JPH06160719A - 原子間力顕微鏡一体型フォトン走査型トンネル顕微鏡 - Google Patents
原子間力顕微鏡一体型フォトン走査型トンネル顕微鏡Info
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- JPH06160719A JPH06160719A JP4312547A JP31254792A JPH06160719A JP H06160719 A JPH06160719 A JP H06160719A JP 4312547 A JP4312547 A JP 4312547A JP 31254792 A JP31254792 A JP 31254792A JP H06160719 A JPH06160719 A JP H06160719A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 観察試料の同一点の表面凹凸像情報と光学的
情報を同時に得る。 【構成】 可撓性、光透過性のプレートの先端部に光透
過可能な針状チップを有し、該チップ以外の領域の裏面
に反射膜を形成したカンチレバー(3) 、カンチレバー駆
動手段(12)、駆動手段(12)の制御手段(11)、反射膜に光
を斜入射可能な位置にあるカンチレバーの撓み量測定用
光源(7) 、光源(7) からの光の反射光受光手段(8) 、試
料(2) の表面に前記チップが近接可能な試料台(1) 、試
料(2)の裏面から光照射可能な位置にあるエバネセント
波検出用光源(6) 、前記チップが形成されている前記プ
レートの上面の位置にあり、前記プレートの上面から近
接した光検出手段(4) ,(5) 及び制御手段(11)の信号の
信号処理手段(10)からなり、前記チップと光源(6) から
の光のスポットが試料(2) 上で同一位置にあることを特
徴とする顕微鏡。
情報を同時に得る。 【構成】 可撓性、光透過性のプレートの先端部に光透
過可能な針状チップを有し、該チップ以外の領域の裏面
に反射膜を形成したカンチレバー(3) 、カンチレバー駆
動手段(12)、駆動手段(12)の制御手段(11)、反射膜に光
を斜入射可能な位置にあるカンチレバーの撓み量測定用
光源(7) 、光源(7) からの光の反射光受光手段(8) 、試
料(2) の表面に前記チップが近接可能な試料台(1) 、試
料(2)の裏面から光照射可能な位置にあるエバネセント
波検出用光源(6) 、前記チップが形成されている前記プ
レートの上面の位置にあり、前記プレートの上面から近
接した光検出手段(4) ,(5) 及び制御手段(11)の信号の
信号処理手段(10)からなり、前記チップと光源(6) から
の光のスポットが試料(2) 上で同一位置にあることを特
徴とする顕微鏡。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子間力顕微鏡技術を
応用したフォトン走査型トンネル顕微鏡に関するもので
ある。
応用したフォトン走査型トンネル顕微鏡に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】最近、生物学や半導体デバイス開発など
広い分野において、非接触、非破壊の高分解能顕微鏡の
重要性が高まっている。従来使用されてきた光学顕微鏡
は、非接触、非破壊という面では優れた特性を持ってい
たが、結像光学系を用いるという原理上、回折限界によ
る分解能の制限のため使用範囲が限られてきた。
広い分野において、非接触、非破壊の高分解能顕微鏡の
重要性が高まっている。従来使用されてきた光学顕微鏡
は、非接触、非破壊という面では優れた特性を持ってい
たが、結像光学系を用いるという原理上、回折限界によ
る分解能の制限のため使用範囲が限られてきた。
【0003】これらの問題を解決すべく走査型電子顕微
鏡,透過電子顕微鏡,走査型トンネル顕微鏡,フォトン
走査型トンネル顕微鏡(もしくは近接場走査型顕微鏡と
も呼ばれる)等が開発されたが、試料の光学的な性質を
高い分解能で得ようとした場合には、フォトン走査型ト
ンネル顕微鏡が唯一の手段である。フォトン走査型トン
ネル顕微鏡を使用した測定方法について説明する。ま
