JPH08220399A - 液浸型光ファイバカプラ - Google Patents
液浸型光ファイバカプラInfo
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- JPH08220399A JPH08220399A JP7027152A JP2715295A JPH08220399A JP H08220399 A JPH08220399 A JP H08220399A JP 7027152 A JP7027152 A JP 7027152A JP 2715295 A JP2715295 A JP 2715295A JP H08220399 A JPH08220399 A JP H08220399A
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- fiber coupler
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- case
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- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B6/00—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
- G02B6/44—Mechanical structures for providing tensile strength and external protection for fibres, e.g. optical transmission cables
- G02B6/4401—Optical cables
- G02B6/4429—Means specially adapted for strengthening or protecting the cables
- G02B6/44384—Means specially adapted for strengthening or protecting the cables the means comprising water blocking or hydrophobic materials
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- General Physics & Mathematics (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 深海などの高い水圧下でも安定して使用する
ことができる液浸型光ファイバカプラを得る。 【構成】 融着延伸型光ファイバカプラの本体10が開
口19を有する内ケース11に収容され、この内ケース
11が密閉された外ケース12に収容され、光ファイバ
カプラ本体10の両端部から延びる入/出力ポート7が
外ケース12を貫通して外部に導出され、この外ケース
12の側壁に柔軟な膜部材14が形成され、ケース1
1、12内部に光ファイバのクラッド3より屈折率が低
い充填液17が流通自在に充填されてなる。
ことができる液浸型光ファイバカプラを得る。 【構成】 融着延伸型光ファイバカプラの本体10が開
口19を有する内ケース11に収容され、この内ケース
11が密閉された外ケース12に収容され、光ファイバ
カプラ本体10の両端部から延びる入/出力ポート7が
外ケース12を貫通して外部に導出され、この外ケース
12の側壁に柔軟な膜部材14が形成され、ケース1
1、12内部に光ファイバのクラッド3より屈折率が低
い充填液17が流通自在に充填されてなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、深海などの高い水圧下
でも安定して使用することができる液浸型光ファイバカ
プラに関する。
でも安定して使用することができる液浸型光ファイバカ
プラに関する。
【0002】
【従来の技術】光通信や光計測の分野などで光の分岐や
合波などを行う光学素子として、2本またはそれ以上の
光ファイバを並置してそのクラッドの一部を互いに融着
し、この融着された部分を延伸して融着延伸部を形成し
