JPH08220112A - 走査型近接場光顕微鏡 - Google Patents

走査型近接場光顕微鏡

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Publication number
JPH08220112A
JPH08220112A JP2057595A JP2057595A JPH08220112A JP H08220112 A JPH08220112 A JP H08220112A JP 2057595 A JP2057595 A JP 2057595A JP 2057595 A JP2057595 A JP 2057595A JP H08220112 A JPH08220112 A JP H08220112A
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JP
Japan
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probe
sample
optical system
snom
prism
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP2057595A
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English (en)
Inventor
Katsuhiro Matsuyama
克宏 松山
Akitoshi Toda
明敏 戸田
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication of JPH08220112A publication Critical patent/JPH08220112A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】光学顕微鏡観察とSNOM観察を行なえる走査
型近接場光顕微鏡を提供する。 【構成】支持部材12にはこれを支持する三本の支柱1
4が設けられている。支持部材12には中央にアーム1
6が設けられており、プローブ微動機構18が取り付け
られている。プローブ微動機構18にはファイバープロ
ーブ20が取り付けられており、ファイバープローブ2
0は光電子増倍管22に連結されている。支持部材12
には光源位置調整ステージ28を介してレーザー光源2
4が取り付けられ、その下に略L字形状の第一プリズム
カップリング光学系32が配置されている。その反対側
には第一プリズムカップリング光学系32と面対称な略
L字形状の第二プリズムカップリング光学系38が設け
られており、その上に光源24の射出光をモニターする
ためのフォトディテクター30が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エバネッセント波を利
用して試料を観察する走査型近接場光学顕微鏡に関す
る。
【0002】
【従来の技術】1980年代後半以降、エバネッセント
波を用いることにより回折限界を超える分解能を有する
光学顕微鏡が提案されている。この顕微鏡は、走査型近
接場光顕微鏡(SNOM:Scanning Near-Field Optica
l Microscope)と呼ばれ、エバネッセント波が「波長よ
り小さい寸法の領域に局在し、自由空間を伝搬しない」
という性質を利用している。
【0003】SNOMには二つの方式があり、その一つ
は、コレクション方式と呼ばれるもので、試料の下面で
全反射するように試料に斜め下方から光を入射させてエ
バネッセント場を発生させ、これにより試料の表面近傍
に局在するエバネッセント波を、微小開口を先端に有す
るプローブを用いて検出する方式である。もう一つは、
エミッション方式と呼ばれるもので、微小開口を先端に
有するプローブに光を導入して、これによりプローブ先
端の微小開口から射出されるエバネッセント波を試料に
照射し、試料を透過した光を試料の下に配置した光検出
器を用いて検出する方式である。エミッション方式のS
NOMは一例が特開平4−291310号に開示されて
いる。
【0004】コレクション方式のSNOMの一例を図8
に示す。試料4を載せるプリズム5は支持部材7に固定
された試料走査機構6の自由端に固定されている。プリ
