JPH06136165A - 耐擦傷性に優れた防曇性アクリル樹脂成型品およびその製造方法 - Google Patents

耐擦傷性に優れた防曇性アクリル樹脂成型品およびその製造方法

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JPH06136165A
JPH06136165A JP4288687A JP28868792A JPH06136165A JP H06136165 A JPH06136165 A JP H06136165A JP 4288687 A JP4288687 A JP 4288687A JP 28868792 A JP28868792 A JP 28868792A JP H06136165 A JPH06136165 A JP H06136165A
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JP
Japan
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acrylic resin
resin molded
fogging
agent
molded article
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Application number
JP4288687A
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English (en)
Inventor
Masatoshi Takei
正俊 武居
Yasuo Takada
靖夫 高田
Yoshinobu Shiraishi
義信 白石
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】アクリル樹脂の膨潤剤メチルメタクリレート単
独、もしくはメチルメタクリレートとポリメチルメタク
リレートとの混合液にてアクリル樹脂成型品表面を下地
処理し、次いで一般式1の化合物98.0〜99.95
重量%と親水性−親油性平衡(HLB)が6〜10を満
足する界面活性剤2.0〜0.05重量%からなる処理
液にて重合形成せしめた耐擦傷性に優れた防曇性アクリ
ル樹脂成型品。 (Rは−(CHCHO)−、Rは水素または
メチル基を示す。) 【効果】優れた防曇性を有し、湿潤時における対擦傷性
を保持したアクリル樹脂成型品が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
【0002】本発明は、水中に浸漬した後においても表
面硬度と、防曇性能が共に低下しない耐擦傷性に優れた
防曇性アクリル樹脂成型品およびその製造方法に関す
る。本発明の用途としては、鏡、眼鏡、ゴークル、バイ
ザー、ショーケース、メーターカバー等があげられる。
【0003】
【従来の技術】アクリル樹脂成型品は、透明性に優れさ
らに加工性が容易であることから、レンズ分野から電気
・建築分野を含め、多岐にわたって利用されている。
【0004】しかしながら、これらの透明なアクリル樹
脂成型品は、高温多湿の場所または温度差や湿度差の大
きい境界面で使用された場合、表面に結露が生じ、これ
によって表面が曇り透明性が失われたり、アクリル樹脂
成型品表面が傷つきやすく、この傷によるアクリル樹脂
の透明性の低下が生じるといった問題点が生じる。
【0005】従って、これらの問題点を解決するため
に、防曇性能を付与するために、基材表面を疎水性に
する、基材表面を親水性にする、基材に吸水性を持
たせる、などの方法が提案されており、種々な試みがな
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
防曇性能をもつアクリル樹脂成型品及びその製造方法で
は、水を含ませた湿潤状態など水中に浸漬するような場
合においては、耐擦傷性に劣るなどの問題点があった。
【0007】そこで本発明は、湿潤状態でも耐擦傷性を
保持し、且つ防曇性に優れたアクリル樹脂成型品及びそ
の製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は鋭意検討をした
結果、アクリル樹脂成型品表面に、下地処理として該ア
クリル樹脂の膨潤剤を塗布した後、防曇剤を紫外線照射
すればこの目的達成に有効であることを見いだし、この
発明を完成するに到った。
【0009】すなわち、本発明の耐擦傷性に優れた防曇
性アクリル樹脂成型品およびその製造方法は、 (1)アクリル樹脂成型品表面に防曇層が形成されてお
り、該防曇層は、25℃の水中に7時間浸漬後の鉛筆硬
度が3H〜4Hであり、且つ40℃の飽和蒸気に曝した
ときの曇るまでの時間が10分以上である耐擦傷性に優
れた防曇性アクリル樹脂成型品。 (2)アクリル樹脂成型品表面に、一般式(1)で示さ
れる化合物98.0〜99.95重量%と親水性−親油
性平衡(以下HLBと示す)が 6〜10を満足する界
面活性剤2.0〜0.05重量%からなる処理液にて重
合形成せしめた耐擦傷性に優れた防曇性アクリル樹脂成
型品。
【化3】 (式中、R1は−(CH2CH2O)n−、R2は水素また
はメチル基を示す。) (3)アクリル樹脂成型品表面に、防曇層を形成せしめ
るのに際し、 前処理:該アクリル樹脂の膨潤剤としてメチルメタク
リレート単独、もしくはメチルメタクリレートとポリメ
チルメタクリレートとの混合液にてアクリル樹脂成型品
表面を下地処理し、 次いで、一般式(1)で示される化合物98.0〜9
9.95重量%と界面活性剤(HLB 6〜10)2.
