JPH0822013A - 液晶表示素子及びその製造方法 - Google Patents

液晶表示素子及びその製造方法

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JPH0822013A
JPH0822013A JP15741294A JP15741294A JPH0822013A JP H0822013 A JPH0822013 A JP H0822013A JP 15741294 A JP15741294 A JP 15741294A JP 15741294 A JP15741294 A JP 15741294A JP H0822013 A JPH0822013 A JP H0822013A
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liquid crystal
sealing material
electrode substrate
crystal display
substrates
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JP15741294A
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English (en)
Inventor
Masaya Mizunuma
昌也 水沼
Tatsuo Masumi
達生 増見
Akira Tsumura
顯 津村
Shin Tabata
伸 田畑
Hitoshi Koyama
均 小山
Akira Tamaya
晃 玉谷
Yasushi Ouchida
裕史 大内田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 素子内に液晶材料を簡便に短時間に充填で
き、表示画面内でむらが無い表示特性の均一な優れた液
晶表示素子及びその製造方法を提供する。 【構成】 液晶表示素子を周縁部を島状に設けられる第
1のシール材3aと第2のシール材により封止して構成
する。四隅に島状に第1のシール材3aを形成して電極
基板1,2を間隙をあけて対向保持し、第1のシール材
3aの欠落部から基板間に毛細管現象により高分子分散
型液晶前駆体4を充填し、硬化させ高分子分散型液晶を
形成した後、第2のシール材で封止して作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、対向する電極基板間に
液晶が充填され、周辺がシールされている液晶表示素子
及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】まず、液晶表示素子に用いられる液晶に
ついて説明する。現在、一般的に用いられている液晶表
示素子の表示モードは、偏光板2枚を用いるTN型、ま
たはSTN型液晶表示素子であり、これらには液晶材料
としてネマチック液晶が用いられている。また、近年、
偏光板を用いずともよいため光の利用効率が高く、低消
費電力で明るい表示が期待できる、散乱/透過による表
示モードを用いた高分子分散型液晶(液晶が高分子マト
リクス中に分散保持されている:Polymer Dispersed Li
quid Crystal,以下PDLCと略記する)が盛んに開発
されている。PDLCには、いくつかの製造方法がある
が、光重合性の高分子マトリクス前駆体と液晶の混合物
である高分子分散型液晶前駆体(以下PDLC前駆体と
略記する)に紫外線を照射することにより、高分子マト
リクスと液晶に相分離を起こさせることにより製造する
方法が一般的である。他に、熱硬化性の高分子マトリク
ス前駆体を用い熱硬化により相分離を起こさせることに
より製造する方法、電子線硬化等により相分離を起こさ
せることにより製造する方法がある。
【0003】次に、従来の液晶表示素子の構成及びその
製造方法を図7(a)〜(f)に工程順に示す。同図(a)〜
(c)は模式平面図、(d)〜(f)は(a)〜(c)のA−B線
模式図である。まず、図7(a),(d)に示すように一方
の電極基板1上にスクリーン印刷法により熱硬化性接着
剤からなるシール材3を塗着し、他方の電極基板2上に
スペーサ材8を均一に配置しておく。次に図7(b),
(e)に示すように、両方の電極基板1,2を重ね合わせ
た後、両電極基板1,2を外面から加圧しながら加熱
し、熱硬化性接着剤からなるシール材3を硬化させる。
これにより、両電極1,2はスペーサー材8の粒径まで
押しつぶされたまま固着され、電極基板間隙が決定され
る。次に、図7(c),(f)に示すように、液晶材料4を
充填孔9より以下に示す方法で両電極基板1,2間に充
填後、封止材6により充填孔9を封止する。図8(a)
(b)は液晶材料の充填方法を工程順に示す模式断面図で
ある。液晶材料の充填は図8(a)に示すように、貼り合
わされた電極基板1、2(以下空パネルと称す)の間隙
を真空状態にする(実際には空パネルを入れたチャンバ
ー11内部を排気し真空状態にする)。この後、図8
(b)に示すように、空パネルの充填孔9を液晶皿10の
液晶材料4内に浸漬し、周辺を大気圧とする(チャンバ
ー11内をリークする)。これにより、空パネル内部と
液晶皿10の液晶材料4表面との気圧差によって空パネ
ル内に液晶材料が充填される。液晶材料としてPDLC
を用いる場合には、空パネル内にPDLC前駆体を充填
し、次に上記PDLC前駆体中の高分子マトリクス前駆
体を硬化させる工程を経てPDLCを形成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、液晶表示装置は
大型化しており、端末用ディスプレイとしてA4サイズ
以上のものが実用化されている。一方、上述した従来の
液晶表示素子のような構成および製造方法では、電極基
板間隔は空パネル状態で決定され、その規定の間隔内に
液晶材料を注入しなけらばならない。この電極基板間隔
は通常5〜6μm程度と非常に狭く、上述した気圧差に
より液晶材料を充填する方法では、この微小間隔にA4
サイズ全面まで液晶材料を充填させるためには多大な時
間を要するという問題がある。特に、高分子マトリクス
が光硬化性の樹脂からなるPDLCを得るためにPDL
C前駆体を上述の方法により充填する場合には、通常の
液晶よりもはるかに粘性が高く注入が困難で、しかも液
晶皿にPDLC前駆体を入れチャンバー8を排気し真空
にした際に、高分子マトリクス前駆体の成分のうち、揮