ズム5の上方には、光電子増倍管2に光学的に連結され
たファイバープローブ1が、プローブ加振及び変位検出
機構3により支持されている。ファイバープローブ1は
尖鋭化されていて、その先端の曲率半径は0.1μm以
下となっている。試料走査機構6はプリズム5を三次元
方向に移動させる機能を有し、ファイバープローブ1と
試料4の間でXYZ走査させることができる。プローブ
加振および変位検出機構3は、シェアフォース測定のた
めに設けられており、ファイバープローブ1を試料表面
に平行な方向に数nmから数十nmの振幅で振る機能を
有している。プローブ加振および変位検出機構3は更に
ファイバープローブ1と試料4の間隔を一定に保つ機能
も有している。レーザー光源8とレンズ9は試料4に光
を照射してエバネッセント場を発生させるためのもの
で、その射出光がプリズム5の試料4を載せる面で全反
射するように配置されている。
【0005】レーザー光源8から射出された光はレンズ
9で軽く集光され、斜め下方からプリズム5に入射し、
試料4を載せた面に臨界角よりも大きい角度で入射し、
その面で全反射する。これにより試料4の表面に、エバ
ネッセント場が発生する。ファイバープローブ1は、そ
の先端と試料表面の間隔がレーザー光の波長の半分以下
になるまで、試料4に近づけられる。これにより試料4
の表面近傍に局在するエバネッセント波は、先端からフ
ァイバープローブ1に進入して伝搬光となり、伝搬光は
光電子増倍管2において強度が検出される。このエバネ
ッセント波の検出を、ファイバープローブ1をXY走査
させながら行ない、マッピングすることによりSNOM
像が得られる。
【0006】また、シェアフォース測定は次のようにし
て行なわれる。ファイバープローブ1を試料表面に対し
て横方向に振動させた状態で試料表面に近づけると、相
互作用力によりファイバープローブ1の振動状態が変化
する。この変化を、ファイバープローブ1をXY走査さ
せながら、コンピューター等を用いてマッピングするこ
とで試料の凹凸情報が得られる。さらには、この信号が
一定になるようにファイバープローブ1をZ方向に上下
させ、試料の凹凸に依存しないSNOM信号を得ること
もできる。
【0007】また、最近では、光ファイバーのプローブ
の代わりにカンチレバーを用いてSNOM測定と原子間
力顕微鏡(AFM)測定を同時に行なう方法がファンフ
ルスト(N. F. van Hulst )らにより提案されている。
このSNOMは、例えば「N.F. van Hulst, M. H. P. M
oers, O. F. J. Noordman, R. G. Tack, F. B. Segerin
k and B. Bolger, "Near-field optical microscope us
ing a silicon-nitride probe", Appl. Phys. Lett. 6
2, 461-463, 1993」に開示されている。
【0008】AFMは、特開昭62−130302号に
おいて提案されている装置であり、自由端に鋭い突起部
分(探針部)を持つカンチレバーを、探針部先端の原子
と試料表面の原子との間に相互作用力が働く程度に、試
料に近づけて支持し、この状態でXY走査を行ない、試
料表面の凹凸に対応して相互作用力が変化することによ
り変位するカンチレバーの動きを電気的あるいは光学的
にとらえことにより、試料の凹凸情報等を得る装置であ
る。
【0009】また、アカミネ(S. Akamine)らは、日本
応用物理学会1994年秋季学術講演会において、カン
チレバーの自由端部にフォトダイオードを有する集積型
SNOM用カンチレバーを提案している。この集積型S
NOM用カンチレバーを図9に示す。フォトダイオード
は半導体からなるカンチレバーの自由端部に選択的に不
純物領域を形成することに作られる。彼らは集積型SN
OM用カンチレバーの変位を、光てこ式のカンチレバー
変位センサーを用いて検出し、AFM測定を行ないなが
らSNOM測定を行なうことを報告している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述のコレクション方
式のSNOM(図8)では、試料4をプリズム5の上に
直接載せているため、試料4を取り替える際には、プリ
