左カバー3
を引き出したときのストッパーを構成している。また、
下台板7の端面部とストッパーレバー8の端面部とはガ
タなく密に嵌合しており、左カバー3の左右方向の摺動
案内の役割を果たしている。
【0023】左カバー3は上下台板6、7をガイドにし
て摺動しており、光学系を含む可動ボディ5はガイド軸
9を基準に摺動する。この場合、過拘束となることを防
止するために、左カバー3と可動ボディ5とのつなぎは
図7に示すように、それぞれに若干の隙間を設け、ガタ
をもたせたり、或いはバネ27を介装して所定範囲の遊
動を許すフロー構成となっている。
【0024】可動ボディ5はガイド軸9で安定した光軸
が得られるようにし、外部から加わる力は左カバー3と
上下台板6、7で保持し、光軸への影響を極力排除した
構成となっている。
【0025】本実施例の双眼鏡のように、眼幅収納状態
と眼幅を開いたときとで双眼鏡全体の体積が変化する構
成では、眼幅移動後に左右鏡筒間に生じる空間の隠蔽手
段が問題となる。本実施例では、図1に示すとおり、右
カバー2よりも左カバー3を大きくし、大きい方の左カ
バー3を動かすことにより、左光学系が移動後の空間を
カバーするようにしている。
【0026】また、接眼側はデザイン上の制約及び使い
勝手の面から次の構成としている。すなわち、図1(a)
〜(c)に示すように、眼幅収納状態では双眼鏡全体に対
してほぼ中央に調整ノブ31が位置し、眼幅を広げると
きは調整ノブ31はそのまま同位置を保持し、左カバー
3だけがスライドする構成としている。
【0027】また、このとき、左カバー3と一体的に取
り付けられたバリアー22が左光学系移動後の空間をカ
バーする。バリアー22は直接外力が加わっても支障が
ないように、ノブカバー21及び上下台板6、7で保護
された構造となっている。ノブカバー21は左右カバー
2、3の接眼端面より凹んだ形状に形成されており、使
用者が構えたとき、該左右カバー2、3が鼻に干渉する
のを防止している。なお、左カバー3を開いていって
も、その凹入形状は持続するように構成されている。
【0028】また、図18(A)〜(D)に示すように、収
納状態から眼幅を開いていくと、眼の幅の目印を示す眼
幅目盛48が現れ、左カバー3の一端面と任意の目盛を
合わせることにより、確認のために覗かなくても最適の
眼幅となっているため、直ちに双眼鏡による観察を開始
することができる。
【0029】次に、双眼鏡の小型化に関する構成につい
て詳細に説明する。ダハプリズム式双眼鏡において、小
型化するための構成に関して、まず、光学系について述
べると、図8に示すように、双眼鏡光学系は、右鏡筒に
ついて、物体を焦点位置に結像させるための対物レンズ
40、対物レンズ40で反転する像を正立にする正立プ
リズム16、対物レンズ40によってできた像を拡大す
る接眼レンズ41の3つの要素から構成される。なお、
左鏡筒も同様であり、右鏡筒と対応する構成には、同じ
符号に’を付している。
【0030】双眼鏡全体の小型化及び薄型化を図るため
の手段として、一般的には対物有効径を小さくすること
が考えられるが、その場合、視野の暗い双眼鏡となって
しまう。そこで、本実施例では対物レンズ40として、
円形レンズの上下部分を直線的にカットした、いわゆる
小判型レンズを使用している。それに対応して、正立プ
リズム16も上下に薄く、接眼レンズ41も小判型レン
ズとしている。なお、ここでは正立プリズム16はシュ
ミットプリズムを使用している。
【0031】次に、小型化、薄型化を図るうえでのポイ
ントとなる正立プリズム16の形状について、まず、左
右方向に関して該プリズム16を小さくするための手段
を図9を参照しながら説明する。図9(A)に示すよう
に、シュミットプリズムからなる正立プリズム16は補
助プリズム16aとダハプリズム16bとにより構成さ
れている。
【0032】対物レンズ40からの入射光は補助プリズ
ム16a内でp面、q面、r面で都合3回、またダハプ
リズム16b内でs面とt面、u面(上下方向ダハ面
s、t面で1回)の都合2回、反射した後、接眼レンズ
41側へ出ていく。ここで、正立プリズム16の左右幅
は反射面q、s間幅で決まるため、この2つの反射面
q、sを可及的に近接させることが、そのまま小型化を
図ることとなる。
【0033】反射面q、sを近接させる、つまり共に内
側へもっていくことは、正立プリズム16の入射光と射
出光の位置をずらすことで達成できる。図9(A)の実線
Aは入射位置と射出位置が一致している場合の光路を示
しており、破線Bは入射位置と射出位置をずらした場合