た融着延伸型光ファイバカプラが用いられている。この
内、特に入力ポートおよび出力ポートが各2本ずつから
なる2×2型の光ファイバカプラが多く用いられてい
る。
合波などを行う光学素子として、2本またはそれ以上の
光ファイバを並置してそのクラッドの一部を互いに融着
し、この融着された部分を延伸して融着延伸部を形成し
た融着延伸型光ファイバカプラが用いられている。この
内、特に入力ポートおよび出力ポートが各2本ずつから
なる2×2型の光ファイバカプラが多く用いられてい
る。
【0003】この2×2型の光ファイバカプラは普通、
図4(a)〜図4(d)に順次示す方法により製造され
ている。すなわち先ず図4(a)において、被覆2を有
する2本の光ファイバ1a、1bの中間部の被覆を剥ぎ
取り、それぞれクラッドを露出させ、この露出部3、3
を並列する。次に図4(b)に示すように、露出部3、
3の少なくとも一部を平行に接触させ、その接触部4を
酸水素炎B(または放電アークなど)を用いて加熱し、
互いのクラッドを融着一体化すると共に、図4(c)に
示すように延伸して融着延伸部5を形成し、光ファイバ
カプラ本体10を作製する。
図4(a)〜図4(d)に順次示す方法により製造され
ている。すなわち先ず図4(a)において、被覆2を有
する2本の光ファイバ1a、1bの中間部の被覆を剥ぎ
取り、それぞれクラッドを露出させ、この露出部3、3
を並列する。次に図4(b)に示すように、露出部3、
3の少なくとも一部を平行に接触させ、その接触部4を
酸水素炎B(または放電アークなど)を用いて加熱し、
互いのクラッドを融着一体化すると共に、図4(c)に
示すように延伸して融着延伸部5を形成し、光ファイバ
カプラ本体10を作製する。
【0004】この融着延伸部5は、融着一体化されかつ
延伸された1本のクラッドの内部に、接触せずに互いに
平行に走る2本の細径化されたコアを有する。この細径
化されたコア内では光の伝播モードフィールド径(以
下、「MFD」という)が拡大するので、これによって
双方のコア間に光学的な結合が生じるようになる。
延伸された1本のクラッドの内部に、接触せずに互いに
平行に走る2本の細径化されたコアを有する。この細径
化されたコア内では光の伝播モードフィールド径(以
下、「MFD」という)が拡大するので、これによって
双方のコア間に光学的な結合が生じるようになる。
【0005】次に図4(d)に示すように、光ファイバ
カプラ本体10を円筒形または長方箱形の保護ケース6
に収容し、光ファイバカプラ本体10の両側から延びる
光ファイバの被覆部(以下、「入/出力ポート」とい
う)7と保護ケース6の端部との間隙を封止樹脂8で封
止して固定する。これによって、入力ポートと出力ポー
トとを各2本有する2×2型の光ファイバカプラが得ら
れる。この保護ケース6の材質としては耐衝撃性の高い
金属、または光ファイバと膨張係数が同等のガラスが用
いられている。
カプラ本体10を円筒形または長方箱形の保護ケース6
に収容し、光ファイバカプラ本体10の両側から延びる
光ファイバの被覆部(以下、「入/出力ポート」とい
う)7と保護ケース6の端部との間隙を封止樹脂8で封
止して固定する。これによって、入力ポートと出力ポー
トとを各2本有する2×2型の光ファイバカプラが得ら
れる。この保護ケース6の材質としては耐衝撃性の高い
金属、または光ファイバと膨張係数が同等のガラスが用
いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、水中での光ファ
イバカプラの使用が検討されるようになってきた。例え
ば光学式水中マイクロフォンの一形式においては、光フ
ァイバを平面コイル状に巻いて形成したセンシングコイ
ルを水中に設置し、このセンシングコイルが水中音波を
受けたときにその中を伝播する光の振幅や位相が変化す
る性質を利用してこれを電気信号に変換する。このとき
光源や検出器とセンシングコイルとの中継に光ファイバ
カプラが用いられる。この光ファイバカプラはリード線
などからのノイズを低減するためにセンシングコイルに
接近して配置することが求められ、従って水中に浸漬さ
れることになる。
イバカプラの使用が検討されるようになってきた。例え
