JPH0821975A - 頭部装着型映像表示システム - Google Patents

頭部装着型映像表示システム

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JPH0821975A
JPH0821975A JP6154892A JP15489294A JPH0821975A JP H0821975 A JPH0821975 A JP H0821975A JP 6154892 A JP6154892 A JP 6154892A JP 15489294 A JP15489294 A JP 15489294A JP H0821975 A JPH0821975 A JP H0821975A
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JP
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image
observer
head
image display
optical system
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JP6154892A
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Yutaka Kodama
裕 児玉
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 観察者頭部が変位しても、虚像が空中に固定
されたままの感覚で観察できるようにした頭部装着型映
像表示システムを提供すること。 【構成】 観察者(1)の頭部が変位した際に、観察者
変位状態出力装置(20)にその変位方向及び変位量を
検知し信号を出力させ、出力された変位信号に基づき、
虚像位置移動手段により虚像を前記変位方向とは逆向き
に所定の範囲内で移動させるようにし、虚像が空中に浮
かんだままほぼ固定されている感覚で観察できるように
したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、観察者の頭部に装着さ
せ、眼球内網膜上に映像を投影可能とした頭部装着型映
像表示システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで、観察者の頭部に装着させ、L
CD表示素子等の映像表示素子を用いて映像を表示さ
せ、その映像をレンズ系や凹面鏡等の各種投影光学系を
用いて観察者の眼球内に虚像として導く頭部装着型映像
表示装置が知られている。この頭部装着型映像表示装置
は、装着手段を介して観察者の頭部に装着した装置本体
で映像を観察するものであり、装置を手等でおさえる必
要がないとともに、装置本体内に設けられた小型の映像
表示素子で大画面像を見ることができる新しいタイプの
映像表示装置である。
【0003】図13に示したものは、頭部装着型映像表
示装置の従来例であり特開平2−281891号公報
(従来例1)に開示されているものである。このうち図
13Aは、頭部装着型映像表示装置50を観察者51が
装着している状態の側面図であり、図13Bは、頭部装
着型映像表示装置50の正面図である。頭部装着型映像
表示装置50の光学系等の構成を説明すると、観察者5
1の眼球前方にはバックライト52を有する液晶ディス
プレイ53が設けられており、その液晶ディスプレイ5
3と眼球との間に眼球投影レンズ54が設けられ、液晶
ディスプレイ53内のバックライト52から発せられる
光束は、液晶ディスプレイ53の表示素子面を通過した
後に眼球へと導かれ、映像は観察者の眼球内の網膜上に
結像し観察者は拡大された映像の虚像を観察することが
できる。
【0004】しかし、前記従来例1のような頭部装着型
映像表示装置は、装置本体が装着された観察者の頭部が
変位した場合、映像が変位前とは異なった感覚で捉えら
れてしまう。これを解決すべく特開平3−56923号
公報(従来例2)及び特開平4−354275号公報
(従来例3)には、観察者の頭部の角変位(視方向の変
位)を読み取りそれに従って、頭部装着型映像表示装置
とは別体になったカメラ部の撮像方向を変えて、その撮
像を観察するタイプのものが開示されている。また、実
開平3−80384号(従来例4)、特開平5−241
539号(従来例5)、特開平5−241540号公報
(従来例6)には、観察者頭部の縦横前後の空間的変位
に従って映像信号を変換し、観察者の視界に対応した映
像を観察するタイプのものが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来例2及び従来例3には頭部の角変位のみについて考慮
した構成しか開示されておらず、観察者頭部の縦横前後
の空間的変位についてはなんら考慮されていない。ま
た、従来例4、従来例5、従来例6には、観察者頭部の
縦横前後の空間的変位に従って映像信号を変換するとこ
ろまでの構成については開示されているが、その映像信
号が変換された後に把握したい映像の具体的な好適移動
量、さらにこの移動量に応じた映像の補正についての構
成は開示されていない。
【0006】さらに、前記従来例5である特開平5−2
41539号公報の第2ページ第1欄45行〜第2欄2
行(従来例6にも同様の記載がある)には「ハーフミラ
ー上にコンピュータグラフィックで作成したコンピュー
タ画像による風景映像を投影させて肉眼で捉える風景に
重ねて見させる場合、装置の使用者が頭部の向きや位置
を変えると肉眼で捉える風景も変化する。そこで、前記
肉眼で捉える風景の変化に対応してコンピュータグラフ
ィックによる画像の向きや位置を変えてハーフミラー上
に投影させるようにすれば、便利であることは言うまで
もない。」旨の記載がある。しかし、上記記載中には発
想の起点ともいうべき抽象的な内容が開示されているの
みであり、抽象的な内容を具体化するための必要な構
成、作用についての記述、すなわち発明の本質たる技術
思想の創作について開示されているわけではない。
【0007】また、前記従来例5、従来例6における眼
球に導かれる映像、つまり観察者が観察する虚像の形成
位置は映像表示素子と投影光学系の相対的位置関係によ
って決まるが、観察者と虚像との位置関係は常に一定に
保たれた状態になっている。そのため、観察中に観察者
頭部の変位が起こった場合、虚像の形成される枠位置は
観察者に対して常に一体化された状態であるが、虚像は
移動してしまうため現実感が低下してしまう。また、観
察者が前後方向に移動した場合は映像の表示倍率を変化
させて対応しているので、観察者が近寄ったり遠ざかっ
たりしても観察者の視度は変化せず、視度変化や輻輳角
変化による遠近効果がないという不具合がある。
【0008】本発明は以上の問題点に鑑みてなされたも
のであり、観察者頭部が縦横方向に移動した際も、虚像
が空中に浮かんだままほぼ固定されている映像を観察し
ている感覚が味わえる頭部装着型映像表示システムを提
供することを目的としている。また、観察者が、空中に
浮かんだままほぼ固定されている映像に近づいたり、遠
ざかったりして映像を観察している感覚が味わえる頭部
装着型映像表示システムを提供することを目的としてい
る。また、枠内に表示された映像が、観察者に別体感を
抱かせる通常のディスプレイのように、枠とともに固定
されて認識される頭部装着型映像表示システムを提供す
ることを目的としている。また、観察者自身が前後方向
に移動しても映像の空間的位置がほぼ固定され、かつ大
きさの変化が補正された映像を観察することができる頭
部装着型映像表示システムを提供することを目的として
いる。また、観察者が映像に近づいたときに、違和感な
く両目視で近距離の映像を観察することができる頭部装
着型映像表示システムを提供することを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、映像を表示する映像表示素子と、この映
像表示素子に表示された映像を虚像として観察者の網膜
上に投影する投影光学系とを設けた頭部装着型映像表示
装置本体、および前記頭部装着型映像表示装置本体を前
記観察者の頭部に装着する装着手段とを有する頭部装着
型映像表示装置と、前記観察者頭部の前後方向の変位方
向及び変位量の信号を出力する前後方向出力手段と、こ
の前後方向出力手段から出力された変位信号に基づき前
記映像の虚像を前記変位方向とは逆向きに、かつ前記観
察者の変位量の絶対値の0.8倍以上1.2倍以下の範
囲内で前記逆向き方向に移動させる虚像位置前後方向移
動手段、を設けたことを特徴とする頭部装着型映像表示
システムである。また、前記虚像位置前後方向移動手段
は、前記観察者頭部が前方向に移動した場合に前記映像
表示素子を前記投影光学系側に移動させ、前記観察者頭
部が後方向に移動した場合に前記映像表示素子を前記投
影光学系とは反対側に移動させる映像表示素子前後方向
移動手段と、前記観察者頭部が前方向に移動した場合に
映像を拡大させ、前記観察者頭部が後方向に移動した場
合に映像を縮小させる映像拡縮手段とを有することを特
徴とする頭部装着型映像表示システムである。また、前
記映像表示素子は前記頭部装着型映像表示装置本体に固
定され、前記虚像位置前後方向移動手段は、前記観察者
頭部が前方向に移動した場合に前記映像表示素子の共役
像を前記投影光学系側に移動させ、前記観察者頭部が後
方向に移動した場合に前記映像表示素子の共役像を前記
投影光学系とは反対側に移動させる映像表示素子共役像