0〜0.05重量%に、光重合触媒 0.1〜5.0重
量%を加えた防曇剤を調合し、 該アクリル樹脂成型品表面に塗布した後、 紫外線を照射する ことによって耐擦傷性に優れた防曇性アクリル樹脂成型
品を製造する方法、を特徴とするものである。
【0010】なお、本発明において、「成型品」とは、
一定の形状を有する物を意味する。また、「ジ(メタ)
クリレート」は「ジアクリレートまたはジメタアクリレ
ート」を意味する。
【0011】
【作用】以下、本発明のアクリル樹脂成型品及びその製
造方法について、より詳細に説明する。
【0012】本発明でいうアクリル樹脂とは、メチルメ
タクリレートを主成分とした重合物であり、その単独も
しくは共重合物である。共重合モノマーとしては、例え
ばアクリル酸、n−ブチルアクリレート、スチレン、マ
レイン酸、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート等が挙げられるが、これらの限定されるものでは
ない。
【0013】アクリル樹脂成型品とは、例えば重合時
に、キャスト成型による板状、乳化重合した後インジェ
クション成型による複雑な形状の成型品である。
【0014】アクリル樹脂成型品の表面に防曇層を形成
するに際し、アクリル樹脂と防曇剤との密着性を向上さ
せるために下地処理を行う必要がある。この下地処理に
用いるものとしては、アクリル樹脂の膨潤剤を選定すれ
ばよいが、下地処理剤と防曇剤との相溶性などからメチ
ルメタクリレート単独、もしくはメチルメタクリレート
をポリメチルメタクリレートで適度な粘度を調整した混
合液が好ましい。
【0015】下地処理方法は公知の方法でよく、ディッ
プコート法、ロールコート法、バーコート法等が挙げら
れるが、アクリル樹脂成型品の形状によって、適宜選べ
ば良い。例えば、アクリル樹脂成型品が複雑な形状の場
合はディップコート法、板状の場合は、ロールコート法
やバーコート法を用いる。
【0016】以上のようにして、アクリル樹脂成型品表
面に前処理剤で膨潤相を形成せしめるが、この条件は特
に限定されるものでない。
【0017】ついで、防曇層を形成せしめるために、下
地処理されたアクリル樹脂成型品表面の膨潤相の上に防
曇剤を塗布する。この条件は特に限定されるものではな
いが、好ましくは、下地処理を行い25℃の雰囲気中に
5秒〜5分間放置して膨潤層を形成した後、防曇剤を塗
布すればよい。
【0018】本発明で用いる防曇剤の組成は、ポリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート 98.0〜9
9.95重量%、HLB 6〜10を満足する界面活性
剤 2.0〜0.05重量%の範囲で使用する必要があ
る。
【0019】本発明で用いる一般式(1)で示される化
合物として、具体的にはR1の平均分子量が200〜6
00であり、かつR2が水素またはメチル基等が挙げら
れる。これらのモノマーは、一種のみを使用しても良い
し、二種以上を併用しても良い。
【0020】一般式(1)で示される化合物のモノマー
のみからなる防曇層をアクリル樹脂成型品表面に形成し
ても、該アクリル樹脂成型品表面は、25℃の水中に7
時間浸漬後の鉛筆硬度は3H〜4Hを保持しており、ま
た防曇効果も認められる。しかし、本発明で言う40℃
の飽和蒸気に曝した時の曇るまでの時間は、1分程度で
あり不十分である。
【0021】そこで、鉛筆硬度を低下させないで防曇効
果を向上させるために、防曇剤に界面活性剤を添加す
る。
【0022】該界面活性剤としては、非イオン性、アニ
オン性、カチオン性いずれでもよいが、好ましくは非イ
オン性活性剤が望ましい。
【0023】本発明の非イオン性活性剤として好ましく
は、例えばポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシ
エチレノレイルエーテル、ソルビタモノラウレート等が
挙げられる。
【0024】なお、本発明でいう界面活性剤のHLB
は、6〜10を満足することが必要である。HLBが1
1以上であると界面活性剤が水に溶解するため、水中へ
浸漬すると溶出し耐久性に劣り、HLBが5以下である
と防曇効果が無くなる。
【0025】界面活性剤の含有量が2.0重量%より多
い場合は、防曇層の水に対する耐久性が劣ると共に、ア
クリル樹脂成型品表面と防曇層との密着性に劣るため使
用できない。また、界面活性剤の含有量が、0.05重
量%未満であると、本発明の防曇効果が達成できない。
【0026】光重合触媒は、防曇剤の重合が空気硬化性
のよくない場合に用いればよい。該光重合触媒として
は、例えばベンゾフェノン、ベンゾイソブチルエーテ
ル、ベンジルジメチルケタール、2−クロロチオキサン
ソン、2−ヒドロクシ−2−メチル−1−フェニル−プ
ロパン−1−オン等が挙げられるが、これらに限定され
るものではない。
【0027】また、該光重合触媒の量は一般式(1)で
示される化合物の種類により異なるため限定はされない
が、好ましくは0.1〜5.0重量%である。
【0028】下地処理を行ったアクリル樹脂成型品表面
に防曇剤を塗布する方法は、特に限定されるものではな
いが、例えば、ディップコート法、ロールコート法、バ
ーコート法等が挙げられる。
【0029】防曇剤をアクリル樹脂成型品表面に滴下流
延させてポリエステルフィルム、ガラス板といった紫外
