JPH08217992A - 耐擦傷性、防曇性に優れたポリカーボネート樹脂成型品およびそれを用いたヘルメットシールドならびにそれらの製造方法 - Google Patents

耐擦傷性、防曇性に優れたポリカーボネート樹脂成型品およびそれを用いたヘルメットシールドならびにそれらの製造方法

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JPH08217992A
JPH08217992A JP7049334A JP4933495A JPH08217992A JP H08217992 A JPH08217992 A JP H08217992A JP 7049334 A JP7049334 A JP 7049334A JP 4933495 A JP4933495 A JP 4933495A JP H08217992 A JPH08217992 A JP H08217992A
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polycarbonate resin
resin molded
scratch resistance
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helmet shield
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Masatoshi Takei
正俊 武居
Yuichi Matsuyama
裕一 松山
Yoshie Nagao
好恵 長尾
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた防曇性と湿潤時の耐擦傷性に優れた重
合硬化膜を有するポリカーボネート樹脂成型品を得るこ
と。 【構成】 ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ートとHLB値6〜10の界面活性剤とよりなる組成物の
重合硬化膜を設けた防曇性、耐擦傷性を備えたポリカー
ボネート樹脂成型品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水中に浸漬した後にお
いても表面硬度と、防曇性能がともに低下しない耐擦傷
性、防曇性に優れたポリカーボネート樹脂成型品、とく
にポリカーボネート製ヘルメットシールド、および、そ
の製造方法に関する。本発明のポリカーボネート樹脂成
型品の具体的な用途としては、ゴーグルを含むヘルメッ
トシールドや、鏡、眼鏡、サンバイザー、ショーケー
ス、メーターカバー等が挙げられる。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂成型品は、透明
性、耐衝撃性に優れ、さらに、加工が容易であることか
ら、レンズ分野から電気、建築分野を含め、多岐の分野
にわたって利用されており、とくに、その耐衝撃性を利
用し、ヘルメットシールドとして有用に用いられてい
る。
【0003】しかしながら、これらの透明なポリカーボ
ネート樹脂成型品は、高温多湿の場所または温度差や湿
度差の大きい雰囲気下で使用された場合、表面に結露が
生じ、これによって表面が曇り、その透明性が失われて
視認性が損なわれる難点がある。さらに、ポリカーボネ
ート樹脂成型品は、その表面が傷つきやすく、この傷に
よるポリカーボネート樹脂成型品の透明性の低下が生じ
るといった難点があり、とくにポリカーボネート樹脂製
のヘルメットシールドは有用なものの、これらの難点を
解決し得たヘルメットシールドの開発が待たれるところ
である。
【0004】これらの難点を解決し、防曇性能を付与し
たポリカーボネート樹脂成型品を得るために、ポリカ
ーボネート成型品基材表面を疎水性にする、該基材表
面を親水性にする、該基材に吸水性を持たせる、など
の方法が提案されており、これらに関する種々の改良法
の試みがなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来開
発されてきた防曇性能を備えたポリカーボネート樹脂成
型品は、水中や水分の多い湿潤状態雰囲気下に使用した
場合の耐擦傷性が劣るとともに、防曇性保持効果も低い
ため、製品の防曇性がなくなる度ごとに繰り返し防曇剤
を塗布し直さなければならないという難点があり、とく
に、ヘルメットシールドでは、防曇性低下、湿潤時の耐
擦傷性低下は極めて大きな難点となっている。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、湿
潤状態雰囲気下に使用しても、耐擦傷性の低下をきたす
ことがなく、かつ、防曇性の保持特性に優れたポリカー
ボネート樹脂成型品を得ること、およびその効率的な製
