JPH08219486A - 冷風装置 - Google Patents

冷風装置

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JPH08219486A
JPH08219486A JP7046393A JP4639395A JPH08219486A JP H08219486 A JPH08219486 A JP H08219486A JP 7046393 A JP7046393 A JP 7046393A JP 4639395 A JP4639395 A JP 4639395A JP H08219486 A JPH08219486 A JP H08219486A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外気の温度や湿度等に影響を受けずに冷気の
流れを生じさせ、建物内に冷風を確実に供給できる冷風
装置を提供すること。 【構成】 建物1の屋根5を上下に貫通し、内部に上下
方向に延在する空気通路25が形成された塔体5と、塔
体5の上部に設けられた空気取り入れ口11と、塔体5
の下部に設けられた水槽17と、塔体5の下部で前記水
槽17の上方における塔体5の側面箇所に設けられた空
気吹き出し口41と、空気通路25内において空気通路
25の上部から下方に向けて水をシャワー状に噴出させ
る水噴出手段15とを備える構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は屋内や、或は、屋外の休
憩所等に好適な冷風を供給する冷風装置に関する。
【0002】
【従来の技術】野外広場等において一定の場所だけ夏の
暑さを抑えようとする場合には、一般に、植物等によっ
て日陰を作る程度のことしかなされていないのが現状で
ある。これは、屋内と比較した場合、屋外では、その空
間が開放されているため、電動式のクーラー等では能力
的に限界があるためである。そこで、このような野外で
の暑さを抑えるものとして、一定の場所に冷気を吹き出
させる冷却塔が知られている。
【0003】この種の冷却塔は、砂漠地帯等で使用され
ているもので、地盤側から立設された塔体を備え、塔体
の内部には上下にわたって空間部が設けられている。こ
の塔体の上部には外気導入口が設けられ、外気導入口に
水蒸発部材が取着され、水蒸発部材には水が供給され
る。そして、外気が水蒸発部材を通過する際に冷却され
て外気導入口から前記空間部に至り、冷却されて比重が
大きくなった冷気が自重により前記空間部の下部に流
れ、塔体下部の吹き出し口から冷気が吹き出される構造
となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな冷風供給方式によれば、冷気の自重により塔体の内
部に空気の流れを作る方式であるため、外気温度が非常
に高く且つ乾燥している場合以外は、塔体内部に冷気の
流れを生じさせることが余り期待できないという問題が
あった。すなわち、砂漠等のような所では外気温度が4
0℃以上で、湿度が20%前後であるため、15m程度
の高さの塔を設置すれば、10℃以上冷やされた冷気が
塔体の下部に0.3〜0.5m/s程度の流速で得られ
るが、日本国内の夏の場合では、最高外気温度が35℃
で、湿度が50〜70%前後であるため、15m程度の
高さの塔を設置しても冷気の流れを効果的に得ることが
できない。本発明は前記事情に鑑み案出されたものであ
って、本発明の目的は、外気の温度や湿度等の影響を受
けずに冷気の流れを確実に生じさせ、建物内部に冷風を
確実に供給でき、清涼感が得られる冷風装置を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明に係る冷風装置は、建物の屋根を上下に貫通し、
内部に上下方向に延在する空気通路が形成された塔体
と、前記塔体の上部に設けられた空気取り入れ口と、前
記塔体の下部に設けられた水槽と、前記建物内における
塔体の側面に設けられた空気吹き出し口と、前記空気通
路内において空気通路の上部から下方に向けて前記水槽
内の水をシャワー状に噴出させる水噴出手段とを備える
ことを特徴とする。
【0006】また、本発明は、前記水槽が前記空気通路
よりもその断面積が大きく形成されて建物内の床面に設
置され、前記空気通路を構成する塔体部分の周囲から露
出する水槽の上面がベンチに形成されていることを特徴
とする。また、本発明は、前記ベンチが熱伝導性の良い
材料により形成されていることを特徴とする。
【0007】また、本発明は、前記塔体の下部の水槽が