ば光学式水中マイクロフォンの一形式においては、光フ
ァイバを平面コイル状に巻いて形成したセンシングコイ
ルを水中に設置し、このセンシングコイルが水中音波を
受けたときにその中を伝播する光の振幅や位相が変化す
る性質を利用してこれを電気信号に変換する。このとき
光源や検出器とセンシングコイルとの中継に光ファイバ
カプラが用いられる。この光ファイバカプラはリード線
などからのノイズを低減するためにセンシングコイルに
接近して配置することが求められ、従って水中に浸漬さ
れることになる。
【0007】しかし、従来の融着延伸型光ファイバカプ
ラは水中での使用が考慮されていなかった。従来型の光
ファイバカプラを水中で使用すると、例えば深海などで
は高い水圧によって保護ケース6が圧迫されて破壊した
り、ケース端部を封止している封止樹脂8が塑性流動を
起こして変形し、ケース内部に海水などが侵入する。ま
た保護ケース6が金属製の場合は、ケースと光ファイバ
カプラ本体との膨張係数が異なるために温度変化によっ
て光ファイバカプラ本体10にストレスが掛かり破損し
たり光伝送損失を増大させるなどの障害が発生し使用で
きなくなる可能性がある。本発明は上記の問題を解決す
るためになされたものであり、従ってその目的は、水中
に浸漬して使用することができて、環境圧が変化しても
破壊されたり特性変化を起こしたりすることがない液浸
型の光ファイバカプラを提供することにある。
ラは水中での使用が考慮されていなかった。従来型の光
ファイバカプラを水中で使用すると、例えば深海などで
は高い水圧によって保護ケース6が圧迫されて破壊した
り、ケース端部を封止している封止樹脂8が塑性流動を
起こして変形し、ケース内部に海水などが侵入する。ま
た保護ケース6が金属製の場合は、ケースと光ファイバ
カプラ本体との膨張係数が異なるために温度変化によっ
て光ファイバカプラ本体10にストレスが掛かり破損し
たり光伝送損失を増大させるなどの障害が発生し使用で
きなくなる可能性がある。本発明は上記の問題を解決す
るためになされたものであり、従ってその目的は、水中
に浸漬して使用することができて、環境圧が変化しても
破壊されたり特性変化を起こしたりすることがない液浸
型の光ファイバカプラを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、融着延伸
型光ファイバカプラ本体が開口を有する内ケースに収容
され、この内ケースが密閉された外ケースに収容され、
光ファイバカプラ本体の両端部から延びる入/出力ポー
トがこの外ケースを貫通して外部に導出され、外ケース
の側壁の少なくとも一部分が柔軟な膜部材で形成され、
かつ外ケースと内ケースのそれぞれの内部に光ファイバ
のクラッドより屈折率が低い充填液が流通自在に充填さ
れてなる液浸型光ファイバカプラを提供することによっ
て解決できる。上記の内ケースはガラス製であり、外ケ
ースは金属製であることが好ましい。また、充填液はシ
リコーンオイルおよびフッ素系オイルの中から選ばれた
ものであることが好ましい。
型光ファイバカプラ本体が開口を有する内ケースに収容
され、この内ケースが密閉された外ケースに収容され、
光ファイバカプラ本体の両端部から延びる入/出力ポー
トがこの外ケースを貫通して外部に導出され、外ケース
の側壁の少なくとも一部分が柔軟な膜部材で形成され、
かつ外ケースと内ケースのそれぞれの内部に光ファイバ
のクラッドより屈折率が低い充填液が流通自在に充填さ
れてなる液浸型光ファイバカプラを提供することによっ
て解決できる。上記の内ケースはガラス製であり、外ケ
ースは金属製であることが好ましい。また、充填液はシ
リコーンオイルおよびフッ素系オイルの中から選ばれた
ものであることが好ましい。
【0009】
【作用】外ケースの側壁の少なくとも一部分が柔軟な膜
部材で形成され、かつ内/外ケースの内部に充填液が、
内ケースの開口を通じて流通自在に充填されているの
で、環境圧が変化しても柔軟な膜部材の変形によって内
部液体が常に環境圧と等圧になり、内/外いずれのケー
スにも圧力差による応力が掛からない。充填液の屈折率
がクラッドのそれより低いので、この液体が融着延伸部
と界面を接していても光の放散は起こらない。また、内
ケースがガラス製であれば膨張係数が光ファイバと同等