の光路を示している。入射光を実線Aから破線Bまでず
らせることにより、反射面qはq’に、反射面sはs’
にそれぞれ内側へ移動させることができる。この場合、
射出光Cの位置に変化はない。なお、言うまでもない
が、射出光Cに対する入射光Aのずらす方向は破線Bの
方向と決まっており、反対方向にずらしてしまうと、プ
リズムは逆に大きくなってしまう。
【0034】上記のようにして薄型化を達成した正立プ
リズム16を図9(B)に示すように、左右対物レンズ枠
間距離Pと接眼レンズ枠間距離Qの関係をP<Qとし、
光軸の間隔が広い方を接眼側に配置することにより、対
物レンズ枠10、10’と外装カバーの間のスペースに
余裕が生まれ、また、眼幅収納状態から最大眼幅までの
摺動ストロークが短くなるので、強度面やボロ隠し構成
面で有利となる。
【0035】正立プリズム16の上下厚み方向に関して
は、前述のように対物レンズ40を小判型にすることに
より上下有効径を小さくすることができ、その分、薄型
化を促進することができる。ここでは更にダハプリズム
16bを補助プリズム16aよりも薄くすることにより
小型化を達成している。
【0036】すなわち、図8に示すプリズム部を展開し
て示す図10から明らかなように、光束は対物レンズ4
0で収束されるため、最初に入射する補助プリズム16
aの有効幅より、次に入射するダハプリズム16bの有
効幅の方が小さくなることによって薄型化が可能とな
る。当然のことながら、プリズムを上下左右方向に小さ
くするには、軸上光だけでなく軸外光(図示せず)も考
慮しなければならないことは言うまでもない。
【0037】本実施例では図2に示すように、正立プリ
ズム16の射出側にプリズムホルダー15の固定部を設
定しているため、ダハプリズム16bを薄くした分、プ
リズムホルダー15の腕部を厚くするなど強度アップが
可能となる。
【0038】また、双眼鏡の薄型化を図るためには、上
記光学系を工夫するだけではなく、その周りのメカニズ
ムの薄型化を図る必要がある。この点に関して、小判型
レンズを保持するレンズ枠10について説明する。図1
1に小判型の対物レンズ40と、それを保持するレンズ
枠10を示す。対物レンズ40は双眼鏡の焦点を合わす
ため、光軸方向へ移動する必要がある。
【0039】ここでは対物レンズ枠の移動をガイド軸を
用いた構成としてあり、ガイド軸11と回転止め用軸1
2を使用している。レンズ枠10には軸11、12が通
るガイド孔39とU溝42を設けている。これらのガイ
ド軸11、12、ガイド孔39及びU溝42の位置を小
判型対物レンズ40の上下高さ以内にする、つまり図1
2に示す幅方向寸法W以内にガイド軸を配置すること
で、全体の薄型化を達成している。
【0040】また、小判型対物レンズ40とレンズ枠1
0との関係を説明すると、図12に示す小判型レンズ4
0における部品加工精度は、径方向寸法Xは比較的容易
に精度良く加工可能であるが、幅方向寸法Yは加工上、
精度が出しにくい。そのため対物レンズ40とレンズ枠
10の位置は径方向寸法Xの両端曲面部で決める必要が
ある。つまり、対物レンズ40とレンズ枠10は両端曲
面部で接触させ、上下端には隙間Zを設ける必要があ
る。
【0041】さらに、本実施例で使用しているシュミッ
トプリズムの場合、像を正立にするため、図13に示す
ように、横方向は補助プリズム16aの反射面p、q、
rとダハプリズム16bの反射面sとt、uにより、合
計5回反射させ、像としている。一方、縦方向はダハプ
リズム16bのダハ面sとtにより1回反射させること
で、正立像を作成している。このダハ面sとtは角度90
°で精度良く加工されている。
【0042】ダハプリズム16bはこの角度90°のダハ
面sとtを有しているため、図14に示すように、上下
2カ所に空間Sが形成されることになる。本実施例で
は、この空間Sに前述の対物レンズ移動のためのガイド
軸11が通るようにすることで、ダハプリズム16bの
ダハ面部にできる空間Sを有効に利用している。これに
よって双眼鏡全体を小型化、薄型化することができる。
【0043】なお、本実施例ではこの空間Sにガイド軸
11が通るように構成しているが、これに限らない。ま
た、双眼鏡を構成している部品のいずれもこの空間Sに
配置してもよい。
【0044】シュミットプリズムからなる正立プリズム
16は図15(A)(B)に示すように、横幅の広がってい
る方を対物側に、狭くなっている方を接眼側にくるよう
に配置している。正立プリズム16はこのように配置し
ているので、固定ボディ4には対物側から組み込むよう