発性成分が蒸発し材料組成が変化したりするために、表
示画面内の表示特性にむらを生じるという問題がある。
【0005】本発明は、素子内に液晶材料を簡便に短時
間に充填でき、表示画面内でむらが無く、表示特性が均
一で優れた液晶表示素子及びその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
液晶表示素子は、対向する電極基板間に液晶材料が封入
され、周縁部がシールされてなるもので、素子周縁部に
島状に不連続に設けられる第1のシール材、及び上記周
縁部で上記第1のシール材の欠落部分に設けられる第2
のシール材を備え、第1,第2のシール材により上記周
縁部を封止するようにしたものである。
【0007】上記液晶表示素子の製造方法は、電極基板
周縁部に島状に不連続に第1のシール材を形成して上記
両電極基板を間隙をあけて対向保持する工程、上記第1
のシール材の欠落部から上記電極基板間に毛細管現象に
よりPDLC前駆体を充填する工程、上記PDLC前駆
体に含まれる高分子マトリクス前駆体を硬化させ高分子
分散型液晶を形成する工程、及び上記周縁部で上記第1
のシール材の欠落した部分を第2のシール材で封止する
工程を施すものである。
【0008】本発明の請求項3に係る液晶表示素子の製
造方法は、電極基板の少なくとも一方の周縁部に少なく
とも1箇所以上の切り欠きが生じるよう隙間をあけてシ
ール材を付着する工程、上記電極基板の一方に液晶材料
を供給する工程、上記液晶材料を供給した一方の電極基
板に上記電極基板の他方を重ね合わせる工程、上記電極
基板間を所定間隙に圧縮する工程、上記シール材を硬化
させ上記シール材を介して上記両電極を固着する工程、
及び上記シール材の切り欠き部を閉塞する工程を施すも
のである。
【0009】本発明の請求項4に係る液晶表示素子は、
電極基板にあけられた貫通孔、及びこの貫通孔を閉塞す
る孔シール材を備えたものである。
【0010】上記液晶表示素子の製造方法は、電極基板
に貫通孔を形成する工程、上記電極基板の少なくとも一
方の周縁部にシール材を付着する工程、上記電極基板の
一方に液晶材料を供給する工程、上記液晶材料を供給し
た一方の電極基板に上記電極基板の他方を重ね合わせる
工程、上記電極基板間を所定間隙に圧縮する工程、上記
シール材を硬化させ上記シール材を介して上記両電極を
固着する工程、及び上記貫通孔を閉塞する工程を施すも
のである。
【0011】そして、液晶材料にPDLC、シール材に
上記液晶材料の高分子マトリクスと硬化手段が同じもの
を用い、上記液晶材料の形成とシール材の硬化を同一工
程で行うようにした。
【0012】
【作用】本発明における請求項1に係る液晶表示素子に
おいては、素子周縁部に第1のシール材を島状に設け、
その隙間を第2のシール材により埋めて封止している。
このように構成されているので、充填されたPDLC前
駆体の高分子マトリクスの硬化を第2のシール材で封止
する前に行うと、上記液晶材料が硬化時に接するのは、
例えば素子の四隅に設けられた第1のシール材だけとな
り、シール材と接する面積(界面)が極く小さくなる。
従って、シール材との界面部分に発生するPDLCの高
分子マトリクスの重合時の硬化収縮による応力が緩和さ
れ、即ち高分子マトリクスの重合時の硬化収縮が均一化
され、表示画面内でむらが無い液晶表示素子が得られ
る。表示特性の面内におけるばらつきを低減できる。ま
た、PDLC自身が電極基板を接着する機能を有してお
り、接着信頼性が向上する。また、請求項2のこの液晶
表示素子の製造方法に示すように、第1のシール材によ
り保持される電極基板間に毛細管現象によりPDLC前
駆体を充填して製造することができ、圧力差を利用した
場合に比べ、チャンバーの排気や液晶材料の充填に要す
る時間が短縮でき、簡便に行える。上記液晶材料を真空
(低圧)条件下に置くことがないので、液晶材料の揮発
性成分が蒸発し、組成が変化するという問題も解消で
き、組成変化に起因する表示特性むらの発生を防止でき
る。さらに、液晶材料充填は上下の電極基板の位置合わ
せ後、第1のシール材によりずれないよう保持された状
態で行われるので、精度良く製造でき、高精度な位置合
わせを要する素子にも適用できる。
【0013】また、請求項3に係る液晶表示素子の製造
方法においては、電極基板にシール材を1箇所以上の切
り欠きが生じるように付着させ、液晶材料を供給した一
方の電極基板に他方の電極基板を重ね合わせた後、電極
基板間を所定間隙に圧縮し、シール材を硬化させ両電極
を固着するようにしている。従って、電極基板間を所定
間隙に圧縮する際に、余分な液晶材料がシールの切り欠
き部から排出されるので、液晶材料が未硬化のシール材
と電極基板間に浸入することにより起こる電極基板間の
接着強度の低下が防止できる。シール材の接着力を低下
させることなく、表示特性の均一な液晶表示素子を得る
ことができる。また、圧力差を利用した液晶材料充填方
法に比べ、空パネルの形成、チャンバーの排気、液晶材
料の充填などの工程に要する時間が短縮でき、簡便に充
填できる。液晶材料の揮発性成分が蒸発し組成が変化す
るという問題も解消でき、組成変化に起因する表示特性
むらの発生を防止できる。
【0014】本発明における請求項4に係る液晶表示素
子においては、電極基板に貫通孔をあけており、請求項
5に示すように、この液晶表示素子の製造時、液晶材料
を供給した一方の電極基板に他方の電極基板を重ね合わ
せた後、電極基板間を所定間隙に圧縮した際に、余分な
液晶材料が上記貫通孔から排出されるので、液晶材料が
未硬化のシール材と電極基板間に浸入することにより起
こる電極基板間の接着強度の低下が防止できる。上記と
同様、シール材の接着力を低下させることなく、表示特
性の均一な液晶表示素子を得ることができる。また、圧
力差を利用した液晶材料充填方法に比べ、空パネルの形
成、チャンバーの排気、液晶材料の充填などの工程に要
する時間が短縮でき、簡便に充填できる。液晶材料の揮
発性成分が蒸発し組成が変化するという問題も解消で
き、組成変化に起因する表示特性むらの発生を防止でき
る。
【0015】さらに液晶材料にPDLC、シール材に上
記液晶材料の高分子マトリクス材料と硬化手段が同じも
のを用い、例えば光重合法を用いて形成されるPDLC
前駆体と光硬化性シール材を用い、液晶材料とシール材
の硬化工程を同時に施すことにより、工程を減らせ、簡
便に製造できる。また、PDLC前駆体とシール材がほ
ぼ同時に硬化するため、高分子マトリクスの重合時の硬