造方法を開発すべく検討した結果、本発明を完成したも
のである。
【0007】すなわち、本発明の要旨とするところは、
ポリカーボネート樹脂成型品を25℃の水中に7時間浸漬
した後の耐擦傷性が、後記するスチールウール摩擦試験
において、傷のつき始める荷重が50〜200gの範囲にあ
り、かつ、該ポリカーボネート樹脂成型品を40℃の飽和
蒸気雰囲気下に曝した時、該樹脂成型品表面に曇りが生
ずるまでの時間が10分以上なる特性を備えた耐擦傷性、
防曇性に優れたポリカーボネート樹脂成型品、とくに、
ポリカーボネート樹脂成型品がヘルメットシールドより
なる発明、ポリカーボネート樹脂成型品の片面または両
面に、一般式[1]で示される化合物95.0〜99.95 重量%
と、親水性−親油性平衡(HLB)値が6〜10を満足す
る界面活性剤 5.0〜0.05重量%を含む組成物の重合硬化
膜を設けた耐擦傷性、防曇性に優れたポリカーボネート
樹脂成型品よりなる発明、
【化3】 および、ポリカーボネート樹脂成型品を30〜60℃に加熱
し、一般式[1] で示される化合物95.0〜99.95 重量%
と、親水性−親油性平衡(HLB)値が6〜10を満足す
る界面活性剤 5.0〜0.05重量%に光重合触媒 0.1〜5.0
重量%を加えた処理液を予め30〜60℃に加熱した樹脂成
型品の片面または両面に塗膜を形成した後、紫外線を照
射して塗膜を硬化し、耐擦傷性、防曇性に優れた硬化塗
膜を有するポリカーボネート樹脂成型品の製造方法より
なる発明にある。
【化4】
【0008】ポリカーボネート樹脂成型品の評価は、次
のごとき測定条件にて行った。 [耐擦傷性]所定の荷重をのせた#0000スチールウール
の円形パッド(1cmφ)を樹脂成型品表面に当て、スク
ラッチテスターにより 100回擦過し、樹脂成型品表面に
傷のつき始める最低荷重にて評価した。 [防曇性能]水温40℃の恒温水槽の水面上部に樹脂成型
品の防曇性を測定する部位を水面に向けて載置した状態
で固定し、水槽を密封した状態で25℃の室内に設置し、
樹脂成型品表面が曇りが生ずるまでの時間にて評価し
た。 [防曇性能の耐久性]樹脂成型品を25℃の水中に7時間
浸漬した後の樹脂成型品を、上記した耐擦傷性、ならび
に防曇性能を測定して評価した。
【0009】本発明のポリカーボネート樹脂成型品は、
その表面耐擦傷性がスチールウール摩擦試験において、
傷のつき始める荷重が50〜200gの範囲にあるため、この
樹脂成型品をヘルメットシールドやヘッドランプなどと
して利用した場合にも、極めて優れた耐擦傷性を発揮す
る。
【0010】ポリカーボネート樹脂成型品の表面耐擦傷
性は高すぎるとその耐衝撃性が低下する場合も生ずるの
で、スチールウール摩耗試験での傷のつき始める荷重が
200g程度までの耐擦傷性としておくのがよい。
【0011】本発明のポリカーボネート樹脂成型品の防
曇性は、該樹脂成型品を40℃飽和水蒸気雰囲気中に保持
した際、該成型品表面に曇りが発生するまでの時間が10
分以上あることが必要である。この時間が10分未満の樹
脂成型品は、高湿度雰囲気下に曝されると容易にその表
面に水滴による曇りが生じてしまい、該樹脂成型品をヘ
ルメットシールドとして用いる場合には、その視認性が
不足したものとなる。
【0012】本発明のポリカーボネート樹脂成型品およ
びその製造方法について、以下、より詳細に説明する。
【0013】本発明において基材として用いたポリカー
ボネート樹脂成型品とは、ポリカーボネートをインジェ
クション成型により板状またはヘルメットシールド状等
に成型したものを意味し、「(メタ)アクリレート」と
は「アクリレートまたはメタクリレート」を意味する。
【0014】樹脂成型品表面に防曇層を形成するに際し
ては、ポリカーボネート樹脂成型品と耐擦傷性を備えた
処理剤を硬化してなる被膜との密着性を向上させるため
に、処理剤の塗布に先立ち樹脂成型品をあらかじめ加熱
することが好ましく、具体的にはポリカーボネート樹脂
成型品の加熱温度は、30〜60℃の範囲とすることが好ま
しい。ポリカーボネート樹脂成型品を60℃以上に加熱す
ると、該樹脂成型品表面に塗布した処理剤が表面を部分
的に溶解し、その表面部が白化する原因となる。また、
ポリカーボネート樹脂成型品の加熱温度が30℃以下であ
ると、該樹脂成型品と、その上に形成した防曇層との密
着性が劣ったものとなるので好ましくない。
【0015】ポリカーボネート樹脂成型品に防曇層を形
成せしめるためには、ポリカーボネート樹脂成型品の片
面または両面に処理剤を塗布する。この塗布条件はとく
に限定されるものではないが、好ましくは処理剤を30〜
50℃に加温して樹脂成型品上に塗布すればよい。
【0016】本発明で用いる処理剤の組成は、一般式