前後方向移動光学系と、前記観察者頭部が前方向に移動
した場合に映像を拡大させ、前記観察者頭部が後方向に
移動した場合に映像を縮小させる映像拡縮手段とを有す
ることを特徴とする頭部装着型映像表示システムであ
る。
【0010】また、前記投影光学系は、虚像として前記
観察者の右眼球内網膜上及び左眼球内網膜上にそれぞれ
の映像を投影する右眼球用投影光学系及び左眼球用投影
光学系であり、前記虚像位置前後方向移動手段は前記右
眼球用投影光学系により形成される右眼球用虚像の中心
と前記右眼球用投影光学系の射出瞳中心とを結ぶ軸及び
前記左眼球用投影光学系により形成される左眼球用虚像
の中心と前記左眼球用投影光学系の射出瞳中心とを結ぶ
軸との成す角を、前記観察者頭部の前方向の移動に対し
ては大きくし後方向の移動に対しては小さくするように
前記映像表示素子の少なくとも一方を偏心移動させる虚
像近接手段を有することを特徴とする頭部装着型映像表
示システムである。また、前記投影光学系は虚像として
前記観察者の右眼球内網膜上及び左眼球内網膜上にそれ
ぞれの映像を投影する右眼球用投影光学系および左眼球
用投影光学系であり、前記虚像位置前後方向移動手段は
上記右眼球用投影光学系により形成される右眼球用虚像
の中心と前記右眼球用投影光学系の射出瞳中心とを結ぶ
軸及び上記左眼球用投影光学系により形成される左眼球
用虚像の中心と上記左眼球用投影光学系の射出瞳中心と
を結ぶ軸との成す角を、前記観察者頭部の前方向の移動
に対しては大きくし後方向の移動に対しては小さくする
ように前記映像表示素子の共役像の少なくとも一方を偏
心移動させる虚像近接光学系を有することを特徴とする
頭部装着型映像表示システムである。
【0011】また、映像を表示する映像表示素子と、こ
の映像表示素子に表示された映像を虚像として観察者の
網膜上に投影する投影光学系とを設けた頭部装着型映像
表示装置本体、および前記頭部装着型映像表示装置本体
を前記観察者の頭部に装着する装着手段とを有する頭部
装着型映像表示装置と、前記観察者頭部の縦横方向の変
位方向及び変位量の信号を出力する縦横方向出力手段
と、この縦横方向出力手段により出力された変位信号に
基づき前記映像の虚像を前記変位方向とは逆向きに、か
つ前記観察者の縦横方向変位量の絶対値の0.8倍以上
1.2倍以下の範囲内で縦横方向に移動させる虚像位置
縦横方向移動手段と この虚像位置縦横方向移動手段に
接続された映像信号変換手段と、この映像信号変換手段
に接続された元映像信号発生手段とを設け、前記虚像位
置縦横方向移動手段は、前記映像信号変換手段により元
映像信号発生手段からの信号を表示可能な映像の表示範
囲に切り替えて前記表示素子に電送させる際、前記映像
信号変換手段による映像の前記映像表示素子上での移動
量の絶対値をΔY、前記投影光学系の横倍率の絶対値を
β、前記縦横方向出力手段により出力された前記観察者
の変位量の絶対値をΔyとしたとき、条件0.8<Δy
/(β・ΔY)<1.2を満足するようにしたことを特
徴とする頭部装着型映像表示システムである。また、前
記元映像信号は視野枠表示信号を有する映像信号であ
り、前記視野枠表示信号により表示される視野枠が前記
観察者の変位とともに移動及び/又は拡縮することを特
徴とする頭部装着型映像表示システムである。また、前
記観察者の頭部が任意の範囲をこえて空間的に移動した
場合に、前記観察者の移動に係わらず映像を固定させて
おき、前記観察者の移動方向が前記移動に対して逆にな
った場合に、前記条件0.8<Δy/(β・ΔY)<
1.2を満足させるように映像を前記映像表示素子上で
移動させるようにしたことを特徴とする頭部装着型映像
表示システムである。また、映像を表示する映像表示素
子と、この映像表示素子に表示された映像を虚像として
観察者の網膜上に投影する投影光学系とを設けた頭部装
着型映像表示装置本体、および前記頭部装着型映像表示
装置本体を前記観察者の頭部に装着する装着手段とを有
する頭部装着型映像表示装置と、前記観察者頭部の縦横
方向の変位方向及び変位量の信号を出力する縦横方向出
力手段と、この縦横方向出力手段により出力された変位
信号に基づき前記映像の虚像を前記変位方向とは逆向き
に、かつ前記観察者の縦横方向変位量の絶対値の0.8
倍以上1.2倍以下の範囲内で縦横方向に移動させる虚
像位置縦横方向移動手段とこの虚像位置縦横方向移動手
段に接続された映像信号変換手段と、この映像信号変換
手段に接続された元映像信号発生手段とを設け、前記虚
像位置縦横方向移動手段は、前記映像表示素子をこの映
像表示素子の表示面上で移動させる映像表示素子縦横方
向移動手段であり、この映像表示素子縦横方向移動手段
による前記映像表示素子の移動量の絶対値をΔY’、前
記投影光学系の横倍率の絶対値をβ、前記縦横方向出力
手段により出力された前記観察者の変位量の絶対値をΔ
yとしたとき、条件0.8<Δy/(β・ΔY’)<
1.2を満足するようにしたことを特徴とする頭部装着
型映像表示システムである。また、前記観察者の頭部が
任意の範囲をこえて空間的に移動した場合に、前記観察
者の移動に係わらず前記映像表示素子を固定させてお
き、前記観察者の移動方向が前記移動に対して逆になっ
た場合に、前記条件0.8<Δy/(β・ΔY′)<
1.2を満足させるように前記映像表示素子を移動させ
るようにしたことを特徴とする頭部装着型映像表示シス
テムである。
【0012】また、映像を表示する映像表示素子と、こ
の映像表示素子に表示された映像を虚像として観察者の
網膜上に投影する投影光学系とを設けた頭部装着型映像
表示装置本体、および前記頭部装着型映像表示装置本体
を前記観察者の頭部に装着する装着手段とを有する頭部
装着型映像表示装置と、前記観察者頭部の縦横方向の変
位方向及び変位量の信号を出力する縦横方向出力手段
と、この縦横方向出力手段により出力された変位信号に
基づき前記映像の虚像を前記変位方向とは逆向きに、か
つ前記観察者の縦横方向変位量の絶対値の0.8倍以上
1.2倍以下の範囲内で縦横方向に移動させる虚像位置
縦横方向移動手段と この虚像位置縦横方向移動手段に
接続された映像信号変換手段と、この映像信号変換手段
に接続された元映像信号発生手段とを設け、前記映像表
示素子は前記頭部装着型映像表示装置本体に固定され、
前記虚像位置縦横方向移動手段は前記映像表示素子の表
示面の共役面上での像を上記共役面上で移動させる映像
表示素子共役像縦横方向移動光学系であり、この映像表
示素子共役像縦横方向移動光学系による映像表示素子共
役像の移動量の絶対値をΔ Y’、前記投影光学系の横
倍率の絶対値をβ、前記縦横方向出力手段により出力さ
れた前記観察者の変位量の絶対値をΔyとしたとき、条
件0.8<Δy/(β・ΔY’)<1.2を満足するよ
うにしたことを特徴とする頭部装着型映像表示システム
である。また、前記観察者の頭部が任意の範囲をこえて
空間的に移動した場合に、前記観察者の移動に係わらず
前記映像表示素子共役像を固定させておき、前記観察者
の移動方向が前記移動に対して逆になった場合に、前記
条件0.8<Δy/(β・ΔY′)<1.2を満足させ
るように前記映像表示素子共役像を移動させるようにし
たことを特徴とする頭部装着型映像表示システムであ
る。
【0013】
【作用】このように請求項1の構成により、観察者は頭
部装着型映像表示装置を装着することにより、映像表示
素子に表示された映像は投影光学系により虚像として、
眼球の網膜上に導かれる。また、前後方向出力手段によ
り出力された出力信号は、観察者の頭部の前後方向の変
位方向と変位量の情報を含んでおり、虚像位置前後方向
移動手段により先の頭部の変位信号に基づき映像の虚像
は前記変位方向とは逆向きに観察者の変位量の絶対値の
0.8倍以上1.2倍以下の範囲で変位させられる。ま
た、観察者頭部と装着手段との位置関係は相対的に固定
されているので、前後方向での観察者頭部の変位に対し
て投影される映像は取り残されるように表示され、観察
者の頭部の前後方向の変位量に対する虚像の移動量は縦
横方向で1/5以下に抑えている。そのため、観察者の
頭部が前後方向に変位しても虚像は空間的には移動して
いないように認識され、虚像が空中に浮かんだままほぼ
固定されている映像を観察している感覚が味わえる。な
お、前後変位方向出力手段としては、他に観察者頭部の
空間的変位を検知する検知手段による情報や、観察者自
体を変位させる観察者変位手段の変位操作に対応させた
情報を出力する構成等が考えられる。
【0014】また、請求項2の構成により、映像表示素
子前後方向移動手段により映像表示素子は観察者頭部の
前方向の移動に対しては投影光学系側に、また観察者頭
部の後方向の移動に対してはその反対側に移動する。そ
のことにより投影光学系と映像表示素子との間隔が変化
するため観察者から虚像までの距離は映像表示素子の投
影光学系側への移動で短くなり、その反対側への移動で
は長くなる。そのため、観察者の前方向への変位に対し
ては装着手段に対する虚像の相対的位置が縮まり、観察
者の後方向への変位に対しては長くなるので、虚像が観
察者の前後方向の移動に対して取り残されて認識され
る。また、虚像位置の変位量の絶対値を観察者の空間的
変位量の絶対値の0.8倍以上1.2倍以下の範囲で移
動させているので、虚像が空間的に前後方向でほぼ固定
されて認識される。この際、投影光学系と映像表示素子
との間隔が変化すると投影倍率も変化する。映像表示素
子が投影光学系に近づくと投影倍率は小さくなり、逆に