ず、試料の裏面から試料表面で全反射条件を満たすよう
に照射光を入射させる。この光の照射により試料表面に
はエバネセント波と呼ばれる電場が生じる。エバネセン
ト波は表面からの距離とともに指数関数的に減衰し、波
長程度の高さで1/eになる。このエバネセント波を試
料表面上を非接触で走査するプローブで検出することで
高い縦分解能を得ることができる。 また、プローブに
光の波長よりも小さい開口部を設け、エバネセント波を
検出する表面面内の領域を制限することで、従来の光学
顕微鏡に較べ高い横分解能を得ることもできる。
鏡,透過電子顕微鏡,走査型トンネル顕微鏡,フォトン
走査型トンネル顕微鏡(もしくは近接場走査型顕微鏡と
も呼ばれる)等が開発されたが、試料の光学的な性質を
高い分解能で得ようとした場合には、フォトン走査型ト
ンネル顕微鏡が唯一の手段である。フォトン走査型トン
ネル顕微鏡を使用した測定方法について説明する。ま
ず、試料の裏面から試料表面で全反射条件を満たすよう
に照射光を入射させる。この光の照射により試料表面に
はエバネセント波と呼ばれる電場が生じる。エバネセン
ト波は表面からの距離とともに指数関数的に減衰し、波
長程度の高さで1/eになる。このエバネセント波を試
料表面上を非接触で走査するプローブで検出することで
高い縦分解能を得ることができる。 また、プローブに
光の波長よりも小さい開口部を設け、エバネセント波を
検出する表面面内の領域を制限することで、従来の光学
顕微鏡に較べ高い横分解能を得ることもできる。
【0004】ところで、エバネセント波の強度は、試料
表面からプローブまでの距離だけでなく、試料表面にお
ける局所的な光学的性質(屈折率,吸光度)に大きく左
右されることから、同時に試料の光学的情報まで得るこ
とができる。
表面からプローブまでの距離だけでなく、試料表面にお
ける局所的な光学的性質(屈折率,吸光度)に大きく左
右されることから、同時に試料の光学的情報まで得るこ
とができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のようにフォトン
走査型トンネル顕微鏡を利用すれば、高い分解能で試料
表面の形状および光学的情報を得ることができるが、元
来、これら二つの情報はそれぞれに分離されているもの
ではない。よって、光学的情報のみを得たいときには、
何らかの方法で二つの情報を完全に分離する必要があっ
た。
走査型トンネル顕微鏡を利用すれば、高い分解能で試料
表面の形状および光学的情報を得ることができるが、元
来、これら二つの情報はそれぞれに分離されているもの
ではない。よって、光学的情報のみを得たいときには、
何らかの方法で二つの情報を完全に分離する必要があっ
た。
【0006】本発明者等は、二つの情報を分離するため
に試料とプローブ間との距離を多種類に変化させて、プ
ローブ高さ一定モードでの複数の像を得て比較してい
た。また、検出されるエバネセント波強度を様々に変化
させて得られる多数の信号強度一定モードでの像を比較
していた。しかし、これらの方法では観察時間がかかり
作業効率が悪いという問題点があった。
に試料とプローブ間との距離を多種類に変化させて、プ
ローブ高さ一定モードでの複数の像を得て比較してい
た。また、検出されるエバネセント波強度を様々に変化
させて得られる多数の信号強度一定モードでの像を比較
していた。しかし、これらの方法では観察時間がかかり
作業効率が悪いという問題点があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、試料表面
の凹凸像の情報と光学的情報をそれぞれ別々の情報とし
て得て、更に両者を同時に得られれば観察結果も高分解
能となり、観察時間も短縮され作業効率も向上すること
を見い出した。そして、本発明者等は鋭意研究の結果、
試料表面の凹凸像の情報と光学的情報が検知できる装置
を開発することに成功した。
の凹凸像の情報と光学的情報をそれぞれ別々の情報とし
て得て、更に両者を同時に得られれば観察結果も高分解
能となり、観察時間も短縮され作業効率も向上すること
を見い出した。そして、本発明者等は鋭意研究の結果、
試料表面の凹凸像の情報と光学的情報が検知できる装置