に構成することで、全体を小型化できている。
【0045】これはプリズムを固定ボディ4に固定する
ためにプリズムホルダー15に設けられたフランジ部4
4に関係してくる。すなわち、シュミットプリズム16
は前述のように、補助プリズム16aとダハプリズム1
6bからなる。したがって、これら2つのプリズム16
a、16bを一体的に保持するためのプリズムホルダー
15が必要となる。プリズムホルダー15は本体4に取
り付けるためにフランジ部44を有している。
【0046】このフランジ部44も双眼鏡全体をコンパ
クトにまとめるため、極力幅が狭くなるようにプリズム
ホルダー15に設ける必要がある。いま、このようなプ
リズムホルダー15と補助プリズム16a、ダハプリズ
ム16bが一体的に構成されたユニットをプリズムブロ
ック45と呼ぶこととし、このプリズムブロック45の
対物側の幅Hと接眼側の幅hに注目する。
【0047】例えばプリズムブロック45を接眼側から
固定ボディ4へ組み込む場合を考える。この場合、本体
接眼側には幅H以上の口径が必要となる。そうすると必
然的に幅hはその口径よりも大きくすることで、本体接
眼側に取り付くことになり、双眼鏡全体をも大きくして
しまう。また、本体接眼側に幅H以上の口径を設けるた
め、固定ボディ4の強度低下にもつながる。
【0048】そこで、本実施例では、プリズムブロック
45を対物側から組み込む構成としている。この場合、
本体接眼側には最低幅hだけの口径があればよいので、
コンパクトにできる。また、本体接眼側に設ける孔46
の大きさも光学的有効範囲だけの大きさで済み、シュミ
ットプリズム16の傾斜部分Tの空間Sにも固定ボディ
4の肉を設けられるので、十分な強度を有するものとす
ることができる。
【0049】ここでは更にこの傾斜部の肉によるスペー
ス部分Mに吊環軸43を設けることで、スペースを有効
に利用し、コンパクト化を図っている。いま、このスペ
ースMに吊環軸43を設けているが、これに限らず双眼
鏡構成部品のいずれを設けてもよい。また、このスペー
スMは固定ボディ4、可動ボディ5のいずれにも発生す
るので、どちらを利用してもよい。
【0050】しかし、本実施例では外力の掛かる吊環軸
43等の部品を設けるため、光軸変化などに影響の少な
い固定本体4側のスペースMを利用したことを特徴とし
ている。図16は吊環部の構成を示している。同図(A)
(B)に示すように、本実施例では吊環部は固定ボディ4
に吊環軸43を通し、右カバー2で吊環軸43の抜け止
めをする公知の手法によっている。
【0051】ところで、外観カバー(右カバー)が図16
(C)に示すように、曲面で構成されたカバー49である
場合、上記のような吊環部の構造であれば、吊環軸43
のピン位置が深くなり過ぎ、ストラップ(図示せず)を
通しにくいなどの障害が発生する。このため、図16
(D)(E)に示すように、カバー49の曲面形状にほぼ沿
った形状のピン50を使用することにより上記のような
不都合を解消することができる。
【0052】言うまでもなく、本体対物側の口径Tは対
物レンズ枠10が収まるだけの幅が必要であり、これは
幅H以上なので、プリズムブロック45を対物側から組
み込むことにより大きくなるということはない。本実施
例ではプリズムブロック45を対物側から組み込んでい
るが、プリズムブロック固定面以外の方向から、例えば
垂直に組み込むことでこれらの効果が得られる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明によるとき
は、左右鏡筒間に合焦機構を備え、この合焦機構を駆動
することにより、前記左右鏡筒の対物レンズ枠を光軸方
向に移動させるように構成された双眼鏡であって、前記
左右鏡筒内に配設された像反転用プリズムをダハプリズ
ムを含む構成とし、前記左右鏡筒の像反転用プリズムを
ダハプリズムが互いに内側で対向するように配置する一
方、該ダハプリズムの斜めカット部分に対物レンズ枠を
光軸方向に案内するガイド軸を配置しているので、双眼
鏡の小型コンパクト化を実現することができる。
【0054】また、ダハプリズムの斜めカット部分にガ
イド軸を配置したことにより、回転止め用軸を必然的に
外側に位置させることになるので、双眼鏡の横幅を狭く
することができる。さらに、ガイド軸が内側に位置する
ことにより、ガタツキが抑制され、対物レンズ枠をスム
ーズに移動させることができるなど、従来に見られない
優れた効果を発揮するものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る双眼鏡の外観を示し、