映像表示素子が投影光学系から離れると投影倍率は大き
くなるので、映像拡縮手段により投影倍率が小さくなる
時つまり観察者頭部が前方向へ移動するときは映像を拡
大し、逆に投影倍率が大きくなる時つまり観察者頭部が
後方向へ移動する時は映像を縮小することで、投影倍率
の変化に対する虚像の大きさの変化を補正している。し
かも、投影光学系が観察者に対して固定された状態、つ
まり装置本体に固定で表示素子の移動を行うと、視角や
射出瞳の変化が起きずに像が見やすくなる。よって観察
者は、観察者自身が前後方向に移動しても映像の空間的
位置がほぼ固定され、また大きさの変化が補正された映
像を観察することができる。
【0015】また、請求項3にかかる本願発明によれ
ば、先述の請求項1の本願発明の作用に概略同じである
が、映像表示素子自体の移動の代わりにその共役像を映
像表示素子共役像前後方向移動光学系により移動させて
いるので、映像表示素子が固定でき、配線を傷めずにす
む。なお、表示面を前後させたり拡大する実施例として
はリレー光学系を用いて2次像面の移動や拡大を行うこ
と等が考えられる。
【0016】また、請求項4の構成により、右眼球用投
影光学系および左眼球用投影光学系により観察者の両眼
に映像が送られるので、映像の両眼視が可能となり映像
が見やすくなる。また、虚像近接手段によって映像表示
素子を偏心移動させることで右眼球用投影光学系により
形成される右眼球用虚像の中心と右眼球用投影光学系の
射出瞳中心とを結ぶ軸、及び左眼球用投影光学系により
形成される左眼球用虚像の中心と左眼球用投影光学系の
射出瞳中心とを結ぶ軸との成す角を、観察者頭部の前方
向の移動に対しては大きくし後方向の移動に対しては小
さくすると、融像時に右眼球の視軸と左眼球の視軸との
重なる角度(輻輳角)が大きくなるので観察者が映像に
近づいたときに違和感無く両眼視で近距離の映像を観察
することができる。
【0017】また、請求項5の構成により、前記請求項
4の構成による作用の他に、映像表示素子自体の移動の
代わりにその共役像を虚像近接光学系により偏心移動さ
せているので、映像表示素子が固定でき、配線を傷めず
にすむ。
【0018】また請求項6の構成により、観察者は頭部
装着型映像表示装置を装着することにより、映像表示素
子に表示された映像は投影光学系により虚像として、眼
球の網膜上に導かれる。縦横方向出力手段により出力さ
れた出力信号は観察者の頭部の縦横方向の変位方向と変
位量の情報を含んでおり、虚像位置縦横方向とは逆向き
に観察者の変位量の絶対値の0.8倍以上1.2倍以下
の範囲で変化させられる。また、観察者頭部と装着手段
との位置関係は相対的に固定されているので、縦横方向
での観察者頭部の変位に対して投影される映像は取り残
されるように表示され、観察者の頭部の縦横方向の変位
量に対する虚像の移動量は縦横方向で1/5以下に抑え
ている。そのため、観察者の頭部が縦横方向に変位して
も虚像は空間的には移動していないように認識され、虚
像が空中に浮かんだままほぼ固定されている映像を観察
している感覚が味わえる。なお、縦横変位方向出力手段
としては、他に観察者頭部の空間的変位を検知する検知
手段による情報や、観察者自体を変位させる観察者変位
手段の変位操作に対応させた情報を出力する構成等が考
えられる。また、実際に映像表示素子上に表示される映
像の映像信号は、映像信号変換手段の映像信号変換によ
り元映像信号による表示可能な映像上の表示範囲を切り
替えられて送られてくる。そのため、元映像信号が多く
の映像情報を含んだ信号であっても、頭部を空間的に縦
横方向に移動させると縦横変位出力手段により観察者の
縦横方向の変位方向及び変位量の信号が映像信号変換手
段に送られ、切り替られた映像信号が映像表示素子に送
られる。よって、観察者は縦横方向の変位後に変位前に
は表示されていなかった映像情報が観察者眼球内に導か
れる。また、上記映像信号変換手段による映像の上記映
像表示素子上での移動量の絶対値をΔY、上記投影光学
系の横倍率の絶対値をβ、上記縦横方向出力手段により
出力された上記観察者の変位量の絶対値をΔyとしたと
き、条件0.8<Δy/(β・ΔY)<1.2を満足す
る構成とすると虚像の移動量を観察者の移動量の1/5
以下にすることになり、虚像の移動量を観察者の頭部が
縦横方向に移動しても虚像の空間的位置があまり変化し
ない。
【0019】また、請求項9の構成により、映像表示素
子縦横方向移動手段により映像表示素子をその表示面を
有する面上で移動させるので、常に虚像はその枠と一体
となって観察者の眼球に導かれる。その虚像とその枠は
観察者が縦横方向に変位しても空間的にはあまり移動せ
ず、枠内に表示された映像が通常のディスプレイのよう
に枠とともに固定されて認識される。また、映像表示素
子共役像縦横方向移動手段による映像表示素子の移動量
の絶対値をΔY’、投影光学系の横倍率の絶対値をβ、
縦横方向出力手段により出力された観察者の変位量の絶
対値をΔyとしたとき、条件0.8<Δy/(β・Δ
Y’)<1.2を満足する構成とすると虚像の移動量を
観察者の移動量の1/5以下にすることになり、観察者
の頭部が縦横方向に移動しても虚像の空間的位置があま
り変化しない。
【0020】請求項11の構成により、前記請求項9の
構成による作用の他に、映像表示素子自体の移動の代わ
りにその共役像を映像表示素子共役像縦横方向移動光学
系により移動させているので、映像表示素子が固定で
き、配線を傷めずにすむ。
【0021】
【実施例】本発明は、観察者頭部が縦横方向に移動して
も虚像が空中に浮かんだままほぼ固定されている映像を
観察している感覚が味わえる頭部装着型映像表示システ
ムとしたものである。そのために観察者頭部が縦横方向
に変位した場合に、映像を観察者に対して先の変位方向
とは逆向きに先の変位量の絶対値とほぼ同じ量だけ移動
させることにより、固定像を観察していると認識させる
ことができるようにした。そこで、上記のごとく観察像
を移動させる具体的な方法が問題となるが、表示される
映像や表示素子自身、またはその像の移動により行う場
合は、投影光学系の横倍率を考慮しなければならない。
この投影光学系の横倍率βは、映像面上の光軸からの任
意の高さhとその投影像の高さh′との比で表され、β
=h′/hで定義されている。
【0022】このことから、投影倍率がβの状態では、
表示される映像の移動に対して観察像もβ倍に拡大され
て移動される。そこで、映像の移動量の絶対値をΔY、
投影光学系の横倍率の絶対値をβ、観察者の変位量の絶
対値をΔyとするとき、Δy=β・ΔYを満たして観察
者の変位とは逆方向に映像を移動させると観察像は空中
に固定される。前記右辺が観察像の移動量である。そし
て、映像が固定されていると感じる人間の感覚内であれ
ば多少のズレは問題とならない。そのため、所定の条件
の範囲での映像移動であれば、頭部の移動量に対する観
察像の空間的移動は、頭部移動量の5分の1より小さく
なり、空中に固定された観察像を観察している感覚が得
られる。なお、βは、投影光学系の焦点距離をf(>
0)、投影光学系の映像表示素子側焦点から映像表示素
子面までの距離の絶対値をZとすると、β=f/Zで表
せる。
【0023】以上は本発明の基本的考え方であるが、以
下図面を参照しながら、本発明の実施例を詳細に説明し
ていく。図1〜図5は、本願発明の第1実施例を示した
ものである。このうち、図1は第1実施例の全体を示す
概要図である。観察者1が、頭部装着型映像表示装置本
体2を頭部に装着し映像を観察している状態を示してい
る。この頭部装着型映像表示装置本体2内部は、図2に
示すように右目用液晶表示素子3が右目1a前方に配設
され、右目用液晶表示素子3と右目1aとの間に右目用
投影光学系4が配設されている。同様に、左目1b前方
にも左目用液晶表示素子5と左目用投影光学系6が配設
されている。二つの液晶表示素子3,5は、駆動装置7
により駆動されるようになっている。駆動装置7は、図
示していない駆動源であるリニアモーターや超音波モー
ター等に連結されている。
【0024】前記右目用投影光学系4及び左目用投影光
学系6は、それぞれの光軸X1,X2の間Iが略7cm
離れており、また焦点距離が略4cmであり、液晶表示
素子側主点と各液晶表示素子3,5の表示面までの距離
が所定状態で略3.9cmで投影倍率は略40倍であ
り、観察者1側主点から略156cm前方に虚像が形成
される構成になっている。前記駆動装置7は、液晶表示
素子3,5と一体的に連結され、光軸X1,X2と略平
行に移動させるためのレール8上を移動可能に構成され
ており、駆動装置7と液晶表示素子3,5との間に、左
右両方の投影光学系4,6の光軸と直交する方向にも移
動できるように、液晶表示素子3,5どうしがカム溝
9,10に沿って移動する際に伸縮する伸縮部11,1
2が設けられている。
【0025】図1に示すように、頭部装着型映像表示装
置本体2は、ゴムバンド13により観察者1の頭部を周
囲から挟みこむように装着されるようになっている(以
下、頭部装着型映像表示装置本体2とゴムバンド13を
含み映像表示装置15と略称する)。また、頭部装着型
映像表示装置本体2の前面中央には、特定波長域の赤色
光を発する発光ダイオード14が付設されている。ま
た、映像表示装置15前方の空間的に離れた位置に、第
1の受光レンズ16と第2の受光レンズ17が互いに観
察者1から見て左右方向に所定の間隔をもって配されて
おり、それぞれの受光レンズ16,17の裏側には受光
素子が面上に散らばって配された第1の受光素子面18