化収縮が均一化され、表示画面内でむらが無い表示特性
の均一な液晶表示素子が得られる。また、PDLC自身
が電極基板を接着する機能を有しており、接着信頼性が
向上する。
【0016】
【実施例】
実施例1.図1(a)(b)は本発明の実施例1の液晶表示
素子に係り、(a)は液晶材料充填後、第2のシール材で
封止する前の液晶表示素子を示す模式平面図で、(b)は
第2のシール材で封止後の液晶表示素子を示す模式平面
図である。図において、1は第1電極基板、2は第2電
極基板、3aは素子(即ち電極基板)周縁部に島状に不
連続に設けられる第1のシール材、この場合は四隅に設
けられている。3bは第1のシール材3aの欠落部分に
設けられる第2のシール材、4は液晶材料で、この場合
はPDLC前駆体である。まず、この液晶表示素子の製
造方法について説明する。第1電極基板1あるいは、第
2電極基板2のどちらかにスクリーン印刷で第1のシー
ル材3aを基板の四隅に直径0.5mm程度の島状に設け
る。この実施例では、シール材3に熱硬化型シール材ス
トラクトボンドXN−21S(三井東圧化学(株)社製)
を用いた。シール材3aをスクリーン印刷した基板を1
00℃で、10分間プレキュアした後、両電極基板1,
2を電極形成面を対向させて張り合わせ、150℃で6
0分間、電極基板1,2の間隙の間隔が6μmとなるよ
う、2kg/cm2の圧力を加えながら硬化させ、さらに15
0℃で30分間硬化させ空パネルを得た。次に、PDL
C前駆体4を空パネル周辺にのせ、毛細管現象を利用し
て、第2電極基板2の端から基板1,2の間隙(空パネ
ル内)に浸透させてPDLC前駆体4を充填した。PD
LC前駆体4には、光重合活性基を持つ高分子マトリク
ス前駆体として2−エチルヘキシルアクリレート6部,
ヒドロキシエチルアクリレート18部,及び多官能オリ
ゴマ(東亜合成化学(株)製「M−1200」)14部
と、光重合開始剤である2−ヒドロキシ−2−メチル−
1−フェニルプロパン−1−オン0.4部と、液晶とし
てメルク社製「BL002」を62部とを均一に溶解し
たものを用いた。ここで用いたパネルの表示面積は対角
10cmであり、注入に要した時間は 約10分で、従
来法を用いて同じサイズの空パネルに液晶材料を充填し
た場合に比べ約3分の1の時間であった。次に液晶材料
を充填したパネルに紫外線(70mW/cm2)を1分間照射
し、光重合による相分離を利用してPDLCを得た。次
に、第2電極基板2の周辺、第1のシール材3aの欠落
部分を第2のシール材3b、この場合はエポキシ系接着
剤により液晶材料4が大気と接触しないように封止し
た。
【0017】このようにして得られた液晶表示素子には
面内における液晶材料充填時の液晶材料の流れ跡、表示
特性のむらなどは認められなかった。また、得られた液
晶表示素子について、対向する電極に電圧を印加しない
場合の直線光線透過率T0Vと、両電極間に10Vの電圧
を印加した場合の直線光線透過率 T10Vとを、表示画面
中央およびシール材近傍について測定した。その結果を
表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1に示すように、これらの工程を経て製
造したPDLCを用いた液晶表示素子では、電圧印加に
対する光透過率の変化について島状シール周辺と表示画
面中央において両者間に差異は認められなかった。PD
LC前駆体が硬化時に接するのは、空パネルの四隅に設
けられた第1のシール材3aだけと、シール材と接する
面積(界面)が極めて小さいため、シール材との界面部
分に発生する高分子マトリクスの重合時の硬化収縮によ
る応力が緩和され、高分子マトリクスの重合時の硬化収
縮が均一化されたためと考えられる。また、PDLC自
身が電極基板を接着する機能を有しており、接着信頼性
を向上できる。また、電極基板1,2間(空パネル)に
毛細管現象によりPDLC前駆体を充填して製造してお
り、圧力差を利用した場合に比べ、チャンバーの排気や
液晶材料の充填に要する時間が短縮でき、簡便に行え
る。PDLC前駆体を真空(低圧)条件下に置くことが
ないので、PDLC前駆体の揮発性成分が蒸発し組成が
変化するという問題も解消でき、組成変化に起因する表
示特性むらの発生を防止できる。さらに、第1のシール
材により位置ずれしないよう保持された空パネルにPD
LC前駆体を充填するものであり、上下の基板を高精度
に位置合わせする必要がある液晶表示素子にも適用でき
る。この様に、この実施例においては、表示画面内でむ
らが無く、表示特性の面内におけるばらつきがない、品
質、信頼性の高い液晶表示素子を短時間で簡便に得られ
る効果がある。
【0020】なお、第1のシール材3aの形状は、電極
基板1,2間(空パネル)に毛細管現象によりPDLC
前駆体を充填できれば特に制限はなく、上下基板のずれ
を防止できる、位置ずれが生じないように素子周縁部、
即ち両電極基板の外周に沿って点々と島状に形成されて
いればよい。また、第1のシール材の設けられた部分が
多いと、PDLCの高分子マトリクスの重合反応時の硬
化収縮を十分に均一化できず、表示画面内でのむらの低
減効果が十分に発揮されない。従って、形成された第1
のシール材の長さ(全長)は周縁部(電極基板外周)の
長さに対して2分の1以下(換言すると第1のシール材
の欠落部分の長さが2分の1以上)であるのが望まし
い。また、シール材を形成するのは第1電極基板1、第
2電極基板2どちらでもよく、あるいは両者に形成する
ようにしてもよい。シール材の付着方法についても、ス
クリーン印刷で塗着する場合について示したが、これに
限らず他の方法でも良く、同様の効果を奏する。さら
に、この実施例では電極基板1,2の間隙を保持するた
めに、表示画素面内にスペーサ材を散布した場合につい
て説明したが、第1のシール材3a中に例えばプラスチ
ックビーズ、あるいはガラスビーズからなるスペーサー
材を含有させるようにしてもよい。さらにまた、PDL
C前駆体4を空パネル周辺にのせ、毛細管現象を利用し
て、基板の端から基板1,2の間隙(空パネル)内に浸
透させてPDLC前駆体4を充填する際に、PDLC前
駆体を載せた側の周縁部と反対側あるいは充填が進行し
ていく方向の周縁部からPDLC前駆体を吸引する等、
充填がより速やかに行われるよう補佐するようにしても
よい。
【0021】比較例1.図2の模式平面図に示すような
充填孔9を外周に印刷したシール材3部分に2箇所持つ
構成の空パネルを実施例1とほぼ同様にして作製した。