床面の上方で人の通行に障害とならないように人の背丈
よりも高い箇所に配置されていることを特徴とする。ま
た、本発明は、前記空気吹き出し口が、塔体の側面開口
に連結されたフレキシブルチューブにより構成されてい
ることを特徴とする。
【0008】
【作用】シャワーの落下により塔体内において上方から
下方に向かう空気流れが作られる。そして、空気流れに
おいて水滴が気化し、この気化熱により空気流れ中の空
気が冷却され、冷風となって空気吹き出し口から建物内
に吹き出される。
【0009】
【実施例】以下に、本発明の実施例について図面に基づ
き説明する。図1は第1実施例に係る冷風装置の断面正
面図を示す。1は野外に設けられた休憩所で、休憩所1
は複数の柱3と、これらの複数の柱3により支持された
屋根5とにより構成されている。7は冷風装置であり、
この冷風装置7は、鉛直に立設された塔体9と、塔体9
の上部に形成された空気取り入れ口11と、水噴出手段
15等により構成されている。
【0010】前記塔体9は、休息所1の中央部分で上下
方向に延在し屋根5の中心部分を貫通するパイプ21
と、パイプ21の外周を覆う断熱材23により構成さ
れ、パイプ21の内部には上下に延在する空気通路25
が形成され、実施例ではパイプ21の下端は基枠22上
で支持されている。前記パイプ21は透明な部材により
形成され、前記断熱材23が休息所1の屋根5から露出
する部分に設けられており、休息所1内ではパイプ21
の内部が見えるようになっている。
【0011】前記空気取り入れ口11は、断熱材23の
上端周壁に周方向に間隔をおいて複数形成され、断熱材
23の上端には、雨水の空気通路25への侵入を阻止す
る水平な屋根部材27が取着されている。前記パイプ2
1を構成する材料としては、合成樹脂等を用いることが
でき、また、断熱材23としては、木材やコンクリート
等を用いることができ、断熱材23により外部からの輻
射熱を遮断している。
【0012】前記水噴出手段15は、水をシャワー状に
して前記空気通路25内の上端から下方に向けて噴出さ
せるもので、空気通路25に臨むようにパイプ21の上
端に取着された複数のシャワーノズル31と、シャワー
ノズル31に供給すべき水が収容された水槽17と、シ
ャワーノズル31と水槽17とを接続する給水管33
と、給水管33に介設されたポンプ35等で構成されて
いる。
【0013】前記水槽17は前記パイプ21の下端に一
体的に形成されている。前記ポンプ35は基枠22内の
床面37上に設置され、このポンプ35により水槽17
内の水が給水管33を介してシャワーノズル31に供給
される。
【0014】さらに、前記パイプ21の下端寄りで水層
17の上方の箇所、例えば、人の背丈程度の高さの箇所
には、空気通路25内に連通する複数の吹き出し口41
が設けられている。空気吹き出し口41は、図2に示す
ように、パイプ21から突設する筒体43により形成さ
れ、パイプ21の内面箇所には空気吹き出し口41の上
半部を覆うように傘部材4101が設けられ、空気吹き
出し口41からシャワーの水が外部へ流出しないように
している。尚、筒体43の突設方向を若干上向きとすれ
ば、傘部材4101を要せずに水の流出を防止できる。
【0015】次に、作用について説明する。ポンプ35
を駆動させると、水槽17の水が給水管33を通じてシ
ャワーノズル31に供給され、シャワーノズル31から
水がシャワー状となって空気通路25内の上部から下方
に向けて噴出され、シャワーの水が空気通路25内を落
下する。このシャワーの水の落下により空気通路25内
の空気が下方へ流動し、空気通路25内においてシャワ
ーの水と共に、空気通路25内を上部から下方に向かう
空気流れ25aが形成される。この空気流れ25aによ
り、空気取り入れ口11から外気が空気通路25に吸い
込まれる。
【0016】そして、空気通路25内のシャワーを構成
する水滴の気化に伴う気化熱によって、空気通路25内
を流れる空気流れ25aが冷却され、空気流れ25aの
温度が下げられ、空気吹き出し口41から冷風として吹
き出され、休息所1の内部に冷風が供給される。これと
共に、空気通路25内を落下する前記シャワーの水は水
槽17に集められ、集められた水槽17の水はポンプ3
5により給水管33を通じてシャワーノズル31に還流
され、繰返し空気通路25内での空気の冷却が行なわれ
る。
【0017】本実施例によれば、空気通路25内におい
てシャワーにより空気流れ25aを強制的に作ると共
に、シャワーの気化熱により空気を冷却するので、外気