を開発することに成功した。
【0008】そこで、本願発明は第1に「可撓性かつ光
透過性でありプレート状の形状をとり、該プレートの一
先端部に光透過可能な針状ティップを有し、該針状ティ
ップ以外の領域の裏面に反射膜を形成したカンチレバ
ー、該カンチレバー駆動手段、該カンチレバー駆動手段
の制御手段、前記反射膜に光を斜入射可能な位置にある
前記カンチレバーの撓み量測定用光源、該光源からの光
の反射光受光手段、前記試料表面に前記カンチレバーの
先端部の針状ティップが近接可能でありプリズムからな
る試料台、前記試料の裏面から前記試料に光を照射可能
な位置にあるエバネセント波検出用光源、前記カンチレ
バーの針状ティップが形成されている前記プレートの上
面の位置にあり、前記プレートの上面に近接して設置さ
れた光検出手段、前記光検出手段及び前記制御手段から
の信号の信号処理手段からなり、前記針状ティップと前
記エバネセント波検出用光源からの照射光のスポットが
前記試料上で同一の位置にあることを特徴とする顕微鏡
(請求項1)」を提供する。
透過性でありプレート状の形状をとり、該プレートの一
先端部に光透過可能な針状ティップを有し、該針状ティ
ップ以外の領域の裏面に反射膜を形成したカンチレバ
ー、該カンチレバー駆動手段、該カンチレバー駆動手段
の制御手段、前記反射膜に光を斜入射可能な位置にある
前記カンチレバーの撓み量測定用光源、該光源からの光
の反射光受光手段、前記試料表面に前記カンチレバーの
先端部の針状ティップが近接可能でありプリズムからな
る試料台、前記試料の裏面から前記試料に光を照射可能
な位置にあるエバネセント波検出用光源、前記カンチレ
バーの針状ティップが形成されている前記プレートの上
面の位置にあり、前記プレートの上面に近接して設置さ
れた光検出手段、前記光検出手段及び前記制御手段から
の信号の信号処理手段からなり、前記針状ティップと前
記エバネセント波検出用光源からの照射光のスポットが
前記試料上で同一の位置にあることを特徴とする顕微鏡
(請求項1)」を提供する。
【0009】第2に「前記光検出手段が光ファイバーと
これに接続された光検出器又は光導波路とこれに接続さ
れた光検出器又は小型光検出器からなることを特徴とす
る請求項1記載の顕微鏡(請求項2)」を提供する。第
3に「前記針状ティップの原子間力の検出領域付近に前
記エバネセント波検出用光源からの光の波長よりも小さ
い開口を備えたことを特徴とする請求項1または2記載
の顕微鏡(請求項3)」を提供する。
これに接続された光検出器又は光導波路とこれに接続さ
れた光検出器又は小型光検出器からなることを特徴とす
る請求項1記載の顕微鏡(請求項2)」を提供する。第
3に「前記針状ティップの原子間力の検出領域付近に前
記エバネセント波検出用光源からの光の波長よりも小さ
い開口を備えたことを特徴とする請求項1または2記載
の顕微鏡(請求項3)」を提供する。
【0010】第4に「試料をプリズムからなる試料台
に設置すること; カンチレバー先端部の針状ティップを試料表面に極近
距離に接近させること; 前記カンチレバーと試料との距離を一定に制御したま
ま前記カンチレバー又は試料台を駆動させて前記カンチ
レバーと試料台を相対的に移動させ前記試料の表面凹凸
像を観察すること; 前記表面凹凸像の観察と同時にエバネセント波検出用
光源から前記針状ティップのある位置と同一の試料裏面
の位置に光を照射すること; 前記試料表面からのエバネセント波を光検出手段で検
出し光学的情報を得ること; からなる試料の表面凹凸像と光学的情報の同時観察方法
(請求項4)」を提供する。
に設置すること; カンチレバー先端部の針状ティップを試料表面に極近
距離に接近させること; 前記カンチレバーと試料との距離を一定に制御したま
ま前記カンチレバー又は試料台を駆動させて前記カンチ
レバーと試料台を相対的に移動させ前記試料の表面凹凸
像を観察すること; 前記表面凹凸像の観察と同時にエバネセント波検出用
光源から前記針状ティップのある位置と同一の試料裏面
の位置に光を照射すること; 前記試料表面からのエバネセント波を光検出手段で検
出し光学的情報を得ること; からなる試料の表面凹凸像と光学的情報の同時観察方法
(請求項4)」を提供する。