この空パネルに、実施例1で用いたPDLC前駆体4を
用いて実施例1とほぼ同じようにして充填し、充填孔9
をエポキシ系接着剤で封止し液晶表示素子を得た。この
様にして製造した比較例1の液晶表示素子について実施
例1と同様、対向電極間に電圧を印加しない場合の直線
光線透過率T0Vと、両電極間に10Vの電圧を印加した
場合の直線光線透過率 T10Vを表示画面中央およびシー
ル材近傍について測定した。その結果を表1に示す。電
圧を印加しない時にはシール材周辺では表示画面中央に
比べ光透過率が高く、面内の表示特性もむらが見られ
た。
【0022】実施例2.図3(a)〜(e)は、本発明の実
施例2の液晶表示素子の製造方法を工程順に示すもの
で、(a)は模式平面図、(b)〜(e)は模式断面図であ
る。図において、1は第1の電極基板、2は第2の電極
基板、3はシール材、3cはシール材に形成された切り
欠き部、4は液晶材料、6は封止材である。まず、この
実施例2の液晶表示素子の製造方法について説明する。
図3(a),(b)に示すように第1電極基板1上にスクリ
ーン印刷でシール材3を 幅0.3mm程度に印刷(塗着)
する。この時、シール材3の印刷パターンには少なくと
も1箇所以上の切り欠き部3cを設ける。この場合は電
極基板1の四辺の角部に設けた。次に、電極基板1上に
液晶材料4を適量滴下する。なお、シール材3は液晶材
料4の液面高さより高く形成してある。また、この実施
例ではシール材3には、紫外線硬化型シール材((株)ス
リーボンド社製、30Y−045P)を用いた。次に、
電極基板1上に電極基板2を重ね合わせ、2枚の電極基
板1,2を押圧して接近させ、基板間隙を所望の間隔に
圧縮する。この際、シール材3を液晶材料4の液面高さ
より高く形成してあるので、基板間隙の圧縮に伴い、図
3(c)に示すようにシール材3が先に電極基板2に接触
し、液晶材料4が電極基板2とシール材3との間に侵入
することがない。さらに、基板間隙が所望の間隔に近づ
くと余分な液晶材料4は図3(d)に示すようシール材3
の切り欠き部3cから排出される。排出された液晶材料
4を取り除いた後、紫外線を70mW/cm2の照度で100
秒間照射(図示せず)してシール材3を硬化した。次
に、図3(e)に示すように余分な液晶材料4を排出する
ために設けた切り欠き部を封止材6を用いて封止した。
この場合は、封止材にエポキシ系接着剤を用いた。
【0023】このように余分な液晶材料4をシール材3
に切り欠き部3cを設けて、ここから排出するようにし
ているので、液晶材料4がシール材3と電極基板の間に
入ってシール材の接着力を低下させることなく、表示特
性の均一な液晶表示素子が得られた。また、液晶材料を
一方の電極基板上に滴下し、他方の基板を張り合わせて
素子内に液晶材料を充填するため、圧力差を利用した液
晶材料充填方法に比べ、空パネルの形成、チャンバーの
排気、液晶材料の充填などの工程に要する時間が短縮で
き、簡便に製造できる。なお、電極基板間を所定の間隙
に保持するために、電極基板間(空パネル面)内または
シール材中に例えばプラスチックビーズ、あるいはガラ
スビーズなどからなるスペーサー材を散布あるいは含有
させておくことが望ましい。また、シール材が未硬化の
とき液晶材料がシール材と電極基板間に入らないように
するため、実施例で示したように、シール材の高さは電
極基板にのせた液晶材料の液面高さより高くすることが
好ましい。またシール材を塗着するのは第1電極基板、
第2電極基板どちらでもよく、あるいは両者に塗着して
設けるようにしてもよく、両者をあわせたシール材の高
さが液晶材料の高さより高くなるように形成するように
するとよい。さらに、シール材に設ける切り欠き部は、
基板間隙の圧縮に伴い、液晶材料が展延(展開)する時
に、空気が四隅部分に残りやすいため、この実施例で示
したように四隅、四辺の角部分に設けるのが好ましい。
また、必要に応じて辺の中央に設けても良い。また、1
箇所だけでも十分効果がある。
【0024】実施例3.実施例2とほぼ同様の工程によ
り、液晶材料4として実施例1で用いたPDLC前駆体
を用いて液晶表示素子を得た。この場合も、シール材3
の高さを液晶材料4の液面高さより高くしてあるので、
電極基板1、2を張り合わせ、所定の間隙に圧縮する際
に、シール材3が先に電極基板2に接触し、液晶材料4
が電極基板2とシール材3との間に侵入することがな
く、図3(d)に示すように基板間隙を所望の間隔にする
と、余分な液晶材料4がシール材の切り欠き部3cから
排出される。排出された液晶材料4を取り除いた後、紫
外線を照射(図示せず)してPDLC前駆体4とシール
材3を同時に硬化した。次に、図3(e)に示すように余
分な液晶材料4を排出するために設けた切り欠き部3c
を封止材6を用いて封止した。
【0025】得られた液晶表示素子について、実施例1
と同様、対向電極間に電圧を印加しない場合の直線光線
透過率T0Vと、両電極間に10Vの電圧を印加した場合
の直線光線透過率 T10Vを表示画面中央およびシール材
近傍について測定した。その結果を表1に示す。電圧印
加に対する光透過率の変化についてシール近傍と表示画
面中央において両者間に差異は認められなかった。上記
実施例2と同様、シール材の接着力を低下させることな
く、表示特性の均一な液晶表示素子が短時間に簡便に製
造できる。また、PDLC自身が電極基板を接着する機
能を有しているので、より接着信頼性を向上できる。さ
らに、PDLC前駆体は真空(低圧)条件下に置かれる
ことがないので、PDLC前駆体の揮発性成分の蒸発に
よる組成変化を防止でき、この組成変化に起因する表示
特性むらの発生を防止できる。また、紫外線を照射して
PDLC前駆体とシール材3を同時に硬化でき、製造工
程を短縮でき、簡便になる。また、液晶材料とシール材
がほぼ同時に硬化するので、高分子マトリクスの重合時
の硬化収縮が均一化され、表示画面内でむらが無い液晶
表示素子が得られる。
【0026】また、上記実施例3において、シール材を
2重に設けて、内側に設けるシール材に切り欠き部を設
け、この切り欠き部から排出した余分の液晶材料を内側
と外側のシール材の間に溜めておくようにしてもよい。
この場合は、液晶材料は外側のシール材の内側に封入さ
れ、大気と接触することがないので、切り欠き部を封止
する工程が省略できる。
【0027】実施例4.図4(a)〜(d)は、本発明の実
施例4の液晶表示素子の製造方法を工程順に示す模式断
面図である。図において、1は第1の電極基板、2は第
