JPH0821Y2 - 口紅等の収納容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は口紅、リップクリーム、スチックアイシャド
ウ、スチックファンデーション等の棒状化粧品を収納す
る口紅等の収納容器に関する。

「従来の技術」 従来、口紅収納容器には口紅を支持する皿部材の組み
付けを容易にするため、皿部材本体の下方に係合ピンが
設けられた可撓可能な係合ピン支持板を形成した皿部材
を使用したものがある。

この皿部材を使用した口紅収納容器は皿部材の組み付
けが容易に行なうことができるが、口紅の上・下移動時
に必要以上の力で回動操作した場合に係合ピンが切り欠
部や螺旋溝との係合が解除され、口紅が脱落したり、あ
るいは口紅の上・下移動が不能になるという欠点があっ
た。

「本考案の目的」 本考案は以上のような従来の欠点に鑑み、皿部材の組
み付けが容易にできるとともに、必要以上の力で操作さ
れても係合ピンの切り欠部や螺旋溝との係合の解除を確
実に防止することのできる口紅等の収納容器を得るにあ
る。

「本考案の目的を達成するための手段」 本考案は円筒状のハカマ部材と、このハカマ部材内に
下端部が挿入された回動可能な筒部材と、この筒部材の
下端部に固定された外方に突出する係止部を有する係止
片と、前記筒部材の外周部でかつ前記ハカマ部材内に嵌
合固定され、前記係止片の係止部と係合して筒部材の抜
け脱を防止することのできる螺旋溝が形成された螺旋筒
と、前記筒部材内に上・下移動可能に備えられた口紅等
を支持する皿部材と、前記筒部材のハカマ部材内に挿入
された部位に形成された軸心方向の切り欠部と、前記皿
部材と一体成形された該皿部材の下方へ可撓可能に突出
された前記切り欠部および前記螺旋溝と係合する係合ピ
ンを有する係合ピン支持板と、前記筒部材内に前記皿部
材を収納し、該皿部材の下端部を前記係止片に押し付け
ることにより、前記係合ピン支持板の可撓性を阻止でき
るように該皿部材の下端部と嵌合するように設けられた
阻止部材とからなることを特徴としている。

また、本考案は筒状のハカマ部材と、このハカマ部材
内に下端部が挿入固定された内筒部材と、この内筒部材
の外周部を回動可能に覆う外筒部材と、前記内筒部材内
に上・下移動可能に備えられた口紅等を支持する皿部材
と、前記内筒部材に形成した軸心方向の切り欠部と、前
記外筒部材の内壁面に設けた螺旋溝と、前記皿部材の下
端部に可撓可能に一体成形された下方へ突出する前記切
り欠部および螺旋溝と係合する係合ピンを有する係合ピ
ン支持板と、前記内筒部材の内底部に固定された突起部
材と、前記皿部材の下端部に薄肉部を介して回動可能に
枢支された前記突起部材で押し圧されると該皿部材の下
端部と嵌合して前記係合ピン支持板の可撓性を阻止する
阻止部材とからなることを特徴としている。

「本考案の実施例」 以下、図面に示す実施例により、本考案を詳細に説明
する。

第１図ないし第４図の実施例において、１はハカマ部
材で、このハカマ部材１は金属材で形成された底面を有
する円筒状のハカマ部材本体２と、このハカマ部材本体
２の上端部に嵌合固定された上部外周部にキャップ嵌合
部３が形成され下部に傾斜面3aを有する金属材製のキャ
ップ嵌合部材４とから構成されている。

５は前記ハカマ部材１内に下端部が挿入された回動可
能な筒部材で、この筒部材５は金属材で形成され前記ハ
カマ部材１内に挿入される部位には一対の軸心方向の切
り欠部６、６が形成されている。

７は前記筒部材５の下端部に挿入されてカシメ固定さ
れた合成樹脂材製の係止片で、この係止片７には前記筒
部材５の外周部へ突出するフランジ状の係止部８と、前
記筒部材５内へ突出する山形形状の突起部９とが形成さ
れている。