であり、環境温度が変化しても融着延伸部に伸縮ストレ
スが掛からない。
部材で形成され、かつ内/外ケースの内部に充填液が、
内ケースの開口を通じて流通自在に充填されているの
で、環境圧が変化しても柔軟な膜部材の変形によって内
部液体が常に環境圧と等圧になり、内/外いずれのケー
スにも圧力差による応力が掛からない。充填液の屈折率
がクラッドのそれより低いので、この液体が融着延伸部
と界面を接していても光の放散は起こらない。また、内
ケースがガラス製であれば膨張係数が光ファイバと同等
であり、環境温度が変化しても融着延伸部に伸縮ストレ
スが掛からない。
【0010】
【実施例】次に実施例によって本発明を詳しく説明す
る。以下の説明において、図4を用いて説明した従来例
の構成要素と共通しているものは同一番号を付してその
説明を省略または簡略化する。図1は本発明の一実施例
である液浸型光ファイバカプラ(以下、単に「光ファイ
バカプラ」という)を示している。この光ファイバカプ
ラは、融着延伸型光ファイバカプラ本体(以下、単に
「光ファイバカプラ本体」という)10が石英ガラス製
の内ケース11とベリリウム銅製の外ケース12とで二
重に保護されている。この外ケース12と内ケース11
のそれぞれの内部には、光ファイバのクラッド3より屈
折率が低い充填液17が、内ケース11の胴部に形成さ
れた開口19を通じて流通自在に充填されている。ま
た、外ケース12の側壁の一部が柔軟な膜部材14で形
成されている。
る。以下の説明において、図4を用いて説明した従来例
の構成要素と共通しているものは同一番号を付してその
説明を省略または簡略化する。図1は本発明の一実施例
である液浸型光ファイバカプラ(以下、単に「光ファイ
バカプラ」という)を示している。この光ファイバカプ
ラは、融着延伸型光ファイバカプラ本体(以下、単に
「光ファイバカプラ本体」という)10が石英ガラス製
の内ケース11とベリリウム銅製の外ケース12とで二
重に保護されている。この外ケース12と内ケース11
のそれぞれの内部には、光ファイバのクラッド3より屈
折率が低い充填液17が、内ケース11の胴部に形成さ
れた開口19を通じて流通自在に充填されている。ま
た、外ケース12の側壁の一部が柔軟な膜部材14で形
成されている。
【0011】この内ケース11は円筒状をなし、図2に
示すように、軸方向に2分割されてその一方の樋状部材
11aの胴部には開口19が形成され、他方の樋状部材
11bには融着延伸部5を中央に配置して光ファイバカ
プラ本体10が収容されている。双方の樋状部材11
a、11bは接合されて内ケース11を形成し、光ファ
イバカプラ本体10から延びる入/出力ポート7の基部
は、内ケース11のそれぞれの端部が封止樹脂16で封
止されることによって固定される。この内ケース11内
には、開口19から充填液が充填される。
示すように、軸方向に2分割されてその一方の樋状部材
11aの胴部には開口19が形成され、他方の樋状部材
11bには融着延伸部5を中央に配置して光ファイバカ
プラ本体10が収容されている。双方の樋状部材11
a、11bは接合されて内ケース11を形成し、光ファ
イバカプラ本体10から延びる入/出力ポート7の基部
は、内ケース11のそれぞれの端部が封止樹脂16で封
止されることによって固定される。この内ケース11内
には、開口19から充填液が充填される。
【0012】外ケース12は、図3に示すように外形が
長方の合わせ箱型であり、その側壁面18の一部分に開
孔13が形成され、この開孔13にシリコーンゴム製の
柔軟な膜部材14がかぶせて接着・固定されている。外
ケース12の長手方向の両端部15a、15bからは、
それぞれ光ファイバカプラ本体の入/出力ポート7が導
出されている。その導出部および外ケース12の合わせ
目はすべて封止または接着され、全体としてこの外ケー
ス12は密閉されている。外ケース12の内部には、膜
部材14を装着する前に予め開孔13から充填液17が
充填され、この充填液は外ケース12と内ケース11の
内部を通じて流通自在とされる。充填液17としては、
光ファイバのクラッド3より屈折率が低い液体(シリコ
ーンオイル)17が用いられている。
長方の合わせ箱型であり、その側壁面18の一部分に開