2の電極基板、3はシール材、4は液晶材料、7は電極
基板2に設けた貫通孔、7aは貫通孔7を封止する孔シ
ール材である。この実施例4の液晶表示素子の製造方法
について説明する。まず、図4(a)に示すように、第2
電極基板2外周部に予め直径1mmの貫通孔7を表示部を
避けて四隅に設けた。第1電極基板1上にスクリーン印
刷でシール材3を幅0.3mm程度に印刷し、液晶材料4
を適量滴下した。この時、シール材3は液晶材料4の液
面高さより高く形成した。シール材3には、紫外線硬化
型シール材((株)スリーボンド社製、30Y−045
P)を用いた。次に、2枚の電極基板1,2を押圧して
接近させ、基板間隙を所望の間隔に圧縮する。この際、
シール材3が液晶材料4の液面高さより高く形成してあ
るので、基板間隙の圧縮に伴い、図4(b)に示すように
シール材3が先に電極基板2に接触する。従って、液晶
材料4が電極基板2とシール材3との間に侵入させずに
接着出来た。次に、図4(c)に示すように、基板間隙を
所望の間隔にすると余分な液晶材料4が貫通孔7から排
出される。排出された液晶材料4を取り除いた後、紫外
線を照射(図示せず)してシール材3を硬化した。次
に、図4(d)に示すように液晶材料4を排出するために
あけた貫通孔7を孔シール材7aにより封止した。この
場合は、孔シール材7aにエポキシ系接着剤を用いた。
【0028】この実施例のように液晶表示素子を構成
し、製造することにより、即ち、貫通孔7を設けて、電
極基板上に液晶材料を滴下し、他方の基板を張り合わせ
て素子内に液晶材料を充填して製造する際に、余分な液
晶材料4を貫通孔7から排出するようにしているので、
上記実施例2、3と同様、液晶材料4がシール材3と電
極基板の間に入ってシール材の接着力を低下させること
なく、簡便かつ短時間で、表示特性の均一な液晶表示素
子が得られた。
【0029】実施例5.実施例4とほぼ同様の工程によ
り、液晶材料4として実施例1で用いたPDLC前駆体
を用いて液晶表示素子を得た。この場合も、シール材3
の高さを液晶材料4の液面高さより高くしてあるので、
電極基板1、2を張り合わせ、所定の間隙に圧縮する際
に、シール材3が先に対向する電極基板に接触するた
め、液晶材料4が電極基板2とシール材3との間に侵入
することなく、基板間隙を所望の間隔にすると、余分な
液晶材料4が貫通孔7から排出される。排出された液晶
材料4を取り除いた後、紫外線を照射(図示せず)して
PDLC前駆体4とシール材3を同時に硬化した。次
に、余分な液晶材料4を排出するために設けた貫通孔7
を孔シール材7aにより封止した。
【0030】得られた液晶表示素子について、実施例1
と同様、対向電極間に電圧を印加しない場合の直線光線
透過率T0Vと、両電極間に10Vの電圧を印加した場合
の直線光線透過率 T10Vを表示画面中央およびシール材
近傍について測定した。その結果を表1に示す。電圧印
加に対する光透過率の変化についてシール近傍と表示画
面中央において両者間に差異は認められなかった。上記
実施例4と同様、シール材の接着力を低下させることな
く、表示特性の均一な液晶表示素子が短時間に簡便に製
造できる。また、PDLC自身が電極基板を接着する機
能を有しているので、より接着信頼性を向上できる。さ
らに、PDLC前駆体は真空(低圧)条件下に置かれる
ことがないので、PDLC前駆体の揮発性成分の蒸発に
よる組成変化を防止でき、この組成変化に起因する表示
特性むらの発生を防止できる。また、紫外線を照射して
PDLC前駆体とシール材3を同時に硬化でき、工程が
減らせ、製造が簡略化できる。また、液晶とシール材が
ほぼ同時に硬化するので、高分子マトリクスの重合時の
硬化収縮が均一化され、表示画面内でむらが無い液晶表
示素子が得られる。
【0031】実施例6.実施例2と同様の構成の液晶表
示素子を、シール材をスクリーン印刷し、同様の方法で
作製した。実施例6aでは、シール材として紫外線硬化
型の(株)スリーボンド社製30Xー857を用い、液晶
材料として実施例1で示したPDLC前駆体を用いた。
実施例6bではシール材として同じく紫外線硬化型の
(株)スリーボンド社製3052Bを用い、液晶材料とし
て実施例1で示したPDLC前駆体を用いた。実施例6
cでは、シール材として同じく紫外線硬化型の(株)スリ
ーボンド社製30Y−062を用い、液晶材料として実
施例1で示したPDLC前駆体の光重合開始剤を1部と
したものを用いた。また、比較例として同様の構成の液
晶表示素子を同様にして作製した。比較例2では、シー
ル材として2−エチルヘキシルアクリレート6部および
ヒドロキシエチルアクリレート18部、多官能オリゴマ
(東亜合成化学(株)製「M−1200」)24部、光重
合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェ
ニルプロパン−1−オン10部とした紫外線硬化性の混
合物を用い、液晶材料として実施例1で示したPDLC
前駆体を用いた。比較例3ではシール材として2−エチ
ルヘキシルアクリレート6部およびヒドロキシエチルア
クリレート18部、多官能オリゴマ(東亜合成化学(株)
製「M−1200」)24部、光重合開始剤として2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−
オン10部とした紫外線硬化性の混合物を用い、液晶材
料として実施例1で示したPDLC前駆体の光重合開始
剤を1部としたものを用いた。得られたそれぞれの液晶
表示素子について、対向する電極に電圧を印加しない場
合の直線光線透過率T0Vと、両電極間に10Vの電圧を
印加した場合の直線光線透過率 T10Vとを、表示画面中
央およびシール材近傍について測定した。その結果を高
分子マトリクスおよびシール材の反応時間と併せて表2
に示す。
【0032】
【表2】
【0033】実施例6a〜6cの液晶表示素子では、電
圧の有無により、シール近傍および画面中央で光の透過
率に差は見られず均一な表示特性を示した。これに対
し、比較例2,3の液晶表示素子では、電圧を印加しな
い時におけるシール近傍の光透過率が表示画面中央に比
べ高く、面内にも表示特性のむらが見られた。比較例
2,3の液晶表示素子では、実施例6a〜6cの液晶表
示素子に比較して、PDLCに用いる高分子マトリクス
の重合硬化に要する反応時間に対して、シール材の反応
時間がそれほど長くないためである。これは、高分子マ
トリクスの重合時の硬化収縮がシール材の硬化時間に比