10は前記筒部材５の外周部でかつ前記ハカマ部材１内
に挿入され、前記係止片７の係止部８と係合して筒部材
５の抜け脱を防止する内壁面に螺旋溝11が形成された螺
旋筒で、この螺旋筒10は合成樹脂材で形成され上端部に
前記キャップ嵌合部材４の傾斜面3aと係合する傾斜面10
aが形成されている。

12は前記筒部材５内に上・下移動可能に備つけられた
口紅13を支持する合成樹脂材製の皿部材で、この皿部材
12は口紅13を支持する皿部材本体14と、この皿部材本体
14と一体形成された該皿部材本体14の下方へ可撓可能に
突出された一対の係合ピン支持板15、15と、この係合ピ
ン支持板15、15にそれぞれ形成された前記切り欠部6,6
および螺旋溝11と係合する係合ピン16、16と、前記一方
の係合ピン支持板15に薄肉部17を介して回動可能に枢支
された他方の係合ピン支持板15の係合部18と係合し、該
係合ピン支持板15、15の可撓性を阻止する阻止部材19と
から構成されている。

20は前記ハカマ部材１の底面と前記係止片７との間に
介装され、該係止片７を弾性的に支持する抵抗付与部材
としてのステンレス薄板等の金属材等で形成した皿バネ
で、この皿バネ20の前記係止片７を付勢する弾性力はハ
カマ部材１と筒部材５とを持って回動操作する場合の回
動抵抗を操作性の良い値になるものが使用される。

21は前記筒部材５の上部外周部を覆い前記ハカマ部材
１のキャップ嵌合部３と着脱可能に嵌合されるキャップ
である。

「本考案の実施例の作用」 上記構成の口紅収納容器22は筒部材５内に皿部材12の
係合ピン16、16が切り欠部６、６内に位置するように収
納する。この時、皿部材12の阻止部材19をほぼ45°傾斜
している状態のままにしておく。この状態で筒部材５の
下端部に係止片７をカシメ固定する。

しかる後、筒部材５の外周部に螺旋筒10を位置させ、
皿バネ20が収納されたハカマ部材本体２内に挿入する。

次に筒部材５の上端部よりキャップ嵌合部材４をハカ
マ部材本体２の上端部に螺旋筒10の傾斜面10aと該キャ
ップ嵌合部材４の傾斜面3aとが当接するように嵌合固定
し、ハカマ部材本体２内で螺旋筒10が回動しないように
組付ける。

しかる後、ハカマ部材１と筒部材５とを持って皿部材
12が最下部に位置するように回動させる。

この操作によって、皿部材12が筒部材５を下降し、係
止片７の突起部９によって阻止部材19が押し上げられ、
係合ピン支持板15の係合部18と係合する。

これにより、係合ピン支持板15、15が撓んだりするの
を阻止部材19によって確実に阻止される。

このようにして組立てられた口紅収納容器22はハカマ
部材１と筒部材５を持って回動させることにより、皿部
材12の係合ピン16、16が筒部材５の切り欠部６、６およ
び螺旋筒10の螺旋溝11とによって上下方向に移動され
る。

このため、皿部材12に支持された口紅13は筒部材５の
上端部より出没させて使用することができる。しかし、
この皿部材12の上下方向の移動時には皿バネ20によって
係止片７が弾性的に付勢されているため、軽すぎたり重
すぎたりすることなく、最適な使用感で使用することが
できる。

「本考案の異なる実施例」 次に第５図ないし第12図に示す本考案の異なる実施例
につき説明する。なお、これらの実施例の説明に当っ
て、前記本考案の実施例と同一構成部分には同一符号を
付して重複する説明を省略する。

第５図および第６図の実施例において、前記本考案の
実施例と主に異なる点は、皿部材12の係合ピン支持板1
5、15に蓋形状の阻止部材19Aを取付けるように構成した
点で、このように口紅収納容器22Aを構成しても同様な
作用効果が得られる。