線透過物で覆う等の各手段が使用できる。この場合の防
曇剤の塗布厚は、鉛筆硬度が3H〜4Hを保持させ、且
つ防曇効果を維持するために1μm〜500μmが好ま
しい。
【0030】以上の方法によって、防曇剤を塗布したア
クリル樹脂成型品表面に、活性エネルギー線を照射を行
った後、紫外線透過物を剥離し、本発明の防曇性アクリ
ル樹脂成型品を得る。
【0031】ここで用いる活性エネルギー線は特に限定
はされるものではない。例えば、紫外線の場合通常の高
圧水銀ランプでよく、照射量は300mJ/cm2〜2
000mJ/cm2である。
【0032】
【実施例】以下、実施例、比較例により更に詳細に説明
する。
【0033】[実施例1]メチルメタクリレートモノマ
ーを、3mm板厚となるように設定されたガラス板間に
流し込み、60℃の温水浴槽にて重合し、アクリル樹脂
成型品を得た。
【0034】前記アクリル樹脂成型品表面の防曇剤処理
を行うため、下地処理剤として25℃に保たれたメチル
メタクリレート液に30秒浸漬し、5m/min.の速
度で引き上げた。ついで、防曇剤としてポリエチレング
リコールジアクリレート(R1=400,R2=H)9
9.8重量%と、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル(HLB 9.2)0.2重量%とからなる組成物を浴槽
に準備し、該下地処理済みアクリル樹脂板を浸漬した。
【0035】引き上げた後、塗膜の厚さが100μmと
なるように、該アクリル樹脂板の両面をポリエステルフ
ィルムでカバーし、紫外線(高圧水銀ランプ使用:中心
波長365nm)を照射した。この時の紫外線照射量は
1500mJ/cm2であった。
【0036】そして、ポリエステルフィルムを剥離し、
本発明の防曇性付与アクリル樹脂成型品を得た。
【0037】[実施例2〜4,比較例1〜4]表1に示
したような防曇剤の各組成物及びその組成比を用いる以
外は実施例1と同様にして、防曇性アクリル樹脂成型品
とした。
【0038】
【表1】
【0039】[評価]以下記載する条件下で、実施例1
〜4,比較例1〜4で作製した各アクリル樹脂成型品の
評価を行った。評価結果は、表1に示す。
【0040】鉛筆硬度 JIS K−5400に従い、鉛筆引っかき試験(1K
g)により測定し、傷の付かない最高の鉛筆硬度を示し
た。 防曇性能 水温40℃の恒温水槽上部に防曇性を測定する部位を下
にして密封し、25℃の室内に設置し、曇るまでの時間
を示した。 防曇性能の耐久性 25℃の水中に7時間浸漬した後、鉛筆硬度、並びに防
曇性能を評価した。
【発明の効果】本発明によれば、優れた防曇性を有し、
且つ湿潤時における耐擦傷性を保持したアクリル樹脂成
型品が得られる。また、その工程も簡易であり、廉価な
設備で実施可能である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリル樹脂成型品表面に防曇層が形成さ
    れており、該防曇層は、25℃の水中に7時間浸漬後の
    鉛筆硬度が3H〜4Hの硬度を保持し、且つ、40℃の
    飽和蒸気に曝したときの曇るまでの時間が10分以上で
    ある耐擦傷性に優れた防曇性アクリル樹脂成型品。
  2. 【請求項2】アクリル樹脂成型品に防曇層が形成されて
    おり、該防曇層が、一般式(1)で示される化合物9
    8.0〜99.95重量%と親水性−親油性平衡(HL
    B)が6〜10を満足する界面活性剤2.0〜0.05
    重量%からなる処理液にて重合形成せしめた耐擦傷性に
    優れた防曇性アクリル樹脂成型品。 【化1】 (式中、R1は−(CH2CH2O)n−、R2は水素また
    はメチル基を示す。)
  3. 【請求項3】アクリル樹脂成型品に防曇層を形成せしめ
    るに際し、下地処理として該アクリル樹脂の膨潤剤 メ
    チルメタクリレート単独、もしくはメチルメタクリレー
    トとポリメチルメタクリレートとの混合液にてアクリル
    樹脂成型品表面を処理し、次いで、一般式(1)で示さ
    れる化合物98.0〜99.95重量%と親水性−親油
    性平衡(HLB)が6〜10を満足する界面活性剤2.
    0〜0.05重量%に光重合触媒0.1〜5.0重量%
    を加えた防曇剤を調合し、該アクリル樹脂成型品表面に
    塗布した後、紫外線を照射することを特徴とする耐擦傷
    性に優れた防曇性アクリル樹脂成型品の製造方法。 【化2】
JP4288687A 1992-10-27 1992-10-27 耐擦傷性に優れた防曇性アクリル樹脂成型品およびその製造方法 Pending JPH06136165A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015229680A (ja) * 2014-06-03 2015-12-21 三菱レイヨン株式会社 活性エネルギー線硬化型防曇塗料組成物及び樹脂成形物

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015229680A (ja) * 2014-06-03 2015-12-21 三菱レイヨン株式会社 活性エネルギー線硬化型防曇塗料組成物及び樹脂成形物

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