べ長いので、より均一化されるためである。即ち、シー
ル材の方が後からゆっくり硬化し、硬化するまでの間、
シール材との界面部分に発生する高分子マトリクスの重
合時の硬化収縮による応力の緩和が持続されるためと考
えられる。なお、ここで、上記反応時間の指標について
説明する。図5は、紫外光硬化性の樹脂を同一温度にお
いて紫外線を照射して硬化したときに得られる、示差走
査熱測定(DSC)結果を示す説明図である。図に示す
曲線は、樹脂の硬化反応に伴って発生する熱量を時間に
対してプロットしたものである。図中矢印で示す紫外線
照射の開始により樹脂は重合を開始し、反応熱を発生す
る。このとき硬化反応により発生する全熱量に対し、9
0%の熱量が発生する時間を反応時間とした。
【0034】実施例7.図6は本発明の実施例7に係わ
る液晶表示素子の模式平面図である。図において、1は
第1の電極基板、2は第2の電極基板、3はシール材、
4は液晶材料、5は障壁である。 実施例7a.第1電極基板1にスクリーン印刷でシール
材3を 幅0.3mm程度に印刷する。この場合はシール材
3には、紫外線硬化型シール材(株)スリーボンド社製、
30Y−045Pを用いた。次に、第2の電極基板2に
障壁5となる樹脂を前記シール材と同様に印刷した。こ
の場合は障壁の樹脂として前記シール材と同様のものを
用いた。次に、第2の電極基板2に、液晶材料4を適量
滴下し、電極面を向かい合わせて張り合わし、加圧す
る。加圧した状態で紫外線を照射(70mW/cm2の照度で
100秒間)してシール材3を硬化させた。この時、液
晶材料4は、基板を張り合わせた時に基板間で広がる
が、障壁5によりせき止められ、シール材3には到達し
ないので、液晶材料がシール材と電極基板の間に入って
シール材の接着力を低下させることなく、簡便かつ短時
間で、表示特性の均一な液晶表示素子が得られた。な
お、シール材を形成する電極基板は障壁を設けた電極基
板に限定するものではなく、どちらでもよい。
【0035】実施例7b.実施例7aとほぼ同様の工程
により、液晶材料4として実施例1で用いたPDLC材
料を用いて液晶表示素子を得た。ここで得られた液晶表
示素子は、実施例7a同様、両電極基板を張り合わせ、
面内に散布したスペーサーの厚さ(12μm)に加圧し
た時に液晶材料が電極基板間に広がるが、障壁5により
せき止められ、シール材3には到達しない、さらに紫外
線照射(2分間)によりシール材とともにPDLC前駆
体の高分子マトリクス前駆体を硬化する。液晶材料がシ
ール材と電極基板の間に入ってシール材の接着力を低下
させることなく、表1に示すように表示特性の均一な液
晶表示素子が得られた。
【0036】実施例7c.実施例7aとほぼ同様の構成
を用いているが、シール材3として熱硬化型シール材、
ストラクトボンドXN21S(三井東圧化学(株)社製)
を用いた。また液晶材料4として実施例1で用いたPD
LC前駆体を使用した。シール材3をスクリーン印刷し
た基板を100℃で、10分間プレキュアした。次に、
他方の電極基板に障壁5となる樹脂を上記シール材と同
様に印刷した。障壁5となる樹脂には紫外線硬化型シー
ル材(株)スリーボンド社製、30Y−045Pを用い
た。次に、いずれかの電極基板に、液晶を適量滴下し、
電極面を向かい合わせて張り合わし、加圧する。加圧し
た状態で紫外線を照射(70mW/cm2の照度で2分間)し
てPDLC前駆体および障壁5の樹脂を硬化させた。次
に、両電極基板を張り合わせたパネルを、150℃で6
0分間加熱しシール材3を硬化させ液晶表示素子を得
た。液晶材料4は、基板を張り合わせた時に基板間で広
がるが、樹脂5によりせき止められ、シール材3には到
達しないので、液晶材料がシール材と電極基板の間に入
ってシール材の接着力を低下させることなく、表1に示
すように表示特性の均一な液晶表示素子が得られた。
【0037】本発明に係るシール材としては、熱硬化型
シール材、紫外線硬化型シール材、熱および紫外線硬化
型のシール材のいずれを用いてもよい。熱硬化型シール
材の例としては、ストラクトボンドXN−21S(三井
東圧化学(株)社製)、アラルダイトXNR/H560
0,XNR5602−1(長瀬チバ社製)が挙げられ
る。紫外線硬化型シール材の例としては、アラルダイト
XNR5493,XNR5612(長瀬チバ社製)、3
0Y−045P、3052B((株)スリーボンド社製)
などが挙げられる。なお、シール材を2重に設ける場合
の内側のシール材、障壁を形成する樹脂は上記シール材
と同一のものを用いてもよいし、その他に弾性を持つシ
リコーン系接着剤や、ゴム系光硬化性接着剤、あるいは
PDLCに用いられる高分子マトリクス材料を用いても
よい。さらに、シール材のように接着力を持たないゼラ
チン樹脂のような樹脂を用いても構わない。
【0038】また、シール材は特に制限するものではな
いが、PDLC前駆体とシール材の硬化工程を同時に行
う場合、PDLCに用いる高分子マトリクスの重合硬化
に要する反応時間に対して、シール材の反応時間の方が
長いものを用いることが好ましい。これは、高分子マト
リクスの重合時の硬化収縮がシール材の硬化時間が長い
ことにより、より均一化されるためである。
【0039】本発明に係わる液晶材料としては、光硬化
性、熱硬化性、電子線硬化性等のPDLCが良好に用い
られる。この明細書では、PDLCとして、光相分離法
を利用したもので、光重合活性基を持つ高分子マトリク
ス前駆体と、液晶との混合物に紫外光を照射して得られ
る液晶が高分子マトリクス中に分散保持されたものを例
に説明した。また、この明細書では未硬化の高分子マト
リクス前駆体と液晶の混合物をPDLC前駆体と称す
る。高分子マトリクス前駆体は一般に光重合活性基を一
つ持つ単量体化合物(単官能モノマ)と二つ以上の光重
合活性基を有する単量体化合物(多官能モノマ)または
オリゴマ(多官能オリゴマ)の混合物であり、それらの
構成、組合せは特に限定するものではないが、単官能モ
ノマと多官能モノマの混合物または単官能モノマと多官
能オリゴマと光重合開始剤の混合物を高分子マトリクス
前駆体として用いることが好ましい。
【0040】単官能モノマの例としては、ラウリルアク
リレ−ト,ラウリルメタクリレ−ト,ステアリルアクリ
レ−ト,ステアリルメタクリレ−ト,ベンジルアクリレ
−ト,ベンジルメタクリレ−ト,シクロヘキシルアクリ
レ−ト,シクロヘキシルメタクリレ−ト,2−エチルヘ
キシルアクリレ−ト,2−エチルヘキシルメタクリレ−
ト,2−ヒドロキシエチルアクリレ−ト,2−ヒドロキ