と第2の受光素子面19が配されている。なお、受光レ
ンズ16,17及び受光素子面18,19は、映像表示
装置15前方の定位置に固定されている。
【0026】各々の受光素子面18,19には、観察者
変位状態出力装置20が接続されており、前記発光ダイ
オード14の像の受光位置から頭部装着型映像表示装置
本体2、つまり観察者1の頭部位置を算出し、頭部の縦
横前後の移動方向及び移動量の情報を含んだ電気信号と
して出力するようになっている。この観察者変位状態出
力装置には映像信号変換器21が接続されており、映像
信号変換器21には元映像信号源22が接続されてい
る。そして、映像信号変換器21は観察者変位状態出力
装置20からの信号に基づいて元映像信号源22から送
られてくる元映像信号の映像のうち頭部装着型映像表示
装置本体2の受信アンテナ23に送るための映像信号に
変換するとともに、前記駆動装置7(図2)を駆動させ
る駆動信号を発するようになっている。
【0027】頭部装着型映像表示装置本体2に設けられ
た発光ダイオード14から発せられる光は、受光レンズ
16,17により受光素子面18及び19上に導かれ、
それぞれの受光素子面18,19における受光位置を示
す信号が観察者変位状態出力装置20に送られる。観察
者変位状態出力装置20からは、受光素子面18及び1
9上の光束入射位置から発光ダイオード14の空間的位
置を計算しその情報を出力する。また、映像信号変換器
21は、観察者変位状態出力装置20からの観察者の変
位の状態を表す信号に基づいて、元映像信号源22から
出力される元映像信号を信号変換する。
【0028】次に、この実施例における元映像信号の信
号変換の方法を説明する。図3は、映像を説明するため
の説明図であるが、24は元映像信号による元映像を示
している。この元映像24のうち25で区画されている
範囲は、観察者頭部の移動前の所定状態における映像の
表示範囲を示したものである。ここで、観察者頭部の移
動前の所定状態とは、観察者1の頭部がある設定した位
置にあり、観察者頭部変位状態出力装置20により測定
された観察者頭部の空間的位置がある範囲内に納まった
ときにそれを読み取られた状態を指す。
【0029】そこで、観察者頭部が変位した場合は、観
察者変位状態出力装置20より検出された観察者頭部の
縦横方向の移動に関する情報に示された変位方向とその
移動量を抜き出し、映像信号変換器21により頭部の変
位方向とは逆向きに映像を移動させる。この場合、映像
表示範囲25を常に観察者の眼球前方に位置させるため
に、元映像24に対する映像表示範囲25の移動は、観
察者頭部の移動する方向と同方向にしている。例えば、
観察者の頭部が下向きへ移動したときは、移動時表示範
囲26のように変換している。また、その移動量である
が、投影光学系の投影倍率がβであるとき、観察者1の
縦横方向の移動量Δyに対して映像表示素子上での映像
の移動量ΔYの絶対値を略Δy/βとする。ここでは、
投影光学系の投影倍率を観察者頭部が所定状態にある場
合に略40倍に設定しているので、観察者の縦横方向の
移動量Δyに対して、映像表示素子上での映像の移動量
ΔYの絶対値がΔy/40となるように映像変換を行っ
ている。この信号はアンテナ23(図1)により受信さ
れ、その映像信号に基づいた映像を液晶表示素子3,5
(図2)により表示する。
【0030】したがって、例えば観察者の頭部が20c
m下側に移動したときに、映像表示素子上での映像を
0.5cm上側に移動させる映像信号変換を行うと、そ
れにより形成される虚像はその40倍の移動となり20
cm上側に移動する。つまり、観察者の頭部の縦横方向
の移動があると、虚像は観察者頭部と一体となった映像
表示装置のゴムバンドに対し、観察者頭部の移動方向と
は逆向きに移動し、かつその移動量が同等になるように
構成されている。したがって、観察者頭部が縦横方向に
動いた場合、虚像は縦横方向に空間的移動をせず、かつ
観察者頭部の移動により映像に対する視野枠が移動する
ので、視野枠が移動した分だけの映像情報を得ることが
できることになる。なお、本実施例は後述するようにβ
が変化するようになっているので、変化したβに対し常
に液晶表示素子3,5(図2)上での映像の移動量ΔY
の絶対値をΔy/βとしている。上記移動量ΔYやΔy
は、初めに設定した所定状態から導いても、所望時の状
態でその都度所定状態として導いても同じ結果が得られ
る。
【0031】図4は、以上のことを説明するための光路
の概略図である。液晶表示素子3(5)からの光束は、
投影光学系4(6)により拡大され虚像27(28)を
形成する。図面上の上側の光路図は、所定状態での光路
を示しており、この場合、液晶表示素子3(5)は表示
範囲25(図3)の映像を表示している。そして、表示
映像の中心は図3に示すAであり、液晶表示素子3
(5)上では光軸上のa1に表示を行っている。このa
1は投影光学系4(6)により虚像27(28)上のA
に導かれる。一方、図面上の下側の光路図は、観察者の
頭部が移動したときの光路の概略図で、光軸が所定状態
の光軸よりも下側にΔy移動している。その時、前記変
換により液晶表示素子3(5)は、表示範囲26(図
3)の映像を表示している。そして、表示映像の中心は
図3に示すBであり、Aは映像中心よりも上側へΔy移
動する。このAは液晶表示素子3(5)上では、光軸よ
りもΔY上側のa2に表示され、a2は投影光学系4
(6)により虚像上のAに導かれる。つまり、観察者の
頭部が変位しても表示される虚像位置は空間的に変わら
ないとともに、頭部移動により図3のCの情報をも得る
ことになる。
【0032】また、観察者変位状態出力装置20(図
1)より検出された観察者頭部の前後方向の移動に関す
る信号に示された前後の変位方向とその移動量を抜き出
し、映像信号変換器21(図1)により出力される映像
信号を表示映像の中心部を中心として拡縮を行った映像
信号として出力するとともに、液晶表示素子3(5)を
ある量で移動させる駆動装置7(図2)を制御する駆動
信号を出力している。ところで、上記拡縮倍率と液晶表
示素子3(5)の移動量は、次のようにして決定してい
る(図5参照)。先ず、液晶表示素子3(5)の移動量
であるが、これは、所定状態時における液晶表示素子3
(5)の表示面と投影光学系4(6)の液晶表示素子側
主点との間隔をL、形成される虚像と投影光学系4
(6)の観察者側主点との間隔をL’、投影光学系4
(6)の焦点距離をf、観察者変位状態出力装置20
(図1)により検出された観察者の前方向の移動量をΔ
xとすると、液晶表示素子3(5)の移動方向及び移動
量ΔXは、式1/(L−ΔX)−1/(L’−Δx)=
1/fを概略満たすΔXとして算出される。つまり、条
件L−f(L’−0.8Δx)/(f+L’−0.8Δ
x)<ΔX<L−f(L’−1.2Δx)/(f+L’
−1.2Δx)を満たすΔXとすると、虚像の前後方向
の移動は観察者頭部の前後方向の移動量の1/5より小
さくなってよい。なお、L’はLf/(f−L)と同じ
である。
【0033】そこでΔXが正であれば、液晶表示素子3
(5)を投影光学系4(6)側に算出した距離だけ移動
させる信号に、ΔXが負であれば、投影光学系4(6)
と反対側に液晶表示素子3(5)を算出した距離の絶対
値分だけ移動させる信号に変換する。また、算出したΔ
Xに基づいて所定状態時における映像を0.8(L’
(L−ΔX))/(L(L’−Δx))ないし1.2
(L’(L−ΔX))/(L(L’−Δx))倍に表示
映像の中心部を中心として拡縮を行った映像信号に変換
すると、液晶表示素子3(5)の移動に伴う投影倍率の
変化を打ち消すことができる。
【0034】この実施例で、例えば観察者頭部が所定位
置から前方に50cm移動したときには、前記条件によ
り0.05cmだけ液晶表示素子3(5)を投影光学系
4(6)側へ移動させるとともに、表示された映像の中
心部を中心として1.45倍の拡大を行った映像信号に
変換する。変換された信号はアンテナ23(図1)によ
り受信され、その情報に基づき拡縮された映像が液晶表
示素子3(5)上に表示され、かつ駆動装置7により液
晶表示素子3(5)を移動させる。前記したように観察
者の頭部が前後方向に移動した時、液晶表示素子3
(5)を移動させることで虚像は、頭部の移動方向とは
逆向きに移動し、かつその移動量が同じになるように構
成されているので、観察者頭部の前後方向の動きに際し
ても虚像は前後方向に移動しない。かつ、液晶表示素子
3(5)の移動による投影倍率の変化も電気的に打ち消
す。なお、移動量ΔXやΔx、LやL’は、初めに設定
した所定状態から導いても、所望時の状態をその都度所
定状態として導いても同じ結果が得られる。
【0035】図5の光路の概略図により説明すると、液
晶表示素子3(5)からの光束は投影光学系4(6)に
より拡大され虚像27(28)を形成する。図面上の上
側の光路図は所定状態での光路を示しており、液晶表示
素子3(5)は映像表示範囲25(図3)の映像を表示
している。その時の表示映像の中心は図3に示すAであ
り、液晶表示素子3(5)上では光軸上のa1に表示を
行っている。このa1は投影光学系3,5により虚像上
のAに導かれる。また、図3に示すBは液晶表示素子3
(5)上では光軸外のb1に表示され、このb1は投影
光学系4(6)により虚像上のBに導かれる。
【0036】一方、下側の光路図は観察者の頭部が移動
したときの光路図で、観察者眼球1a(1b)及び投影
光学系4(6)が所定状態よりも前側にΔx移動した状