孔13が形成され、この開孔13にシリコーンゴム製の
柔軟な膜部材14がかぶせて接着・固定されている。外
ケース12の長手方向の両端部15a、15bからは、
それぞれ光ファイバカプラ本体の入/出力ポート7が導
出されている。その導出部および外ケース12の合わせ
目はすべて封止または接着され、全体としてこの外ケー
ス12は密閉されている。外ケース12の内部には、膜
部材14を装着する前に予め開孔13から充填液17が
充填され、この充填液は外ケース12と内ケース11の
内部を通じて流通自在とされる。充填液17としては、
光ファイバのクラッド3より屈折率が低い液体(シリコ
ーンオイル)17が用いられている。
【0013】この光ファイバカプラは、例えば水中に浸
漬されるなどにより環境圧が増大すると、外圧に応じて
柔軟な膜部材14が内側に押圧されて変形し、充填液1
7を常に環境圧と等圧に保つ。充填液17は内/外ケー
スの間を自在に流通し得るので、内/外ケースの間に圧
力差は生じない。従って、内ケース11と外ケース12
とは共に、内外圧力差による破壊や変形を蒙ることな
く、常に安定して光ファイバカプラ本体10を保護する
ことができる。
漬されるなどにより環境圧が増大すると、外圧に応じて
柔軟な膜部材14が内側に押圧されて変形し、充填液1
7を常に環境圧と等圧に保つ。充填液17は内/外ケー
スの間を自在に流通し得るので、内/外ケースの間に圧
力差は生じない。従って、内ケース11と外ケース12
とは共に、内外圧力差による破壊や変形を蒙ることな
く、常に安定して光ファイバカプラ本体10を保護する
ことができる。
【0014】内ケース11は石英ガラス製であるので、
光ファイバカプラ本体10と熱的挙動が同等であり、例
えば大気温と深海などの極低温との間でヒートサイクル
が繰り返されても光ファイバカプラ本体10に膨張/収
縮による伸縮ストレスを与えることがない。また外ケー
ス12は硬質で腐食に強い金属製であるので、内ケース
11と光ファイバカプラ本体10とを外部衝撃から長期
に保護することができる。外ケースの端部15a、15
bの入/出力ポート導出部は封止樹脂によって封止され
ているが、内外圧力差がないので環境圧が高くても塑性
流動により変形することはない。
光ファイバカプラ本体10と熱的挙動が同等であり、例
えば大気温と深海などの極低温との間でヒートサイクル
が繰り返されても光ファイバカプラ本体10に膨張/収
縮による伸縮ストレスを与えることがない。また外ケー
ス12は硬質で腐食に強い金属製であるので、内ケース
11と光ファイバカプラ本体10とを外部衝撃から長期
に保護することができる。外ケースの端部15a、15
bの入/出力ポート導出部は封止樹脂によって封止され
ているが、内外圧力差がないので環境圧が高くても塑性
流動により変形することはない。
【0015】充填液17は次の観点から選択される。ま
ず、使用温度範囲においてその屈折率は少なくとも光フ
ァイバカプラに使用される光ファイバのクラッドガラス
の屈折率より低い必要がある。クラッドの屈折率より高
いと、光は充填液17側に放散される場合がある。液体
の屈折率は一般に圧力により変動するので、特に高圧環
境下で使用する場合には、この点も配慮する必要があ
る。また充填液17は、光ファイバのガラス部、被覆
部、内/外ケースおよび封止樹脂などを溶解し、侵食
し、変形し、または剥離を促進することなく、しかも化
学的に安定で安全性の高いものであることが望まれる。
ず、使用温度範囲においてその屈折率は少なくとも光フ
ァイバカプラに使用される光ファイバのクラッドガラス
の屈折率より低い必要がある。クラッドの屈折率より高
いと、光は充填液17側に放散される場合がある。液体
の屈折率は一般に圧力により変動するので、特に高圧環
境下で使用する場合には、この点も配慮する必要があ
る。また充填液17は、光ファイバのガラス部、被覆
部、内/外ケースおよび封止樹脂などを溶解し、侵食
し、変形し、または剥離を促進することなく、しかも化
学的に安定で安全性の高いものであることが望まれる。
【0016】この観点から充填液17としては、例えば
ジメチルシリコーン、フェニルメチルシリコーン、アル
キル変性シリコーン、フッ素変性シリコーンなどのシリ