[1] で示されるポリエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート95.0〜99.95 重量%、HLB値6〜10なる界面
活性剤、 5.0〜0.05重量%を含む組成のものである。
【化5】
【0017】本発明で用いる一般式[1] で示される化合
物の具体例としては、R1 の平均分子量が 170〜1100
で、nが4〜23の範囲にあり、かつ、R2 、R3 は水素
またはメチル基等であるものが挙げられる。一般式[1]
の化合物はnが4〜23と、その分子構造中にエーテル結
合を多く含み、これを含む重合硬化膜は水との濡れ性が
極めて優れている。
【0018】一方、n>24なる一般式[1] の化合物を含
む重合硬化膜は、耐擦傷性が劣る傾向にあり好ましくな
い。一般式[1] の化合物は二種以上を併用してもよい。
これら化合物のうち、アクリレート系化合物は空気中で
の硬化性が良好である。本発明において用いる一般式
[1] で示される化合物は「ジアクリレートまたはジメタ
クリレート」あるいは、両者の基を含む化合物を意味す
る。
【0019】これらの化合物は分子中に多くのエーテル
結合を含んでいるため、その重合硬化膜は水との親和性
に優れており、該硬化膜表面に付着した水分を薄い水膜
として拡散したり、水分を該硬化膜中に取り込み水滴の
形成を防止するため、優れた防曇効果を示す。この効果
はnが4〜23の範囲の化合物を含む重合硬化膜の場合に
顕著に発現される。n≦3以下の化合物を含む重合硬化
膜の防曇効果は低く、一方、n≧24なる化合物より作っ
た重合硬化膜は耐擦傷性が低いものとなる。
【0020】また、一般式[1] の化合物以外のその他の
(メタ)アクリレート系モノマーをに併用して本発明で
用いる処理剤の粘度を調整し、得られる重合硬化膜の膜
厚コントロールをしたり、水酸基含有モノマーを併用す
ることにより、さらに得られる重合硬化膜の防曇効果を
高めることなど、種々の機能性を付与する目的で添加す
ることができるが、耐擦傷性の発現を妨げないためには
添加量は30重量%以下とするのが好ましい。
【0021】一般式[1] で示される化合物と、その他の
(メタ)アクリレートのみからなる防曇層を設けたポリ
カーボネート樹脂成型品は、25℃の水中に7時間浸漬後
の耐擦傷性が、スチールウール摩擦試験において、傷の
つき始める荷重が50〜200gの範囲を保持しているが、耐
久性試験後の防曇効果が低下しやすいので好ましくな
い。
【0022】これに対し、本発明のポリカーボネート樹
脂成型品は、一般式[1] の化合物と特定の界面活性剤と
よりなる処理剤の重合硬化膜を備えているため、耐擦傷
性試験において、傷のつき始める荷重が50〜200gの範囲
と極めて高く、かつ、防曇性低下をきたさない樹脂成型
品が得られる。
【0023】通常のポリカーボネート樹脂成型品のスチ
ールウール摩擦試験で傷のつき始める荷重は15〜20gで
あることからすれば、本発明の樹脂成型品の耐擦傷性が
従来品に比べ良好なことが分かる。また、未処理のポリ
カーボネート樹脂成型品を40℃の飽和蒸気雰囲気下に曝
した時、その表面に曇りが生ずるまでの時間は2秒程度
と極めて不十分であるが、一般式[1] で示される化合物
のみの架橋被膜を有するポリカーボネート樹脂成型品の
防曇性も、未処理ポリカーボネート樹脂成型品に比べか
なり改善されるものの、十分なものではない。
【0024】そこで、本発明においてはポリカーボネー
ト樹脂成型品の耐擦傷性を低下させないで防曇効果を向
上させるために、一般式[1] で示される化合物に特定の
界面活性剤を添加したものをポリカーボネート樹脂成型
品に塗布硬化せしめたものとすることにより、その目的
を達成した。
【0025】本発明で用いる界面活性剤としては、HL
B値が6〜10のものであれば非イオン性、アニオン性、
カチオン性いずれでもよいが、好ましくは非イオン性活
性剤がよい。本発明で用いる非イオン性活性剤として好
ましくは、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリ
オキシエチレンオレイルエーテル、ソルビタンモノラウ
レート等が挙げられる。
【0026】本発明で用いる界面活性剤のHLB値は、
6〜10を満足することが必要である。HLB値が11以上
なる界面活性剤を含む処理剤にて形成した重合硬化膜
は、該界面活性剤の水に対する溶解性が高いため、該硬
化膜を有するポリカーボネート樹脂成型品を水中へ浸漬
すると、該硬化膜より界面活性剤が溶出するため、耐久
性良好な防曇性を備えたポリカーボネート樹脂成型品と
することが難しく、一方、HLB値が5以下なる界面活
性剤を含む重合硬化膜は、その防曇効果の発現性が乏し
い傾向にある。
【0027】本発明において、界面活性剤の含有量は0.