【0011】
【作用】本願発明における、試料表面の凹凸像の観察方
法を説明する。試料表面にカンチレバー先端部を極近距
離に接近させる。すると斥力がカンチレバー先端部の針
状ティップと試料表面との間に作用し、カンチレバーが
撓む。撓み量の検出法としてはカンチレバーの撓み量検
出用の光源(例えば、レーザービーム照射手段)を設置
し、レーザービームをカンチレバーの上面に形成された
反射膜部分に斜入射させる。その反射光を受光素子(例
えば、二分割光検出器)で検出し、針状ティップと試料
表面との間隔が一定に保持されるように撓み量を制御す
ると共にカンチレバーで試料表面を走査する。このと
き、カンチレバーを移動させも試料台を移動させてもよ
い。
法を説明する。試料表面にカンチレバー先端部を極近距
離に接近させる。すると斥力がカンチレバー先端部の針
状ティップと試料表面との間に作用し、カンチレバーが
撓む。撓み量の検出法としてはカンチレバーの撓み量検
出用の光源(例えば、レーザービーム照射手段)を設置
し、レーザービームをカンチレバーの上面に形成された
反射膜部分に斜入射させる。その反射光を受光素子(例
えば、二分割光検出器)で検出し、針状ティップと試料
表面との間隔が一定に保持されるように撓み量を制御す
ると共にカンチレバーで試料表面を走査する。このと
き、カンチレバーを移動させも試料台を移動させてもよ
い。
【0012】カンチレバーが試料表面を走査し、試料表
面の凹凸像を観察すると同時に試料の光学的情報を得
る。光学的情報は、試料裏面で全反射条件を満たすよう
に光を照射し、エバネセント波を検出する。このエバネ
セント波の強度変化は、試料と針状ティップとの間の距
離の変化によるものではなく、試料表面における光学的
性質の変化に伴って生じるものである。
面の凹凸像を観察すると同時に試料の光学的情報を得
る。光学的情報は、試料裏面で全反射条件を満たすよう
に光を照射し、エバネセント波を検出する。このエバネ
セント波の強度変化は、試料と針状ティップとの間の距
離の変化によるものではなく、試料表面における光学的
性質の変化に伴って生じるものである。
【0013】これらの観察のとき、以下のようなカンチ
レバーを用いることにより、試料表面の同一の点の凹凸
像の情報と光学的情報を同時に得ることができる。表面
凹凸像を得るための原子間力検出用のカンチレバー先端
部の原子間力検出領域付近を透明体とし、フォトン走査
型トンネル顕微鏡用プローブを兼ねる。あるいは、原子
間力検出領域付近に試料照射用の照射光の波長よりも小
さな開口を形成することでも観察が可能である。そし
て、カンチレバー先端部を透過したエバネセント波を検
出するための光検出器をカンチレバー先端部に近接し、
試料を挟んで試料照射用の照射光の光源と反対の位置に
設置し、試料表面からのエバネセント波を検出すること
によって、フォトン走査型トンネル顕微鏡動作を行う。
あるいは、そのカンチレバー先端部に近接して光導波路
もしくは光ファイバーを設置し、これから光検出器に光
を導きエバネセント波を検出する。
レバーを用いることにより、試料表面の同一の点の凹凸
像の情報と光学的情報を同時に得ることができる。表面
凹凸像を得るための原子間力検出用のカンチレバー先端
部の原子間力検出領域付近を透明体とし、フォトン走査
型トンネル顕微鏡用プローブを兼ねる。あるいは、原子
間力検出領域付近に試料照射用の照射光の波長よりも小
さな開口を形成することでも観察が可能である。そし
て、カンチレバー先端部を透過したエバネセント波を検
出するための光検出器をカンチレバー先端部に近接し、
試料を挟んで試料照射用の照射光の光源と反対の位置に
設置し、試料表面からのエバネセント波を検出すること
によって、フォトン走査型トンネル顕微鏡動作を行う。
あるいは、そのカンチレバー先端部に近接して光導波路
もしくは光ファイバーを設置し、これから光検出器に光
を導きエバネセント波を検出する。
【0014】本願発明の装置は、生物試料や光ディスク
表面等の透明試料の観察に適する。
表面等の透明試料の観察に適する。
【0015】
【実施例1】第1の実施例に係る試料表面の凹凸像と光
学的情報の同時観察装置を図1に示し、実施例に係るカ