コーンオイルまたはポリクロロトリフルオロエチレンな
どのフッ素系オイルを用いることが好ましい。充填液1
7の粘度は特に限定されるものではないが、25℃にお
いて1000センチポイズないし50000センチポイ
ズ程度の比較的粘度が高いものを用いれば、長期にわた
って漏洩が防止されて有利である。
ジメチルシリコーン、フェニルメチルシリコーン、アル
キル変性シリコーン、フッ素変性シリコーンなどのシリ
コーンオイルまたはポリクロロトリフルオロエチレンな
どのフッ素系オイルを用いることが好ましい。充填液1
7の粘度は特に限定されるものではないが、25℃にお
いて1000センチポイズないし50000センチポイ
ズ程度の比較的粘度が高いものを用いれば、長期にわた
って漏洩が防止されて有利である。
【0017】本発明の光ファイバカプラは融着延伸部5
の周囲媒体が液体であるので、周囲媒体が空気である一
般の融着延伸型光ファイバカプラとは光結合条件が異な
ることが考えられる。すなわち、一般に融着延伸部にお
いては光ファイバのコアが細径化されているので、光の
伝搬モードフィールド径(MFD)が拡大され、クラッ
ドと周囲媒体との界面を越えるようにもなる。従って周
囲媒体が空気である場合と液体である場合とでは伝搬モ
ードが変化する。実験の結果、充填液17がシリコーン
オイルおよびフッ素系オイルの中から選ばれたものであ
れば、周囲媒体が空気から充填液17に変わったことに
よる波長シフトは約40nmであることがわかった。こ
のとき、光ファイバカプラ本体10として例えばWIC
(波長依存性低減型)光ファイバカプラまたはそれに近
い特性のものを使用すれば、これらは波長特性が比較的
フラットであるから、特定波長、例えば1300nmに
おける光結合度はほとんど一般の光ファイバカプラと変
わらなくなる。
の周囲媒体が液体であるので、周囲媒体が空気である一
般の融着延伸型光ファイバカプラとは光結合条件が異な
ることが考えられる。すなわち、一般に融着延伸部にお
いては光ファイバのコアが細径化されているので、光の
伝搬モードフィールド径(MFD)が拡大され、クラッ
ドと周囲媒体との界面を越えるようにもなる。従って周
囲媒体が空気である場合と液体である場合とでは伝搬モ
ードが変化する。実験の結果、充填液17がシリコーン
オイルおよびフッ素系オイルの中から選ばれたものであ
れば、周囲媒体が空気から充填液17に変わったことに
よる波長シフトは約40nmであることがわかった。こ
のとき、光ファイバカプラ本体10として例えばWIC
(波長依存性低減型)光ファイバカプラまたはそれに近
い特性のものを使用すれば、これらは波長特性が比較的
フラットであるから、特定波長、例えば1300nmに
おける光結合度はほとんど一般の光ファイバカプラと変
わらなくなる。
【0018】(試験例)上記実施例の光ファイバカプラ
について、製法例と光学特性の測定例を以下に示す。光
ファイバカプラ本体10は、下記特性の光ファイバを用
いて作製した。 コア組成: SiO2−GeO2 コア直径: 約9μm クラッド組成: SiO2 クラッド直径: 約125μm コア/クラッド間の比屈折率差: 約0.35% 被覆外径: 250μm 被覆材: 紫外線硬化型アクリレート樹脂 基本モードのモードフィールド径(MFD): 9.5
μm 二次モードのカットオフ波長: 1.27μm 上記の光ファイバを用い、図4(a)(b)(c)に順
次示した方法に従って結合度3dBの光ファイバカプラ
本体10を作製した。
について、製法例と光学特性の測定例を以下に示す。光
ファイバカプラ本体10は、下記特性の光ファイバを用
いて作製した。 コア組成: SiO2−GeO2 コア直径: 約9μm クラッド組成: SiO2 クラッド直径: 約125μm コア/クラッド間の比屈折率差: 約0.35% 被覆外径: 250μm 被覆材: 紫外線硬化型アクリレート樹脂 基本モードのモードフィールド径(MFD): 9.5
μm 二次モードのカットオフ波長: 1.27μm 上記の光ファイバを用い、図4(a)(b)(c)に順
次示した方法に従って結合度3dBの光ファイバカプラ
本体10を作製した。
【0019】この光ファイバカプラ本体10を、図2に