シエチルメタクリレ−ト,n−ブチルアクリレート,n
−ブチルメタクリレート,2ーヒドロキシブチルアクリ
レート,2ーヒドロキシブチルメタクリレート,イソボ
ルニルアクリレ−ト,イソボルニルメタクリレ−ト,テ
トラヒドロフルフリルアクリレ−ト,テトラヒドロフル
フリルメタクリレ−ト,メトキシトリエチレングリコ−
ルアクリレ−ト,メトキシトリエチレングリコ−ルメタ
クリレ−ト,フェノキシポリエチレングリコールアクリ
レート,フェノキシポリエチレングリコールメタクリレ
ート,テトラフロロプロピルアクリレ−ト,テトラフロ
ロプロピルメタクリレ−ト,トリフロロエチルアクリレ
−ト,トリフロロエチルメタクリレ−ト,2−ヒドロキ
シ3−フェノキシプロピルアクリレート,トリメチロー
ルプロパンアクリル酸安息香酸エステル,臭素化フェニ
ルアクリレート,臭素化フェニルメタクリレート,臭素
化フェノキシポリエチレングリコールアクリレート,臭
素化フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート
等があげられるが、これに限定されるものではない。
【0041】多官能モノマの例としては1,4−ブタン
ジオ−ルジアクリレ−ト,1,4−ブタンジオ−ルジメ
タクリレ−ト,ジエチレングリコ−ルジアクリレ−ト,
ジエチレングリコ−ルジメタクリレ−ト,ネオペンチル
グリコ−ルジアクリレ−ト,ネオペンチルグリコ−ルジ
メタクリレ−ト,ジメチロ−ルトリシクロペンタンジア
クリレ−ト,エチレンオキサイド変性ビスフェノールA
ジアクリレート,プロピレンオキサイド変性ビスフェノ
ールAジアクリレート,エチレンオキサイド付加ビスフ
ェノールAジメタクリレート,エチレンオキサイド変性
臭素化ビスフェノールAジアクリレート,ヒドロキシピ
バリン酸ネオペンチルグリコ−ルジアクリレ−ト,テト
ラエチレングリコ−ルジアクリレ−ト,テトラエチレン
グリコ−ルジメタクリレ−ト,トリエチレングリコ−ル
ジアクリレ−ト,トリエチレングリコ−ルジメタクリレ
−ト,トリメチロ−ルプロパントリアクリレ−ト,トリ
メチロ−ルプロパントリメタクリレ−ト,ペンタエリス
リト−ルテトラアクリレ−ト,ペンタエリスリト−ルテ
トラメタクリレ−ト,ジペンタエリスリト−ルヘキサア
クリレ−ト等があげられるが、これに限定されるもので
はない。
【0042】多官能オリゴマの例としてはエポキシアク
リレ−ト系オリゴマ(昭和高分子社製:リポキシSP−
1506,1507,1509,日本化薬社製:UX6
101,UX7101,UX8101等),ウレタンア
クリレ−ト系オリゴマ(根上工業社製:ア−トレジン3
320HA,3320HB,3320HC,東亜合成社
製:アロニックスM−1100,1200等)等があげ
られるが、これに限定されるものではない。
【0043】また光重合開始剤の例としては、アセトフ
ェノン系,ベンゾイン系,ベンゾフェノン系,チオキサ
ントン系のいずれでもよく,例えば2−ヒドロキシ−2
−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン,1−(4
−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチ
ルプロパン−1−オン,1−ヒドロキシシクロヘキシル
フェニルケトン,ベンゾインイソプロピルエ−テル,ベ
ンゾインイソブチルエ−テル,ベンジルジメチルケタ−
ル,ベンゾイル安息香酸メチル,2,4−ジエチルチオ
キサントン等があげられるが、これに限定されるもので
はない。
【0044】PDLCに用いる液晶としては、正の誘電
率異方性を持ち複屈折異方正が0.1以上であれば良
く、例えば、メルク社製BL001,BL002,BL
003,BL004,BL005,BL006,BL0
09,BL011,BL0012,BL0013,BL
015,BL023,BL024,BL032,BL0
33,BL034,BL035,BL036,BL03
7,BL038,BL045,BL046,ML100
1,ML1002,ML1003,ML1004,ML
1005,ML1006,ML1007,ML100
8,ML1009やTL202,TL204,TL20
5,TL213,TL215,TL216,ZLI−3
651,ZLI−3771,ZLI−3788,ZLI
−4180,ZLI−4277,ZLI−4580,Z
LI−4581,ZLI−4749などを挙げることが
できる。また、必要に応じてこれらを混合して用いるこ
とができる。
【0045】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に示すような効果を奏する。
【0046】素子周縁部に島状に不連続に設けられる第
1のシール材、及び上記周縁部で上記第1のシール材の
欠落部分に設けられる第2のシール材により上記周縁部
を封止するように構成したので、第1のシール材により
保持される電極基板間に、例えば毛細管現象によりPD
LC前駆体を充填して製造することができるので、素子
内に液晶材料を簡便に短時間に充填でき、かつ表示画面
内でむらが無い表示特性の均一な液晶表示素子が得られ
る。また、精密な位置合わせができる。
【0047】また、電極基板にシール材を1箇所以上の
切り欠きが生じるように付着させ、液晶材料を供給した
一方の電極基板に他方の電極基板を重ね合わせた後、電
極基板間を所定間隙に圧縮し、シール材を硬化させ両電
極を固着して液晶表示素子を製造するようにしたので、
余分な液晶材料をシールの切り欠き部から排出すること
ができ、シール材の接着力を低下させることなく、短時
間で簡便に表示画面内でむらが無い表示特性の均一な液
晶表示素子を得ることができる。
【0048】また、電極基板に形成された貫通孔と、こ
の貫通孔を閉塞する孔シール材を備えたものとすること
により、上記のように一方の電極基板に他方の電極基板
を重ね合わせて製造する際に、余分な液晶材料が貫通孔
から排出されるので、シール材の接着力を低下させるこ
となく短時間で簡便に表示特性の均一な液晶表示素子を
得ることができる。
【0049】さらに、液晶に高分子分散型液晶、シール
材に上記液晶の高分子マトリクス材料と硬化手段が同じ
ものを用い、上記液晶材料とシール材の硬化を同一工程
で行うようにしたので、工程が減り、製造が簡便にな
る。また、液晶材料とシール材がほぼ同時に硬化するた
め、高分子マトリクスの重合時の硬化収縮が均一化で