05〜5.0 重量%の範囲であることが好ましい。界面活性
剤の含有量が 5.0重量%を越える量含む処理剤にて形成
した重合硬化膜は、耐久性良好な防曇層とすることが難
しく、かつ、該重合硬化膜のポリカーボネート樹脂成型
品表面への密着性に劣るため、その使用時に重合硬化膜
の剥離が生ずる場合もあり好ましくない。また、界面活
性剤の含有量が0.05重量%より少ない量含む処理剤にて
形成した重合硬化膜は、本発明の目的とする高度な防曇
効果を備えたポリカーボネート樹脂成型品とすることが
できない。
【0028】本発明で用いる処理剤中に加える光重合触
媒としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイソブチ
ルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2-クロロチオ
キサンソン、2-ヒドロキシ−2-メチル−1-フェニル−プ
ロパン-1−オン等が挙げられるが、これらに限定される
ものではない。
【0029】該光重合触媒の使用量は、一般式[1] で示
される化合物の種類により異なるため限定されないが、
好ましくは 0.1〜10重量%である。
【0030】ポリカーボネート樹脂成型品表面に処理剤
を塗布する方法は、とくに限定されるものではないが、
例えば、ディップコート法、スプレーコーティング法、
ロールコート法、バーコート法等が挙げられる。
【0031】ポリカーボネート樹脂成型品が板状物であ
る場合には、処理剤をポリカーボネート樹脂成型品表面
に滴下流延させた被覆層上にポリエステルフィルム、ガ
ラス板といった紫外線透過物で覆い、その上面より光を
照射し、架橋硬化させることができる。
【0032】この場合の処理剤の塗布厚は得られる重合
硬化膜の耐擦傷性を確保し、かつ、防曇効果を維持する
ためには1〜 100μm、好ましくは10〜50μmの範囲と
するのがよい。膜厚が1μm以下なる重合硬化膜は耐擦
傷効果が十分でなく、一方、膜厚が 100μmを越える重
合硬化膜はクラックが入りやすく好ましくない。
【0033】このように、ポリカーボネート樹脂成型品
上に塗布した被膜を、活性エネルギー線照射を行い架橋
処理して重合硬化膜を形成することにより、本発明の目
的とする防曇性と耐擦傷性を備えたポリカーボネート樹
脂成型品を得ることができる。
【0034】ここで用いる活性エネルギー線はとくに限
定されるものてはなく、例えば、紫外線の場合、通常の
高圧水銀ランプでよく、その照射量は 300〜 2,000mJ/
cm2である。
【0035】以下、実施例、比較例によりさらに詳細に
説明する。
【0036】
【実施例1】2mm厚のポリカーボネート樹脂板[商品名
ダイヤライトP、三菱レイヨン社製]を、あらかじめ赤
外線ヒーターにより40℃に加熱し、この温度に保持し
た。一般式[1] の化合物として、ポリエチレングリコ
ールジアクリレート(n=4、R2 =H)58.5重量%、
一般式[1] の化合物として、ポリエチレングリコール
ジアクリレート(n=9、R2 =H)38.5重量%、界面
活性剤として、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル(HLB値 9.2)3重量%、および、光重合開始
剤として、2-ヒドロキシ−2-メチル−1-フェニル−プロ
パン−1-オン1重量%からなる組成の40℃に加温したコ
ーティング材をディスペンサーにより、前記加熱したポ
リカーボネート樹脂板表面に滴下し、厚さが20μmとな
るようにスペーサーで調整した後、ポリエステルフィル
ム(フィルム厚 100μm)でカバーし、その上側より紫
外線(高圧水銀ランプ使用、中心波長 365nm)を照射し
た。この紫外線照射量は 1,500mJ/cm2 であった。ポリ
エステルフィルムを剥離し、本発明のポリカーボネート