(A)は眼幅収納状態を、(B)は眼幅を広げた状態を、
(C)はそれを接眼側から見たところを示す斜視図。
【図2】 双眼鏡の構成部品を分解して示す斜視図。
【図3】 固定ボディとガイド軸を裏面側から見たとこ
ろを示す斜視図。
【図4】 図1に示す組立状態から右カバーと左カバー
を取り外して示す斜視図。
【図5】 図4の一部分解状態からさらに上台板を外し
て内部のピント調整機構を示す斜視図。
【図6】 視度調整機構を示す要部断面図。
【図7】 左カバーと可動ボディとの連結部分を示す要
部拡大断面図。
【図8】 光学系を模式的に示す斜視図。
【図9】 正立プリズムの構成を示し、(A)は側面図、
(B)は左右鏡筒における配置関係を示す図。
【図10】 図8に示すプリズム部を展開して示す図。
【図11】 対物レンズとレンズ枠を示す分解斜視図。
【図12】 対物レンズとレンズ枠の組立状態を示す正
面図。
【図13】 正立プリズムを示す斜視図。
【図14】 正立プリズムの配置関係を示す図。
【図15】 右鏡筒を示し、(A)は断面図、(B)は要部
分解斜視図。
【図16】 吊環部の構成を示し、(A)は公知構成を示
す要部斜視図、(B)はその要部断面図、(C)は曲面カバ
ーに公知構成を対応させたことによる不都合な状態を示
す要部断面図、(D)は曲面カバーに適応する構成を示す
要部断面図、(E)はその要部斜視図。
【図17】 可動鏡筒押付用バネの位置を示す要部斜視
図。
【図18】 眼幅目盛を示し、(A)は眼幅収納状態を、
(B)は眼幅を広げた状態を、(C)はそれを接眼側から見
たところを示す斜視図、(D)は目盛部分の拡大図。
【符号の説明】
2 右カバー 3 左カバー 4 固定ボディ 5 可動ボディ 6 上台板 7 下台板 9 ガイド軸 10、10’ 対物枠 11、11’ ガイド軸 12、12’ 回転止め用軸 15、15’ プリズムホルダー 16、16’ 正立プリズム(像反転用プリズム) 16a 補助プリズム 16b ダハプリズム 17、20 接眼ユニット 30 ピント調整軸(合焦機構) 31 調整ノブ 32 ナット 33 右調整板 34 左調整板 40 対物レンズ 41 接眼レンズ 42 U溝 43 吊環軸 45 プリズムブロック 46 孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 計佐二 長野県中野市大字吉田1081番地 株式会社 コシナ内 (72)発明者 久保田 宗男 長野県中野市大字吉田1081番地 株式会社 コシナ内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右鏡筒間に合焦機構を備え、この合焦
    機構を駆動することにより、前記左右鏡筒の対物レンズ
    枠を光軸方向に移動させるように構成された双眼鏡であ
    って、前記左右鏡筒内に配設された像反転用プリズムを
    ダハプリズムを含む構成とし、前記左右鏡筒の像反転用
    プリズムをダハプリズムが互いに内側で対向するように
    配置する一方、該ダハプリズムの斜めカット部分に対物
    レンズ枠を光軸方向に案内するガイド軸を配置したこと
    を特徴とする双眼鏡。
JP2655995A 1995-02-15 1995-02-15 双眼鏡 Pending JPH08220447A (ja)

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JP2655995A JPH08220447A (ja) 1995-02-15 1995-02-15 双眼鏡
EP96102269A EP0727685A1 (en) 1995-02-15 1996-02-15 Binoculars
US08/925,401 US5822115A (en) 1995-02-15 1997-09-09 Thin adjustable binoculars

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014041218A (ja) * 2012-08-21 2014-03-06 Hoya Corp 双眼拡大鏡

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014041218A (ja) * 2012-08-21 2014-03-06 Hoya Corp 双眼拡大鏡

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