ンチレバーの概略図を図3に示す。プリズムからなる試
料台(1) 上に試料(2) を載せ、試料(2) の上方からカン
チレバー(3) を接近させる。本実施例のプリズム(1) は
三角柱状であるがこれに限られるものではなく例えば、
半円柱状でもよい。試料(2) とカンチレバー(3) の先端
部との距離は原子間力が検出できる程度とする。このカ
ンチレバー(3) は図3に示すような構造を持つ。約200
μmのカンチレバー(3) 先端部に四角錐状の針状ティッ
プ(15)が形成されておりこれで試料(2) 表面上の微小部
分からの原子間力を検出する。このカンチレバー(3) 全
体は透明体である。カンチレバー(3)を形成している材
料は、例えばSi3N4 、ガラス等の透明材料からなるが、
上面には針状ティップ(15)裏側を除いてAu,Pt,Cr等に
よる反射膜(14)が形成されている。この反射膜(14)に光
を照射し、その反射光を二分割光検出器(8) に入射させ
る。試料(2) 表面にカンチレバー(3) を接近させると原
子間力によってカンチレバー(3) には撓みが生じる。こ
の生じたカンチレバー(3) の撓み量は、撓み量検出用光
源(7) からの光を偏向させるため、二分割光検出器(8)
の出力差の変化としてとらえられる。そこで、この出力
を差動増幅器(9) で適宜に増幅し、この出力差が一定に
なるようにXYZ走査装置(12)にフィードバックをか
け、高さ方向に制御を行えば試料(2) 表面とカンチレバ
ー(3) との距離が一定になる。この距離を一定に保持し
たままカンチレバーの駆動手段(12)によりカンチレバー
(3) を試料(2) 表面に対して走査させる。実際にはカン
チレバー(3) を走査させても試料(2) を駆動させても相
対的にカンチレバー(3) と試料(2) が移動すればよい。
そしてこのフィードバック信号が試料表面の形状を表
す。
学的情報の同時観察装置を図1に示し、実施例に係るカ
ンチレバーの概略図を図3に示す。プリズムからなる試
料台(1) 上に試料(2) を載せ、試料(2) の上方からカン
チレバー(3) を接近させる。本実施例のプリズム(1) は
三角柱状であるがこれに限られるものではなく例えば、
半円柱状でもよい。試料(2) とカンチレバー(3) の先端
部との距離は原子間力が検出できる程度とする。このカ
ンチレバー(3) は図3に示すような構造を持つ。約200
μmのカンチレバー(3) 先端部に四角錐状の針状ティッ
プ(15)が形成されておりこれで試料(2) 表面上の微小部
分からの原子間力を検出する。このカンチレバー(3) 全
体は透明体である。カンチレバー(3)を形成している材
料は、例えばSi3N4 、ガラス等の透明材料からなるが、
上面には針状ティップ(15)裏側を除いてAu,Pt,Cr等に
よる反射膜(14)が形成されている。この反射膜(14)に光
を照射し、その反射光を二分割光検出器(8) に入射させ
る。試料(2) 表面にカンチレバー(3) を接近させると原
子間力によってカンチレバー(3) には撓みが生じる。こ
の生じたカンチレバー(3) の撓み量は、撓み量検出用光
源(7) からの光を偏向させるため、二分割光検出器(8)
の出力差の変化としてとらえられる。そこで、この出力
を差動増幅器(9) で適宜に増幅し、この出力差が一定に
なるようにXYZ走査装置(12)にフィードバックをか
け、高さ方向に制御を行えば試料(2) 表面とカンチレバ
ー(3) との距離が一定になる。この距離を一定に保持し
たままカンチレバーの駆動手段(12)によりカンチレバー
(3) を試料(2) 表面に対して走査させる。実際にはカン
チレバー(3) を走査させても試料(2) を駆動させても相
対的にカンチレバー(3) と試料(2) が移動すればよい。
そしてこのフィードバック信号が試料表面の形状を表
す。
【0016】試料表面の形状の観察と同時に光学的情報
を得る。このための装置として試料表面に接近させたカ
ンチレバー(3) 先端部の上方(針状ティップ(15)が形成
されていない面)に、光ファイバー(4) の端面を接近さ
せる。この光ファイバー(4)の直径は約125 μmであ
り、クラッドとコアからなる。クラッドは石英等の材料