樹脂板を製造し、その特性を評価した結果を表1に示し
た。
【0037】
【実施例2〜8、比較例1〜6】表1に示したような組
成のコーティング材を用いる以外は、実施例1と同様に
して、ポリカーボネート樹脂板を得、その性能を評価し
た結果を表1に示した。
【0038】
【比較例7〜9】未加工のポリカーボネート製ヘルメッ
トシールド、市販の防曇ヘルメットシールド、および、
未加工ヘルメットシールドに市販の防曇剤を塗布した3
種のヘルメットシールドについて実施例1と同様に評価
した結果を表1に示した。
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明のポリカーボネート樹脂成型品は
優れた防曇性を有し、かつ、湿潤時における耐擦傷性を
も備えており、雨天等の高湿時に使用した場合や、温度
差の大きな環境にて使用した場合においても結露を生ず
ることなく、その視認性が良好に保たれたものとなって
いる。それゆえ、本発明の製造方法で、ヘルメットシー
ルドを製造すると、長期にわたって使用した場合におい
ても安全性の極めて高いヘルメットシールドを得ること
ができた。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 25℃の水中に7時間浸漬した後の耐擦傷
    性が、スチールウール摩耗試験において、傷のつき始め
    る荷重が50〜200gの範囲にあり、かつ、40℃の飽和水蒸
    気雰囲気下に曝した時に曇りが生ずるまでの時間が10分
    以上なる特性を備えた耐擦傷性、防曇性に優れたポリカ
    ーボネート樹脂成型品。
  2. 【請求項2】 ポリカーボネート樹脂成型品表面に、一
    般式[1] で示される化合物95.0〜99.95 重量%と、親水
    性−親油性平衡(HLB)値が6〜10である界面活性剤
    5.0〜0.05重量%を含む処理液からなる重合硬化膜を設
    けた、請求項1記載の耐擦傷性、防曇性に優れたポリカ
    ーボネート樹脂成型品。 【化1】
  3. 【請求項3】 一般式[1] で示される化合物95.0〜99.9
    5 重量%と、親水性−親油性平衡(HLB)値が6〜10
    を満足する界面活性剤 5.0〜0.05重量%に光重合触媒
    0.1〜5.0 重量%を加えた処理液を、予め30〜60℃に加
    熱したポリカーボネート成型品表面に塗膜を形成した
    後、紫外線照射せしめて塗膜を硬化することを特徴とす
    る請求項1または請求項2記載の耐擦傷性、防曇性に優
    れたポリカーボネート樹脂成型品の製造方法。 【化2】
  4. 【請求項4】 ポリカーボネート樹脂成型品がヘルメッ
    トシールドである、請求項1または請求項2記載のヘル
    メットシールド。
  5. 【請求項5】 ポリカーボネート樹脂成型品がヘルメッ
    トシールドである、請求項3記載の加工工程からなるヘ
    ルメットシールドの製造方法。
JP7049334A 1995-02-15 1995-02-15 耐擦傷性、防曇性に優れたポリカーボネート樹脂成型品およびそれを用いたヘルメットシールドならびにそれらの製造方法 Pending JPH08217992A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11116892A (ja) * 1997-10-16 1999-04-27 Toagosei Co Ltd 可視光又は活性エネルギー線硬化型防曇性組成物
JP2015229680A (ja) * 2014-06-03 2015-12-21 三菱レイヨン株式会社 活性エネルギー線硬化型防曇塗料組成物及び樹脂成形物

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