態を示している。この場合、液晶表示素子3(5)は前
記変換によりΔXだけ投影光学系4(6)側に移動さ
れ、虚像27(28)の位置は変化させないようにして
ある。また、前記変換により図3のAを中心とする表示
範囲30の像を拡大して液晶表示素子3(5)に表示し
ており、このとき図3に示すBは液晶表示素子3(5)
上では光軸外のb2に表示され、このb2は投影光学系
4(6)により所定状態と同じ位置に投影される。つま
り、観察者頭部が変位しても表示される虚像位置や大き
さは空間的に変わらないのである。なお、この図5は簡
略表示されているため、投影光学系4(6)の主点間隔
(液晶表示素子側主点と眼球側主点間隔)を0として図
示しているが、液晶表示素子側主点と眼球側主点の位置
は考慮されているものとする。
【0037】さらに、本実施例では液晶表示素子3
(5)の投影光学系4(6)側への移動にしたがって、
融像時の映像の輻輳角が大きくなるようにカム溝9,1
0(図2)に沿って液晶表示素子3,5がそれらの並設
方向に移動する。具体的には、眼球直前の左右の投影光
学系4,6の光軸(X1,X2)間をI(図2)、観察
者の頭部移動による液晶表示素子3(5)移動後に形成
される投影光学系4(6)との観察者側主点との間隔を
l’、観察者側主点と射出瞳の距離を投影光学系4
(6)の焦点距離と同じfとした時に、液晶表示素子中
心部の光軸に対する偏心量ΔZが略If/(2(f+
l’))であることが望ましく、本実施例でもこの条件
にあてはめ、偏心量ΔZが14/(4+l’)cmに略
等しく移動するようになっている。
【0038】また、本実施例のカム溝9,10の形状
は、投影光学系4(6)の液晶表示素子3(5)側主点
から液晶表示素子3(5)までの距離lに対して偏心量
ΔZが略I(f−l)/(2f)となるように構成され
ている。つまり、図2に示すごとく映像表示装置本体2
の上方から見た時に、液晶表示素子3(5)の表示面中
央部に対応させて形成されたカム溝9,10は、左右の
投影光学系4,6の各々の表示素子側主点を結ぶ線分の
中点と、左右の投影光学系4,6の各々の焦点を結ぶ直
線と略一致させている。このように構成することで、観
察者の頭部が前側に移動した際に液晶表示素子3(5)
が投影光学系投影光学系4(6)側に移動するのにした
がい、融像時に虚像形成位置にほぼ合致した輻輳角で観
察されるようになるので、観察者の虚像への接近に対し
て全く違和感がなくなる。
【0039】以上のごとく本実施例の頭部装着型映像表
示装置は、観察者の頭部の縦横前後および斜めの空間的
変位に対しても虚像位置が空間的に変わらず、移動する
観察者頭部に液晶表示素子を保持しているにもかかわら
ず、観察される映像は空間的に固定された状態として認
識がされるので、観察される映像の仮想現実感が非常に
高くなる。なお、本実施例における観察者の頭部位置を
検知する機構や映像信号を変換する装置は、頭部装着型
映像表示装置本体外に設け本体自体の小型軽量化を図っ
ているが、観察者の位置を検知する機構を例えばカメラ
で使われるアクティブ方式等の測距装置を頭部装着型映
像表示装置本体に設け、外界の物体位置の検知から相対
的に観察者の位置を検知する構成にするとともに、その
装置を頭部装着型映像表示装置と一体に構成するように
してもよい。また、映像表示素子(液晶表示素子)の前
後方向の移動は、リレー光学系を用いて2次像を表示面
として前後させたり、倍率変換を行う構成としてもよ
い。また、本実施例では輻輳角調整のための液晶表示素
子のそれら並設方向への移動は途中で液晶表示素子が駆
動装置に接してしまうため、移動可能域が制限されてし
まうが、光軸を曲げる部材を用いて液晶表示素子の位置
をずらす構成にすると、さらに最近点まで輻輳角調整が
可能となる。また、投影光学系をズームレンズで構成
し、虚像位置の前後移動や倍率変換を行うようにしても
よい。
【0040】また、映像表示素子に表示させる映像は、
本実施例のように液晶表示素子3(5)の表示面全体に
表示させる必要はなく、図6に示す変形例のように、映
像表示素子の表示面に映像を表示せず、例えばほぼ黒色
表示の視野枠30を形成し、観察者の頭部変位にしたが
って移動及び/または拡縮する映像と略一体に視野枠3
0も移動及び/または拡縮する構成とすると、映像の移
動とその映像の縁29aを形成する枠の移動が一体とな
り、枠と映像が空間に対して一体な仮想モニターとして
認識されるようになる。なお、映像表示素子に表示され
る表示範囲25が移動される構成については、第1実施
例と同様であるので説明を省略する。
【0041】また図7に示すように、観察者頭部の空間
的変位が任意の範囲W1内にある場合は、図7Aに示す
ように映像は固定状態にあるが、観察者頭部が任意の範
囲をこえて空間的に移動した場合(図7BのW2は任意
の範囲外の移動を示している)、この場合も観察者頭部
と一体に移動するように構成し、観察者頭部の移動方向
が逆になった場合は再び観察者の空間的変位に際して、
上記条件0.8<Δy/(β・ΔY)<1.2を満足さ
せるように映像を映像表示素子上で移動させると、観察
者はその移動先で固定の認識がされる投影像を観察する
ことができる。なお、観察者頭部の変位状態の読み取り
については、第1実施例と同様の構成により同様に行
う。
【0042】また、以下に示す第2実施例等も同様に、
観察者の頭部が任意の範囲をこえて空間的に移動した際
に、観察者の移動によらず映像表示素子又はその共役像
が支持部に対して固定され(つまり投影像は観察者と一
体で移動し)、観察者の移動方向が逆になった際に、再
び観察者の空間的変位に際して上記条件0.8<Δy/
(β・ΔY′)<1.2を満足して映像表示素子(又は
その共役像)を移動させると同様の効果がある。
【0043】図8、図9は本願発明の第2実施例を示し
たものである。第1実施例と対応する箇所には同じ符号
を付けた。図8は全体構成図及び操作レバー部分の斜視
図であるが、映像表示装置本体2の内部は図9に示すよ
うに構成されている。この映像表示装置本体2の内部
は、右目用液晶表示素子3と右目用投影光学系4、及び
左目用液晶表示素子5と左目用投影光学系6は、第1実
施例と同様に眼球1a,1bの前方に配設されている。
また、液晶表示素子3,5は、駆動装置31,32によ
って移動されるように該装置に連結されている。駆動装
置31,32は、レール33,34上を光軸X1,X2
と略平衡に移動できるように構成されており、左右の液
晶表示素子3,5はそれぞれ投影光学系4,6の光軸X
1,X2に対して垂直方向に移動できるようになってい
る。
【0044】また、図8Aに示すように観察者が着座し
ているシート35は、操作レバー36によって縦横前後
の移動が行われるようになっている。図8Bは操作レバ
ー36の斜視図であり、操作レバー36はそのシフト位
置とシート34の操作方向とを対応するように構成して
ある。また、シート35の下側には、シート35を縦横
前後に動かすシート駆動装置37が配されている。ま
た、シート35の内部には、操作レバー36の操作を読
み取り、液晶表示素子3,5の駆動を行う駆動装置3
1,32(図9)の制御信号と、図示しない元映像信号
源からの映像の倍率を切り換えた映像信号と、シート3
5を移動させるシート駆動装置37の制御信号とを形成
する信号形成装置38が設けられている。
【0045】次に、第2実施例の作用について説明す
る。先ず、観察者がレバー36を操作した場合、その操
作を信号形成装置38により読み取り、液晶表示素子
3,5の駆動を行う駆動装置31,32の制御信号と、
切り換えた映像信号と、シート35を移動させるシート
駆動装置37の制御信号とを形成する。シート移動の制
御信号はシート駆動装置37へと導かれ、シート駆動装
置37はレバー操作による観察者の所望する縦横前後の
移動方向へシート35を移動させる。この場合、前後左
右の移動であればシート34をシート34が移動する方
向と逆に傾けると前後左右の移動の体感を増大させるこ
とができる。このようなレバー操作が、観察者の変位の
状態を表す信号であるので、その操作を読み取り、液晶
表示素子3,5の駆動を行う駆動装置31,32の制御
信号を映像表示装置本体1内の駆動装置31,32に出
力するとともに、切り換えた映像信号を映像表示素子
3,5に電送するのである(図9)。
【0046】ここで、第2実施例における駆動装置3
1,32の制御信号の作成方法を説明する。観察者の移
動前の所定位置は、例えば観察者1の頭部がある設定し
た位置に配されたときで、ここではシート35が上下左
右前後の移動可能域のほぼ中間に位置したときを所定位
置と設定している。先ず、操作レバー36の操作により
出力された観察者の縦横方向の移動に関する情報に示さ
れた変位方向と操作時間を抜き出し、駆動装置31,3
2によりシート35の移動方向とは逆向きに、液晶表示
素子3,5を一定速度で操作時間分移動させる。例え
ば、観察者が右方向への移動の操作をしたときは、その
操作をした時間だけ観察者を右に移動させるとともに、
液晶表示素子3,5を一定速度で先の操作時間分左に移
動させる。
【0047】次に、移動量であるが、投影光学系4,6
の倍率がβであるとき、観察者頭部の縦横方向の移動量
Δyに対して液晶表示素子3,5の移動量ΔY′の絶対
値をΔy/βとすると、観察者頭部13の移動に対し虚
像面が空間的に止まって認識される。ここでは投影光学
系4,6の倍率を、観察者1の所定位置での所定状態に