からなり、コアはゲルマニウムを添加した石英等の材料
からなる。このときのカンチレバー(3) と光ファイバー
(4) の端面との距離はできるだけ近いほうが望ましく、
本実施例においては試料照射用光源(6) からの光の波長
程度以下とする。そして、その光ファイバー(4) の他端
を光検出器(5) に接続する。さらに、試料の裏面で全反
射が起こるように試料照射用光源(6) からの光により試
料を照射する。表面凹凸像の観察と同時に試料照射用光
源(6) からの光により試料を照射するので試料(2) の表
面とカンチレバー(3) の距離を保ったまま、カンチレバ
ー(3) と光ファイバー(4) は試料表面上で走査されてい
ることになる。このとき試料表面に生じるエバネセント
波は、透明なカンチレバー(3) 先端部の針状ティップ
(5) を透過し、カンチレバー(3) 上面へ透過される。エ
バネセント波はここでは既に伝播光となっているためカ
ンチレバー(3) 上方に置かれた光ファイバー(4)へと伝
えられ、更に光検出器(5) で検出される。この信号は、
走査制御装置(11)からの走査信号情報とともに、信号処
理装置(10)に送られ、表示装置(図示せず)に表示され
るなどの信号処理が行われる。このときに得られる光検
出器(5) からの信号は、試料表面と光ファイバー(4) と
の距離を一定に保持した状態でのエバネセント波強度で
あるから、試料表面の光学的情報のみを表しており、試
料表面の形状の情報と光学的情報を分離することが可能
となる。
を得る。このための装置として試料表面に接近させたカ
ンチレバー(3) 先端部の上方(針状ティップ(15)が形成
されていない面)に、光ファイバー(4) の端面を接近さ
せる。この光ファイバー(4)の直径は約125 μmであ
り、クラッドとコアからなる。クラッドは石英等の材料
からなり、コアはゲルマニウムを添加した石英等の材料
からなる。このときのカンチレバー(3) と光ファイバー
(4) の端面との距離はできるだけ近いほうが望ましく、
本実施例においては試料照射用光源(6) からの光の波長
程度以下とする。そして、その光ファイバー(4) の他端
を光検出器(5) に接続する。さらに、試料の裏面で全反
射が起こるように試料照射用光源(6) からの光により試
料を照射する。表面凹凸像の観察と同時に試料照射用光
源(6) からの光により試料を照射するので試料(2) の表
面とカンチレバー(3) の距離を保ったまま、カンチレバ
ー(3) と光ファイバー(4) は試料表面上で走査されてい
ることになる。このとき試料表面に生じるエバネセント
波は、透明なカンチレバー(3) 先端部の針状ティップ
(5) を透過し、カンチレバー(3) 上面へ透過される。エ
バネセント波はここでは既に伝播光となっているためカ
ンチレバー(3) 上方に置かれた光ファイバー(4)へと伝
えられ、更に光検出器(5) で検出される。この信号は、
走査制御装置(11)からの走査信号情報とともに、信号処
理装置(10)に送られ、表示装置(図示せず)に表示され
るなどの信号処理が行われる。このときに得られる光検
出器(5) からの信号は、試料表面と光ファイバー(4) と
の距離を一定に保持した状態でのエバネセント波強度で
あるから、試料表面の光学的情報のみを表しており、試
料表面の形状の情報と光学的情報を分離することが可能
となる。
【0017】なお、ここでは試料(2) とカンチレバー
(3) の 針状ティップとの距離の計測は光てこ法(光学
的方法)を用いているが、この他にもカンチレバー裏面
にトンネルプローブを接近させる方法や光干渉計を用い
る方法又は静電力を検出する方法等も利用できる。
(3) の 針状ティップとの距離の計測は光てこ法(光学
的方法)を用いているが、この他にもカンチレバー裏面
にトンネルプローブを接近させる方法や光干渉計を用い
る方法又は静電力を検出する方法等も利用できる。
【0018】
【実施例2】第2の実施例に係る装置の概略図を図2に
示す。この装置は実施例1で説明し、図1に示した装置
と比較するとエバネセント波を検出する部分の構成が異
なる。試料表面に接近させたカンチレバー(3) の上方に
は、図1で示した光ファイバー(4) と光検出器(5) に代