の温度や湿度等に影響を受けずに冷気の流れを生じさ
せ、休息所1内に確実に冷風を供給することができる。
また、休息所1に位置する空気通路25内の水が見える
ので、休息している人に清涼感を与えることができると
共に、従来とは趣きが異なったおもしろさを与えること
ができる。
【0018】次に、実験例について説明する。外気温度
が35℃、相対湿度が50%の下で、空気通路25の断
面を600mm×600mmの矩形とし、空気通路25の長
さを3mとし、水槽17に収容した水を150リットル
とし、シャワーノズル31を四個用い、各シャワーノズ
ル31より各々3リットル/minの水を噴出したとこ
ろ、空気通路25内において風速1m/sec程度の空
気流れ25aが発生し、また、この空気流れ25aの空
気吹き出し口41における温度は約28℃程度となっ
た。また、外気温度30℃、相対湿度70%程度の高湿
度の条件下において同様にして実験を行なったところ、
空気流れ25aは風速が1m/secで、空気吹き出し
口41における温度が26℃程度の結果が得られた。こ
の実験例からも明らかなように、外気の温度や湿度等に
影響を受けずに冷気の流れを確実に生じさせることがで
き、しかも、空気通路25の長さ、すなわち塔体9の高
さを大きくすることなく前記効果を達成できた。
【0019】尚、シャワーの噴出量を増やせば増やす
程、空気流れ25aの流速を大きくすることができる。
また、水をシャワー状に噴出させる場合、そのノズル3
1の径を小さくしていくとやがて霧状となるが、本発明
においてシャワー状とは霧状も含む。この場合、ノズル
31の径を小さくして行くにつれて、水滴も小さくな
り、空気流れ25aの流速は小さくなっていく。
【0020】次に、本発明の第2実施例について図3及
び図4を参照して説明する。尚、第1実施例と同一部分
の説明は省略する。図3は第2実施例に係る冷風装置の
断面正面図、図4は同下部の斜視図である。第2実施例
では、前記水槽17を、空気通路25を有するパイプ2
1の断面積よりも大きい矩形に形成し、パイプ21の周
囲から露出する水槽17の上面部分をベンチ45に形成
したものである。そして、ベンチ45により水槽17の
上部が閉塞され、空気吹き出し口41は、例えば、ベン
チ45に座った人の頭部近傍に冷風が吹き出される高さ
に設けられている。また、前記ベンチ45は、例えば、
金属等のような熱伝導性の良い材料により形成されてお
り、水槽17の水によって常時低い温度に保たれる構造
となっている。実施例では、図4に斜線で示すように、
水槽17の側面1701、ベンチ45、並びに背もたれ
となるパイプ21の下部側面2101がアルミ合金で形
成されている。尚、第2実施例では、ポンプ35は休息
所1の外に設置されている。第2実施例によれば、ベン
チ41に腰掛けることで水槽17内の水の冷たさが人に
伝達され、空気吹き出し口41から吹き出される冷風と
相まって安らぎ感や心地良さがより得られる。
【0021】次に、本発明の第3実施例について図5を
参照して説明する。図5は第3実施例に係る冷風装置の
下部の断面図である。第3実施例に係る冷風装置は第2
実施例と同様に水槽17の上面部分をベンチ45に形成
したもので、空気吹き出し口41の構造が前記第1,第
2実施例と異なる。すなわち、空気吹き出し口41は可
撓可能なフレキシブルチューブ47により構成され、こ
のフレキシブルチューブ47はパイプ21内で上下に延
在しその下端が水槽17内の水面上に位置し、上部が孔
2103からパイプ21外へ所定の長さ露出し、ベンチ
45に座った人が所望の角度に折り曲げられるように構
成されている。第3実施例によれば、冷風が吹き出され
る位置や向きを変えられ、これにより冷風を所望の箇所
に確実に当てられ、また、冷風装置に面白さを付加でき
る。
【0022】次に、本発明の第4実施例について図6乃
至図9を参照して説明する。図6は第4実施例に係る冷
風装置の断面正面図、図7は冷風装置の下部の断面図、
図8はポンプケースの正面図、図9は図7のA矢視図で
ある。本実施例では、図7に示すように、透明な部材に
より形成した下面が球面状の水槽17を設け、この水槽
17をパイプ21の下端に気密且つ液密に連結したもの
であり、水槽17の底面は、人の通行に障害とならない
ように人の背丈よりも高い位置に設けられている。パイ
プ21の下端と水槽17の上端との間にはフレーム51
が挟持され、フレーム51の中央の環状の部分5101
からケース53が垂設されている。前記ケース53の周
面には孔5301が形成され、ケース53内でポンプ3