ズム5ごと交換しなければならない。このため試料4の
交換には多くの手間と時間を要する。
【0011】また、試料4の上下の空間がファイバープ
ローブ1やプリズム5などにより占有されるため、ファ
イバープローブ1と試料4の位置合わせは、実体顕微鏡
等により、ワーキングディスタンスの長い対物レンズを
用いて、斜め方向から観察することにより行なってい
る。このため、観察したい場所にファイバープローブ1
を正確に配置することが難しい。
【0012】また、SNOMの観察対象は主に生物系の
試料である。生物系の試料に対しては、光学顕微鏡観察
が古くより行なわれており、ほとんどの場合、通常の観
察の他に、蛍光顕微鏡観察やノマルスキー式微分干渉観
察、透過顕微鏡観察、位相差顕微鏡観察、偏光顕微鏡観
察等、質の高い顕微鏡観察がなされている。従って、生
物系試料を観察する際には、光学顕微鏡の過去のデータ
が豊富なことから、1μm程度の解像度を有する光学顕
微鏡像とそれより高い解像度を示すSNOM像との対応
を取りながら更に小さい領域へと観察を進めることが不
可欠であり、それらの光学顕微鏡観察とSNOM観察の
両方を行なえる装置の提供が強く望まれている。
【0013】また、アカミネ(S. Akamine)らは、単
に、彼らの提案する集積型SNOM用カンチレバーを、
ファンフルスト(N. F. van Hulst )らの提案するSN
OMすなわちカンチレバーをプローブに用いたSNOM
において動作させているに留まり、この集積型SNOM
用カンチレバーを利用した新しいSNOMについては何
等示唆していない。
【0014】本発明は、試料の交換が容易に行なえる走
査型近接場光顕微鏡を提供することを目的としている。
また、プローブの位置決めが正確に行なえる走査型近接
場光顕微鏡を提供することを目的としている。さらに、
光学顕微鏡観察とSNOM観察を行なえる走査型近接場
光顕微鏡を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の走査型近接場光
顕微鏡は、光源と、光源の射出する光を光学的に透明な
板状の試料台に載せられた試料に試料台の内部から全反
射する角度で照射する照射光学系とを有し、これにより
試料表面に局在するエバネッセント波が発生し、先端に
微小な開口を有する光学的に透明なプローブを更に有
し、プローブの先端がエバネッセント波の領域に侵入す
ると、エバネッセント波はプローブの内部を伝搬する伝
搬光となり、この伝搬光を検出する光検出手段と、プロ
ーブを試料表面に沿って走査するプローブ微動機構と、
少なくとも照射光学系とプローブ微動機構とプローブを
支持する、倒立型光学顕微鏡のステージの上に載置され
る支持部材とを更に有している。
【0016】
【作用】光学的に透明な板状の試料台としては、光学顕
微鏡の分野で一般に広く使用されているスライドガラス
を用いる。このため試料の交換が容易に行なえる。支持
部材は倒立型光学顕微鏡のステージの上に載置される。
このため、試料とプローブは倒立型光学顕微鏡の視野内
で同時に観察される。これにより、プローブと試料の位
置合わせを、精度良く容易に行なえる。また、SNOM
観察と光学顕微鏡観察を切り替えながらあるいは同時に
行なえる。
【0017】倒立型光学顕微鏡としては、照明光光路と
観察光光路が同軸上にある高級光学顕微鏡、あるいは、
蛍光顕微鏡やノマルスキー式微分干渉顕微鏡などの様々
な特殊光学顕微鏡が適用できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。 <第一実施例>まず、本発明の第一実施例のSNOMに
ついて図1ないし図4を参照して説明する。本実施例の
SNOMは、図1と図2に示されるように、種々の部品
が取り付けられる支持部材12を有し、支持部材12に
はこれを支持する三本の支柱14が設けられている。支
持部材12には中央にアーム16が設けられており、ア
ーム16には圧電チューブスキャナー等からなるプロー
ブ微動機構18が取り付けられている。プローブ微動機
構18にはファイバープローブ20が取り付けられてお
り、ファイバープローブ20は光電子増倍管22に連結
されている。ファイバープローブ20はプローブ微動機
構18により三次元方向に移動されるようになってい
る。
【0019】レーザー光源24は光源位置調整ステージ