えて小型光検出器(13)が設置されている。この小型光検
出器(13)をカンチレバー(3) の上方に近接させる。この
ときのカンチレバーと小型光検出器との距離は、実施例
1と同様に試料照射用光源(6) からの光の波長程度以下
とする。
示す。この装置は実施例1で説明し、図1に示した装置
と比較するとエバネセント波を検出する部分の構成が異
なる。試料表面に接近させたカンチレバー(3) の上方に
は、図1で示した光ファイバー(4) と光検出器(5) に代
えて小型光検出器(13)が設置されている。この小型光検
出器(13)をカンチレバー(3) の上方に近接させる。この
ときのカンチレバーと小型光検出器との距離は、実施例
1と同様に試料照射用光源(6) からの光の波長程度以下
とする。
【0019】制御方法、信号の処理方法も実施例1と同
様に行う。また、実施例1と同様に光検出器(13)からの
信号は、試料(2) 表面と小型光検出器(13)との距離を一
定に保持したままのエバネセント波強度であるから、試
料表面の光学的情報のみを表しており、試料表面の形状
の情報と光学的情報を分離することが可能となる。
様に行う。また、実施例1と同様に光検出器(13)からの
信号は、試料(2) 表面と小型光検出器(13)との距離を一
定に保持したままのエバネセント波強度であるから、試
料表面の光学的情報のみを表しており、試料表面の形状
の情報と光学的情報を分離することが可能となる。
【0020】尚、試料(2) とカンチレバー(3) との距離
の計測に、カンチレバー裏面にトンネルプローブを接近
させる方法や光干渉計を用いる方法等も利用できること
は実施例1と同様である。
の計測に、カンチレバー裏面にトンネルプローブを接近
させる方法や光干渉計を用いる方法等も利用できること
は実施例1と同様である。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、試料表面上の同一の点
の形状情報と光学的情報を分離して同時に観察すること
ができる。従って、高い空間分解能を保ったまま試料表
面の形状と光学的情報を分離して得ることができるよう
になり、両者の比較、対応が正確にできる。更に試料表
面の凹凸像と光学的情報を1台の装置でかつ同一の観察
位置で同時に得ることができるので作業効率が向上す
る。
の形状情報と光学的情報を分離して同時に観察すること
ができる。従って、高い空間分解能を保ったまま試料表
面の形状と光学的情報を分離して得ることができるよう
になり、両者の比較、対応が正確にできる。更に試料表
面の凹凸像と光学的情報を1台の装置でかつ同一の観察
位置で同時に得ることができるので作業効率が向上す
る。
【図1】は、実施例1に係わるフォトン走査型トンネル
顕微鏡の概略図である。
顕微鏡の概略図である。
【図2】は、実施例2に係わるフォトン走査型トンネル
顕微鏡の概略図である。
顕微鏡の概略図である。
【図3】は、実施例1および2に係わるカンチレバーの
概略図である。
概略図である。
1・・・試料台 2・・・試料 3・・・カンチレバー 4・・・光ファイバー 5・・・光検出器 6・・・エバネッセント波検出用光源 7・・・カンチレバーの撓み量測定用光源 8・・・受光手段 9・・・差動増幅器 10・・信号処理手段 11・・カンチレバー走査制御手段 12・・カンチレバー駆動手段 13・・小型光検出器 14・・反射膜 15・・針状ティップ 以上
Claims (4)
- 【請求項1】可撓性かつ光透過性でありプレート状の形
状をとり、該プレートの一先端部に光透過可能な針状テ
ィップを有し、該針状ティップ以外の領域の裏面に反射
膜を形成したカンチレバー、該カンチレバー駆動手段、
該カンチレバー駆動手段の制御手段、前記反射膜に光を
斜入射可能な位置にある前記カンチレバーの撓み量測定
用光源、該光源からの光の反射光受光手段、前記試料表
面に前記カンチレバーの先端部の針状ティップが近接可
能でありプリズムからなる試料台、 前記試料の裏面か
ら前記試料に光を照射可能な位置にあるエバネセント波
検出用光源、前記カンチレバーの針状ティップが形成さ
れている前記プレートの上面の位置にあり、前記プレー