5が支持され、水槽17内の水が給水管33からシャワ
ーノズル31に供給される。ケース53の下部には照明
室55が画成され、照明室55内で下方に向けてライト
57が点灯されるように構成されている。また、水槽1
7の上方のパイプ21箇所には、斜め上向きに筒体59
が突設され、この筒体59に可撓可能なフレキシブルチ
ューブ61が取着され、このフレキシブルチューブ61
の先端開口により空気吹き出し口41が構成され、水槽
17の下方に立った人が、フレキシブルチューブ61を
折り曲げ、冷風が吹き出される位置や向きを変えられる
ようにしている。本実施例によれば、前記第1乃至第3
実施例と同様に確実に冷風を休息所1に供給することが
できると共に、水槽17内の水がライト57により照ら
し出され、面白さや清涼感が得られる。
【0023】尚、前記実施例では、野外の休憩所1に適
用した場合について説明したが、例えば、通常の一般住
宅やオフィスビル、体育館等の屋内にも広く適用するこ
とにより、同様の効果を得ることができる。
【0024】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明に係
る冷風装置は、建物の屋根を上下に貫通し、内部に上下
方向に延在する空気通路が形成された塔体と、前記塔体
の上部に設けられた空気取り入れ口と、前記塔体の下部
に設けられた水槽と、前記建物内における塔体の側面に
設けられた空気吹き出し口と、前記空気通路内において
空気通路の上部から下方に向けて前記水槽内の水をシャ
ワー状に噴出させる水噴出手段とを備える構成とした。
そのため、外気の温度や湿度等の影響を受けずに冷気の
流れを生じさせ、建物内に入った人や建物内のベンチで
休息する人に確実に冷風を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る冷風装置の断面正面図であ
る。
【図2】空気吹き出し口の断面図である。
【図3】第2実施例に係る冷風装置の断面正面図であ
る。
【図4】第2実施例に係る冷風装置の下部の斜視図であ
る。
【図5】第3実施例に係る冷風装置の下部の断面図であ
る。
【図6】第4実施例に係る冷風装置の断面正面図であ
る。
【図7】第4実施例に係る冷風装置の下部の断面図であ
る。
【図8】ポンプケースの正面図である。
【図9】図7のA矢視図である。
【符号の説明】
1 休憩所 5 屋根 7 冷風装置 9 塔体 11 空気取り入れ口 15 水噴出手段 17 水槽 25 空気通路 35 ポンプ 37 床面 41 空気吹き出し口 45 ベンチ 47,61 フレキシブルチューブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石木 美都夫 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目6番15号 株 式会社フジタ内 (72)発明者 矢島 聡 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目6番15号 株 式会社フジタ内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の屋根を上下に貫通し、内部に上下
    方向に延在する空気通路が形成された塔体と、 前記塔体の上部に設けられた空気取り入れ口と、 前記塔体の下部に設けられた水槽と、 前記建物内における塔体の側面に設けられた空気吹き出
    し口と、 前記空気通路内において空気通路の上部から下方に向け
    て前記水槽内の水をシャワー状に噴出させる水噴出手段
    と、 を備えることを特徴とする冷風装置。
  2. 【請求項2】 前記水槽は前記空気通路よりもその断面
    積が大きく形成されて建物内の床面に設置され、前記空
    気通路を構成する塔体部分の周囲から露出する水槽の上
    面がベンチに形成されている請求項1記載の冷風装置。
  3. 【請求項3】 前記ベンチが熱伝導性の良い材料により
    形成されている請求項2記載の冷風装置。
  4. 【請求項4】 前記塔体は、その下部の水槽が床面の上
    方で人の通行に障害とならないように人の背丈よりも高
    い箇所に配置されている請求項1記載の冷風装置。
  5. 【請求項5】 前記空気吹き出し口は、塔体の側面開口
    に連結されたフレキシブルチューブにより構成されてい
    る請求項1,2,3または4記載の冷風装置。
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