28を介して支持部材12に取り付けられている。レー
ザー光源24の射出前方にはコリメーターレンズ15が
設けられている。光源位置調整ステージ28はレーザー
光源24をXY方向あるいはXYZ方向に移動させるこ
とができ、これを調整することでレーザー光を試料の測
定位置の下側に位置合わせし照射することができる。
【0020】レーザー光源24の下には、略L字形状を
した第一プリズムカップリング光学系32が配置されて
いる。第一プリズムカップリング光学系32は略角柱状
の媒体34とくさび形状のプリズム36とで構成されて
いる。ファイバープローブ20を基準にして、第一プリ
ズムカップリング光学系32の反対側には、これとは面
対称となっている略L字形状をした第二プリズムカップ
リング光学系38が設けられている。第二プリズムカッ
プリング光学系38は、第一プリズムカップリング光学
系32と同様に、略角柱状の媒体40とくさび形状のプ
リズム42とで構成されている。第二プリズムカップリ
ング光学系38の上には、レーザー光源24の射出光
量、プリズムカップリング光学系32、38による光量
の減衰量等をモニターするためのフォトディテクター3
0が設けられている。
【0021】このSNOMは、図2に示されるように、
倒立型光学顕微鏡等のステージ50の上に載せられ、三
本の支柱14により三点支持される。また、試料56を
載せたスライドガラス54はステージ50の上に載せら
れ、第一プリズムカップリング光学系32のプリズム3
6と第二プリズムカップリング光学系38のプリズム4
2の下に配置される。その際、図3に示されるように、
第一プリズムカップリング光学系32のプリズム36と
スライドガラス54の隙間には屈折率を整合するオイル
58が満たされ、同様に、第二プリズムカップリング光
学系38のプリズム42とスライドガラス54の隙間に
はオイル60が満たされる。
【0022】支柱14は支持部材12に螺合していて、
支持部材12の下に突出している部分の長さを調整でき
るようになっており、支柱14の任意の一本ないし三本
を調整することにより、ファイバープローブ20と試料
56の間隔の粗調整や、第一プリズムカップリング光学
系32の射出面36a及び第二プリズムカップリング光
学系38の入射面42aとスライドガラス54の平行出
しが行なわれる。
【0023】スライドガラス54上の試料56に対する
ファイバープローブ20の位置合わせは、倒立型光学顕
微鏡の対物レンズ52を通して光学顕微鏡観察をしなが
ら行なわれる。
【0024】次に、SNOM測定を行なう光学系につい
て図2ないし図4を参照しつつ説明する。図2に示され
るように、レーザー光源24の射出光はコリメーターレ
ンズ26を通過することで平行光となり、略L字状の第
一プリズムカップリング光学系32に入射する。第一プ
リズムカップリング光学系32は略角柱状の媒体34と
くさび形状のプリズム36とからなり、媒体34は二つ
の反射面34aと34bを持ち、媒体34に入射した光
は反射面34aで反射して装置の手前側(スライドガラ
ス54を出し入れする側)に向かい(図4参照)、続い
て反射面34bで反射して装置の中央部下方に向かい、
プリズム36に入射する(図3参照)。プリズム36に
入射した光は、下面36aから射出し、オイル58を通
り、スライドガラス54に入射する。スライドガラス5
4に入射した光は全反射を繰り返しながら内部を伝搬し
(図では一回の全反射の後に)、試料56を斜め下方か
ら照明する。光は試料56の下面に全反射を起こす角度
で入射し、これによりエバネッセント場が発生し、試料
56の表面近傍にエバネッセント波が局在するようにな
る。なお、試料56に対する光の入射位置は、ステージ
28を操作してレーザー光源24の移動させ、第一プリ
ズムカップリング光学系32の略角柱状媒体34の反射
面34aに対するレーザー光の入射位置を変えることに
より調整される。
【0025】試料56の下面で全反射した光はスライド
ガラス54の内部を全反射を繰り返しながら伝搬し(図
では一回の全反射の後に)、スライドガラス54から射
出する。スライドガラス54から射出した光は、オイル
60を通り、第二プリズムカップリング光学系38に入
射する。第二プリズムカップリング光学系38はくさび
形状のプリズム42と略角柱状の媒体40とからなり、