示すように内径3mm長さ50mmの内ケース11の樋
状部材11bに、融着延伸部5を中央に配置して収容
し、この上に開口19を有する樋状部材11aをかぶ
せ、内ケース11の端部と入/出力ポート7のそれぞれ
の基部とを封止樹脂16で封止・固定した。次いで、開
口19からシリコーンオイルを充填した。次にこの内ケ
ース11を図3に示すように、入/出力ポート7を導出
部からそれぞれ導出した状態で合わせ箱型の外ケース1
2に収容し、導出部とケース合わせ目を密封した。この
外ケース12の外寸は70mm×30mm×20mmで
あり、長手方向に沿う側壁には直径25mmの開孔13
が形成されている。この開孔13からシリコーンオイル
を充填した後、これにシリコーンゴム製の膜部材14を
かぶせて接着した。
示すように内径3mm長さ50mmの内ケース11の樋
状部材11bに、融着延伸部5を中央に配置して収容
し、この上に開口19を有する樋状部材11aをかぶ
せ、内ケース11の端部と入/出力ポート7のそれぞれ
の基部とを封止樹脂16で封止・固定した。次いで、開
口19からシリコーンオイルを充填した。次にこの内ケ
ース11を図3に示すように、入/出力ポート7を導出
部からそれぞれ導出した状態で合わせ箱型の外ケース1
2に収容し、導出部とケース合わせ目を密封した。この
外ケース12の外寸は70mm×30mm×20mmで
あり、長手方向に沿う側壁には直径25mmの開孔13
が形成されている。この開孔13からシリコーンオイル
を充填した後、これにシリコーンゴム製の膜部材14を
かぶせて接着した。
【0020】ここに得られた実施例の光ファイバカプラ
について、大気圧下、および10気圧に加圧した水中に
おける波長1.30μm光の結合度と過剰損失とをそれ
ぞれ測定した。10気圧の水圧は水深100mに相当す
る。測定結果を表1に示す。
について、大気圧下、および10気圧に加圧した水中に
おける波長1.30μm光の結合度と過剰損失とをそれ
ぞれ測定した。10気圧の水圧は水深100mに相当す
る。測定結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1の結果から、実施例の光ファイバカプ
ラは、環境圧が変化しても柔軟な膜部材14の変形によ
ってケース内外の圧力差が解消され、結合度においても
過剰損失においても光学特性の変化が僅小であり、水中
に浸漬した状態で安定して使用できることがわかる。
ラは、環境圧が変化しても柔軟な膜部材14の変形によ
ってケース内外の圧力差が解消され、結合度においても
過剰損失においても光学特性の変化が僅小であり、水中
に浸漬した状態で安定して使用できることがわかる。
【0023】
【発明の効果】本発明の液浸型光ファイバカプラは、光
ファイバカプラ本体が開口を有する内ケースに収容さ
れ、この内ケースが密閉された外ケースに収容され、こ
の外ケースの側壁に柔軟な膜部材が形成され、かつケー
ス内部にクラッドより屈折率が低い充填液が充填されて
なるものであるので、環境圧が変化してもケース内外の
圧力差が解消され、深海など高水圧下に設置しても外圧
によるケースの損傷が防止される。内ケースがガラス製
であれば環境温度の変化によって光ファイバカプラ本体
が伸縮ストレスを受けることがない。外ケースが金属製
であれば衝撃に対する強度と耐性が向上する。充填液が
シリコーンオイルおよびフッ素系オイルの中から選ばれ
たものであれば、実質的に光の結合度が低下せず、過剰
損失の増加も防げる。
ファイバカプラ本体が開口を有する内ケースに収容さ
れ、この内ケースが密閉された外ケースに収容され、こ
の外ケースの側壁に柔軟な膜部材が形成され、かつケー
ス内部にクラッドより屈折率が低い充填液が充填されて
なるものであるので、環境圧が変化してもケース内外の
圧力差が解消され、深海など高水圧下に設置しても外圧
によるケースの損傷が防止される。内ケースがガラス製
であれば環境温度の変化によって光ファイバカプラ本体
が伸縮ストレスを受けることがない。外ケースが金属製
であれば衝撃に対する強度と耐性が向上する。充填液が
シリコーンオイルおよびフッ素系オイルの中から選ばれ
たものであれば、実質的に光の結合度が低下せず、過剰
損失の増加も防げる。
【図1】 本発明の一実施例である液浸型光ファイバカ