第７図ないし第９図の実施例において、前記本考案の
実施例と主に異なる点は、ハカマ部材１内に下端部が挿
入固定され、下部に固定された突起部材９を有する内筒
部材23と、この内筒部材23の外周部を覆う螺旋溝11が形
成された螺旋部材10および外筒部材本体24とからなる外
筒部材25を備えた口紅収納容器22Bに本考案を施した点
で、このように構成した口紅収納容器22Bも同様な作用
効果が得られる。

第10図ないし第12図の実施例において、前記第７図な
いし第９図の実施例と主に異なる点は、内壁面に螺旋溝
11が形成された外筒部材25Aを用いた点で、このように
口紅収納容器22Cを構成しても同様な作用効果が得られ
る。

なお、前記本考案の実施例では口紅を収納する口紅収
納容器について説明したが、本考案はこれに限らず、リ
ップクリーム、スチックアイシャドウ、スチックファン
デーション等の棒状化粧品を収納するものにも同様に実
施することができる。

また、前記本考案の実施例では内筒部材23に軸心方向
の切り欠部６を形成し、外筒部材25に螺旋溝11を形成し
たものに付いて説明したが本考案はこれに限らず、内筒
部材23に螺旋溝11を形成し、外筒部材25に軸心方向の切
り欠部６を形成してもよい。

「本考案の効果」 以上の説明から明らかなように、本考案にあっては次
に列挙する効果がある。

（１）円筒状のハカマ部材と、このハカマ部材内に下
端部が挿入された回動可能な筒部材と、この筒部材の下
端部に固定された外方に突出する係止部を有する係止片
と、前記筒部材の外周部でかつ前記ハカマ部材内に嵌合
固定され、前記係止片の係止部と係合して筒部材の抜け
脱を防止することのできる螺旋溝が形成された螺旋筒
と、前記筒部材内に上・下移動可能に備えられた口紅等
を支持する皿部材と、前記筒部材のハカマ部材内に挿入
された部位に形成された軸心方向の切り欠部と、前記皿
部材と一体成形された該皿部材の下方へ可撓可能に突出
された前記切り欠部および前記螺旋溝と係合する係合ピ
ンを有する係合ピン支持板と、前記筒部材内に前記皿部
材を収納し、該皿部材の下端部を前記係止片に押し付け
ることにより、前記係合ピン支持板の可撓性を阻止でき
るように該皿部材の下端部と嵌合するように設けられた
阻止部材とで構成されているので、皿部材に形成した可
撓可能な係合ピン支持板を筒部材内に組込んだ後、皿部
材を下降させることによって、皿部材の下端部に阻止部
材を自動的に嵌合させることができ、係合ピン支持板の
可撓性を阻止部材によって自動的に阻止することができ
る。したがって、皿部材の組付けが容易にできるととも
に、使用時に必要以上の力を加えて操作しても、従来の
ように係合ピンが切り欠部や螺旋溝から脱落して操作不
良となるのを確実に防止することができる。よって、信
頼性の高い製品にできる。

（２）前記（１）によって、構造が簡単であるので、
容易に実施することができる。

（３）請求項２は前記（１）（２）と同様な効果が得
られるとともに、自動的に阻止部材をセットすることが
でき、組付けをさらに容易に行なうことができる。

（４）請求項３、４、５も前記（１）（２）（３）と
同様な効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２図は本考
案の使用状態の説明図、第３図は筒部材と皿部材との説
明図、第４図は本考案の組付け状態の説明図、第５図お
よび第６図、第７図ないし第９図、第10図ないし第12図
はそれぞれ本考案の異なる実施例を示す説明図である。 1:ハカマ部材、2:ハカマ部材本体、3:キャップ嵌合部、
3a:傾斜面、4:キャップ嵌合部材、5:筒部材、6:切り欠
部、7:係止片、8:係止部、9:突起部、10:螺旋筒、10a:
傾斜面、11:螺旋溝、12:皿部材、13:口紅、14:皿部材本
体、15:係合ピン支持板、16:係合ピン、17:薄肉部、18:
係合部、19、19A、19B:阻止部材、20:皿バネ、21:キャ
ップ、22、22A、22B、22C:口紅収納容器、23:内筒部
材、24:外筒部材本体、25、25A:外筒部材。