オイル60を通過した光はプリズム42に下面42aか
ら入射し、これを通過し、媒体40に入射する。媒体4
0は二つの反射面40aと40bを持ち、媒体40に入
射した光は反射面40bで反射して装置の後ろ側(光電
子増倍管のある側)に向かい(図4参照)、続いて反射
面40aで反射して装置の上方に向かい、モニター用の
フォトダイオード30に入射する(図2、図3参照)。
【0026】ここで、プリズム36の下面36aにおけ
る光の射出角は、主に略角柱状の媒体34の反射面34
bの角度により決まり、スライドガラス54に入射した
光が、その上下面で全反射を起こすように設定されてい
る。また、略L字型のプリズムカップリング光学系32
と38のプリズム36と42はプリズム上方からファイ
バープローブ20にかけての空間を広く取るためにくさ
び形状としているが、この形状は光学的に必須なもので
はない。また、第一プリズムカップリング光学系32
は、きれいな照明光を効率良く試料56に導くため、ス
ライドガラス54の内部での全反射を一回に抑えるよ
う、ファイバープローブ20に近づけるのが好ましい。
一方、第二プリズムカップリング光学系38は、スライ
ドガラス54の内部を全反射を繰り返して進む光が、ス
ライドガラス54の端面(図中右側)で反射あるいは散
乱して、再び試料56に戻ることのないよう、スライド
ガラス54の内部を伝搬する光を外に出すために設けら
れており、このような理由から、第二プリズムカップリ
ング光学系38は、ファイバープローブ20を基準と
し、第一プリズムカップリング光学系32に対称的な位
置にある必要はない。
【0027】前述したように、レーザー光が試料56の
下面で全反射することにより、試料56の表面にはエバ
ネッセント場が発生する。ファイバープローブ20を試
料56に近づけ、その先端がエバネッセント場に侵入す
ると、エバネッセント波はファイバープローブ20の先
端の微小開口を介してファイバープローブ20の内部を
伝搬する光に変わり、その強度が光電子増倍管22で測
定される。
【0028】ファイバープローブ20は試料56の表面
に平行なXY方向に走査され、走査中に測定される伝搬
光の強度をXY位置に対応させて記録することによりS
NOM像が得られる。
【0029】これまでに説明したように、本実施例のS
NOMでは、試料56を載せる台に、従来のSNOMで
使用されるプリズムではなく、光学顕微鏡において一般
に使用されるスライドガラス54を用いているので、試
料56の交換が簡単に行なえる。
【0030】また、本実施例のSNOMは、レーザー光
源24と、その射出光を試料56に導く第一プリズムカ
ップリング光学系32と、光を取り出す第二プリズムカ
ップリング光学系38とを、試料56に対して同じ側に
配置しているため、装置全体の構成が小型になってお
り、汎用の倒立型光学顕微鏡のステージの上に載せるこ
とができる。このように倒立型光学顕微鏡と組み合わせ
ることより、ファイバープローブ20の位置決めが正確
に行なえる。また、SNOM観察と光学顕微鏡観察を適
宜切り替えてあるいは同時に行なえる。
【0031】さらに、本実施例のSNOMは、略L字型
のプリズムカップリング光学系を略L字型の支持部材に
取り付けているため、図4において、右手前からスライ
ドガラス上の試料を肉眼で観察したり、スライドガラス
を指先で動かすことにより大まかに位置合わせしたりす
ることができ、非常に使い勝手の良い装置となってい
る。
【0032】また、本実施例のSNOMは、三点で支持
されているため、振動によるノイズの少ない、より高分
解能のSNOM観察が行なえる。実施例中では、倒立型
光学顕微鏡は単に光学顕微鏡として説明したが、蛍光顕
微鏡やノマルスキー式微分干渉顕微鏡等、様々な特殊光
学顕微鏡が使用でき、例えば、任意の蛍光色素のSNO
M観察が容易に行なえる。
【0033】本実施例では、レーザー光源の下に平行光
を形成するためにコリメーターレンズを設けているが、
このコリメーターレンズの代わりに試料の真下で焦点を
結ぶレンズを設けてもよい。また、レーザー光源は、実
施例では装置に取り付けているが、SNOMと別個に設
け、そこから光ファイバーを用いて照明光を導入しても
よい。
【0034】<第二実施例>本発明の第二実施例のSN
OMについて図5と図6を参照して説明する。本実施例