トの上面に近接して設置された光検出手段、前記光検出
手段及び前記制御手段からの信号の信号処理手段からな
り、前記針状ティップと前記エバネセント波検出用光源
からの照射光のスポットが前記試料上で同一の位置にあ
ることを特徴とする顕微鏡。 - 【請求項2】前記光検出手段が光ファイバーとこれに接
続された光検出器又は光導波路とこれに接続された光検
出器又は小型光検出器からなることを特徴とする請求項
1記載の顕微鏡。 - 【請求項3】前記針状ティップの原子間力の検出領域付
近に前記エバネセント波検出用光源からの光の波長より
も小さい開口を備えたことを特徴とする請求項1または
2記載の顕微鏡。 - 【請求項4】試料をプリズムからなる試料台に設置す
ること; カンチレバー先端部の針状ティップを試料表面に極近
距離に接近させること; 前記カンチレバーと試料との距離を一定に制御したま
ま前記カンチレバー又は試料台を駆動させて前記カンチ
レバーと試料台を相対的に移動させ前記試料の表面凹凸
像を観察すること; 前記表面凹凸像の観察と同時にエバネセント波検出用
光源から前記針状ティップのある位置と同一の試料裏面
の位置に光を照射すること; 前記試料表面からのエバネセント波を光検出手段で検
出し光学的情報を得ること; からなる試料の表面凹凸像と光学的情報の同時観察方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4312547A JPH06160719A (ja) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | 原子間力顕微鏡一体型フォトン走査型トンネル顕微鏡 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4312547A JPH06160719A (ja) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | 原子間力顕微鏡一体型フォトン走査型トンネル顕微鏡 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06160719A true JPH06160719A (ja) | 1994-06-07 |
Family
ID=18030533
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4312547A Pending JPH06160719A (ja) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | 原子間力顕微鏡一体型フォトン走査型トンネル顕微鏡 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06160719A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6064060A (en) * | 1997-04-18 | 2000-05-16 | Olympus Optical Co., Ltd. | Near-field scanning optical microscope |
WO2023195637A1 (ko) * | 2022-04-08 | 2023-10-12 | 한국과학기술원 | 전위 구배 현미경 및 그 구동 방법 |
-
1992
- 1992-11-24 JP JP4312547A patent/JPH06160719A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6064060A (en) * | 1997-04-18 | 2000-05-16 | Olympus Optical Co., Ltd. | Near-field scanning optical microscope |
WO2023195637A1 (ko) * | 2022-04-08 | 2023-10-12 | 한국과학기술원 | 전위 구배 현미경 및 그 구동 방법 |
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