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】円筒状のハカマ部材と、このハカマ部材内
   に下端部が挿入された回動可能な筒部材と、この筒部材
   の下端部に固定された外方に突出する係止部を有する係
   止片と、前記筒部材の外周部でかつ前記ハカマ部材内に
   嵌合固定され、前記係止片の係止部と係合して筒部材の
   抜け脱を防止することのできる螺旋溝が形成された螺旋
   筒と、前記筒部材内に上・下移動可能に備えられた口紅
   等を支持する皿部材と、前記筒部材のハカマ部材内に挿
   入された部位に形成された軸心方向の切り欠部と、前記
   皿部材と一体成形された該皿部材の下方へ可撓可能に突
   出された前記切り欠部および前記螺旋溝と係合する係合
   ピンを有する係合ピン支持板と、前記筒部材内に前記皿
   部材を収納し、該皿部材の下端部を前記係止片に押し付
   けることにより、前記係合ピン支持板の可撓性を阻止で
   きるように該皿部材の下端部と嵌合するように設けられ
   た阻止部材とからなることを特徴とする口紅等の収納容
   器。
2. 【請求項２】阻止部材は一端が係合ピン支持板と対応す
   る部位に形成された支持板に薄肉部を介して回動可能に
   枢支され、他端が係合ピン支持板に形成された係合部と
   係合するものであることを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の口紅等の収納容器。
3. 【請求項３】阻止部材は筒部材内に皿部材を収納した
   後、係合ピン支持板と対応する部位に形成された支持板
   との間に嵌合固定させるものであることを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の口紅等の収納容器。
4. 【請求項４】筒状のハカマ部材と、このハカマ部材内に
   下端部が挿入固定された内筒部材と、この内筒部材の外
   周部を回動可能に覆う外筒部材と、前記内筒部材内に上
   ・下移動可能に備えられた口紅等を支持する皿部材と、
   前記内筒部材に形成した軸心方向の切り欠部と、前記外
   筒部材の内壁面に設けた螺旋溝と、前記皿部材の下端部
   に可撓可能に一体成形された下方へ突出する前記切り欠
   部および螺旋溝と係合する係合ピンを有する係合ピン支
   持板と、前記内筒部材の内底部に固定された突起部材
   と、前記皿部材の下端部に薄肉部を介して回動可能に枢
   支された前記突起部材で押し圧されると該皿部材の下端
   部と嵌合して前記係合ピン支持板の可撓性を阻止する阻
   止部材とからなることを特徴とする口紅等の収納容器。
5. 【請求項５】筒状のハカマ部材と、このハカマ部材内に
   下端部が挿入固定された内筒部材と、この内筒部材の外
   周部を回動可能に覆う外筒部材と、前記内筒部材内に上
   ・下移動可能に備えられた口紅等を支持する皿部材と、
   前記内筒部材に形成した螺旋溝と、前記外筒部材の内壁
   面に形成した軸心方向の切り欠部と、前記皿部材の下端
   部に可撓可能に一体成形された下方へ突出する前記螺旋
   溝および切り欠部と係合する係合ピンを有する係合ピン
   支持板と、前記内筒部材の内底部に固定された突起部材
   と、前記皿部材の下端部に薄肉部を介して回動可能に枢
   支された前記突起部材で押し圧されると該皿部材の下端
   部と嵌合して前記係合ピン支持板の可撓性を阻止する阻
   止部材とからなることを特徴とする口紅等の収納容器。