プラの心軸に沿う断面図。
プラの心軸に沿う断面図。
【図2】 図1の実施例における光ファイバカプラ本体
と内ケースの構成を示す分解斜視図。
と内ケースの構成を示す分解斜視図。
【図3】 図1の実施例の外観を示す斜視図。
【図4】 (a)〜(d)の順に従来の光ファイバカプ
ラの製法の一例を示す平面図。
ラの製法の一例を示す平面図。
3……クラッド露出部、5……融着延伸部、7……入/
出力ポート、10……光ファイバカプラ本体、11……
内ケース、12……外ケース、14……膜部材、17…
…充填液、19……開口。
出力ポート、10……光ファイバカプラ本体、11……
内ケース、12……外ケース、14……膜部材、17…
…充填液、19……開口。
Claims (3)
- 【請求項1】 融着延伸型光ファイバカプラの本体が開
口を有する内ケースに収容され、この内ケースが密閉さ
れた外ケースに収容され、光ファイバカプラ本体の両端
部から延びる入/出力ポートがこの外ケースを貫通して
外部に導出され、外ケースの側壁の少なくとも一部分が
柔軟な膜部材で形成され、かつ外ケースと内ケースのそ
れぞれの内部に光ファイバのクラッドより屈折率が低い
充填液が流通自在に充填されてなる液浸型光ファイバカ
プラ。 - 【請求項2】 上記の内ケースがガラス製であり、外ケ
ースが金属製である請求項1に記載の液浸型光ファイバ
カプラ。 - 【請求項3】 上記の充填液がシリコーンオイルおよび
フッ素系オイルの中から選ばれたものである請求項1ま
たは請求項2に記載の液浸型光ファイバカプラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7027152A JPH08220399A (ja) | 1995-02-15 | 1995-02-15 | 液浸型光ファイバカプラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7027152A JPH08220399A (ja) | 1995-02-15 | 1995-02-15 | 液浸型光ファイバカプラ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08220399A true JPH08220399A (ja) | 1996-08-30 |
Family
ID=12213085
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7027152A Pending JPH08220399A (ja) | 1995-02-15 | 1995-02-15 | 液浸型光ファイバカプラ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08220399A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2108984A1 (en) * | 2008-04-11 | 2009-10-14 | The Boeing Company | Optical reflective star coupler |
-
1995
- 1995-02-15 JP JP7027152A patent/JPH08220399A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2108984A1 (en) * | 2008-04-11 | 2009-10-14 | The Boeing Company | Optical reflective star coupler |
US7965913B2 (en) | 2008-04-11 | 2011-06-21 | The Boeing Company | Optical star coupler |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041006 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050111 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050517 |