のSNOMは、第一実施例のSNOMの第一プリズムカ
ップリング光学系32と第二プリズムカップリング光学
系38を、別の第一プリズムカップリング光学系32’
と第二プリズムカップリング光学系38’に置き換えた
構成となっている。第一プリズムカップリング光学系3
2’は、スライドガラス54が配置される面を基準とし
て、第一プリズムカップリング光学系32に対して面対
称となっており、同様に、第二プリズムカップリング光
学系38’は第二プリズムカップリング光学系38に対
して面対称となっている。
【0035】図6に示すように、第一プリズムカップリ
ング光学系32’のプリズム36’の上面と第二プリズ
ムカップリング光学系38’のプリズム42’の上面に
は三つの半球状の凸部62が設けられており、これによ
りスライドガラス54はプリズム36’と42’の上面
からわずかの隙間をおいて支持される。スライドガラス
54とプリズム36’の隙間は屈折率を整合するオイル
58で満たされ、同様にスライドガラス54とプリズム
42’の隙間はオイル60で満たされる。
【0036】本実施例のSNOMは、第一実施例と同様
に、装置全体が倒立型光学顕微鏡のステージの上に載せ
られる。レーザー光源24から射出された光は第一プリ
ズムカップリング光学系32’に入射し、その中を反射
して伝わり、スライドガラス54に入射し、試料56の
下面で全反射し、試料56の表面にエバネッセント場を
形成する。試料56の下面で全反射した光は、第二プリ
ズムカップリング光学系38’に入射し、その中を反射
して伝わり、フォトディテクター30に入射する。
【0037】本実施例のSNOMは、第一実施例と同様
に、試料56の交換が容易に行なえ、プローブ20の位
置決めが正確に行なえ、SNOM観察に加えて光学顕微
鏡観察が行なえる。
【0038】また、本実施例のSNOMは、試料56に
照射する光は、試料56に到達する以前には、プリズム
の反射面に比べて面精度が高いとは言えないスライドガ
ラスを単に通過するだけで、その内部では反射しないの
で、前述の第一実施例に比べて導入光の損失が少ない。
従って、スライドガラス内の不要の反射や散乱の影響が
少ない、感度の良いSNOM観察が行なえる。
【0039】実施例では、SNOMの装置全体を汎用の
倒立型光学顕微鏡に載せているが、二つのプリズムカッ
プリング系を倒立型光学顕微鏡のステージ内に組み込
み、SNOM観察を行なう際にステージを交換するよう
にしてもよい。
【0040】<第三実施例>続いて、本発明の第三実施
例のSNOMについて図7を参照しつつ説明する。図
中、第一実施例と第二実施例で既に説明した部材と同じ
ものは同一の符号で示してあり、以下の説明ではその部
材の詳細については省略する。本実施例のSNOMは、
第二実施例のファイバープローブと光電子増倍管を、ア
カミネ(S. Akamine )らが提案する集積型SNOM用
カンチレバーに代えた構成となっている。
【0041】支持部材12には、第一実施例と同じ様
に、三本の支柱14、アーム16、プローブ微動機構1
8、光源位置調整ステージ28、レーザー光源24、フ
ォトディテクター30が所定の位置に取り付けられてい
る。
【0042】また、支持部材12には、第二実施例で説
明したものと同じ第一プリズムカップリング光学系3
2’と第二プリズムカップリング光学系38’が取り付
けられている。これらの上に、試料56を載せたスライ
ドガラス54が載せられる。
【0043】プローブ調整機構18には、図9に示す集
積型SNOM用カンチレバー80が取り付けられてい
る。本実施例のSNOMは、各種部品が取り付けられた
支持部材12が三本の支柱14を介して載せられるベー
ス64を更に有しており、倒立型光学顕微鏡のステージ
の上に載せられる。
【0044】本実施例のSNOMは、第二実施例と同様
に、試料56の交換が容易に行なえ、プローブ20の位
置決めが正確に行なえる。また、SNOM観察と光学顕
微鏡観察が行なえるため、光学顕微鏡観察結果とSNO
M観察結果を比較しながら、更に細部へと観察を円滑に
進めて行くことができる。
【0045】また、本実施例のSNOMは、集積型SN
OM用カンチレバーを用いているため、SNOM観察と
光学顕微鏡観察に加えてAFM観察が行なえるととも
に、これまでSNOMに必要であって光電子増倍管等の