おいて40倍に設定しているので、観察者頭部の縦横方
向の移動量Δyに対して液晶表示素子3,5の移動量Δ
y′の絶対値Δy/40となるように液晶表示素子3,
5の移動を行う信号に変換している。そして、この信号
をコード39により駆動装置31,32に導くと、その
信号に基づき液晶表示素子3,5が移動されることにな
る。
【0048】したがって、例えば観察者の頭部1が10
cm/sで2秒間右側に移動する操作をした場合、液晶
表示素子3,5を0.25cm/sで2秒間左側に移動
させる信号形成を行うと、それにより形成される虚像
は、その40倍の移動が起こり10cm/sで2秒間左
側に移動する。つまり、観察者の縦横方向の操作に際し
て虚像は、観察者頭部に対し前記移動方向とは逆向きに
移動し、かつその移動量が同じになるように構成されて
いるので、観察者頭部1が縦横方向に移動しても虚像が
縦横方向に移動せず、かつ映像に対して視野枠が固定さ
れているので、観察者は別体のディスプレイを観察して
いる感覚で映像を観察することができる。
【0049】次に、本実施例の変形例を説明すると、投
影光学系の倍率がβであるとき、観察者の縦横方向の移
動量Δyに対して映像表示素子の移動量ΔY′の絶対値
をΔy/βよりも大きくすると、観察者の移動量に対し
虚像面が空間的に観察者の移動方向と逆方向に動くこと
になる。そこで、前記したようにシートを移動方向と逆
に傾け前後左右の移動の体感を増大させる構成と組み合
わせる構成にすると、映像に対して観察者自身が移動し
ている感覚を違和感なく味わえる。
【0050】なお、本実施例も第1実施例に示したよう
にβが変化するので、変化したβに対し常に液晶表示素
子3,5の移動量ΔY′の絶対値をΔy/βとしてい
る。また、操作レバー36の操作により出力された観察
者の前後方向の移動に関する情報に示された移動方向と
操作時間を抜き出し、シート駆動装置37によりその方
向へ操作時間分シート35を移動させるとともに、虚像
をシート35の移動方向とは逆方向に移動させる。虚像
を前後方向に移動させる構成については、第1実施例と
ほぼ同様である。また、操作レバー36より検出された
観察者頭部の前後方向の移動に関する前後の操作方向と
その操作時間の信号を抜き出し、信号形成装置38によ
り出力される映像信号を表示映像の中心部を中心として
拡縮を行った映像信号として出力するとともに、液晶表
示素子3,5をある量で移動させる駆動装置31,32
を制御する駆動信号とを出力している。この拡縮倍率と
液晶表示素子移動量は以下のように決定している。図5
参照。
【0051】先ず、液晶表示素子3,5(図3)の移動
量であるが、これは、所定状態時における液晶表示素子
3,5の表示面と投影光学系4,6の表示素子側主点と
の間隔をL、形成される虚像と投影光学系4,6の観察
者側主点との間隔をL′、投影光学系4,6の焦点距離
をf、操作レバー36(図8)より検出された前後方向
の移動量をΔxとしたとき、液晶表示素子3,5の移動
方向及び移動量ΔXは式1/(L−ΔX)−1/(L′
−Δx)=1/fを概略満たすΔXとして算出される。
ΔXが正であれば投影光学系4,6側に液晶表示素子
3,5を算出した距離だけ移動させる信号に、ΔXが負
であれば投影光学系4,6と反対側に算出した距離の絶
対値分だけ液晶表示素子4,6を移動させる信号に変換
する。
【0052】操作レバー36から検出された前方向の移
動量Δxは、前方向のシート移動速度に前方向の移動操
作時間を掛けたものであり、後方向の移動では符号を負
として算出するものとしている。また、算出したΔXを
基にして所定状態時における映像を略(L′(L−Δ
X))/(L(L′−Δx))倍に表示映像の中心部を
中心として拡縮を行った映像信号に変換すると、液晶表
示素子3,5の移動に伴う投影倍率の変化を打ち消すこ
とができる。この実施例で例えば、観察者が所定位置か
ら前方に移動するようにレバー操作をしたときには、上
記条件により液晶表示素子3,5(図9)を投影光学系
4,6側へ移動させるとともに、表示された映像の中心
部を中心として拡大を行った映像信号に変換する。そし
て、この変換された信号はコード39(図8)により映
像表示装置本体2に導かれ、その情報に基づき拡縮され
た映像が液晶表示素子3,5上に表示され、かつ駆動装
置31,32により液晶表示素子3,5が移動する。し
たがって、観察者の頭部1が前後方向に移動した場合、
液晶表示素子3,5を移動させることで虚像は頭部1の
移動方向とは逆向きに移動し、かつその移動量が同じに
なるように構成されているので、観察者の前後シート移
動操作によるシート35の移動に際しても虚像が前後方
向で空間的に移動せず、仮想現実感が高くなる。
【0053】さらに、本実施例でも液晶表示素子3,5
の投影光学系4,6側への移動に従って、融像時の映像
の輻輳角が大きくなるように液晶表示素子3,5が並設
方向に移動する。実際の液晶表示素子3,5の移動は、
前記第1実施例で示した通りであり、映像表示装置本体
2の上方から見たときに液晶表示面中央部の通る軌道
は、左右の投影光学系4,6の各々の液晶表示素子側主
点を結ぶ線分の中点と、左右の投影光学系4,6の各々
の焦点を結ぶ直線と略一致させている。この液晶表示素
子3,5の並設方向への移動は、駆動装置31,32に
より行っている。このように構成することで、観察者1
の頭部が前方に移動した際に液晶表示素子3,5が投影
光学系4,6側に移動するのにしたがい、融像時に虚像
形成位置にほぼ合致した輻輳角で観察されるので、観察
者が虚像へ接近するような状態となっても全く違和感な
く観察できる。本実施例の変形例として、観察者頭部の
前後方向への移動において、観察者頭部の移動量以上に
虚像が移動する構成とすると、実際の観察者頭部の移動
量以上に観察者が移動した感覚が味わえるようになる。
【0054】以上のごとく本実施例の映像表示装置は、
観察者の頭部の縦横前後および斜めの空間的変位に対し
ても空間的に虚像位置は変わらず、頭部とともに移動す
る装置内に表示素子が保持されているものの、観察され
る映像は空間的に固定された状態に認識がされるので、
仮想現実感が非常に高くなる。
【0055】図10は、本発明の第3実施例にかかる説
明図である。本実施例は、表示素子を映像表示装置本体
に対し固定した状態で、表示素子の表示面の共役面上の
像移動を行うことで観察者の縦横移動に対する像移動を
行うことを可能にしたものである。図示のように、表示
素子の表示面40、リレーレンズ41、このリレーレン
ズ41による前記表示面40の共役面42、共役面付近
の映像を観察者の眼球43内に投影する投影光学系4
4、眼球43が光軸上に順に配設されている(他の構成
要素については図示を省略してある。以下の実施例につ
いても同様)。
【0056】図面上における上側は、所定状態を示した
ものであり、リレーレンズ41の光軸が投影光学系44
の光軸と一致している。この場合、光路中に反射面が配
されている場合は、光軸は真っ直ぐなものであることが
前提である。この状態だと表示面40は、リレーレンズ
41により共役面42上の40′に結像されるが、表示
像中心は共役面42と投影光学系44の光軸が交わる位
置に移動するので、得られる虚像の中心45は観察者の
真っ直ぐ前方に位置することになる。
【0057】一方、図面上における下側は、観察者が縦
横方向へ変位した時の状態を示したもので、移動前の光
軸に対しリレーレンズ41を頭部の移動方向とは逆方向
にシフトさせている。そこで、表示面40の像は共役面
42上でシフトし、共役面42上の像の移動により観察
者の観察する虚像中心45は、眼球43前方からずれて
しまう。このずれが生じても、観察される虚像が空間的
に変化しないように認識させるには、共役面42上の映
像表示素子共役像の移動量の絶対値をΔY′、投影光学
系44の横倍率の絶対値をβ、縦横方向出力手段により
出力された観察者の変位量の絶対値をΔyとしたとき、
条件0.8<Δy/(β・ΔY′)<1.2を満足させ
るようにすればよい。
【0058】この実施例において前記条件を満足させる
ためには、リレーレンズ41の投影倍率の絶対値がβR
であるとすると、リレーレンズ41の光軸に対する偏心
移動量の絶対値ΔyRを、Δy/(0.8β(βR+
1))より小さく、Δy/(1.2β(βR+1))よ
り大きい範囲内とすればよい。こうすることにより、頭
部の縦横変位に対しても得られる虚像が空間的にほぼ固
定され、仮想現実感が高くなる。なお、本実施例では表
示素子を固定する構成であるので、表示素子への配線の
負担が軽減できる。
【0059】図11は、本発明の第4実施例にかかる説
明図である。本実施例は、観察者の前後方向の移動に際
しての前後方向の虚像移動を、一体で移動する直交した
2枚の反射平面を用いて行うようにした構成のものであ
る。図示のように、表示素子の表示面40、一体で移動
する直交した2枚の反射面46、表示面40の像を観察
者の眼球43内に投影する投影光学系44、眼球43が
光軸上に順に配されている。図面上の上側の図は所定状
態を表したものであり、像は直交する反射面46により
表示面40は40′の共役面に投影される。投影状態は
この共役面40′と投影光学系44との位置関係で決定
され、ここでは虚像中心は図中45に配されるものとす
る。この虚像中心45は、表示面40が実際に40′の
位置にあった場合と一致する。
【0060】したがって、観察者頭部の前後方向の移動
があった場合、所定状態時における表示素子の表示面共