き、表示特性が均一化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る液晶材料充填後、封止
後の液晶表示素子を示す模式平面図である。
【図2】本発明の比較例1の液晶材料充填前の液晶表示
素子を示す模式平面図である。
【図3】本発明の実施例2に係る液晶表示素子の製造方
法を工程順に示す模式断面図である。
【図4】本発明の実施例4に係る液晶表示素子の製造方
法を工程順に示す模式断面図である。
【図5】本発明の実施例6に係わる反応時間についての
説明図である。
【図6】本発明の実施例7に係る液晶表示素子を示す模
式平面図である。
【図7】従来の液晶表示素子の製造方法を工程順に示す
模式図である。
【図8】従来の液晶充填方法を工程順に示す模式断面図
である。
【符号の説明】
1 第一電極基板 2 第二電極基板 3 シール材 3a 第1のシール材 3b 第2のシール材 3c 切り欠き部 4 液晶材料 6 封止材 7 貫通孔 7a 孔シール材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田畑 伸 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社材料デバイス研究所内 (72)発明者 小山 均 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社材料デバイス研究所内 (72)発明者 玉谷 晃 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社材料デバイス研究所内 (72)発明者 大内田 裕史 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社材料デバイス研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する電極基板間に液晶材料が封入さ
    れ、周縁部がシールされている液晶表示素子において、
    上記周縁部に島状に不連続に設けられる第1のシール
    材、及び上記周縁部で上記第1のシール材の欠落部分に
    設けられる第2のシール材を備え、上記第1,第2のシ
    ール材により上記周縁部が封止されていることを特徴と
    する液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 対向する電極基板間に液晶材料が封入さ
    れ、周縁部がシールされている液晶表示素子を製造する
    方法において、上記電極基板周縁部に島状に不連続に第
    1のシール材を形成して上記両電極基板を間隙をあけて
    対向保持する工程、上記第1のシール材の欠落部から上
    記電極基板間に毛細管現象により高分子分散型液晶前駆
    体を充填する工程、上記高分子分散液晶前駆体の高分子
    マトリクス前駆体を硬化させ高分子分散型液晶を形成す
    る工程、及び上記周縁部で上記第1のシール材の欠落し
    た部分を第2のシール材で封止する工程を施すことを特
    徴とする液晶表示素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 対向する電極基板間に液晶材料が封入さ
    れ、周縁部がシールされている液晶表示素子を製造する
    方法において、上記電極基板の少なくとも一方の周縁部
    に少なくとも1箇所以上の切り欠きが生じるよう隙間を
    あけてシール材を付着する工程、上記電極基板の一方に
    液晶材料を供給する工程、上記液晶材料を供給した一方
    の電極基板に上記電極基板の他方を重ね合わせる工程、
    上記電極基板間を所定間隙に圧縮する工程、上記シール
    材を硬化させ上記シール材を介して上記両電極を固着す
    る工程、及び上記シール材の切り欠き部を閉塞する工程
    を施すことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 対向する電極基板間に液晶材料が封入さ
    れ、周縁部がシールされている液晶表示素子において、
    上記電極基板にあけられた貫通孔、及びこの貫通孔を閉
    塞する孔シール材を備えたことを特徴とする液晶表示素
    子。
  5. 【請求項5】 対向する電極基板間に液晶材料が封入さ
    れ、周縁部がシールされている液晶表示素子を製造する
    方法において、上記電極基板に貫通孔を形成する工程、
    上記電極基板の少なくとも一方の周縁部にシール材を付
    着する工程、上記電極基板の一方に液晶材料を供給する
    工程、上記液晶材料を供給した一方の電極基板に上記電
    極基板の他方を重ね合わせる工程、上記電極基板間を所
    定間隙に圧縮する工程、上記シール材を硬化させ上記シ
    ール材を介して上記両電極を固着する工程、及び上記貫
    通孔を閉塞する工程を施すことを特徴とする液晶表示素
    子の製造方法。
  6. 【請求項6】 液晶材料に高分子分散型液晶、シール材
    に上記液晶材料の高分子マトリクスと硬化手段が同じも
    のを用い、上記液晶材料の硬化とシール材の硬化を同一
    工程で行うことを特徴とする請求項3または6記載の液
    晶表示素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20180005325A (ko) * 2016-07-05 2018-01-16 삼성디스플레이 주식회사 디스플레이 장치
US9891454B2 (en) 2011-12-29 2018-02-13 Cardinal Ig Company Multiple glazing with variable diffusion by liquid crystals and method of manufacture thereof

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US9891454B2 (en) 2011-12-29 2018-02-13 Cardinal Ig Company Multiple glazing with variable diffusion by liquid crystals and method of manufacture thereof
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