大きな要素部品を省くことができ、一層の小型軽量化が
実現される。小型軽量化は機械振動を低く抑えることに
つながり、AFM/SNOM観察のS/Nを向上させ
る。
【0046】更に、上述の第三実施例では、図9に示さ
れる集積型SNOM用カンチレバー80を第二実施例の
装置に取り付ける構成を示したが、勿論この集積型SN
OM用カンチレバー80を第一実施例のプローブ微動機
構18に取り付けてもよい。
【0047】このような構成とすることで、第一実施例
と同様の効果を得られるだけでなく、上述の第三実施例
と同様に装置の小型化が図れ、更に機械振動を低く抑え
ることができ、AFM/SNOM観察のS/Nを向上さ
せる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、試料を載せる試料台に
スライドガラスを用いるので、試料の交換を簡単に行な
える。また、試料とプローブを光学顕微鏡の同一視野内
で観察できるので、プローブの位置合わせを精度良く簡
単に行なえる。さらに、SNOM観察と光学顕微鏡観察
を切り替えながらあるいは同時に行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例のSNOMの全体を示す斜
視図である。
【図2】図1のSNOMを正面から見た図である。
【図3】図1のSNOMの試料周辺部を拡大して示す図
である。
【図4】図1のSNOMを上から見た図である。
【図5】本発明の第二実施例のSNOMを正面から見た
図である。
【図6】図5のSNOMの試料周辺部を拡大して図ずで
ある。
【図7】本発明の第三実施例のSNOMの全体を示す斜
視図である。
【図8】SNOMの従来例を示す図である。
【図9】集積型SNOM用カンチレバーを示す図であ
る。
【符号の説明】
12…支持部材、18…プローブ微動機構、20…ファ
イバープローブ、22…光電子増倍管、24…レーザー
光源、32…第一プリズムカップリング光学系。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と、 光源の射出する光を光学的に透明な板状の試料台に載せ
    られた試料に試料台の内部から全反射する角度で照射す
    る照射光学系とを有し、これにより試料表面に局在する
    エバネッセント波が発生し、 先端に微小な開口を有する光学的に透明なプローブを更
    に有し、プローブの先端がエバネッセント波の領域に侵
    入すると、エバネッセント波はプローブの内部を伝搬す
    る伝搬光となり、 この伝搬光を検出する光検出手段と、 プローブを試料表面に沿って走査するプローブ微動機構
    と、 少なくとも照射光学系とプローブ微動機構とプローブを
    支持する、倒立型光学顕微鏡のステージの上に載置され
    る支持部材とを更に有している走査型近接場光顕微鏡。
  2. 【請求項2】請求項1において、照射光学系は、 光源の射出した光を伝搬させる媒体と、 媒体と試料台を光学的に結合するプリズムと、 試料台とプリズムの間に満たされ、両者の屈折率を整合
    するオイルとを含んでいる走査型近接場光顕微鏡。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、プロー
    ブと光検出手段が集積型SNOM用カンチレバーで構成
    されている走査型近接場光顕微鏡。
JP2057595A 1995-02-08 1995-02-08 走査型近接場光顕微鏡 Withdrawn JPH08220112A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009526239A (ja) * 2006-02-08 2009-07-16 ベックマン コールター, インコーポレイテッド モジュール方式の蛍光測定および光度測定読取装置

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JP2009526239A (ja) * 2006-02-08 2009-07-16 ベックマン コールター, インコーポレイテッド モジュール方式の蛍光測定および光度測定読取装置

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