役像40′と投影光学系44の表示素子側主点との間隔
をL、形成される虚像と投影光学系44の観察者側主点
との間隔をL′、投影光学系44の焦点距離をf、観察
者の前方向の移動量をΔxとしたとき、表示素子の共役
像40′の移動方向及び移動量ΔXは、L−f(L′−
0.8Δx)/(f+L′−0.8Δx)<ΔX<L−
f(L′−1.2Δx)/(f+L′−1.2Δx)を
満たすΔXとすると、虚像の空間における前後移動が少
なくてよい。
【0061】なお、L′はLf/(f−L)に同じであ
る。ΔXが正であれば投影光学系側に表示素子の表示面
共役像40′を算出した距離だけ移動させる信号に、Δ
Xが負であれば投影光学系44と反対側に表示素子の共
役像40′を算出した距離の絶対値分だけ移動させる。
また、算出したΔXをもとにして所定状態における映像
を0.8(L′(L−ΔX)/(L(L′−Δx))な
いし1.2(L′(L−ΔX))/(L(L′−Δ
x))倍に表示映像の中心部を値を心として拡縮を行っ
た映像信号に変換すると、表示素子の共役像40′の移
動に伴う投影倍率の変化を打ち消すことができる。この
実施例では、共役像40の移動は直交する反射面46の
移動によって行っており、共役像40を移動させたい量
の半分の量を共役像40の移動方向に移動させればよ
い。図11上の下の図は、その移動行った状態を示して
いる。このように構成することで、頭部に前後変位を生
じても得られる虚像が空間的にほぼ固定されるようにな
るが、表示素子は固定する構成をとれるので表示素子へ
の配線の負担を軽減できる。
【0062】図12は、本発明の第5実施例にかかる説
明図である。本実施例は、観察者頭部が前後方向に移動
する場合の前後方向の虚像移動に伴う輻輳変換を、移動
する反射平面を用いて行うようにした構成とした。前記
した輻輳角変換を行う実施例では、左右の投影光学系の
それぞれの眼球側主点を結ぶ線分の中心とそれぞれの焦
点を結ぶ線上をそれぞれの表示素子の中心部が移動する
ようにした構成としているが、本実施例ではそれぞれの
表示素子の共役像がそれぞれの眼球側主点を結ぶ線分の
中心とそれぞれの焦点を結ぶ線上を移動すべく表示素子
を固定させ、反射ミラーを移動させるようにしている。
【0063】先ず、右目用の表示素子及び光学系につい
て説明すると、本体に対して固定された右目用映像表示
素子47、右目用移動反射面48、右目用投影光学系4
9、反射面50が図示のごとく右目51に投影像が導か
れるように配されている。移動できるように構成された
反射面48は、投影光学系49の光軸に対して左右の射
出瞳中心51a及び52a間の距離をI、投影光学系4
9の焦点距離をfとしたときにtanθ=I/(2f)
を満たすθだけ傾けられており、この反射面移動時もこ
の関係を保っている。つまり、この反射面は平衡移動を
行う。
【0064】また、表示素子47の位置は、前記投影光
学系49の表示素子側主点から移動する反射面側の光軸
上の任意の点を折り返し点53とし、そこから光軸に対
して2θを成す軸上に表示素子47の表示面中心部が位
置し、表示素子47の表示面はその軸に対して垂直に配
されるとともに、その表示面中心から折り返し点53を
介して投影光学系49の表示素子側主点に到るまでの二
線分の和がfとなる位置に配されている。一方、左目用
の表示素子54及び移動する反射面55、投影光学系5
6、反射面57についても、右目用のそれらと面対象に
構成されている。このように移動する反射面55の位置
関係も常に面対象となっており、この配置状態で移動す
る反射面48,55を平衡移動させると、前記したよう
に反射面48,55で曲げられた光軸を直線に展開する
と、それぞれの表示素子47,54の共役像がそれぞれ
の眼球側主点の中心とそれぞれの焦点を結ぶ線上を移動
するので、図示のように左右射出瞳の中心を通る観察者
前方直線上に表示素子の中心部分の虚像が形成される。
【0065】そこで、観察者頭部の前後方向の動きの情
報により上記移動する反射面48,55を対象に移動さ
せると、たとえ両眼による観察であっても虚像の中心部
が空間において固定されるので、視度及び輻輳角を満足
し、観察者との別体感を更に強くできる。なお、図示
上、58は反射面57による投影光学系56の像であり
59は反射面55による表示素子54の像である。具体
的には、観察者頭部の前方方向の移動量をΔxとする
と、移動する反射面48,55を(L−(f(L′−Δ
x))/(f+L′−Δx))/(1+cos2θ)だ
け投影光学系側に移動させればよい。ここで、Lは投影
光学系49,56の表示素子側主点と表示素子47,5
4までの反射面48,55を介した距離であり、L′は
投影光学系により投影される虚像(観察される像)と投
影光学系49,56の観察者側主点(ただし反射面5
0,57の反射を考慮し光軸を真っ直ぐに展開したとき
の位置)間の距離である。なお、L′はLf/(f−
1)に同じである。図中の下図は移動前を、上図は移動
後を示したものである。そして、移動前における映像を
(L′(L−ΔX))/(L(L′−Δx))倍に表示
映像の中心部を中心として拡縮を行った映像を表示する
と、表示素子の移動に伴う投影倍率の変化を打ち消すこ
とができる。
【0066】本実施例は以上のごとく構成されている
で、表示素子を装置本体に固定でき、観察者頭部の前後
方向の移動の際にも表示素子への配線を傷めずに視度と
輻輳角を満足した像を得ることができる。
【0067】本発明は、前記した各実施例以外にも種々
の変更が可能であり、本願の特許請求の範囲はこれら実
施例に限定されない。また、本願の実施例では便宜上光
学系における反射面を極力除いて説明したが、例えば図
12に示すように光軸を曲げる反射面を介する構成とし
てもよいことはいうまでもない。したがって、反射面を
介する構成の場合は、光軸を真っ直ぐに展開したものと
して特許請求の範囲は解釈されるべきである。また、実
施例として、頭部の移動量の幅が縦横前後で1cm程度
のものであれば、装着手段に対して頭部装着型映像表示
装置本体を頭部の移動方向とは逆向きの同じ量だけ縦横
前後に移動させる装置本体移動手段を虚像位置移動手段
とすることも可能である。
【0068】
【発明の効果】以上のことから分かるように、本願発明
によれば、観察者自身が前後方向に移動しても映像の空
間的位置がほぼ固定され、かつ大きさの変化が補正され
た映像を観察することができる頭部装着型映像表示シス
テムを提供することができる。また、空中に浮かんだま
ま固定されている映像に近づいたり、遠ざかったりして
観察している感覚が味わえる頭部装着型映像表示システ
ムを提供することができる。また、枠内に表示された映
像が観察者と別体となった通常のディスプレイのように
枠とともに固定されて認識される頭部装着型映像表示シ
ステムを提供することができる。また、観察者頭部の縦
横方向の移動の際にも、虚像が空中に浮かんだままほぼ
固定されている映像を観察している感覚が味わえる頭部
装着型映像表示システムを提供することができる。ま
た、また、観察者が映像に近づいたときに違和感なく、
両眼視で近距離の映像を観察することが可能な頭部装着
型映像表示システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す概要図である。
【図2】同じく映像表示装置の内部を示す断面図であ
る。
【図3】同じく映像を説明するための説明図である。
【図4】同じく光路を説明するための説明図である。
【図5】同じく光路を説明するための説明図である。
【図6】第1実施例の変形例に係る映像を説明するため
の説明図である。
【図7】同じく他の変形例を説明するための説明図であ
る。
【図8】本発明の第2実施例を示す概要図、及びレバー
の斜視図である。
【図9】同じく映像表示装置の内部を示す断面図であ
る。
【図10】本発明の第3実施例に係る光路を説明するた
めの説明図である。
【図11】本発明の第4実施例に係る光路を説明するた
めの説明図である。
【図12】本発明の第5実施例に係る光路を説明するた
めの説明図である。
【図13】従来例を説明するための側面図、及び正面図
である。
【符号の説明】
1 観察者 2 頭部装着型映像表示装置本体 13 ゴムバンド(装着手段) 14 発光ダイオード 15 映像表示装置 16,17 受光レンズ 18,19 受光素子面 20 観察者変位状態出力装置(前後方向出力手段) 21 映像信号変換器 22 元映像信号源

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 映像を表示する映像表示素子と、この映
    像表示素子に表示された映像を虚像として観察者の網膜
    上に投影する投影光学系とを設けた頭部装着型映像表示
    装置本体、および前記頭部装着型映像表示装置本体を前
    記観察者の頭部に装着する装着手段とを有する頭部装着
    型映像表示装置と、 前記観察者頭部の前後方向の変位方向及び変位量の信号
    を出力する前後方向出力手段と、 この前後方向出力手段から出力された変位信号に基づき
    前記映像の虚像を前記変位方向とは逆向きに、かつ前記
    観察者の変位量の絶対値の0.8倍以上1.2倍以下の
    範囲内で前記逆向き方向に移動させる虚像位置前後方向
    移動手段、を設けたことを特徴とする頭部装着型映像表
    示システム。
  2. 【請求項2】 前記虚像位置前後方向移動手段は、前記
    観察者頭部が前方向に移動した場合に前記映像表示素子
    を前記投影光学系側に移動させ、前記観察者頭部が後方
    向に移動した場合に前記映像表示素子を前記投影光学系
    とは反対側に移動させる映像表示素子前後方向移動手段
    と、前記観察者頭部が前方向に移動した場合に映像を拡
    大させ、前記観察者頭部が後方向に移動した場合に映像
    を縮小させる映像拡縮手段とを有することを特徴とする
    請求項1記載の頭部装着型映像表示システム。
  3. 【請求項3】 前記映像表示素子は前記頭部装着型映像
    表示装置本体に固定され、前記虚像位置前後方向移動手
    段は、前記観察者頭部が前方向に移動した場合に前記映
    像表示素子の共役像を前記投影光学系側に移動させ、前
    記観察者頭部が後方向に移動した場合に前記映像表示素
    子の共役像を前記投影光学系とは反対側に移動させる映
    像表示素子共役像前後方向移動光学系と、前記観察者頭
    部が前方向に移動した場合に映像を拡大させ、前記観察
    者頭部が後方向に移動した場合に映像を縮小させる映像
    拡縮手段とを有することを特徴とする請求項1記載の頭
    部装着型映像表示システム。
  4. 【請求項4】 前記投影光学系は、虚像として前記観察
    者の右眼球内網膜上及び左眼球内網膜上にそれぞれの映
    像を投影する右眼球用投影光学系及び左眼球用投影光学
    系であり、前記虚像位置前後方向移動手段は前記右眼球
    用投影光学系により形成される右眼球用虚像の中心と前
    記右眼球用投影光学系の射出瞳中心とを結ぶ軸及び前記
    左眼球用投影光学系により形成される左眼球用虚像の中
    心と前記左眼球用投影光学系の射出瞳中心とを結ぶ軸と
    の成す角を、前記観察者頭部の前方向の移動に対しては
    大きくし後方向の移動に対しては小さくするように前記
    映像表示素子の少なくとも一方を偏心移動させる虚像近
    接手段を有することを特徴とする請求項2記載の頭部装
    着型映像表示システム。
  5. 【請求項5】 前記投影光学系は虚像として前記観察者
    の右眼球内網膜上及び左眼球内網膜上にそれぞれの映像
    を投影する右眼球用投影光学系および左眼球用投影光学
    系であり、前記虚像位置前後方向移動手段は上記右眼球
    用投影光学系により形成される右眼球用虚像の中心と前
    記右眼球用投影光学系の射出瞳中心とを結ぶ軸及び上記
    左眼球用投影光学系により形成される左眼球用虚像の中
    心と上記左眼球用投影光学系の射出瞳中心とを結ぶ軸と
    の成す角を、前記観察者頭部の前方向の移動に対しては
    大きくし後方向の移動に対しては小さくするように前記
    映像表示素子の共役像の少なくとも一方を偏心移動させ
    る虚像近接光学系を有することを特徴とする請求項4記
    載の頭部装着型映像表示システム。
  6. 【請求項6】 映像を表示する映像表示素子と、この映
    像表示素子に表示された映像を虚像として観察者の網膜
    上に投影する投影光学系とを設けた頭部装着型映像表示
    装置本体、および前記頭部装着型映像表示装置本体を前
    記観察者の頭部に装着する装着手段とを有する頭部装着
    型映像表示装置と、 前記観察者頭部の縦横方向の変位方向及び変位量の信号
    を出力する縦横方向出力手段と、 この縦横方向出力手段により出力された変位信号に基づ
    き前記映像の虚像を前記変位方向とは逆向きに、かつ前
    記観察者の縦横方向変位量の絶対値の0.8倍以上1.
    2倍以下の範囲内で縦横方向に移動させる虚像位置縦横
    方向移動手段とこの虚像位置縦横方向移動手段に接続さ
    れた映像信号変換手段と、 この映像信号変換手段に接続された元映像信号発生手段
    とを設け、 前記虚像位置縦横方向移動手段は、前記映像信号変換手
    段により元映像信号発生手段からの信号を表示可能な映
    像の表示範囲に切り替えて前記表示素子に電送させる
    際、前記映像信号変換手段による映像の前記映像表示素
    子上での移動量の絶対値をΔY、前記投影光学系の横倍
    率の絶対値をβ、前記縦横方向出力手段により出力され
    た前記観察者の変位量の絶対値をΔyとしたとき、条件
    0.8<Δy/(β・ΔY)<1.2を満足するように
    したことを特徴とする頭部装着型映像表示システム。
  7. 【請求項7】 前記元映像信号は視野枠表示信号を有す
    る映像信号であり、前記視野枠表示信号により表示され
    る視野枠が前記観察者の変位とともに移動及び/又は拡
    縮することを特徴とする請求項1ないし請求項6記載の
    頭部装着型映像表示システム。
  8. 【請求項8】 前記観察者の頭部が任意の範囲をこえて
    空間的に移動した場合に、前記観察者の移動に係わらず
    映像を固定させておき、前記観察者の移動方向が前記移
    動に対して逆になった場合に、前記条件0.8<Δy/
    (β・ΔY)<1.2を満足させるように映像を前記映
    像表示素子上で移動させるようにしたことを特徴とする
    請求項6記載の頭部装着型映像表示システム。
  9. 【請求項9】 映像を表示する映像表示素子と、この映
    像表示素子に表示された映像を虚像として観察者の網膜
    上に投影する投影光学系とを設けた頭部装着型映像表示
    装置本体、および前記頭部装着型映像表示装置本体を前
    記観察者の頭部に装着する装着手段とを有する頭部装着
    型映像表示装置と、 前記観察者頭部の縦横方向の変位方向及び変位量の信号
    を出力する縦横方向出力手段と、 この縦横方向出力手段により出力された変位信号に基づ
    き前記映像の虚像を前記変位方向とは逆向きに、かつ前
    記観察者の縦横方向変位量の絶対値の0.8倍以上1.
    2倍以下の範囲内で縦横方向に移動させる虚像位置縦横
    方向移動手段とこの虚像位置縦横方向移動手段に接続さ
    れた映像信号変換手段と、 この映像信号変換手段に接続された元映像信号発生手段
    とを設け、 前記虚像位置縦横方向移動手段は、前記映像表示素子を
    この映像表示素子の表示面上で移動させる映像表示素子
    縦横方向移動手段であり、この映像表示素子縦横方向移
    動手段による前記映像表示素子の移動量の絶対値をΔ
    Y’、前記投影光学系の横倍率の絶対値をβ、前記縦横
    方向出力手段により出力された前記観察者の変位量の絶
    対値をΔyとしたとき、条件0.8<Δy/(β・Δ
    Y’)<1.2を満足するようにしたことを特徴とする
    頭部装着型映像表示システム。
  10. 【請求項10】 前記観察者の頭部が任意の範囲をこえ
    て空間的に移動した場合に、前記観察者の移動に係わら
    ず前記映像表示素子を固定させておき、前記観察者の移
    動方向が前記移動に対して逆になった場合に、前記条件
    0.8<Δy/(β・ΔY′)<1.2を満足させるよ
    うに前記映像表示素子を移動させるようにしたことを特
    徴とする請求項9記載の頭部装着型映像表示システム。
  11. 【請求項11】 映像を表示する映像表示素子と、この
    映像表示素子に表示された映像を虚像として観察者の網
    膜上に投影する投影光学系とを設けた頭部装着型映像表
    示装置本体、および前記頭部装着型映像表示装置本体を
    前記観察者の頭部に装着する装着手段とを有する頭部装
    着型映像表示装置と、 前記観察者頭部の縦横方向の変位方向及び変位量の信号
    を出力する縦横方向出力手段と、 この縦横方向出力手段により出力された変位信号に基づ
    き前記映像の虚像を前記変位方向とは逆向きに、かつ前
    記観察者の縦横方向変位量の絶対値の0.8倍以上1.
    2倍以下の範囲内で縦横方向に移動させる虚像位置縦横
    方向移動手段とこの虚像位置縦横方向移動手段に接続さ
    れた映像信号変換手段と、 この映像信号変換手段に接続された元映像信号発生手段
    とを設け、 前記映像表示素子は前記頭部装着型映像表示装置本体に
    固定され、前記虚像位置縦横方向移動手段は前記映像表
    示素子の表示面の共役面上での像を上記共役面上で移動
    させる映像表示素子共役像縦横方向移動光学系であり、
    この映像表示素子共役像縦横方向移動光学系による映像
    表示素子共役像の移動量の絶対値をΔY’、前記投影光
    学系の横倍率の絶対値をβ、前記縦横方向出力手段によ
    り出力された前記観察者の変位量の絶対値をΔyとした
    とき、条件0.8<Δy/(β・ΔY’)<1.2を満
    足するようにしたことを特徴とする頭部装着型映像表示
    システム。
  12. 【請求項12】 前記観察者の頭部が任意の範囲をこえ
    て空間的に移動した場合に、前記観察者の移動に係わら
    ず前記映像表示素子共役像を固定させておき、前記観察
    者の移動方向が前記移動に対して逆になった場合に、前
    記条件0.8<Δy/(β・ΔY′)<1.2を満足さ
    せるように前記映像表示素子共役像を移動させるように
    したことを特徴とする請求項11記載の頭部装着型映像
    表示システム。
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